JP6711638B2 - 眼科装置 - Google Patents

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この発明は、眼科装置に関する。
眼科装置は、光学系を用いて被検眼の特性を測定したり被検眼を撮影したりすることが可能な装置である。このような眼科装置には、角膜内皮細胞撮影装置などがある(特許文献1)。角膜内皮細胞撮影装置は、被検眼の角膜に光を照射し、角膜内皮からの反射光を受光して角膜内皮細胞を撮影することが可能な装置である。角膜内皮細胞撮影装置によれば、その光軸方向に被検眼に対する撮影光学系のアライメントを行って角膜内皮にピントを合わせることにより角膜内皮細胞の鮮明な画像が得られる。
角膜内皮細胞の撮影には、被検眼に対する撮影光学系のアライメントを精密に行うことが求められる。被検眼に対する撮影光学系の相対位置がずれた状態で角膜内皮細胞の撮影が行われた場合、角膜内皮細胞の鮮明な画像が得られなくなり、細胞密度などの診断に支障をきたす。
ところが、装置がアライメント完了を認識してから撮影を開始するまでの僅かな時間であっても、固視微動などの被検眼の動きによりアライメント完了時の相対位置がずれてしまう場合がある。
そこで、例えば特許文献2には、被検眼に近い位置から測定ヘッドを後退させつつ複数回の撮影を行う手法が開示されている。この手法によれば、測定ヘッドを後退させつつ撮影が行われるため、被検者への接触の危険性を回避し、撮影により得られた複数の画像から最も良好と判断された画像を取得することが可能である。
また、例えば特許文献3には、被検眼の瞳孔中心等の基準位置と光学系との位置合わせの測定許容領域を3つの領域A1〜A3に分割し、各領域においてあらかじめ決められた測定制御及び位置合わせ制御の少なくとも一方を行う手法が開示されている。領域A1は、測定を許容し、被検眼の基準位置と光学系との位置合わせを行うように制御される領域である。領域A2は、領域A1内に設けられ、測定を許容する領域である。領域A3は、領域A1及びA2の外側に設けられ、被検眼の基準位置と光学系との位置合わせを行うように制御される領域である。
特開2015−146859号公報 特許第4916255号公報 特開2001−340297号公報
しかしながら、角膜内皮細胞の撮影では、被検眼に対して斜め前方から強い光が照射されるため、被検者は当該光の入射方向に視線を向けてしまったり、その逆に当該光の入射方向から視線をそらしまったりする場合がある。或いは、被検者が瞼を閉じてしまったり、額当てから額を離してしまったりする場合がある。従って、特許文献2に開示された手法では、2枚目以降の画像には良好な画像が含まれない場合が多くなる。
また、測定を許容する領域の境界近傍で位置合わせが完了した場合、撮影を開始するまでの僅かな時間であっても、固視微動などの被検眼の動きにより位置合わせ完了時の相対位置がずれてしまう場合が多い。従って、特許文献3に開示された手法でも、安定して良好な画像を取得することはできない。相対位置がある程度ずれても良好な画像を取得できるように測定を許容する領域を狭くすることも考えられるが、被検眼の移動により被検眼の基準位置と光学系との位置合わせが完了しなくなる可能性が高くなる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検眼に対する光学系のアライメントを行って迅速に安定して被検眼の良好なデータを光学的に取得することが可能な眼科装置を提供することを目的とする。
実施形態に係る眼科装置は、光学系と、移動機構と、変位検出部と、判定部と、制御部とを含む。光学系は、被検眼のデータを光学的に取得する。移動機構は、光学系を移動させる。変位検出部は、基準位置に対する光学系の変位を検出する。判定部は、変位検出部により検出された変位が許容範囲に含まれるか否かを判定する。制御部は、変位が許容範囲に含まれないと判定されたとき、基準位置に対する光学系の変位の増加に伴い連続的又は段階的に増加する移動速度で変位に応じた移動方向及び移動速度に基づいて移動機構を制御し、変位が許容範囲に含まれると判定されたとき、変位をキャンセルするように移動機構を制御した後に光学系にデータの取得を複数回実行させる。
この発明によれば、被検眼に対する光学系のアライメントを行って迅速に安定して被検眼の良好なデータの取得が可能な眼科装置を提供することができる。
実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の光学系の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の動作説明図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の動作説明図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の動作説明図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の動作説明図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の処理系の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の動作説明図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の動作説明図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の動作例のフロー図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の動作例のフロー図である。 実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の動作説明図である。
