JP3584921B2 - 耐食性転がり軸受 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、洗濯機,釣り具等のように水や海水により錆が発生しやすいものに使用される転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
転がり軸受の外輪,内輪(以下、軌道輪という)や転動体,保持器などの各部材は、例えばC量0.8 wt%以下のSCr420H,SCM420H,SAE8620H,SAE4320Hなどの浸炭鋼、又は例えばSUJ−2のような軸受鋼、あるいはSKH,SKDなどの工具鋼等の合金鋼で作られる。それを浸炭又は浸炭窒化した後に熱処理硬化するか、又は焼入熱処理硬化して所要の表面硬さにした後に、組み立てて転がり軸受にしている。通常の転がり軸受の場合、上記の複数種の軸受材料と熱処理は、適宜に組み合わされて用いられている。
【0003】
しかし、このような軸受材料は、水や海水などにより錆やすいという欠点があり、例えばこれを洗濯機用のローラクラッチの軸受に使用した場合、錆によりローラクラッチの耐久寿命が短くなってしまう。こうした従来の転がり軸受の耐食性を改善するための提案としては、例えば実開平3−6135号公報および実開平4−105223号公報に開示されたものがある。
【0004】
前者は、一方向クラッチに関するもので、炭素鋼材をプレス成形したシェルの表面に窒化物層を形成したことにより耐蝕性を向上させ、シェルに対して水や海水などがかかっても錆びつきが防止できるとしている。後者も同じく一方向クラッチに関するもので、耐食処理を施した外輪に転がり部材を保持する保持環を嵌入した後、外輪の開口側を折り曲げ加工する必要がない構造として、折り曲げ加工による外輪耐食処理面の破壊をなくし、海水,水,ゴミ等による腐食の防止を図っている。その耐食処理としては、外輪の内外周面に窒化処理や他の耐食性を向上させる処理を施すことが例示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の従来技術には、炭素鋼材からなる部材の表面に窒化処理を施すことにより耐蝕性を向上させることが開示されている。しかしながら、窒化層は硬くて延性効果が少ないため、転がり軸受に適用した場合は、回転使用時初期の転動体と軌道面との「なじみ効果」による低振動・低騒音を期待することが難しいという問題点があった。ちなみに、ローラクラッチでは、ロック−アンロック動作を円滑に行う上でも、この「なじみ効果」が特に大切である。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、ニッケルメッキ層を形成することにより、耐食性を具備すると共に転動体と内・外輪の軌道面との良好な「なじみ性」も得られる耐食性転がり軸受を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明は、外輪,内輪,転動体及び保持器の各部材のうちの合金鋼からなる部材を浸炭又は浸炭窒化した後に熱処理硬化するか、又は焼入熱処理硬化して組み立ててなるローラクラッチの転がり軸受において、前記外輪,内輪および転動体のうち少なくとも内輪の表面にニッケルメッキ層を形成し、前記ニッケルメッキ層の厚さを5〜30μm、ニッケルメッキ層の硬さをHV 450〜HV 800とし、前記内輪の軌道面のニッケルメッキ層の粗さをHmax 0.5〜2.0μmとしたことを特徴とする。
【0008】
ここで、前記転がり軸受はローラクラッチである。
また、前記ニッケルメッキ層は無電解ニッケルメッキ層とすることができる。
また、外輪,内輪,転動体および保持器のニッケルメッキ層形成前の表面硬さをHR C58〜HR C65とすることができる。
【0009】
また、メッキ後加工することで内輪の軌道面のニッケルメッキ層の粗さをHmax 0.5〜2.0μmとする。
【0010】
【作用】
外輪,内輪および転動体のうち少なくとも内輪にニッケルメッキを施すことにより、良好な耐食性と「なじみ性」とを兼ね備えたローラクラッチの転がり軸受が得られる。以下、本発明に係る耐食性転がり軸受の耐食被膜の特性等について詳細に説明する。
【0011】
本発明の耐食性転がり軸受の外輪,内輪,転動体および保持器におけるニッケルメッキ層形成前の表面硬さは、HR C58〜HR C65であることが望ましい。HR C58未満ではそれらの部材表面が軟らか過ぎて、軸受の転がり疲れ定格寿命が保証できない。一方、前記表面硬さの上限値はHR C65に限定する必要はないが、通常の浸炭鋼,軸受鋼では焼入れ後にひずみ除去のため行われる焼戻処理(温度160〜180℃)の関係で、この値以上の硬さが出にくい。すなわち、いま、鋼の焼戻し温度とロックウエル硬さとの相関関係を例示すると、図1のグラフのようになる。鋼種は、表1の熱処理基準と軸受材料に相当するC量を有する油焼入用炭素工具鋼のYCS3及びYCS4の場合である。
