JP2008254847A - ナット供給方法及びナット供給装置 - Google Patents

ナット供給方法及びナット供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ナットシュータ2によって送られたナットNのねじ孔に供給ロッド3の先端小径部3aを進入させ、該供給ロッド3の前進によって当該ナットNを目的位置に供給するナット供給方法において、先端小径部3aがねじ孔に入らないような異常ナットN’が送られてきたとき、これが供給ロッド3で弾き飛ばされることを防止する。
【解決手段】供給ロッド3の先端小径部3aが、ナット受け室9に受けられたナットNのねじ孔に入るように、ナット受け位置9に進入して停止した状態を待機状態とする。供給ロッド3が後退してナットシュータ2からナット受け室9に異常ナットN’が受け入れられたときは、供給ロッド3が待機状態になるように前進したときに、異常ナットN’がナット受け室9から前方へ少し押し出される。
【選択図】図4

Description

本発明はナット供給方法及びナット供給装置に関する。
ナットの抵抗溶接等に採用されるナット供給装置の一例が特許文献1に記載されている。それは、先端にナットのねじ孔に入る小径部を有する供給ロッドと、この供給ロッドに対してナットを供給する供給チューブとを備えている。この装置では、待機状態にある供給ロッドの前方位置にナットが供給チューブによって送られ、供給ロッドの起動前進によってその先端小径部がナットのねじ孔に入り、該ナットはそのままワークに対する溶接位置等の目的位置に供給される。
ところで、供給チューブ等のナット送り手段から正規ナットよりも小径の異常ナットが送られてきたときは、この異常ナットが目的位置に供給されないようにする必要がある。これに対して、特許文献2には、供給ロッドの先端小径部よりもねじ孔径が小さな異常ナットが送られてきたときは、その先端小径部がそのねじ孔に入らないことから、この異常ナットはその先端小径部によって前方へ弾き飛ばされて、目的位置には供給されないことが記載されている。
また、特許文献3には、供給ロッドの大径基部と先端小径部との段差部が、異常ナットに続く次のナットに係合することにより、該供給ロッドの前進が阻止されて、異常ナットの供給が防止されることが記載されている。
特開2005−111559号公報 特許3309245号公報 特開2006−75899号公報
しかし、特許文献2の場合、供給ロッドによって弾き飛ばされる異常ナットが周囲に散乱してしまうことになり、或いはその異常ナットが前方のワーク等に衝突してそれらの損傷を招く懸念がある。
また、特許文献3の場合、待機状態から前進してくる供給ロッドには勢いがあることから、異常ナットに続く次のナットが供給ロッドによって弾かれて供給チューブ側へ戻されることがある。この現象は、供給チューブから送られてナット受け位置に溜まっているナット数が少なくなると顕著になる。その場合、供給ロッドが上記次のナットに係合することなくそのまま前進することから、異常ナットが供給ロッドによって弾き飛ばされてしまう。
そこで、本発明は、異常ナットを弾き飛ばすことなく、該異常ナットの供給を防止することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために、供給ロッドをナットの手前側でナット供給のために待機させるのではなく、その先端小径部をナット受け位置に進入させた状態で待機させるようにした。
すなわち、請求項1に係る発明は、ナット送り手段によって送られたナットをナット受けにて受け、このナットのねじ孔に供給ロッドの先端小径部を進入させ、該供給ロッドの前進によってそのナットを目的位置に供給するナット供給方法において、
上記供給ロッドの先端小径部が、上記ナット受けに受けられたナットのねじ孔に入るようにそのナット受け位置に進入して停止した状態を、該ナットを上記目的位置に供給するための待機状態とし、