この発明に係る眼科装置の実施形態の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書において引用された文献の記載内容や任意の公知技術を、以下の実施形態に援用することが可能である。
実施形態に係る眼科装置は、被検眼(対象眼、患者眼)のデータを光学的に取得するための光学系(撮影光学系、測定光学系、検査光学系など)を備え、被検眼に対する光学系のアライメントを行うことが可能な装置である。このようなアライメントは、被検眼のデータを光学的に取得することが可能な任意の眼科装置に適用することができる。光学的に取得される被検眼のデータには、被検眼の画像や被検眼に対する測定結果などがある。このような眼科装置には、光コヒーレンストモグラフィを用いた眼底像撮影装置、眼底カメラ、走査型レーザー検眼鏡、細隙灯顕微鏡、眼屈折力測定装置、眼圧計、角膜内皮細胞撮影装置、眼科用手術顕微鏡、これらを組み合わせた複合機などがある。以下、実施形態に係る眼科装置が、角膜内皮細胞撮影装置である場合について説明する。
以下では、被検者から見て左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とし、被検者から見て光学系の奥行き方向(光軸方向、前後方向)をZ方向とする。X方向及びY方向をXY方向と表記する場合がある。また、角膜内皮細胞を撮影するための光学系の位置として、当該光学系が設けられた測定ヘッドの被検眼側の前端部の位置を例に説明するが、これに限定されるものではない。
実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置は、被検眼にスリット光を照射し、角膜内皮からの反射光を受光して角膜内皮細胞を撮影することが可能な装置である。角膜内皮細胞撮影装置は、基台と、基台の上方に設けられたベース部と、ベース部に対してX方向、Y方向及びZ方向に移動可能な測定ヘッドとを含む。測定ヘッドには、被検眼の角膜内皮細胞を撮影するための光学系が設けられている。基台には、顎受け部と額当て部とを保持する保持部材が設けられている。顎受け部に顎を載せつつ額当て部に額を当てた被検者に対して測定ヘッドを移動させることにより、被検眼に対する光学系のアライメントを行うことが可能である。
[光学系]
図1に、実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の光学系の構成例を示す。図1に示す光学系は、上記の測定ヘッドに設けられている。
角膜内皮細胞撮影装置1は、前眼部観察光学系10と、角膜内皮細胞照明光学系20と、角膜内皮細胞撮影光学系30と、発散光投影光学系70と、発散光受光光学系80とを含む。前眼部観察光学系10は、被検眼Eの前眼部を観察するための光学系を備えている。角膜内皮細胞照明光学系20は、被検眼Eの角膜内皮細胞を照明するための光学系を備えている。発散光投影光学系70は、被検眼Eの角膜Cに向けて発散光を投影(照射)するための光学系を備えている。発散光受光光学系80は、発散光投影光学系70により角膜Cに投影された発散光の反射光を受光するための光学系を備えている。
前眼部観察光学系10には、XYアライメントを行うためのアライメント視標を投影するアライメント視標投影光学系40と、固視標(内部固視標)を投影する内部固視標投影光学系50とが設けられている。
角膜内皮細胞撮影光学系30には、Zアライメントを行うためのスリット光を受光するスリット光受光光学系60が設けられている。
(前眼部観察光学系)
前眼部観察光学系10は、前眼部照明光源11と、透明な観察窓ガラス12と、ハーフミラー45と、対物レンズ14と、結像レンズ15と、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOSからなる撮像素子16とを含む。前眼部照明光源11からの光で照射された被検眼Eの前眼部からの反射光は、観察窓ガラス12を通過し、ハーフミラー45を透過し、対物レンズ14を通過する。対物レンズ14を通過した光は、結像レンズ15により撮像素子16の撮像面に結像される。撮像素子16は、所定のレートで撮像及び信号出力を行う。撮像素子16の出力(映像信号)は、処理部2に入力される。処理部2は、この映像信号に基づく前眼部像E’を表示部5の表示画面に表示させる。前眼部像E’は、例えば赤外動画像である。
(アライメント視標投影光学系)
アライメント視標投影光学系40は、近赤外光を発光する発光ダイオードを含むアライメント視標光源(点光源)41と、集光レンズ42と、ダイクロイックミラー43と、コリメータレンズ44と、ハーフミラー45とを備えている。
アライメント視標光源41から出力されたアライメント視標光は、集光レンズ42により集光されてダイクロイックミラー43で反射され、コリメータレンズ44に達する。コリメータレンズ44に到達したアライメント視標光は、コリメータレンズ44により平行光束K(図2参照)とされ、ハーフミラー45により反射される。ハーフミラー45により反射された平行光束Kは、図2に示すように、観察窓ガラス12を介して、被検眼Eの角膜Cに導かれる。図2において、位置Pは角膜頂点(角膜上皮頂点)を示し、位置Qは被検眼Eの角膜Cの距離中心位置を示す。
角膜Cに導かれた平行光束Kによる角膜表面Tの角膜反射光は、観察窓ガラス12に入射してハーフミラー45を透過し、対物レンズ14に導かれる。対物レンズ14に導かれた角膜反射光は、結像レンズ15によりCCD16の撮像面に結像される。撮像素子16の撮像面には、アライメント視標光のプルキンエ像(輝点)Rによる像R´(図示せず)が形成される。それにより、表示部5の表示画面には、被検眼Eの前眼部像E´とアライメント視標光のプルキンエ像による像Br(以下、輝点像Br)とが同時に表示される。手動でXYアライメントを行う場合、検者等のユーザは、アライメントマークAL内に輝点像Brを誘導するように光学系の移動操作を行う。自動でアライメントを行う場合、処理部2は、アライメントマークALに対する輝点像Brの変位をキャンセルするように、光学系を移動させるための移動機構を制御する。
(内部固視標投影光学系)
