JP2008251774A - 多孔質シリカフィルムの製造方法 - Google Patents

多孔質シリカフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低比誘電率と高機械的強度とを併せ持ち、光機能材料、電子機能材料などに好適に使用できる多孔質シリカおよび多孔質シリカフィルムの製造方法、および該多孔質シリカフィルムを用いる層間絶縁膜、半導体用材料および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 Si−O結合を主骨格とするアルキル基を含有する多孔質シリカフィルム中の原子の結合状態を赤外吸収スペクトルでシリカフィルム表面に起因する特定の吸収ピークの波数を規定することによって、低い比誘電率および高い機械的強度を併せ持ち、光機能材料、電子機能材料などとして有用な多孔質シリカフィルムを再現性良く製造できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多孔質シリカフィルム、およびその製造方法に関する。より詳細には、光機能材料、電子機能材料などに使用することができる比誘電率が低く、機械的強度が高い多孔質シリカフィルム、および多孔質シリカフィルムを用いてなる層間絶縁膜、半導体用材料、半導体装置の製造方法に関する。
有機化合物と無機化合物との自己組織化を利用することで合成される均一なメソ細孔を持つ多孔質無機酸化物は、ゼオライトなどの従来の多孔質無機酸化物に比べ、高い細孔容積、表面積などを持つことが知られており、フィルム状でも触媒担体、分離吸着剤、燃料電池、センサーなどへの利用が検討されている。
このような均一なメソ細孔を持つ酸化物の一つである多孔質シリカフィルムを光機能材料、電子機能材料など、特に半導体層間絶縁膜に用いる場合に問題となるのは、フィルムの空隙率と機械的強度の両立である。すなわち、フィルム中の空隙率を高くすると、フィルムの比誘電率が小さくなり空気の1に近づくが、一方で空隙率が高くなると内部空間が増加するので、機械的強度は著しく低下する。また、多孔質シリカのメソ細孔は、表面積が著しく大きく、その表面にシラノール(Si−OH)基を有するため、比誘電率の大きいHOを容易に吸着する。従って、この吸着が増すと、空隙率を高めることによって低下した比誘電率は逆に上昇してしまうという問題がある。
O吸着を防止する方法として、フィルム中に疎水性官能基を導入する方法が提案されている。たとえば、細孔内シラノール基をトリメチルシリル化することによって水の吸着を防止する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、環状シロキサン化合物を金属触媒の非存在下においてSi−O結合からなる多孔質フィルムに接触させることにより、疎水性だけでなく、機械的強度も向上できることが報告されている(特許文献2参照)。
添加物添加による性能改善を目的として、シリカ系被膜形成用組成物に、アルカリ金属化合物を含有させるという報告もある(特許文献3参照)。アルカリ金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等を挙げることができ、このアルカリ金属化合物を含有することにより、シリカ系被膜形成用組成物から形成されるシリカ系被膜の誘電率を低下させるだけでなく、機械強度を向上させることができ、さらに、保存安定性も向上することができると報告している。
以上のように、フィルムの疎水性改善のために様々な検討がなされているが、フィルム中の骨格や疎水基との結合状態を赤外吸収分析(IR分析)によって解析することにより、高性能のフィルムを規定する報告も見られる。
例えば、多孔質のSiOCHよりなるフィルムについてはシリカの3次元骨格をより多くするため、CH+CH、SiHの各伸縮ピーク、SiCH結合の吸収ピークエリアをSi−O結合の吸収ピークに対して規定量以下にすることが報告されている(特許文献4参照)。
メチル基を持つ層間絶縁膜の水素プラズマ処理に対しては、Si−Hに由来する2本の吸収ピークの相対的強度比を規定することが報告されている(特許文献5参照)。
ハイドロジェンシルセスキオキサン(HSQ)を主とするフィルムに対しては、Si−OとSi−Hによる吸収ピークの比を一定の範囲になるように熱処理条件を規定したクラックレス、耐湿性に優れたフィルムが報告されている(特許文献6参照)。
赤外吸収ピークの規定により、比誘電率を低く維持したまま、機械的強度を向上させるという報告もある。
例えば、紫外線照射処理を行った後、1,3,5,7−テトラメイルシクロテトラシロキサン(以下、TMCTSともいう)で疎水化処理を実施する報告がある(非特許文献1参照)。この場合、TMCTSがシリカフィルムとSi−O−Si結合を形成することに由来する、2265〜2275cm−1の赤外吸収の発現が確認できる。但し、疎水化処理後でも、Si−OHの赤外吸収ピークはSi−CHの赤外吸収ピークに対して、1/2以上の高さである。
TMCTSを原料とした、Pulsed-plasma chemical vapor deposition による成膜で形成された有機ケイ素フィルムについては、CHSiOに由来する〜1270cm−1の赤外吸収に注目した解析が行われている(非特許文献2参照)。この報告では、プラズマパワーの強さで変化するTMCTSのネットワークの形成が強度向上の要因としている。
以上のように、近年、光機能材料、電子機能材料などに好適に使用できるSi−O骨格を主とした多孔質シリカフィルム、特に、空隙率を高めて比誘電率を低下させることができる界面活性剤等の細孔形成剤を用いて得られるシリカ複合体から得られる多孔質シリカフィルムについて、疎水性と機械的強度の両方を改善する研究が行われているが、更なる改良が求められている。
国際公開第00/39028号明細書 国際公開第2004/026765号明細書 特開2006−291107号明細書 米国特許公開第2006−0183345号明細書 米国特許公開第2004−0053459号明細書 特開平11−045884号明細書 Materials for Advanced Metallization 2006 P4/5−03 Mat. Res. Soc. Symp. Proc. Vol.766 E6.7.1-6 (2003)
本発明の目的は、低比誘電率と高い機械的強度とを併せ持ち、かつ、これらの特性を安定に維持できる多孔質シリカフィルム、および該多孔質シリカフィルムの製造方法、および該多孔質シリカフィルムを用いて層間絶縁膜、半導体用材料および半導体装置を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、目的にかなう多孔質シリカフィルムを得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、
