JP2008246071A - 角膜撮影装置および角膜撮影方法 - Google Patents

角膜撮影装置および角膜撮影方法 Download PDF

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Abstract

【課題】角膜周辺内皮の撮影を行うに際してのXYアライメント補正を安定して精度良く行うことが出来、それによって、実際の使用現場において検者および被検者の負担をより一層軽減して速やかな撮像を可能と為し得る、改良された角膜撮影装置を提供すること。
【解決手段】装置光学系10をZ方向で被検眼Eの角膜上皮に対する合焦位置を超えて角膜内皮に近づけて位置決めすると共に、XYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得して、かかる角膜内皮光学情報を用いて決定されたXYアライメント用基準位置の情報と、Z方向の合焦位置の情報とに基づいて、角膜撮像光学系20を被検眼Eに対して相対位置制御せしめて、被検眼Eの角膜内皮像を撮像する角膜内皮像撮像制御手段117を設けた。
【選択図】図7

Description

本発明は、被検眼に対して照明光を照射して、被検眼の角膜からの反射光を受光することによって角膜内皮細胞像を撮像する角膜撮影装置および角膜撮影方法に係り、特に被検眼の角膜の中央部分だけでなく周辺部分においても角膜内皮細胞像を撮像することの出来る角膜撮影装置および角膜撮影方法に関するものである。
従来から、眼疾患の有無判断や眼の術後経過の診断などに際して、角膜、特に角膜内皮の細胞状態を観察することが行われている。
このような角膜内皮の細胞状態を観察するに際して、被検眼に対して非接触で角膜内皮細胞を撮像することの出来る角膜撮影装置が知られている。この角膜撮影装置は、照明光学系によりスリット状の照明光(スリット光束)を被検眼の角膜に斜めから照射して、角膜からの反射光を撮像光学系で受光して角膜内皮細胞を撮像するようになっている。
ところで、角膜内皮の撮像に際しては、角膜の中央部分だけでなく角膜の周辺部分を撮像したい場合がある。そのためには、被検者に正面から外れた斜め方向を固視させることにより、撮影用のスリット光束を角膜周辺部分に照射させてその反射光束を撮影光学系で撮像することによって行われる。
ところが、その場合に、単に被検者の固視方向を斜めに設定するだけでは、明瞭な角膜内皮像を得ることが出来ないことがわかっている。これは、解剖学的に明らかなことであって、角膜撮影装置の開発技術分野の当業者だけでなく、角膜撮影装置を利用する使用者層にも、従来から良く知られていることである。蓋し、角膜内皮の曲率と角膜上皮(角膜外皮ともいう)の曲率が互いに異なることから、角膜の中央部分では角膜上皮による鏡面反射光を利用して角膜内皮のXYアライメントを行うことが出来るものの、周辺部分では同じ方向で角膜上皮による鏡面反射光を利用してXYアライメントを行うと角膜内皮の最適位置からずれてしまうことに起因する。
すなわち、角膜中央部分を撮像するために被検者が正面を固視した状態では、図14(a)に示すように、角膜上皮反射されるXYアライメント光の光軸(●印)に対して内皮反射光の光軸(×印)が一致することから、XYアライメントを行うことによって、撮像領域を示す□印の中では、角膜内皮も角膜上皮も同一の光学中心軸を有することとなり、目的とする内皮撮像を精度良く行うことが可能となる。しかし、角膜周辺部分を撮像するために被検者が斜め方向を固視した状態では、図14(b)に示すように、角膜上皮反射されるXYアライメント光の光軸(●印)に対して内皮反射光の光軸(×印)がずれてしまうこととなり、XYアライメントを行っても、撮像領域を示す□印の中では、角膜内皮と角膜上皮の光学中心軸が異なることから、内皮撮像の精度が大幅に低下してしまうのである。
要するに、角膜周辺部分で、角膜内皮を鮮明に撮像するには、図14(b)において、XYアライメントを行った中心点(●点)から、角膜内皮のずれ方向(×方向)に向けて、所定距離だけ、撮像領域(□印の領域)を移動設定してから内皮撮像することが必要となる。
そのために、従来、角膜撮影装置を用いて角膜周辺部分を撮像するに際しては、その撮像によって鮮明な像が得られなかった場合に、XY方向で被検眼に対する撮像光学系の相対位置を適当な方向に検者がずらせて位置設定し、満足できる像が得られるまで撮影を繰り返していたのである。そのために、検者と被検者の負担が大きく、特に経験の乏しい検者では撮影に多くの時間を要することから、被検者に苦痛を強いるおそれもあった。
そこで、このような問題に対処するために、特許文献1(特許第2812421号公報)や特許文献2(特許第3338529号公報)において、角膜上皮反射光によって得られるXYアライメント信号に基づいて被検眼に対する撮像光学系のXYアライメントを行うに際して、被検眼が固視する斜め方向の位置に対応してXYアライメントの補正量を予め設定しておき、選択した固視標に対応する補正量だけ、角膜上皮反射光によって得られるXYアライメント信号に基づいて決定されたXYアライメント位置を補正するようにした角膜撮影装置が、提案されている。
要するに、これらの特許文献1,2に開示された技術は、被検眼が固視する斜め方向に対して補正する方向と量が略特定されるという前提のもとで、検者や被検者の負担軽減を図るものである。そして、実際に、XYアライメントの補正方向、即ち図14(b)におけるずれ方向線:αの方向は、前述の如き角膜内上皮の曲率半径差の理論に基づいて、被検眼が固視する斜め方向に対して決定されることが確かめられているし、その補正量も、被検眼の視軸の傾斜角度と角膜内皮と角膜上皮の曲率半径差とに対応する値であるが故に、解剖学上のデータから特定することが可能であると考えられる。
しかしながら、本発明者が検討したところ、このような先行する特許文献1,2に記載の技術に従うXYアライメントを採用しても、角膜周辺部分を十分な精度で撮像することが出来ないケースが幾つも存在することが明らかとなった。その原因について本発明者が更なる検討を加えたところ、角膜内皮及び角膜上皮の曲率半径には個人差が存在しており、この個人差の程度が、特許文献1,2に記載の補正方法では、撮影精度に影響を及ぼす程に大きい場合があるということがわかった。特に、着目すべきところは、特に角膜内皮の撮像が必要とされる被検者は、一般の全ての人を対象とするべきでなく、眼疾患を持つ者や眼の手術後の経過観察が必要とされる者が多いという事実であり、そのような者においては、角膜内皮及び角膜上皮の曲率が大きくばらつくことが多い点に着目しなければならないという点である。
このような事実を考慮すると、確かに解剖学上の統計データからは角膜内上皮の曲率半径の個人差が撮影精度に問題とならない程の大きさであるとして予め設定した補正量を採用する、前述の特許文献1,2に記載の角膜撮影装置では、実際の現場での使用に際して、補正量が不適切となって、結局、検者が撮影位置を微調節することが必要となることが比較的に多くなるのであり、その意味において、これら先行の特許文献1,2に記載の角膜撮影装置は、半自動のアライメント機構を備えた撮影装置に止まると言わざるを得ないのである。
そこで、このような問題に対処するために、本出願人は、先に、特願2007−028039号(特許文献3)において、改善された角膜撮影装置を提案した。この先願に係る角膜撮影装置は、角膜上皮の鏡面反射光でXYアライメントを行った後、角膜上皮の撮像を行い、得られた角膜上皮像の光学情報を解析利用することにより、角膜上皮に対して行ったXYアライメント位置から角膜内皮撮像に適したXYアライメント位置に至るXY補正量を求めるものである。
従って、かかる本出願人の先願である特許文献3に記載の角膜撮影装置においては、従来技術である特許文献1,2に記載の角膜撮影装置のように被検者の支軸の方向に応じて単に所定位置にXYアライメント補正を行うものに比して、個々の被検者の角膜形状等に対応してXYアライメント補正を行うことが出来るだけでなく、そのXYアライメント補正を自動的に行うことが可能となって、検者の労力が大幅に軽減され得る。
而して、その後、本発明者が更なる研究と実験等を重ねた結果、上記特許文献3で提案した角膜撮影装置よりも一層安定して角膜周辺内皮の撮像を行うことが出来る、基本的な技術思想を根底から異ならせた、新規な構造の角膜撮影装置および角膜撮影方法を発明するに至ったのである。
特許第2812421号公報 特許第3338529号公報 特願2007−028039号
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、角膜周辺内皮の撮像を行うに際して従来の半自動型のXYアライメント補正機構を備えた前述の特許文献1,2に記載の角膜撮影装置の存在下、本出願人は、先に、新規な自動型のXYアライメント補正機構を与える角膜撮影装置を先願(特許文献3)において新たに提案したのであるが、ここにきて、かかる先願(特許文献3)に記載の角膜撮影装置よりも尚一層、角膜周辺内皮の撮影を行うに際してのXYアライメント補正を安定して精度良く行うことが出来、それによって、実際の使用現場において検者および被検者の負担をより一層軽減して速やかな撮像を可能と為し得る、更に改良された角膜撮影装置を提供することを、本発明の目的とする。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、角膜内皮撮影装置に関する本発明の特徴とするところは、(A)スリット光束を被検眼に対して斜めから照射する照明光源を備えた照明光学系と、(B)前記スリット光束による前記被検眼の角膜からの反射光束を受光して角膜内皮像を撮像する光電素子を備えた角膜撮像光学系と、(C)前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を、全体として、前記被検眼への接近/離隔方向となるZ方向に移動させるZ方向駆動手段と、(D)前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を、全体として、Z方向に直交するXY方向に移動させるXY方向駆動手段と、(E)前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系をZ方向に移動させるに際して、該照明光学系及び該角膜撮像光学系の該被検眼に対するZ方向での光学的な相対位置を検出するZ方向位置観察用受光素子と、(F)前記被検眼に向けてXYアライメント用の指標光を正面から照射するXYアライメント指標光照射手段と、(G)該XYアライメント指標光照射手段による指標光の前記被検眼の角膜上皮による正面反射光を受光するXYアライメント受光素子と、(H)前記被検眼の視軸を正面に対して傾斜した複数方向に選択的に向けさせる周辺固視標と、(I)該周辺固視標により前記被検眼の視軸が傾斜方向に向けられた状態下で、前記Z方向位置観察用受光素子による検出結果に基づいて、前記Z方向駆動手段により、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を全体として前記被検眼の角膜上皮に対する合焦位置を超えて角膜内皮に近づける方向に移動させて位置決めするXYアライメント用のZ方向位置制御手段と、(J)前記周辺固視標により前記被検眼の視軸が傾斜方向に向けられると共に前記角膜撮像光学系と前記Z方向位置観察素子の少なくとも一方を用いて、前記XYアライメント基準位置決定用のZ方向位置制御手段によって位置決めされた状態下で、XYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得するXYアライメント用光学情報取得制御手段と、(K)該XYアライメント用光学情報取得制御手段で取得された前記角膜内皮光学情報を用いて、前記XYアライメント受光素子で検出される角膜上皮への直交軸に対する角膜内皮への直交軸のずれ量を考慮したXY方向の特定位置としてXYアライメント用基準位置を決定するXYアライメント用基準位置決定手段と、(L)該XYアライメント用基準位置決定手段によって決定された前記XYアライメント用基準位置の情報と、前記Z方向位置観察用受光素子によって検出されるZ方向での光学的な情報とに基づいて、前記照明光学系と前記角膜撮像光学系を前記被検眼に対して相対位置制御せしめて、該角膜撮像光学系により該被検眼の角膜内皮像を撮像する角膜内皮像撮像制御手段とを、備えていることを特徴とする角膜撮影装置にある。
