JP2008251921A - 基板アライメント装置及び方法並びに描画装置 - Google Patents

基板アライメント装置及び方法並びに描画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の位置合わせを精度良く行うことを可能とし、且つ装置の小型化を図る。
【解決手段】基板アライメント装置51は、基板位置検出部30aと、移動ステージ12aと、移動ステージ駆動部53aと、ステージ位置検出部27aと、全体制御部50とからなる。移動ステージ12aは、ベースユニット56と、変位ユニット57〜59と、従動ユニット61と、基板ホルダ62とからなる。基板ホルダ62は基板10を保持する。基板位置検出部30aが検出した基板10の位置に基づいて変位ユニット57〜59が基板ホルダ62をX、Y、θ方向に変位して位置合わせをするときには、基板ホルダ62がベースユニット56から浮上し、位置合わせの後、基板ホルダ62がベースユニット56に吸着固定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、基基板の位置合わせを行う基板アライメント装置及び方法並びに描画装置に関する。
近年、液晶ディスプレイ装置が益々普及してきており、特に大型の画面を有するものが好まれるようになっている。そこで、液晶ディスプレイ装置を構成する基板を精度良く製造し、液晶ディスプレイ装置の高画質化を図ることが望まれているが、このような液晶ディスプレイ装置用の基板を製造する際、回路パターンを形成する描画装置の所定位置に基板を正確に位置決めして載置しなければならない。
そこで、従来は、突き当て部材などで基板の端部を押圧することによって平行移動させて基準位置に載置させていたが、突き当て部材からの押圧による基板端部の破損や、底面の擦り傷が発生したため、例えば特許文献1に記載されている基板位置決め装置では、XYステージと、このXYステージ上に設けられたθステージと、これらのステージ上に載置された基板の基準位置からのずれ量を検出するための複数の接触式センサとを有し、接触式センサからの検出量に基づいて基準位置に移動させるための補正量を求め、この補正量に基づいて基板をθ方向に回転させるとともにXY方向に移動させて基準位置に位置決めする。
また、特許文献2に記載されている露光装置では、基準座標系からの位置ズレをX方向、Y方向、θ方向について検出し、θ方向の回転ズレ量に基づいて基板を載置するホルダを回転して補正し、X,Y方向のズレ量に関してはプレート(基板)への露光時に指定される目標位置をそのズレ量の分だけ修正してホルダの移動を行うことで補正する。
特開平5−166701号公報 特開2005−37914号公報
しかしながら、上記特許文献記載の構成では、液晶ディスプレイ用の大型基板を製造する場合、位置合わせの精度をさらに高くしようとすると、基板よりサイズの大きいホルダや、このホルダを回転させる機構を必要とするため装置全体が大型化し、さらに、製造効率を上げるために大型化したホルダを含むステージを高速で移動させると、加減速時に大きな力が掛かるため、ステージの各部が変形して位置決め精度が悪化するなどの問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、基板の位置合わせを精度良く行うことを可能とし、また装置の小型化を図ることが可能な基板アライメント装置及び方法並びに描画装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の基板アライメント装置は、基板を移動ステージに載置して前記移動ステージの移動により描画領域を通過させ、画像データに基づき描画手段により順次に前記基板に対して描画を行う描画装置に用いられ、前記描画手段による描画の前に、前記移動ステージ上の基板を適正位置に補正する基板アライメント装置において、前記基板を保持する基板ホルダと、前記移動ステージに載せられる載置位置とこの載置位置から浮上する浮上位置との間で前記基板ホルダを昇降する昇降機構と、前記移動ステージに取り付けられ、前記基板ホルダの少なくとも2辺を各辺に略平行な方向に移動し、前記基板ホルダ上の基板を変位させる第1及び第2の変位ユニットとを備えることを特徴とする。
前記第1及び第2の変位ユニットは、前記基板ホルダの移動対象の辺に対して平行方向で移動するように前記移動ステージに取り付けられる辺方向移動部と、前記基板に垂直な軸廻りに回転自在に前記辺方向移動部に連結され、前記辺に交差する方向で移動自在であり、前記基板ホルダの移動対象の辺に固定される押さえ板と有することが好ましい。また、前記押さえ板は、板状の長片と板状の短片とをL字形状に連続させて構成されており、短片の下端部が前記基板ホルダに固定されていることが好ましい。さらにまた、前記基板ホルダに設けられ、前期基板を吸着自在に保持する第1の吸着手段と、前記移動ステージに設けられ、前記載置位置の基板ホルダを吸着自在に保持する第2の吸着手段とを有することが好ましい。