【0012】
【表1】
【0013】
図1から、焼戻し温度100℃まではほぼHR C65と一定の硬さであるが、100℃を越えると温度上昇に応じて硬さが低下しはじめ、300℃ではHR C58程度になる。それ以上の焼戻し温度領域では温度にほぼ反比例して硬さが急激に低下する。このことから、本発明の場合のニッケルメッキ層形成前の部材の表面硬さ上限値はHR C65とされる。
【0014】
本発明のニッケルメッキ層の厚さは、5〜30μmとする必要がある。特に軌道輪と転動体の場合、内外輪軌道面と転動体とが相対的に転動するときの「なじみ層」を形成すると同時に、海水,水等に対して長期に耐食性を有する被膜を維持することが要求される。この要求を満たすには、上記厚さのニッケルメッキ層が必要である。厚さ5μm未満では、「なじみ効果」と耐食性の点で不十分であり、なじみ及び寿命のバラツキを少なくするには10μm以上の厚さが好ましい。一方、厚さが30μmを越えると、「なじみ効果」と耐食性が得られる割にはニッケルメッキ処理時間が長くなってコスト高をまねく。
【0015】
本発明のニッケルメッキ層の硬さはHV 450〜HV 800とする必要がある。そのニッケルメッキ層を形成するのに無電解ニッケルメッキ〔例えば、触媒ニッケルメッキ法であるKanigen(登録名)“General American Transportation Cooperation 社(GATC社)〕が好適であるが、その場合、メッキ直後は非晶質であり、加熱すると変態して結晶化する。そして、ニッケルメッキ(Ni)の他に一リン化三ニッケル(Ni3 P)の共晶体が析出し、析出硬化現象が生じて硬くなる。「なじみ効果」をもたせるには軟らかい方が望ましいのであるが、膜寿命の点からある程度硬くする必要があり、本発明にあってはその下限をHV 450好ましくはバラツキを少なくするためにHV 500以上とすることが必要である。
【0016】
一方、ニッケルメッキ層の硬さの上限に関しては熱処理温度と密接な関係がある。図2は、無電解ニッケルメッキ層の硬さと熱処理温度との相関を表したグラフで、100℃でビッカース硬度HV 500であるが、熱処理温度が高くなるにつれて硬度も高くなり、温度300℃でHV 800、400℃ではHV 900と極大になり、以後は温度上昇とともに硬度が低下している。
【0017】
すなわち、ニッケルメッキ膜を硬くするには、温度を高くすればある所までは硬さが上昇する。しかし外輪,内輪,転動体は一般に低合金炭素鋼から最終的に焼戻しして硬化熱処理が完了する。したがって、先に述べたように、転がり軸受における転がり疲れ定格寿命を保証するべく鋼部材の表面硬さの下限値をHR C58に維持するためには、図1から明らかなように焼戻し温度を300℃以上にすることが出来ない。図2から、その熱処理温度300℃で達成できるメッキ層硬さは約HV 800であり、その値が本発明におけるニッケルメッキ層の最高硬さになる。
【0018】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
(第1実施例):(1) ニッケルメッキ軸受の耐食性・耐久性試験:供試品として軸受外径62mm、軸受内径30mm、幅16mm、ボール径9.525 mm(3 /8 インチ)の単列深みぞ玉軸受(6206)を製造し、日本精工株式会社製玉軸受寿命試験機を用いて基本定格寿命(L10)を測定した。
【0019】
被試験転がり軸受の外輪,内輪,転動体に対するニッケルメッキ層の形成は、次のような無電解ニッケルメッキ処理を施すことにより行った。
▲1▼トリクレン蒸気脱脂。
▲2▼アルカリ煮沸脱脂、5〜10分。
▲3▼水洗。
【0020】
▲4▼酸洗(10%塩酸)、1〜3分。
▲5▼水洗。
▲6▼カニゼンメッキ液に浸漬して無電解ニッケルメッキ。浸漬時間を部品の種類に応じ1〜3時間の範囲で選択して、メッキ膜厚を5μm〜35μmに調整した。
【0021】
▲7▼水洗。
▲8▼温風乾燥(炉内)。
▲9▼熱処理。連続炉により100〜400℃の範囲で温度を選択し、ニッケルメッキ層の硬さがHV 500〜900となるようにした。なお、この耐食性.耐久性試験においては、JIS Z2371の「塩水噴霧試験方法」を参照して、被試験軸受Sに対し濃度5%に調整した塩化ナトリウム水溶液を転送面に1分間噴霧し、塩水に対する耐食性を試験した。すなわち、「1分間塩水噴霧し11時間連続回転」を1サイクルとし、被試験軸受の振動値が所定値に達するまでのサイクル数(総回転時間)をもって寿命とする。40サイクルをもって打ち止めとした。試験条件は次の通りである。
