JP4914176B2 - 角膜内皮撮影装置及び角膜内皮撮影方法 - Google Patents

角膜内皮撮影装置及び角膜内皮撮影方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検眼に対して照明光を照射して、被検眼の角膜からの反射光を受光することによって角膜画像を撮影する角膜内皮撮影装置及び角膜内皮撮影方法にするものである。
従来から、眼疾患の有無判断や眼の術後経過の診断などに際して、角膜、特に角膜内皮の細胞状態を観察することが行われている。
このような角膜内皮の細胞状態を観察するに際して、被検眼に対して非接触で角膜内皮細胞を撮像することの出来る角膜内皮撮影装置が知られている。この角膜内皮撮影装置は、照明光学系によりスリット状の照明光を被検眼の角膜に斜めから照射して、角膜からの反射光を撮像光学系で受光して角膜内皮細胞を撮像するようになっている。
ところで、角膜内皮細胞はその厚さ寸法が薄いことから、角膜内皮撮影装置においては、鮮明な角膜内皮細胞の合焦像を得ることが難しいという問題がある。特に、角膜内皮撮影装置においては、スリット状の照明光を採用していることから、角膜上皮や角膜実質による反射光による悪影響を回避して鮮明な角膜内皮細胞像を得るためには、照明光学系および撮像光学系を角膜内皮細胞に対する接近/離隔方向において正確に内皮合焦位置に位置合わせすることが必要となる。
そこで、従来では、例えば特許文献1に示されているように、角膜からの反射光の光量分布を検出するラインセンサを採用して、角膜内皮細胞の合焦位置を検出し、位置合わせするようにしたものが提案されている。即ち、角膜上皮と角膜実質および角膜内皮からなる角膜における反射光量の分布特性を考慮することで、ラインセンサの出力値におけるピーク位置から、角膜内皮細胞の合焦位置を推定するものであり、この推定された合焦位置に照明光学系および撮像光学系を位置合わせした状態で角膜内皮細胞の撮像を行なうようになっている。
しかしながら、かかる特許文献1に記載の如き従来構造の角膜内皮撮影装置においては、角膜内皮細胞の合焦位置を安定して精度良く検出することが難しいという問題があった。具体的には、例えば、屈折力矯正手術等で角膜厚さが薄くなっている場合等も含んで、角膜の厚さには個人差があり、薄い角膜の場合には角膜上皮と角膜内皮の両ピークを検出することが難しくなって、内皮合焦位置を正しく特定できなくなるおそれがある。また、角膜実質の性状により、特に眼疾患等で角膜実質ににごりがある場合等にも、角膜実質と角膜内皮の反射レベルが拮抗して角膜内皮のピークによる合焦位置を検出することが不可能であったり、誤った位置検出を行なうおそれもあった。
さらに、たとえ合焦位置が精度良く検出できたとしても、ラインセンサで検出した合焦推定位置に位置合わせした後に撮像が行われることから、被検眼の微動によって合焦位置がずれてしまうことで、鮮明な内皮合焦像が得られなくなるおそれもあった。所望する鮮明な合焦画像が撮影できなかった場合には、再び合焦推定位置への位置合わせを行なう必要があることから、撮影時間が長引くことによって検者だけでなく、被検者にも大きな負担となっていた。特に手動撮影の場合には、被検眼が高倍率のうえ絶えず固視微動を行っているために角膜内皮細胞像が激しく振れてしまって手動合焦操作が難しく、角膜内皮細胞を観察して撮影するために相当の熟練を要する。
そこで、特許文献2には、角膜内皮合焦位置付近において連続的に撮影を行なう角膜撮影装置が提案されている。この特許文献2に示された角膜撮影装置では、所定の移動間隔で所定コマ数が連続的に撮影されるようになっており、検者の熟練を要することなく合焦状態の角膜内皮細胞を撮影することを目的としている。
しかしながら、このような特許文献2に記載された角膜撮影装置では、合焦画像を比較的容易に取得することが可能となる一方で、検者が撮影後に取得した多数の撮影画像の中から撮像状態の良い角膜内皮合焦画像を選別する作業を別途行う必要があり、検者の負担増大が問題となる。
なお、特許文献2に記載された角膜撮影装置によって、角膜内皮の合焦位置付近で連続撮影を行って、比較的容易に角膜内皮の合焦画像を得るためには、画像の撮影間隔の設定が極めて困難であるという問題もある。即ち、連続的な撮影によって角膜内皮の合焦画像を容易に得るためには、ある程度長い時間に亘って連続的に撮影する必要があることから、各画像の撮影間隔を短くすると撮影枚数が膨大な数となってしまう。それ故、合焦位置に到達する前に撮像データのサイズが記憶装置の記憶可能データ容量を超えてしまって、肝心な合焦内皮画像を記憶することが出来なくなったり、撮影後の合焦内皮画像の選別作業に一層大きな労力が必要となったりするといった問題があった。一方、記憶装置の容量や選別作業の手間等を考慮して撮影間隔を長く設定すると、角膜内皮の合焦画像を確実に撮影することが困難となってしまい、場合によっては撮影のやり直しが必要となるおそれもあった。
また、特許文献3には、角膜内皮の合焦位置付近で連続撮影した複数の撮影画像の中から適当な画像を抽出するために、撮影画像の全てを一度メモリに記憶させておき、その後、各撮影画像の合焦度合いを検出し、かかる合焦度合いの高いものを選択的に抽出することが提案されている。しかしながら、この特許文献3に記載の方策でも、結局、非常に大容量のメモリが必要となることが避けられないばかりか、メモリへのアクセスと合焦度合いの検出および比較に際して、演算処理装置の負担が大きくなると共に、相当の時間が必要となることが避けられない。
そもそも、かかる特許文献3においては、「合焦度合いを検出して合焦度合いの大きい画像を抽出する」と記載されているだけであって、「合焦度合い」が何であるかはおろか、それを如何にして検出するかということ、更に合焦度合いが大きい画像をどのようにして抽出するかということに関してさえ、何等の技術的開示もない。要するに、特許文献3に記載されている如き、連続的に撮影された複数の画像の中から合焦状態の画像を自動的に選別して抽出することは、特許文献3においても、単なる希望乃至は目的として開示されているに過ぎないのである。
特公平7−121255号公報 特許2831538号公報 特開平10−113335号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、連続撮影により取得した複数の画像の撮像状態を評価して、検査時間の短縮による被検者および検者の負担軽減や、検者による撮影後の選別作業の容易化乃至は省略を実現することができる新規な構造の角膜内皮撮影装置及び角膜内皮撮影方法を提供することを目的とする。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、スリット光束を被検眼に対して斜めから照射する照明光源を備えた照明光学系と、該スリット光束による該被検眼の角膜からの反射光束を受光して角膜像を撮像する光電素子を備えた撮像光学系とを備え、それら照明光学系および撮像光学系を全体として該被検眼に対して接近乃至は離隔方向に移動させる移動手段と、前記光電素子により撮像された撮影画像を記憶する記憶手段とを備えた角膜撮影装置において、前記移動手段により前記照明光学系と前記撮像光学系を全体として移動させて複数の異なる位置で前記撮像光学系により複数の角膜像を撮像せしめるようにする一方、それら各撮影画像において所定領域における輝度情報を取得する輝度情報取得手段を設けると共に、該輝度情報取得手段によって取得される輝度情報に基づいて前記撮影画像における角膜内皮の撮像状態を評価する画像評価手段を有し、前記画像評価手段による撮像状態の評価結果に基づいて前記記憶手段に記憶された撮影画像の利用優先順位を設定する角膜内皮撮影装置を、特徴とする。
本態様に従う構造とされた角膜内皮撮影装置においては、撮影画像の輝度情報を利用して角膜内皮の撮像状態を自動的に評価することが出来る。それ故、例えば照明光学系および撮像光学系を被検眼に対して連続又は断続に移動させて、互いに異なる位置で連続的に多数回の撮影を行った場合などにも、撮影後に検者が撮像状態を確認して画像を選別する作業を別途に行う必要がなく、検者の作業負担を軽減せしめることが出来る。
しかも、撮像状態の評価に利用する輝度情報を所定領域、即ち予め決定された領域内に位置する部分(例えば画素)の輝度情報に限定することにより、処理する情報の量を抑えることが出来て、撮像状態の評価を短時間で迅速に行うことが出来る。