請求項5記載の描画装置は、請求項1ないし4いずれか記載の基板アライメント装置を有する描画装置において、前記描画手段による描画の前に、前記基板の適正位置に対する位置ずれ量を計測する基板位置ずれ量計測部と、前記位置ずれ量に基づき、前記基板の適正位置に近づけるために前記変位ユニットによる変位量を求めて、前記変位量に基づき前記変位ユニットを制御する制御部とを備えることを特徴とする。なお、前記制御部は、前記基板の位置ずれ量の計測時、及び前記変位ユニットによる基板ホルダの移動時に、前記基板ホルダを浮上位置にし、前記描画手段による前記基板への描画時に、前記基板ホルダを載置位置にすることが好ましい。
請求項7記載の描画装置は、請求項4記載の基板アライメント装置を有する描画装置において、前記描画手段による描画の前に、前記基板の適正位置に対する位置ずれ量を計測する位置ずれ量計測部と、前記位置ずれ量に基づき前記基板を適正位置に近づけるために前記変位ユニットによる変位量を求めて、前記変位量に基づき前記変位ユニットを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記基板の位置ずれ量の計測時、及び前記変位ユニットによる前記基板ホルダの移動時に、前記基板ホルダを浮上位置にし、且つ第1の吸着手段により基板を基板ホルダに吸着し、前記描画手段による前記基板への描画時に、前記基板ホルダを載置位置にして前記第2の吸着手段により吸着することを特徴とする。
請求項8記載の基板アライメント方法は、基板を移動ステージに載置して前記移動ステージの移動により描画領域を通過させ、画像データに基づき描画手段により順次に前記基板に対して描画を行う描画装置に用いられ、前記描画手段による描画の前に、前記移動ステージ上の基板を適正位置に補正する基板アライメント方法において、前記移動ステージ上に基板ホルダを介して基板を載せ、前記基板ホルダを、載置位置と、この載置位置から浮上する浮上位置との間で基板ホルダを昇降自在に保持し、前記基板ホルダを前記浮上位置にした状態で、前記基板ホルダの隣接する少なくとも2辺を各辺に略並行な方向に移動させて、前記基板ホルダ上の基板を変位させることを特徴とする。なお、前記2辺の移動を、第1及び第2の変位ユニットを用いて行い、前記第1及び第2の変位ユニットは、前記基板ホルダの移動対象の辺に対して平行方向で移動するように前記移動ステージに取り付けられる辺方向移動部と、前記基板に垂直内軸廻りに回転自在に前記辺方向移動部に連結され、前記辺に交差する方向で移動自在であり、前記基板ホルダの移動対象の辺に固定される押さえ板とを有することが好ましい。
本発明は、移動ステージ上に基板ホルダを介して基板を載せ、基板ホルダを、載置位置と、この載置位置から浮上する浮上位置との間で基板ホルダを昇降自在に保持し、基板ホルダを浮上位置にした状態で、基板ホルダの隣接する少なくとも2辺を各辺に略並行な方向に移動させて、基板ホルダ上の基板を変位させているので、基板を保持するステージが高い剛性を持ちながら、精度良く位置決めを行うことを可能とし、また装置の小型化を図ることができる。
図1において、デジタル露光装置2は、露光部11と、移動ステージ12a,12bと、基体14と、ガイドレール15と、画像処理ユニット16と、光源ユニット17とを備える。第1及び第2移動ステージ12a,12bは、後述する基板ホルダ62(図3参照)を備えており、この基板ホルダ62によって基板10を表面に吸着保持して移動させる。また、デジタル露光装置2内における基板10の搬送方向をYとし、Y方向に対し、直交する方向をXとし、鉛直方向をZとし、Z軸を中心とする回転方向をθとして説明する。
基体14は、4本の脚部13を有する平板状で、上面には、Y方向に沿って2本のガイドレール15が互いに平行となるように延設されている。第1及び第2移動ステージ12a,12bは、ガイドレール15によって同一の一次元軌道上を往復移動自在に支持されており、リニアモータ等により構成された第1及び第2移動ステージ駆動部51a,51b(図2参照)によってそれぞれ駆動される。
基体14上のY方向に関する中央部には、ガイドレール15を跨ぐように門型のゲート19が立設されており、このゲート19には、露光部11が取り付けられている。露光部11は、第1及び第2移動ステージ12a,12bの移動経路に直交する方向に複数列(例えば2列)配列された計16個の露光ヘッド20からなり、第1及び第2移動ステージ12a,12bの移動経路上に固定配置されている。