【0022】
軸受回転数:2000rpm、ラジアル負荷荷重P:1400kgf、試験温度:室温上記寿命試験の結果を図 3,図4に示す。図3はニッケルメッキ層の厚さと転がり軸受寿命との関係を表し、図4は所定厚さ(20μm)のニッケルメッキ層の硬さ(熱処理温度で変化する)と転がり軸受寿命との関係を表している。
【0023】
図3から、ニッケルメッキ層の厚さに関しては、▲1▼0μmのもの(メッキなしのもの)と5μmのものとの間では軸受寿命に格段の差がある。▲2▼また、ニッケルメッキの膜厚が大きくなるにつれて寿命のバラツキが少なくなる。▲3▼20μmを越えると完全に40サイクル以上となり安定する、と言える。この結果から、ニッケルメッキ層の厚さの下限は5μm好ましくは10μm以上である。一方、厚さの上限はコストとの兼ね合いを考慮すると30μm程度とする必要がある。
【0024】
また図4から、ニッケルメッキ層の硬さに関して、▲1▼メッキ層硬さHV 400では軟らかすぎて摩耗しやすく、軸受寿命が短い。▲2▼ニッケルメッキ層の硬さがHV 450になると40サイクルを越えるものも出て格段に寿命が延びる。メッキ後の熱処理温度を高くするにつれてメッキ層自体の硬さは増し、軸受寿命は全て40サイクルとなって安定する。なお、メッキ後の熱処理温度が高くなると共に、軸受の外輪,内輪,転動体の素材の表面硬さは減少しており、実測値は、熱処理温度100℃でHR C65、200℃でHR C60、300℃でHR C58、400℃でHR C50になる。▲3▼ニッケルメッキ層の硬さがHV 800を越えると熱処理温度が300℃以上になり、したがって軸受外輪,内輪,転動体の素材の表面硬さがHR C58以下に低下してくる。そのため実質的なニッケルメッキ層の強度も低くなって、その結果軸受寿命が急激に短くなる。そして硬さHV 900(軸受素材の表面硬さHR C50)での寿命は数サイクル程度に低下してしまう。
【0025】
すなわち、ニッケルメッキ層の硬さ範囲としては、軸受外輪,内輪,転動体の素材の表面硬さがHR C58〜HR C65に維持できる熱処理温度との関連から、HV 450〜HV 800にする必要がある。
(2) 転がり軸受の初期なじみ効果試験:この試験は、被試験軸受Sの振動レベル(db)を定めて、これを基準に軸受運転初期(10分間)の振動レベルの変動を測定することで実施した。
【0026】
振動測定試験装置の概略を図5に示す。被試験転がり軸受Sを回転軸10にセットして、ラジアル負荷荷重Pkgf、動定格荷重CkgfとしたときのP/C=0.32となる荷重条件で回転軸10を回転させて、被試験軸受Sを作動させつつ振動ピックアップ11により所定時間毎に振動値を測定する。12はハウジングである。
【0027】
被試験軸受Sの外輪,内輪,転動体ボールの材料表面硬さはHR C60〜61、その表面に形成したニッケルメッキ層の硬さはHV 600とした。試験の結果を図6に示す。図6から、▲1▼ニッケルメッキをしないもの(メッキ厚0μm)は、振動レベルがスタートから10分経過までの間で不変であり、転がり軸受の初期なじみ効果は認められない。▲2▼ニッケルメッキ層を形成したものは、メッキ厚5μmから35μmに及ぶ全てに「なじみ効果」があり、回転後2分経過迄に振動レベルが大幅に小さくなって、以後はほぼ一定する。▲3▼メッキ厚30μmと35μmとでは差異がなく同等の「なじみ効果」がある。しかし、メッキ厚35μmのニッケルメッキ層の形成に要する成膜浸漬処理時間は、メッキ厚30μmのものの1.3 倍となりコスト高である。
【0028】
結局、転がり軸受の初期なじみ効果に関しては、ニッケルメッキ層の厚さを5〜30μmの範囲にする必要がある。
(第2実施例):転がり軸受としてのローラクラッチにニッケルメッキ層を形成して被試験軸受とした。
【0029】
図7のローラクラッチ1において、2は内周面に複数の凹部3を有する外輪で、その外輪2と内輪4(内輪がない場合は軸)との間に複数の転動体としてのローラ5と、そのローラ5と同数のポケット6及びローラ5を前記凹部3の斜面から離す方向に付勢するスプリング7を備えたプラスチックス製の保持器8が介装されている。
【0030】
寸法(単位mm)は、外輪…内径27×外径32×長さ4.5 内輪…内径15×外径17×長さ6.3 また、各構成部品の素材表面硬さは次のようにした。
外輪…HR C63〜63.5
内輪…HR C60〜62.5
ローラ…HR C63〜64
ニッケルメッキ層は、上記ローラクラッチ1の鋼材製の外輪2,内輪4のそれぞれの転動面とローラ5の表面に対して、先の実施例1で述べたのと同一条件で無電解ニッケルメッキ処理を施すことにより形成した。
