JP2008246636A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動刃の移動速度を、簡単な構成で好適に制御できるようにする。復動時の可動刃の跳ね返り防止、モータの消費電力削減を図る。
【解決手段】基準位置から折り返し位置に往動し前記折り返し位置から前記基準位置に復動する往復動作を行う可動刃を備え、可動刃の往動により用紙を切断する構成とし、さらに、可動刃に往復動作を行わせる動力を与えるモータを備えた。モータの駆動を制御する制御部は、少なくとも往復動作における復動の途中から復動が終了するまでの間、モータに供給する電圧をPWM制御によって制御するようにした。そして、往復動作の開始から終了までの間に要した往復所要時間Tに基づいて、次回の往復動作におけるPWM制御のパルス幅TP1、及び/又は、次回の往復動作における往動の開始からPWM制御の開始までの設定時間Tを調節するようにした。
【選択図】図6

Description

本発明は、用紙切断機構を備えた印刷装置に関する。
例えばロール紙等の連続した用紙に印刷を行う印刷装置には、印刷後あるいは印刷前の用紙を切断する用紙切断機構が備えられている(特許文献1、2参照)。かかる用紙切断機構は、用紙の幅方向に沿って往復移動する可動刃を備えている。即ち、用紙を所定位置(基準位置と折り返し位置との間)から所定の長さだけ送り出して固定し、可動刃を基準位置(用紙の一縁部側)から折り返し位置(用紙の他縁部側)に向かって往動させることによって、用紙を切断し、ページ単位の印刷物等を分離させるようになっている。また、用紙を切断した後は、可動刃を折り返し位置から基準位置に復動させ、次に用紙を送り出す際に可動刃が邪魔にならないように、基準位置に待機させるようにしている。可動刃は、モータ(DCモータ)によって駆動され、モータの回転に同期して移動するようになっている。
ところで、用紙を切断する往動の際は、可動刃は用紙から抵抗力を受けるので、可動刃に与える動力、即ち、モータに供給する供給電力は、抵抗力に応じた大きさにする必要がある。一方、用紙を切断した後の復動の際は、可動刃は用紙の抵抗力を受けず、円滑に移動しやすくなる。そのため、モータに供給する供給電力が往動時と同じであると、モータの回転速度、即ち、可動刃の移動速度が速くなりすぎてしまう。この場合、可動刃が基準位置で静止できず、基準位置を通り過ぎて、用紙切断機構の端部に勢いよく衝突し、衝撃音が発生するおそれがある。さらに、可動刃が用紙切断機構の端部から跳ね返り、基準位置を越えて、折り返し位置側に飛び出してしまい、次に用紙を送り出す際に邪魔になるおそれがある。そのため、復動時の可動刃の移動速度は、往動時の移動速度よりも遅くすることが望ましい。
復動時の可動刃の移動速度を遅くする方法としては、例えばモータに供給する電圧を低下させる方法が、特許文献1に示されている。また、特許文献2には、モータに供給する電流をパルス幅変調方式(PWM:Pulse Width Modulation)によって制御し、往動時のデューティ比(パルス幅)よりも復動時のデューティ比を減少させる方法が示されている。さらに、この特許文献2においては、用紙切断機構内の温度の測定値に基づいて、デューティ比を計算する方法も提案されている。即ち、用紙切断機構内の温度が上昇すると、可動刃と、可動刃に接触する固定刃がそれぞれ膨張し、可動刃と固定刃との間に発生する摩擦力が増加するため、デューティ比を増加させることにより、可動刃の移動速度が過剰に低下することを防止するようにしている。
特開平9−136295号公報 特開2002−36179号公報
しかしながら、モータの回転速度と可動刃の移動速度は、用紙切断機構内の温度だけでなく、その他にも様々な条件に依存して変化する。例えば、用紙切断機構内の湿度、可動刃(用紙や固定刃と接触する部分)の摩耗、モータから可動刃に動力を伝達する動力伝達系において発生する負荷等の変化に依存する。そのため、可動刃の移動速度を好適に制御することは難しかった。例えば特許文献2の方法では、用紙切断機構内の温度変化や用紙の種類に応じた制御を行うことはできるが、その他の条件まで考慮した制御は行うことができない。そのため、例えば可動刃が摩耗したとき、動力伝達系の摩耗等による負荷の変動が生じたとき等は、可動刃の速度制御が不適切になるおそれがあった。
なお、例えば用紙切断機構内の温度や湿度、動力伝達系の負荷等を測定するための各種センサを設置したり、特別な調整値を設定したりして、これらの測定値や調整値に基づいて、可動刃の速度制御を試みることも考えられる。しかしながら、この場合、制御が複雑になり、誤差が生じ易くなるおそれがある。また、部品点数が多く、用紙切断機構や印刷装置の構造が複雑になり、コストダウンを図ることが難しく、故障しやすくなる懸念もあった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、可動刃の移動速度を簡単な構成で好適に制御することができ、さらに、復動時の可動刃の跳ね返り防止、モータの消費電力削減を図ることができる印刷装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明によれば、用紙に印刷を行う印刷機構と、用紙を切断する用紙切断機構とを備えた印刷装置であって、前記用紙切断機構は、基準位置から折り返し位置に往動し前記折り返し位置から前記基準位置に復動する往復動作を行う可動刃を備え、前記可動刃の往動により用紙を切断する構成とし、前記可動刃に前記往復動作を行わせる動力を与えるモータと、前記モータの駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、少なくとも前記往復動作における復動の途中から復動が終了するまでの間、前記モータに供給する電圧をPWM制御によって制御し、かつ、前記往復動作の開始から終了までの間に要した往復所要時間に基づいて、次回の前記往復動作における前記PWM制御のパルス幅、及び/又は、次回の前記往復動作における往動の開始から前記PWM制御の開始までの設定時間を調節することを特徴とする、印刷装置が提供される。
前記制御部は、前記往復所要時間が前回よりも短くなった場合は、次回の前記往復動作における前記パルス幅を短くし、前記往復所要時間が前回よりも長くなった場合は、次回の前記往復動作における前記パルス幅を長くする制御を行っても良い。また、前記往復所要時間が前回よりも短くなった場合は、次回の前記往復動作における前記設定時間を短くし、前記往復所要時間が前回よりも長くなった場合は、次回の前記往復動作における前記設定時間を長くする制御を行っても良い。