上記ナットを上記ナット受けから上記目的位置に供給すべく、上記待機状態の供給ロッドを前進させる前進ステップと、
上記ナット送り手段から次のナットを上記ナット受けに受け入れるべく、上記供給ロッドを上記ナット受け位置よりも後退させる後退ステップと、
上記供給ロッドを上記待機状態となるように前進させて停止させる待機ステップとを備えていることを特徴とする。
従って、供給ロッドは、前進ステップによって先のナットをナット受けから目的位置に供給し、次いでナット受け位置よりも一旦後退して次のナットをナット受け位置に受け入れた後、再度前進して待機状態になる。この供給ロッドが待機状態となる待機ステップにおいて、供給ロッドの先端小径部がナットのねじ孔に入らない異常があると(例えば供給ロッドの先端小径部よりもねじ孔径が小さなナットが送られてきたとき)、当該異常ナットが供給ロッドによってナット受け位置から前方へ押し出される。この場合、待機ステップでは、供給ロッドはその先端小径部がナット受け位置に進入した状態になるだけであるから、当該異常ナットが前方へ強く弾き飛ばされることがない。
請求項2に係る発明は、請求項1に係るナット供給方法に使用されるナット供給装置であって、
ナットを送るナット送り手段と、
上記ナット送り手段によって送られたナットを受けるナット受けと、
上記ナットのねじ孔に入る小径部を先端に有し、前進によって上記ナット受けのナットを目的位置に供給する供給ロッドと、
上記供給ロッドの先端小径部が上記ナット受けに受けられたナットのねじ孔に入るようにそのナット受け位置に進入して停止した状態を待機状態とし、上記供給ロッドを、上記待機状態から、上記ナットが上記目的位置に供給されるように前進させ、次いで上記ナット送り手段から次のナットを上記ナット受けに受け入れるべくそのナット受け位置よりも後退させ、次いで上記待機状態となるように再び前進させて停止させるロッド駆動手段とを備えていることを特徴とする。
従って、ロッド駆動手段の作動により、供給ロッドの先端小径部がナット受け位置に進入した待機状態から、上述の前進ステップ、後退ステップ及び待機ステップが実行されて元の待機状態になる。よって、供給ロッドの先端小径部がナットのねじ孔に入らない異常があったときは、該供給ロッドが待機状態となる待機ステップにおいて、該異常ナットがナット受け位置から前方へ押し出されるだけで、前方へ強く弾き飛ばされることがなくなる。
請求項3に係る発明は、請求項2において、
上記供給ロッドの先端小径部が上記ナット受けのナットのねじ孔に入らずに該ナットを前方へ押し出して上記待機状態となったときに、該供給ロッドが当該待機状態からさらに前進しないように、該供給ロッドには上記押し出されたナットに続く次のナットに係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
すなわち、供給ロッドは、前進という動的状態で次のナットに係合するのではなく、先のナットをナット受けから前方へ押し出して待機状態となった、つまり停止した静的状態から、ロッド駆動手段の起動によりさらに前進しようとするときに次のナットに係合する。従って、その係合の際に当該ナットが供給ロッドによって弾かれることが避けられ、供給ロッドと当該ナットとを確実に係合させる上で有利になる。そして、この係合によって、供給ロッドは前進が阻止されるから、先の異常があったナット(例えば小径の異常ナット)を適宜除くことができる。しかる後、上記係合を解いて供給ロッドを再び待機状態にすることができる。
請求項4に係る発明は、請求項2において、
上記供給ロッドが上記待機状態となったときに上記ナット受けのナットが該供給ロッドによって前方へ押し出されたか否かを検出する異常検出手段を備え、該異常検出手段によって上記ナットの押出しが検出されたときに上記ロッド駆動手段の起動を中止することを特徴とする。
すなわち、供給ロッドが待機状態となったときにナット受けのナットが該供給ロッドによって前方へ押し出されたということは、該供給ロッドの先端小径部が当該ナットのねじ孔に入らない異常があったということである。このときは、ロッド駆動手段の起動が中止される。従って、先の異常があったナット(例えば小径の異常ナット)を適宜除いて、供給ロッドを再び待機状態にすることができる。
