JP6142176B2 - 眼科検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は眼科検査装置に関する。
眼科検査装置の一種である角膜撮影装置としては、特開平07−088086号公報、特開平07−079924号公報、特開平07−079921号公報、特表2008−505673号公報等に開示されたものが知られている。これらの装置は、スペキュラーマイクロスコープである。スペキュラー方式の撮影装置は、被検眼の前眼部をその斜め前方から照明する照明光学系と、被検眼の角膜で反射された照明光による像を撮影する撮影光学系と、装置の基準光軸の被検眼への位置合わせをするアライメント光学系とを備えている。
これらの装置では、装置の光学系に、角膜における照明光の反射像(プルキンエ像)を追跡させることにより、装置の基準光軸の被検眼への位置合わせ(アライメント)が行われる。被検眼には、白内障対応等のために眼内レンズが装着された眼もある。この眼内レンズが装着された被検眼では、観察画像上に複数のプルキンエ像が生じる。照明光が、角膜のみならず眼内レンズによっても反射されるからである。検査者は、画像に対する種々の考察を経て、複数のプルキンエ像から角膜反射によるプルキンエ像を判別し特定する。そして、検査者が、装置に備えつけられた、光学部を移動操作するためのジョイスティックを操作したり、操作用モニターパネル上での瞳孔中心をタッチする等、手動操作によってアライメントを行う。
角膜反射によるプルキンエ像を追跡するアライメント操作中に、被検者が瞬きをしたり、被検眼を不用意に動かしたりすることがある。この場合、検査者は、追跡すべき角膜反射によるプルキンエ像を見失うことがある。検査者は、再度、画像に対する種々の考察を経て、角膜反射によるプルキンエ像を判別し、このプルキンエ像の追跡を再開する。これらの作業は厄介であり、検査の迅速性を阻害する。
特開平07−088086号公報 特開平07−079924号公報 特開平07−079921号公報 特表2008−505673号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、眼内レンズを装着した被検眼であっても、スムーズ且つ迅速なアライメント動作が可能な眼科検査装置を提供することを目的としている。
本発明の眼科検査装置は、
照明光学系、撮影光学系及びアライメント光学系を含む光学部と、
この光学部を被検眼に対して移動させる光学部駆動部と、
画像処理部と、
制御部とを備えており、
上記アライメント光学系が、アライメント光を光学部の基準光軸に沿って前眼部に正面から照射する光源と、前眼部で反射されたアライメント光の反射像であるプルキンエ像を含む前眼部像を受像する受像器とを有しており、
上記画像処理部が、上記前眼部像から複数のプルキンエ像を認識し、これらプルキンエ像のうちから角膜反射プルキンエ像を特定し、且つ、各プルキンエ像間の位置関係を特定し、
この画像処理部が、特定された角膜反射プルキンエ像、及び、角膜反射プルキンエ像と他のプルキンエ像との上記位置関係を記憶し、
上記制御部が、アライメント動作において、光学部が上記角膜反射プルキンエ像を追跡するように上記光学部駆動部に指示するように構成されている。
かかる眼科検査装置によれば、画像上の角膜反射によるプルキンエ像が記憶される。従って、たとえ瞬き等によってこの角膜反射によるプルキンエ像が見失われても、容易且つ迅速にこのプルキンエ像の追跡を再開し、アライメント動作を継続することができる。
好ましくは、上記光学部による角膜反射プルキンエ像の追跡動作において、
上記画像処理部が、
追跡不能時間経過後に検出された複数の再現プルキンエ像間の位置関係を特定し、
この再現プルキンエ像間の位置関係を、記憶されている上記角膜反射プルキンエ像、及び、角膜反射プルキンエ像と他のプルキンエ像との位置関係と対比することにより、上記再現プルキンエ像のうちから角膜反射によるプルキンエ像を特定するように構成されている。
好ましくは、上記画像処理部が、二次元の直交座標上又は極座標上における各プルキンエ像の位置を特定し、二つのプルキンエ像の座標値の差に基づいて上記位置関係を特定するように構成されている。
