JP2008248850A - エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料ガス通路14における1サイクルでの所定のガス状態を検出するガス状態検出手段45と、1サイクル毎に、ガス状態検出手段45の検出結果に基づいて逆止弁13の動作異常の有無を判定する逆止弁動作異常判定手段50とを備える。
【選択図】図1
Description
このような逆止弁を用いたエンジンは、大型且つ高コストな機械式の開閉弁を用いたエンジンと比較して、小型化及び低コスト化のメリットがあり、近年実用化が進められている。
かかる副室式エンジンは、ピストン頂部に接する主室とその主室と噴孔を介して連通する副室とを燃焼室として備え、主室に吸気された希薄混合気等の新気をピストンの上昇により圧縮して、その圧縮された新気を、噴孔を介して副室に流入させ、副室に流入した新気と副室に逆止弁を通じて供給された燃料ガスとの混合気を点火プラグにより火花点火して燃焼させて、主室に開口する噴孔を介して主室に火炎ジェットを噴射するように構成されている。
また、このような副室式エンジンは、単室式エンジンと比較して、燃焼室全体として空気に対して燃料ガスが希薄な状態で燃料ガスを燃焼させる希薄燃焼が実現できるため、高効率化を図ることが可能であり、特に、効率向上が求められるコージェネレーションシステム等に導入されている。
このような逆止弁は、例えば燃焼室で生成されたカーボンなどの固形物の付着などにより正常に閉弁又は開弁しなくなる所謂動作異常が発生する場合がある。例えば、上記逆止弁が正常に閉弁しなくなると、圧縮行程及び燃焼行程において燃焼室の圧力が上昇したときに、燃焼室の高温のガスが燃料ガス通路に逆流して、燃焼室に適切な燃料ガスの供給ができなくなることから、効率低下を招くだけでなく、失火が発生したり、通常は高温とならない燃料ガス通路が高温となって機器の故障を招く場合がある。逆に、上記逆止弁が正常に開弁しなくなると、吸気行程等において燃料ガス通路から燃焼室へ燃料ガスを供給できなくなって、失火が発生して効率低下や未燃炭化水素の排出量増加を招くだけでなく、吸気路から燃焼室に吸気された混合気が燃焼せずに排気路に流出して、アフターファイア等のトラブルの原因となる。
また、上記特許文献3に記載のエンジンでは、燃料ガス通路の前記逆止弁の上流側通路に圧力センサを設け、その圧力センサで計測される上流側通路の圧力が所定の判定閾値以上に上昇した場合には、逆止弁が閉弁不能状態であると判断して、燃料ガスの供給を遮断するように構成されている。
また、上記逆止弁の動作異常を判定するために、逆止弁の動作を常時監視するための機構を設けることが考えられるが、特に当該逆止弁が副室に接続されている燃料ガス通路に設けられている場合には、当該機構を設けるためのスペースを確保することは困難であった。
更に、上記特許文献3に記載のエンジンでは、逆止弁の上流側通路の圧力が、逆止弁が正常に作動している場合でも燃料ガスの脈動により変動することから、その逆止弁の閉弁不能状態を判定するための判定閾値は、比較的高めに設定しなければならない。よって、逆止弁が閉不能状態となっても、上記上流側通路の圧力が充分に上昇しなければ逆止弁の閉弁不能状態を判定することができないというように、逆止弁の動作異常を正確且つ迅速に判定し得るものではなかった。
1サイクル毎に、前記ガス状態検出手段の検出結果に基づいて前記逆止弁の動作異常の有無を判定する逆止弁動作異常判定手段とを備えた点にある。
即ち、上記第1特徴構成によれば、上記ガス状態検出手段により、そのような1サイクルでの所定のガス状態を検出し、上記逆止弁動作異常判定手段により、1サイクル毎に、その検出結果を上記正常時のものと比較して、双方の乖離が大きい場合に上記逆止弁の動作異常が発生していると判定し、逆に双方の乖離が小さい場合に上記逆止弁が正常であると判定することができる。
従って、本願発明により、燃料ガス通路のガス状態を検出するための簡単且つ小型な機構を追加するだけで、逆止弁の動作異常が発生してから少なくとも次のサイクル終了時までというように迅速に、逆止弁の動作異常を判定することができるエンジンを実現することができる。
前記燃料ガス通路が、前記副室に接続されている点にある。
前記ガス状態検出手段として、前記差圧計測手段で計測された差圧の1サイクルでの状態を前記1サイクルでの所定のガス状態として検出する圧力状態検出手段を備えた点にある。