多孔質シリカフィルムであって、このフィルムから得られる赤外吸収スペクトルの4000cm−1から2200cm−1の範囲において、
(i)アルキル基のC−H伸縮運動に起因する明確な1つの吸収ピークを有し、かつ、
(ii)SiOH基のSi−O伸縮運動に起因するピーク強度がアルキル基のC−H伸縮運動に起因するピーク強度の0.2倍以下であり、かつ、
(iii)HSiO基のSi−H伸縮運動に起因する明確な1つの吸収ピークを有し、その波数が2270cm−1より小さく、かつ、その強度が、アルキル基のC−H伸縮運動に起因する吸収ピークの0.5倍から3倍であること
を特徴とする多孔質シリカフィルムが得られる。
本発明において、アルキル基に起因する明確な1つの吸収ピークの強度は、1000cm−1から1200cm−1の間に有するSi−O結合に起因する吸収ピーク強度に対して、0.05以下であることが好ましい。
また、アルキル基由来の赤外吸収スペクトルの吸収ピークが3000cm−1付近にあることが好ましく、アルキル基はメチル基であることが好ましい。
本発明の多孔質シリカフィルムに存在する細孔の平均径は1nmから5nmであることが好ましく、膜厚は、50nmから5000nmであることが好ましい。
また、本発明は上記多孔質シリカフィルムを含む、比誘電率が2.4以下の層間絶縁膜であり、この層間絶縁膜を含む半導体材料であり、この半導体材料を含む半導体装置である。
また、本発明によると、アルコキシシラン類の加水分解縮合物および細孔形成剤を含む溶液を乾燥してフィルム状の複合体を形成し、このフィルム状の複合体から細孔形成剤を除去することによってSi−O結合を主として有する多孔質シリカフィルムを形成し、この多孔質シリカフィルムへ非酸素存在下、400℃以下で紫外線照射を行い、更に多孔質シリカフィルムとアルキル基を有する有機ケイ素化合物との接触反応処理を行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の多孔質シリカフィルムの製造方法が得られる。
ここで、アルキル基を有する有機ケイ素化合物は、1分子中に、Si−X−Si結合(Xは酸素原子、基−NR−、炭素数1または2のアルキレン基またはフェニレン基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示す)を1つ以上、およびSi−A結合(Aは水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子を示す)を2つ以上有することが好ましい。
本発明によれば、製造された多孔質シリカフィルムにおいて、フィルム改質処理が異なる処理装置やプロセスであっても、Si−O結合を主骨格とするアルキル基を含有する多孔質シリカフィルム中の原子の結合状態を赤外吸収(IR)スペクトルでシリカフィルム表面に起因する特定の吸収ピークの波数を規定することによって、安定性が高く、低い比誘電率および高い機械的強度を併せ持ち、光機能材料、電子機能材料などとして有用な多孔質シリカフィルムを再現性良く製造できる。さらに、該多孔質シリカフィルムを用いれば、特に層間絶縁膜、半導体用材料、半導体装置などを容易に製造することが可能となる。
本発明に用いられる多孔質シリカフィルムの骨格は例えば、以下のようにして製造できる。
すなわち、まず、アルコキシシラン類の加水分解縮合物および細孔形成剤を含む溶液を基板上に、塗布、乾燥してアルコキシシラン類の加水分解縮合物と細孔形成剤で形成される複合体からなるフィルムを形成する複合体フィルム形成工程と、複合体フィルム形成工程で得られた複合体フィルム中のアルコキシシラン類加水分解縮合物の更なる縮合促進による硬化と細孔形成剤を除去する硬化、多孔質化工程を行うことにより多孔質シリカフィルムの骨格を形成する。
次に、このようにして得られた多孔質シリカフィルムの骨格を、特定の赤外吸収ピークを有するまで、更に非酸素存在下、400℃以下の温度で、紫外線照射とアルキル基を有する有機ケイ素化合物との接触反応処理を行うことにより、Si−O結合を主骨格とするアルキル基を含有する安定性の高い低い比誘電率および高い機械的強度を併せ持ち、光機能材料、電子機能材料などとして有用な多孔質シリカフィルムを製造する。
特に、これら一連の工程によって得られた多孔質シリカフィルムは、赤外吸収測定装置により、特定の赤外吸収ピークから、フィルム中の原子結合状態を規定できるため、性能を再現良く製造できる。
初めに、多孔質シリカフィルムの骨格形成について更に詳しく述べる。
(1)多孔質シリカフィルムの骨格形成
(a)複合体フィルム形成工程
本工程で製造される複合体フィルムは、多孔質シリカフィルムの前駆体である。本明細書において、多孔質とは、水分子が外部から自由に浸入でき、かつ、直径が5nmより小さい開孔部を持ち、深さ方向の長さが開孔部の直径よりも大きい細孔を有する構造をいう。ここで言う細孔には、粒子間の空隙も含まれる。
また、本工程で製造される多孔質シリカは、主としてSi−O結合からなる多孔質シリカであって、部分的に有機物が含まれていても構わない。主としてSi−O結合からなるとは、Si原子に少なくとも2つのO原子を介してSi原子が結合するものであって、それ以外は特に限定されない。たとえば、部分的に、Si原子に水素、ハロゲン原子、アルキル基、フェニル基、これらを含む官能基などが結合していても構わない。一般的なものとしては、シリカ、水素化シルセスキオキサン、メチルシルセスキオキサン、水素化メチルシロキサン、ジメチルシロキサンなどが含まれる。
本工程では、まず、アルコキシシラン類を加水分解および脱水縮合してシリカゾルを得る。アルコキシシラン類の加水分解および脱水縮合は公知の方法に従って実施でき、たとえば、アルコキシシラン類、触媒および水、さらに必要に応じて溶媒を混合することにより行われる。
さらに、アルコキシシラン類の加水分解・脱水縮合の際に、さらに鋳型用有機化合物(細孔形成剤)を混合する。細孔形成剤としては、界面活性剤などを好適に使用できる。
(アルコキシシラン類、触媒、溶媒、界面活性剤)
本工程で用いる、アルコキシシラン類、触媒、溶媒、細孔形成剤としての界面活性剤については、公知のものを使用できる。例えば、特許文献2に開示しているものが挙げられる。
(その他の添加物)
本発明においては、カリウムより原子半径の大きいアルカリ金属をシロキサンポリマー(固形分(SiO換算質量))に対して、100ppmを超えない範囲において添加することについては、電気特性に著しい悪影響は見られないため差し支えない。このアルカリ金属化合物を含有することにより、多孔質シリカフィルムの誘電率をより低下させ、機械強度を更に向上することができる。
(各成分の混合)