露光部11には、画像処理ユニット16から引き出された信号ケーブル21と、光源ユニット17から引き出された光ファイバ22とがそれぞれ接続されている。各露光ヘッド20は、画像処理ユニット16から入力されるフレームデータに基づき、光源ユニット17から入力される光ビームを変調し、第1及び第2移動ステージ12a,12bによって搬送された基板10に対して露光を行う。なお、露光ヘッド20の数や配列は、基板10のサイズ等に応じて適宜変更してよい。
基体14上にはさらに、ゲート19に関してY方向に対称な位置に、ガイドレール15を跨ぐように一対のゲート28a,28bが設けられている。ゲート28aは、第1移動ステージ12a側に位置し、3個のカメラ29aが取り付けられている。これらのカメラ29aは、第1移動ステージ12aの移動経路上に固定配置されおり、第1移動ステージ12aに載置された基板10の位置測定(アライメント計測)を行う第1基板位置検出部30aを構成している。他方のゲート28bは、第2移動ステージ12b側に位置し、同様に3個のカメラ29bが取り付けられている。これらのカメラ29bは、第2移動ステージ12bの移動経路上に固定配置されおり、第2移動ステージ12bに載置された基板10の位置測定を行う第2基板位置検出部30bを構成している。第1及び第2基板位置検出部30a,30bは、基板10上に設けられたマークやパターンを読み取ることによってステージ上の適正位置に対する基板10の位置ずれ量(X,Y,θ方向のずれ量)を検出する。また、この検出値は、フレームデータの補正にも用いられる。なお、カメラ29a,29bの数は、基板10のサイズ等に応じて適宜変更してよい。
基体14のY方向に関する両端部には、レーザ干渉式の測長器31a,31bがそれぞれ設けられている。測長器31aは、第1移動ステージ12a側の基体14の端部に、X方向に離間するように2個設けられており、第1移動ステージ12aの位置測定を行う第1ステージ位置検出部32aを構成している。他方の測長器31bは、第2移動ステージ12b側の基体14の端部に、X方向に離間するように2個設けられており、第2移動ステージ12bの位置測定を行う第2ステージ位置検出部32bを構成している。第1及び第2ステージ位置検出部32a,32bは、第1及び第2移動ステージ12a,12bの端面33a,33bにそれぞれレーザ光を照射して、軌道上の位置(Y方向の位置)を検出する。この検出値は、第1及び第2移動ステージ12a,12bの位置ずれ補正に用いられる。
露光ヘッド20は、図2に示すように、空間光変調素子としてのデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)38、このDMD38を駆動するDMDドライバ39などを備えている。DMDドライバ39は前述の信号ケーブル21が接続され、画像処理ユニット16からフレームデータが入力される。DMD38は、例えば、600個×800個のマイクロミラーが2次元正方格子状に配列して揺動自在に支持されており、光源ユニット17から光ファイバ22を介して入力されたレーザ光が露光ヘッド20の内部に組み込まれた入射光学系(図示せず)を通過して入射する。このDMD38の各マイクロミラーは、画像処理ユニット16からDMDドライバ36を介して入力されたフレームデータに基づいてレーザ光を変調して反射する。そしてDMD38からの反射光は、拡大光学系(図示せず)によって拡大され、基板10に像を投影(露光)する。
図1に示すように、各露光ヘッド20は、X方向に2列に分けられ、各列において隙間無く配列されている。また、露光ヘッド20は、第1列目と第2列目とで配列方向に所定間隔(配列ピッチの1/2倍)ずらして配列されている。これにより、第1列目の露光ヘッド20によって露光できない部分が第2列目の露光ヘッド20によって露光される。
図3に示すように、本発明の基板アライメント装置51は、上述した第1基板位置検出部30aと、第1移動ステージ12aと、第1移動ステージ駆動部53aと、第1ステージ位置検出部32aと、全体制御部50とから構成される。図2に示すように、全体制御部50は、第1基板位置検出部30aと、第1移動ステージ12aと、第1移動ステージ駆動部53aと、第1ステージ位置検出部32aの他に、デジタル露光装置10の全体を制御する。また、第2基板位置検出部30b、第2移動ステージ12b、第2移動ステージ駆動部53b、第2ステージ位置検出部27b、及び全体制御部50からも同様の基板アライメント装置52が構成される。なお、全体制御部50は、第1及び第2ステージ位置検出部32a,32bを制御し、このステージ位置の検出値を第1及び第2移動ステージ駆動部51a,51bの制御にフィードバックして各ステージの位置補正を行う。
図3及び図4に示すように、移動ステージ12aは、ベースユニット56と、変位ユニット57〜59と、従動ユニット61と、基板ホルダ62とからなる。基板ホルダ62は、略矩形の薄板形状に形成され、上面に多数の吸着孔62aが形成されている。これらの吸着孔62aには、ベースユニット56とは別に設けた吸引部68が接続され、上面に基板10が載置されたとき、吸着穴62aから吸気して基板10を吸着固定する。