好ましくは、上記画像処理部が、光学部の被検眼に対する前後移動に伴う、各プルキンエ像の、面積の増減及び輝度の増減のうち少なくとも1つを特定し、この特定された事象のプルキンエ像間の相対変化に基づいて上記位置関係を特定するように構成されている。
好ましくは、上記画像処理部が、被検眼の変位に伴う上記複数のプルキンエ像の移動を対比することにより、上記複数のプルキンエ像のうちから角膜反射プルキンエ像を特定するように構成されている。
好ましくは、上記画像処理部が、上記複数のプルキンエ像の前後方向に沿った配置の順序に基づいて、上記複数のプルキンエ像のうちから角膜反射プルキンエ像を特定するように構成されている。
好ましくは、表示部をさらに備えており、
この表示部が、上記複数のプルキンエ像を表示し、
この複数のプルキンエ像に対してなされた外部入力による指定に基づいて、上記画像処理部が、複数のプルキンエ像のうちから角膜反射プルキンエ像を特定するように構成されている。
好ましくは、上記複数のプルキンエ像の表示に伴い、角膜反射プルキンエ像であると仮特定されたプルキンエ像を対象に、上記光学部駆動部が上記光学部によるプルキンエ像の追跡を開始し、
上記表示部に表示される複数のプルキンエ像のうち、上記仮特定された角膜反射プルキンエ像にのみ、他のプルキンエ像から区別しうる区別表示がなされており、
上記仮特定を否定する外部入力があったとき、既に開始されている追跡のうちの少なくともZ軸方向の動作が一旦減速するか又は一旦停止し、角膜反射プルキンエ像を指定する外部入力があったときに、少なくとも上記Z軸方向の動作が再開されるように構成されている。
好ましくは、上記表示部に表示される複数のプルキンエ像のうち、上記画像処理部が角膜反射プルキンエ像であると仮特定したプルキンエ像にのみ、他のプルキンエ像から区別しうる区別表示がなされており、
上記光学部駆動部は、複数のプルキンエ像の表示の際に、上記外部入力を待つために、上記光学部によるプルキンエ像の追跡のうちの少なくともZ軸方向の動作を一旦減速するか又は一旦停止し、
上記仮特定を否定し且つ角膜反射プルキンエ像を変更する外部入力、又は、上記仮特定を肯定する外部入力及びがあったとき、少なくとも上記Z軸方向の動作が開始されるように構成されている。
本発明の眼科検査装置によれば、眼内レンズを装着した被検眼であっても、スムーズ且つ迅速なアライメント動作が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置を示す光路図及びブロック図である。 図2は、図1の角膜内皮細胞撮影装置に備えられた照明用スリット部材の一例を示す正面図である。 図3は、撮像機によって受光された、図2の照明用スリットを通過したスリット光の像を示す図である。 図4は、受像器によって受光された、アライメント光によるプルキンエ像を時系列に示す図である。 図5は、眼内レンズが装着された被検眼を示す、水平方向の面で切った断面図である。 図6は、眼内レンズが装着された被検眼の、プルキンエ像を含む前眼部像である。 図7は、図6の前眼部像におけるプルキンエ像が二値化された画像である。 図8は、眼内レンズが装着された被検眼の動きに伴った、プルキンエ像の動きを説明する断面図である。 図9は、図2の照明用スリット及び撮像機を用いて行われる合焦動作を説明する図であり、図3におけるV−V線矢視図である。 図10は、本発明の他の実施形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の各光学系を示す光路図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示す角膜内皮細胞撮影装置(以下、単に撮影装置という)1は、被検眼の角膜内皮細胞の撮影と光学部の合焦とを共通の撮像機を用いて行うものである。また、この装置1は、眼内レンズを装着した被検眼に対しても、容易にアライメントをなし得る機能を有している。