従って、上記逆止弁動作異常判定手段により、1サイクル毎に、その差圧の1サイクルでの状態を上記正常時の差圧の状態と比較することで、上記逆止弁の動作異常を判定することができる。
前記逆止弁動作異常判定手段が、前記差圧の1サイクルでの最小値が許容値を下回る場合に前記逆止弁が閉弁不能状態であると判定し、前記差圧の1サイクルでの変化程度が許容程度を下回る場合に前記逆止弁が開弁不能状態であると判定する点にある。
一方、上記逆止弁が正常に開弁しなくなる所謂開弁不能状態であるときには、上記上流側通路におけるガスの通流が停止しているので、上記差圧計測手段で計測された差圧の1サイクルでの変化程度が、正常時の差圧の1サイクルでの変化程度を基準に設定された上記許容程度を下回って更には0となれば、上記逆止弁が開弁不能状態であると判定することができる。
前記ガス状態検出手段として、前記温度計測手段で計測された温度の1サイクルでの状態を前記1サイクルでの所定のガス状態として検出する温度状態検出手段を備えた点にある。
従って、上記逆止弁動作異常判定手段により、1サイクル毎に、その下流側通路の温度の1サイクルでの状態を上記正常時の温度の状態と比較することで、上記逆止弁の動作異常を判定することができる。
前記逆止弁動作異常判定手段が、前記温度の1サイクルでの最大値が許容値を上回る場合に前記逆止弁が閉弁不能状態であると判定し、一方、前記温度の1サイクルでの最大時期が許容時期より前である場合に前記逆止弁が開弁不能状態であると判定する点にある。
一方、上記逆止弁が正常に開弁しなくなる所謂開弁不能状態であるときには、上記下流側通路におけるガスの通流が停止しており着火しないため、当該下流側通路の温度が圧縮行程における断熱圧縮により上昇するものの膨張行程が開始されて直ぐに低下することになるので、上記下流側通路の温度の1サイクルでの最大時期が、正常時の温度の1サイクルでの最大時期である膨張行程初期を基準に設定された上記許容時期より早まって例えば圧縮行程と膨張行程との間の時期となれば、上記逆止弁が開弁不能状態であると判定することができる。
図1及び図3に示すエンジン100(100A,100B)は、燃焼室1に設けられた逆止弁13を通じて燃料ガス通路14から燃焼室1に燃料ガスGを供給するエンジンであって、詳細については後述するが、燃焼室1として、ピストン2に面する主室10と、当該主室10に噴孔21を介して連通する副室11とを備えると共に、当該副室11に接続される燃料ガス通路14に逆止弁13を備え、圧縮工程において圧縮された混合気を副室11に備えた点火プラグ12を作動させて火花点火して燃焼させ、副室11から噴孔21を介して主室10に火炎ジェットFを噴射する形態で作動するように構成された副室式エンジンとして構成されている。
そのターボ過給機23によって、コンプレッサ23aの下流側の吸気路5の圧力(以下、「吸気圧力」と呼ぶ。)は、比較的高い圧力(例えば、220kPa(Gauge))に維持されており、更に、タービン23bの上流側の排気路7の圧力(以下、「排気圧力」と呼ぶ。)についても、タービン23bの背圧により、上記吸気圧力と略同等の圧力に維持されている。
尚、上記吸気圧力及び排気圧力については、吸気路5及び排気路7に発生する脈動により変化する場合があるが、その場合には、後述する圧力応動式に構成される逆止弁13の不意の開弁を防止するべく、その圧力変化の最低圧力を夫々の圧力として取り扱う。
また、口金31内の弁体35の下方部には、上記弁体35を下方から付勢する状態で配置されたコイルバネ等からなる付勢部材36が設けられており、その付勢力は後述する作動圧力に応じて適切なものに設定されている。
即ち、弁体35の下方側に連通する副室11の圧力(以下、「副室圧力」と呼ぶ。)が低下して所定の作動圧力以下になると、弁体35の上方側に連通する燃料ガス通路14の圧力(以下、「燃料ガス供給圧」と呼ぶ。)が、上記副室圧力と付勢部材36の付勢力とに打ち勝ち、弁体35が下方に移動して弁座部34から離間し、燃料ガス供給管33の先端開口部が開放される所謂開状態となることで、燃料ガス通路14から燃料ガス供給口32を通じて副室11に燃料ガスGが供給されることになる。
一方、副室圧力が上昇して所定の作動圧力よりも高くなると、上記副室圧力と付勢部材36の付勢力とが燃料ガス供給圧に打ち勝ち、弁体35が上方に移動して弁座部34に当接し、燃料ガス供給管33の先端開口部が閉鎖される所謂閉状態となることで、燃料ガス通路14から副室11への燃料ガスGの供給が停止される。