ベースユニット56は、図4に示すように、基板ホルダ62に合わせて配置された多数のエアパッド66と、このエアパッド66に接続される排気吸引部67とを備え、エアパッド66の上面に基板ホルダ62を支持する。排気吸引部67としては周知のエアポンプなどが用いられるが、これに限らず、吸引及び排気の機能を有するものであればよい。ベースユニット56は、アライメント(計測及び補正)時には、排気吸引部67を排気動作させてエアパッド66からエアを排出して基板ホルダ62を上方へ浮上させるとともに、基板10への露光時には、排気吸引部67を吸気動作させてエアパッド66に基板ホルダ62を吸着固定させる。
図5に示すように、第1変位ユニット57は、フレーム部材71、Y方向移動部材72、アクチュエータ73、回転連結部材74、ガイド部材75、X方向移動部材76、押さえ板77からなるフレーム部材71は。Y方向に長いガイド溝71aを有しており、このガイド溝71aにY方向移動部材72が移動自在に保持されている。また、ガイド部材75はX方向に長いガイド溝75aを有しており、このガイド溝75aにX方向移動部材76が移動自在に保持される。回転連結部材74は、図示しない連結ピンを備えており、Y方向移動部材72及びガイド部材75をZ軸廻りで回転自在に連結する。なお、X方向移動部材76及びY方向移動部材72のシフト量は好ましくは1mm以下であり、回転連結部材74のフリー回転角度は好ましくは0.3度以内である。
図8に示すように、押さえ板77は、薄板状の長辺部77aと短辺部77bとを有し、L字形に形成されている。そして、長辺部77aの末端部がX方向移動部材76に例えばネジ止めにより固着されている。また短辺部77bは基板ホルダの端面62aの略中央に例えばネジ止めにより固着されている。この押さえ板77は、アクチュエータ73が駆動することによりY方向移動部材72とともにY方向に移動する。この移動に伴い基板ホルダ62もその端面62aの中央部でY方向に移動し、基板ホルダ62の位置が僅かに変更される。また、第2及び第3変位ユニット58,59による基板ホルダ62の変位は、回転連結部74によるθ方向変位と、ガイド部材75及びX方向移動部材76によるX方向変位とにより吸収される。
押さえ板77は、長辺部77aが薄く形成されている為、Z方向に撓むことができる。これにより、基板ホルダ62が浮上して上下動しても、この浮上変位分を吸収することができる。また、押さえ板77は、X方向、Y方向には幅広に形成されている為、変位して欲しくないY方向及びX方向については高い剛性を保持することができ、これらの方向での撓みは少なく、精度のよい補助的アライメントが可能になる。
図6に示すように、第2変位ユニット58は、第1変位ユニット57とほぼ同様の構成であり、フレーム部材81、X方向移動部材82、アクチュエータ83、回転連結部材84、ガイド部材85、Y方向移動部材86、押さえ板87からなる。なお、第1変位ユニット57と同一構成部材には同一符号が付してある。この第2変位ユニット58は、アクチュエータ83の駆動によりX方向移動部材82がX方向に移動し、押さえ板87を介して基板ホルダ62の端面62bの略中央部をX方向に移動することができる。また、他の変位ユニット57,59による基板ホルダ62のθ方向変位を回転連結部材84により吸収し、他の変位ユニット57、59による基板ホルダ62のY方向変位をY方向移動部材86により吸収する。
図7に示すように、第3変位ユニット59は、押さえ板92の取り付け方向が第2変位ユニット58と反対側にされている点を除き、第2変位ユニット58と同様に構成されており、同一構成部材には同一符号が付してある。
従動ユニット61は、第1変位ユニット57からアクチュエータ73を取り除き、且つ押さえ板97の取り付け方向を第1変位ユニット57とは反対側にしたものであり、第1変位ユニット57と同一構成部材には、同一符号が付してある。この従動ユニット61は、第1〜第3変位ユニット57〜59による基板ホルダ62の移動変位を吸収して基板ホルダ62を保持する。
これらの変位ユニット57〜54及び従動ユニット61の押さえ板77,82,92,97が基板ホルダ62の各端面62a〜62d(図3参照)の略中央と固着されているため、変位ユニット57〜59の各アクチュエータ73,83が駆動してX,Y,θ方向に基板ホルダ62が移動したとき、基板ホルダ62を安定して変位させることが可能であり、また基板ホルダ62がベースユニット56からの吸引排気動作により昇降したとき、さらにまた移動ステージ12aとともに移動したときも、基板ホルダ62を確実に保持することができるので、基板10の位置ずれ補正における誤差を抑制することができる。なお、変位ユニット57〜54及び従動ユニット61の配置としては、上述のように基板ホルダ62の各端面の中央をそれぞれ押さえること、すなわち、基板ホルダ62の重心からの距離がほぼ同じ位置に配されていることが好ましいが、これに限らず、基板ホルダ62のうち少なくとも2辺の端面を押さえる配置であればよい。