図1に示すように、この角膜内皮細胞撮影装置(以下、単に撮影装置という)1は、三軸架台(XYZテーブルともいう)2に搭載された本体10を有している。本体10には角膜内皮細胞を観察、撮影するための光学部3が収納されている。XYZテーブル2は、本体10を被検眼E1に対して、左右方向(X軸方向)、上下方向(Y軸方向)及び前後方向(Z軸方向)に移動させうる。このXYZテーブル2により、被検眼E1に対する光学部3の位置決めが可能となる。XYZ各軸方向の移動機構としては、送りネジ方式等の公知の機構を採用することができる。以上の構成により、光学部3はXYZの三軸方向(左右、上下、前後)に移動可能となる。ここでは、撮影装置1から見た被検眼E1側を前方と呼び、その逆側を後方と呼ぶ。
撮影装置1はさらに、制御部4、光学部駆動部としてのXYZ駆動部5、画像処理部6、操作部7及び表示部8を備えている。制御部4は、光学部3による被検眼E1の観察、撮影のための指令を、光学部3及びXYZ駆動部5に送る。XYZ駆動部5は、制御部4からの指令に基づいて、XYZテーブル2をXYZの各軸方向に駆動する。画像処理部6は、光学部3によって撮影された被検眼E1の像を画像処理する。操作部7は、検査者による操作に基づいて、制御部4に対して操作入力を行う。表示部8は、光学部3による被検眼E1の撮影画像、操作部7における入力事項等を表示する。
本体10内に収容された光学部3を説明する。光学部3は、照明光学系11、撮影光学系12、アライメント光学系13及び固視標光学系14を含んでいる。照明光学系11は、撮影のために、照明光によって被検眼E1の前眼部をその斜め前方から照明するための光学系である。この照明光学系11とは別に、本体10の前部に、前眼部の全体を照明するLED9が設置されている。撮影光学系12は、前眼部における前記照明光の反射光を受光して、被検眼の角膜内皮を撮影するための光学系である。アライメント光学系13は、被検眼E1の前眼部に向けてアライメント指標光を正面から照射し、且つその角膜反射光を撮像する光学系である。アライメント指標光は、被検眼E1に対する光学部3の基準光軸3aの位置合わせ(アライメント)のために照射される。アライメント指標光は平行光であるのが好ましい。固視標光学系14は、被検者に固視灯34を固視させることによって被検眼E1の向きを固定させる光学系である。
照明光学系11は、被検眼E1の前眼部を照明するLEDからなる撮影用照明光源15を有している。照明用光源15からの可視光は、コンデンサレンズ16及び撮影用スリット部材17を通過する。この撮影用スリット部材17を通過したスリット光は、照明用対物レンズ18を透過することによって被検眼E1の前眼部に収束させられる。本実施形態では、照明光軸11aの方向を転換するためのミラー19が設けられている。
図2に、上記撮影用スリット部材17が詳細に示されている。スリット部材17には、角膜内皮細胞撮影用の主スリット(撮像用スリット)41、予備信号用スリット42、及び、後続信号用スリット43が、互いに離間して形成されている。図2は、図1におけるスリット部材17を、ミラー19側から照明光軸11aに沿って見た図である。予備信号用スリット42が、主スリット41に対し、光学部3が被検眼E1に接近する向きに移動したとき、後述するCCD28の撮影画像28a上に、主スリット41の像より先に受像される方の側方に位置している。後続信号用スリット43は、主スリット41に対し、光学部が被検眼に接近する向きに移動したとき、後述するCCD28の撮影画像28a上に、主スリット41の像より後に受像される方の側方に位置している。主スリット41は、角膜内皮細胞を撮影するための照明光を通過させるものであるため、比較的大きい。特に、上下方向寸法が大きい。角膜内皮Ciでの反射像は、角膜上皮Cuでの反射像に較べると光量が少ない。主スリット41の幅は、図3に示されるように、角膜内皮Ciで反射されるスリット像が、角膜上皮Cuで反射されるスリット像と重ならずに明瞭に撮影されるように、所定寸法以下にされている。