要するに、角膜撮像に際してのXYアライメント操作は、もともと、被検眼の上皮反射を利用して検者が行うものであるという従来技術からの流れがあり、前述の特許文献1〜3に係る発明は、何れも、あくまでも角膜上皮反射光に基づいてXYアライメントを行うという従来基本思想の枠から外れることのない技術思想に過ぎないものであったのである。このような従来の技術思想は、角膜上皮が直接に外部から視認可能であることと、角膜上皮の反射光をとらえることが角膜内皮の反射光をとらえることに比して光量が格段に大きく容易であることに加えて、少なくとも角膜中央(視軸上)では角膜上皮と角膜内皮の両直交軸(正面反射軸)が略一致する等の事実があり、それ故、角膜中央の撮影が多くを占める角膜内皮撮像では、検者が角膜上皮の正面反射光を確認し、この角膜上皮の正面反射光を基準にXYアライメントを実行するのが常だからである。
ここにおいて、本願発明では、かくの如き従来からのXYアライメントの技術思想を全く無視して、いきなり角膜内皮にてXYアライメントまで行ってしまおうという、全く新規な技術思想に立脚するものであり、従来のものとは基礎を異にするXYアライメント技術を確立するものである。
而して、角膜内皮の光学的情報を利用してXYアライメントを行う本発明においては、
(1)前記先行特許文献1,2に記載の角膜撮影装置のように単に「固視標の位置(即ち、被検者の視軸の方向)に対応して所定位置(即ち、定めてある(注:広辞苑)位置)にXYアライメントの補正量を設定する」ことを行うことなく、「被検者や固視標の位置が変更される毎に、XYアライメントの適正位置を個々に実測して演算して決定する」ことを行うこととなるだけでなく、
(2)前記先願特許3で提案した角膜撮影装置のように角膜上皮の光学的情報から角膜内皮のXYアライメントを推定的に決定することなく、角膜内皮の光学的情報から角膜内皮のXYアライメントを直接的に決定することとなるのであり、
それ故、本発明に係る角膜撮影装置では、
(ア)前記先行特許文献1,2に記載の角膜撮影装置とは異なり、個々の被検者の個人差に起因する測定精度の低下を可及的に回避して、精度の良い角膜内皮像を安定して得ることが可能となるのであって、それら先行特許文献1,2に記載の謂わば半自動式角膜撮影装置とは異なり、真に検者および被検者の負担を軽減する自動撮影装置を実現せしめ得るだけでなく、
(イ)先願特許3に記載の角膜撮影装置に比しても、角膜内皮の光学的情報を利用することで、角膜内皮撮像に際してのXYアライメントを、より一層高精度に行い得て、検者の技量や経験の違い等にも拘わらずに目的とする角膜内皮撮像を容易且つ速やかに行い得るのであり、それによって検者および被検者の負担が更に大きく軽減され得るのである。
なお、本発明において、XYアライメント用光学情報取得制御手段で取得される角膜内皮光学情報としては、角膜撮像光学系により撮像されるXYアライメント用角膜内皮像の光学的情報や、Z方向位置観察素子を用いて測定される角膜内皮からの反射光量の検出値などが、何れも採用可能である。
ここにおいて、本発明においては、例えば次の構成が採用され得る。即ち、本発明では、前記「XYアライメント用光学情報取得制御手段」において、前記XYアライメント指標光照射手段による前記XYアライメント用指標光の前記被検眼の角膜上皮による前記正面反射光の光軸上で前記角膜内皮光学情報を取得し、その得られた角膜内皮光学情報に基づいて、前記XYアライメント用基準位置決定手段により、前記視軸の傾斜方向に対応する所定のXY方向線上で前記XYアライメント用基準位置を決定する構成(態様i)が、採用可能である。
このような態様iにおける構成としては、より具体的には、例えば、XYアライメント用指標光における被検眼の角膜上皮による正面反射光の光軸上で角膜撮像光学系を用いてXYアライメント用の角膜内皮像を撮像すると共に、得られたXYアライメント用角膜内皮像について、その輝度レベルを光学的情報として入手し、取得画像中における予め設定した輝度レベル値やコントラスト値の境界位置を演算で求め、その境界位置がXYアライメント用角膜内皮像のどのあたりに存在するかを解析して角膜内皮の曲率を推定することにより、XYアライメント用基準位置を決定する、即ち、XYアライメント用基準位置がXYアライメント用指標光の被検眼の角膜上皮による正面反射光の光軸に対してXY方向にどれだけ外れた位置にあるかを推定する構成が、採用可能である。なお、XYアライメント用指標光における被検眼の角膜上皮による正面反射光の光軸は、角膜上皮への直交軸となる。
また、上述の態様iにおいては、XYアライメント用指標光における被検眼の角膜上皮による正面反射光の光軸に対するXYアライメント用基準位置の方向を決定するに際して、例えば、採用する周辺固視標の位置、換言すれば被検眼の視軸の傾斜方向に対応して決定することも可能であるが、その他、例えば、XYアライメント用指標光の被検眼の角膜上皮による正面反射光の光軸上で撮像して得られた上述のXYアライメント用角膜内皮像について輝度レベル値やコントラスト値の分布状態(具体的には、例えば所定の輝度レベル値の境界線を挟んで位置する輝度レベルの大きい部分と小さい部分の相対位置関係)等に基づいて決定することも可能である。
更にまた、上述の態様iにおいては、前記XYアライメント用基準位置の決定後に、その決定されたXYアライメント用基準位置に前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を移動させて位置せしめると共に、かかるXYアライメント用基準位置に位置せしめた状態で、再び、前記XYアライメント用光学情報取得制御手段によって前記角膜内皮光学情報を取得して、得られた角膜内皮光学情報に基づいて該XYアライメント用基準位置を検証するXYアライメント用基準位置検証手段を、採用することも可能である。
このような検証手段を採用することにより、少ない光学的情報(例えば一枚のXYアライメント用角膜内皮像など)に基づいてXYアライメント用基準位置を決定するに際しても、その決定位置の信頼性と精度を確保することが可能となる。反対に言えば、高い信頼性と精度を確保しつつ、少ない光学的情報からXYアライメント用基準位置を効率的に決定することが可能となる。なお、検証は、例えば、XYアライメント用基準位置に位置せしめた状態で撮像したXYアライメント用角膜内皮像において、その輝度レベルやコントラストの分布状態の値などを指標として行うことが可能である。
そして、検証結果が妥当でなければ、再度、XYアライメント用角膜内皮像等の角膜内皮光学情報を取得を取得してXYアライメント用基準位置の決定を繰り返すことで対処できる。なお、その場合には、例えば、XYアライメント用指標光の被検眼の角膜上皮による正面反射光の光軸からXY方向に外れた位置で、XYアライメント用角膜内皮像等の角膜内皮光学情報を取得するようにしても良い。
また、本発明においては、上述の如きXYアライメント用指標光の被検眼の角膜上皮による正面反射光の光軸上で取得された角膜内皮光学情報を利用してXYアライメントを行う他、例えば次の構成も採用することが出来る。即ち、本発明では、前記XYアライメント用光学情報取得制御手段が、前記視軸の傾斜方向に対応する所定のXY方向に向けて、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を全体として前記XY方向駆動手段で駆動させると共に、かかる所定のXY方向線上での複数箇所において前記角膜内皮光学情報を取得する構成(態様ii)が、採用可能である。
このように複数の角膜内皮光学情報を取得して、それらの光学的情報を利用することにより、単一のXYアライメント用の角膜内皮光学情報のみに基づいてXYアライメント用基準位置を求める場合に比して、別のXYアライメント用角膜内皮光学情報を利用して検証や再確認をする等して、目的とするXYアライメント用基準位置を、一層高い精度で決定することが可能であり、それによって目的とする高精度な角膜内皮像をより安定して得ることが可能となる。また、XY方向に移動させて撮像した複数の角膜内皮光学情報を相互に比較し、XY方向の移動に伴う変化の度合いを解析することにより、角膜内皮の曲率を求めて、XYアライメント用基準位置を一層効率的に決定することも可能となる。
さらに、このような所定のXY方向線上での複数箇所で角膜内皮光学情報を取得する態様iiにおいては、例えば以下の(I)又は(II)の構成が、併せて採用され得る。
(I)前記XYアライメント用基準位置決定手段において、
前記所定のXY方向線上での前記XYアライメント用光学情報取得制御手段による前記角膜内皮光学情報の取得を、予め設定された最終位置まで行って終了するようになっている構成。
(II)前記XYアライメント用基準位置決定手段において、
前記XYアライメント用光学情報取得制御手段によって前記所定のXY方向線上で前記角膜内皮光学情報を取得する毎に、その取得した角膜内皮光学情報に基づいて順次に評価し、その評価結果が予め設定された所定条件を満足することを確認して前記XYアライメント用基準位置を決定すると共に該角膜内皮光学情報の取得を終了するようになっている構成。
また、本発明においては、例えば、前記Z方向位置観察用受光素子としてラインセンサを採用することが可能である。即ち、Z方向位置観察用受光素子として、フォトダイオードを用いてZ軸方向での合焦の有無だけを検知するようにしても良いが、ラインセンサを採用することでZ軸方向において合焦に至る前後の位置までも把握することが可能となり、Z軸方向の合焦をより高精度に安定して行うことが可能となる。それ故、XYアライメント用角膜内皮光学情報の取得に際して、このラインセンサの出力を利用してXYアライメント用のZ方向位置制御手段で、照明光学系及び前記角膜撮像光学系をZ方向の所定位置(角膜上皮への合焦位置を超えて角膜内皮に近づいた位置)に対して、より高精度に位置決めすることが可能となるのである。
なお、本発明におけるZ方向位置観察用受光素子は、Z方向での合焦状態を観察し得るものであれば良く、必ずしも角膜内皮の合焦位置を検出するものである必要はないし、勿論、上述のラインセンサに限定されるものでない。具体的には、例えば上皮合焦位置だけを検出するものであっても良く、その場合には、上皮合焦位置に基づいて内皮合焦位置を推定等することも出来る。(例えば、特開平6−63018号公報や特開平8−71043号公報等に記載の周知技術を参照。)或いは、上述のZ方向での連続的な撮像手段による撮像結果を採用することによっても、角膜上皮や角膜内皮への合焦状態などのZ方向での位置観察を行うことが可能となる。
そして、XY方向線上での複数箇所で角膜内皮光学情報を取得する前記態様iiにおいては、次の態様が好適に採用され得る。 即ち、前記Z方向位置観察用受光素子としてラインセンサを採用すると共に、前記XYアライメント用光学情報取得制御手段において、該ラインセンサによりXYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得し、該XYアライメント用光学情報取得制御手段において、該ラインセンサにおける内皮反射光の光量が最大となる位置を前記XYアライメント基準位置として決定する構成(態様iii)が採用可能である。
このような態様iiiにおいては、XYアライメント用の角膜内皮光学情報として、角膜内皮の前後の情報を含むZ方向での光量分布情報を得ることが出来る。 具体的には、Z方向で数百μmの領域に亘って、反射光の光量分布情報を容易に取得することが可能である。それ故、XYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得するに際して、被検眼に対してZ方向での位置設定精度が緩和されることとなり、装置の使用が容易となって検者や被検者の労力や苦痛が一層軽減される。しかも、被検者各個人ごとの角膜の厚さのばらつき等によって角膜内皮反射光の検出位置がZ方向に異なる場合でも、XYアライメント用の角膜内皮光学情報を安定して取得することが可能となる。
特に、前述の如くXYアライメント用の角膜内皮光学情報として角膜内皮像を利用する場合に比して、XYアライメント用の角膜内皮光学情報としてラインセンサによって検出された光量分布情報を利用する場合の方が、かかるXYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得する際における被検眼に対する装置のZ方向での位置合わせ精度が、一般に軽減され得る。