また、図2に示すように、全体制御部50は、上述した基板アライメント装置51、52の制御の他に、画像処理ユニット16及び光源ユニット17を制御して露光を行わせる。
画像処理ユニット16は、外部の画像データ出力装置103から出力されるラスター化された第1及び第2画像データ104a,104bを格納する画像データ記憶部105を備えている。第1画像データ104aは、第1移動ステージ12a上の基板10に露光を行う際に用いられ、第2画像データ104bは、第2移動ステージ12b上の基板10に露光を行う際に用いられる。なお、第1及び第2移動ステージ12a,12bは、露光時の移動方向(走査方向)が逆方向、つまり180°異なり、同一の画像データに基づいて露光を行うと各ステージ上の基板10には同一のパターンが描画されないため、同一のパターンが描画されるように2種の画像データ(第1及び第2画像データ104a,104b)が画像データ出力装置103にて用意されている。
画像データ記憶部105は、書き込み制御部106によって書き込みが制御され、読み出し制御部107によって読み出しが制御されている。書き込み制御部106は、画像データ出力装置103から入力される第1及び第2画像データ104a,54bを画像データ記憶部105に書き込む。読み出し制御部107は、全体制御部50の制御に基づき、画像データ記憶部105から選択的に第1画像データ104aまたは第2画像データ104bを読み出して、フレームデータ生成部102に入力する。なお、画像データ記憶部105は、1つのメモリ装置として構成され、第1及び第2画像データ104a,104bがメモリ領域内の異なる領域に格納されるものであってもよいし、2つのメモリ装置として構成され、第1及び第2画像データ104a,104bが各メモリ装置にそれぞれ格納されるものであってもよい。
フレームデータ生成部102は、入力された第1画像データ104aまたは第2画像データ104bに基づいてフレームデータを生成し、生成したフレームデータをDMDドライバ36に入力する。
図10は、以上のように構成されたデジタル露光装置2に基板10の交換(ロード・アンロード)機構を付加したデジタル露光システム110を示す。デジタル露光システム110には、コンベア111、第1及び第2搬送ロボット112a,112b、第1及び第2プリアライメントステージ113a,113bが設けられており、各部は、不図示の制御部によって駆動制御されている。
コンベア111は、デジタル露光装置10の基体14の長辺に沿って延在するように配置されており、第1及び第2搬送ロボット112a,112bは、それぞれ基体14の短辺に対向するように配置されている。コンベア111は、複数の基板10を所定間隔離間して、例えば、第1移動ステージ12a側から第2移動ステージ12b側へ搬送する。なお、基板10には、その方向を示すために「F」の文字を描画パターンとして示している。
第1搬送ロボット112aは、基板10を積載するフォーク状の積載部114aと、一端が積載部114aに連結され、積載部114aを第1移動ステージ12aに対して近接/離間する方向に移動させるアーム部115aと、アーム部115aの他端を支持してθ方向への回転及びZ方向(紙面に直交する方向)への上下動を行う可動式の台座116aとからなる。同様に、第2搬送ロボット112bは、基板10を積載するフォーク状の積載部114bと、一端が積載部114bに連結され、積載部114bを第1移動ステージ12aに対して近接/離間する方向に移動させるアーム部115bと、アーム部115bの他端を支持してθ方向への回転及びZ方向への上下動を行う可動式の台座116bとからなる。
コンベア111、第1及び第2プリアライメントーステージ113a,113b,及び第1及び第2移動ステージ12a,12bの上面には、基板10を、その下面に点接触して持ち上げる複数のリフトピン(図示せず)が設けられている。第1及び第2搬送ロボット112a,112bは、積載部114a,114bをリフトピンの間に挿入し、基板10を下面側から持ち上げることで、基板10を積載部114a,114b上に載置して搬送する。具体的には、第1搬送ロボット112aは、コンベア111上から未露光の基板10を1枚取り出し、該基板10を第1プリアライメントステージ113a上に移送し、そして、第1プリアライメントステージ113aによって位置補正がなされた該基板10を第1移動ステージ12a上に移送する。また、第1搬送ロボット112aは、露光が終了した該基板10を第1移動ステージ12aからコンベア111上に移送する。第2搬送ロボット112bの動作は、第1搬送ロボット112aの動作と同様であり、コンベア111、第2プリアライメントステージ113b、及び第2移動ステージ12bの間で基板10の移送を行う。