さらに、前記基準位置における前記可動刃の存否を検出する可動刃検出センサを備えても良い。そして、前記制御部は、前記可動刃検出センサによって前記可動刃の存在が検出されなくなってから前記可動刃の存在が再び検出されるまでの時間を測定することで、前記往復所要時間を検出する構成としても良い。
本発明によれば、用紙切断機構内の温度、用紙切断機構内の湿度、可動刃(用紙や固定刃と接触する部分)の摩耗、モータから可動刃に動力を伝達する動力伝達系において発生する負荷等、様々な条件に依存して変化する往復所要時間に基づいて、次回の往復動作におけるPWM制御のパルス幅を調節することで、次回の往復動作における復動時の可動刃の移動速度を、様々な条件の変化に応じて、好適に制御できる。例えば往復所要時間が短くなった場合(可動刃の移動速度が前回より速くなった場合)は、次回の往復動作において、可動刃が基準位置に到着するまでに、可動刃の移動速度を十分に減速させるように制御することができる。従って、復動した可動刃が跳ね返ることを防止でき、さらに、モータの消費電力削減を図ることができる。また、往復所要時間が長くなった場合(可動刃の移動速度が前回より遅くなった場合)は、次回の往復動作において、復動時の可動刃の移動速度が過剰に遅くなることを防止でき、可動刃を基準位置まで効率的に復動させることができる。
また、本発明によれば、往復所要時間を測定するだけで、可動刃の移動速度を簡単に制御できる。例えば用紙切断機構内の温度、湿度、動力伝達系の負荷等を測定するための各種センサを設置したり、特別な調整値を設定したりする必要がなく、用紙切断機構や印刷装置の構造を簡素にすることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明をする。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る印刷装置1の一例であるサーマルプリンタの構成を示す構成図である。図1に示すように、印刷装置1は、筐体2内において、インクリボン供給ローラ5から供給されたインクリボンRが、互いに対向配置されたサーマルヘッド10及びプラテンローラ11の間を通過してから、巻取ローラ15で巻取られるように構成されている。また、用紙としての帯状のロール紙RPが、ロール状に巻かれた状態で、筐体2内下部に交換可能に設置されている。ロール紙RPは、搬送方向を略直角に変更する案内ローラ25を介して、搬送ローラ22及びピンチローラ23の間に挟持されるようになっている。これら両ローラ22、23によって挟持されたロール紙RPは、搬送ローラ22が駆動装置(図示せず)によって駆動回転することによって、図1の矢印で示す略水平方向に搬送され、サーマルヘッド10及びプラテンローラ11の間をインクリボンRと共に通過するようになっている。
印刷装置1による印刷は、サーマルヘッド10及びプラテンローラ11の間にインクリボンR及びロール紙RPを挟んだ状態で、サーマルヘッド10をプラテンローラ11側に押付けながら熱を加えることによってインクリボンRのインクを所望のドットパターンでロール紙RPに熱転写することで行われる。本実施の形態では、インクリボンRには、加熱による昇華性を有するY(イエロー)、M(マジェンダ)及びC(シアン)の三色の各インク層と、保護層となるオーバーコート層とが搬送方向に沿って所定の長さ単位(例えば、10インチ)で周期的に繰返して施されている。印刷の際には、搬送ローラ22が正転、逆転を繰返してロール紙RPを往復運動させることにより、これら3色のインクが順にロール紙RPに熱転写され、さらにその後にオーバーコートが行われる。これにより、3色が重ね合わせられ、銀塩写真に近い高品質の印刷物が得られるようになっている。また、本実施の形態においては、サーマルヘッド10、プラテンローラ11、インクリボンR等によって、印刷機構30が構成されている。
サーマルヘッド10の搬送方向出側には、ロール紙RPを案内する案内板34が設けられており、さらに、この案内板34の搬送方向出側には、サーマルヘッド10によって印刷されたロール紙RPをロール紙RPの幅方向(ロール紙RPの搬送方向(長さ方向)に対して垂直な方向)に沿って切断する用紙切断機構35が設けられている。図1に示すように、用紙切断機構35は、搬送方向の上流側に設けた固定具40でロール紙RPを固定した状態で、搬送方向の下流側に設けた可動刃45及び固定刃46を用いてロール紙RPを切断するように構成されている。
用紙切断機構35には、図1に示すように、サーマルヘッド10、巻取ローラ15及び搬送ローラ22等に接続されて印刷装置1の印刷動作を制御する制御部47(制御コンピュータ)が接続されている。この制御部47の制御により、用紙切断機構35は、印刷されたロール紙RPの先端部を適宜切断して印刷物Pを完成するように構成されている。筐体2には、用紙切断機構35の搬送方向出側の位置にスリット状の排出口38が設けられており、用紙切断機構35によって切断されて完成した印刷物Pは、自重によりこの排出口38を介して筐体2の外に排出されるようになっている。
次に、用紙切断機構35について詳述する。図2は、用紙切断機構35を正面(図1中、左側)から見た構成図である。図2に示すように、固定具40は、ロール紙RPを下側で支持するように水平に配置された平板形状の支持台50と、この支持台50の上方に設けられて鉛直方向に昇降可能な押さえロール51とを備えている。押さえロール51は、ロール紙RPの幅方向に沿って水平に配置されたシャフト52に例えばゴム等で形成された円筒形状の押さえ部分53を設けた構成を有する。本実施の形態では、押さえロール51は、所定の間隔をあけて配置された2つの押さえ部分53をシャフト52が軸方向に沿って貫通するように構成されている。また、これら2つの押さえ部分53は、周方向に回転しないように、シャフト52に固定されている。
シャフト52はロール紙RPの幅方向に沿って配置され、ロール紙RPの幅方向の長さよりも長くなっている。また、図2に示すように、シャフト52の両端部は、幅方向においてロール紙RPの両外側に各々設けられた支持壁55に昇降自在に固定されている。本実施の形態では、ロール紙RPの両外側の各支持壁55に鉛直方向に沿って長細形状のスロット(図示せず)が設けられており、シャフト52の両端部がこのスロット内に移動自在及び回転自在に取付けられている。これにより、シャフト52が軸方向を水平な姿勢を保持したまま昇降できるようになっている。