内部固視標投影光学系50は、内部固視標光源51を含む。内部固視標光源51には、中心固視用の発光ダイオードと、この発光ダイオードの周囲に配置された複数の発光ダイオードとが設けられている。内部固視標光源51から出力された固視用光束は、ダイクロイックミラー43を透過し、コリメータレンズ44により平行光束にされてハーフミラー45により反射される。ハーフミラー45により反射された平行光束は、観察窓ガラス12を介して被検眼Eに投影される。角膜Cの中心部位を撮影する場合に、中心固視用の発光ダイオードを発光させる。角膜Cの中心部位を囲む周辺部の部位を撮影する場合、中心固視用の発光ダイオードの周囲に配置された複数の発光ダイオードを発光させる。
(発散光投影光学系)
発散光投影光学系70は、角膜内皮細胞照明光学系20の外側に配置された光源71を備えている。光源71は、近赤外光である発散光を出力する。発散光は、被検眼Eの角膜Cに対して斜めから(光軸O1に対して斜めから)角膜Cに向けて投影される。
(発散光受光光学系)
発散光受光光学系80は、集光レンズ81と、ラインセンサ82とを備えている。集光レンズ81は、前眼部観察光学系10の光軸O1に対して発散光投影光学系70の光軸と対称な角度の光軸上に配置されている。集光レンズ81は、発散光投影光学系70により角膜Cに投影された発散光の反射光をラインセンサ82の受光面(検出面)に集光する。ラインセンサ82は、光源71の角膜Cによるプルキンエ像と光学的にほぼ共役な位置に配置されている。ラインセンサ82には、前眼部観察光学系10の光軸O1の方向(Z方向)に対応するように配列された複数の受光素子(検出素子)が設けられている。
図3に、ラインセンサ82に達する角膜Cでの発散光の反射光の強度分布の一例を示す。図3は、横軸にラインセンサ82における位置(番地)を表し、縦軸に反射光の信号強度を表している。反射光の強度分布の重心位置は、角膜Cの表面(角膜上皮)での反射光束の強度分布の重心位置に相当する。被検眼Eに対して光学系(測定ヘッド)をZ方向に移動させると、ラインセンサ82における反射光の受光位置が移動する。粗Zアライメント(前眼部観察光学系10の光軸O1方向の粗アライメント)が完了した場合、その重心位置Gaは例えばラインセンサ82の中心位置(予め設定した所定位置)となるように設定されている。従って、ラインセンサ82において重心位置Gaとして検出された受光位置(番地)を基準に、角膜Cの表面に対する光学系(測定ヘッド)の前後方向(Z方向)の位置を特定することができる。それにより、重心位置Gaがラインセンサ82の中心位置になるように光学系(測定ヘッド)を前後方向に移動させることによって粗Zアライメントを行うことができる。なお、反射光束の強度分布の重心位置Gaを求めているが、反射光束の強度分布のピーク位置であってもよい。
(角膜内皮細胞照明光学系)
角膜内皮細胞照明光学系20は、観察用照明光学系(スリット光照射光学系)90と、撮影用照明光学系100とを含む。
観察用照明光学系90は、観察用照明光源91と、集光レンズ92と、スリット93と、ダイクロイックミラー94と、対物レンズ95とを含む。観察用照明光源91は、例えば赤外発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。観察用照明光源91から出力された観察用光束は、集光レンズ92により集光され、スリット93を通過してスリット光とされる。スリット光とされた観察用光束は、ダイクロイックミラー94により反射され、対物レンズ95に導かれる。対物レンズ95に導かれた観察用光束は、角膜Cに向けて斜めから照射される。すなわち、角膜内皮細胞照明光学系20の光軸O2は光軸O1と交差するように設けられており、観察用光束は光軸O1に対して斜め方向から角膜Cを照射される。
撮影用照明光学系100は、撮影用照明光源101と、集光レンズ102と、スリット103とを備えている。撮影用照明光学系100と観察用照明光学系90とは、ダイクロイックミラー94及び対物レンズ95を共用するように設けられている。撮影用照明光源101は、可視光の発光ダイオードを含み、例えば、白色光や緑色や青色などの単色光の照明光(撮影光)を出力する。撮影用照明光源101から出力された照明光は、集光レンズ102により集光され、スリット103を通過してスリット照明光(スリット光)とされる。このスリット照明光は、ダイクロイックミラー94を透過し、対物レンズ95を通過し、角膜Cに照射される。なお、光源101は、LEDの他にキセノンフラッシュランプでもよい。
(角膜内皮細胞撮影光学系)
角膜内皮細胞撮影光学系30は、対物レンズ31と、ダイクロイックミラー32と、リレーレンズ33及び34と、マスク35と、反射ミラー36と、結像レンズ37と、反射ミラー38と、CCD39とを含む。ダイクロイックミラー32は、赤外光を反射し、可視光を透過する。マスク35は、CCD39と光学的にほぼ共役な位置に配置されている。角膜内皮細胞撮影光学系30の光軸O3は、光軸O1と交差するように設けられている。
角膜Cに投影されたスリット光(スリット照明光、観察照明光)の反射光は、対物レンズ31に導かれる。これらの反射光の光束は、図4に示すように反射光束R1、R2、R3を含む。反射光束R1は、角膜Cの角膜上皮である角膜表面Caの反射光束である。反射光束R2は、角膜内皮Cbの反射光束である。反射光束R3は、角膜Cの角膜実質Ccの反射光束である。反射光束R1、R2、R3の一部は、ダイクロイックミラー32を透過し、リレーレンズ33及び34を通過し、マスク35に入射する。マスク35は、被検眼Eに対する光学系(少なくとも角膜内皮細胞照明光学系20及び角膜内皮細胞撮影光学系30)のアライメントが合致した状態で角膜表面からの反射光束の部分を遮光し、角膜内皮細胞の反射光束の部分のみを透過するように配置されている。従って、マスク35に入射した反射光束R1、R2、R3のうち反射光束R2は、反射ミラー36により反射され、結像レンズ37により反射ミラー38を介してCCD39の撮像面に結像される。それにより、CCD39の撮像面に角膜内皮細胞像が結像され、この角膜内皮細胞像が撮像される。