なお、第1及び第2プリアライメントステージ113a,113bはそれぞれ、基板10上に設けられたマークやパターンを読み取るカメラ(図示せず)と、X,Y,θ方向にステージを移動させるステージ駆動機構(図示せず)とを備え、基板10を第1及び第2移動ステージ12a,12b上の適正位置に移送するための準備的な基板位置の補正動作を行う。
以上のように構成されたデジタル露光システム110の動作を図11に示すフローチャートに沿って説明する。デジタル露光システム110が動作するときには、第1及び第2搬送ロボット112a,112bにより、第1及び第2移動ステージ12a,12b上にそれぞれ基板10がセットされる。第1及び第2移動ステージ12a,12bに基板10がセットされると、基板ホルダ62の吸引部68が動作して基板10を吸着保持する(図12(A)、図3に示す状態)。このとき、移動ステージ12a,12bのベースユニット56は、エアパッド66からエアを排出することによって基板ホルダ62がベースユニット56から浮上した状態となっている。なお、図12においては図面の煩雑化を防ぐため、変位ユニット57、従動ユニット61などを省略している。またこのとき、各基板10は、互いに180°の回転対称となる向きに配置される。この状態から先ずは第1移動ステージ12aが第2移動ステージ12bに近接する方向へ向かって移動する。
そして、この移動中、第1移動ステージ12aが第1基板位置検出部30aを通過する際に、アライメント計測処理としての基板10の位置検出を行う。このとき、図13に示すように、基板10は、基準位置(2点鎖線で示す位置)に対して位置がずれた状態で基板ホルダ62上に吸着保持されている。なお、この基板10の位置検出処理を行うときも基板ホルダ62は、ベースユニット56から浮上した状態のままである。
基板10の位置検出の後、第1移動ステージ12aの移動を続行させるとともに、全体制御部50は、アライメント補正処理の実行、すなわち第1基板位置検出部30aで検出した基板位置と基準位置とを比較してX、Y、θ方向の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量に基づいて基板10の位置を基準位置に修正するように、各変位ユニットのアクチュエータの駆動量を決定し、この駆動量でアクチュエータを動作させる。これによって、基板ホルダ62の基板10は、基準位置に位置が合わせられた状態となる(図14に示す状態)。
このようにして基板10の位置合わせが完了した時点とほぼ同時に、第1移動ステージ12aは、露光部11を通過した位置に到達し、この露光部11を一端通過した後、移動方向を逆転し、今度は第2ステージ12bと離間する反対方向へ移動する。この反対方向への移動を開始したとき、すなわち、露光部11へ進入する直前に、全体制御部50は、排気吸引部67を制御して、移動ステージ12aのエアパッド66からエアを吸気して基板ホルダ62をベースユニット56に吸着固定した状態とする(図12(B))。そして排気吸引部62が吸気動作を続行してベースユニット56に基板ホルダ62を吸着固定した状態のまま、第1移動ステージ12aが露光部11を通過し、この露光部11を通過する際、基板10に対して第1画像データ104aに基づいた露光を行う。また、この露光中に、第2移動ステージ12bが第1移動ステージ12aに近接する方向に向けて移動し、第2基板位置検出部30bを通過する際に基板10のアライメント計測を行い、さらに移動を続けながらアライメント補正処理を行う。
第1移動ステージ12aは、露光部11を通過して露光処理を完了した後、初期位置に戻る。このとき、第2移動ステージ12bは、露光部11を一端通過し、アライメント補正処理を完了した後、エアパッド66からエアを吸気して基板ホルダ62をベースユニット56に吸着固定した状態とする。そしてベースユニット56に基板ホルダ62を吸着固定した状態のまま、第2移動ステージ12b露光部11を通過し、この露光部11を通過する際、基板10に対して第1画像データ104bに基づいた露光を行う。