さらに、本態様に従う構造とされた角膜内皮撮影装置においては、画像評価手段の評価結果に基づいて撮影画像の利用優先順位を設定することにより、撮像状態の良い良質な撮影画像を容易に判別可能となり、撮影画像の利用の便が向上される。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る角膜内皮撮影装置において、前記画像評価手段による撮像状態の評価結果に基づいて前記撮影画像を取捨選択するようにしたことを特徴とする。
本態様に従う構造とされた角膜内皮撮影装置においては、画像選択手段によって撮像状態の良い良質な撮影画像のみを選別して記憶や表示などを優先的に行うことが可能となり、それによって、多数の画像の取り扱いが、一層効率的且つ容易となり得る。特に、本発明の第三の態様として、かかる第二の態様に従う構造とされた角膜内皮撮影装置においては、前記撮影画像の取捨選択の結果、選択された撮影画像を前記記憶手段に記憶せしめる一方、選択されなかった撮影画像を該記憶手段に記憶させる前に廃棄するようにした態様が、好適に採用され得る。
また、本発明の第の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に係る角膜内皮撮影装置において、前記利用優先順位に基づいて前記記憶手段に記憶された撮影画像を表示する画像表示手段を設けたことを特徴とする。
本態様に従う構造とされた角膜内皮撮影装置においては、利用優先順位に基づいて、優先順位の高い画像、即ち、撮像状態の良い良質な撮影画像を、例えば、優先的に乃至は選択的に画像表示手段に表示させることが可能である。それ故、合焦画像を自動的に識別して視認によって確認したり、診察などに利用したりすることが出来る。
また、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れか一つの態様に係る角膜内皮撮影装置において、前記輝度情報取得手段が撮影画像上において少なくとも一条の直線上に位置する画素の輝度情報を取得することを特徴とする。
本態様に従う構造とされた角膜内皮撮影装置においては、輝度情報取得手段によって輝度情報を取得する所定領域を、画像左右方向に延びる直線上に限定することにより、
処理すべき情報量をより有利に抑えることが出来て、処理の更なる高速化を図ることが出来る。しかも、合焦位置の前後において角膜内皮像がずれて撮影される方向である画像左右方向に延びる直線上の各画素について輝度情報を取得することで、撮像状態の評価に必要な輝度情報を確保することが出来て、充分な評価精度をも実現することが出来る。なお、本態様において輝度情報を取得する所定領域とは、必ずしも一条の直線上の領域である必要はなく、画像上下方向で離隔する複数条の直線上の領域であっても良い。これによれば、より高精度な撮像状態の評価を実現することが可能となる。本態様において画像の水平方向とは、上述の説明から明らかなように、装置の照明光学系と撮像光学系を全体として被検眼に対して接近/離隔方向に移動させることに伴って、画像(画面)において角膜内皮の像が移動する方向とされる。
また、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れか一つの態様に係る角膜内皮撮影装置において、前記画像評価手段が、前記輝度情報取得手段によって取得される画素の輝度情報に基づいて予め設定された輝度の閾値よりも輝度が高い画素の数を求める第一の撮像状態判定手段を含んで構成されていることを特徴とする。
本態様に従う構造とされた角膜内皮撮影装置においては、予め設定された閾値よりも輝度が高い画素の数を算出することにより、角膜構造において比較的高い輝度で撮影される角膜内皮の撮像状態を簡単な処理で評価することが出来る。なお、本態様における閾値は、合焦位置における角膜内皮の撮像の輝度などに基づいて設定される。例えば、角膜内皮像の輝度レベルより小さく且つ角膜実質や前房の像の輝度レベルより大きなレベルに設定されることで、画像内における角膜内皮の存在を識別することが可能となる。
また、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れか一つの態様に係る角膜内皮撮影装置において、前記画像評価手段が、前記輝度情報取得手段によって取得される画素の輝度情報に基づいて画像上における角膜内皮の水平方向位置を検出する第二の撮像状態判定手段を含んで構成されていることを特徴とする。
本態様に従う構造とされた角膜内皮撮影装置においては、角膜内皮の画像上での位置を判定することによって、角膜内皮の撮像状態を有効に評価することが出来る。なお、このような第二の輝度情報処理手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記第三の態様において設定された閾値を超える輝度を有する画素のうちで、画像上の左右何れかの端部に位置する画素を検出して、該端部に位置する画素の画像上における左右方向位置を検出することにより、角膜内皮の画像上における左右方向位置を特定すること等によって実現出来る。
また、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れか一つの態様に係る角膜内皮撮影装置において、前記画像評価手段が、前記輝度情報取得手段によって取得される画素の輝度情報に基づいて前記撮影画像において水平方向で隣り合う画素の輝度値差の総和を算出する第三の撮像状態判定手段を含んで構成されていることを特徴とする。
本態様に従う構造とされた角膜内皮撮影装置においては、画像左右方向で隣り合う画素の輝度値差の総和を算出して、該算出値を用いて角膜内皮の撮像状態を評価することが出来る。即ち、角膜内皮は、角膜を構成する他の部位に比して比較的に隣接する画素の輝度値の差が大きくなることから、輝度値差の総和を算出することによって、角膜内皮の撮像状態を有効に評価することが出来るのである。
また、本発明は、スリット光束を被検眼に対して斜めから照射する照明光源を備えた照明光学系と、該スリット光束による該被検眼の角膜からの反射光束を受光して角膜像を撮像する光電素子を備えた撮像光学系とを備え、それら照明光学系および撮像光学系を全体として該被検眼に対して接近乃至は離隔方向に移動させる移動手段と、前記光電素子により撮像された撮影画像を記憶する記憶手段とを備えた角膜撮影装置を用いて、目的とする内皮合焦の画像を撮影取得する角膜内皮撮影方法であって、前記移動手段により前記照明光学系と前記撮像光学系を全体として移動させて複数の異なる位置で前記撮像光学系により複数の角膜像を連続的に撮像すると共に、それら各撮影画像において所定領域における輝度情報を取得し、取得した輝度情報に基づいて該撮影画像における角膜内皮の撮像状態を評価し、かかる評価結果に基づいて前記撮影画像の利用優先順位を設定して、複数の角膜像を選択的に記憶及び/又は表示せしめる角膜内皮撮影方法も、特徴とする。
このような本発明方法に従えば、上述の本発明に係る角膜内皮撮影装置において説明したのと同様な各種の技術的効果が発揮され得る。なお、本発明方法を実施するに際しては、上述の如く、各画像毎に取得した輝度情報を利用して、多数の画像を取捨選択したり選択的に表示したり等することが可能である。また、本発明方法を実施するに際しては、輝度情報による角膜内皮の撮影状態の評価方法として、より具体的には、水平方向に延びる直線上に位置する画素の輝度情報を利用したり、予め設定した輝度閾値よりも大きな輝度レベルの画素数を利用したり、角膜内皮に対応する輝度レベルの画素位置情報に基づいて画像上での角膜内皮の位置を特定した情報を利用したり、等各種の態様が採用可能である。これらの具体的態様は、上述の装置に係る本発明の記載や口述する実施形態の記載からもより明らかとされ得る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明における角膜内皮撮影装置の一実施形態としての装置光学系10を示す。装置光学系10は、被検眼Eの前眼部を観察する観察光学系12を挟んで、一方の側に撮像照明光学系14および位置検出光学系16が設けられ、他方の側に位置検出照明光学系18および撮像光学系20が設けられた構造とされている。なお、特に本実施形態においては、撮像照明光学系14および位置検出照明光学系18を含んで、照明光学系が構成されている。
観察光学系12は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー22、対物レンズ24、ハーフミラー26、コールドミラー27、および光電素子としてのCCD28が光軸O1上に設けられて構成されている。また、被検眼Eの前方には、複数(本実施形態においては、2つ)の観察用光源30,30が配設されている。観察用光源30,30は、赤外光束を発する例えば赤外LEDなどが用いられる。そして、コールドミラー27は、赤外光を透過せしめる一方、可視光を反射するようにされており、観察用光源30,30から発せられて被検眼Eの前眼部で反射された反射光束が、対物レンズ24およびコールドミラー27を通して、CCD28上で結像されるようになっている。