後述するように、押さえロール51は、可動刃45が図2、3中において最も左側に移動した位置である待機位置Mに存在する場合に持上げられて図2に示す状態になる。一方、可動刃45が待機位置Mに存在しない場合には自重により下降し、図3に示すように、可動刃45が動く影響ではシャフト52が回転しない程度に、押さえ部分53でロール紙RPを固定するようになっている。
可動刃45は周縁部が鋭角に形成された円板形状をしており、その周縁部が刃になっている。可動刃45は、ロール紙RPの上側で幅方向に沿って往復移動する水平な平板形状の支持体56に設けられている。これにより、可動刃45は、支持体56と共にロール紙RPの一端部側の待機位置M(基準位置)と他端部側の折返し位置Nとの間で、ロール紙RPの幅方向(固定刃46の長さ方向)に沿って往復できるようになっている。即ち、待機位置Mから折り返し位置Nに往動して、折り返し位置Nにおいて折り返し、折り返し位置Nから待機位置Mに復動する往復動作を行う構成となっている。この可動刃45の往動によって、ロール紙RPを幅方向に切断できるようになっている。
図4は、ロール紙RPの幅方向(図2中、左側)から支持体56及び可動刃45を見た構成図である。図2及び図4に示すように、可動刃45は、その円板面が鉛直方向に平行に配置されて支持体56上で回転自在に固定されている。また、可動刃45の周縁部(刃)は支持体56の開口部(図示せず)から下側に突出している。
一方、固定刃46は、面が鉛直方向に平行な平板形状をしており、上側に刃を備えている。固定刃46は、図2に示すように、可動刃45の下方、即ち、ロール紙RPの下側に幅方向に沿って配設されている。また、固定刃46の上縁部(刃)と可動刃45の下縁部(刃)は、互いに近接させられた状態になっている。
また、用紙切断機構35には、図2に示すように、可動刃45に往復動作を行わせる動力を与えるモータ57(DCモータ)と、モータ57の動力を支持体56に伝達させる動力伝達系58が設けられている。動力伝達系58は、プーリ65(駆動プーリ)、プーリ66(従動プーリ)、環状の無端ベルト67、ギアボックス71(クラッチ機構)を備えている。
モータ57は、待機位置M側において、支持壁55の外側に設置されている。モータ57の本体は、支持壁55に対して固定されており、モータ57の回転軸は、ロール紙RPの搬送方向に向けられている。また、モータ57の回転軸は、常に所定の回転方向、即ち、図2において手前側(搬送方向においての下流側)からみて左回転方向(反時計方向)にのみ回転されるようになっている。さらに、モータ57には、モータ駆動制御部72が接続されており、モータ駆動制御部72には、モータ57に直流電圧を供給する直流電源73が接続されている。また、モータ駆動制御部72は、制御部47に対して信号ライン等を介して接続されており、制御部47の制御信号に従って制御される。つまり、モータ57の駆動は、モータ駆動制御部72を介して、制御部47によって制御されるようになっている。
プーリ65は、モータ57の回転軸に取り付けられており、モータ57の回転軸と一体的に、所定の回転方向に回転するようになっている。一方、プーリ66は、折り返し位置N側において、支持壁55の外側に、支持壁55に対して回転可能に設置されている。プーリ66も、プーリ65と同様に、回転中心軸をロール紙RPの搬送方向に向けた状態で備えられており、また、プーリ65と同じ直径を有している。さらに、プーリ65と同じ高さに設けられている。
無端ベルト67は、プーリ65、66に巻かれて保持されている。即ち、プーリ65の上端部とプーリ66の上端部との間、及び、プーリ65の下端部とプーリ66の下端部との間において、ロール紙RPの幅方向に沿って、水平に掛け渡された状態になっている。また、プーリ65の回転に伴って、プーリ66を回転させながら、所定の方向に周動することができる。即ち、プーリ65、66の下側にある無端ベルト67は、駆動側のプーリ65から従動側のプーリ66に向かって(可動刃45の往動方向に沿って)進行し、プーリ65、66の上側にある無端ベルト67は、従動側のプーリ66から駆動側のプーリ65に向かって(可動刃45の復動方向に沿って)進行するようになっている。
ギアボックス71は、支持体56に取り付けられている。なお、図示はしないが、ギアボックス71の内部には、欠け歯歯車が内蔵されている。一方、移動無端ベルト67には、ギアボックス71内の欠け歯歯車(図示せず)と噛合する歯(図示せず)が設けられている。欠け歯歯車(図示せず)の歯は、一部が欠けているため、両プーリ65、66間で上側又は下側の無端ベルト67のいずれか一方だけと噛合して支持体56を無端ベルト67に固定するように構成されている。即ち、ギアボックス71が下側の無端ベルト67に連結された状態では、支持体56及び可動刃45は、ギアボックス71及び下側の無端ベルト67と共に、待機位置Mから折返し位置Nに向かう往動方向に移動させられる。一方、ギアボックス71が上側の無端ベルト67に連結された状態では、支持体56及び可動刃45は、ギアボックス71及び上側の無端ベルト67と共に、折返し位置Nから待機位置Mに向かう復動方向に移動させられるようになっている。
なお、ギアボックス71が下側の無端ベルト67に固定された状態と上側の無端ベルト67に固定された状態との間での切替えは、支持体56が無端ベルト67と共に移動できなくなったタイミングで行われるようになっている。具体的に説明すると、例えば支持体56が固定刃46に沿って移動し、待機位置M又は折返し位置Nに到達した場合や、待機位置M及び折返し位置Nの間の途中の位置で何らかの問題が生じた場合には、支持体56が無端ベルト67と共に移動できない状態になる。この状態になると、無端ベルト67の移動により噛合している欠け歯歯車(図示せず)の歯に加わる負荷が上昇し、この負荷が所定値を越えると欠け歯歯車(図示せず)が回転して歯の噛合相手が無端ベルト67の上下で切替わる。従って、例えば欠け歯歯車(図示せず)が下側の無端ベルト67固定されていた場合には、上側の無端ベルト67に固定された状態に切替わり、これにより、支持体56及び可動刃45の移動方向が、往動方向から復動方向に切り替えられるようになっている。また、欠け歯歯車(図示せず)が上側の無端ベルト67に固定されていた場合には、下側の無端ベルト67に固定された状態に切替わり、これにより、支持体56及び可動刃45の移動方向が、復動方向から往動方向に切り替えられるようになっている。