各成分(アルコキシシラン類、触媒、水、溶媒および界面活性剤)の混合時における形態(固体、液体、溶媒に溶解した溶液など)、混合順序、混合量などは特に制限されず、最終的に得られる多孔質シリカの設計性能などに応じて適宜選択することができる。例えば、アルコキシシラン類の加水分解・脱水縮合を制御するために添加される水の量については特に制限はなく、広い範囲から適宜選択できる。好ましくはアルコキシシラン類のアルコキシ基1モルに対して、水が1モル〜10モルである。触媒の使用量も特に制限されず、アルコキシシラン類の加水分解・脱水縮合を促進する量を適宜選択すればよい。好ましくは、アルコキシシラン類1モルに対して、触媒が0.1モル〜0.001モルである。溶媒を用いる場合にも、溶媒の使用量は特に制限されず、アルコキシシラン類の加水分解・脱水縮合反応を円滑に進行させることができ、かつ得られるシリカゾルの乾燥を容易に実施できる範囲から選択すればよい。好ましくは、アルコキシシラン類100質量部に対して溶媒が100質量部〜10000質量部、さらに好ましくは300質量部〜4000質量部である。また、界面活性剤の使用量も特に制限されず、各成分の使用量、最終目的物である多孔質シリカの設計性能などに応じて広い範囲から適宜選択できる。好ましくはアルコキシシラン類1モルに対して界面活性剤0.002モル〜1モル、さらに好ましくは0.005モル〜0.15モルである。
上記各成分の混合によるアルコキシシラン類の加水分解・脱水縮合反応は攪拌下で0℃〜70℃、好ましくは30℃〜50℃の温度下に行われ、数分〜5時間、好ましくは1時間〜3時間で終了する。これにより、シリカゾルが得られる。
本工程では、このようにして調製されるシリカゾルを基板上に塗布、乾燥させることによって、複合体フィルムが得られる。
シリカゾルを塗布する基板としては、一般的に用いられるものを使用できる。たとえば、ガラス、石英、シリコンウエハ、ステンレスなどが挙げられる。特に、得られる多孔質シリカフィルムを半導体材料として用いる場合は、シリコンウエハを好ましく使用できる。また、基板の形状は、板状、皿状などの何れの形状でもよい。
シリカゾルを基板に塗布する方法としては、たとえば、スピンコート法、キャスティング法、ディップコート法などの一般的な方法が挙げられる。スピンコート法の場合、スピナー上に基板を置き、該基板上にシリカゾルを滴下し、500rpm〜10000rpmで回転させることにより、フィルム表面が平滑性に優れる均一な膜厚のフィルムが得られる。得られたフィルムは次の工程で乾燥処理される。
この乾燥工程では溶媒、アルコール分などが除去されるが、それと同時に複合体はシリカゾルの縮合が部分的に進行するため硬化される。乾燥による、この予備的な硬化のために必要な温度は80℃〜180℃、好ましくは100℃〜150℃である。この温度であれば、シリカゾルの縮合は進行するが、界面活性剤は複合体からほとんど抜けることはない。この段階ではフィルムの硬化は未だ充分ではないため、界面活性剤が抜けることは好ましくない。乾燥時間は1分以上あればよいが、ある時間を超えると硬化速度は極端に遅くなるので、効率を考えれば1分〜60分が好ましい。シリカゾルを乾燥させる方法としては特に制限されず、ゾルを乾燥させるための公知の方法をいずれも採用できる。なお、この後に行われるフィルム状複合体の多孔質化は、たとえば、上記各成分、特にアルコキシシラン類、界面活性剤などの種類を変更することにより制御できる。
(b)硬化、多孔質化工程
本工程では、上記(a)の工程で得られる複合体フィルムから細孔形成剤を除去するとともにフィルムの硬化を行う。この工程での処理により、フィルムの複合体は多孔質化するとともに、Si−O−Si結合の強化により、機械的強度が向上し、多孔質シリカフィルムが形成される。なお、細孔形成剤が複合体中に残存すると、残存した細孔形成剤が水の吸着点となって多孔質シリカの比誘電率を増加させるので、本工程での処理では、複合体中の細孔形成剤が全て除去される条件で行うことが必要である。また、本工程は非酸素雰囲気下で行うことが望ましい。
本工程において、細孔形成剤の除去には、細孔形成剤を構成している有機化合物を分解する条件が必要である。具体的には、熱分解、あるいは電子線、紫外線等の高エネルギー源による照射による分解を行うことができる。
熱分解の場合は、高温ほど、細孔形成剤の分解は容易となるが、半導体プロセス上の問題を考慮すれば、400℃以下好ましくは、350℃以下の温度であることが好ましい。この場合、細孔形成剤は完全に除去する必要があり、少なくとも200℃以上、好ましくは300℃以上の温度がプロセス時間も考慮すると好ましい。
もちろん、高エネルギー源による照射と、熱的処理を併用することは、より処理時間を短縮できるために好ましい。
高エネルギー源として用いられる電子線、紫外線、プラズマ等の照射条件(エネルギー密度、照射時の雰囲気、照射距離、照射温度、照射時間、照射波長、照射強度、等)は特に制限されず、複合体中の界面活性剤が全て除去される照射条件を適宜選択すればよい。
複合体フィルムに照射されるエネルギーが、高ければ高いほど多孔質化したシリカフィルムの硬度は高くなるが、一方でシリカ骨格へのダメージも大きくなり、フィルム表面の平滑性に影響を及ぼす場合もある。したがって、半導体プロセス上、それぞれのエネルギー源で問題がない適切な条件でフィルムを処理することが望ましい。
このようにして得られた多孔質シリカフィルム細孔は、フィルムの断面のTEM観察および細孔分布測定により、平均細孔径で0.5nm〜5nmを有することを確認することができる。また、フィルムの厚さは製造条件によっても異なるが、おおよそ50nm〜5000nmの範囲である。
本発明の多孔質シリカフィルムの形態については、基板を除去した自立膜の状態であっても、基板に成膜された状態であってもかまわない。また、多孔質シリカフィルムは一連の処理後に曇りや着色などの不具合が発生することはないため、透明なものが必要な場合にも用いることができる。
(2)400℃以下での紫外線照射、および、アルキル基を有する有機ケイ素化合物との接触反応処理
本工程では、硬化、及び多孔質化工程後の多孔質シリカフィルムに非酸素存在下、400℃以下での紫外線照射、および、アルキル基を有する有機ケイ素化合物との接触反応処理を行う。この処理によって、赤外吸収(IR)スペクトルでシリカフィルム表面に起因する特定の吸収ピークの波数を規定した範囲に移動することができる。
一般的に、細孔形成剤を除去、硬化しただけでは、得られる多孔質シリカフィルムの表面にはかなりのシラノール基(Si−OH)が存在するため、経時的な比誘電率の上昇、膜収縮などが起こる。そのため、この多孔質シリカフィルムの表面に対して疎水化処理が必要であることが知られている。効果的な疎水化方法として、アルキル基を有する疎水化剤でフィルム表面を処理することが知られている。