撮像照明光学系14は、被検眼Eに近い位置から順に投影レンズ32、コールドミラー34、スリット36、集光レンズ38、撮像用光源40が設けられて構成されている。撮像用光源40は可視光束を発する例えばLED等が用いられる。コールドミラー34は、赤外光を透過せしめる一方、可視光を反射するようにされている。そして、撮像用光源40から発せられた光束は、集光レンズ38およびスリット36を通してスリット光束とされて、コールドミラー34により反射された後に投影レンズ32を通して、角膜Cに対して斜め方向から照射されるようになっている。
位置検出光学系16は、その光軸の一部が撮像照明光学系14の光軸と一致せしめられており、被検眼Eに近い位置から順に投影レンズ32、コールドミラー34、ラインセンサ44が設けられて構成されている。そして、後述する観察用光源54から照射されて角膜Cで反射された光束が、投影レンズ32、コールドミラー34を通して、ラインセンサ44上に結像されるようになっている。
一方、位置検出照明光学系18は、被検眼Eに近い位置から順に対物レンズ46、コールドミラー48、集光レンズ52、および位置検出用光源としての観察用光源54が設けられて構成されている。観察用光源54は、例えば赤外LEDなどの赤外光源が好適に採用される。そして、観察用光源54から発せられた赤外光束が、角膜Cに対して斜めから照射されるようになっている。なお、観察用光源54は、例えばハロゲンランプや可視光LEDなどの可視光源と赤外フィルタを組み合わせることによって構成しても良い。但し、観察用光源54は、必ずしも赤外光源とされる必要は無く、ハロゲンランプや可視光LEDなどの可視光源を用いても良い。可視光源を用いる場合には、その照度は撮像用光源40の照度よりも小さくされることが好ましい。これにより、アライメント等、観察用光源54による光束を照射せしめる際の被検者の負担を軽減することが出来る。
撮像光学系20は、その光軸の一部が位置検出照明光学系18の光軸と一致せしめられており、被検眼Eに近い位置から順に対物レンズ46、コールドミラー48、スリット56、変倍レンズ58、合焦レンズ60、コールドミラー27、CCD28が設けられて構成されている。そして、撮像用光源40から照射されて角膜Cで反射された光束が、対物レンズ46を介してコールドミラー48で反射された後に、スリット56によって平行光束とされて、変倍レンズ58、合焦レンズ60を介して、コールドミラー27で反射されてCCD28上に結像されるようになっている。
また、観察光学系12上に設けられるハーフミラー22は、固視標光学系64、アライメント光学系66の一部を構成している。
固指標光学系64は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー22、投影レンズ68、ハーフミラー70、ピンホール板72、固視標光源74が設けられて構成されている。固視標光源74は例えばLEDなどの可視光を発する光源であり、固視標光源74から発せられた光束は、ピンホール板72、ハーフミラー70を透過した後、投影レンズ68によって平行光束とされて、ハーフミラー22によって反射されて被検眼Eに照射される。
アライメント光学系66は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー22、投影レンズ68、ハーフミラー70、絞り76、ピンホール板78、集光レンズ80、アライメント光源82が設けられて構成されている。アライメント光源82からは赤外光が発せられるようになっており、かかる赤外光は集光レンズ80により集光されてピンホール板78を通過し、絞り76に導かれる。そして、絞り76を通過した光はハーフミラー70に反射されて、投影レンズ68によって平行光束とされた後に、ハーフミラー22によって反射されて被検眼Eに照射される。
また、観察光学系12上に設けられたハーフミラー26は、アライメント検出光学系84の一部を構成している。
アライメント検出光学系84は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー26、位置検出可能なアライメント検出センサ88が設けられて構成されている。そして、アライメント光源82から照射されて、角膜Cで反射された光束が、ハーフミラー26で反射されて、アライメント検出センサ88に導かれるようになっている。
このような構造とされた装置光学系10は、図2に示す角膜内皮撮影装置100に収容されている。角膜内皮撮影装置100は、ベース102の上に本体部104が設けられており、かかる本体部104の上にケース106が前後左右および上下動可能に設けられて構成されている。ベース102には、電源装置が内蔵されていると共に、操作スティック108が設けられており、かかる操作スティック108を操作してケース106を駆動せしめることが出来るようにされている。また、本体部104には、後述する各制御回路などが収容されていると共に、例えば液晶モニタなどからなる画像表示手段としての表示画面110が設けられている。
さらに、図3に示すように、角膜内皮撮影装置100には、ケース106を駆動せしめることによって、装置光学系10を被検眼Eに対して接近乃至は離隔方向に移動せしめる駆動手段が設けられている。これらの駆動手段は例えばラック・ピニオン機構などによって構成されており、本実施形態においては、装置光学系10を図3における上下方向のX方向に駆動せしめるX軸駆動機構112、図3における紙面と垂直のY方向に駆動せしめるY軸駆動機構114、図3における左右方向のZ方向に駆動せしめるZ軸駆動機構116が設けられている。
また、角膜内皮撮影装置100には、装置光学系10による角膜像の撮像の作動制御を行なう撮像制御手段としての撮像制御回路117が設けられている。そして、X軸駆動機構112、Y軸駆動機構114、Z軸駆動機構116は、それぞれ、撮像制御回路117に接続されて、撮像制御回路117からの駆動信号に基づいて駆動せしめられるようにされている。また、アライメント検出センサ88は、XYアライメント検出回路118に接続されており、かかるXYアライメント検出回路118は、撮像制御回路117に接続されている。また、ラインセンサ44は、Zアライメント検出回路120に接続されており、かかるZアライメント検出回路120は、撮像制御回路117に接続されている。これにより、アライメント検出センサ88およびラインセンサ44の検出情報が、撮像制御回路117に入力されるようになっている。なお、図示は省略するが、撮像制御回路117は、各照明光源30、40、54、74、82にも接続されており、これらの発光を制御出来るようにされている。
さらに、角膜内皮撮影装置100には、CCD28が受像した画像が入力されて、かかる画像を取捨選択する画像選択回路122が設けられていると共に、かかる画像選択回路122によって選択された画像を記憶する記憶手段としての記憶装置124が設けられている。
次に、このような構造とされた角膜内皮撮影装置100において、撮像制御回路117が実行する角膜内皮の撮像手順の概略を図4に示し、以降、順に説明する。
先ず、S1において、被検眼Eに対して、装置光学系10のX方向およびY方向の位置合わせ(XYアライメント)を行なう。かかるXYアライメント時には、固視標光源74から照射された固視標光が被検眼Eに導かれる。そして、被検者にかかる固視標光を固視させることによって、被検眼Eの光軸方向を、観察光学系12の光軸O1の方向と一致させることが出来る。かかる状態下で、観察用光源30、30から照射されて、被検眼Eの前眼部で反射された光束がCCD28上に導かれる。これにより、図5に示すように、表示画面110上に、被検眼Eの前眼部が表示される。
さらに、表示画面110上には、例えばスーパーインポーズ信号などによって生成された、矩形枠形状のアライメントパターン125が、被検眼Eに重ねて表示される。それと共に、アライメント光源82から被検眼Eに向けて照射された光束が、被検眼Eの前眼部で反射されて、CCD28に導かれることによって、表示画面110に、点状のアライメント光126として表示されるようになっている。そして、操作者は操作スティック108を操作することによって、装置光学系10を駆動せしめて、アライメント光126がアライメントパターン125の枠内に入るように、装置光学系10の位置を調節する。