請求項5に係る発明は、請求項2乃至請求項4のいずれか一において、
上記ナット受けには、上記目的位置に向かって開口したナット出口が設けられ、該ナット出口が前方へ回転して開く扉によって塞がれており、
上記扉は、上記供給ロッドの前進によってナットが前方へ移動するときは、該ナットに押されて前方へ開くように所定の付勢力で閉方向に付勢され、
上記供給ロッドの先端小径部が上記ナット受けのナットのねじ孔に入らずに該ナットを前方へ押し出して上記待機状態となったときは、上記扉に与えられた付勢力により、上記扉と上記供給ロッドの先端小径部との間に当該ナットが挟まれて保持されることを特徴とする。
従って、供給ロッドが待機状態になる際に、その先端小径部がナット受けのナットのねじ孔に入らない異常があったとき、その異常ナットは供給ロッドと扉とに挟まれて保持される。このため、当該異常ナットが周囲に飛散することが避けられる。
請求項1及び請求項2の各発明によれば、供給ロッドの先端小径部がナット受けのナットのねじ孔に入るようにそのナット受け位置に進入して停止した状態を待機状態とするから、供給ロッドの先端小径部がナット受けのナットのねじ孔に入らない異常があったときは、当該異常ナットは供給ロッドによってナット受けから前方へ押し出されるだけで、前方へ強く弾き飛ばされることがない。このため、異常ナットを周囲に散乱させることなく、また、その異常ナットが前方のワーク等に衝突してそれらの損傷を招くことなく、当該異常ナットが目的位置に供給されてしまうことを防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、上記供給ロッドが上記ナット受けのナットを前方へ押し出して待機状態となる異常があったときは、供給ロッドが待機状態(停止状態)から起動前進するときに次のナットに係合するから、その係合の際に当該ナットが供給ロッドによって弾かれることが避けられる。このため、供給ロッドと当該ナットとを確実に係合させ、供給ロッドが待機状態からさらに前進することを阻止することができ、先の異常があったナットを適宜除いてロッド駆動手段の再起動を図ることができる。
請求項4に係る発明によれば、上記供給ロッドが待機状態となったときにナット受けのナットが該供給ロッドによって前方へ押し出されたか否かを検出する異常検出手段を備え、該異常検出手段によって上記ナットの押出しが検出されたときにロッド駆動手段の起動を中止するようにしたから、供給ロッドが待機状態からさらに前進することを阻止することができ、先の異常があったナットを適宜除いてロッド駆動手段の再起動を図ることができる。
請求項5に係る発明によれば、請求項2乃至請求項4のいずれか一において、上記ナット受けのナット出口を前方へ回転して開く扉によって塞ぐとともに、この扉を供給ロッドの前進するときはナットに押されて前方へ開くように所定の付勢力で閉方向に付勢し、供給ロッドが待機状態になる際に、その先端小径部がナットのねじ孔に入らない異常があったときは、その異常ナットが供給ロッドと扉とに挟まれて保持されるようにしたから、当該異常ナットが周囲に飛散することが避けられる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、ワーク(図示省略)に溶接すべきナットNを目的位置(ワークに対する溶接位置等)に供給するナット供給装置を示す。このナット供給装置において、1は目的位置手前に配置されたナット受け、2はナットNをナット受け1に送るナット送り手段としてのナットシュータ(下部のみを図示)、3はナット受け1に送られたナットNを目的位置に供給する供給ロッド、4は供給ロッド3を駆動するロッド駆動手段である。
<ナット受け>