(スリット光受光光学系)
スリット光受光光学系60は、精密Zアライメント検出光学系として、ラインセンサ61と、結像レンズ62とを含む。スリット光受光光学系60と角膜内皮細胞撮影光学系30とは、対物レンズ31とダイクロイックミラー32とを共用するように設けられている。ラインセンサ61は、角膜Cと光学的にほぼ共役な位置に配置されている。ラインセンサ61には、角膜Cの厚さ方向(光軸O1の方向、Z1方向)に対応するように配列された複数の受光素子が設けられている。
図5に、ラインセンサ61に達する角膜Cでのスリット光(スリット照明光、観察照明光)SIの反射光SOの強度分布の一例を示す。図5は、横軸にラインセンサ61における位置(番地)を表し、縦軸に反射光SOの信号強度を表している。反射光SOの強度分布は、2つのピークV1、V2を有する。ピークV1は、角膜Cの角膜表面Ca(角膜上皮)での反射光束により得られたピークである。ピークV1より低いピークV2は、角膜内皮Cbでの反射光束により得られたピークである。被検眼Eに対して光学系(測定ヘッド)をZ方向に移動させると、ラインセンサ61における反射光SOの受光位置が移動し、反射光SOの強度分布のピーク位置が移動する。精密Zアライメント(前眼部観察光学系10の光軸O1方向の精密アライメント(微アライメント))が完了した場合、ピークV2の検出位置は例えばラインセンサ61の中心位置(予め設定した所定位置)となるように設定されている。ピークV2の位置が例えばラインセンサ61の中心位置に一致したとき、光学系(測定ヘッド)は角膜内皮Cbに合焦されるように設定されている。すなわち、精密Zアライメントが完了したとき、角膜内皮細胞撮影光学系30(角膜内皮細胞撮影装置1)は角膜内皮Cbに合焦される。それにより、ピークV2の位置がラインセンサ61の中心位置になるように光学系(測定ヘッド)を前後方向に移動させることによって精密Zアライメントを行うことができる。
[処理系]
図6に、角膜内皮細胞撮影装置1の処理系の構成を示すブロック図を示す。角膜内皮細胞撮影装置1の処理系は、処理部2を含む。処理部2は、制御部200を中心に構成される。
(制御部)
制御部200は、角膜内皮細胞撮影装置1の各部の制御を行う。制御部200は、主制御部201と、記憶部202とを含む。主制御部201の機能は、例えばマイクロプロセッサにより実現される。記憶部202には、角膜内皮細胞撮影装置1を制御するためのコンピュータプログラムがあらかじめ格納される。このコンピュータプログラムには、各種の光源制御用プログラム、各種のセンサ(CCD)制御用プログラム、画像形成用プログラム、データ処理用プログラム及びユーザインターフェイス用プログラムなどが含まれる。このようなコンピュータプログラムに従って主制御部201が動作することにより、制御部200は制御処理を実行する。
ラインセンサ82やラインセンサ61の制御には、受光素子(検出素子)の露光調整やゲイン調整や検出レート調整などがある。制御部200は、ラインセンサ82やラインセンサ61から各受光素子の受光量に対応した検出信号を取得することができる。それにより、反射光の強度分布の特定が可能になる。
撮像素子16やCCD39の制御には、露光調整やゲイン調整や撮影レート調整などがある。制御部200は、撮像素子16やCCD39からの出力信号(映像信号)を取得することができる。制御部200は、取得された出力信号に基づき、画像形成部220により撮像素子16やCCD39の撮像面に結像された像を表す画像を形成させる。
前眼部照明光源11、アライメント視標光源41、内部固視標光源51、観察用照明光源91及び撮影用照明光源101の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。
また、制御部200(主制御部201)は、図1に示す光学系を含む測定ヘッドをX方向、Y方向及びZ方向に移動する移動機構210を駆動する駆動部210Dを制御することができる。例えば、駆動部210Dには、移動機構210を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。制御部200は、駆動部210Dに対して制御信号を送ることにより、移動機構210に対する制御を行う。
主制御部201は、変位検出部201Aと、判定部201Bと、アライメント制御部201Cとを含む。
(変位検出部)
変位検出部201Aは、所定の基準位置に対する測定ヘッド(図1に示す光学系)のZ方向の変位(ずれ量、ずれの方向)ΔZを検出する。基準位置は、図1に示す光学系(特に、角膜内皮細胞撮影光学系30)の焦点が角膜内皮に合致するような光学系(測定ヘッド)の位置である。このような基準位置は、被検眼Eの角膜内皮から図1に示す光学系の光軸O1の方向に光学系の所定の作動距離WDだけ離れた位置に相当する。ラインセンサ82の中心位置及びラインセンサ61の中心位置のそれぞれは、この基準位置に相当する位置である。
変位検出部201Aは、ラインセンサ82の複数の受光素子による反射光の受光結果(受光量)に基づいて、図3に示すような反射光の強度分布を求め、求められた強度分布の重心位置Gaを求める。変位検出部201Aは、求められた重心位置Gaとラインセンサ82の中心位置との変位に相当する変位ΔZを求める。それにより、基準位置に対する光学系のZ方向の粗アライメント用の変位が検出される。
変位検出部201Aは、ラインセンサ61の複数の受光素子による反射光の受光結果(受光量)に基づいて、図5に示すような反射光の強度分布を求め、求められた強度分布におけるピークV2の位置を求める。変位検出部201Aは、求められたピークV2の位置とラインセンサ61の中心位置との変位に相当する変位ΔZを求める。それにより、基準位置に対する光学系のZ方向の精密アライメント用の変位が検出される。
(判定部)
判定部201Bは、アライメントマークAL内にアライメント視標光に基づく輝点像Brが含まれるか否かを判定する。それにより、XYアライメントが完了したか否かの判定が行われる。