予備信号用スリット42及び後続信号用スリット43は、照明光を信号光として通過させるためのものであるため、比較的小さくてもよい。ここでは、スリットとは、細い線上の貫通部のみならず、円形や多角形等の貫通部をも含む。予備信号用スリット42と後続信号用スリット43とは、上下方向の形成位置が異なっている。これは、これらスリット42、43を通過した予備信号スリット光と後続信号スリット光との識別を可能にするためである。いずれが上方であっても下方であってもよい。スリット部材17の中央上下それぞれに形成されているのは固定用の孔44である。また、後続信号用スリット43は、予備信号用スリット42に較べると、主スリット41から離間した位置に形成されている。この点については後述する。照明光は、いずれのスリット41、42、43をも通過することができる。
図1に示されるように、撮影光学系12は、角膜細胞を撮影するための撮影用CCD20を有している。撮影光学系12の光軸(撮影光軸)12aは、照明光軸11aと交差している。この交差点が合焦点である。被検眼E1の角膜で反射された上記スリット光は、撮影用対物レンズ21、フィルタ22、リレーレンズ23を透過して上記撮影用CCD20に導かれる。本実施形態では、撮影光軸12aの方向を転換するためのミラー24、25が設けられている。上記フィルタ22は、被検眼E1の第一結像点に配置されている。
アライメント光学系13は、アライメント指標光の光源(赤外LED)27および前眼部観察用のCCD28を有している。このアライメント用光源27からの近赤外光が、投影レンズ29を透過して平行化され、前眼部にその正面から照射される。被検眼E1の角膜における上記近赤外光の反射像たる輝点(プルキンエ像ともいう)が、前眼部撮影レンズ30を透過して上記CCD28によって受光される。前眼部を撮影するCCD28は、角膜内皮細胞を撮影する前述のCCD20より撮影倍率が遙かに小さい。本実施形態では、アライメント光軸13aの方向を転換するためのミラー31が設けられている。さらに、アライメント光軸13a上には、後述する固視標光学系14の光軸14aと一体化するための、可視光反射赤外光透過ミラー32及びハーフミラー33が設けられている。また、CCD20の前には、可視光カットフィルタ36が設けられている。
上記CCD28によって受像されたプルキンエ像に基づき、光学部3がXYZテーブル2によってXY各軸方向に移動させられ、光学部3の基準光軸3aが例えば被検眼E1の角膜頂点に一致させられる。これがアライメントである。上記基準光軸3aとは、本実施形態では、照明光軸11aと撮影光軸12aとのなす角度を二分する軸であり、アライメント光軸13aと一致している。一般的に検出されるプルキンエ像は、角膜で反射された単一の輝点である。しかし、眼内レンズが装着された被検眼では、照明光の照射により、一般的に後述のXY面上に3個のプルキンエ像が検出されうる。角膜反射によるプルキンエ像以外に、眼内レンズの前面及び後面での反射による各プルキンエ像が検出される。この点については後述される。
装置1には、眼内レンズが装着されていない被検眼を撮影するモード(標準モード)と、眼内レンズが装着されている被検眼を撮影するモード(IOLモード)とを切り替える機構が備えられてもよい。又は、被検眼の前眼部を観察したときに複数個のプルキンエ像が検出されたときに、自動的にIOLモードに切り替わる機構が備えられてもよい。以下に、標準モードのアライメント動作と、IOLモードのアライメント動作とが説明される。
図4を参照しつつ、アライメント動作が説明される。まず、眼内レンズが装着されていない被検眼に対するアライメント(標準モード)が説明される。検出されるプルキンエ像は1個である。図4には、CCD28による撮影画像28aが示されている。撮影画像28aは、上記画像処理部6において処理され、制御部4に送られている。上記基準光軸3a(アライメント光軸13a)は、撮影画像28aの中央点28bに対応するように設定されている。この中央点28bはアライメント基準点である。制御部4は、アライメント動作において、XYZ駆動部5を通して、光学部3が前眼部に接近しつつXY各軸方向に移動するように、XYZテーブル2の動きをフィードバック制御する。