ナット受け1は、図2及び図3に示すように、ナットシュータ2から送られたナットNを受け止めるストッパ6を備えている。このストッパ6と、このストッパ6より立ち上がったチャンネル部材7と、このチャンネル部材7の前面開口の上部を塞ぐ前プレート8とによって、ナット受け室9が形成されている。チャンネル部材7には供給ロッド3が出入りするロッド出入口7aが形成されている。
ナット受け室9は、その上端がナットシュータ2からのナットNを受け入れるナット入口10となって開口し、ストッパ6と前プレート8との間がナット出口11となって前面に開口している。このナット出口11は上記ロッド出入口7aに対向しており、前方に回転して開く扉12によって塞がれている。すなわち、ストッパ6の下面両側より前方へ突出した軸受部材13にヒンジ軸14が渡されている。そして、扉12は、その下端が上記ヒンジ軸14に支持されて、前方へ回転して開くようになっている。また、蓋12は、ヒンジ軸14に設けた付勢手段としてのキックバネ15によって、所定の付勢力で上記ナット出口11を閉じる閉方向に付勢されている。蓋12には供給ロッド3の後述する先端小径部3aが入る、上方に開口した切欠き孔12aが形成されている。
<ナット送り手段>
ナット送り手段としてのナットシュータ2は、管状になっていて、その下端がナット受け1に接続具16によって接続され、その上端はナット選別機(図示省略)に接続される。ナット選別機は、溶接すべき正規ナットよりも大径のナットが排除されるようにナットNを選別し、且つ選別した各ナットNの表裏を一定の向きにしてナットシュータ2に供給するものである。そして、ナットシュータ2は、ナットNをそのねじ孔が横になるようにしてナット受け1のナット受け室(ナット受け位置)9に順次送るようになっている。
<供給ロッド>
供給ロッド3は、図1に示すように、ナット受け1に先端が結合されたガイド管5に挿入されている。図3に示すように、供給ロッド3は、その先端にナットNのねじ孔に入る小径部3aを有し、この先端小径部3aと大径基部との境界に段差部(係合部)3bが形成されている。
<ロッド駆動手段>
図1に示すように、上記ガイド管5の基端には、ロッド駆動手段4としての二段シリンダ(タンデム型シリンダ)がガイド管5と同軸になるように結合されている。二段シリンダは、前側に配置した長ストロークの複動シリンダ21と後側に配置した短ストロークの単動シリンダ22とを直列に接続したものである。複動シリンダ21のピストン23に供給ロッド3の後端が結合されている。単動シリンダ22のピストンロッド24は複動シリンダ21の後端を貫通して該複動シリンダ21のピストン23に接触するようになっている。複動シリンダ21には、前端部と後端部とに作動圧(空気圧)の給排部25,26が設けられ、単動シリンダ22にはその後端部に作動圧の給排部27が設けられている。単動シリンダ22は複動シリンダ21よりもその作動圧が低く設定されている。
ロッド駆動手段4は、図4(A)に示すように後側の単動シリンダ22のみに作動圧を供給した状態が待機状態である。単動シリンダ22のピストンロッド24が複動シリンダ21のピストン23を前方へ押し、同図(B)に示すように、供給ロッド3は、その先端小径部3aのみがナット受け室(ナット受け位置)9に進入した状態になる。
ロッド駆動手段4は、上記待機状態において制御手段(図示省略)からの起動信号を受けると、図5(A)に示すように、後側単動シリンダ22に加えて、前側複動シリンダ21に後端側から作動圧が供給された状態になる。これにより、供給ロッド3は同図(B)及び図6(B)に示すように前進する。
供給ロッド3が前進端までストロークすると、図7(A)に示すように、前側複動シリンダ21に対する作動圧の供給が後端側から前端側に切り換わる。これにより、供給ロッド3が後退する。複動シリンダ21に与えられる作動圧が単動シリンダ22に与えられる作動圧よりも高いことから、単動シリンダ22のピストンロッド24は複動シリンダ21のピストン23に押されて後退し、同図(B)に示すように、先端小径部3aがナット受け室9よりも後退した状態になる。