また、アライメント光源82から照射されて、被検眼Eの前眼部で反射された光束の一部は、ハーフミラー26で反射されて、アライメント検出センサ88に導かれるようになっている。なお、アライメント光源82からは被検者に認識されない赤外光束が照射されることによって、被検者の負担が軽減されている。ここにおいて、アライメント検出センサ88は、アライメント光126がアライメントパターン125の枠内に入ると、アライメント光126のX方向の位置とY方向の位置を検出することが出来るようにされている。かかるX方向位置とY方向位置は、XYアライメント検出回路118に入力される。XYアライメント検出回路118は、X方向の位置情報に基づいて観察光学系12の光軸O1が被検眼Eの光軸に近づくようにX軸駆動機構112を駆動すると共に、Y方向の位置情報に基づいて観察光学系12の光軸O1が被検眼Eの光軸に近づくようにY軸駆動機構114を駆動せしめる。これにより、装置光学系10の被検眼Eに対するXY方向の位置合わせが行われる。なお、後述するように、かかるXYアライメントは、撮像中も適宜のタイミングで実施される。また、特に本実施形態においては、アライメント光源82と観察用光源30,30を短時間で交互に点滅せしめると共に、アライメント光源82の点灯タイミングに合わせてアライメント検出センサ88による検出が行われるようになっている。これにより、XYアライメントに際して観察用光源30,30の赤外光束が影響を与えることの無いようにされている。なお、アライメント光源82と観察用光源30,30の点滅はCCD28における受光信号への変換速度よりも高速に行われることから、CCD28の受光信号が出力される表示画面110には、両光源82,30が点滅して認識されることはなく、恰も両光源82,30が連続して点灯しているように認識される。
次に、S2において、Z軸駆動機構116を駆動せしめて、装置光学系10を、被検眼Eに対して接近する方向に前進作動せしめる。このように、本実施形態においては、S2およびZ軸駆動機構116を含んで、撮像前進制御手段が構成されている。そして、観察用光源54を発光せしめて、観察用光源54から照射された赤外光束を、被検眼Eの角膜Cに対して斜め方向から照射すると共に、角膜Cから反射された光束を、ラインセンサ44によって受光する。特に本実施形態においては、観察用光源54から照射される光束が赤外光束とされていることから、被検者の負担が軽減されている。
そして、観察用光源54からの赤外光束は、角膜Cの上皮細胞や角膜実質、角膜内皮など、角膜Cの各層毎に異なる反射光量をもって反射せしめられる。図6に概略的に示すように、観察用光源54からの赤外光束Lは、空気と角膜Cとの境界面となる上皮細胞eでまず反射される。また、上皮細胞eを透過した光束の一部は角膜実質sや角膜内皮enで反射される。そして、上皮細胞eで反射された反射光束e’の光量が最も多く、角膜内皮enで反射された反射光束en’の光量は相対的に小さく、角膜実質sで反射された反射光束s’の光量が最も小さくなる。また、前房aは房水で満たされていることから、前房aでは赤外光束Lは殆ど反射されることはない。
これらの反射光束は、ラインセンサ44に検出されて、ラインセンサ44には、図7のような光量分布が検出される。図7において、光量の最も多い第一ピーク部128は、角膜上皮からの反射光を示す。次に光量の多い第二ピーク部130は、角膜内皮からの反射光を示す。そして、撮像制御回路117は、Z軸駆動機構116を駆動せしめて、ラインセンサ44によって検出された角膜上皮の位置から人眼の生理学的な角膜厚みのばらつきを考慮した所定距離:D1だけ、装置光学系10を角膜Cに接近する方向に前進駆動せしめる。なお、角膜上皮からの移動距離は、例えば1000〜1500μmの範囲内で適宜に設定される。これにより、装置光学系10における撮像光学系20の合焦位置は、角膜Cにおける内皮細胞よりも後方に位置せしめられる。そして、かかる角膜上皮から所定距離:D1だけ後方の位置が、装置光学系10の反転位置とされる。
次に、装置光学系10が反転位置に位置せしめられると、S3において、Z軸駆動機構116が反対方向に駆動せしめられて、装置光学系10はZ軸上で被検眼Eから離隔する方向に後退作動せしめられる。このように、本実施形態においては、S3およびZ軸駆動機構116を含んで、反転作動制御手段および撮像時後退制御手段が構成されている。ここにおいて、装置光学系10は、反転位置から後退作動が開始されて、撮像が終了するまでの間に、後退速度が変化せしめられるようになっている。図8に、装置光学系10の後退作動における移動速度の変化を示す。
先ず、前述のように、装置光学系10は、反転位置(図8中、P1)から、後退作動が開始される。かかる後退作動は、例えば、500μm〜3000μm/sec,より好適には2000μm/sec前後の比較的早い速度で行われる。そして、S4において、角膜内皮細胞位置から所定距離:D2(図7参照)だけ後方の位置(図8中、P2)に到達した時点から、観察用光源30,30を消灯せしめると共に、撮像用光源40の発光を開始する。なお、本実施形態においては、角膜内皮細胞からの所定距離:D2は、予め定められた、ラインセンサ44によって検出される光量分布が第二ピーク部130よりもやや小さい所定の閾値となる位置からの離隔距離とされている。また、所定距離:D2の具体値としては、ラインセンサ44の検出精度や被検眼Eの位置ずれ等を考慮して確実に角膜内皮細胞を捉えられるように、或る程度余裕のある値が好ましいが、所定距離:D2が大きくなると撮像用光源40の発光時間が長くなって、被検者の負担を増加せしめることから、所定距離:D2は、200〜500μmの範囲内の値が好適に採用される。また、撮像用光源40は、所定の短い間隔で点滅発光せしめられており、かかる撮像用光源40が消灯せしめられたタイミングで、前記S1におけるXYアライメントが同時に行われるようになっている。
そして、装置光学系10を比較的速い速度で後退作動せしめつつ、S5において、CCD28によって角膜Cの内皮細胞からの反射光が検出された時点(図8中、P3)から、装置光学系10の減速が開始される。S5における内皮細胞からの反射光の検出は、例えば、図9に示すように、CCD28によって撮像された画像132における1本以上(本実施形態においては、5本)の適当な水平線:l1〜l5上の画素の輝度値から、所定値以上の輝度値を有する画素の数に基づいて、角膜内皮細胞からの反射光を検出したと判定する。本実施形態においては、画像132における各画素の輝度値を輝度値1〜輝度値255の255階調(輝度値1が最も暗く、輝度値255が最も明るい)で検出し、内皮反射光のムラを考慮して、画像132上の5本の水平線:l1〜l5上の各画素の輝度値を検出する。そして、水平線:l1〜l5上の各画素において輝度値が25〜255になる画素数をカウントする。なお、輝度値25〜255は、目視で明らかな反射光を認識できる程度の光量である。そして、水平線:l1〜l5においてカウントされた画素数の平均値、或いは、水平線:l1〜l5においてカウントされた画素数のうちの最大値が、角膜内皮上での距離に換算して略30μmにおける反射光量と対応する位置が減速開始点(図8中、P3)とされる。
そして、S5における減速作動が開始されると共に、S6において、CCD28によって検出される角膜内皮像の連続的撮像が開始される。かかる連続的撮像は、所定の時間間隔(例えば、1/30秒)ごとにCCD28によって受像された撮影像(画像)を画像選択回路122に入力することによって行われる。これにより、時間と位置が異ならされた複数の角膜像が画像選択回路122に入力される。そして、かかる連続的撮像と共に、画像選択回路122によって、入力された画像の取捨選択および記憶装置124への記憶が行われるようになっている。このように、本実施形態においては、S6および画像選択回路122を含んで連続的撮像手段および画像選択手段が構成されている。
次に、S5において減速作動が開始されて、後述する比較的遅い速度に達した時点(図8中、P4)から、装置光学系10はかかる一定の比較的遅い速度で後退作動せしめられる。そして、減速が完了した時点から、更に所定範囲(図8中、P4〜P6)に亘って、S6における連続的撮像および画像の取捨選択が行われる。なお、かかるP4〜P6の範囲内に、角膜内皮細胞との合焦位置(図8中、P5)も含まれることとなる。