具体的には以下のとおりである。光学部3の前眼部への接近に伴い、撮影画像28aにおいてボンヤリしていた輝点像(破線で示される)が明確化且つ縮小する(矢印M)ことにより、プルキンエ像Pが認識されるようになる。この時点で光学部3の前進が一旦停止する。次いで、プルキンエ像Pが撮影画像28aの中央点28b(アライメント基準点)に至るように、光学部3がXY軸方向に移動する(矢印N)。これが、光学部3によるプルキンエ像の追跡である。さらに、光学部3は、プルキンエ像Pが中央点28bに位置した状態を維持しつつ前進する。これがアライメント動作である。プルキンエ像Pが所定の大きさになって明確になると、光学部3の移動が減速され、後述する合焦が検出される。合焦がなされるまで、アライメント状態が維持される(プルキンエ像の追跡が継続される)。以上の撮影画像28aは、上記操作部7での操作によって、表示部8にも表示されうる。
図5、図6、図7及び図8が参照されつつ、眼内レンズIOLが装着されている被検眼E2に対するアライメント(IOLモード)が説明される。図5には、眼内レンズIOLが装着された被検眼E2の、略水平の面で切られた断面が示されている。この眼内レンズIOLとしては、前後両面とも凸状の通常のレンズが例示されている。被検眼E2の前面には角膜CNが位置し、その後方には前房ACが位置し、さらにその後方に水晶体CLが位置している。水晶体CLの袋(水晶体嚢)LCの中には眼内レンズIOLが装着されている。眼内レンズIOLは、その両側部に設けられた支持部SPが、水晶体嚢LCを内部から外方へ突っ張ることにより、固定されている。図6は、眼内レンズIOLが装着されている被検眼E2の前眼部像28cである。前眼部像28cには3個のプルキンエ像P1、P2、P3が含まれている。図7は、上記前眼部像28cにおけるプルキンエ像P1、P2、P3の二値化像28dである。
図8は、被検眼E2のXZ平面上におけるプルキンエ像の位置を示す断面図である。図8に示すように、角膜CNの反射球面の曲率、眼内レンズIOLの前面(前側の反射球面)の曲率、及び、眼内レンズIOLの後面(後側の反射球面)の曲率は、互いに異なっている。通常は、これら3つの反射球面の頂点は一直線上には位置していない。通常は、これらの反射球面の向きが互いに異なっている。アライメント指標光の照射による3つのプルキンエ像は、角膜CN及び眼内レンズIOLの前後各球面それぞれによって反射されて結像したものである。このため、図6及び図8に示されるように、この被検眼E2の前眼部がアライメント指標光に照射されたとき、前眼部に3個のプルキンエ像P1、P2、P3が分かれて検出されるのが一般的である。このうちの1個が角膜反射によるプルキンエ像Pcであり、他の1個が眼内レンズ前面反射によるプルキンエ像であり、残りの1個が眼内レンズ後面反射によるプルキンエ像である。また、上記各反射球面の曲率に応じて、プルキンエ像の大きさが異なる。角膜CNによるプルキンエ像及び眼内レンズ前面によるプルキンエ像は、反射球面の曲率半径が大きいほど、被検眼E2のより奥側に結像する。眼内レンズ後面によるプルキンエ像は、反射球面の曲率半径が大きいほど、被検眼E2のより手前側に結像する。
図8では、理解容易のため、眼内レンズIOLの中心軸(光軸)の向きを、実際より大きく傾斜させて示している。図8には、3個のプルキンエ像P1、P2、P3の位置の他、角膜CNの反射球面の曲率中心Qc、眼内レンズ前面の曲率中心Qf、及び、眼内レンズ後面の曲率中心Qrが示されている。さらに、前後方向における、角膜CNの反射球面の頂点Tc、眼内レンズ前面の頂点Tf、及び、眼内レンズ後面の頂点Trが示されている。プルキンエ像P1、P2、P3の前後方向の結像位置は、P2が、角膜頂点Tcから被検眼E2の奥側へ角膜曲率半径Rcの1/2の位置、P1は、眼内レンズ前面の頂点Tfから被検眼E2の奥側へ曲率半径Rfの1/2の位置、及び、P3は、眼内レンズ後面の頂点Trから被検眼E2の手前側へ曲率半径Rrの1/2の位置となる。プルキンエ像の結像位置を前後方向に見ると、被検眼E2の前側から奥側に向けてP3、P2、P1の順となる。
この装置1は角膜内皮細胞を撮影するための装置1であり、角膜CNの頂点Tcにアライメントをする必要がある。従って、その光学部3は、3個のプルキンエ像のうちの、角膜反射のプルキンエ像Pcに基づいてアライメントされる必要がある。