なお、Z方向位置観察用受光素子としてのラインセンサを用いてXYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得し、その結果に基づいてXY方向における角膜内皮の正面反射光の光軸位置を求めるに際しては、前述の如く複数位置で取得した角膜内皮光学情報に基づいてXYアライメント基準位置を決定する等の場合に、それら複数位置での角膜曲率変化等によって発生するZ方向変位に起因する誤差補正も、効率的に行うことが出来る。
かかる誤差補正を行うに際しては、例えば、前記XYアライメント用光学情報取得制御手段において前記ラインセンサによりXYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得するのと併せて、該ラインセンサにより角膜上皮光学情報を取得し、該角膜上皮光学情報に基づいて、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系の前記被検眼に対するZ方向の相対位置変化に起因する該角膜内皮光学情報における誤差の補正量を求める光学情報補正量演算手段と、該光学情報補正量演算手段で求めた補正量により、前記ラインセンサで取得したXYアライメント用の角膜内皮光学情報を補正する光学情報補正実行手段とを、設けてなる構成が、好適に採用される。
或いは、かかる取得した角膜内皮光学情報の誤差補正に加えてまたはそのような誤差補正に代えて、例えば次のようなZ方向変位に起因する誤差補正の構成も採用され得る。即ち、前記XYアライメント用光学情報取得制御手段において前記ラインセンサによりXYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得するに際して、該ラインセンサにより角膜上皮光学情報を取得し、該角膜上皮光学情報に基づいて、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系の前記被検眼に対するZ方向の相対位置変化量を求めるZ方向変化量演算手段と、該Z方向変化量演算手段で求めたZ方向の相対位置変化量を補正量として、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を前記被検眼に対してZ方向に相対位置補正するZ方向位置補正実行手段とを、設けてなる構成が、好適に採用される。即ち、このようなZ方向位置補正実行手段では、例えば、被検眼に対して光学系をXY方向に相対移動させて角膜内皮反射光を検出するに際して、角膜上皮反射光の位置(例えば角膜上皮反射光の最大値の位置)がラインセンサ上で一定の基準範囲内に位置するように、かかる光学系を被検眼に対してZ方向で位置補正することにより、Z方向のずれ量が所定の値以上となって測定誤差が大きくなり過ぎることを回避できる。
特に、前者の取得した角膜内皮光学情報の誤差補正機構によれば、Z方向位置合わせ誤差があった場合にも、照明光学系や角膜撮像光学系を被検眼に対してZ方向で再位置決め操作することなく、速やかに且つ精度の良い角膜内皮光学情報を取得することが可能となる。
また、後者の光学系に対するZ方向位置補正機構によれば、角膜内皮光学情報を取得する各位置において、角膜内皮光学情報を取得する前に、照明光学系や角膜撮像光学系を被検眼に対してZ方向で高精度に位置決めすることが可能となり、XYアライメント用光学情報取得手段によって高精度な角膜内皮光学情報を安定して直接に取得することが可能となる。
そして、特に前者の角膜内皮光学情報の誤差補正機構は、比較的に小さなZ方向の位置ずれに対して有利であると共に、後者の光学系に対するZ方向位置補正機構は、比較的に大きなZ方向の位置ずれに対しても対応することが可能となる。それ故、これら両方の補正機構を適宜に採用したり併用することも出来る。
なお、前者の角膜内皮光学情報の誤差補正機構を採用するに際しては、Z方向の位置ずれに際してのラインセンサにおける角膜上皮の反射光量の変化と角膜内皮の反射光量の変化との相関関係を知ることが必要となるが、この相関関係は、例えば、実験又は試行により或いは統計的に求めておくことが出来る。特に、両者間の相関関数を求めておくことにより、補正量の演算処理を一層速やかに行うことが出来る。
また、ラインセンサによる角膜上皮の反射光量は、角膜内皮の反射光量に比して非常に大きいことから、角膜上皮の反射光量がZ方向の所定位置範囲に亘って飽和してしまい、一定の反射光量の検出値を示すことがある。この場合には、ラインセンサの特性を予め考慮して、かかる飽和検出値を示す領域では、補正を行わないようにして対処することが可能である。
更にまた、前述の如きラインセンサを利用した内皮反射光の光量の測定においては、被検眼に赤外光束を照射して、その反射光量を測定することも可能である。このような構成を採用することにより、被検者の負担の増大を抑えつつ、XYアライメント用の角膜内皮光学情報を有利に取得することが出来る。また、本態様においては、XYアライメント用の角膜内皮光学情報の取得が、Z方向位置観察用受光素子として用いられるラインセンサを利用して行われることから、構造の複雑化を防ぎつつ、高精度なXYアライメントを行うことが可能とされている。
また、本発明においては、例えば次の構成を採用することも可能である。即ち、本発明では、前記角膜内皮像撮像制御手段において、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を前記被検眼に対してZ方向で相対移動させつつ、該Z方向線上の複数箇所において連続的に前記角膜内皮像を撮像するようになっている構成(態様iv)を採用することが出来る。
この態様ivのようにZ方向線上で複数の角膜内皮像を取得することにより、それら複数の角膜内皮像から最良の像を選択することが出来るのであり、その結果、Z方向での合焦が安定して行われ得て、目的とする高精度な角膜内皮像を一層安定して得ることが可能となる。なお、連続的に撮像する構成は、光学系を被検眼に対して連続走行させつつ撮像する場合と、光学系を被検眼に対して所定距離ずつ段階的に移動させながら撮像する場合との、何れも含む。
また、かかる態様ivにおいては、以下の構成を併せて採用することが出来る。即ち、態様ivにおいては、Z方向線上の複数箇所における連続的な前記角膜内皮像の撮像に際し、撮像と撮像の間を利用して、前記XYアライメント指標光照射手段と前記XYアライメント受光素子とによる前記角膜上皮による正面反射光の受光を行って該角膜上皮への直交軸を求めると共に、かかる角膜上皮への直交軸を参酌して前記XY方向駆動手段を制御し、前記XYアライメント用基準位置決定手段で決定された前記XYアライメント用基準位置に前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を位置せしめるように位置補正するXYアライメント補正制御手段を設けた構成が、好適に採用される。
このような構成を併せて採用した態様ivにおいては、観察容易な角膜上皮の正面反射光の光軸を基準軸として、XYアライメント用基準位置に対して照明光学系及び角膜撮像光学系を位置合わせすることが出来るのであり、一度、XYアライメント用基準位置を決定してしまえば、その後は、例えば複数枚の角膜内皮像の撮像するに際しても、角膜上皮の正面反射光の光軸さえ観察できれば、適宜、照明光学系及び角膜撮像光学系をXYアライメント用基準位置に位置合わせする補正調節を繰り返し行うことが容易となる。
さらに、角膜撮影方法に関する本発明は、被検眼の角膜内皮の周辺部分を撮像するに際して、(a)前記XYアライメント用光学情報取得制御手段により角膜内皮光学情報を取得し、(b)この角膜内皮光学情報を用いて前記被検眼の角膜内皮への直交軸を求め、かかる直交軸をXYアライメント用基準位置として決定し、(c)このXYアライメント用基準位置が前記角膜撮像光学系の撮像中心となるように、前記角膜内皮の直交軸に対して直交するXY方向において該角膜撮像光学系を前記被検眼に対して相対位置合わせし、(d)かかるXY方向での相対位置合わせ状態下で、前記被検眼の角膜内皮の周辺部分を前記角膜撮像光学系で撮像することを、特徴とする。
このような本発明方法に従えば、角膜内皮を直接に得られたしたデータ(XYアライメント用の角膜内皮光学情報)を利用して、角膜内皮への直交軸を求めることが出来ることから、XY方向において、被検眼における角膜内皮への直交軸上に角膜撮像光学系を高精度に位置合わせすることが出来るのであり、それにより、目的とする角膜内皮の周辺部分の像を安定して精度良く撮像することが可能となるのである。
なお、本発明方法においては、以下の構成が併せて採用され得る。即ち、本発明方法では、(e)前記角膜撮像光学系を前記被検眼に対して接近/離隔するZ方向に移動させつつ連続的に複数枚の前記角膜内皮像を撮像すると共に、(f)前記被検眼の角膜内皮への直交軸を、前記被検眼の角膜上皮への直交軸を基準とするXY方向へのずれ量であるXYアライメント用基準位置として求めて、(g)かかる複数枚の角膜内皮像の撮影の間に、前記被検眼の角膜上皮への直交軸を検出すると共に、この検出した角膜上皮への直交軸に対して前記角膜撮像光学系を前記XYアライメント用基準位置となるようにXY方向で相対位置合わせする構成が、採用可能である。
そして、このような構成(e)〜(g)を、前記構成(a)〜(d)と組み合わせて採用することにより、目的とする角膜内皮の周辺部分の像を、より確実に得ることが可能となるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の第一の実施形態としての角膜撮影装置を示す。なお、本図では、構成を判り易くするために、筐体等を除いた状態での装置光学系10として、角膜撮影装置を示す。
かかる装置光学系10は、被検眼Eの前眼部を観察する観察光学系12を挟んで、一方の側に照明光学系としての撮像照明光学系14および位置検出光学系16が設けられ、他方の側に位置検出照明光学系18および角膜撮像光学系としての撮像光学系20が設けられた構造とされている。
観察光学系12は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー22、対物レンズ24、ハーフミラー26、コールドミラー27、および光電素子としてのCCD28が光軸O1上に設けられて構成されている。また、被検眼Eの前方には、複数(本実施形態においては、2つ)の観察用光源30,30が配設されている。観察用光源30,30は、赤外光束を発する例えば赤外LEDなどが用いられる。そして、コールドミラー27は、赤外光を透過せしめる一方、可視光を反射するようにされており、観察用光源30,30から発せられて被検眼Eの前眼部で反射された反射光束が、対物レンズ24およびコールドミラー27を通して、CCD28上で結像されるようになっている。
撮像照明光学系14は、被検眼Eに近い位置から順に投影レンズ32、コールドミラー34、スリット36、集光レンズ38、撮像用光源40が設けられて構成されている。照明光源としての撮像用光源40は可視光束を発する例えばLED等が用いられる。コールドミラー34は、赤外光を透過せしめる一方、可視光を反射するようにされている。そして、撮像用光源40から発せられた光束は、集光レンズ38およびスリット36を通してスリット光束とされて、コールドミラー34により反射された後に投影レンズ32を通して、角膜Cに対して斜め方向から照射されるようになっている。
位置検出光学系16は、その光軸の一部が撮像照明光学系14の光軸と一致せしめられており、被検眼Eに近い位置から順に投影レンズ32、コールドミラー34、Z方向位置観察用受光素子としてのラインセンサ44が設けられて構成されている。そして、後述する位置検出用光源54から照射されて角膜Cで反射された光束が、投影レンズ32、コールドミラー34を通して、ラインセンサ44上に結像されるようになっている。
一方、位置検出照明光学系18は、被検眼Eに近い位置から順に対物レンズ46、コールドミラー48、集光レンズ52、および位置検出用光源54が設けられて構成されている。位置検出用光源54は、例えば赤外LEDなどの赤外光源が好適に採用される。そして、位置検出用光源54から発せられた赤外光束が、角膜Cに対して斜めから照射されるようになっている。なお、位置検出用光源54は、例えばハロゲンランプや可視光LEDなどの可視光源と赤外フィルタを組み合わせることによって構成しても良い。但し、位置検出用光源54は、必ずしも赤外光源とされる必要は無く、ハロゲンランプや可視光LEDなどの可視光源を用いても良い。可視光源を用いる場合には、その照度は撮像用光源40の照度よりも小さくされることが好ましい。これにより、アライメント等、位置検出用光源54による光束を照射せしめる際の被検者の負担を軽減することが出来る。