判定部201Bは、変位検出部201Aにより検出された変位ΔZが許容範囲に含まれるか否かを判定する。判定部201Bは、変位検出部201Aにより検出されたZ方向の変位ΔZがZアライメントの許容範囲dzに含まれるか否かを判定する。
また、判定部201Bは、後述するように、粗アライメント実行中に精密アライメントに移行するか否かを判定することが可能である。具体的には、判定部201Bは、Z方向の粗アライメント実行中にラインセンサ61によりスリット光の反射光が検出されたことを示す検出信号の有無を検出し、当該検出信号が出力されたことが検出されたとき、精密アライメントに移行すると判定する。
(アライメント制御部)
アライメント制御部201Cは、被検眼Eに対して光学系の位置合わせを行うためのXYアライメント及びZアライメントの実行を制御する。判定部201BによりアライメントマークAL内にアライメント視標光に基づく輝点像Brが含まれないと判定されたとき、アライメント制御部201Cは、アライメントマークALに対する輝点像Brの変位をキャンセルするように駆動部210Dを制御する。アライメントマークALに対する輝点像Brの変位は、主制御部201又はアライメント制御部201Cにより求められる。それにより、移動機構210による光学系のXY方向の移動が制御される。
判定部201Bにより変位ΔZが許容範囲dzに含まれないと判定されたとき、アライメント制御部201Cは、変位ΔZに応じた移動方向及び移動速度で駆動部210Dを制御する。変位ΔZが許容範囲dzに含まれると判定されたとき、アライメント制御部201Cは、変位ΔZをキャンセルするように駆動部210Dを制御する。それにより、移動機構210による光学系のZ方向の移動が制御される。変位ΔZに応じた移動方向は、変位ΔZの符号に対応した方向である。変位ΔZに応じた移動速度は、変位ΔZの絶対値が大きいほど速くなり、変位ΔZの絶対値が小さいほど遅くなるように設定される。例えば、記憶部202は、図7A又は図7Bに示すように変位ΔZの増加に伴い連続的又は段階的に移動速度が増加するように対応関係が設定された対応情報202Aをあらかじめ記憶する。
図7Aは、変位ΔZの増加に伴い連続的に移動速度が増加する対応関係の一例を表す。この対応関係では、許容範囲dz以下では、移動速度が一定になる。図7Aは、変位ΔZの増加に比例して移動速度が速くなる場合を表しているが、変位ΔZの増加に伴い移動速度が速くなればよい。
図7Bは、変位ΔZの増加に伴い段階的に移動速度が増加する対応関係の一例を表す。この対応関係では、許容範囲dz以下では、移動速度が一定になる。図7Bは、移動速度の増加が3段階で行われるが、段階数や増加する変位ΔZの位置は任意である。
アライメント制御部201Cは、変位ΔZに対応する移動速度を図7A又は図7Bに示すような対応情報202Aに基づき取得し、取得された移動速度Vzに基づいて駆動部210Dを制御する。
なお、手動でXYアライメントやZアライメントを行うために、アライメント制御部201Cは、操作部240に対するユーザの操作内容に基づいて駆動部210Dを制御することも可能である。
主制御部201は、各種情報を後述の表示部250に表示させる。表示部250は、図2に示す表示部5を含む。表示部250に表示される情報には、制御部200により生成された情報、画像形成部220により形成された画像、データ処理部230によるデータ処理後の情報などがある。
(画像形成部)
画像形成部220は、撮像素子16による被検眼Eの前眼部からの反射光の検出結果に基づいて前眼部画像を形成する。画像形成部220は、撮像素子16による被検眼Eの角膜表面でのアライメント視標光の反射光の検出結果に基づいて輝点像Brが描出された画像を形成する。画像形成部220は、CCD39による被検眼Eの角膜内皮細胞でのスリット光の反射光の検出結果に基づいて角膜内皮細胞が描出された画像を形成する。画像形成部220により形成された各種の画像(画像データ)は、例えば記憶部202に保存される。
(データ処理部)
データ処理部230は、各種のデータ処理を実行する。データ処理の例として、画像形成部220又は他の装置により形成された画像データに対する処理がある。この処理の例として、各種の画像処理や、画像に対する解析処理や、画像データに基づく画像評価などの診断支援処理がある。
(表示部、操作部)
表示部250は、制御部200による制御を受けて情報を表示する。表示部250は表示部5を含む。操作部240は、角膜内皮細胞撮影装置1の操作や情報入力に使用される。操作部240は、各種のハードウェアキー(ジョイスティック、ボタン、スイッチなど)、及び/又は、表示部250に提示される各種のソフトウェアキー(ボタン、アイコン、メニューなど)、タップ操作やスワイプ操作やドラッグ操作などが可能なタッチパネルなどを含む。
前眼部観察光学系10、角膜内皮細胞照明光学系20、角膜内皮細胞撮影光学系30、発散光投影光学系70及び発散光受光光学系80は、実施形態に係る「光学系」の一例である。なお、実施形態に係る「光学系」は、少なくとも角膜内皮細胞照明光学系20及び角膜内皮細胞撮影光学系30を含んでいればよい。角膜内皮細胞撮影光学系30は、実施形態に係る「撮影光学系」の一例である。
[動作]
実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置1の動作について説明する。
図8及び図9に、実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置1の動作の一例を示す。図8及び図9は、実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置1の動作例のフロー図を表す。
(S1)
主制御部201は、前眼部照明光源11を発光させる。この前眼部照明光源11から出力された照明光は、被検眼Eの前眼部(虹彩や強膜)を照明する。前眼部により反射された反射光は、観察窓ガラス12に入射し、ハーフミラー45、対物レンズ14及び結像レンズ15を通過して、撮像素子16に導かれる。それにより、撮像素子16の撮像面に前眼部像が結像される。主制御部201(処理部2)は、撮像素子16による反射光の受光結果に基づいて表示部250(表示部5)に前眼部像を表示させる。