以下に、3個のプルキンエ像P1、P2、P3のそれぞれを、互いに識別して特定する本装置1の機能が説明される。まず、画像処理部6により、3個のプルキンエ像P1、P2、P3のそれぞれが認識される。図7に示される画像28dは、画像処理部6において、プルキンエ像P1、P2、P3を含む前眼部像28c(図6)が二値化されたものである。二値化画像28dでは、各プルキンエ像P1、P2、P3が黒地に白の円として表示されている。照明光源27が円形だからである。
この二値化画像28d上において、プルキンエ像P1、P2、P3の各重心位置が特定される。重心位置は、画像処理部6により、X軸−Y軸の直交座標によって特定されうる。すなわち、各プルキンエ像に対し、識別符号(例えばP1、P2、P3)を付与するラベリングが行われ、各プルキンエ像P1、P2、P3の重心位置の座標P1=(x1、y1)、P2=(x2、y2)、P3=(x3、y3)が求められる。
次いで、画像処理部6により、上記直交座標上でのプルキンエ像P1、P2、P3同士の位置関係が特定される。すなわち、各プルキンエ像と、他の2個のプルキンエ像それぞれとの位置関係が、X座標差及びY座標差によって特定される。P1のP2に対する位置関係はx1−x2及びy1−y2によって特定され、P1のP3に対する位置関係はx1−x3及びy1−y3によって特定され、P2のP1に対する位置関係はx2−x1及びy2−y1によって特定され、P2のP3に対する位置関係はx2−x3及びy2−y3によって特定され、P3のP1に対する位置関係はx3−x1及びy3−y1によって特定され、P3のP2に対する位置関係はx3−x2及びy3−y2、によって特定される。特定された各プルキンエ像P1、P2、P3の重心位置の座標、及び、プルキンエ像P1、P2、P3同士の位置関係(XY位置関係)が、画像処理部6の記憶部に記憶される。
プルキンエ像P1、P2、P3の重心位置の特定、及び、これらの位置関係の特定は、X軸−Y軸の直交座標によることには限定されない。例えば、θ−Rの二次元の極座標によることも可能である。
次に、3個のプルキンエ像P1、P2、P3うちから角膜反射のプルキンエ像Pcを判別し、特定する手順が説明される。この角膜反射プルキンエ像Pcの判別及び特定は、その技能を持った検査者が、操作部7を介し、装置1に対して入力することによって行うことができる。すなわち、検査者が表示部8の観察によって角膜反射プルキンエ像Pcを判別し、装置1に対して操作部7を介してこれを指定するのである。また、本装置1自身も、取得された画像から自動的に角膜反射プルキンエ像Pcを判別し、特定する機能を有している。いずれか一方の機能が採用されてもよい。
以下に、検査者が3個のプルキンエ像P1、P2、P3のうちから角膜反射のプルキンエ像Pcを判別し、装置1に対して指定する方法が説明される。この検査者は、眼内レンズが装着された被検眼の角膜反射プルキンエ像を含む前眼部の観察の経験者である。この検査者は、プルキンエ像P1、P2、P3を含む前眼部のCCD28による動画をモニター画面上で観察する。検査者は、後述する方法で判別したプルキンエ像を、装置1の操作部7を介して指定する。指定は、例えば、モニター画面上で、3個のプルキンエ像P1、P2、P3のうちの意中のプルキンエ像の位置をマウスでクリックする。又は、タッチパネルを構成するモニター画面上で、意中のプルキンエ像の位置にタッチする。又は、装置1に接続された別体の操作盤によって指定する。この操作盤も上記操作部7の一部である。また、上記タッチパネルは、上記操作部7及び表示部8の両機能を備えたものである。これらの外部入力による指定は、装置1のアライメント動作が開始される前の待機状態においてなされる。以下に、角膜反射プルキンエ像Pcの判別方法が説明される。
角膜反射プルキンエ像Pcの判別方法の一例は以下のとおりである。3個のプルキンエ像P1、P2、P3は、通常は横並びになり、その中間に位置する像P2が角膜反射のプルキンエ像Pcである。これは、通常、瞳孔中心を通る角膜の中心軸と、眼内レンズIOLの中心軸とが一致せず、交差しているからである。検査者は、かかる知識に基づき、表示部8のモニター画面で角膜反射のプルキンエ像Pc(=P2)を指定することができる。また、前述した直交座標や極座標上での位置関係から、装置1自身にも、同様の方法による角膜反射プルキンエ像Pcの特定機能を備えることができる。