角膜撮像光学系としての撮像光学系20は、その光軸の一部が位置検出照明光学系18の光軸と一致せしめられており、被検眼Eに近い位置から順に対物レンズ46、コールドミラー48、スリット56、変倍レンズ58、合焦レンズ60、コールドミラー27、CCD28が設けられて構成されている。そして、撮像用光源40から照射されて角膜Cで反射された光束が、対物レンズ46を介してコールドミラー48で反射された後に、スリット56によって平行光束とされて、変倍レンズ58、合焦レンズ60を介して、コールドミラー27で反射されて光電素子としてのCCD28上に結像されるようになっている。
また、観察光学系12上に設けられるハーフミラー22は、中央固視標光学系64、アライメント光学系66の一部を構成している。
中央固視標光学系64は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー22、投影レンズ68、ハーフミラー70、ピンホール板72、中央固視標光源74が設けられて構成されている。中央固視標光源74は例えばLEDなどの可視光を発する光源であり、中央固視標光源74から発せられた光束は、ピンホール板72、ハーフミラー70を透過した後、投影レンズ68によって平行光束とされて、ハーフミラー22によって反射されて被検眼Eに照射される。
アライメント光学系66は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー22、投影レンズ68、ハーフミラー70、絞り76、ピンホール板78、集光レンズ80、アライメント光源82が設けられて構成されている。アライメント光源82からはXYアライメント用の指標光としての赤外光が発せられるようになっており、かかる赤外光は集光レンズ80により集光されてピンホール板78を通過し、絞り76に導かれる。そして、絞り76を通過した光はハーフミラー70に反射されて、投影レンズ68によって平行光束とされた後に、ハーフミラー22によって反射されて被検眼Eに照射される。このような被検眼Eに対する光束の照射機構によってXYアライメント指標光照射手段が構成されている。
また、観察光学系12上に設けられたハーフミラー26は、XYアライメントのためのアライメント検出光学系84の一部を構成している。
アライメント検出光学系84は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー26、位置検出可能なアライメント検出センサ(プロファイルセンサ)88が設けられて構成されている。そして、アライメント光源82から照射されて、被検眼Eの正面視となる、観察光学系12の光軸O1上で被検眼Eの角膜Cに対して投射されるようになっており、角膜Cで鏡面反射された光束が、そのままアライメント光源82からの照射光と同じ光軸O1上においてハーフミラー26で反射されて、XYアライメント受光素子としてのアライメント検出センサ88に導かれるようになっている。
さらに、被検眼Eの前方には、上述の各光学系の光路に影響を与えない位置で、被検眼Eの正面視軸に一致する観察光学系12の光軸O1の周りにおいて、複数個の周辺固視標としての固視灯89が、適当な方向に配設されている。具体的には、これらの固視灯89は、例えば、図2に示すように、時計目盛りを想定した場合の上方0時と下方6時、それと左右等分各2つの2時,4時,8時,10時の各位置に対応する計6個の固視灯89a,89b,89c,89d,89e,89fが、光軸O1を中心軸とする一つの円周上で等分に設置される。各固視灯89としては、被検者が視認できるように、例えば可視光LEDなどが用いられる。
これら複数の固視灯89a〜fは、角膜Cの周辺部分を撮像するに際して択一的に選択されて点灯されるようになっており、点灯された何れか一つの固視灯89を被検者に固視させることにより、角膜Cにおける特定の周辺部分を、スリット光束が照射されて角膜撮像光学系で撮像される部位、換言すれば観察光学系12の光軸O1上に位置設定せしめ得るようになっている。
このような構造とされた装置光学系10は、例えば図3に示す角膜撮影装置100に収容されている。角膜撮影装置100は、ベース102の上に本体部104が設けられており、かかる本体部104の上にケース106が前後左右および上下動可能に設けられて構成されている。ベース102には、電源装置が内蔵されていると共に、操作スティック108が設けられており、かかる操作スティック108を操作してケース106を駆動せしめることが出来るようにされている。また、本体部104には、後述する各制御回路などが収容されていると共に、例えば液晶モニタなどからなる表示画面110が設けられている。
さらに、図4に示すように、角膜撮影装置100には、ケース106を駆動せしめることによって、装置光学系10を被検眼Eに対して接近乃至は離隔方向に移動せしめる駆動手段が設けられている。これらの駆動手段は例えばラック・ピニオン機構などによって構成されており、本実施形態においては、装置光学系10を図4における鉛直上下方向のX方向に駆動せしめるX軸駆動機構112、図4における紙面と垂直の水平Y方向に駆動せしめるY軸駆動機構114、図4における左右方向の水平Z方向(観察光学系12の光軸O1に沿った方向)に駆動せしめるZ軸駆動機構116が設けられている。
また、角膜撮影装置100には、装置光学系10による角膜像の撮像の作動制御を行う撮像制御手段としての撮像制御回路117が設けられている。そして、X軸駆動機構112、Y軸駆動機構114、Z軸駆動機構116は、それぞれ、撮像制御回路117に接続されて、撮像制御回路117からの駆動信号に基づいて駆動せしめられるようにされている。また、アライメント検出センサ88は、XYアライメント検出回路118に接続されており、かかるXYアライメント検出回路118は、撮像制御回路117に接続されている。また、ラインセンサ44は、Zアライメント検出回路120に接続されており、かかるZアライメント検出回路120は、撮像制御回路117に接続されている。これにより、アライメント検出センサ88およびラインセンサ44の検出情報が、撮像制御回路117に入力されるようになっている。なお、図示は省略するが、撮像制御回路117は、各照明光源30、40、54、74、82にも接続されており、これらの発光を制御出来るようにされている。
さらに、角膜撮影装置100には、CCD28が受像した画像が入力されて、かかる画像を取捨選択する画像選択回路122が設けられていると共に、かかる画像選択回路122によって選択された画像を記憶する記憶手段としての記憶装置124が設けられている。
次に、このような構造とされた角膜撮影装置100において、撮像制御回路117が実行する角膜内皮の撮像手順の概略を図5に示し、以降、順に説明する。
なお、被検眼Eの角膜中央の内皮撮像を行う場合について、はじめに説明する。
先ず、S1において、被検眼Eに対して、装置光学系10のX方向およびY方向の位置合わせ(XYアライメント)を行う。かかるXYアライメント時には、中央固視標光源74から照射された固視標光が被検眼Eに導かれる。そして、被検者にかかる固視標光を固視させることによって、被検眼Eの光軸方向を、観察光学系12の光軸O1の方向と一致させた正面視状態とすることが出来る。かかる状態下で、観察用光源30、30から照射されて、被検眼Eの前眼部で反射された光束がCCD28上に導かれる。これにより、図6に示すように、表示画面110上に、被検眼Eの前眼部が表示される。なお、この場合のXYアライメントは、正面視状態であるから角膜内皮と上皮の接線に対する法線方向(曲率半径の延長線である中心軸(視軸)方向)は、同じになると考えられるから、角膜上皮の反射光に基づいてXYアライメントを行うことで足りる(即ち、角膜内皮のXYアライメントを行うことが出来ると考えて良い)。
さらに、表示画面110上には、例えばスーパーインポーズ信号などによって生成された、矩形枠形状のアライメントパターン125が、被検眼Eに重ねて表示される。それと共に、アライメント光源82から被検眼Eに向けて照射された光束が、被検眼Eの前眼部で反射されて、CCD28に導かれることによって、表示画面110に、点状のアライメント光126として表示されるようになっている。そして、操作者は操作スティック108を操作することによって、装置光学系10を駆動せしめて、アライメント光126がアライメントパターン125の枠内に入るように、装置光学系10の位置を調節する。
また、アライメント光源82から照射されて、被検眼Eの前眼部(角膜上皮)で反射された光束の一部は、ハーフミラー26で反射されて、アライメント検出センサ88に導かれるようになっている。なお、アライメント光源82からは被検者に認識されない赤外光束が照射されることによって、被検者の負担が軽減されている。ここにおいて、アライメント検出センサ88は、アライメント光126がアライメントパターン125の枠内に入ると、アライメント光126のX方向の位置とY方向の位置を検出することが出来るようにされている。かかるX方向位置とY方向位置は、XYアライメント検出回路118に入力される。XYアライメント検出回路118は、X方向の位置情報に基づいて観察光学系12の光軸O1が被検眼Eの光軸に近づくようにX軸駆動機構112を駆動すると共に、Y方向の位置情報に基づいて観察光学系12の光軸O1が被検眼Eの光軸に近づくようにY軸駆動機構114を駆動せしめる。これにより、装置光学系10の被検眼Eに対するXY方向の位置合わせが行われる。このことから明らかなように、本実施形態においては、X軸駆動機構112とY軸駆動機構114とを含んで、XY方向駆動手段が構成されている。
なお、後述するように、かかるXYアライメントは、撮像中も適宜のタイミングで実施される。また、特に本実施形態においては、アライメント光源82と観察用光源30,30を短時間で交互に点滅せしめると共に、観察用光源30が消灯されてアライメント光源82が点灯されるタイミングに合わせて、アライメント検出センサ88による検出が行われるようになっている。これにより、XYアライメントに際して観察用光源30,30の赤外光束が影響を与えることの無いようにされている。なお、アライメント光源82と観察用光源30,30の点滅はCCD28における受光信号への変換速度よりも高速に行われることから、CCD28の受光信号が出力される表示画面110には、両光源82,30が点滅して認識されることはなく、恰も両光源82,30が連続して点灯しているように認識される。
次に、S2において、Z軸駆動機構116を駆動せしめて、装置光学系10を、被検眼Eに対して接近する方向に所定距離だけ前進作動せしめる。そして、位置検出用光源54を発光せしめて、位置検出用光源54から照射された赤外光束を、被検眼Eの角膜Cに対して斜め方向から照射すると共に、角膜Cから反射された光束を、ラインセンサ44によって受光する。特に本実施形態においては、位置検出用光源54から照射される光束が赤外光束とされていることから、被検者の負担が軽減されている。
そして、かかる反射光束が、ラインセンサ44に検出されて、このラインセンサ44により光量分布信号が検出される。かかる光量分布信号に基づいて角膜上皮の合焦位置が検出されると共に、かかる検出位置を基準として、撮像制御回路117は、Z軸駆動機構116を駆動せしめて、所定の距離だけ装置光学系10を被検眼Eに対する接近方向に前進駆動せしめる。即ち、ラインセンサ44の検出信号に基づいて、装置光学系10における合焦位置が、Z方向において、角膜Cにおける内皮細胞よりも後方に所定距離だけ離れた位置になるように装置光学系10が前進駆動せしめられるのである。そして、かかる角膜上皮から所定距離だけ後方の位置が、装置光学系10の反転位置とされる。なお、このことから明らかなように、本実施形態においては、Z軸駆動機構116を含んでZ方向駆動手段が構成されていると共に、撮像制御回路117を含んでZ方向位置制御手段が構成されている。