すなわち、多孔質シリカの細孔表面には親水性基であるシラノール基が多く存在して吸湿の原因になるので、このシラノール基に、該シラノール基と優先的または選択的に反応する疎水性基であるアルキル基を有する有機ケイ素化合物を反応させることによって、疎水化処理が行われる。
アルキル基を有する有機ケイ素化合物としては公知のものを使用できるが、1分子中にSi−X−Si結合〔式中、Xは酸素原子、基−NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示す)、炭素数1〜2のアルキレン基またはフェニレン基を示す。〕を1つ以上およびSi−A結合(式中Aは水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはハロゲン原子を示す。)を2つ以上有する有機ケイ素化合物(以後「有機ケイ素化合物(A)」と称す)が挙げられる。有機ケイ素化合物(A)を反応させれば、この化合物も含めたシロキサン結合の再配列が起こるため、機械的強度のさらなる向上が期待される。
有機ケイ素化合物(A)の具体例としては、たとえば、一般式
Figure 2008251774
(式中、R、R、R、R、RおよびRは同一または異なって、それぞれ水素原子、水酸基、フェニル基、炭素数1〜3のアルキル基、CF(CF)c(CH)b、炭素数2〜4のアルケニル基またはハロゲン原子を示す。ただし、p個のR、R、q個のR、Rおよびr個のR、Rのうち少なくとも2つが水素原子、水酸基またはハロゲン原子を示す。cは0〜10の整数を示し、bは前記に同じ。pは0〜8の整数、qは0〜8の整数、rは0〜8の整数を示し、かつ3≦p+q+r≦8である。)
で表される環状シロキサン(以後「環状シロキサン(2)」と称す)、一般式
Y−SiR1011−Z−SiR1213−Y …(3)
(式中、R10、R11、R12およびR13は同一または異なって、それぞれ水素原子、フェニル基、炭素数1〜3のアルキル基、CF(CF)c(CH)bまたはハロゲン原子を示す。ZはO、炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基、(OSiR1415)cO、O−SiR1617−W−SiR1819−OまたはNR20を示す。R14、R15、R16、R17、R18、R19およびR20は同一または異なって、それぞれ水素原子、水酸基、フェニル基、炭素数1〜3のアルキル基、CF(CF)c(CH)b、ハロゲン原子またはOSiR212223を示す。Wは炭素数1〜6のアルキレン基またはフェニレン基を示す。R21、R22およびR23は同一または異なって、それぞれ水素原子またはメチル基を示す。2つのYは同一または異なって、水素原子、水酸基、フェニル基、炭素数1〜3のアルキル基、CF(CF)c(CH)bまたはハロゲン原子を示す。bおよびcは前記に同じ。ただし、R10、R11、R12、R13および2つのXのうち、少なくとも2つは水素原子、水酸基またはハロゲン原子である。)
で表されるシロキサン化合物(以後「シロキサン化合物(3)」と称す)、一般式
Figure 2008251774
(式中、p、qおよびrは前記に同じ。R24、R25、R27、R28、R30およびR31は同一または異なって、それぞれ水素原子、水酸基、フェニル基、炭素数1〜3のアルキル基、CF(CF)c(CH)bまたはハロゲン原子を示す。p個のR24、R25、q個のR27、R28およびr個のR30、R31のうち少なくとも2つは水素原子、水酸基またはハロゲン原子を示す。R26、R29およびR32は同一または異なって、それぞれフェニル基、炭素数1〜3のアルキル基またはCF(CF)b(CH)cを示す。bおよびcは前記に同じ。)
で表される環状シラザン(以後「環状シラザン(4)」と称す)などが挙げられる。
環状シロキサン(2)の具体例としては、たとえば、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサンなどが挙げられる。これらの中でも、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
シロキサン化合物(3)の具体例としては、たとえば、1,2−ビス(テトラメチルジシロキサニル)エタン、1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン、1,1,4,4−テトラメチルジシルエチレン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどが挙げられる。
環状シラザン(4)の具体例としては、たとえば、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,3,5,7−テトラエチル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシラザン、1,2,3−トリエチル−2,4,6−トリエチルシクロトリシラザンなどが挙げられる。
アルキル基を有する有機ケイ素化合物は、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
多孔質シリカとアルキル基を有する有機ケイ素化合物との反応(以下、「疎水化反応」ともいう)は、従来から公知の反応方法と同様にして、液相中または気相雰囲気下で実施できる。
疎水化反応を液相で実施する場合は、有機溶媒を用いても良い。使用し得る有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのアリールアルカン類などが挙げられる。有機溶媒中で疎水化反応する場合には、アルキル基を有する有機ケイ素化合物の濃度は特に制限はなく、該有機ケイ素化合物の種類、有機溶媒の種類、反応温度などの各種反応条件に応じて、広範囲から適宜選択できる。
疎水化反応を気相雰囲気下で実施する場合は、アルキル基を有する有機ケイ素化合物をガスで希釈してもよい。使用し得る希釈用ガスとしては、窒素、アルゴン、水素などが挙げられる。また、ガスで希釈する代わりに減圧下で実施することも可能である。特に、気相雰囲気下で実施する場合、溶媒回収や、乾燥工程が不要となるため好ましい。アルキル基を有する有機ケイ素化合物を希釈する場合、有機ケイ素化合物の濃度は0.1vol%以上あれば特に制限されない。また、任意に希釈された反応ガスは流通で接触させても、リサイクルで接触させても、あるいは密閉容器中に封じ込めた状態で接触させてもいずれの方法でも実施できる。反応温度には特に制限はなく、疎水化剤であるアルキル基を有する有機ケイ素化合物が多孔質シリカと反応できる温度以上で、疎水化剤が分解および目的とする反応以外の副反応を起こさない温度以下の範囲で実施できるが、好ましくは10℃〜400℃、プロセス上の上限、及び反応性を考慮すれば、さらに好ましくは200℃〜350℃、特に好ましくは、反応温度は300℃〜350℃の範囲が好ましい。反応温度がこれらの範囲内であれば、副反応を伴うことなく、反応が円滑に効率良く進行する。加熱方法は特に制限されず、多孔質シリカが形成されている基板を均一に加熱できる方法であればよい。たとえば、ホットプレート式、電気炉式などが挙げられる。反応温度への昇温方法は特に制限されず、所定の割合で徐々に加熱してもよく、また反応温度がシリカの焼成温度よりも低い場合には、反応温度に達した反応容器内に一気に挿入しても問題はない。多孔質シリカとアルキル基を有する有機ケイ素化合物との反応時間は、反応温度に応じて適宜選択できるが、通常は数分〜40時間、好ましくは1時間〜4時間である。
