JPH0244803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ストレーナ、特に排水ポンプの下面
に取付けるストレーナに関する。

従来、この種の排水ポンプの下端に取付けられ
るストレーナは、第１図に示すように、円筒状の
板１に多列状の穴２を設けた型式のものが多く用
いられて来た。ところが、このような構成のスト
レーナでは、穴２の高さｂが比較的高いため、排
水ポンプ３による運転可能の最低水位Ｌ、WLが
図示のように高く、従つて溜め内に残水が多く残
る欠点があつた。なお、第１図において、４は水
中モータ、５は水中ケーブル、６は吊り下げロー
プ、７は吐出管を示す。

上記の欠点に対処するために、側面と底面に吸
水穴を設け且つ吸水ホースに接続される吸水スト
レーナ本体の側面を囲むようにして、スカート
（円筒体）を取付け、該スカートには、下側（下
端縁）の所定個所に足を設け、マンホール等から
の排水時、該スカートの足の高さまで溜水の排水
を可能にした吸水ストレーナが既に考案されてい
る（実願昭53−166005号（実開昭55−84114号）
のマイクロフイルム参照）。

ところが、このものは、ポンプの吸水ホースの
先端に取付けられるストレーナに関するものであ
り、本考案のように、ポンプの下面に直接取付け
るようにしたものではなかつた。

本考案は、上記した従来技術の欠点を除去する
ことができ、極低水位でも有効に濾過作用をしな
がら揚水作用ができるばかりでなく、ポンプ本体
との組立、分解作業が容易で、且つポンプ据付設
置時の衝撃破損を防止するようにしたポンプ用ス
トレーナを提供することを目的としている。

上記の目的を達成するために、本考案は、排水
ポンプ等の下面に取付けられるストレーナにおい
て、該ストレーナを、内部に芯金を埋設したゴム
等の弾性体からなる薄い板状体によつて構成し、
該板状体の下面に、多数の突状体を千鳥状に且つ
内部に向かう程密になるように設けて通路を形成
したことを特徴としている。

以下、本考案の実施例を、図面について詳しく
説明する。

第２図は、本考案の一実施例を、排水ポンプの
底面に取付けた場合の要部を断面で示した側面図
であつて、ポンプケーシング３の内部には、羽根
車８がポンプ主軸８ａの軸端に、羽根止めナツト
９によつて取付けられており、該ポンプケーシン
グ３の下面には、薄い板状体で構成されたストレ
ーナ１０が密着して取付けられている。

上記板状体で構成された板状のストレーナ１０
は、その詳細図である第３Ａ図ないし第３Ｃ図に
示すように、中心部に、ポンプケーシング３の吸
込口と一致するように開口１１が設けられ、内部
にはほぼ三角形状をした芯金１２が埋設（モール
ド）され、該芯金１２は、その詳細図である第４
Ａ図ないし第４Ｃ図及び第５Ａ図及び第５Ｂ図に
示すように、その三つの隅部に、締付ボルト１３
用のストツパー１４が一体に溶接されている。そ
して該板状のストレーナ１０は、ゴム等の弾性材
料で構成され、その下面には、多数の突状体から
なる異物阻止片１５が、千鳥状に且つ内部に向か
う程密になるように配置して、また、前記ボルト
ストツパ１４を埋設した三つの隅部には、ポンプ
の支持体となるポンプ足１６が、それぞれ一体に
成形されている。なお、図中、ｇはストレーナ１
０と地面１８との間に形成された隙間、１９はス
トレーナ１０と中間ケーシング２０を締付けるた
めのナツト、２１はストレーナの上面に設けられ
ポンプケーシング３の下面との間をシールするた
めのリング状の突起、２３はエアロツク防止用翼
を示している。

この実施例によれば、該排水ポンプを水中に侵
漬し排水溜めの底（地面）１８に載置し、水中モ
ータ４を駆動して羽根車８を回転させると、水
は、板状ストレーナ１０の底面に設けられた異物
阻止片１５と地面１８との隙間ｇを通つて該スト
レーナ１０の全周から吸込まれ、開口１１を経て
ポンプケーシング３内に入り、羽根車８によりエ
ネルギを与えられて吐出管７より外部へ吐出され
る。