なお、ここにおいてラインセンサ44は、Z方向において角膜内皮への合焦位置を検出するものでないことから、即ち角膜内皮への合焦位置を超えたことを確認するだけであるから、ラインセンサ44の出力に基づく装置光学系10の前進作動に際してのZ方向位置制御(反転位置の決定)は、安定して行われ得る。また、かくの如き前進方向への移動距離は、例えば角膜上皮のZ方向での合焦位置から前方に1000〜1500μmの範囲内で適宜に設定される。
次に、装置光学系10が反転位置に位置せしめられると、S3において、Z軸駆動機構116が反対方向に駆動せしめられて、装置光学系10はZ軸上で被検眼Eから離隔する方向に後退作動せしめられる。なお、装置光学系10の移動速度は、前進および後進の何れにおいても、適当な移動位置毎に適当に異ならせて設定することが可能である。
さらに、S4において、反転位置から所定距離だけ後退作動せしめられた時点から、観察用光源30,30を消灯せしめると共に、撮像用光源40の発光を開始する。また、撮像用光源40は、所定の短い間隔で点滅発光せしめられており、かかる撮像用光源40が消灯せしめられたタイミングで、前記S1におけるXYアライメントが同時に行われるようになっている。なお、このXYアライメントは、前述のとおり、観察用光源30の消灯とアライメント光源82の点灯のタイミングに合わせてアライメント検出センサ88で角膜上皮反射光を検出し、この検出結果に基づいて行われる。
そして、S5において、CCD28によって角膜Cの内皮細胞からの反射光が所定のレベルで検出された時点から、CCD28によって検出される角膜内皮像の連続的撮像が開始される。かかる連続的撮像は、所定の時間間隔(例えば、1/30秒)ごとにCCD28によって受像された撮影像(画像)を画像選択回路122に入力することによって行われる。これにより、時間と位置が異ならされた複数の角膜像が画像選択回路122に入力される。そして、かかる連続的撮像と共に、画像選択回路122によって、入力された画像の取捨選択および記憶装置124への記憶が行われるようになっている。
なお、画像選択回路122における画像の取捨選択方法としては、例えば、CCD28によって取得された画像における複数本の水平線上の各画素の輝度値を取得し、それらの値を利用して画像のコントラストを判定することによって、角膜内皮細胞像が有効に得られた画像のみを取捨選択すること等が可能である。
そして、角膜内皮細胞の合焦位置を含む十分な距離(即ち、合焦位置を超えた距離)だけ後退移動させたあと、S6において、後退作動を停止すると共に、撮像用光源40を消灯して、撮像を終了する。
次に、被検眼Eの角膜周辺部分の内皮撮像を行う場合について説明する。なお、かかる角膜周辺部分の内皮撮像の作動は、上述の角膜中央部分の内皮撮像を行う場合に比して、実質的には、S1〜S2における作動が異なるだけで実行され得ることから、ここでは、かかるS1〜S2での作動だけを、それらの工程に相当するステップを示す図7を参照しつつ説明する。
すなわち、角膜周辺部分の内皮撮像の開始後、先ず、ステップQ1において、何れか一つの周辺固視灯89だけを選択し、点灯する。検者は、被検者に対して、点灯した固視灯89を固視するように指示する。これにより、被検眼Eの視軸を、中央固視標光学系64で規定される正面視状態の視軸:O1に対して、選択された一つの周辺固視灯89に対応した特定の方向に向けて特定の角度だけ傾斜した状態に固定的に設定する。
次に、ステップQ2で、前記ステップS1におけるXYアライメントと略同じ処理を行って、(仮)XYアライメントを実行する。即ち、先ず、アライメント光源82から被検眼Eに対して照射されたアライメント光126が被検眼Eの角膜上皮により反射せしめられると共に、かかる角膜上皮による正面反射光のXY位置がアライメント検出センサ88により検出されて、XYアライメント検出回路118に入力される。かかるXY位置情報に基づいて、観察光学系12の光軸O1が、被検眼Eの角膜上皮による正面反射光の光軸に位置合わせされることにより、(仮)XYアライメントが実行されるのである。なお、ここで(仮)と表したのは、既知のとおり、被検眼の視軸を傾斜させた状態では、角膜上皮と角膜内皮の曲率半径が異なることに起因して、角膜上皮は、光軸O1との交点で光軸O1と直交して、光軸O1上で投射されるXYアライメント用のアライメント光源82からの光を同一光軸O1上に正面反射するが、撮像対象となる角膜内皮は、光軸O1との交点で光軸O1と直交していないが故に、光軸O1上で投射されるXYアライメント用のアライメント光源82からの光を同一光軸O1上には鏡面反射しないことによる。即ち、上述の(仮)XYアライメントは、主に角膜上皮(周辺部分)による正面反射光軸に対するアライメントであって、撮像対象である角膜内皮の反射光軸に対する正確なXYアライメント状態と言い難いからである。
続いて、ステップQ3で、前進作動処理を行う。なお、このステップQ3で前進作動処理を開始し、後述するステップQ9でXYアライメントを完了するまでの工程で、前述のステップS2の前進作動を完了することとなる。即ち、先ずステップQ3で、Z軸駆動機構116により装置光学系10を被検眼Eに接近する方向に前進作動せしめると共に、位置検出用光源54から照射された赤外光束の反射光をラインセンサ44によって受光する。この情報はZアライメント検出回路120に入力されて、装置光学系10の撮像光学系20におけるZ方向での位置が検出される。特に本実施形態では、ラインセンサ44の出力パターンに基づいてかかる位置検出を行う。
なお、このラインセンサ44の出力パターンに基づく位置の検出は、例えば特公平7−121255号公報等に記載されているように周知の技術であるから、ここでは詳細な説明を省略する。尤も、特に本実施形態では、ラインセンサ44の出力パターンに基づいて、高度な精度が要求される内皮撮像のための内皮合焦を行うものでなく、後述するように、連続撮像を採用することによってラインセンサ44の検出結果に基づく内皮合焦を不要としている。
また、本実施形態では、ラインセンサ44による検出結果に基づいて、Z軸駆動機構116により装置光学系10のZ方向位置を調整せしめるのであるが、ここにおいて、本実施形態では、ラインセンサ44により角膜上皮細胞の合焦位置を検出すると共に、装置光学系10における撮像光学系20の合焦位置が、被検眼Eの角膜上皮細胞に対する合焦位置を越えて、例えば、角膜上皮細胞の合焦位置から角膜内皮側へ500μm近づいた位置になるよう、装置光学系10のZ方向位置を設定する。なお、装置光学系10を被検眼Eの角膜上皮細胞に合焦するポイントを超えて角膜内皮側に近づける具体的な距離設定は、例えば解剖学の統計値から上述のように予め固定的に設定しても良いが、その他、上述のラインセンサ44の検出結果から、角膜内皮の合焦位置を目標として距離設定することが出来、それによって個人差を問題とすることなく対応することが可能となる。
かかる位置設定後に、ステップQ4〜Q6のループ作動に基づき、図8に示されるように、P0として示された(仮)XYアライメント位置から、装置光学系10を被検者の注視方向に対応した特定のXY方向に向けて所定距離ずつ移動せしめたP1,P2,P3・・・において、それぞれ、位置検出用光源54から照射された赤外光束の反射光をラインセンサ44によって受光して、XYアライメント用の角膜内皮光学情報としての光量分布情報を複数回取得する。 その後、最終的に予め設定された最終到達位置Pend に到達した時点で光量分布情報の取得を終了する。
ここにおいて、図9に、ラインセンサ44により検出される光量分布の説明図を示す。図9において、光量の最も多い第一ピーク部128は、角膜上皮からの反射光を示す。次に光量の多い第二ピーク部130は、角膜内皮からの反射光を示す。なお、実際の検出においては、角膜上皮からの反射を示す部分は検出値が飽和した状態となるが、図9中では便宜上山形のピークとして示されている。
なお、図9において左側に破線で示されるグラフが、前述のステップQ3におけるZ方向の位置合わせに使用される、装置光学系10がZ方向において角膜上皮合焦位置に設定された地点におけるラインセンサ44の検出結果である。 前述のステップQ3において、Z方向において角膜上皮合焦位置からさらに500μm内方へ前進駆動させることにより、ラインセンサ44の検出結果は図9の右側に実線で示されるようなグラフに変化する。左右のグラフの比較から明らかなように、本実施形態では、装置光学系10を角膜上皮合焦位置に合焦するポイントを超えて角膜内皮側に近づけることにより、後述するXYアライメント基準位置決定に用いられる角膜内皮による反射光量が、より良好に検出されるようになっている。
このようなZ方向の位置合わせが前記ステップQ3において行われた状態下において、装置光学系10を図8に示されるP1,P2,P3・・・の各地点へXY方向に移動させることにより、図9における第二ピーク部130として現れる角膜内皮の反射光量の検出値が変化する。
なお、ステップQ5に従い、P1,P2,P3・・・の各地点でラインセンサ44により取得される光量分布情報における内皮反射光量に関しては、以下に述べる検出値の補正が好適に行われ得る。即ち、ステップQ4〜Q6のループ作動に従い、装置光学系10をXY方向に移動せしめる過程において、角膜曲率や被検者の動き等に起因して、角膜内皮に対する装置光学系10のZ方向の相対位置が変化してしまうことがある。このように角膜内皮に対する装置光学系10のZ方向の相対位置にずれが生じると、装置光学系10の角膜内皮合焦位置(ステップQ3で位置合せされた基準位置)からのずれ量に応じて、角膜内皮反射の検出光量が減少してしまって、目的とする角膜内皮の反射光量の検出精度が低下してしまう。そこで、このような望ましくないZ方向変位に因る測定誤差を回避するために、以下の如き補正が好適に実施される。
その補正の一つ(第一の補正)として、ラインセンサ44によって検出された角膜内皮の反射光量の値を直接に補正する方策が採用され得る。
具体的には、先ず、図10に示されている如き使用するラインサンサ44における角膜上皮反射光の受光特性に基づいて、角膜上皮反射光のピーク位置のZ方向ずれ量と光量検出値変化量との相関関係を求める。因みに、図10に示された一具体例では、角膜上皮反射光のピーク値が、角膜上皮の合焦位置からZ方向の前後略100μmの領域に亘り略250の輝度値に飽和していると共に、この飽和領域の両側には、Z方向の前後各々で略200μmの領域にわたり相関的に変化している。この相関関係は、下式1,2に示す一次式で略近似することが出来る。
Co=ΔZ/2+280 (−200≦ΔZ≦−50)・・・(式1)
Co=−ΔZ/2+280(50≦ΔZ≦200) ・・・(式2)
なお、上式1,2中、ΔZはZ方向のずれ量(μm)であり、Coはラインセンサによる角膜上皮反射光の検出値である輝度値である。
次に、かかるラインセンサ44において、Z方向の変位に伴ってそれぞれ発生する、角膜上皮反射光の検出値(輝度値)の変化と角膜内皮反射光の検出値(輝度値)の変化との相関関係を求める。因みに、一具体例では、これら角膜上皮反射光の検出値(輝度値)の変化量と角膜内皮反射光の検出値(輝度値)の変化量とが、略同じとされる。そうすると、上記(式1),(式2)を考慮して、求める角膜内皮反射光の変化量、即ち補正量:ΔCiは、下式3,4で表すことが出来る。
ΔCi=−ΔZ/2−25(−200≦ΔZ≦−50)・・・(式3)
ΔCi=ΔZ/2−25 (50≦ΔZ≦200) ・・・(式4)
それ故、上式3,4で求めた補正量:ΔCiを、実際にラインセンサ44で検出した角膜内皮反射光の検出値(輝度値)に対して加算することにより、Z方向の位置ずれに起因する誤差を補正した角膜内皮反射光の値を得ることが出来るのである。
なお、上述の一例では、ラインセンサ44による角膜上皮反射光の検出値が、そのピーク位置からのZ方向のずれ量ΔZが下式で表される領域で飽和していることから、上式3,4による補正を行わないこととする。
−50μm≦ΔZ≦50μm
また、このラインセンサ44による角膜上皮反射光の検出値の飽和状態は、角膜上皮の正面反射光の光軸から外れた場合でも、少なくとも図8に示されるP1,P2,P3・・・の各測定位置の何れにおいても、発現されるものと解して問題はない。
なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態における第一の補正では、ラインセンサ44で取得した角膜内皮光学情報としての角膜内皮反射光量と角膜上皮光学情報としての角膜上皮反射光量とを用い、前記(式3),(式4)を実行して角膜内皮反射光の補正量:ΔCiを求めるコンピュータの演算手段によって「光学情報補正量演算手段」が構成されていると共に、求めた補正量:ΔCiを、ラインセンサ44で取得した角膜内皮反射光量に加えて補正するコンピュータの演算手段によって「光学情報補正実行手段」が構成されている。なお、このコンピータは、光学系のXY方向やZ方向の位置制御手段に用いられるコンピュータ等を利用することが出来る。
また、別の補正(第二の補正)として、ラインセンサ44によって検出された角膜内皮のZ方向位置を、ラインセンサ44を受光素子として含む装置光学系10に対して、略一定となるように位置補正(コントロール)する方策も採用可能である。
具体的には、先ず、上述の第一の補正と同様に、図10に示されている如き使用するラインサンサ44における角膜上皮反射光の受光特性に基づいて、角膜上皮反射光のピーク位置のZ方向ずれ量と光量検出値変化量との相関関係を求めることにより、前記(式1),(式2)を求める。
次に、実際にラインセンサ44で検出した角膜上皮反射光の検出値(輝度値)について、その検出値が予め求めた飽和値であるか否かを判定する。仮に、飽和値であるなら、Z方向の位置ずれが実質的に無いものと判断し、ラインセンサ44で検出した角膜内皮反射光の検出値をそのまま採用する。一方、飽和値でなかった場合には、上記(式1),(式2)よりZ方向ずれ量:ΔZを求める。そして、この求めたずれ量:ΔZだけ、装置光学系10を被検眼Eに対してZ方向で相対変位させて位置補正する。その後、再びラインセンサ44により、角膜内皮反射光を検出し、検出した値(輝度値)を当該XY方向位置における角膜内皮反射光の検出値として採用する。
なお、ずれ量:ΔZに基づいて装置光学系10をZ方向で位置補正するに際して、Z方向で何れの方向(被検眼Eに対する接近方向又は離隔方向)に向けて位置補正するかは、上記(式1),(式2)のみから求めることは難しい。しかし、角膜の傾斜方向から、統計的に補正方向を推定することが可能である。また、Z方向の位置補正後に、再び、ラインセンサ44で検出した角膜上皮反射光の光量からZ方向位置ずれの有無を確認して対応することも可能である。
また、上述の説明から明らかなように、本実施形態における第二の補正では、ラインセンサ44で取得した角膜内皮光学情報としての角膜内皮反射光量と角膜上皮光学情報としての角膜上皮反射光量とを用い、前記(式1),(式2)を利用してZ方向の補正量:ΔZを求めるコンピュータの演算手段によって「Z方向変化量演算手段」が構成されていると共に、求めた補正量:ΔZに基づいて装置光学系10を被検眼Eに対してZ方向に位置補正するZ方向駆動手段の制御系によって「Z方向位置補正実行手段」が構成されている。
更にまた、別の補正(第三の補正)として、ラインセンサ44によって検出された角膜内皮のZ方向位置を、ラインセンサ44を受光素子として含む装置光学系10に対して、略一定となるように位置補正(コントロール)する方策として、ラインセンサ44における角膜上皮反射光のピーク位置を検出し、この検出したピーク位置が、ラインセンサ44上の予め設定した一定位置にくるように、かかる一定位置からのピーク位置のずれ量に応じた距離だけ、装置光学系10を被検眼Eに対してZ方向で相対変位させて位置補正する補正方法も採用可能である。
すなわち、ラインセンサ44上での角膜反射光のピーク位置(角膜上皮反射光のピーク位置)は、装置光学系10の被検眼E(詳細には角膜上皮)に対するZ方向での相対位置に対応する。また、被検眼Eにおいて、Z方向での角膜上皮と角膜内皮の離隔距離は、XYアライメント用の角膜内皮光学情報の取得に際して問題となる程に大きくない。そこで、角膜上皮反射光のピーク位置がラインセンサ上で予め設定した一定位置となるように、装置光学系10をZ方向で被検眼Eに対して相対位置調節することにより、角膜内皮のZ方向位置ずれを抑える補正を実行することが出来るのである。
そして、このようなZ方向位置補正を行った後、内皮反射光を検出し、検出した値(輝度値)を当該XY方向位置における角膜内皮反射光の検出値として採用することが出来る。
なお、角膜上皮反射光のピーク位置のずれ量およびずれ方向と、それに対応する装置光学系10の被検眼Eに対するZ方向の補正量との相関関係は、予め実験や試験、演算等で求めておくことが出来る。また、このような第三の補正方法においても、角膜上皮反射光のラインセンサ44による検出値が所定の領域で飽和する場合には、その飽和領域の中央点をピーク位置とする等して対応する。
また、かくの如き第三の補正方法を採用すると、前記第一の補正方法や第二の補正方法に比して、Z方向の位置ずれ量が比較的大きい場合にも容易に対応することが可能となる。従って、比較的に大きなZ方向ずれ量がある場合には、第三の補正方法で対処し、更に必要に応じて、次段階で、Z方向ずれ量が小さくなった後に、第一又は第二の補正方法を採用することも可能である。
なお、かかる第三の補正では、ラインセンサ44で取得した角膜内皮光学情報としての角膜内皮反射光の検出値のラインセンサ44上でのピーク位置情報を用い、このピーク位置における予め設定されたラインセンサ44上の特定位置からのずれ量を求めると共に、得られたラインセンサ44上のずれ量から、装置光学系10の被検眼Eに対するZ方向のずれ量(補正量):ΔZ′を求めるコンピュータの演算手段によって「Z方向変化量演算手段」が構成されていると共に、求めた補正量:ΔZ′に基づいて装置光学系10を被検眼Eに対してZ方向に位置補正するZ方向駆動手段の制御系によって「Z方向位置補正実行手段」が構成されている。
また、ステップQ4〜Q6のループ作動に際して、装置光学系10を移動させる特定のXY方向としては、例えば、眼構造上の理由から、被検眼Eの視軸方向である点灯した固視灯89に対し、中央固視標光学系64で規定される角膜上皮の正面反射光の光軸:O1に関し線対称となる方向(即ち被検眼Eの視軸の傾斜方向と反対方向)として設定することが出来る。
因みに、被検眼の視軸の傾斜方向と反対側となるXY方向に移動させた各位置において、CCD28により撮像される角膜内皮像を、参考として図11に示す。なお、これらの角膜内皮像の画像は、図2における12時の方向を固視させると共に、それに対応した方向に装置光学系10を移動させて角膜内皮像を撮影したものであるが、これらの角膜内皮像の画像からも、XY方向への移動量(即ち、角膜内皮の正面反射光軸に対するずれ量)に対応して、得られる角膜内皮像が異なることが理解される。
なお、この角膜内皮反射光量の取得を終了する点であるPend の位置は、被検眼の傾斜角度を考慮して、人眼の構造乃至は解剖学上の統計等から、設定することが出来る。また、ステップQ4〜6のループ処理は、角膜内皮の正面反射光軸を求めることが目的であるから、例えば、角膜内皮反射光量が予め定めた基準値に達したことなどに基づいて角膜内皮の正面反射光軸を推定できれば、Pend の位置まで到達する前にその位置でラインセンサ44による反射光量の検出を終了しても良い。
そして、続くステップQ7において、ステップQ4〜Q6に従う処理で得られたラインセンサ44の検出結果における角膜内皮反射光量の比較に基づいて、XYアライメント用基準位置を決定する。本実施形態においては、ラインセンサ44により得られる図9に示されるような光量分布において、先ず、最大のピークを示す第一ピーク部128(上皮反射)を基準として、角膜内皮反射光が検出される領域に対応する、第二ピーク部130付近、即ち、第一ピーク部128から角膜内皮側へ略500μm内方へ偏移した付近において、幅300μm〜800μmの角膜内皮反射光量の検出枠を定める。そして、かかる検出枠内において、検出誤差を除外する為に一定の値以下を切り捨てると共に、かかる規定値以上の有効な値の積分値を算出することにより、角膜内皮の反射光量を求める。ここにおいて、前述のP1,P2,P3・・・Pend の各地点における角膜内皮反射光量の算出値を比較すると、図12のようになる。 これらの値を相互に比較し、最大の角膜内皮反射光量が得られた地点(例えば、図12におけるP3)を、XYアライメント基準位置として決定する。 なお、このようなP1,P2,P3・・・Pend の各地点における角膜内皮反射光量の比較方法としては、上述のような一定の検出枠内の積分値を求める方法のほか、前記検出枠内における光量検出の最大値を用いて、相互に比較してもよい。 この場合には特に、前述の装置光学系10のZ方向のずれ量ΔZに基づく角膜内皮反射光量の補正処理があわせて行われることが望ましい。
このように、本実施形態においては、角膜上皮の正面反射光軸(角膜上皮への直交軸)に対する角膜内皮の正面反射光軸(角膜内皮への直交軸)の相対的なずれ量を考慮して、角膜上皮の正面反射光軸位置である(仮)XYアライメント位置から装置光学系10を特定のXY方向へ移動させ、移動後の各地点において取得したラインセンサ44の検知結果における角膜内皮による反射光量を用いて角膜内皮の正面反射光軸の位置を推定することにより、XY方向の特定位置としてのXYアライメント用基準位置が決定されるのである。
なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態においては、ラインセンサ44を含んで、XYアライメント用光学情報取得制御手段が構成されていると共に、ステップQ7を含んで、XYアライメント用基準位置決定手段が構成されている。
続いて、ステップQ8において、前記ステップS2〜S3に相当する反転・後退作動開始位置までの更なる前進作動が行われ、その後、ステップQ9でXYアライメント完了信号が出力されて、前述のステップS3に戻り該ステップS3以降が実行される。
この際、Z方向の前進作動と同時に、前記ステップQ2でXY方向において(仮)XYアライメント位置に設定された装置光学系10を、XY方向に移動させて、前記ステップQ7で決定されたアライメント用基準位置にまで導く。このように、Z方向の位置あわせと同時にXYアライメント用基準位置へXY方向の移動を行うことにより、角膜内皮撮像までに要する時間が短縮されて、被検者の負担が軽減されるようになっている。
その後、ステップQ9から前記ステップS3以降を実行することで、目的とする角膜内皮を撮像する。かかる角膜内皮の撮像中においても、適宜、アライメント検出センサ88によるXYアライメントが行われる。即ち、前記ステップS4〜S5の角膜内皮の撮像と略同様に、撮像用光源40の点滅消灯時において、アライメント光源82の角膜上皮による正面反射光の位置がアライメント検出センサ88により検出される。そして、かかる正面反射光の検出位置情報と、前記ステップQ7で決定されたアライメント基準位置の情報とに基づいて、撮像制御回路117によるXYアライメントの補正が実行される。
要するに、角膜上皮からの正面反射光の検出位置((仮)XYアライメント位置)に対して、ステップQ7において算出されたずれ量だけ特定のXY方向に向けて偏移したXYアライメント用基準位置に、撮像光学系20が常に位置するよう、XYアライメントが行われるのである。このように、本実施形態においては、撮像制御回路117と前記ステップS3〜S5を含んで、角膜内皮像撮像制御手段が構成されている。また、上述の如き、角膜内皮の連続的な撮像の合間を利用したXYアライメントの補正を実行する各構成によってXYアライメント用基準位置検証手段が構成されている。
このようなXYアライメント用基準位置決定手段と、それによって決定された基準位置を利用した角膜内皮像撮像制御手段による角膜内皮撮像の実施により、被検眼Eの視軸が正面視状態の光軸O1から外れた傾斜状態であっても、角膜上皮の反射光のXYアライメント受光系による検出信号に基づいて、角膜内皮に対して光軸O1が直交する位置に、撮像光学系20を位置合わせすることが出来る。
それ故、ステップS3〜S6での正面視状態と同じ撮像作動によっても、即ち特別な処理や操作を必要とすることなく、自動的に、高精度で鮮明な内皮像を安定して得ることが可能となるのである。
そして、特に着目されるべきところは、XYアライメントが、単なる統計値でなく被検者の個人的情報に基づいて行われることから、各個人毎に高精度にXYアライメントを行うことが出来るということであり、加えて、角膜上皮像からの推定でなく、角膜内皮像を用いて直接的にXYアライメントを行うことが出来ることから、目的とする角膜内皮像を一層高精度に且つ安定して得ることが可能となるのである。