また、多孔質シリカとアルキル基を有する有機ケイ素化合物(A)との反応系に、水を存在させても良い。水が存在すると、多孔質シリカとアルキル基を有する有機ケイ素化合物(A)との反応が促進される。水の使用量はアルキル基を有する有機ケイ素化合物(A)の種類に応じて適宜選択されるが、好ましくは反応系における水の分圧が0.05kPa〜25kPaになるように水を使用するのがよい。この範囲内であれば、水の反応促進効果が充分に発揮され、さらに多孔質シリカの細孔構造が水によって崩壊することもない。また、水の反応系への添加温度は、反応温度以下であれば特に制限はない。添加方法についても特に制限はなく、多孔質シリカとアルキル基を有する有機ケイ素化合物(A)とが接触前に添加してもよく、また、アルキル基を有する有機ケイ素化合物(A)とともに反応系に添加してもよい。
これらの疎水化処理によって多孔質シリカフィルムは疎水性が著しく向上する。しかし、疎水化処理の条件によっては、処理直後に示していた良好な疎水性が、時間経過によって次第に低下していくことを見いだした。そこで、フィルムの安定性を向上させること、すなわち、疎水性が長期間安定させることが求められていた。
この問題に対し、本研究者らは、鋭意検討を重ねた結果、多孔質シリカフィルム内の原子の結合状態が異なれば、同じ疎水基濃度でも、疎水安定性には大きな違いがあることを見出した。本発明者らは、この疎水基をシリカフィルム表面に結合固定化し、好ましい原子の結合状態に維持させるために、熱処理だけではなく紫外線処理を併用することが、フィルムの安定性向上に好ましいことを見出した。ここで、併用するとは紫外線照射と、アルキル基を有する有機ケイ素化合物による疎水化処理を同時に行うことではなく、別々に少なくともいずれの処理も1回以上、赤外吸収ピークが特定の範囲内になるまで行うことを意味する。両処理を同時に行うことは、アルキル基を有する有機ケイ素化合物の重合が気相中で進行して、パーティクルとなる場合があるため、好ましくない。
本発明においては、紫外線照射と、アルキル基を有する有機ケイ素化合物による疎水化処理を繰り返し行っても何ら問題は無いが、最後はアルキル基を有する有機ケイ素化合物による疎水化処理を行うことが、より疎水性を付与できるため、赤外吸収(IR)スペクトルでシリカフィルム表面に起因する特定の吸収ピークの波数を規定する範囲にあわせる処理として望ましい。
紫外線処理の条件としては以下が例示できる。
例えば、紫外線の波長は、好ましくは100nm〜350nm、さらに好ましくは170nm〜250nmである。紫外線強度は、界面活性剤の除去時間などに影響を及ぼし、紫外線強度が高いほど、界面活性剤の除去時間が短縮されるので、少なくとも5mW/cm以上であることが望ましい。紫外線照射時の雰囲気は、酸化性雰囲気でなければ特に限定されず、窒素などの不活性雰囲気、真空中での紫外線照射などが好ましい。酸素が大量に存在すると、紫外線を吸収してオゾンとなり、紫外線強度が減少するため好ましくない。好ましくは酸素濃度を100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下とするのが良い。
紫外線照射光源と複合体との距離は、該光源から発せられる紫外線が複合体に到達し、かつ紫外線が複合体に均一に照射できる距離であれば問題ないが、好ましくは1cm〜10cmである。
紫外線照射温度は、得られる多孔質シリカの強度に影響する。温度が高いほど、シリカ骨格を強化するための結合の再配列が起こりやすくなると推察される。但し、温度が高すぎると半導体製造においては、他の構成要素に影響が出て性能低下が懸念される。このため、紫外線照射温度も、好ましくは10℃〜400℃、さらに好ましくは150℃〜350℃、特に好ましくは200℃〜350℃である。高温にすれば紫外線照射時間は短くできるため、基本的には数分で処理できる温度にすることが好ましい。紫外線照射時間を長くすることは特に問題ないが、経済性を考慮すれば、照射時間が20分以内でできるように、好ましくは10分以内でできるように紫外線照射温度を設定するのが好ましい。
CVDにより形成されるフィルムにおいては、紫外線照射時間を長くすると収縮が進み、細孔が小さくなりすぎてフィルム内の切断された官能基などがフィルムの外に出られなくなるためか、k値は逆に増加してくるが、界面活性剤を用いて形成された多孔質フィルムについては細孔が大きいため、そのような現象は見られない。
これらの処理を併用することによって多孔質シリカフィルムはその疎水性を著しく改善する。この改善は、赤外吸収(IR)スペクトルでシリカフィルム表面に起因する特定の吸収ピークの波数が移動することと関係しており、シリカフィルム表面の原子の結合状態による寄与が大きいことが本発明によりわかった。
多孔質シリカフィルム内原子の結合状態を見るための赤外吸収の測定解析には、例えば、赤外吸収分析装置(DIGILAB Excalibur(DIGILAB社製))を用いることができる。
なお、本明細書において、「アルキル基のC−H伸縮運動に起因するピーク」を「アルキル基由来のピーク」、「SiOH基のSi−O伸縮運動に起因するピーク」を「SiOH基由来のピーク」、「HSiO基のSi−H伸縮運動に起因するピーク」を「HSiO基由来のピーク」ということもある。
本発明では、フーリエ変換赤外吸収スペクトル(FTIR)測定での検討を重ねた結果、Si−O基由来の吸収よりは、シリカフィルム表面にある、特に、アルキル基由来の吸収、Si−OH基由来の吸収、Si−H基由来の3つの吸収に着目することにより、優れた特性をもつフィルムの赤外吸収での特徴を見出すに至った。そこで、本発明においては、対象とするピークは2200cm−1以上とした。具体的には、このフィルムから得られる4000cm−1から2200cm−1の範囲の赤外吸収スペクトルである。これは、Si−O結合由来の吸収ピークに比較して、前記の対象とする3つのピーク強度は非常に小さく、そのピーク比はおおむね0.05以下だからである。シリカ骨格の場合、1100cm−1付近に見られるSi−Oフォノンの散乱、並びにその倍音である2200cm−1の吸収が強く、また、このピーク値は製造方法や膜中の応力によってシフトし、特定できないため、これらのピークを対象に入れると判断を誤る恐れがあるからである。
