JP3589741B2 - 水中ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、超低水位での排水を確実に行わせると共に通常水位での排水をも有効に行わせる水中ポンプに関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
一般に水中ポンプは、その据付床面から排水可能な最低水位というものが、ストレーナスタンドの高さ等により制約せられ、低水位での完全な排水ができず、数cmの残水を生じるというのが実情であった。
【0003】
その対策として吸込口の開口位置を極力低くし、低水位排水を行わせるようにしたものも存在するが、この構造では低水位排水専用となり、通常水位での排水能力は著しく低下するという欠点がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明の目的は、上述のような従来の欠点を払拭して、残水を生じることなく超低水位での排水が完全に行われ、しかも通常水位での排水効率にも何ら支障を生じることなく有効に機能する水中ポンプを提供することにある。
【0005】
【発明の構成】
本発明水中ポンプにおいては、中央にポンプ吸込口を有するサクションカバーの下底面およびインペラを収容するポンプケーシングの外周面からそれぞれ若干の間隔を保有して環状ストレーナを嵌装させ、該ストレーナの下底面を構成する底板の中央部に前記ポンプ吸込口と対向する底部吸水孔を穿設すると共にその下方に浅い通水路を保有させ且つストレーナの周壁に多数の側部吸水孔を配設し、前記ポンプ吸込口を包囲してサクションカバーの下面より導下された環状ベローズの下縁部を前記底部吸込孔の穿設部よりも外方において底板上へ内屈状に圧接させて逆流防止構造の環状吸込口を構成した。
【0006】
【実施例】
以下実施例の図面により説明をする。
【0007】
1はモータケーシング、2はモータケーシング1内に形成されるモータ室、3は例えばアルミダイキャスト等で作られたオイルケーシングであって、その下壁中央部にはポンプ軸4の貫通孔5が穿設されており、周壁上縁部をモータケーシング1の下面に結合させることにより内部にオイル室6が形成される。7はオイルケーシング3の下壁周辺部に係止するよう合成ゴムまたはそれと均等の材質で作られたポンプケーシング、8は後記上壁構成部材9の外周縁を支承するようポンプケーシング7の周壁内周面上縁に繞設された支持座、10は前記貫通孔5の周辺部裏面に凸設された環状縁であって、その外周面は後記上壁構成部材9の内周面に対向する。該上壁構成部材9は合成ゴムまたはそれと均等の材質で作られ、その内周面は波形の凹凸面に形成されて前記環状縁10の外周面との圧合を容易ならしめ、外周縁は前記支持座8に係止してオイルケーシング3の下壁裏面に添設される。前記ポンプケーシング7の周壁には上面開口径が下面開口径よりも大径のコーン状竪孔11‥‥11が配設せられ、該コーン状竪孔11‥‥11と対向するテーパー状柱体12‥‥12を前記オイルケーシング3の下壁周辺部に配設し、該テーパー状柱体12‥‥12には後記サクションカバー13の周辺部に配設された透孔14‥‥14と同心状に対向するネジ孔15‥‥15を下端面から穿設する。上記サクションカバー13はポンプケーシング7の下壁構成部材でもあり、中央にポンプ吸込口16を有し周辺部には前記テーパー状柱体12‥‥12の下端部と嵌合する透孔14‥‥14が配設され、その上面周辺部を前記ポンプケーシング7の周壁下縁に定着させることにより渦流室17が形成せられ、その内部にはポンプ軸4の下端に嵌着されたインペラ18が収容される。19は周壁要所に多数の側部吸水孔20‥‥20を配設した環状ストレーナ、21は環状ストレーナ19下底面を構成する底板であり、その中央部には前記ポンプ吸込口16と対向する底部吸水孔22‥‥22が配設され、周辺部にはサクションカバー13の下面周辺部への当接座となる上向段部23‥‥23と、接地座となる下向段部24‥‥24とが要所に配設されて中央部下面に浅い通水路Sを保有させ、且つ上向段部23‥‥23にはテーパー状柱体12‥‥12のネジ孔15‥‥15と同心状に対向するボルト挿通孔25‥‥25が穿設されている。26は前記ポンプ吸込口16を包囲してサクションカバー13の下面より導下された環状のベローズであり、その下縁部は若干小径に狭窄されるがその内径は、前記底部吸込孔22‥‥22の開口位置よりも外方において底板21上へ対向するよう設定されている。
【0008】
上述の構成において、各コーン状竪孔11‥‥11内にテーパー状柱体12‥‥12を嵌合させ、サクションカバー13の周辺部に配設されている透孔14‥‥14をテーパー状柱体12‥‥12の下端部へ嵌合させ、上向段部23‥‥23に配設されたボルト挿通孔25‥‥25をネジ孔15‥‥15と合致させ、各ボルト挿通孔25‥‥25より締付ボルト27‥‥27を挿通してそれぞれネジ孔15‥‥15に螺着する。このようにして締付ボルト27‥‥27を螺着することにより、サクションカバー13および環状ストレーナ19と共にポンプケーシング7をオイルケーシング3へ結合させることができ、サクションカバー13の下底面およびポンプケーシング7の周壁外周面からそれぞれ若干の間隔を保有して環状ストレーナ19が嵌装せられる。そしてサクションカバー13の下面より導下された環状ベーローズ26の下縁部が底部吸込孔22‥‥22の穿設部よりも外方における底板21上へ内屈状に圧接して該圧接部に逆流防止構造の環状吸込口28が構成せられることになり、環状ストレーナ19の側部吸水孔20‥‥20から環状吸込口28を経てポンプ吸込口16へ至る第1の流通経路と、底板21下面の浅い通水路Sから底部吸水孔22‥‥22を通ってポンプ吸込口16に至る第2の流通経路が形成される。
【0009】
【作用】