供給ロッド3が後退端までストロークすると、図4(A)に示すように、前側複動シリンダ21に対する作動圧の供給が絶たれ、後側単動シリンダ22のみに作動圧が供給された状態になる。これにより、供給ロッド3は同図(B)に示す待機状態になるように前進して停止する。
<ナット供給作動(正常時)>
図4(A),(B)に示す待機状態では、ナットシュータ2によって送られたナットNがねじ孔が横になった状態でナット受け室9に受けられている。図例では、複数のナットNが、ナット受け室9からナットシュータ2にわたって、上下に一列に重ね連なった状態になっている。後側単動シリンダ22のみに作動圧が与えられているから、供給ロッド3は、その先端小径部3aがナット受け室9のナットNのねじ孔に進入し、さらに蓋12の切欠き孔12aから前方へ突出して停止した状態になっている。
ロッド駆動手段4に起動信号が与えられると、図5(A)に示すように、前側複動シリンダ21に後端側から作動圧が与えられる。これにより、同図(B)に示すように、供給ロット3が前進を開始する。これは供給ロッド3の前進ステップである。この前進ステップにより、ナット受け室9のナットNはキックバネ15の付勢に抗して蓋12を押してナット受け室9から前方へ出る。そして、図6(B)に示すように、蓋12がさらに押し開かれ、ナットNは供給ロッド3によって目的位置に供給される。
ナットNが目的位置に達すると、図7(A)に示すように、前側複動シリンダ21に対する作動圧の供給が後端側から前端側に切り換わる。これにより、供給ロッド3は後退する。これは供給ロッド3の後退ステップである。同図(B)に示すように、供給ロッド3は、先端小径部3aがナット受け室9から退出した状態になるように後退する。これにより、次のナットNがナット受け室9に受け入れられる。
次いで、図4(A)に示すように、前側複動シリンダ21に対する作動圧の供給が絶たれ、後側単動シリンダ22のみに作動圧が供給された状態になる。これにより、供給ロッド3が前進し、その先端小径部3aがナット受け室9のナットNのねじ孔に進入して同図(B)に示す待機状態になる。これは供給ロッド3の待機ステップである。
<ナット供給作動の異常時>
図7(C)に示すように、供給ロッド3の後退に伴って、ねじ孔径が供給ロッド3の先端小径部3aよりも小径の異常ナットN’がナット受け室9に受けられたときについて説明する。このときは、供給ロッド3が待機状態になるように前進しても、その先端小径部3aがねじ孔に入らない。このため、図4(A)に示すように、その異常ナットN’は供給ロッド3によってナット受け室9から前方へ押し出される。
この場合、供給ロッド3が異常ナットN’をナット受け室9から押し出して待機状態となる(停止する)一方、蓋12がキックバネ15によって閉方向に付勢されているから、図8に示すように、異常ナットN’は供給ロッド3の先端小径部3aと半開きになった蓋12とに挟まれた状態になる。すなわち、異常ナットN’は、供給ロッド3によって前方へ弾き飛ばされることはなく、しかも、供給ロッド3と蓋12とによって保持された状態になるから、ナット受け室9からこぼれ出て周囲に散乱することもない。
また、異常ナットN’に続く次のナットNは供給ロッド3の先端小径部3aの周面にて受け止められた状態になる。この状態でロッド駆動手段4に起動信号が与えられると、図5(A)に示すように、前側複動シリンダ21に後端側から作動圧が供給される結果、供給ロッド3は前進しようとする。このとき、供給ロッド3の先端小径部3aとこれに続く大径基部との段差部(係合部)3bが次のナットNの縁に係合する(図5(C))。
ここに、前プレート8の下端高さ(ナット受け室9のナット出口11の上縁高さ)は、ナットNが供給ロッド3と前プレート8との隙間から前方へ抜け出ることができないように設定されている。従って、上記次のナットNに係合した供給ロッド3は、上記起動信号の出力に拘わらず、当該ナットNに阻止されて前進しない(図6(C),(D))。つまり、ロック状態となる。