したがって、従来の報告に見られるような、シリカフィルム内に多数存在するSi−O結合由来の吸収ピークと、Si−OHやSi−H由来の吸収ピークとの比較をするものとは異なる。
本発明の多孔質シリカフィルムの赤外吸収スペクトルは、アルキル基のC−H伸縮運動に起因する明確な1つの吸収ピークを有する。このピークが存在することによって、疎水基であるアルキル基が存在することを確認できる。従って、ピークがないということは疎水化されていないことを意味する。赤外吸収スペクトルによって、細孔内表面に存在するアルキル基も確認することができる。細孔内表面の面積は非常に大きいが、シリカ骨格に比べれば、その量は非常に小さいため、先に述べたように、たとえ細孔内の全表面をアルキル基で疎水化したとしても、1000cm−1から1200cm−1の範囲に存在するSi−O結合に起因する吸収ピークに対するアルキル基由来のピーク強度は0.05以下となる。なお、本発明においては、アルキル基がメチル基であるのが好ましく、この場合には3000cm−1付近に吸収ピークを有する。
本発明の多孔質シリカフィルムの赤外吸収スペクトルは、Si−OH基のSi−O伸縮運動に起因するピーク強度が、アルキル基由来のピーク強度の0.2倍以下である。更には、SiOH基由来の明確な吸収ピークを有さないことが好ましい。これは、具体的には、3300cm−1から3800cm−1の間でベースラインに対しての赤外吸収によると思われるスペクトル高さが、前述のアルキル基由来の吸収ピークの高さに対して0.2倍以下の高さであることを意味する。このなかで、3600cm−1付近の吸収を示す孤立Si−OH基はその反応性が高いために特に水分子を吸着しやすく、その存在は極力避けなければならない。特に、3750cm−1付近に孤立Si−OH基に由来する吸収ピークがないことが望ましい。
本発明の多孔質シリカフィルムの赤外吸収スペクトルは、HSiO基のSi−H伸縮運動に起因する波数が2270cm−1より小さい明確な1つの吸収ピークを有する。HSiO基は、疎水化処理と紫外線処理の併用によって形成されるものである。本発明者らは、多孔質シリカフィルムの比誘電率と赤外吸収スペクトルでのHSiO基由来ピークとの関係を詳細に調査した結果、フィルムの比誘電率が小さくなると、HSiO基由来のピークの波数が小さい方へ動いていることを突き止めた。このような関係になる理由の詳細は不明であるが、この官能基がシリカ表面にあり、まわりの表面官能基の影響を受けやすいからではないかと推察される。
また、HSiO基由来ピークはアルキル基由来の吸収ピークの0.5倍から3倍の強度を有することが必要である。アルキル基由来のピークに対して0.5倍より小さい場合はシリカ骨格が十分に強化されていないことが危惧される。あるいは、細孔形成剤が完全に除去できておらずに残留していることによってアルキル基由来のピーク強度が大きくなったことも疑われる。一方、HSiO基由来のピーク強度が大きすぎることは、逆にアルキル基が充分に結合していない、つまり疎水化が不十分であることが危惧される。なお、2180cm−1付近のHSi(R)O基に由来するピークはあっても無くても良く、また、両者のピーク比は特に制限されない。
従来の報告(例えば、非特許文献2)にあるようなTMCTSだけをCVDにより成膜したフィルムは成膜するときに重合しながら3次元ネットワークを形成するため、初めから、ピークが2250cm−1付近にあり、多孔質シリカフィルムに見られるような未重合状態からのピークの移動はなく、また、このような移動に注目した検討も見当たらない。
以上のことから、本発明での多孔質シリカフィルムの性能、特に表面疎水化した多孔質シリカフィルムの性能評価においては、HSiO基由来のピークの波数を調べることによっても吸湿性を判断することは可能であり、多孔質シリカ骨格が同様のものであっても、この吸収ピークの波数に違いがあれば、その疎水性、あるいは経時的吸湿安定性には差が出てくる。
疎水化処理等は、処理条件を同じにして行ったつもりでも、処理装置が異なると微妙に条件が変化するため、再現性が取れない場合がある。紫外線処理装置では、その光路上に石英ガラス等をいれる、あるいは雰囲気が少し違うなどによって、微妙に波長が変わることが懸念される。それによって、フィルムの性能に再現がとれなくなることも考えられるが、その変化は、赤外吸収スペクトルを測定し、フィルムそのものの状態を把握することによって、条件のずれを確認することができ、目的とする赤外吸収スペクトルが得られるまで処理を行うことで、フィルムの性能再現性を高めることが可能となる。
本発明による、紫外線照射とアルキル基を有する有機ケイ素化合物による接触反応処理とを併用することで疎水性が長期安定化する理由としては次のようなことが推察される。
例えば、アルキル基を有する有機ケイ素化合物を1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)として、疎水化処理を行った場合、熱的処理だけではSi−H基の一部はHOとの反応によって、Si−OH基を生成し、これが、フィルム中のSi−OH基と脱水縮合して架橋するが、Si−CH基はほとんど反応しない。この疎水化処理ではTMCTSの反応量が多いほど疎水性は増すが、加熱だけで、しかも上限が400℃では充分な時間と水の存在条件下でないとSi−OH基が残留する恐れがある。
一方、フィルムに紫外線を照射すると、その高いエネルギーのためにTMCTSで処理したフィルムの場合にはSi−H基に加えて、Si−CH基も切断される。また、そうではなくてもSi−O−Si結合の弱い部分の結合が切れて、新たにSi−OH基、あるいはSi−H基を生成する。これらは他のSi−OH基と脱水縮合し、架橋性が増すとともに欠陥が減少するため、疎水安定性が増すと推察される。
HSiO基由来の赤外吸収ピークがシフトするのは明確に解析できていないが、上に述べたように、疎水化に加えて架橋が充分に進んだ構造を反映してのものと推察される。同じ処理を行った場合でも、その処理が充分できているかいないかは安定性に密接に関係する。したがって、結合状態を解析できる赤外吸収スペクトルによって、フィルム性能の安定性を判断できるのである。
これらの処理によって、多孔質シリカフィルムの高い空隙率(すなわち低い比誘電率)と高い機械的強度とを維持したまま、経時的な吸湿による比誘電率の上昇が非常に少なく、層間絶縁膜などとして有用な多孔質シリカフィルムが得られる。特に、層間絶縁膜としては、比誘電率は2.4以下であり、フィルムの弾性率は4GPa以上を有する。
なお、比誘電率の測定は、水銀プローブ装置(SSM5130)を用い、25℃、相対湿度30%の雰囲気下、周波数1MHzにて常法により測定した。