よって、この圧力応動式の逆止弁13は、排気行程において排気バルブ6が開状態となり、燃焼室1即ち副室11の圧力が上記排気圧力に略相当する圧力となった場合でも、弁体35が良好に弁座部34に当接して閉状態を維持することになり、同排気行程において燃料ガスGが無用に副室11に流出して排気路7に排出されることが防止されている。
よって、副室11の上記点火プラグ12の点火領域では、その新気Iと燃料ガスGとが混合されて、火花点火可能範囲内(例えば1程度)の当量比の混合気が形成される。
そして、上記圧縮行程終了時にて、副室11には、当量比が比較的高い混合気が存在するのに対して、主室10には、当量比が比較的低い希薄混合気が存在することになる。
すると副室11では、燃焼が進み、副室11の燃焼しなかった燃料ガスGと共に、火炎ジェットFが連通路20を介して主室10に噴出される。
一方、主室10においては、連通路20から噴出された火炎ジェットFにより希薄混合気を燃焼させるので、高効率且つ低NOxとなる燃焼が行われる。
このような主室10における燃焼状態は、通常のSIエンジンに近い状態であるが、希薄燃焼を実現できるため、熱効率を向上することができる。
ここで、燃焼室1の圧力は比較的低い排気圧力となるが、圧力応動式の逆止弁13の作動圧力がその排気圧力よりも小さく設定されていることから、当該逆止弁13は閉状態に維持され、燃料ガス通路14から燃料ガスGが燃焼室1に流出することがない。
よって、吸気行程において、適切な時期に上記逆止弁13が開状態となり、更に、適切な量の燃料ガスGが副室11に供給されることになる。
また、例えば、エンジン負荷に基づいて上記圧力調整弁37における上記差圧の目標値を変更すれば、圧力応動式の逆止弁13の作動圧力を変化させて、燃料ガス供給量をエンジン負荷に応じて変更することもできる。
よって、上記運転制御手段38は、その差圧に基づいて圧力調整弁37により燃料ガス供給圧力を制御することで、排気行程において圧力応動式の逆止弁13が不意に開状態となることが防止されている。
尚、上記実施の形態では、上記ターボ過給機23のような過給機を設置したが、このような過給機を省略しても構わない。
そこで、このエンジン100は、燃料ガス通路14における1サイクルでの所定のガス状態を検出するガス状態検出手段45と、1サイクル毎に、ガス状態検出手段45の検出結果に基づいて前記逆止弁の動作異常の有無を判定する逆止弁動作異常判定手段50とを備えている。そして、ガス状態検出手段45により、1サイクルでの所定のガス状態を検出し、逆止弁動作異常判定手段50により、1サイクル毎に、その実際のガス状態と上記正常時のガス状態とを比較することで、上記実際のガス状態と正常時のガス状態との双方の乖離が大きい場合に上記逆止弁の動作異常が発生していると判定し、逆に当該双方の乖離が小さい場合に上記逆止弁が正常であると迅速に判定するように構成されている。
このような逆止弁13の動作異常を迅速に判定するための特徴構成を有しており、その実施形態として、第1実施形態及び第2実施形態について以下に説明する。
以下、第1実施形態のエンジン100Aの特徴構成について図1,2に基づいて説明する。
図1に示すエンジン100Aは、燃料ガス通路14の逆止弁13の上流側通路14aに、オリフィス40と、当該オリフィス40の下流側の圧力P2に対する上流側の圧力P1の差(以下、「差圧ΔP」と呼ぶ。)を計測する差圧計測手段44とを備える。
かかる差圧計測手段44は、オリフィス40の上流側及び下流側の夫々に圧力センサ41,42を設け、圧力センサ41で計測されたオリフィス40の上流側の圧力P1から圧力センサ42で計測されたオリフィス40の下流側の圧力P2を差し引いた値を、上記差圧ΔPとして求めるように構成されている。
即ち、圧力状態検出手段45Aは、クランク角センサ46により検出されるクランク角度θを監視しながら、単位クランク角度毎に差圧計測手段44で計測された差圧ΔPを1サイクル分抽出して、図2に示すような1サイクルでの差圧ΔPの推移を示す差圧データを生成する。
尚、図2のクランク角度の軸において、ピストン2が上死点位置にある点に「TDC」を付し、ピストン2が下死点位置にある点に「BDC」を付している。