次に、本発明の第二の実施形態としての角膜撮影装置について説明する。上述の第一の実施形態においては、ステップQ5において、XYアライメント用の角膜内皮光学情報として、ラインセンサ44を用いて角膜内皮による反射光量を取得していたが、本実施形態においては、ステップQ5において取得されるXYアライメント用の角膜内皮光学情報として、CCD28を用いてXYアライメント用角膜内皮像を撮像すると共に、ステップQ7において、かかるXYアライメント用角膜内皮像の光学的情報を用いて、XYアライメント基準位置を決定する。なお、本実施形態は、これらステップQ5及びステップQ7の他は前記第一の実施形態と同様の構成が採用されることから、以下に前記第一の実施形態におけるステップQ5〜Q7に対応する工程のみを説明する。
すなわち、前記第一の実施形態におけるステップQ4〜Q6のループ作動におけるステップQ5において、図8にP0として示された(仮)XYアライメント位置から、装置光学系10を被検者の注視方向に対応した特定のXY方向に向けて所定距離ずつ移動せしめたP1,P2,P3・・・の各地点で、前記第一の実施形態におけるラインセンサ44による光量分布情報の取得に換えて、それぞれ、CCD28により、XYアライメント用角膜内皮像を複数回撮像する。その後、前記第一の実施形態と同様に、予め設定された最終到達位置Pend に到達した時点でXYアライメント用角膜内皮撮像を終了する。
ここにおいて、かかるXYアライメント用角膜内皮像の撮像は、ステップQ5において、観察用光源30,30を消灯せしめると共に、撮像用光源40を点灯して、撮像光学系20のCCD28によりXYアライメント用角膜内皮像を撮像することによって行う。なお、このとき、撮像照明光学系14における撮像用光源40から照射される光量は、前記ステップS4における角膜内皮の撮像時の光量よりも小さくしても良い。蓋し、最終的な目的とする観察用の角膜内皮像を撮像するものでなく、XYアライメントの確認が出来れば良いからである。このように、撮像時の光量を落とすことにより、被検者の負担を和らげることが出来る。
また、ステップQ4〜Q6のループ作動に際して、装置光学系10を移動させる特定のXY方向としては、前記第一の実施形態と同様に、被検眼Eの視軸方向である点灯した固視灯89に対し、中央固視標光学系64で規定される角膜上皮の正面反射光の光軸:O1に関し線対称となる方向(即ち被検眼Eの視軸の傾斜方向と反対方向)として設定することも可能であるが、例えば、次のような方法を採用することも可能である。
すなわち、装置光学系10を移動させる特定のXY方向を特定する別の方法として、例えば、被検眼Eの視軸を点灯した固視灯89で傾斜させた状態で、撮像光学系20により、角膜上皮の正面反射光の光軸O1上で角膜上皮像又は角膜内皮像を撮像し、この得られた角膜上皮像又は角膜内皮像の光学的情報を用いて、装置光学系10を移動させるXY方向を決定することも可能である。蓋し、被検眼Eの視軸を傾斜させた状態で、(仮)XYアライメント位置で撮像した角膜上皮像又は角膜内皮像においては、角膜上皮と角膜内皮の相対的な曲率の相違等に起因して、角膜内皮の正面反射軸の位置する方向に対応した陰りやコントラストの相違が存在することを、本発明者が確認している。それ故、装置光学系10を移動させる特定のXY方向(即ち、角膜上皮の正面反射光軸に対する角膜内皮の正面反射光軸の相対的なずれ方向)と、角膜上皮の正面反射光の光軸上で撮像した角膜上皮像や角膜内皮像における陰り等の光学的情報との相対関係を、予め実験等で求めておけば、得られた(仮)XYアライメント位置で撮像した角膜上皮像又は角膜内皮像の光学的情報から、装置光学系10を移動させる特定のXY方向を決定することが可能となる。
なお、この角膜内皮像の撮像を終了する点であるPend の位置は、前記第一の実施形態と同様に、被検眼の傾斜角度を考慮して、人眼の構造乃至は解剖学上の統計等から、設定することが出来る。また、本実施形態においては、得られた角膜内皮像の画像の光学的情報から、角膜内皮の正面反射光軸を特定することも可能である。具体的には、例えば、撮像した画像のコントラストや明暗が全体的に一様である点をもって、角膜内皮の正面反射光軸と推定すること等が考えられる。従って、ステップQ4〜6のループ処理は、角膜内皮の正面反射光軸を求めることが目的であるから、撮像した画像のコントラスト等の光学的情報に基づいて角膜内皮の正面反射光軸を推定できれば、Pend の位置まで到達する前にその位置で角膜内皮像の撮像を終了しても良い。
そして、続くステップQ7において、ステップQ4〜Q6に従う処理で得られた角膜内皮像における光学的情報に基づいてXYアライメント用基準位置を算出する。このXYアライメント用基準位置の算出は、上述の如く撮像した画像のコントラストや明暗が全体的に一様である点をもって、角膜内皮の正面反射光軸と推定すること等が考えられる。勿論、かかる判断は、検者が目視で行っても良いし、数値化してコンピュータで演算処理することも可能である。
上述のような、XYアライメント用角膜内皮像の撮像による角膜内皮光学情報の取得によっても、XYアライメント基準位置を好適に決定する事が可能である。 なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態においては、撮像照明光学系14と撮像光学系20とを含んで、XYアライメント用光学情報取得制御手段が構成されている。
次に、本発明の第三の実施形態としての角膜撮影装置について説明する。なお、以下の実施形態は、XYアライメント用基準位置決定の別の具体的態様例を示すものであって、前記第一の実施形態における図7のステップQ1〜Q9に示される作動が異なるだけで実行され得ることから、ここでは、前記第一の実施形態における図7に対応する、図13の工程図を参照しつつ説明する。
まず、ステップR1〜R3に従って、前記ステップQ1〜Q3と同様にして、装置光学系10がXY方向では(仮)XYアライメント位置へ、及びZ方向では角膜上皮合焦位置を超えて所定量だけ角膜内皮側に近い位置へ、位置合わせされる。
かかる位置設定後に、ステップR4において、第二の実施形態のステップQ5における動作と同様に、観察用光源30,30を消灯せしめると共に、撮像用光源40を点灯して、撮像光学系20のCCD28によりXYアライメント用角膜内皮像を撮像する。
なお、本実施形態においては、前記第二の実施形態と同様に、撮像照明光学系14と撮像光学系20とステップR4とを含んで、XYアライメント用光学情報取得制御手段が構成されている。また、本実施形態においては、XYアライメント用角膜内皮像の撮像が、ステップR2における(仮)XYアライメント後の、角膜上皮の正面反射光軸上で行われるようになっている。
次に、ステップR5において、CCD28により得られたXYアライメント用角膜内皮像の光学的情報に基づいて、XYアライメント用基準位置を決定する。本実施形態においては、XYアライメント用角膜内皮像の光学的情報から角膜内皮の曲率半径を推定することにより、角膜内皮の正面反射光の光軸が被検眼の角膜上皮による正面反射光の光軸に対してどれだけ外れた位置にあるかを推定することにより、XYアライメント用基準位置が決定される。
ここにおいて、本発明者は、前記ステップR4において得られるXYアライメント用角膜内皮像に関して、被検者に対して同一方向を同一角度で固視させた状態下でも、被検者の個人差が存在することを確認している。同一条件で撮像しても、各被検者ごとに、XYアライメント用角膜内皮像における光学的情報(例えば、コントラストの相違や陰りの度合い、程度等)が異なっているのである。本発明者が検討したところ、このような光学的情報の個人差が、主に各被検者の角膜内皮曲率半径の違いによるものであるという知見が得られた。即ち、これらのXYアライメント用角膜内皮像における像のコントラストの変化や陰りの部分的な度合いの相違などから、角膜内皮の曲率半径を推定し、その推定値に基づいて、被検眼の角膜上皮による正面反射光の光軸に対する角膜内皮の正面反射光の光軸のずれ量を求めることが出来るのである。
従って、本実施形態では、予め統計値として、多数の被検眼における角膜上皮による正面反射光の光軸に対する角膜内皮の正面反射光の光軸のずれ量と、かかる被検眼において角膜上皮の正面反射光軸上で撮像した角膜内皮像における光学的情報との、相関性をデータ取得しておくことにより、かかる相関データに基づいて、ステップR4で得られたXYアライメント用角膜内皮像の光学的情報から、ステップR5においてXYアライメント用基準位置を求めることが出来るのである。
なお、このようにして推定的に求められたXYアライメント用基準位置は、例えば、その後、求められたXYアライメント用基準位置まで撮像照明光学系14及び撮像光学系20をXY方向に移動させて、XYアライメント用角膜内皮像を撮像し、得られたXYアライメント用角膜内皮像の光学的情報に基づいてXYアライメント用基準位置の妥当性を検証することも可能である。かかる検証は、検者が直接に目視でモニタ等を用いて確認しても良いし、コントラストや輝度レベル等の全体の分布を考慮してコンピュータの演算処理で行うことも可能である。
このような検証により、ステップR5で求めたXYアライメント用基準位置に誤差があると判断された場合には、再度、ステップR4からそれ以前のステップに戻って、XYアライメント用角膜内皮像の撮像から繰り返す。その際、再び同じ誤差発生を防止するために、例えば、角膜上皮の正面反射光軸から所定距離だけXY方向に変位した位置でXYアライメント用角膜内皮像を撮像するようにしても良い。
而して、その後、ステップR6〜R7において、前記第一実施形態におけるステップQ8〜Q9に相当する処理を実行し、ステップS3以降の、目的とする角膜内皮撮像を実行することとなる。
このような第三の実施形態においては、第一及び第二の実施形態と同様な効果が発揮されることは勿論、それに加えて、第二の実施形態に比して、XYアライメント用角膜内皮像の撮像回数の減少が図られ得ることから、XYアライメント用角膜内皮像の撮像に際して発光せしめられる撮像用光源40による被検者への負担の軽減が図られ得る。
以上、本発明の各実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記装置光学系10はあくまでも例示であって、各光学系を構成するレンズやスリットの構成および配設位置などは、前述の如き構成に限定されない。例えば、前述の実施形態においては、観察光学系12の光軸O1上にコールドミラー27が配設されていたが、例えば、コールドミラー27に代えて、受光光束を全反射するミラーを光軸O1上から外れた位置で、撮像用光源40からの光束を反射してCCD28に導く位置に配設する等しても良い。
ここにおいて、観察用光源30,30は必ずしも赤外光源とされる必要は無く、可視光源を用いても良い。或いは、受光光束を全反射するミラーを観察光学系12の光軸O1上に移動可能に配設して、観察光学系12の光束を遮光しつつ撮像光学系20の光束をCCD28に導く状態と、観察光学系12の光軸O1上から外れた位置に移動して観察光学系12の光束をCCD28に導く状態の何れかを択一的に発現せしめたりしても良い。また、位置検出用光源54とラインセンサ44の位置を入れ替える等しても良い。
なお、前述の第二及び第三の実施形態におけるラインセンサ44は必ずしも必要ではないのであって、例えば、CCD28を用いて角膜上皮位置を検出した後に、所定距離だけ被検眼Eに向けて前進した位置を、前述のステップQ3やステップR3における前進移動位置や、前述のステップS3における反転位置とするなどしても良い。具体的には、装置光学系10を被検眼Eに向けて前進せしめつつ、撮像用光源40による被検眼Eからの反射光をCCD28で受光する。そして、CCD28によって角膜上皮からの反射光を検出するまで、装置光学系10を前進せしめ、当該反射光の検出位置を角膜上皮の合焦位置とすること等が出来る。
また、前記実施形態では、装置光学系10を被検眼に対して離隔する後退方向への撮像作動について説明したが、XYアライメントを行った後、装置光学系10を被検眼に対して接近する前進方向への撮像作動を行っても良いし、また、例えば内皮合焦の位置を高精度に検出し得る検出機構を採用すれば、連続的乃至は複数の内皮撮像作動も必要なく、合焦位置の一点だけでの内皮撮像で目的とする内皮像を得ることも、勿論、可能である。