ここにおいて、S5における減速が完了する比較的遅い移動速度は、低速で移動しつつ連続的撮像を行う範囲(図8中、P4〜P6)とCCD28による画像の取り込み時間や撮像枚数等を考慮して適宜に決定される。例えば、低速で移動して連続的撮像を行なう範囲としては、被検眼Eの微動などを考慮して、200μm以上の範囲が好適に採用され得る。そして、CCD28の画像取り込み時間が1枚あたり1/30秒で、連続的撮像の範囲が200μmとすると、10枚撮像する場合には600μm/sec、20枚撮像する場合には300μm/sec、30枚撮像する場合には200μm/sec、40枚撮像する場合には150μm/sec、50枚撮像する場合には100μm/secに設定される。従って、連続的撮像によって確実に角膜内皮撮影像を取得するためには、100〜300μm/secの速度が好適に採用される。このように、本実施形態においては、CCD28による画像取り込み時間が略一定とされて、装置光学系10の移動速度が変化せしめられることによって、連続的撮像による撮像枚数が調節されているが、例えば、装置光学系10の移動速度を一定にして、S5における角膜内皮からの反射光の検出に基づいて、CCD28による画像取り込み時間の間隔を異ならせることによって、撮像枚数を調節することなどしても良いし、それら移動速度や取り込み時間の両方を制御する等しても良い。
そして、低速移動および連続的撮像の開始位置(図8中、P4)から、所定距離(例えば、本実施形態においては200μm)だけ後退移動した時点(図8中、P6)で、S7において、加速が開始されて、装置光学系10は、減速が開始される前の速度にまで加速せしめられる。なお、かかる加速開始位置の決定基準としては、移動距離のみならず、例えば、前述のS5における角膜内皮反射光の検出手順と同様の方法に従って、角膜内皮反射光が検出されなくなった段階で加速を開始したり、撮像開始から所定時間が経過した段階で加速を開始したりしても良いし、それらを適宜に組み合わせて用いるなどしても良い。
また、装置光学系10が加速せしめられて、減速が開始される前の比較的速い速度に達すると(図8中、P7)、S8において、被検眼Eの微動などを考慮して、例えば100μm程度後退せしめられた後に、後退作動を停止すると共に、撮像用光源40を消灯して、撮像を終了する(図8中、P8)。
なお、図10から図14に、装置光学系10が後退移動せしめられる過程で各位置において撮像された角膜内皮細胞像を示す。先ず、図10は、CCD28によって角膜内皮からの反射光が受光された付近(図8中、P3付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置では、画面の殆どの領域には前房相当部134が撮像されて、角膜内皮細胞136は画面右端に少し確認出来る程度である。前房相当部134は、照射光が前房で透過されて殆ど反射光が得られないことから、暗く撮像される。図11は、低速移動が開始された付近(図8中、P4付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置では、P3付近(図10)に比して、角膜内皮細胞136の左端部がより画面の左側に位置せしめられて、角膜内皮細胞136がより大きく撮像されている。図12は、角膜内皮細胞との合焦位置付近(図8中、P5付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置において、角膜内皮細胞136が最も大きく撮像される。なお、画面右端には、角膜実質138が、角膜内皮細胞136よりも暗く撮像される。そして、図13は、装置光学系10の低速移動が終了される付近(図8中、P6付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置では、P5付近(図12)に比して、角膜内皮細胞136の右端部が画面の左側に位置せしめられて、角膜内皮細胞136がより小さくなると共に、画面右端に角膜上皮140が撮像される。図14は、装置光学系10の低速移動後の加速が終了した付近(図8中、P7付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置では、角膜内皮細胞136は画面左端に僅かに撮像されるのみであり、角膜上皮140が大きく撮像される。このように、角膜内皮細胞像は、角膜内皮の後方から角膜内皮との合焦位置に行くに連れて、次第に大きく撮像されて、角膜内皮との合焦位置で最も大きく撮像される。そして、角膜内皮との合焦位置(内皮合焦位置)から更に後退移動せしめられるに連れて、次第に小さく撮像されることとなる。
また、図15から図19には、図10から図14の各角膜内皮細胞像における輝度分布が示されている。これら図15〜図19に示された輝度分布図によれば、角膜内皮細胞136が比較的高い輝度で撮像される一方、画像上で角膜内皮細胞136の左右両側に位置せしめられる前房相当部134と角膜実質138が何れも低い輝度で撮像されると共に、角膜上皮140が極めて高い輝度で撮像されることが明らかである。
さらに、連続的な撮影においては、上述の如く、内皮合焦位置に近づくに従って角膜内皮細胞136が次第に大きく撮像されることから、図15〜図17に示されているように、合焦位置に近づくに従って撮像の輝度が高く(撮像が明るく)なる。そして、合焦位置を過ぎると、図17〜図19に示されているように、撮像の輝度が一旦低下した後、急激に上昇する。即ち、角膜上皮140の撮像は極めて輝度が高く、内皮合焦位置を過ぎると角膜上皮140が次第に大きく撮像されるからである。
ここにおいて、本実施形態では、内皮合焦位置からの距離と撮像の輝度値の変化の相関性に着目して、撮影画像における角膜内皮細胞136の撮像状態を評価し、画像の取捨選択を自動的に実行するようになっている。
以下に、S6における画像選択回路122での画像の取捨選択方法について説明する。なお、本実施形態における画像選択回路122は、図20にブロック図で示されているように、画像データ取得回路142と、輝度情報取得手段としての輝度情報取得回路144と、第一の撮像状態判定回路146と、境界位置確認回路148と、第二の撮像状態判定回路150と、輝度値差算出回路152と、記憶可否判定回路154と、第三の撮像状態判定回路156と、を備えている。
図21には、S6における処理がフローチャートによって示されている。即ち、本実施形態では、画像選択回路122による画像の取捨選択と、記憶装置124による選択された画像の記憶と、優先順位設定回路158による記憶済み画像の優先順位設定の各処理が、S6において実行される。
より詳細には、先ず、S61において、撮影回数:Xを初期値である0に設定する。次に、S62において、撮影回数:Xに1を加算する。これにより、撮影回数を示す自然数がXとして設定される。なお、後述するように撮影と画像の取捨選択処理を繰り返し行う場合には、撮影回数:Xの数値がS62において加算されて、撮影および選択処理の回数を示すようになっている。
次に、S63において、CCD28によって角膜を撮影すると共に、画像データ取得回路142がCCD28によって撮影された角膜撮影画像132の画像データを取得する。
さらに、S64において、画像データ取得回路142が取得した撮影画像132の所定領域における各画素の輝度情報を、輝度情報取得回路144が取得する。特に本実施形態では、図9に示されているように、撮影画像132の水平方向に延びる一条乃至は複数条のライン(本実施形態では、l1〜l5の5つの水平線)上の画素について輝度情報を取得する。これにより、後述する第一の撮像状態判定回路146において処理される輝度情報のデータ量を抑えて、処理速度の向上を図ることが出来る。なお、本実施形態においては画像上の左右方向に延びる水平線上に位置する画素の輝度情報を取得しているが、上下方向や斜め方向等、他の方向に延びるライン上の画素について輝度情報を取得するようになっていても良い。
また、S65において、輝度情報取得回路144で取得された輝度情報を第一の撮像状態判定手段としての第一の撮像状態判定回路146で処理して、撮影画像132の撮像状態を判定する。第一の撮像状態判定回路146は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、例えば、輝度情報取得回路144によって取得された撮影画像132の輝度情報を用いて、撮影前に予め設定された輝度値の閾値よりも高い輝度値を有する画素が撮影画像132上に存在するか否かを判定するようになっている。なお、予め設定される輝度値の閾値は、合焦時に角膜内皮細胞を撮影した画像の輝度値を基準として設定されている。
ここで、第一の撮像状態判定回路146において閾値よりも高い輝度の画素が検出されなかった場合には、撮影画像132には、角膜内皮像が撮影されていないものと推測される。それ故、撮像状態が悪い(有用ではない)画像であると評価されて破棄される。この場合には、後述するS6f以降の処理を実行する。