(S2)
次に、主制御部201は、内部固視標光源51を構成する中心固視用の発光ダイオードを発光させる。中心固視用の発光ダイオードから出力された固視用光束は、ダイクロイックミラー43を透過し、コリメータレンズ44を通過し、ハーフミラー45により反射される。ハーフミラー45により反射された平行光束は、観察窓ガラス12を介して被検眼Eに投影される。それにより、被検眼Eを固視させる。
(S3)
主制御部201は、粗アライメントを実行する。主制御部201は、XY方向の粗アライメントを実行した後、Z方向の粗アライメントを実行する。
具体的には、主制御部201は、アライメント視標光源41を発光させる。アライメント視標光源41から出力されたアライメント視標光は、集光レンズ42により集光され、ダイクロイックミラー43により反射される。ダイクロイックミラー43により反射されたアライメント視標光は、コリメータレンズ44を通過し、ハーフミラー45により反射され、観察窓ガラス12を介して被検眼Eの角膜Cに投影される。角膜Cで反射したアライメント視標光は、観察窓ガラス12を通過し、ハーフミラー45を透過し、対物レンズ14及び結像レンズ15を通過し、撮像素子16の撮像面に結像される。それにより、撮像素子16の撮像面にアライメント視標光のプルキンエ像による像が結像される。主制御部201(処理部2)は、撮像素子16によるアライメント視標光の反射光の受光結果に基づいて表示部250(表示部5)に輝点像Brを表示させる。例えば、図1に示すように表示部250に表示された被検眼Eの前眼部像E´と輝点像Brとが表示される。検者は、輝点像BrがアライメントマークAL内に誘導するように操作部240に対する操作を行うことにより、光学系を含む測定ヘッドをXY方向に移動させてXYアライメントを行う。
自動でXYアライメントを行う場合、アライメント制御部201Cは、アライメントマークALに対する輝点像Brの変位をキャンセルするように測定ヘッドをXY方向に移動させる。それにより、光学系を含む測定ヘッドのXYアライメントが行われる。
判定部201BによりアライメントマークAL内にアライメント視標光に基づく輝点像Brが含まれると判定されたとき、アライメント制御部201Cは、Zアライメントを実行する。変位検出部201Aは、ラインセンサ82による反射光の受光結果に基づいて、基準位置に対する変位ΔZ(粗アライメント用)を検出する。判定部201Bにより変位ΔZが許容範囲dzに含まれないと判定されたとき、アライメント制御部201Cは、変位ΔZに応じた移動方向及び移動速度で測定ヘッドをZ方向に移動させる。それにより、光学系を含む測定ヘッドのZアライメントが行われる。
判定部201Bは、Z方向の粗アライメント実行中にラインセンサ61によりスリット光の反射光が検出されたことを示す検出信号の有無を検出する。当該検出信号が出力されたことが検出されたとき、判定部201Bは、S4に移行すると判定する。
(S4)
S3において判定部201Bによりラインセンサ61によりスリット光の反射光が検出されたことを示す検出信号が出力されたことが検出されたとき、主制御部201は、精密アライメントを実行する。精密アライメントの詳細については、後述する。精密アライメントが完了したと判定されたとき、角膜内皮細胞撮影装置1の動作はS5に移行する。
(S5)
主制御部201は、CCD39の撮像面に結像された角膜内皮細胞を撮影させる。S5における角膜内皮細胞の撮影は1回でもよいが、複数回であってもよい。複数回の撮影が行う場合、得られた複数の画像から最も良好と判断される画像を選択することが可能である。以上で、角膜内皮細胞撮影装置1の動作は終了する(エンド)。
図9は、図8のS4の詳細な動作例のフロー図を表す。図10は、図8のS4の動作説明図を表す。図10において、位置PL0(PL0´)は、光軸O1における測定ヘッドの被検眼側の前端部の位置を表す。位置PLbは、ΔZが0のときの測定ヘッドの被検眼側の前端部の基準位置を表す。
(S11)
S3において判定部201Bによりラインセンサ61によりスリット光の反射光が検出されたことを示す検出信号が出力されたことが検出されたとき、アライメント制御部201Cは、アライメントマークALに対する輝点像Brの変位ΔXY0を検出する。
(S12)
次に、アライメント制御部201Cは、S11において検出された変位ΔXY0をキャンセルするように駆動部210Dを制御することにより、XYアライメントを実行する。なお、上記のように手動でXYアライメントが行われてもよい。
(S13)
アライメント制御部201Cは、S12のXYアライメント後のアライメントマークALに対する輝点像Brの変位ΔXYjを検出する。
(S14)
判定部201Bは、アライメントマークAL内にアライメント視標光に基づく輝点像Brが含まれるか否かを判定する。判定部201BによりアライメントマークAL内にアライメント視標光に基づく輝点像Brが含まれると判定されたとき(S14:Y)、角膜内皮細胞撮影装置1の動作はS15に移行する。判定部201BによりアライメントマークAL内にアライメント視標光に基づく輝点像Brが含まれないと判定されたとき(S14:N)、角膜内皮細胞撮影装置1の動作はS12に移行する。
(S15)
判定部201BによりアライメントマークAL内にアライメント視標光に基づく輝点像Brが含まれると判定されたとき(S14:Y)、変位検出部201Aは、ラインセンサ61によるスリット光の反射光の受光結果に基づいて、基準位置に対する変位ΔZi(精密アライメント用)を検出する。
(S16)