さらに、用紙切断機構35は、待機位置Mにおける可動刃45の存否を検出可能な可動刃検出センサとして、センサ80を備えている。また、折返し位置Nににおける可動刃45の存否を検出可能な可動刃検出センサとして、センサ81を備えている。本実施の形態では、センサ80、81は、図2に示すように、板ばねを介してスイッチを設けた構成を有する。これにより、センサ80(81)は、支持体56が待機位置M(折返し位置N)に存在する場合に板ばねを介してスイッチが入り(ONになり)、支持体56が待機位置M(折返し位置N)から外れると板ばねが解放されてスイッチが切れる(OFFになる)ようになっている。これらセンサ80、81は制御部47に接続されており、各々のスイッチの情報(スイッチのON/OFF情報)が制御部47に入力されるように構成されている。これにより、制御部47は、可動刃45が待機位置M(折返し位置N)に存在するか否かを検出し、この検出結果に基づいてモータ駆動制御部72を制御することができるようになっている。
図2及び図4に示すように、支持体56の上には、シャフト52の長手方向(往動方向)に沿って徐々に高くなり、所定の最高点まで高くなってから徐々に低くなるように形成された略三角柱形状の支持用突出部90が設けられている。一方、シャフト52の待機位置Mには、ロール紙RPの搬送方向側に突出した柱状部分と、この柱状部分から鉛直方向下方に突出した平板部分とで構成される被支持突出部91が設けられている。即ち、例えば支持体56が待機位置Mに存在する場合には、被支持用突出部91は、支持用突出部90の最高点に載せられた状態で保持され、押さえロール51は、被支持用突出部91によって支持台50から持ち上げられた状態で保持される。即ち、ロール紙RPの固定が解除されるようになっている。このような状態から、支持体56が往動すると、被支持用突出部91及び押さえロール51は、支持用突出部90の傾斜に沿って次第に下降し、被支持用突出部91から支持用突出部90が完全に外れた状態では、押さえロール51が自重により下降して、支持台50との間でロール紙RPを固定するようになっている。また、例えば支持体56が復動して待機位置Mに向かう場合には、被支持用突出部91及び押さえロール51は、支持用突出部90の傾斜に沿って次第に上昇させられる。そして、支持体56が待機位置Mに戻ると、被支持用突出部91は、再び支持用突出部90の最高点によって持ち上げられる。こうして、待機位置Mに対して支持体56を移動させることで、押さえロール51を支持台50に対して昇降できるように構成されている。
前述したように、制御部47には、モータ駆動制御部72、センサ80、81が接続されている。この制御部47は、例えば演算部47a(CPU(中央演算処理装置)等)、記憶媒体47b(例えばROM、RAM等)、タイマ47c、入出力部47d等を備えている。タイマ47cは、例えばセンサ80の検出信号を監視することにより、可動刃45の往復動作の開始から終了までの間に要する往復所要時間T(即ち、待機位置Mからの往動を開始してから、再び待機位置Mに戻るまでの所要時間)等を検出することができる。
また、制御部47には、図5に示すようなフローチャートによって表される処理を行うためのプログラムが格納されている。即ち、制御部47は、モータ57に対する供給電圧を、PWM制御(パルス幅変調方式)によって制御することができる。本実施形態においては、このPWM制御は、図6に示すように、可動刃45の往復動作の後半に行われる。即ち、可動刃45の往動時や、復動の初期には行われないが、可動刃45の復動の途中(例えば可動刃45が待機位置Mと折り返し位置Nの間の中間付近まで復動した頃)から開始され、その後、復動が終了するまで(可動刃45が待機位置Mに到着するまで)、継続して行われるようになっている。また、PWM制御は、往復の開始から予め設定されている設定時間T(PWM開始時間)が経過すると開始されるようになっている。
なお、PWM制御は、例えば演算部47aなどに設けられている発振器から発振される一定周期のクロックパルス信号に基づいて、PWM制御用信号が生成され、制御部47からモータ駆動制御部72にPWM制御用信号が出力されることにより行われる。PWM制御用信号が出力された場合、モータ57に対する供給電圧は、一定の時間TP1(パルス幅)が経過するとゼロになり、その後、一定の時間TP2―TP1(TP2:パルス周期)が経過すると、供給電圧がVに戻るようになっている。即ち、供給電圧がVの状態と、供給電圧がゼロの状態が、周期的に切り換えられ、図6に示すような矩形波状(パルス状)に変化させられるようになっている。
さらに、制御部47は、図5に示すような演算処理によって、PWM制御におけるパルス幅TP1、即ち、デューティ比D=TP1/TP2を決定する。つまり、可動刃45の往復動作を繰り返し(i+1回以上、iは2以上の整数)行う場合に、i−1回目(前回)に行われた往復動作の往復所要時間T(i−1)、i回目に行われた往復動作の往復所要時間T(i)、i回目に行われた往復動作におけるPWM制御のデューティ比D(i)に基づいて、i+1回目(次回)の往復動作におけるPWM制御のデューティ比D(i+1)、即ち、パルス幅TP1を調節するようになっている。具体的には、往復所要時間T(i−1)と往復所要時間T(i)とを比較し、往復所要時間T(i)が前回の往復所要時間T(i−1)よりも短くなった場合(即ち、i回目の往復動作における可動刃45の平均移動速度が、前回より速くなった場合)は、次回のデューティ比D(i+1)をその直前のデューティ比D(i)に対して減少させ、次回のパルス幅TP1を短くする(図7参照)。これにより、可動刃45の移動速度を急激に減少させるようにする。逆に、往復所要時間T(i)が往復所要時間T(i−1)よりも長くなった場合(即ち、i回目の往復動作における可動刃45の平均移動速度が、前回より遅くなった場合)は、次回のデューティ比D(i+1)をその直前のデューティ比D(i)に対して増加させ、次回のパルス幅TP1を長くする(図8参照)。これにより、可動刃45の移動速度を、ゆっくりと減少させるようにする。即ち、制御部47は、