また、この露光中に、第1搬送ロボット112aによって第1移動ステージ12a上の基板10が交換され、第1移動ステージ12aは、新たな基板10を基板ホルダ62に吸着保持するとともに、この基板ホルダ62をベースユニット56から浮上した状態にして第2移動ステージ12bに近接する方向に向けて移動し、先程と同様に、基板10のアライメント計測及び補正を行う。第2移動ステージ12bは、露光部11を通過して露光処理を完了した後、初期位置へ戻り、このとき、第1移動ステージ12aは、露光部11を一端通過するとともに、アライメント補正を完了した後、エアパッド66からエアを吸気して基板ホルダ62をベースユニット56に吸着固定した状態として反対方向に移動し、基板10に対して第1画像データ104aに基づいた露光を行う。また、この露光中に、第2搬送ロボット112bによって基板10が交換された第2移動ステージ12bは、新たな基板10を基板ホルダ62に吸着保持するとともに、基板ホルダ62を浮上状態にして第1移動ステージ12aに近接する方向に向けて移動し、先程と同様に基板10のアライメント計測及び補正を行う。これ以降は、以上の工程を1サイクルとして、同一動作が繰り返される。
本実施形態の効果について説明する。上述したように、基板10を保持した基板ホルダ62を浮上状態としたままで、アライメント計測及び補正を行っているので、基板10及び基板ホルダ62には、移動時の力が掛かることなく、また、ベースユニット56が高速移動する際に変形があったとしても基板10及び基板ホルダ62には、影響を受けることが無いので、基板10の位置決めを高い精度で行うことができる。さらに、基板10への露光時には、基板ホルダ62をステージユニット61に吸着固定して露光処理を行っているので、基板10を確実に保持して安定した動作で露光処理を行うことができる。また、基板10を基板ホルダ62によって吸着保持して移動させる構成としているので、基板10をセットする範囲の外側に、基板を保持する保持部材や保持機構を必要とせず、基板10とほぼ同じ面積の基板ホルダ62を使用することができるので、装置の小型化を図ることができる。さらにまた、位置合わせを行う変位ユニット及び従動ユニットは、基板ホルダの外形の一部だけを押さえ付ければよいので、小さくて簡単な構造とすることができるため、この点からも装置全体の小型化を図ることが可能となる。
なお、上記実施形態においては、1つの変位ユニットに対してはX,Y方向のうち、いずれか一方に駆動させるアクチュエータを備えた構成としているが、これに限らず、図14に示すように、X,Y方向にそれぞれ移動させる2つのアクチュエータ121a,121bを備えた変位ユニット120を使用してもよい。なお、この変位ユニット120は、上記の変位ユニット57と同様にフレーム部材71、X方向移動部材72、回転部材74と、ガイド部材75と、Y方向移動部材76と、押さえ板77とを備え、アクチュエータ121a,121bを構成するモータ122a,122bが全体制御部50からの制御信号によって回転すると、ボールネジ123a,123bが回転してX方向移動部材72,Y方向移動部材76をそれぞれ移動させる。このような変位ユニット120を用いる場合、基板ホルダ62の端面の1つを変位ユニット120で押さえ、基板ホルダ62の残りの3つの端面を上記実施形態同様の従動ユニットで押さえる構成とすれば、変位ユニット120を駆動させるだけで、上記実施形態と同様に基板ホルダ62をX,Y,θ方向に移動させることが可能となる。あるいは、複数の変位ユニットで基板ホルダの端面のうち少なくとも2つ以上を押さえるようにする構成としてもよい。
なお、上記実施形態では、2つの移動ステージを備え、交互に基板への露光を行う構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの移動ステージで基板への露光を行う構成としてもよい。また、上記実施形態では、固定配置された露光部に対してステージを移動させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステージを停止し、露光部を移動させてもよい。
また、上記実施形態では、本発明に係わる描画装置の一形態として、描画データに基づいて光ビームを変調することにより基板上に露光を行うデジタル露光装置を例示しているが、本発明はこれに限定されることなく、描画データに基づいてドット状のインクを射出して描画を行うインクジェット描画装置などに適用することも可能である。
デジタル露光装置の構成を示す概略斜視図である。 デジタル露光装置の電気的構成を示すブロック図である。 基板アライメント装置の構成を示す概略斜視図である。 移動ステージの構成を示す斜視図である。 変位ユニットの一つを示す斜視図である。 変位ユニットの一つを示す斜視図である。 変位ユニットの一つを示す斜視図である。 変位ユニットの動作の一例を示す説明図である。 従動ユニットを示す斜視図である。 デジタル露光システムの構成を示す概略平面図である。 デジタル露光システムの動作シーケンスを示すフローチャートである。 移動ステージの動作状態を示す側面図である。 移動ステージの動作状態を示す平面図(その1)である。 移動ステージの動作状態を示す平面図(その2)である。 変位ユニットの変形例を示す斜視図である。
符号の説明
2 デジタル露光装置
10 基板
11 露光部
20 露光ヘッド
12a,12b 移動ステージ