一方、第一の撮像状態判定回路146において閾値よりも高い輝度の画素が検出された場合には、撮像状態が良好であると評価される。この場合には、S66において、撮影画像132上で閾値を超える輝度を有する画素が存在する領域と存在しない領域の境界を境界位置確認回路148によって検出する。すなわち、図22に示されているように、閾値を超える輝度を有する画素において、水平方向で撮影画像132の左端に位置する画素を検出することにより、閾値よりも高い輝度の画素が存在する撮影画像132上での境界を検出することが出来る。なお、本実施形態では、図23に示されているように、ライン上の各画素に対して画像中で左側から何番目の画素であるかを示す位置番号(X1,X2,X3・・・Xn)が付されており、図22に示されているように、撮影画像上において閾値(La)よりも高い輝度を有する画素のうちで最左端に位置する画素の位置番号(Xa)を取得することによって、上記境界を特定することが出来るようになっている。
そして、S65において、検出された境界(図22,23におけるXa)上に位置する画素が、予め設定された画像上の領域(図22におけるRl)の範囲内に位置せしめられているかどうかを、第二の撮像状態判定回路150で判定する。これによって、角膜構造の中で前房aと角膜内皮enの撮影画像132上での境界を検出して、角膜内皮enの撮像の画像上での左右方向位置を判定することが出来る。なお、所定の領域:Rlは、角膜内皮enの左端が当該領域内に位置せしめられている場合に、撮像が合焦位置付近のものとなるように設定されている。
ここで、第二の撮像状態判定回路150によって境界(図22,23におけるXa)上に位置する画素が所定の領域(図22におけるRl)外に位置せしめられていると判定された場合には、例えば、角膜内皮細胞136の撮像が画像中の左右方向でずれている(例えば、図10に示された撮像であって、図15に示すような輝度分布となる)ことが推測される。それ故、輝度の高い領域の左端境界が所定領域外に位置せしめられている場合には、画像の写り具合が悪い(有用ではない画像である)と評価されて、撮影画像132が破棄される。この場合には、後述するS6f以降の処理を実行する。
一方、第二の撮像状態判定回路150によって境界(図22におけるXa)上に位置する画素が所定の領域(図22におけるRl)の範囲内に位置せしめられていると判定された場合には、角膜内皮細胞136の撮像が画像中の略中央に位置せしめられた撮像状態の良好な画像であることが推測される(例えば、図12に示された撮像であって、図17に示すような輝度分布を示す)。この場合には、S68において、新規に撮影された撮影画像132と記憶装置124に記憶済みの撮影画像について、隣り合う画素の輝度値差の総和の平均値を算出する。
すなわち、S68において、輝度値差算出回路152が、S64で輝度情報を取得された水平線:l1〜l5の各ライン上の画素(X1〜Xn)に対して、水平線:l1〜l5毎にそれぞれ、数式1に基づいて(i)水平方向で隣り合う画素の輝度値差の絶対値を求めて、(ii)当該輝度値差の総和を求める。そして、数式1に基づいて各水平線:l1〜l5毎に求めた輝度値差の総和の平均値を算出する。
また、S69において、記憶装置124に記憶済みの撮影画像数が、記憶装置124の記憶可能画像数と等しいか否かを記憶可否判定回路154で判定する。なお、記憶可否判定回路154は、必ずしも画像の数を判定するものでなくても良く、例えば、記憶装置124の記憶可能な総データ量から既に画像データを記憶している使用済み容量を減算して、記憶装置124の空き容量を算出すると共に、撮影画像132のデータサイズが記憶装置124の空き容量よりも大きいか否かを判定するようになっていても良い。これによれば、正確に記憶可能枚数を把握して、より多数の画像を確保することが出来得る。
そして、記憶装置124に既に記憶されている画像数が、記憶装置124の記憶可能な画像数と等しくない場合には、後述するS6c以降の処理を実行する。
一方、記憶装置124に既に記憶されている画像数が、記憶装置124の記憶可能画像数と等しい場合には、S6aにおいて、S68で算出した撮影画像132における隣接する画素間での輝度値差の総和の平均値が記憶装置124に記憶済みの各画像における輝度値差の総和の平均値の最小値よりも大きいか否かを第三の撮像状態判定回路156で判定する。
なお、輝度値差の総和の平均値は、数値が大きいほど角膜内皮細胞像がより広い範囲で撮像された画像であると認識される。即ち、図24および図6に概略的に示すように、例えば前房aの撮影画像は、房水で照射光束が透過せしめられて、反射光束が殆ど得られないことから、全体的に暗い画像となる。また、角膜実質sの撮影画像は、角膜実質sが透明とされていることから、前房aと同様に照射光束が透過せしめられて、全体的に暗い画像となる(例えば、図10に示す画像がそれであって、図15に示すような輝度分布となる)。更に、角膜上皮eでは反射光量が多いことから、全体的に一様な明るい画像となる(例えば、図12に示す画像がそれであって、図17に示すような輝度分布となる)。従ってこれらの部位の画像は、隣接するがその輝度値の差が小さくなる。これに対して角膜内皮enでは、内皮細胞の中央部分と細胞壁によるコントラストが明確に現れて、隣接する画素の輝度値の差が大きくなることから、角膜内皮細胞enが広範囲にわたって撮像された画像では、輝度値差の総和が大きくなるのである(例えば、図14に示す画像がそれであって、図19に示すような輝度分布となる)。
それ故、第三の撮像状態判定回路156において、新規撮影画像132の輝度値差の総和の平均値が、記憶済み撮影画像の輝度値差の総和の平均値の最小値以下であると判定された場合には、角膜内皮像の撮像状態が悪い(角膜内皮合焦位置付近で撮影された画像ではない)と評価して、撮影画像132を破棄すると共に、後述するS6f以降の処理を実行する。
一方、第三の撮像状態判定回路156において、新規撮影画像132の輝度値差の総和の平均値が、記憶済み撮影画像の輝度値差の総和の平均値の最小値よりも大きいと判定された場合には、角膜内皮像の撮像状態が良好な画像である(角膜内皮合焦位置付近で撮影された画像である)と評価される。この場合には、S6bにおいて、記憶装置124に記憶済みの撮影画像のうちで、輝度値差の総和の平均値が最小である画像のデータを破棄して、記憶装置124において新規撮影画像132を記憶する空き容量を確保すると共に、S6cにおいて、撮影画像132を記憶装置124に記憶させる。これにより、角膜内皮細胞像が有効に得られた撮像状態の良い画像を記憶装置124に優先的に記憶させることが出来る。なお、本実施形態においては、第三の撮像状態判定手段が、輝度値差算出回路152と第三の撮像状態判定回路156を含んで構成されている。
なお、本実施形態においては、上記判定を行う前に、所定の水平線(例えば、前記水平線:l1〜l5)上において、輝度値が240以上の画素が連続して50μm〜100μm程度の範囲に亘って存在する場合には、かかる画像を排除するようにされていても良い。即ち、画像に角膜上皮の一部が写っている場合、角膜上皮と角膜実質との境界線上で大きな輝度値差が生じる。それ故、角膜内皮細胞との合焦位置が正しく得られない(ピンぼけ)などして、角膜内皮における輝度値差の総和が小さくなった場合に、角膜実質との境界線の影響で輝度値差が大きくなって、角膜上皮が撮像された画像が選択されるおそれがある。従って、上記判断基準を用いることによって、角膜上皮の一部が写った画像を排除することが可能となる。
また、本実施形態では、撮影画像132を記憶装置124に記憶せしめて記憶済み画像とすると共に、S6dにおいて、優先順位設定回路158が、記憶済み画像に対して第三の撮像状態判定回路156における評価結果に基づいて利用優先順位を付するようになっている。この利用優先順位を利用して、例えば、撮像データの並び順の自動的な変更(優先順位の順番に画像ファイルを整列せしめる)や、後述する表示手段への表示順の自動的な変更(優先順位の順番に基づいて優先的乃至は選択的に表示せしめる)、或いは、自動的な印刷の要否判定(優先順位の高い画像を選択的に印刷せしめる)等を実現することが可能である。これによって、撮像状態が良好であると評価された記憶済み画像について、更に詳細な撮像状態を利用優先順位によって容易に把握することが出来る。なお、優先順位設定回路158によって設定される利用優先順位は、例えば、S68の処理とS69の処理の間において、撮影画像132と記憶済み画像を含んだ全画像に対して設定されるようになっていても良い。この場合には、第三の撮像状態判定回路における撮像状態の評価に優先順位を利用することも出来る。即ち、第三の撮像状態判定回路において優先順位の最も低い画像(撮像状態が最も悪いと評価された画像)を選択せしめると共に、当該選択された画像をS6bにおいて破棄するようにしても良い。