(i−1)>T(i) → D(i)>D(i+1)
(i−1)=T(i) → D(i)=D(i+1)
(i−1)<T(i) → D(i)<D(i+1)
となるように演算を行う。なお、本実施形態においては、パルス周期TP2は常に一定であり、どの回の往復動作においても同一の値である。即ち、デューティ比Dを調節することで、パルス幅TP1がデューティ比Dに比例して調節されるようになっている。
次に、以上のように構成された本発明の実施の形態に係る印刷装置1を用いて用紙を切断する方法を説明する。まず、ロール紙RPを切断する前の初期状態では、図2に示すように、可動刃45は待機位置Mに停止させられており、モータ57はOFF状態(供給電圧がゼロの状態)になっている。押さえロール51と被支持用突出部91は、支持用突出部90によって支持されており、ロール紙RPの固定が解除された状態になっている。ギアボックス71は、下側の無端ベルト67に連結された状態になっている。センサ80はON状態になっており、可動刃45が待機位置Mに存在することが検出されている。
かかる状態において、制御部47の制御により、搬送ローラ22等が駆動され、サーマルヘッド10による印刷が施されたロール紙RPの先端部が、案内板34を介して、用紙切断機構35に搬送される。さらに、押さえロール51と支持台50との間に形成された隙間を通じて、固定刃46の上方、即ち、待機位置Mと折り返し位置Nとの間の所定位置に供給され、さらに、排出口38側に向かって送り出される。ロール紙RPが固定刃46の上方から所定の長さだけ送り出されると、搬送ローラ22等が一旦停止させられる。こうして、ロール紙RPは、待機位置Mと折り返し位置Nとの間に保持された状態で静止させられる。
次に、ロール紙RPの切断が開始される。先ず、制御部47において、予め記憶媒体47bに記憶されていた初期値D(1)が、演算部47aに読み込まれ、デューティ比の設定値D=D(1)として設定される(図5においてステップS1)。さらに、タイマ47cによる時間測定が開始される(ステップS2)。そして、制御部47からモータ駆動制御部72に対して制御命令が与えられることにより、モータ57がON状態に切り換えられる(ステップS3)。即ち、モータ57に一定の電圧Vが与えられ、モータ57の駆動が開始される。すると、無端ベルト67はモータ57の回転に同期して周動し、支持体56及び可動刃45は、ギアボックス71及び下側の無端ベルト67の移動に同期して、待機位置Mから往動方向に直進移動させられる。
可動刃45が待機位置Mから移動すると、センサ80はOFF状態になり(ステップS4)、可動刃45が待機位置Mに存在しなくなったことが、制御部47によって検出される。また、被支持用突出部91の支持が外れ、押さえロール51が自重で下降し、ロール紙RPの上面に当接する。こうして、ロール紙RPは、押さえロール51と支持台50との間に挟まれた状態で固定される。
押さえロール51がロール紙RPの上面に当接した後、可動刃45は、ロール紙RPの一縁部(待機位置M側の縁部)に当接する。そして、固定刃46との間にロール紙RPを挟み、ロール紙RPを切断しながら往動する。こうして、ロール紙RPは、可動刃45の往動に伴って、待機位置M側の縁部側から幅方向に沿って切断されていく。そして、固定刃46よりも排出口38側に送り出されていた部分が、押さえロール51と支持台50との間に挟まれている部分から切り離され、排出口38の外側に排出される。
ロール紙RPを切断した後、可動刃45は折り返し位置Nに到着する。すると、ギアボックス71が上側の無端ベルト67に連結された状態に切り換えられ、支持体56及び可動刃45は、ギアボックス71及び上側の無端ベルト67の移動に同期して、折り返し位置Nから復動方向に直進移動させられる。こうして、可動刃45の移動方向は、折り返し位置Nにおいて折り返され、復動が開始される。なお、センサ81は、可動刃45が折り返し位置Nに存在した瞬間だけ、ON状態になり、可動刃45が折り返し位置Nに到着したこと、及び、折り返し位置Nから復動を開始したことが、制御部47によって検出される。
往動時の可動刃45の移動速度(モータ57の回転速度)は、ロール紙RPの切断を行っていたときよりも速くなる。即ち、ロール紙RPの切断が行われるときは、可動刃45に対してロール紙RPの材質、ロール紙RPの厚さ、周囲の環境(温度、湿度)、固定刃46との間の摩擦力等に応じた抵抗力が加えられる。そのため、可動刃45の移動速度は減速される。一方、ロール紙RPを切断した後の復動の際は、ロール紙RPから可動刃45に加えられる力が無くなるため、可動刃45に加えられる抵抗力は、ロール紙RPの切断時よりも小さくなる。即ち、可動刃45が円滑に移動し易くなる。そのため、モータ57に供給される供給電圧がロール紙RPの切断時と同じ値V(供給電力が同じ)である場合、可動刃45の移動速度は、ロール紙RPの切断時よりも速くなる。
タイマ47cが時間測定を開始してから所定の設定時間Tが経過すると(ステップS11)、制御部47からモータ駆動制御部72に対して、PWM制御を開始する制御命令が与えられる(ステップS12)。このPWM制御においては、モータ57の供給電圧の波形は、図6に示すような矩形波状に変化させられる。このようなPWM制御が行われると、モータ57の回転速度と可動刃45の移動速度は、ほぼ一定の減速度(負の加速度)で、次第に減速される。
その後、可動刃45が待機位置Mに到着すると、押さえロール51と被支持用突出部91が、再び支持用突出部90によって持ち上げられ、ロール紙RPの固定が解除された状態になる。また、センサ80が再びON状態になり(ステップ13)、可動刃45が待機位置Mに到着したことが、制御部47によって検出される。すると、制御部47の制御命令により、モータ57はOFF状態にされる(ステップ14)。これにより、PWM制御が終了させられ、可動刃45が停止させられる。また、タイマ47cによる時間測定が終了し、時間測定を開始してからの経過時間、即ち、往復所要時間T(1回目の往復所要時間T(1))が検出される。
往復所要時間T(T(1))が検出されると、制御部47は、予め設定された設定値T(基準値)と測定値Tとを比較し(ステップS21、S22)、次回(2回目)の切断動作において用いるデューティ比D(2回目の切断動作におけるデューティ比D(2))を演算する。