上記のような揚水ポンプ作用において、水が板
状ストレーナ１０の底面を通過する際、異物阻止
片１５は、千鳥状に且つ内部に向かう程密になる
ように配置されているので、吸込水の中に含まれ
る異物は、異物阻止片１５によつて吸込口１３へ
入るのを阻止され、ストレーナとしての作用（機
能）を果たしている。また、ストレーナ１０とポ
ンプケーシング３と９間には、Ｏリング状突起２
１が形成されているので、この間から流体を吸込
むことがなく、すべて上記隙間ｇを経て吸込開口
１１からポンプケーシングへ吸込まれる。

従つて、排水作用により次第に水位が低下して
も、前記隙間ｇに相当する極低水位に至るまで揚
水ポンプ作用を継続することができるので、溜め
内に残水は殆んど残らない。

また、この実施例によれば、弾性ストレーナ１
０に埋設された芯金１２にボルトストツパ１４が
溶接されているので、スパナ本でナツト１９を回
わすだけで、ポンプケーシング３、中間ケーシン
グ２０、ストレーナ１０を一体に締付けることが
でき、従つて組立・分解作業が容易である。ま
た、芯金１２をほぼ三角形状にしたことにより、
ケーシング３の外部にはみ出すストレーナ１０は
ゴムの部分のみとなり、衝撃が加わつて芯金１２
が変形することを防ぐことができるし、また、ス
トレーナが弾性体で作られているので、据付設置
の際の衝撃をケーシング３に与えることがなく、
破損を防ぐことができる。

以上説明したように、本考案によれば、ポンプ
の下面に取付けられるストレーナを、内部に芯金
を埋設したゴム等の弾性体からなる薄い板状体に
よつて構成し、該板状体の下面に、多数の突状体
を千鳥状に且つ内部に向かう程密になるように設
けて通路を形成したことにより、次のような効果
が奏される。

(i) 下面に通路を有する薄い板状体によつてスト
レーナを構成しているので、極低水位でも有効
に濾過作用ができ、該通路の高さに相当する極
低水位まで有効に排水することが可能である。

(ii) 上記ストレーナを、内部に芯金を埋設したゴ
ム等の弾性体からなる薄い板状体で構成してい
るので、上記芯金を介してポンプ本体と一体に
締結することが可能となり、従つて、ポンプ本
体との組立、分解作業が容易であるばかりでな
く、ポンプを据付設置する際の衝撃、破損を防
止することができる。

(iii) 薄い板状体からなるストレーナの下面に形成
される濾過作用を行なう通路を、多数の突状体
を千鳥状に且つ内部に向かう程密になるように
配設して形成したことにより、一体成形が可能
な簡単な構造で、吸込水の中に含まれる異物を
これらの突状体（異物阻止片）によつてポンプ
吸込口へ入るのを有効に阻止することができ、
ストレーナの作用を果たしている。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のストレーナを取付けた排水ポン
プの側面図、第２図は本考案のストレーナの一実
施例を取付けた排水ポンプの一部を断面で示した
側面図、第３Ａ図ないし第３Ｃ図は上記ストレー
ナの両側面図と断面図、第４Ａ図ないし第４Ｃ図
は上記ストレーナに埋設される芯金の両側面図と
断面図、第５Ａ図及び第５Ｂ図は締付ボルトとそ
のストツパの断面図及び側面図である。 ３……ポンプケーシング、８……羽根車、１０
……ストレーナ、１２……芯金、１３……締付ボ
ルト、１４……ボルトストツパ、１５……異物阻
止片（突状体）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 排水ポンプ等の下面に取付けられるストレー
   ナにおいて、該ストレーナを、内部に芯金を埋
   設したゴム等の弾性体からなる薄い板状体によ
   つて構成し、該板状体の下面に、多数の突状体
   と千鳥状に且つ内部に向かう程密になるように
   設けて通路を形成したことを特徴とするポンプ
   用ストレーナ。 ２ 前記弾性体に埋設される芯金をほぼ三角形状
   に形成し、該芯金の三つの頂角部に、ポンプケ
   ーシング、中間ケーシング、ストレーナの三者
   を一体に締付けるボルトストツパを溶接した実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のポンプ用ス
   トレーナ。