判定部201Bは、S15において検出された変位ΔZiが許容範囲dzに含まれるか否かを判定する。すなわち、判定部201Bは、変位ΔZiの絶対値が許容範囲dz以下であるか否かを判定する。判定部201Bにより変位ΔZiが許容範囲dzに含まれないと判定されたとき(S16:N)、角膜内皮細胞撮影装置1の動作はS17に移行する。判定部201Bにより変位ΔZiが許容範囲dzに含まれると判定されたとき(S16:Y)、角膜内皮細胞撮影装置1の動作はS20に移行する。
(S17)
判定部201Bにより変位ΔZiが許容範囲dzに含まれないと判定されたとき(S16:N)、アライメント制御部201Cは、S15において検出された変位ΔZiの符号に対応した測定ヘッドのZ方向の移動方向を決定する。例えば、変位ΔZiの符号が「+」のとき移動方向が測定ヘッドを被検眼から遠ざかる方向となり、変位ΔZiの符号が「−」のとき移動方向が測定ヘッドを被検眼に近付ける方向となる。
(S18)
続いて、アライメント制御部201Cは、S15において検出された変位ΔZiに対応する移動速度を対応情報202Aに基づき取得し、取得された移動速度を測定ヘッドの移動速度として決定する。
(S19)
アライメント制御部201Cは、S18において決定された移動速度でS17において決定された移動方向に測定ヘッドを移動するように駆動部210Dを制御することによりZアライメントを行う。角膜内皮細胞撮影装置1の動作は、S13に移行する。
(S20)
S16において、判定部201Bにより変位ΔZiが許容範囲dzに含まれると判定されたとき(S16:Y)、アライメント制御部201Cは、S15において検出された変位ΔZiをキャンセルするように測定ヘッドを移動するように駆動部210Dを制御することによりZアライメントを行う。すなわち、アライメント制御部201Cは、S15において検出された変位ΔZiの符号が示す方向と反対の方向に、変位ΔZiの絶対値に相当する距離だけ測定ヘッドを移動するように駆動部210Dを制御する。
(S21)
続いて、変位検出部201Aは、ラインセンサ61によるスリット光の反射光の受光結果に基づいて、S20のZアライメント後の基準位置に対する新たな変位ΔZ´(精密アライメント用)を検出する。
(S22)
判定部201Bは、S21において検出された変位ΔZ´が許容範囲dzに含まれるか否かを判定する。すなわち、判定部201Bは、変位ΔZ´の絶対値が許容範囲dz以下であるか否かを判定する。判定部201Bにより変位ΔZ´が許容範囲dzに含まれないと判定されたとき(S22:N)、角膜内皮細胞撮影装置1の動作はS12に移行する。これら一連の動作は一定の時間間隔(例えば前眼部観察カメラのフレームレートの1/30秒ごとに)繰り返される。判定部201Bにより変位ΔZ´が許容範囲dzに含まれると判定されたとき(S22:Y)、S5に移行する(図8参照)。S5では、上記のように、角膜内皮細胞の撮影(被検眼のデータの取得)が1回以上(例えば5回)実行される。
以上説明したように、角膜内皮細胞を撮影するための光学系の位置PL0(PL0´)を角膜内皮細胞の鮮明な画像の取得が可能になる基準位置PLbに合致させるために、変位ΔZに応じてZアライメントの制御が異なる(図10参照)。すなわち、変位ΔZが許容範囲dzに含まれないときは変位ΔZに対応した移動方向及び移動速度でZアライメントが行われる。変位ΔZが許容範囲dzに含まれないときは変位ΔZをキャンセルするようにZアライメントが行われる。変位ΔZをキャンセルするように行われたZアライメントによりZアライメント後の変位ΔZが許容範囲dzに含まれると判定されたとき、角膜内皮細胞の撮影が実行される。
それにより、許容範囲dzを狭くすることなく、従来のZアライメントとほぼ同じ時間でZアライメントを完了させることができる。従って、従来に比べて、角膜内皮に対する撮影光学系の相対位置のずれが小さい状態で角膜内皮細胞の撮影が可能になる。しかも、角膜内皮細胞の撮影を複数回実行する場合、1枚目の取得画像が最も良好になるように撮影が実行されるため、迅速に安定して角膜内皮細胞撮影装置の良好な画像の取得が可能になる。
なお、上記の実施形態では、Z方向の変位ΔZに応じて異なるZアライメントを行う場合について説明したが、XY方向の変位ΔXYについて異なるXYアライメントを行うことも可能である。
[効果]
実施形態の効果について説明する。
実施形態に係る眼科装置(角膜内皮細胞撮影装置1)は、光学系(前眼部観察光学系10、角膜内皮細胞照明光学系20、角膜内皮細胞撮影光学系30、発散光投影光学系70及び発散光受光光学系80など)と、移動機構(移動機構210)と、変位検出部(変位検出部201A)と、判定部(判定部201B)と、制御部(制御部200)とを含む。光学系は、被検眼(被検眼E)のデータを光学的に取得する。移動機構は、光学系を移動させる。変位検出部は、基準位置(基準位置PLb)に対する光学系の変位(変位ΔZ)を検出する。判定部は、変位検出部により検出された変位が許容範囲(許容範囲dz)に含まれるか否かを判定する。制御部は、変位が許容範囲に含まれないと判定されたとき、変位に応じた移動方向及び移動速度に基づいて移動機構を制御し、変位が許容範囲に含まれると判定されたとき、変位をキャンセルするように移動機構を制御する。
このような構成によれば、基準位置に対する光学系の変位が許容範囲に含まれないと判定されたとき変位に応じた移動方向及び移動速度に基づいてアライメントを行い、当該変位が許容範囲に含まれると判定されたとき当該変位をキャンセルするようにアライメントを行うようにしたので、許容範囲を狭くすることなく、従来とほぼ同じ時間でアライメントを完了させることができる。それにより、アライメント完了後の被検眼に対する光学系の相対位置のずれが小さい状態で被検眼のデータを光学的に取得することが可能になるため、迅速に安定して被検眼のデータの取得が可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、制御部は、基準位置に対する光学系の変位の増加に伴い連続的又は段階的に移動速度が増加するように対応関係が設定された対応情報(対応情報202A)をあらかじめ記憶した記憶部(記憶部202)を含み、変位検出部により検出された変位が許容範囲に含まれないと判定されたとき、当該変位に対応する移動速度を対応情報に基づき取得し、取得された移動速度に基づいて移動機構を制御してもよい。