例えばT=Tである場合は、デューティ比Dが適切であり、可動刃45が待機位置Mに到着したときに、モータ57及び可動刃45を確実に静止できると予測される。この場合は、デューティ比Dの値は変化させない(D(1)=D(2))。即ち、次回の切断動作におけるPWM制御のパルス幅TP1は、今回と同一にされる。
一方、T>Tである場合は、可動刃45に加えられた抵抗力や、動力伝達系58において発生した負荷等が、想定された値より少なく、可動刃45の移動速度(モータ57の回転速度)が想定された速度より速かったと考えられる。この場合は、デューティ比Dを減少させる(D(1)>D(2))。即ち、図7に示すように、モータ57に供給電圧Vが与えられる時間TP1(パルス幅)を今回よりも短くし、かつ、供給電圧がゼロにされる時間TP2−TP1を今回よりも長くする。そうすれば、モータ57及び可動刃45が今回よりも迅速に減速されるようになり(減速度が増加し)、可動刃45が待機位置Mに到着するまでに、可動刃45の移動速度を十分に遅くすることができる。従って、可動刃45が待機位置Mに到着したときに、モータ57及び可動刃45をより確実に静止させることが可能になる。
また、T<Tである場合は、可動刃45に加えられた抵抗力や、動力伝達系58において発生した負荷等が、想定された値より大きく、可動刃45の移動速度が想定された速度より遅かったと考えられる。この場合は、PWM制御におけるデューティ比Dを増加させる(D(1)<D(2))。即ち、図8に示すように、モータ57に供給電圧Vが与えられる時間TP1(パルス幅)を今回よりも長くし、かつ、供給電圧がゼロにされる時間TP2−TP1を今回よりも短くする。つまり、PWM制御を行う前の可動刃45の移動速度が遅い場合に、デューティ比Dが小さすぎると、モータ57及び可動刃45が過剰に遅い速度にされ、可動刃45が待機位置Mに到着するまでに、長い時間がかかってしまい、可動刃45の往復動作が非効率的になってしまう。従って、モータ57及び可動刃45をゆっくりと減速させ、速度を維持するため、デューティ比Dの値を増加させるようにする。
こうして、往復所要時間T(T(1))を用いて補正された新たなデューティ比Dは、次回の切断動作に用いられるデューティ比D(D(2))として保存され、また、往復所要時間の測定値T(T(1))は、次回の切断動作に用いられる設定値Tとして保存される(ステップS23)。即ち、デューティ比Dと設定値Tが、それぞれ新たな値に更新される。
以上のようにして、1回目の切断動作(可動刃45の往復動作)が終了した後、上記の送り出し動作と同様にして、ロール紙RPが送り出され、上記の切断動作と同様にして、2回目の切断が行われる。この切断動作においても、モータ57の供給電圧は、可動刃45の復動時に、PWM制御によって制御される。このときのデューティ比D(D(2))としては、1回目の切断後に制御部47において更新されたものが用いられる。即ち、デューティ比Dが1回目と同じであった場合は、供給電圧は、図6に示すように、1回目とほぼ同じように変化させられる。デューティ比Dが1回目より減少させられた場合は、図7に示すように、可動刃45の移動速度は、デューティ比Dに応じて、迅速に減少させられる。また、デューティ比Dが1回目より増加させられた場合は、図8に示すように、可動刃45の移動速度は、デューティ比Dに応じて、ゆっくりと減少させられる。
その後、上記の処理と同様に、この2回目の切断動作における往復所要時間の測定値T(T(2))と設定値T(T(1))に基づいて、次回(3回目)の切断動作に用いられるデューティ比D(D(3))が求められ、デューティ比D(D(3))、設定値T(T)が更新される。そして、3回目以降の切断動作においても、同様の処理が繰り返される。
なお、ロール紙RPが前回の切断動作時と同じものであれば、通常、可動刃45の移動速度は前回とほぼ同じであり、往復所要時間Tも前回とほぼ同じになる。しかし、例えば用紙切断機構35内の温度や湿度が前回の切断動作時から変動した場合、可動刃45(ロール紙RPや固定刃46と接触する周縁部分)の摩耗が進行した場合、動力伝達系58において発生する負荷が変動した場合等は、それらの条件に応じて、可動刃45の移動速度と往復所要時間Tが変化する。即ち、往復所要時間Tの変化に応じてデューティ比Dが補正されることとなる。
以上の実施形態によれば、用紙切断機構35内の温度、用紙切断機構35内の湿度、可動刃45の摩耗、動力伝達系58において発生する負荷等、様々な条件に依存して変化する往復所要時間Tに基づいて、次回の切断動作におけるPWM制御のデューティ比D、即ちパルス幅TP1を調節し、最適化することができる。これにより、次回の切断動作における復動時の可動刃45の移動速度を、様々な条件の変化に応じて、好適に制御できる。つまり、例えば往復所要時間Tが前回より短くなった場合(可動刃45の移動速度が前回より速くなった場合)は、次回の切断動作におけるPWM制御のデューティ比Dを減少させる(パルス幅TP1を前回より短くする)ことで、次回の切断動作における復動時の可動刃45の移動速度を、迅速に減速させることができる。従って、可動刃45が待機位置Mに到着するまでに、可動刃45の移動速度を十分に減速させ、可動刃45を待機位置Mに確実に停止させることができる。即ち、復動した可動刃45が支持壁55等によって跳ね返されることを防止でき、さらに、デューティ比Dを減少させることで、モータ57の消費電力を削減できる。一方、往復所要時間Tが前回より長くなった場合(可動刃45の移動速度が前回より遅くなった場合)は、次回の切断動作におけるPWM制御のデューティ比Dを増加させる(パルス幅TP1を前回より長くする)ことで、次回の往復動作における復動時の可動刃45の移動速度が、過剰に遅くなることを防止できる。従って、可動刃45を待機位置Mまで失速させることなく、効率的に移動させることができる。