水中ポンプの停止時には、環状ベローズ26の下縁部がその弾力により底板21上に圧接して、逆流防止構造の環状吸込口28は閉塞状態に保たれている。しかし所定の上昇水位で水中ポンプを起動させると、インペラ18の下部に負圧が発生して環状ベローズ26の下縁部は底板21上から浮き上がり、環状吸込口28を開口させて通水状態となるので、環状ストレーナ19の側部吸水孔20‥‥20より吸い込まれた水は環状吸込口28を通過しポンプ吸込口16より渦流室17内を経てポンプ吐出口29から排水される。そして排水の進行により水位が次第に低下して側部吸水孔20‥‥20が水面上へ露出する低水位l1まで達すると、環状ベローズ26の下縁部が底板21上に押し付けられて環状吸込口28を閉塞するので、側部吸水孔20‥‥20からポンプ吸込口16へ至る第1の流通経路は遮断され、底板21下面の通水路Sから底部吸水孔22‥‥22を通って吸い込まれた水がポンプ吸込口16より渦流室17内を経てポンプ吐出口29から排出されるのであるが、この間環状ベローズ26による逆流防止機能が働いているため、側部吸水孔20‥‥20が水面上に露出していても低水位での排水は、上記底部吸水孔22‥‥22からポンプ吸込口16へ至る第2の流通路により支障なく、渇水状態となる超低水位l2まで行われるのである。
【0010】
【発明の効果】
本発明水中ポンプによれば、通常水位から超低水位までの排水が有効・確実に行われるという利点がある。しかも本発明の実施に当たっては、既成の水中ポンプを利用してサクションカバーの下面に環状ベローズを付設し且つ環状ストレーナの底板中央に底部吸込孔を付加するという僅かな改造により行い得るので、産業上の利用価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明水中ポンプの要部縦断側面図である。
【図2】本発明水中ポンプにおけるオイルケーシングの縦断側面図である。
【図3】本発明水中ポンプにおけるポンプケーシング上壁構成部材の縦断側面図である。
【図4】本発明水中ポンプにおけるポンプケーシング周壁の縦断側面図である。
【図5】本発明水中ポンプにおけるサクションカバーおよび環状ベローズの縦断側面図である。
【図6】本発明水中ポンプにおける環状ストレーナの縦断側面図である。
【符号の説明】
7 ポンプケーシング
13 サクションカバー
16 ポンプ吸込口
18 インペラ
19 環状ストレーナ
20 側部吸水孔
21 底板
22 底部吸水孔
26 環状ベローズ
28 環状吸込口
S 浅い通水路
Claims (1)
- 中央にポンプ吸込口を有するサクションカバーの下底面およびインペラを収容するポンプケーシングの外周面からそれぞれ若干の間隔を保有して環状ストレーナを嵌装させ、該ストレーナの下底面を構成する底板の中央部に前記ポンプ吸込口と対向する底部吸水孔を穿設すると共にその下方に浅い通水路を保有させ且つストレーナの周壁に多数の側部吸水孔を配設し、前記ポンプ吸込口を包囲してサクションカバーの下面より導下された環状ベローズの下縁部を前記底部吸込孔の穿設部よりも外方において底板上へ内屈状に圧接させて逆流防止構造の環状吸込口を構成したことを特徴とする水中ポンプ。
Priority Applications (1)
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JP12588695A JP3589741B2 (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | 水中ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12588695A JP3589741B2 (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | 水中ポンプ |
Publications (2)
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JPH08296582A JPH08296582A (ja) | 1996-11-12 |
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Family
ID=14921363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12588695A Expired - Lifetime JP3589741B2 (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | 水中ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3589741B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100852539B1 (ko) * | 2007-08-29 | 2008-08-14 | 대우조선해양 주식회사 | 역류 방지 밸브가 구비된 엘엔지 공급보조장치 |
Families Citing this family (3)
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JP2001173593A (ja) * | 1999-12-22 | 2001-06-26 | Tsurumi Mfg Co Ltd | 電動ポンプ用軸封ユニット |
JP2001173592A (ja) * | 1999-12-22 | 2001-06-26 | Tsurumi Mfg Co Ltd | 電動ポンプ |
JP4518636B2 (ja) * | 2000-07-04 | 2010-08-04 | 株式会社鶴見製作所 | 水中ポンプにおけるサクションカバーおよびストレーナの定着構造 |
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1995
- 1995-04-25 JP JP12588695A patent/JP3589741B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100852539B1 (ko) * | 2007-08-29 | 2008-08-14 | 대우조선해양 주식회사 | 역류 방지 밸브가 구비된 엘엔지 공급보조장치 |
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---|---|
JPH08296582A (ja) | 1996-11-12 |
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