よって、供給ロッド3と蓋12とに挟持された異常ナットN’を取り除き、しかる後に、復帰スイッチ(図示省略)によって供給ロッド3を待機状態に戻すことができる。すなわち、復帰スイッチの投入により、前側複動シリンダ21に対する作動圧の供給が後端側から前端側に切り換えられて供給ロッド3がナット受け室9よりも後退し、次のナットNがナット受け室9に受け入れられる(図7(B)の状態)。次いで前側複動シリンダ21に対する作動圧の供給が絶たれ、後側単動シリンダ22の働きにより、供給ロッド3が前進し、その先端小径部3aがナット受け室9のナットNのねじ孔に進入して図4(B)に示す待機状態になる。
重要なのは、異常ナットN’があったとき、供給ロッド3は、前進という動的状態で次のナットNに係合するのではなく、先の異常ナットNを押し出して待機状態となったから、つまり停止した静的状態からさらに前進しようとするときに次のナットNに係合することである。
すなわち、供給ロッド3が前進している動的状態でその段差部3bが次のナットNの縁に当接した場合、供給ロッド3の前進の勢いで次のナットNが上方へ弾かれ、供給ロッド3がそのまま前進する可能性がある。これに対して、上記実施形態では、供給ロッド3が停止した状態からさらに前進しようとするときに、次のナットNに係合するから、その係合の際に当該ナットNが供給ロッド3によって上方へ弾かれることが避けられ、供給ロッド3と当該ナットNとが確実に係合することになる。
<他の実施形態>
上記実施形態では、異常ナットN’があったときは、供給ロッド3を次のナットNに係合させることによってその前進を阻止するようにしたが、本実施形態では、異常検出手段を設けてロッド駆動手段4の起動を中止するようにした。
すなわち、図8において、符号31は異常検出手段としての近接スイッチであり、蓋12がチャンネル部材7から前方へ離れたときに開扉信号を出力する。そうして、ロッド駆動手段4が待機状態にあるときに、当該近接スイッチ31から開扉信号が出力されると、制御手段(図示省略)はロッド駆動手段4に起動中止信号を出力する。この場合の待機状態で出力される開扉信号は、すなわち異常ナットN’の押出しを検出する信号である。
従って、待機状態において異常ナットN’が押し出されると、ロッド駆動手段4の起動が中止され、供給ロッド3は前進しなくなるから、先の実施形態と同じく、供給ロッド3と蓋12とに挟まれた異常ナットN’取り除いて、供給ロッドを再び待機状態にすることができる。
なお、上記実施形態では、ロッド駆動手段4として二段シリンダを採用したが、複動シリンダ1本にして、そのシリンダ内の後端にスプリングを入れ、供給ロッド3の後退ステップではスプリングを圧縮させてその先端小径部3aをナット受け室9よりも後退させ、しかる後にそのスプリングの付勢力によって、供給ロッドを前進させて待機状態に位置付けるようにしてもよい。或いはテレスコープ型シリンダなど各種中間停止機能付きシリンダや電動シリンダを採用することもでき、その種類・形式は問わない。
また、異常検出手段に関しても、近接スイッチとしては、供給ロッド3によって異常ナットN’がナット受け室9から押し出されて蓋12が半開きになったとき、この半開きになった扉12に感応するものであってもよく、或いは蓋12の開動を検出するリミットスイッチのようなものであってもよく、その種類・形式は問わない
本発明に係るナット供給装置を示す斜視図である。 図装置のナット受け部分を示す斜視図である。 図装置のナット受け部分の縦断面図である。 同装置の待機状態での、ロッド駆動手段の状態(A)、正常時のナット受け部分の状態(B)、並びに異常時のナット受け部分の状態(C)を示す図である。 同装置の起動がかかったときの、ロッド駆動手段の状態(A)、正常時のナット受け部分の状態(B)、並びに異常時のナット受け部分の状態(C)を示す図である。 同装置のナットが正常に供給されたときのロッド駆動手段の状態(A)、そのときのナット受け部分の状態(B)、ナットの供給異常があったときのロッド駆動手段の状態(C)、並びにそのときのナット受け部分の状態(D)を示す図である。 同装置の供給ロッドが後退したときの、ロッド駆動手段の状態(A)、正規ナットが送られたナット受け部分の状態(B)、並びに異常ナットが送られたナット受け部分の状態(C)を示す図である。 異常ナットが供給ロッドと蓋とに挟まれた状態を示す斜視図である。 他の実施形態における図8と同様の図である。