なお、本実施形態においては、S68において水平線:l1〜l5毎に算出された輝度値差の総和から画像毎に平均値を求めて、その値を画像間で比較することにより取捨選択を実行するようになっているが、必ずしも平均値を利用する必要はなく、例えば、水平線:l1〜l5毎に算出された輝度値差の総和における最大値或いは最小値を取得して画像間で比較し、最小の数値を示す画像を破棄するようにしても良い。
以上より明らかなように、第一〜第三の撮像状態判定回路146,150,156を含んで、本実施形態における画像評価手段が構成されている。また、本実施形態では、第一〜第三の撮像状態判定回路146,150,156によって画像の撮像状態を評価すると共に、評価結果に基づいて画像を自動的に取捨選択するようになっている。
また、S6fにおいて、撮影回数:Xが、撮影予定回数(総撮影回数):Aと等しいか否かを判定する。そして、X=Aである場合には、撮影と撮像の取捨選択処理を終了する。一方、X<Aである場合には、S62以降の処理を再び実行して、連続撮影と撮像の取捨選択処理を続行する。なお、撮影の終了は、必ずしも撮影回数に基づいて判定される必要はなく、撮影開始からの経過時間や装置光学系10の作動状態(例えば、装置光学系10の移動速度や加速度、装置位置等)等に基づいて判定されるようになっていても良い。
以上により、画像選択回路122における撮影画像の自動的な取捨選択が行われる。なお、取得した撮影画像を表示画面110に表示せしめることも出来る。この場合には、S68において算出される輝度値差の総和に基づいて、記憶装置124に記憶された複数の画像の中から撮影状態が良好な画像を選択的に乃至は優先的に表示せしめることも可能である。本実施形態では、複数枚の撮影画像を記憶装置124において記憶して、それらの画像を撮像状態の判定結果に応じて判定結果の良い画像(輝度値差の総和が大きい画像)から順番に並べてモニタに表示するようになっている。このようなモニタへの表示は必須ではなく、例えば、記憶装置124に記憶された撮影画像データのファイル名に撮像状態の判定結果順にナンバーを付して、取得した各撮影画像データの撮像状態を容易に把握できるようにしても良い。また、例えば、本実施形態において記憶装置124に記憶された複数枚の角膜内皮画像を何れも画像データとして取得すると共に、撮像状態が良好であると判定された画像を選択的に且つ自動的に印刷するようにしても良い。
このような構造とされた角膜内皮撮影装置100においては、装置光学系10を角膜Cの後方から移動せしめて、角膜Cの内皮の後端部の反射光によって角膜内皮細胞の位置を検出することから、角膜実質等の反射光の影響を受けることなく、角膜内皮細胞の位置を正確に検出することが出来る。そして、かかる角膜内皮細胞からの反射光は、実際に被検眼Eから反射されるものであることから、各被検者毎の角膜厚みの違いに関わらず、角膜内被細胞の位置を正確に検出することが出来る。従って、角膜内皮細胞像の撮像を確実に行なうことが出来る。
また、本実施態では、画像選択回路122において撮影画像の自動的な取捨選択が行われることから、撮像状態の良い画像のみを取り扱うことが出来る。これにより、検者が連続的撮像によって取得される複数の画像を写り具合に応じて取捨選択する作業を省くことが出来て、作業の効率化と検者の作業負担の軽減を図ることが出来る。
特に本実施形態では、特定の水平線:l1〜l5上に位置する画素の輝度値を利用することにより、撮影画像の撮像状態を迅速に評価することが出来る。それ故、撮影と併せて撮影画像の取捨選別を行うことによって撮影時間が大幅に延長されるのを防ぐことが出来て、撮影時における被験者や検者の負担の増大を回避することが出来る。
しかも、複数条の水平線:l1〜l5上に位置する画素の輝度値を利用することにより、撮像状態を高精度に評価することが出来る。それ故、撮像の誤選別によって有用な画像が破棄されたり不要な画像が記憶されるのを有利に防いで、再度の撮影が必要になったり、検者が画像の選別作業を別途行わなくてはならないといった事態の発生を有利に回避することが出来る。
また、本実施形態では、第一の撮像状態判定回路146による閾値を超える高輝度画素の存在と、第二の撮像状態判定回路150による高輝度画素の画像上での左右方向位置と、第三の撮像状態判定回路156による画素間でのコントラストを、それぞれ判定して、その結果によって画像の撮像状態(写り具合)を評価するようになっている。それ故、撮影画像の誤選別をより有利に回避することが出来ると共に、撮影画像の写り具合の評価をより高精度に行うことが出来る。また、記憶装置124の容量の小型化をより有利に図ることも可能になり得る。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記装置光学系10はあくまでも例示であって、各光学系を構成するレンズやスリットの構成および配設位置などは、前述の如き構成に限定されない。例えば、前述の実施形態においては、観察光学系12の光軸O1上にコールドミラー27が配設されていたが、例えば、コールドミラー27に代えて、受光光束を全反射するミラーを光軸O1上から外れた位置で、撮像用光源40からの光束を反射してCCD28に導く位置に配設する等しても良い。ここにおいて、観察用光源30,30は必ずしも赤外光源とされる必要は無く、可視光源を用いても良い。或いは、受光光束を全反射するミラーを観察光学系12の光軸O1上に移動可能に配設して、観察光学系12の光束を遮光しつつ撮像光学系20の光束をCCD28に導く状態と、観察光学系12の光軸O1上から外れた位置に移動して観察光学系12の光束をCCD28に導く状態の何れかを択一的に発現せしめたりしても良い。また、観察用光源54とラインセンサ44の位置を入れ替える等しても良い。
なお、前述の実施形態におけるラインセンサ44は必ずしも必要ではないのであって、例えば、CCD28を用いて角膜上皮位置を検出した後に、所定距離だけ被検眼Eに向けて前進した位置を反転位置として、かかる反転位置から後退作動を開始するなどしても良い。具体的には、装置光学系10を被検眼Eに向けて前進せしめつつ、撮像用光源40による被検眼Eからの反射光をCCD28で受光する。そして、CCD28によって角膜上皮からの反射光を検出するまで、装置光学系10を前進せしめる。ここにおいて、角膜上皮からの反射光の検出は、例えば、前記実施形態において、角膜内皮細胞からの反射光を検出する場合(図4中、S5)と略同様に行なうことが出来る。即ち、CCD28によって受像された画像から、所定数(例えば、5本)の水平線上の画素の輝度値を取得して、角膜上皮からの反射像に相当する所定値以上の輝度値を有する画素数が所定数を超えた時点で、角膜上皮からの反射光を検出したと判定する。
そして、角膜上皮からの反射光を検出した位置から、角膜厚みを考慮して、角膜内皮細胞の後方に達することの出来る所定距離(例えば、前記実施形態において図7に示す距離:D1)だけ、装置光学系10を更に前進せしめる。これにより、装置光学系10を、前記実施形態における反転開始位置と略同じ位置に位置決めすることが出来る。そして、かかる位置から反転作動を開始して、撮像を開始する。なお、このような態様においては、撮像用光源40は、角膜上皮からの反射光を検出するために、前進作動の開始時から発光が開始されていることから、後退作動の開始時点で既に発光せしめられることとなる。
このような態様によれば、ラインセンサ44も不要となることから、より簡易な構成をもって、正確な角膜内皮細胞像の撮像を行なうことが出来る。また、構成が簡易となることから、角膜内皮撮影装置の小型化を図ることも出来る。
また、前記実施形態においては、画像評価手段として第一〜第三の撮像状態判定回路146,150,156を採用しているが、画像評価手段としては、画像上の所定領域に位置する画素の輝度情報を利用したものであれば良い。
すなわち、前記実施形態においては、高輝度画素の有無、高輝度画素の位置、画素のコントラストを利用して、撮像状態を評価する例が示されているが、例えば、撮影画像の左右長に対する高輝度画素の存在領域の左右長(図12〜図14におけるx)の比率を利用して撮像状態を評価することも出来る。また、例えば、画像全体の総画素数に対する高輝度画素の数の比率を算出して、算出結果に基づいて撮像状態を評価することも可能である。
また、前記実施形態においては、S65において角膜構造における前房aと角膜内皮enの境界位置を検出して、該境界位置を利用して撮影画像における角膜内皮enの画像左右方向での位置を判定しているが、角膜内皮enの左右方向での位置を判定する手段としては、前記実施形態に具体的に示されたものに限定されるものではない。