(1) ローラクラッチにおける表面粗さとすべり率との関係試験:ニッケルメッキ層の厚さ,硬さは表2のようにした。
【0031】
【表2】
【0032】
上記のニッケルメッキ層を形成した後、軌道面とボール面を研磨して各種の表面粗さに調整したものを被試験軸受Sとして平均すべり角を測定した。なお、平均すべり角αは、ローラクラッチ1の揺動角θ(例えば±30°)、総揺動回数n(例えば1000回)、軸の総回転角(ロックして軸が回転される総角度)Ta °とするとα=(θ×n−Ta )/nで算出される。
【0033】
結果を図9に示す。Hmax 0.5未満では表面粗さが良すぎてすべり角αが大きくなる。一方、すべり角αがHmax 2.0を越えると、摩耗粉のためすべり角αの値がばらつく。特に内輪4で軌道面4aの表面粗さが2μmを越えると不連続音が出易かった。以上の結果から、ローラクラッチの内輪軌道面のニッケルメッキ層の粗さがHmax 0.5〜Hmax 2.0である必要がある。
【0034】
その結果を図10に示す。ニッケルメッキ層のビッカース硬さがHV 450未満では軟らかすぎて、クラッチ作動の態様(ロックが衝撃的か或いは静的か)により平均すべり角αのバラツキが大きい。一方、ビッカース硬さがHV 800を越えると、先に述べたように熱処理温度の高温により鋼素材地が軟らかくなりすぎてニッケルメッキ層が剥がれはじめ、その結果平均すべり角αのバラツキが大きくなる。
【0035】
したがって、ローラクラッチの鋼製部材のニッケルメッキ層の硬さは、HV 450〜HV 800である必要がある。なお、上記の各実施例においては、被試験軸受の構成部材である外輪,内輪,転動体および保持器のうち、外輪,内輪,転動体のそれぞれにニッケルメッキ層を形成したものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、外輪、内輪、及び転動体のうちの一部の部材にのみニッケルメッキ層を形成した場合も適用可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外輪,内輪,転動体及び保持器の各部材のうちの合金鋼からなる部材を浸炭又は浸炭窒化した後に熱処理硬化するか、又は焼入熱処理硬化して組み立ててなる転がり軸受において、前記外輪,内輪および転動体のうち少なくとも内輪の表面にニッケルメッキ層を形成し、前記ニッケルメッキ層の厚さを5〜30μmとしたため、塩水噴霧などの厳しい腐食環境下にあっても良好な耐食性を示すと共に、運転初期の転動体と軌道面との「なじみ性」も良好で使い勝手のよい転がり軸受が提供できるという効果が得られる。また、ニッケルメッキ層の硬さをHV 450〜HV 800としたため、外輪、内輪、及び転動体の素材の表面硬さをHR C58以上に維持でき、そのため実質的なニッケルメッキ層の強度も高くなり、その結果軸受寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受に用いうる鋼の焼戻し温度とロックウエル硬さとの相関を説明するグラフである。
【図2】本発明に適用する無電解ニッケルメッキ層の硬さと熱処理温度との相関を表したグラフである。
【図3】本発明のニッケルメッキ層の厚さと転がり軸受の寿命との関係を表したグラフである。
【図4】本発明のニッケルメッキ層の硬さと転がり軸受の寿命との関係を表したグラフである。
【図5】転がり軸受の振動測定試験装置の概略を説明する図である。
【図6】転がり軸受の運転初期の「なじみ性」に及ぼすニッケルメッキ層の膜厚の影響を振動レベルの変動で表したグラフである。
【図7】本発明の一実施例の断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】図7の実施例のニッケルメッキ層の面粗さと平均すべり角の関係を示すグラフである。
【図10】図7の実施例のニッケルメッキ層の硬さと平均すべり角の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 転がり軸受
2 外輪
4 内輪
5 転動体
8 保持器
Claims (1)
- 外輪,内輪,転動体及び保持器の各部材のうちの合金鋼からなる部材を浸炭又は浸炭窒化した後に熱処理硬化するか、又は焼入熱処理硬化して組み立ててなるローラクラッチの転がり軸受において、前記外輪,内輪および転動体のうち少なくとも内輪の表面にニッケルメッキ層を形成し、前記ニッケルメッキ層の厚さを5〜30μm、ニッケルメッキ層の硬さをHV 450〜HV 800とし、前記内輪の軌道面のニッケルメッキ層の粗さをHmax 0.5〜2.0μmとしたことを特徴とする耐食性転がり軸受。
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