このような構成によれば、基準位置に対する光学系の変位が許容範囲に含まれないと判定されたとき基準位置に対して光学系の位置が遠いほど速く、基準位置に対して光学系の位置が近いほど遅い移動速度でアライメントを行うことができる。それにより、アライメントをより高速化することができる。また、被検者の安全性をより高めることができるようになる。
また、実施形態に係る眼科装置では、制御部により変位をキャンセルするように移動機構が制御された後、変位検出部は、基準位置に対する光学系の変位を新たに検出し、判定部は、変位検出部により新たに検出された変位が許容範囲に含まれるか否かを判定し、制御部は、変位が許容範囲に含まれると新たに判定されたとき、光学系にデータを光学的に取得させてもよい。
このような構成によれば、変位検出部により検出された変位が許容範囲に含まれると判定されたとき当該変位をキャンセルするようにアライメントを行い、アライメント後の変位を再確認するようにしたので、精密なアライメントが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、制御部は、変位が許容範囲に含まれると新たに判定されたとき、光学系にデータの取得を複数回実行させてもよい。
このような構成によれば、アライメント後に被検眼のデータの取得を複数回実行させるようにしたので、固視微動などによって被検眼が移動した場合でも、良好なデータを取得する可能性を向上させることができる。
また、実施形態に係る眼科装置では、変位検出部は、光学系の光軸方向における変位を検出してもよい。
このような構成によれば、被検眼に対する光学系の光軸方向のアライメントを行って迅速に安定して被検眼の良好なデータを光学的に取得することが可能な眼科装置を提供することができる。
また、実施形態に係る眼科装置では、光学系は、被検眼の角膜内皮を撮影するための撮影光学系(角膜内皮細胞撮影光学系30)を含んでもよい。
このような構成によれば、被検眼に対する光学系のアライメントを行って迅速に安定して被検眼の良好な角膜内皮細胞の撮影が可能な眼科装置を提供することができる。
また、実施形態に係る眼科装置では、基準位置は、角膜内皮(角膜内皮Cb)から光学系の光軸方向に光学系の作動距離(作動距離WD)だけ離れた位置であってよい。
このような構成によれば、焦点が角膜内皮に合致するような光学系の位置を基準にアライメントを行うことができるので、高いアライメント精度が求められる角膜内皮細胞の撮影を迅速に安定して行うことができるようになる。
<変形例>
以上に示された実施形態は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
1 角膜内皮細胞撮影装置
2 処理部
5 表示部
10 前眼部観察光学系
20 角膜内皮細胞照明光学系
30 角膜内皮細胞撮影光学系
40 アライメント視標投影光学系
50 内部固視標投影光学系
60 スリット光受光光学系
70 発散光投影光学系
80 発散光受光光学系
90 観察用照明光学系
100 撮影用照明光学系
200 制御部
201 主制御部
201A 変位検出部
201B 判定部
201C アライメント制御部
202 記憶部
202A 対応情報
210 移動機構
AL アライメントマーク
Br 輝点像
C 角膜
E 被検眼
E´ 前眼部像

Claims (6)

  1. 被検眼のデータを光学的に取得する光学系と、
    前記光学系を移動させる移動機構と、
    基準位置に対する前記光学系の変位を検出する変位検出部と、
    前記変位検出部により検出された前記変位が許容範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、
    前記変位が前記許容範囲に含まれないと判定されたとき、前記基準位置に対する前記光学系の変位の増加に伴い連続的又は段階的に増加する移動速度で前記変位に応じた移動方向に前記移動機構を制御し、前記変位が前記許容範囲に含まれると判定されたとき、前記変位をキャンセルするように前記移動機構を制御した後に前記光学系に前記データの取得を複数回実行させる制御部と、
    を含む眼科装置。
  2. 前記制御部は、
    前記基準位置に対する前記光学系の変位と前記移動速度との対応関係が設定された対応情報をあらかじめ記憶した記憶部を含み、
    前記変位検出部により検出された前記変位が前記許容範囲に含まれないと判定されたとき、当該変位に対応する移動速度を前記対応情報に基づき取得し、取得された前記移動速度に基づいて前記移動機構を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記制御部により前記変位をキャンセルするように前記移動機構が制御された後、前記変位検出部は、前記基準位置に対する前記光学系の変位を新たに検出し、前記判定部は、前記変位検出部により新たに検出された前記変位が前記許容範囲に含まれるか否かを判定し、
    前記制御部は、前記変位が前記許容範囲に含まれると新たに判定されたとき、前記光学系に前記データを光学的に取得させる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記変位検出部は、前記光学系の光軸方向における変位を検出する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の眼科装置。
  5. 前記光学系は、前記被検眼の角膜内皮を撮影するための撮影光学系を含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼科装置。
  6. 前記基準位置は、前記角膜内皮から前記光学系の光軸方向に前記光学系の作動距離だけ離れた位置である
    ことを特徴とする請求項5に記載の眼科装置。
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