また、以上の実施形態によれば、往復所要時間Tを測定するだけで、比較的簡単な演算処理によって、可動刃35の移動速度を簡単かつ確実に制御できる。例えば予め特別な調整値を設定したり、手動で調整値を入力し直したりする手間もなく、様々な条件の経時変化に応じて、可動刃35の移動速度を自動的に、精度良く調節することができる。また、例えば用紙切断機構35内の温度、湿度、動力伝達系58の負荷等を測定するための各種センサを設置する必要もない。従って、用紙切断機構35の構造、ひいては印刷装置1全体の構造を簡素にすることができる。さらに、印刷装置1のコストダウンを図ることもできる。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。図9は、第二の実施形態において行われる処理を示している。この実施形態においては、制御部47は、PMW制御におけるデューティ比D(パルス幅TP1)を調節するのではなく、設定時間Tを調節する。即ち、i−1回目に行われた往復動作の往復所要時間T(i−1)、i回目に行われた往復動作の往復所要時間T(i)、i回目に行われた往復動作における設定時間TF(i)に基づいて、i+1回目の往復動作における設定時間TF(i+1)を調節するようになっている。なお、印刷装置1の構成は、第一の実施形態のものと実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
制御部47は、1回目の切断動作においては、設定時間Tの初期値TFOを用いてPWM制御を開始する。2回目以降は、往復所要時間T(i−1)と往復所要時間T(i)とを比較し、往復所要時間T(i−1)よりも往復所要時間T(i)が短くなった場合は、次回の設定時間TF(i+1)をその直前の設定時間TF(i)に対して短くする(図10参照)。つまり、PWM制御を早めに開始し、PWM制御の開始から終了までの時間を長くする。そうすれば、PWM制御を開始する前の可動刃45の移動速度が速くても、可動刃45が待機位置Mに到着するまでに、可動刃45の移動速度を十分に遅くすることができる。
逆に、往復所要時間T(i)が往復所要時間T(i−1)よりも長くなった場合は、設定時間TF(i+1)を設定時間TF(i)に対して長くする(図11参照)。つまり、PWM制御を遅めに開始し、PWM制御の開始から終了までの時間を短くする。即ち、PWM制御を開始する前の可動刃45の移動速度が遅い場合に、あまり早い時点でPWM制御を開始させると、可動刃45が過剰に減速され、可動刃45が待機位置Mに到着するまでに、長い時間がかかってしまい、非効率的である。そのため、PWM制御を遅めに始めることで、可動刃45が過剰に減速されないようにする。
即ち、制御部47は、
(i−1)>T(i) → TF(i)>TF(i+1)
(i−1)=T(i) → TF(i)=TF(i+1)
(i−1)<T(i) → TF(i)<TF(i+1)
となるように演算を行う。なお、本実施形態においては、パルス幅TP1、パルス周期TP2、デューティ比Dは常に一定に設定される。
かかる第二の実施形態によれば、往復所要時間Tに基づいて、次回の往復動作における設定時間Tを調節し、最適化することで、次回の往復動作における復動時の可動刃45の移動速度を、様々な条件の変化に応じて、好適に制御できる。即ち、例えば往復所要時間Tが短くなった場合は、次回の往復動作における設定時間Tを短くすることで、次回の往復動作における復動時の可動刃45の移動速度を、可動刃45が待機位置Mに到着するまでに、十分に減速させることができる。また、往復所要時間Tが長くなった場合は、次回の往復動作における設定時間Tを長くすることで、次回の往復動作における復動時の可動刃45の移動速度が、過剰に遅くなることを防止できる。従って、可動刃45を待機位置Mまで、効率的に移動させることができる。また、この第二の実施形態においても、往復所要時間Tを測定するだけで、比較的簡単な演算処理によって、可動刃35の移動速度を簡単かつ確実に制御できる。様々な条件の経時変化に応じて、可動刃35の移動速度を自動的に、精度良く調節することができる。また、例えば用紙切断機構35内の温度、湿度、動力伝達系58の負荷等を測定するための各種センサを設置する必要もなく、印刷装置1の構造を簡素にすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば以上の実施形態では、往復所要時間Tは、初期値Tあるいは前回の往復所要時間Tとのみ比較されるとしたが、往復所要時間Tの閾値を設定し、閾値と比較するようにしても良い。例えば、ロール紙RPの送り出しに不具合が生じ、待機位置Mと折り返し位置Nとの間にロール紙RPが存在しない状態で、可動刃45が往復動作されることが考えられる。そのような場合、往動時、可動刃45はロール紙RPの抵抗を受けず、速い速度で往動する。そのため、往復所要時間Tが異常に短時間になることが考えられる。かかる往復所要時間Tに基づいて次回のデューティ比Dあるいは設定時間Tが変更されると、次回のデューティ比Dあるいは設定時間Tが不適切になり、可動刃45の復動に不都合が生じるおそれがある。従って、往復所要時間Tの閾値として最小閾値Tminを予め設定し、往復所要時間Tが最小閾値Tminよりも大きい場合(Tmin<T)にのみ、即ち、往復所要時間Tの値が正常な範囲内にあることを確認してから、初期値Tあるいは前回の往復所要時間Tとの比較を行い、デューティ比Dあるいは設定時間Tの変更等を行うようにしても良い。そうすれば、次回のデューティ比Dあるいは設定時間Tが、不適切に変更されることを防止できる。
また、例えば、可動刃45がロール紙RPに引っ掛かったり、動力伝達系58に不具合が生じたりした場合等には、可動刃45の移動速度が遅くなり、往復所要時間Tが異常に長時間になることが考えられる。かかる往復所要時間Tに基づいて次回のデューティ比Dあるいは設定時間Tが変更されると、次回のデューティ比Dあるいは設定時間Tが不適切になり、可動刃45の復動に不都合が生じるおそれがある。従って、往復所要時間Tの閾値として最大閾値Tmaxを予め設定し、往復所要時間Tが最大閾値Tmaxよりも大きい場合(Tmin<T)にのみ、即ち、往復所要時間Tの値が正常な範囲内にあることを確認してから、初期値Tあるいは前回の往復所要時間Tとの比較、デューティ比Dあるいは設定時間Tの変更等を行うようにしても良い。この場合も、次回のデューティ比Dあるいは設定時間Tが不適切に変更されることを防止できる。
また、以上の第一の実施形態における制御部47の処理と、第二の実施形態における制御部47の処理とを、組み合わせた処理を行っても良い。即ち、往復所要時間Tに基づいて、デューティ比Dの変更と設定時間Tの変更を共に行うようにしても良い。この場合も、次回の切断動作における復動時の可動刃45の移動速度を、様々な条件の変化に応じて、好適に制御できる。