具体的には、例えば、角膜構造における角膜内皮enと角膜実質sの境界を検出して、該境界位置を利用して撮影画像における角膜内皮enの画像左右方向での位置を判定することも出来る。即ち、図22に示されているように、S66において、予め設定された輝度の閾値:Lbを超える輝度値を有する画素のうちで撮影画像中右端に位置する画素の位置番号(Xb)を境界位置情報として取得し、該右端に位置する画素(Xb)が画像左右方向で所定の領域:Rrの範囲内に位置しているか否かを判定する。これにより、角膜内皮enの画像上での左右方向位置を検出して撮像状態を判定することが出来る。なお、S65における前房aと角膜内皮enの境界位置を利用した角膜内皮enの写り具合の判定と、上記した角膜内皮enと角膜実質sの境界位置を利用した角膜内皮enの写り具合の判定を、組み合わせて実施することにより、高精度な写り具合の判定を行うことも可能であるし、何れか一方のみを行って角膜内皮enの写り具合を迅速に判定するようにしても良い。
さらに、例えば、図25に示されているように、輝度の閾値として下限の閾値:Lminと上限の閾値:Lmaxをそれぞれ設定して、LminとLmaxの中間の輝度値を有する画素の数に基づいて写り具合の評価を行うことも可能である。即ち、LminとLmaxの間の輝度値とされた画素の輝度情報を取得した全画素数に対する割合が大きければ、角膜内皮enの写り具合が良いと判定することが出来る。なお、輝度値の下限の閾値であるLminが合焦時に角膜内皮enを撮影した場合の輝度値を基準に設定されると共に、輝度値の上限の閾値であるLmaxが角膜上皮eを撮影した場合の輝度値を基準に設定される。また、LminとLmaxの間に連続的に位置する画素群の水平方向の長さの総和などを利用することによって、撮影画像上で角膜内皮enが写っている領域をより正確に把握して、写り具合の判定精度を高めることも出来る。更に、Lmin以下の輝度値を有する画素やLmax以上の輝度値を有する画素の数や連続性を併せて検出することにより、画像上における角膜構造の各部の写り具合をより精度良く把握することも可能となり得る。
また、前記実施形態では、閾値を超える輝度を有する画素の境界位置が、所定の領域Rl上に位置せしめられているか否かを判定して、撮像状態を評価するようになっていたが、例えば、図15〜19に示されているように、左右方向の閾値(Xs)を設定して、|Xa−Xs|の数値に基づいて画像の撮像状態を評価しても良い。即ち、|Xa−Xs|の数値が小さいほど角膜内皮合焦位置に近い位置で撮影された撮像状態の良好な画像であると認識することが出来る。
本発明の一実施形態としての光学系を説明するための説明図。 本発明の一実施形態としての角膜内皮撮影装置を説明するための説明図。 図1に示した光学系に接続される制御回路等を説明するための説明図。 角膜内皮撮影装置の撮影手順を示すフローチャート。 表示画面に表示される前眼部を説明するための説明図。 角膜各層における反射光束を説明するための説明図。 光量検出手段によって検出される光量分布を示す説明図。 装置光学系の移動速度を変化を示す説明図。 角膜内皮反射光の検出方法および画像の取捨選択方法を説明するための説明図。 図8中、P3の位置に相当する角膜内皮細胞像。 図8中、P4の位置に相当する角膜内皮細胞像。 図8中、P5の位置に相当する角膜内皮細胞像。 図8中、P6の位置に相当する角膜内皮細胞像。 図8中、P7の位置に相当する角膜内皮細胞像。 図10に示された角膜内皮細胞像の輝度分布を示す説明図。 図11に示された角膜内皮細胞像の輝度分布を示す説明図。 図12に示された角膜内皮細胞像の輝度分布を示す説明図。 図13に示された角膜内皮細胞像の輝度分布を示す説明図。 図14に示された角膜内皮細胞像の輝度分布を示す説明図。 画像選択回路を示すブロック図。 撮影画像の取捨選択手順を示すフローチャート。 内皮合焦画像の輝度分布波形と閾値設定を説明するための説明図。 画像の取捨選択方法を説明するための説明図。 角膜各層の構造を説明するための説明図。 本発明の別の一実施形態における内皮合焦画像の輝度分布波形と閾値設定を説明するための説明図。
符号の説明
10:装置光学系、12:観察光学系、14:撮像照明光学系、16:位置検出光学系、18:位置検出照明光学系、20:撮像光学系、28:CCD、30:観察用光源、40:撮像用光源、44:ラインセンサ、54:観察用光源、64:固視標光学系、66:アライメント光学系、74:固視標光源、82:アライメント光源、84:アライメント検出光学系、88:アライメント検出センサ、110:表示画面、122:画像選択回路、124:記憶装置、132:画像、142:画像データ取得回路、144:輝度情報取得回路、146:第一の撮像状態判定回路、148:境界位置確認回路、150:第二の撮像状態判定回路、152:輝度値差算出回路、154:記憶可否判定回路、156:第三の撮像状態判定回路、158:優先順位設定回路

Claims (9)

  1. スリット光束を被検眼に対して斜めから照射する照明光源を備えた照明光学系と、該スリット光束による該被検眼の角膜からの反射光束を受光して角膜像を撮像する光電素子を備えた撮像光学系とを備え、それら照明光学系および撮像光学系を全体として該被検眼に対して接近乃至は離隔方向に移動させる移動手段と、前記光電素子により撮像された撮影画像を記憶する記憶手段とを備えた角膜撮影装置において、
    前記移動手段により前記照明光学系と前記撮像光学系を全体として移動させて複数の異なる位置で前記撮像光学系により複数の角膜像を撮像せしめるようにする一方、それら各撮影画像において所定領域における輝度情報を取得する輝度情報取得手段を設けると共に、該輝度情報取得手段によって取得される輝度情報に基づいて前記撮影画像における角膜内皮の撮像状態を評価する画像評価手段を有し、前記画像評価手段による撮像状態の評価結果に基づいて前記記憶手段に記憶された撮影画像の利用優先順位を設定することを特徴とする角膜内皮撮影装置。
  2. 前記画像評価手段による撮像状態の評価結果に基づいて前記撮影画像を取捨選択するようにした請求項1に記載の角膜内皮撮影装置。
  3. 前記撮影画像の取捨選択の結果、選択された撮影画像を前記記憶手段に記憶せしめる一方、選択されなかった撮影画像を該記憶手段に記憶させる前に廃棄するようにした請求項2に記載の角膜内皮撮影装置。
  4. 前記利用優先順位に基づいて前記記憶手段に記憶された撮影画像を表示する画像表示手段を設けた請求項1乃至3に記載の角膜内皮撮影装置。
  5. 前記輝度情報取得手段が撮影画像上において少なくとも一条の直線上に位置する画素の輝度情報を取得する請求項1乃至の何れか一項に記載の角膜内皮撮影装置。
  6. 前記画像評価手段が、前記輝度情報取得手段によって取得される画素の輝度情報に基づいて予め設定された輝度の閾値よりも輝度が高い画素の数を求める第一の撮像状態判定手段を含んで構成されている請求項1乃至の何れか一項に記載の角膜内皮撮影装置。
  7. 前記画像評価手段が、前記輝度情報取得手段によって取得される画素の輝度情報に基づいて画像上における角膜内皮の水平方向位置を検出する第二の撮像状態判定手段を含んで構成されている請求項1乃至の何れか一項に記載の角膜内皮撮影装置。
  8. 前記画像評価手段が、前記輝度情報取得手段によって取得される画素の輝度情報に基づいて前記撮影画像において水平方向で隣り合う画素の輝度値差の総和を算出する第三の撮像状態判定手段を含んで構成されている請求項1乃至の何れか一項に記載の角膜内皮撮影装置。
  9. スリット光束を被検眼に対して斜めから照射する照明光源を備えた照明光学系と、該スリット光束による該被検眼の角膜からの反射光束を受光して角膜像を撮像する光電素子を備えた撮像光学系とを備え、それら照明光学系および撮像光学系を全体として該被検眼に対して接近乃至は離隔方向に移動させる移動手段と、前記光電素子により撮像された撮影画像を記憶する記憶手段とを備えた角膜撮影装置を用いて、目的とする内皮合焦の画像を撮影取得する角膜内皮撮影方法であって、
    前記移動手段により前記照明光学系と前記撮像光学系を全体として移動させて複数の異なる位置で前記撮像光学系により複数の角膜像を連続的に撮像すると共に、それら各撮影画像において所定領域における輝度情報を取得し、取得された輝度情報に基づいて該撮影画像における角膜内皮の撮像状態を評価し、かかる評価結果に基づいて前記撮影画像の利用優先順位を設定して、複数の角膜像を選択的に記憶及び/又は表示せしめることを特徴とする角膜内皮撮影方法。
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