多孔質フィルムの弾性率は、ナノインデンタ測定によりフィルムの弾性率を測定することで確認した。
本発明の多孔質シリカフィルムは、疎水性と機械的強度の両方に優れるため、層間絶縁膜、分子記録媒体、透明導電性フィルム、固体電解質、光導波路、LCD用カラー部材などの光機能材料、電子機能材料として用いることができる。特に、半導体用材料としての層間絶縁膜には、強度、耐熱性、低比誘電率が求められており、このような疎水性と機械的強度に優れる多孔質フィルムが好ましく適用される。
次に、本発明の多孔質シリカフィルムを層間絶縁膜として用いた半導体装置の例について具体的に説明する。
まず、上述のようにして、シリコンウエハ表面上に、多孔質シリカフィルムを形成する。次いで、該多孔質シリカフィルムをフォトレジストのパターン通りにエッチングする。該多孔質シリカフィルムのエッチング後に、気相成長法により該多孔質シリカフィルム表面およびエッチングされた部分に窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)などからなるバリア膜を形成する。その後、メタルCVD法、スパッタリング法、電解メッキ法などにより銅膜を形成し、さらにCMP(Chemical Mechanical Polishing)により不要の銅膜を除去して回路配線を作成する。さらに、キャップ膜(たとえば炭化ケイ素からなる膜)を表面に作成し、必要であれば、ハードマスク(たとえば窒化ケイ素からなる膜)を形成する。これらの各工程を繰り返すことで多層化して、本発明に係る半導体装置を製造することができる。
本発明の製造方法により得られる多孔質シリカフィルムの平均細孔径は0.5nm〜10nmの範囲であることが好ましい。この範囲であれば、十分な機械的強度と低比誘電率とを併せ持つことが可能である。
なお、多孔質フィルム中に存在する細孔の平均径、形状、及び割合は、一般的には、小角X線散乱測定装置(例えば理学電機社製)を使用して測定することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<赤外吸収スペクトルの測定>
本実施例において、赤外吸収スペクトルの測定解析には、赤外吸収分析装置(DIGILAB Excalibur(DIGILAB社製)を用いた。その測定条件は以下のとおりである。
IR光源:空冷セラミック
ビームスプリッター:ワイドレンジKBr
検出器:ペルチェ冷却DTGS
測定波数範囲:7500〜400cm−1
分解能:4cm−1
積算回数:256
バックグラウンド:Siベアウエハー使用
測定雰囲気:N(10L/min)
本発明においては、疎水基と多孔質シリカフィルム表面との結合状態を測定するが、その結合数は、多孔質シリカフィルム全体に比べて、その表面の結合数が非常に少ない。従って、一般的に行われる透過や全反射の測定方法では検出が困難となる。そこで、本実施例では、多孔質シリカフィルムを塗布した基板を赤外線入射に対して72°傾けて測定した。
<比誘電率kの測定>
本実施例では、水銀プローブ装置(SSM5130)を用い、25℃、相対湿度30%の雰囲気下、周波数1MHzにて常法により比誘電率を測定した。
<機械的強度の測定>
本実施例では、ナノインデンテーター(Hysitron社、Triboscope)により、膜厚の1/10以下の押し込み深さで常法により弾性率を測定した。
<比誘電率の安定性の評価>
比誘電率を測定した多孔質シリカフィルムを25℃、相対湿度30%の雰囲気下で1週間放置した。その後、比誘電率を測定し、以下の式で変化率を求めた。
変化率={(放置後の比誘電率)−(放置前の比誘電率)}/(放置前の比誘電率)
変化率は以下の基準で評価した。
○:10%以下
△:10%より大きく20%以下
×:20%より大きい
<実施例1>
(多孔質シリカフィルムの調整)
テトラエトキシシラン(日本高純度化学(株)製、EL,Si(OC)10.0gとエタノール(和光純薬工業(株)製EL,COH)10mLを室温下で混合攪拌した後、1規定塩酸(和光純薬工業(株)製、微量金属分析用)1.0mLを添加し、50℃で攪拌した。次に、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(シグマケミカル社製、C1837(CHCHO)OH)4.2gをエタノール40mLで溶解した後、添加混合した。この混合溶液に、水8.0mL(テトラエトキシシラン1モルに対して9.2モル)を添加し、30℃で50分攪拌後、2−ブタノール(関東化学(株)製、CH(C)CHOH)10mLを添加混合し、さらに30℃で70分攪拌した。
得られた溶液にCsを15ppmとなるように硝酸セシウム水溶液を添加した後、シリコンウエハ表面上に滴下し、2000rpmで60秒間回転させて、シリコンウエハ表面に塗布した後、150℃で1分間乾燥し、更に350℃、窒素中で1時間焼成して、多孔質シリカフィルムを作製した。
(多孔質シリカフィルムの後処理)
上記の多孔質シリカフィルムを、加熱反応装置に挿入し、N2ガス3L/min流通下、350℃で30分間放置(乾燥)した。その後、反応器内にNガスとともに1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン(アヅマックス(株)製)を1.5体積%で導入し、350℃で反応させた。1時間後、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンの導入を止めて、N2ガス雰囲気下で冷却後、多孔質シリカフィルムを紫外線照射装置に搬送し、装置内を<15Paに減圧し該フィルムの上部6cmの位置に設置した波長172nm、出力14mW/cmの紫外線照射ランプで、紫外線照射を350℃で10分間行った。照射終了後、引き続き加熱反応装置に再び搬送し、系内にN2ガスとともに1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンを導入して、350℃で1時間接触反応させて処理し、本発明の多孔質シリカフィルムを得た。この多孔質シリカフィルムのFTIRによる測定結果を図1、図6および図7に、比誘電率kとナノインデンタ測定で得られた膜強度E(GPa)、及び、比誘電率kの安定性評価結果について表1に示す。
<実施例2>
ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(シグマケミカル社製、C1837(CHCHO)OH)の添加量を4.2gから2.5gに変えた以外は実施例1と同様にして多孔質シリカフィルムを製造した。この多孔質シリカフィルムのFTIRによる測定結果、及び、該フィルムの比誘電率kおよび膜強度E、及び、比誘電率kの安定性評価結果について図2、図6、図7および表1に示す。
<比較例1>
(多孔質シリカフィルムの調整)