また、以上の第一の実施形態では、PWM制御は可動刃45の復動の途中から開始するとしたが、PWM制御を行うタイミングは、かかるものに限定されない。さらに、PWM制御前の供給電圧は、一定値Vとしたが、PWM制御前の供給電圧の制御方法は特に限定されず、電圧を増減させるようにしても良い。即ち、PWM制御は、少なくとも可動刃45の復動の後半(可動刃45が待機位置Mに到着する直前)には行う必要があるが、例えば可動刃45の復動時全体に亘って行っても良いし、勿論、往動時にも行っても良い。なお、往動時にPWM制御を行う場合は、復動後半に行うPWM制御よりもデューティ比を大きくすることで、十分な切断力が得られるようにすれば良い。
印刷機構30の構成は、上述したものには限定されない。即ち、以上の実施形態では、印刷装置1は、サーマルヘッド10の加熱によりインクリボンRのインクをロール紙RPに熱転写して印刷を行うサーマルプリンタであると説明したが、印刷装置1は、用紙として感熱紙を用いるサーマルプリンタであってもよい。さらに、印刷装置1は、例えばインクジェットプリンタ、レーザプリンタ等のようにサーマルプリンタ以外のプリンタであってもよい。
上述した実施形態においては、可動刃45が上側に設けられており、下側の固定刃46に沿って移動することによってロール紙RPを切断する場合について説明したが、可動刃45は例えば下側に設けられている等、その他の構成であってもよいし、固定刃を用いずにロール紙RPを単独で切断するように構成されてもよい。また、可動刃45は円板形状以外の任意の形状であってもよい。さらに、固定刃46を用いる場合には、固定刃46は平板形状以外の形状であってもよい。
また、上述した実施形態においては、印刷装置1は、ロール紙RPに印刷が行われた後に、用紙切断機構35による切断を行う構成としたが、勿論、印刷が行われる前のロール紙RPを切断して、ページ単位の被印刷体を形成し、その被印刷体に印刷を行う構成であっても良い。
ロール紙RPを固定する固定装置40は、可動刃45と共に移動する支持用突出部90が押さえロール51を昇降させることによって、ロール紙RPの固定や固定の解除を行うように構成されている場合について説明したが、ロール紙RPを固定する固定装置40は、可動刃45とは無関係に単独で動作するように構成されていてもよい。また、固定装置40が支持台50及び押さえロール51を有する場合について説明したが、固定装置40はその他の構成であってもよい。
上述した実施形態においては、可動刃45の存否を検出可能な検出装置を待機位置M及び折り返し位置Nに備える場合を説明したが、折り返し位置Nの検出装置(センサ81)は、省略しても良い。また、上述した実施形態においては、検出装置が、板ばねを介してスイッチを押圧するセンサ80、81である場合について説明したが、検出センサは、その他の構成であってもよい。
本発明は、用紙切断機構を有する印刷装置に適用できる。
印刷装置の構成を示した概略縦断面図である。 用紙切断機構(ロール紙が固定されていない状態)の概略正面図である。 用紙切断機構(ロール紙が固定されている状態)の概略正面図である。 ロール紙の幅方向からみた支持体及び可動刃の側面図である。 制御部において行われる演算処理の手順を示したフロー図である。 モータに与えられる供給電圧とセンサの検出信号の関係を示したグラフである。 デューティ比Dが減少させられた場合にPWM制御によってモータに与えられる供給電圧と可動刃の移動速度の関係を示したグラフである。 デューティ比Dが増加させられた場合にPWM制御によってモータに与えられる供給電圧と可動刃の移動速度の関係を示したグラフである。 第二の実施形態において制御部で行われる演算処理の手順を示したフロー図である。 設定時間Tが短縮された場合にPWM制御によってモータに与えられる供給電圧と可動刃の移動速度の関係を示したグラフである。 設定時間Tが延長された場合にPWM制御によってモータに与えられる供給電圧と可動刃の移動速度の関係を示したグラフである。
符号の説明
D デューティ比
M 待機位置
N 折り返し位置
RP ロール紙
T 往復所要時間
設定時間
P1 パルス幅
P2 パルス周期
1 印刷装置
30 印刷機構
35 用紙切断機構
45 可動刃
47 制御部
57 モータ
58 駆動伝達系
80 センサ

Claims (4)

  1. 用紙に印刷を行う印刷機構と、用紙を切断する用紙切断機構とを備えた印刷装置であって、
    前記用紙切断機構は、基準位置から折り返し位置に往動し前記折り返し位置から前記基準位置に復動する往復動作を行う可動刃を備え、前記可動刃の往動により用紙を切断する構成とし、
    前記可動刃に前記往復動作を行わせる動力を与えるモータと、前記モータの駆動を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、少なくとも前記往復動作における復動の途中から復動が終了するまでの間、前記モータに供給する電圧をPWM制御によって制御し、かつ、前記往復動作の開始から終了までの間に要した往復所要時間に基づいて、次回の前記往復動作における前記PWM制御のパルス幅、及び/又は、次回の前記往復動作における往動の開始から前記PWM制御の開始までの設定時間を調節することを特徴とする、印刷装置。
  2. 前記制御部は、前記往復所要時間が前回よりも短くなった場合は、次回の前記往復動作における前記パルス幅を短くし、前記往復所要時間が前回よりも長くなった場合は、次回の前記往復動作における前記パルス幅を長くすることを特徴とする、請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記制御部は、前記往復所要時間が前回よりも短くなった場合は、次回の前記往復動作における前記設定時間を短くし、前記往復所要時間が前回よりも長くなった場合は、次回の前記往復動作における前記設定時間を長くすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記基準位置における前記可動刃の存否を検出する可動刃検出センサを備え、
    前記制御部は、前記可動刃検出センサによって前記可動刃の存在が検出されなくなってから前記可動刃の存在が再び検出されるまでの時間を測定することで、前記往復所要時間を検出することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
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