なお、前述の第二及び第三の実施形態においては、ラインセンサ44に代えて、例えば、先行特許文献1に示されている如き単純な受光素子を利用したり、或いはCCDを利用して合焦判断を実行するようにしても良い。
また、前記第二及び第三の実施形態におけるステップQ5やステップR4でのXYアライメント用角膜内皮像の撮像に際して、可視光線でない赤外光線等を照明光源に採用することにより、被検者への負担の軽減を図ることも可能である。その際、ステップS5における観察用の角膜内皮像の撮像は別途に行われるものであって、ステップQ5やステップR4で撮像されるXYアライメント用角膜内皮像はZ方向のアライメントに影響を与えることがないことから波長による補正も原則として考慮する必要がない。
本発明の第一の実施形態としての装置光学系を示す説明図。 本発明の第一の実施形態としての装置光学系における周辺固視標(固視灯)の配置形態を示す説明図。 本発明の第一の実施形態としての角膜撮影装置を説明するための説明図。 図1に示した光学系に接続される制御回路等を説明するための説明図。 角膜撮影装置の基本的な撮影手順を示すフローチャート。 モニタ画面に表示される被検眼画像を説明するための説明図。 本発明の第一の実施形態に従うXYアライメントを含む工程を示すフローチャート。 図7に示すフローチャートに従う基準位置の特定作動を説明するための説明図。 図8に示す各位置(P)で取得された角膜反射光の光量分布の具体例を例示するグラフ。 角膜反射光検出時のZ方向のずれ量による角膜反射光の検出値の変化の具体例を示すグラフ。 図8に示す各位置(P)において撮像され得る角膜内皮像の具体例を例示する内皮撮影像。 図8に示す各位置(P)で取得された角膜内皮反射光の光量比較を例示するグラフ。 本発明の第三の実施形態に従うXYアライメントを含む工程を示すフローチャート。 内皮撮影装置における課題を説明するための説明図。
符号の説明
10:装置光学系、12:観察光学系、14:撮像照明光学系、16:位置検出光学系、18:位置検出照明光学系、20:撮像光学系、28:CCD、30:観察用光源、40:撮像用光源、44:ラインセンサ、54:位置検出用光源、64:中央固視標光学系、66:アライメント光学系、74:中央固視標光源、82:アライメント光源、84:アライメント検出光学系、88:アライメント検出センサ、89:固視灯、112:X軸駆動機構、114:Y軸駆動機構、116:Z軸駆動機構、117:撮像制御回路、118:XYアライメント検出回路、C:角膜、E:被検眼

Claims (13)

  1. スリット光束を被検眼に対して斜めから照射する照明光源を備えた照明光学系と、
    前記スリット光束による前記被検眼の角膜からの反射光束を受光して角膜内皮像を撮像する光電素子を備えた角膜撮像光学系と、
    前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を、全体として、前記被検眼への接近/離隔方向となるZ方向に移動させるZ方向駆動手段と、
    前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を、全体として、Z方向に直交するXY方向に移動させるXY方向駆動手段と、
    前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系をZ方向に移動させるに際して、該照明光学系及び該角膜撮像光学系の該被検眼に対するZ方向での光学的な相対位置を検出するZ方向位置観察用受光素子と、
    前記被検眼に向けてXYアライメント用の指標光を正面から照射するXYアライメント指標光照射手段と、
    該XYアライメント指標光照射手段による指標光の前記被検眼の角膜上皮による正面反射光を受光するXYアライメント受光素子と、
    前記被検眼の視軸を正面に対して傾斜した複数方向に選択的に向けさせる周辺固視標と、
    該周辺固視標により前記被検眼の視軸が傾斜方向に向けられた状態下で、前記Z方向位置観察用受光素子による検出結果に基づいて、前記Z方向駆動手段により、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を全体として前記被検眼の角膜上皮に対する合焦位置を超えて角膜内皮に近づける方向に移動させて位置決めするXYアライメント用のZ方向位置制御手段と、
    前記周辺固視標により前記被検眼の視軸が傾斜方向に向けられると共に前記角膜撮像光学系と前記Z方向位置観察素子の少なくとも一方を用いて、前記XYアライメント基準位置決定用のZ方向位置制御手段によって位置決めされた状態下で、XYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得するXYアライメント用光学情報取得制御手段と、
    該XYアライメント用光学情報取得制御手段で取得された前記角膜内皮光学情報を用いて、前記XYアライメント受光素子で検出される角膜上皮への直交軸に対する角膜内皮への直交軸のずれ量を考慮したXY方向の特定位置としてXYアライメント用基準位置を決定するXYアライメント用基準位置決定手段と、
    該XYアライメント用基準位置決定手段によって決定された前記XYアライメント用基準位置の情報と、前記Z方向位置観察用受光素子によって検出されるZ方向での光学的な情報とに基づいて、前記照明光学系と前記角膜撮像光学系を前記被検眼に対して相対位置制御せしめて、該角膜撮像光学系により該被検眼の角膜内皮像を撮像する角膜内皮像撮像制御手段と
    を、備えていることを特徴とする角膜撮影装置。
  2. 前記XYアライメント用光学情報取得制御手段において、
    前記XYアライメント指標光照射手段による前記XYアライメント用指標光の前記被検眼の角膜上皮による前記正面反射光の光軸上で前記角膜内皮光学情報を取得し、
    その得られた角膜内皮光学情報に基づいて、前記XYアライメント用基準位置決定手段により、前記視軸の傾斜方向に対応する所定のXY方向線上で前記XYアライメント用基準位置を決定するようになっている請求項1に記載の角膜撮影装置。
  3. 前記XYアライメント用基準位置の決定後に、その決定されたXYアライメント用基準位置に前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を移動させて位置せしめると共に、かかるXYアライメント用基準位置に位置せしめた状態で、再び、前記XYアライメント用光学情報取得制御手段によって前記角膜内皮光学情報を取得して、得られた角膜内皮光学情報に基づいて該XYアライメント用基準位置を検証するXYアライメント用基準位置検証手段を設けた請求項2に記載の角膜撮影装置。
  4. 前記XYアライメント用光学情報取得制御手段が、
    前記視軸の傾斜方向に対応する所定のXY方向に向けて、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を全体として前記XY方向駆動手段で駆動させると共に、かかる所定のXY方向線上での複数箇所において前記角膜内皮光学情報を取得する請求項1に記載の角膜撮影装置。
  5. 前記XYアライメント用基準位置決定手段において、
    前記所定のXY方向線上での前記XYアライメント用光学情報取得制御手段による前記角膜内皮光学情報の取得を、予め設定された最終位置まで行って終了するようになっている請求項4に記載の角膜撮影装置。
  6. 前記XYアライメント用基準位置決定手段において、
    前記XYアライメント用光学情報取得制御手段によって前記所定のXY方向線上で前記角膜内皮光学情報を取得する毎に、その取得した角膜内皮光学情報に基づいて順次に評価し、その評価結果が予め設定された所定条件を満足することを確認して前記XYアライメント用基準位置を決定すると共に該角膜内皮光学情報の取得を終了するようになっている請求項4に記載の角膜撮影装置。
  7. 前記Z方向位置観察用受光素子としてラインセンサを採用すると共に、前記XYアライメント用光学情報取得制御手段において、該ラインセンサによりXYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得し、該XYアライメント用光学情報取得制御手段において、該ラインセンサにおける内皮反射光の光量が最大となる位置を前記XYアライメント基準位置として決定する請求項4乃至6の何れか一項に記載の角膜撮影装置。
  8. 前記XYアライメント用光学情報取得制御手段において前記ラインセンサによりXYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得するのと併せて、該ラインセンサにより角膜上皮光学情報を取得し、該角膜上皮光学情報に基づいて、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系の前記被検眼に対するZ方向の相対位置変化に起因する該角膜内皮光学情報における誤差の補正量を求める光学情報補正量演算手段と、
    該光学情報補正量演算手段で求めた補正量により、前記ラインセンサで取得したXYアライメント用の角膜内皮光学情報を補正する光学情報補正実行手段とを、
    設けた請求項7に記載の角膜撮影装置。
  9. 前記XYアライメント用光学情報取得制御手段において前記ラインセンサによりXYアライメント用の角膜内皮光学情報を取得するに際して、該ラインセンサにより角膜上皮光学情報を取得し、該角膜上皮光学情報に基づいて、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系の前記被検眼に対するZ方向の相対位置変化量を求めるZ方向変化量演算手段と、
    該Z方向変化量演算手段で求めたZ方向の相対位置変化量を補正量として、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を前記被検眼に対してZ方向に相対位置補正するZ方向位置補正実行手段とを、
    設けた請求項7又は8に記載の角膜撮影装置。
  10. 前記角膜内皮像撮像制御手段において、前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を前記被検眼に対してZ方向で相対移動させつつ、該Z方向線上の複数箇所において連続的に前記角膜内皮像を撮像するようになっている請求項1乃至9の何れか一項に記載の角膜撮影装置。
  11. Z方向線上の複数箇所における連続的な前記角膜内皮像の撮像に際し、撮像と撮像の間を利用して、前記XYアライメント指標光照射手段と前記XYアライメント受光素子とによる前記角膜上皮による正面反射光の受光を行って該角膜上皮への直交軸を求めると共に、かかる角膜上皮への直交軸を参酌して前記XY方向駆動手段を制御し、前記XYアライメント用基準位置決定手段で決定された前記XYアライメント用基準位置に前記照明光学系及び前記角膜撮像光学系を位置せしめるように位置補正するXYアライメント補正制御手段を設けた請求項10に記載の角膜撮影装置。
  12. 被検眼の角膜内皮の周辺部分を撮像するに際して、
    前記XYアライメント用光学情報取得制御手段により角膜内皮光学情報を取得し、
    この角膜内皮光学情報を用いて前記被検眼の角膜内皮への直交軸を求め、かかる直交軸をXYアライメント用基準位置として決定し、
    このXYアライメント用基準位置が前記角膜撮像光学系の撮像中心となるように、前記角膜内皮の直交軸に対して直交するXY方向において該角膜撮像光学系を前記被検眼に対して相対位置合わせし、
    かかるXY方向での相対位置合わせ状態下で、前記被検眼の角膜内皮の周辺部分を前記角膜撮像光学系で撮像する
    ことを特徴とする角膜撮影方法。
  13. 前記角膜撮像光学系を前記被検眼に対して接近/離隔するZ方向に移動させつつ連続的に複数枚の前記角膜内皮像を撮像すると共に、
    前記被検眼の角膜内皮への直交軸を、前記被検眼の角膜上皮への直交軸を基準とするXY方向へのずれ量であるXYアライメント用基準位置として求めて、
    かかる複数枚の角膜内皮像の撮影の間に、前記被検眼の角膜上皮への直交軸を検出すると共に、この検出した角膜上皮への直交軸に対して前記角膜撮像光学系を前記XYアライメント用基準位置となるようにXY方向で相対位置合わせする請求項12に記載の角膜撮影方法。
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