次に、圧縮行程初期から膨張行程終了時までに亘っては、逆止弁13が閉弁して副室11への燃料ガスGの供給が停止するが、吸気行程中に逆止弁13とオリフィス40との間の通路内の圧力が低下しているため、膨張行程途中の当該通路の圧力回復時まで、オリフィス40における上記順方向の燃料ガスGの流れは徐々になくなり、差圧計測手段44で計測される差圧ΔPが徐々に低下して0になる。
次に、排気行程においては、オリフィス40における燃料ガスGの流れは本来発生しないことから、差圧計測手段44で計測された差圧ΔPは0となるが、排気脈動により副室11内の圧力が低下するタイミングがあり、そのため逆止弁13が一時的に僅かに開弁して副室11へ燃料ガスGが一時的に僅かに供給される場合があり、そのため差圧計測手段44で計測される差圧ΔPも振動する。尚、この排気行程での差圧ΔPの振動による最小値は、負の値となる場合があるが、その値は予め実験等で予測することができる。
逆止弁13が閉弁不能状態である場合には、図2の点線部に示すように、圧縮行程及び膨張行程においても逆止弁13が完全に閉弁せずに、副室11の圧力上昇に伴って、上流側通路14aに設けられたオリフィス40には燃料ガスGが逆方向(副室11から燃料ガス通路14に向かう方向)に流れる。よって、吸気行程中に圧力が低下した逆止弁13とオリフィス40との間の通路内の圧力回復が早くなって、差圧計測手段44で計測される差圧ΔPが比較的急激に低下し、更に、その圧力回復後にも上記逆方向の燃料ガスGの流れが継続することで、膨張行程において当該差圧ΔPが負の値をとることになる。
一方、逆止弁13が開弁不能状態である場合には、図示は省略するが、オリフィス40には燃料ガスGが流れないために、差圧計測手段44で計測される差圧ΔPが常に0となり、当該差圧ΔPの変化が見られなくなる。
そして、上記逆止弁動作異常判定手段50は、逆止弁13が上記閉弁不能状態になっていると判定した場合には、運転を制御する運転制御手段38に対して停止信号を出力してエンジンの運転を迅速に異常停止させることで、副室11に適切な燃料ガスGの供給ができなくなることによる効率低下を防止することができ、更には、副室11の高温ガスの上流側通路14aへの逆流による効率低下や上流側通路14aにおける機器の故障を防止することができる。
そして、上記逆止弁動作異常判定手段50は、逆止弁13が上記開弁不能状態になっていると判定した場合には、運転制御手段38に対して停止信号を出力してエンジンの運転を迅速に異常停止させることで、失火の発生による効率低下や未燃炭化水素の排出量増加を防止することができ、更には、吸気路5から主室10に新気Iとして吸気された希薄混合気が燃焼せずに排気路7に流出することによるアフターファイア等のトラブルも防止することができる。
以下、第2実施形態のエンジン100Bの特徴構成について図3,4に基づいて説明する。
図3に示すエンジン100Bは、燃料ガス通路14の逆止弁13の下流側通路14bに挿入された熱電対47の熱起電力を計測することにより、当該下流側通路14bの温度Tを計測する温度計測手段48を備える。
即ち、温度状態検出手段45Bは、クランク角センサ46により検出されるクランク角度θを監視しながら、単位クランク角度毎に温度計測手段48で計測された温度Tを1サイクル分抽出して、図4に示すような1サイクルでの温度Tの推移を示す温度データを生成する。
尚、図4のクランク角度の軸において、ピストン2が上死点位置にある点に「TDC」を付し、ピストン2が下死点位置にある点に「BDC」を付している。
次に、圧縮行程においては、逆止弁13が閉止して、下流側通路14bがピストン2の上昇に伴い副室11と共に断熱圧縮されるため、温度計測手段48で計測される下流側通路14bの温度Tは上昇する。
次に、膨張行程初期においては、副室11において燃料ガスGが燃焼することにより、温度計測手段48で計測される下流側通路14bの温度Tは更に上昇する。但し、下流側通路14bが副室11に開口する燃料ガス供給口32の径が充分に小さいため、副室11で発生した火炎は燃料ガス供給口32を通過する際に消炎するので、下流側通路14bまで火炎は到達しない。
その後、膨張行程後期においては、ピストンの降下に伴って、温度計測手段48で計測される下流側通路14bの温度Tは低下し、更に、排気行程においては、排気により副室11の圧力が低下するのに伴って、温度計測手段48で計測される下流側通路14bの温度Tは更に低下する。