符号の説明
1 ナット受け
2 ナットシュータ(ナット送り手段)
3 供給ロッド
3a 先端小径部
3b 段差部(係合部)
4 ロッド駆動手段
9 ナット受け室(ナット受け位置)
11 ナット出口
12 蓋
15 キックバネ(付勢手段)
31 近接スイッチ(異常検出手段)
N 正規ナット
N’ 異常ナット

Claims (5)

  1. ナット送り手段によって送られたナットをナット受けにて受け、このナットのねじ孔に供給ロッドの先端小径部を進入させ、該供給ロッドの前進によってそのナットを目的位置に供給するナット供給方法において、
    上記供給ロッドの先端小径部が、上記ナット受けに受けられたナットのねじ孔に入るようにそのナット受け位置に進入して停止した状態を、該ナットを上記目的位置に供給するための待機状態とし、
    上記ナットを上記ナット受けから上記目的位置に供給すべく、上記待機状態の供給ロッドを前進させる前進ステップと、
    上記ナット送り手段から次のナットを上記ナット受けに受け入れるべく、上記供給ロッドを上記ナット受け位置よりも後退させる後退ステップと、
    上記供給ロッドを上記待機状態となるように前進させて停止させる待機ステップとを備えていることを特徴とするナット供給方法。
  2. ナットを送るナット送り手段と、
    上記ナット送り手段によって送られたナットを受けるナット受けと、
    上記ナットのねじ孔に入る小径部を先端に有し、前進によって上記ナット受けのナットを目的位置に供給する供給ロッドと、
    上記供給ロッドの先端小径部が上記ナット受けに受けられたナットのねじ孔に入るようにそのナット受け位置に進入して停止した状態を待機状態とし、上記供給ロッドを、上記待機状態から、上記ナットが上記目的位置に供給されるように前進させ、次いで上記ナット送り手段から次のナットを上記ナット受けに受け入れるべくそのナット受け位置よりも後退させ、次いで上記待機状態となるように再び前進させて停止させるロッド駆動手段とを備えていることを特徴とするナット供給装置。
  3. 請求項2において、
    上記供給ロッドの先端小径部が上記ナット受けのナットのねじ孔に入らずに該ナットを前方へ押し出して上記待機状態となったときに、該供給ロッドが当該待機状態からさらに前進しないように、該供給ロッドには上記押し出されたナットに続く次のナットに係合する係合部が設けられていることを特徴とするナット供給装置。
  4. 請求項2において、
    上記供給ロッドが上記待機状態となったときに上記ナット受けのナットが該供給ロッドによって前方へ押し出されたか否かを検出する異常検出手段を備え、該異常検出手段によって上記ナットの押出しが検出されたときに上記ロッド駆動手段の起動を中止することを特徴とするナット供給装置。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか一において、
    上記ナット受けには、上記目的位置に向かって開口したナット出口が設けられ、該ナット出口が前方へ回転して開く扉によって塞がれており、
    上記扉は、上記供給ロッドの前進によってナットが前方へ移動するときは、該ナットに押されて前方へ開くように所定の付勢力で閉方向に付勢され、
    上記供給ロッドの先端小径部が上記ナット受けのナットのねじ孔に入らずに該ナットを前方へ押し出して上記待機状態となったときは、上記扉に与えられた付勢力により、上記扉と上記供給ロッドの先端小径部との間に当該ナットが挟まれて保持されることを特徴とするナット供給装置。
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