30a,30b 基板位置検出部
51,52 基板アライメント装置
56 ベースユニット
57,58,59 変位ユニット
61 従動ユニット
67 吸引排気部(吸引手段)(排気手段)
68 吸引部

Claims (9)

  1. 基板を移動ステージに載置して前記移動ステージの移動により描画領域を通過させ、画像データに基づき描画手段により順次に前記基板に対して描画を行う描画装置に用いられ、前記描画手段による描画の前に、前記移動ステージ上の基板を適正位置に補正する基板アライメント装置において、
    前記基板を保持する基板ホルダと、前記移動ステージに載せられる載置位置とこの載置位置から浮上する浮上位置との間で前記基板ホルダを昇降する昇降機構と、前記移動ステージに取り付けられ、前記基板ホルダの少なくとも2辺を各辺に略平行な方向に移動し、前記基板ホルダ上の基板を変位させる第1及び第2の変位ユニットとを備えることを特徴とする基板アライメント装置。
  2. 前記第1及び第2の変位ユニットは、前記基板ホルダの移動対象の辺に対して平行方向で移動するように前記移動ステージに取り付けられる辺方向移動部と、前記基板に垂直な軸廻りに回転自在に前記辺方向移動部に連結され、前記辺に交差する方向で移動自在であり、前記基板ホルダの移動対象の辺に固定される押さえ板と有することを特徴とする請求項1記載の基板アライメント装置。
  3. 前記押さえ板は、板状の長片と板状の短片とをL字形状に連続させて構成されており、短片の下端部が前記基板ホルダに固定されていることを特徴とする請求項2記載の基板アライメント装置。
  4. 前記基板ホルダに設けられ、前期基板を吸着自在に保持する第1の吸着手段と、前記移動ステージに設けられ、前記載置位置の基板ホルダを吸着自在に保持する第2の吸着手段とを有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の基板アライメント装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の基板アライメント装置を有する描画装置において、
    前記描画手段による描画の前に、前記基板の適正位置に対する位置ずれ量を計測する基板位置ずれ量計測部と、前記位置ずれ量に基づき、前記基板の適正位置に近づけるために前記変位ユニットによる変位量を求めて、前記変位量に基づき前記変位ユニットを制御する制御部とを備えることを特徴とする描画装置。
  6. 前記制御部は、前記基板の位置ずれ量の計測時、及び前記変位ユニットによる基板ホルダの移動時に、前記基板ホルダを浮上位置にし、前記描画手段による前記基板への描画時に、前記基板ホルダを載置位置にすることを特徴とする請求項5記載の描画装置。
  7. 請求項4記載の基板アライメント装置を有する描画装置において、前記描画手段による描画の前に、前記基板の適正位置に対する位置ずれ量を計測する位置ずれ量計測部と、前記位置ずれ量に基づき前記基板を適正位置に近づけるために前記変位ユニットによる変位量を求めて、前記変位量に基づき前記変位ユニットを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記基板の位置ずれ量の計測時、及び前記変位ユニットによる前記基板ホルダの移動時に、前記基板ホルダを浮上位置にし、且つ第1の吸着手段により基板を基板ホルダに吸着し、前記描画手段による前記基板への描画時に、前記基板ホルダを載置位置にして前記第2の吸着手段により吸着することを特徴とする描画装置。
  8. 基板を移動ステージに載置して前記移動ステージの移動により描画領域を通過させ、画像データに基づき描画手段により順次に前記基板に対して描画を行う描画装置に用いられ、前記描画手段による描画の前に、前記移動ステージ上の基板を適正位置に補正する基板アライメント方法において、
    前記移動ステージ上に基板ホルダを介して基板を載せ、前記基板ホルダを、載置位置と、この載置位置から浮上する浮上位置との間で基板ホルダを昇降自在に保持し、前記基板ホルダを前記浮上位置にした状態で、前記基板ホルダの隣接する少なくとも2辺を各辺に略並行な方向に移動させて、前記基板ホルダ上の基板を変位させることを特徴とする基板アライメント方法。
  9. 前記2辺の移動を、第1及び第2の変位ユニットを用いて行い、前記第1及び第2の変位ユニットは、前記基板ホルダの移動対象の辺に対して平行方向で移動するように前記移動ステージに取り付けられる辺方向移動部と、前記基板に垂直内軸廻りに回転自在に前記辺方向移動部に連結され、前記辺に交差する方向で移動自在であり、前記基板ホルダの移動対象の辺に固定される押さえ板とを有することを特徴とする請求項8記載の基板アライメント方法。
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