逆止弁13が閉弁不能状態である場合には、図4の点線部に示すように、圧縮行程及び膨張行程においても逆止弁13が完全に閉弁せずに、副室11の圧力上昇に伴って、下流側通路14bには副室11のガスが逆流する。よって、膨張行程においては、副室11で燃焼した非常に高温のガスが下流側通路14bに流入して、温度計測手段48で計測される下流側通路14bの温度Tは急激に上昇する。
一方、逆止弁13が開弁不能状態である場合には、図4の一点鎖線部に示すように、副室11において燃料ガスGが供給されず燃焼が起こらないので、膨張行程においても温度計測手段48で計測される下流側通路14bの温度Tは上昇せず、逆に副室11の断熱膨張に伴って低下するというように、圧縮行程で断熱圧縮により上昇した温度Tは膨張行程開始と同時に低下し始める。
そして、上記逆止弁動作異常判定手段50は、逆止弁13が上記閉弁不能状態になっていると判定した場合には、運転を制御する運転制御手段38に対して停止信号を出力してエンジンの運転を迅速に異常停止させることで、副室11に適切な燃料ガスGの供給ができなくなることによる効率低下を防止することができ、更には、副室11の高温ガスの上流側通路14aへの逆流による効率低下や上流側通路14aにおける機器の故障を防止することができる。
そして、上記逆止弁動作異常判定手段50は、逆止弁13が上記開弁不能状態になっていると判定した場合には、運転制御手段38に対して停止信号を出力してエンジンの運転を迅速に異常停止させることで、失火の発生による効率低下や未燃炭化水素の排出量増加を防止することができ、更には、吸気路5から主室10に新気Iとして吸気された希薄混合気が燃焼せずに排気路7に流出することによるアフターファイア等のトラブルも防止することができる。
また、上記実施の形態では、本発明に係るエンジンを副室式エンジンとして構成したが、別に単室式のエンジンとして構成しても構わない。
10:主室
11:副室
13:逆止弁
14b:下流側通路
14a:上流側通路
14:燃料ガス通路
21:噴孔
40:オリフィス
44:差圧計測手段
45:ガス状態検出手段
45A:圧力状態検出手段
45B:温度状態検出手段
48:温度計測手段
50:逆止弁動作異常判定手段
100,100A,100B:エンジン
G:燃料ガス
T:温度
ΔP:差圧
Claims (7)
- 逆止弁を通じて燃料ガス通路から燃焼室に燃料ガスを供給するエンジンであって、
前記燃料ガス通路における1サイクルでの所定のガス状態を検出するガス状態検出手段と、
1サイクル毎に、前記ガス状態検出手段の検出結果に基づいて前記逆止弁の動作異常の有無を判定する逆止弁動作異常判定手段とを備えたエンジン。 - 前記燃焼室として、ピストンに面する主室と、当該主室に噴孔を介して連通する副室とを備え、
前記燃料ガス通路が、前記副室に接続されている請求項1に記載のエンジン。 - 前記燃料ガス通路の前記逆止弁の上流側通路に、オリフィスと、当該オリフィスの下流側に対する上流側の差圧を計測する差圧計測手段とを備え、
前記ガス状態検出手段として、前記差圧計測手段で計測された差圧の1サイクルでの状態を前記1サイクルでの所定のガス状態として検出する圧力状態検出手段を備えた請求項1又は2に記載のエンジン。 - 前記圧力状態検出手段が、前記差圧計測手段で計測された差圧の1サイクルでの最小値及び変化程度を検出し、
前記逆止弁動作異常判定手段が、前記差圧の1サイクルでの最小値が許容値を下回る場合に前記逆止弁が閉弁不能状態であると判定し、前記差圧の1サイクルでの変化程度が許容程度を下回る場合に前記逆止弁が開弁不能状態であると判定する請求項3に記載のエンジン。 - 前記圧力状態検出手段が、前記差圧の1サイクルでの変化程度として、前記差圧の1サイクルでの変化率又は変化幅を検出する請求項4に記載のエンジン。
- 前記燃料ガス通路の前記逆止弁の下流側通路の温度を計測する温度計測手段を備え、
前記ガス状態検出手段として、前記温度計測手段で計測された温度の1サイクルでの状態を前記1サイクルでの所定のガス状態として検出する温度状態検出手段を備えた請求項1又は2に記載のエンジン。 - 前記温度状態検出手段が、前記温度計測手段で計測された温度の1サイクルでの最大値及び最大時期を検出し、
前記逆止弁動作異常判定手段が、前記温度の1サイクルでの最大値が許容値を上回る場合に前記逆止弁が閉弁不能状態であると判定し、一方、前記温度の1サイクルでの最大時期が許容時期より前である場合に前記逆止弁が開弁不能状態であると判定する請求項6に記載のエンジン。
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