実施例1と同様にして、多孔質シリカフィルムを作製した。
(多孔質シリカフィルムの後処理)
上記の多孔質シリカフィルムを、加熱反応装置に挿入し、N2ガス500mL/min流通下、350℃で30分間放置(乾燥)した。その後、N2ガスを1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン(アヅマックス(株)製)を入れた25℃の蒸発器内に通し、反応容器内にN2ガスとともに1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンを導入し、350℃で反応させた。1時間後、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンの導入を止めて、N2ガス雰囲気下で冷却後、多孔質シリカフィルムを得た。この多孔質シリカフィルムのFTIRによる測定結果、及び比誘電率kとナノインデンタ測定で得られた膜強度E(GPa)、及び、比誘電率kの安定性評価結果について図3、図6、図7および表1に示す。
<比較例2>
(多孔質シリカフィルムの調整)
実施例1と同様にして、多孔質シリカフィルムを作製した。
(多孔質シリカフィルムの後処理)
上記の多孔質シリカフィルムを、加熱反応装置に挿入し、N2ガス3L/min流通下、350℃で30分間放置(乾燥)した。その後、反応器内にN2ガスとともに1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン(アヅマックス(株)製)を1.5体積%で導入し、350℃で反応させた。1時間後、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンの導入を止めて、N2ガス雰囲気下で冷却後、多孔質シリカフィルムを紫外線照射装置に搬送し、装置内を<15Paに減圧し該フィルムの上部6cmの位置に設置した波長172nm、出力14mW/cmの紫外線照射ランプで、紫外線照射を350℃で10分間行い、多孔質シリカフィルムを得た。この多孔質シリカフィルムのFTIRによる測定結果、及び比誘電率kとナノインデンタ測定で得られた膜強度E(GPa)、及び、比誘電率kの安定性評価結果について図4、図6、図7および表1に示す。
<比較例3>
実施例1において、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンの濃度を0.09体積%に変更した以外は、同様の操作を行った。この多孔質シリカフィルムのFTIRによる測定結果、及び該フィルムの比誘電率kおよび膜強度E、及び、比誘電率kの安定性評価結果について図5、図6、図7および表1に示す。
Figure 2008251774
注1) (アルキル基由来のピーク強度)/(1000cm-1〜1200cm-1の間に有するSi-O結合に起因するピーク強度)
注2) (SiOH基由来のピーク強度)/(アルキル基由来のピーク強度)
注3) (HsiO3基由来のピーク強度)/(アルキル基由来のピーク強度)
実施例1のFTIR測定結果 実施例2のFTIR測定結果 比較例1のFTIR測定結果 比較例2のFTIR測定結果 比較例3のFTIR測定結果 FTIR測定結果(1800cm−1から4800cm−1までの拡大図) FTIR測定結果(2000cm−1から2400cm−1までの拡大図)

Claims (10)

  1. 多孔質シリカフィルムであって、このフィルムから得られる赤外吸収スペクトルの4000cm−1から2200cm−1の範囲において、
    (i)アルキル基のC−H伸縮運動に起因する明確な1つの吸収ピークを有し、かつ、
    (ii)SiOH基のSi−O伸縮運動に起因するピーク強度がアルキル基のC−H伸縮運動に起因するピーク強度の0.2倍以下であり、かつ、
    (iii)HSiO基のSi−H伸縮運動に起因する明確な1つの吸収ピークを有し、その波数が2270cm−1より小さく、かつ、その強度が、アルキル基のC−H伸縮運動に起因する吸収ピークの0.5倍から3倍であること
    を特徴とする多孔質シリカフィルム。
  2. 前記アルキル基に起因する明確な1つの吸収ピークの強度が、1000cm−1から1200cm−1の間に現れるSi−O結合に起因する吸収ピークに対して、0.05倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質シリカフィルム。
  3. 前記アルキル基のC−H伸縮運動に起因するピークが3000cm−1付近にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多孔質シリカフィルム。
  4. 多孔質シリカフィルムに存在する細孔の平均径が1nmから5nmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多孔質シリカフィルム。
  5. 多孔質シリカフィルムの膜厚が、50nmから5000nmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多孔質シリカフィルム。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の多孔質シリカフィルムを含み、比誘電率が2.4以下であることを特徴とする層間絶縁膜。
  7. 請求項6に記載の層間絶縁膜を含むことを特徴とする半導体材料。
  8. 請求項7に記載の半導体材料を含むことを特徴とする半導体装置。
  9. アルコキシシラン類の加水分解縮合物および細孔形成剤を含む溶液を乾燥してフィルム状の複合体を形成し、このフィルム状の複合体から細孔形成剤を除去することによってSi−O結合を主として有する多孔質シリカフィルムを形成し、この多孔質シリカフィルムへ非酸素存在下、400℃以下で紫外線照射を行い、更に多孔質シリカフィルムとアルキル基を有する有機ケイ素化合物との接触反応処理を行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の多孔質シリカフィルムの製造方法。
  10. アルキル基を有する有機ケイ素化合物が、1分子中に、Si−X−Si結合(Xは酸素原子、基−NR−、炭素数1または2のアルキレン基またはフェニレン基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示す)を1つ以上、およびSi−A結合(Aは水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子を示す)を2つ以上有するものであることを特徴とする請求項9に記載の多孔質シリカフィルムの製造方法。
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