角膜反射プルキンエ像Pcの判別方法の他の例として、検査者は、被検眼E2の動きに伴うプルキンエ像P1、P2、P3の動きから角膜反射のプルキンエ像Pcを特定しうる。検査者は、被検者に対して被検眼E2の視線を移動させるように指示する。この視線の変更のために、固視灯の移動、又は、複数の固視灯のうち点灯する固視灯の変更がなされる。検査者は、このときの、前眼部の動き及び各プルキンエ像P1、P2、P3の動きを、表示部8のモニター画面で観察する。
被検眼E2が動いたとき、眼内レンズ前面及び後面それぞれでの反射によるプルキンエ像の動きは、角膜反射によるプルキンエ像Pcの動きとは異なる。眼内レンズIOL反射によるプルキンエ像の動きは、角膜反射によるプルキンエ像Pcの動きとは、一般的に、その移動方向、移動量、移動速度が異なる。角膜反射のプルキンエ像を含む前眼部観察の経験者は、この相違を容易に認識することができる。
図8に示されるように、3個のプルキンエ像の前後方向の位置は、被検眼E2の手前側から奥側に向かってP3、P2、P1の順となる。この時点では、XY平面(図8(b))上における、3個のプルキンエ像の配置は判別されていない。この被検眼E2が、回旋点CRを中心として所定角度だけ旋回したとき(図示せず)、3個のプルキンエ像P1、P2、P3も、XZ面(図8(a))上及びXY面(図8(b))上を移動する。
角膜CN及び眼内レンズ前面は、いずれも被検眼E2の前方に向けて凸状であり、眼内レンズ後面は、被検眼E2の前方に向けて凹状である。凸状である角膜CNによるプルキンエ像P2は、回旋点CRから反射球面の曲率中心Qcまでの距離を半径として旋回する。凸状である眼内レンズ前面によるプルキンエ像P1は、回旋点CRから反射球面の曲率中心Qfまでの距離を半径として旋回する。凹状である眼内レンズ後面によるプルキンエ像P3は、回旋点CRからプルキンエ像の結像点P3までの距離を半径として旋回する。これから、プルキンエ像の移動距離は、眼内レンズ後面による像P3が最も大きく、眼内レンズ前面による像P1が最も小さく、角膜反射プルキンエ像P2がこれらの中間となる。このように、移動距離の比較により、検査者も装置1自身も、角膜反射によるプルキンエ像P2(=Pc)を、判別することができる。
被検眼E2が、回旋点CRを中心に大きく旋回したとき、眼内レンズIOLによるプルキンエ像P1、P3が画面から消えたり、欠けたりするという現象が起こりうる。しかし、角膜反射プルキンエ像P2は消えず、健全に検出されうる。これは、眼内レンズIOLの前面及び後面での反射によるプルキンエ像P1、P3は、瞳孔Ppの範囲内でしか検出されないからである。眼内レンズIOLは、虹彩IRの奥側に位置している。また、これらプルキンエ像P1、P3は、眼内レンズIOLの頂点Tf、Trを通るZ軸に平行な直線上に結像する。以上から、被検眼E2が大きく旋回すると、上記直線が瞳孔Ppから外れてしまうことがある。一方、虹彩IRより外方に位置する角膜CNで反射したプルキンエ像Pcにはそのような制限がない。この現象を利用することにより、角膜反射プルキンエ像Pcを判別することが可能である。
次に、検査者又は装置1自身による、角膜反射プルキンエ像Pcの判別方法のさらに他の例が以下に説明される。図8を参照しつつ前述したように、3個のプルキンエ像は、被検眼E2の前側から奥側に向かってP3、P2、P1の順に位置している。これが、プルキンエ像P1、P2、P3の前後位置関係(Z軸方向位置関係)である。一般的な眼内レンズIOLの場合、前述のとおり、3個のプルキンエ像のうち、前後方向の最前に眼内レンズ後面反射プルキンエ像P3が位置し、最後に眼内レンズ後面反射プルキンエ像P1が位置し、中間に角膜反射によるプルキンエ像Pc=P2が位置している。これが、角膜反射によるプルキンエ像Pcの、他のプルキンエ像P1、P3に対する前後位置関係である。この前後位置関係は、画像処理部6に記憶されている。
上記プルキンエ像の前後位置関係は、以下のごとくして確認することができる。装置1の光学部3をZ軸方向に移動させることにより、アライメント光学系13の合焦点を3個のプルキンエ像P3、P2、P1それぞれに一致させることができる。まず、装置1が、3個のプルキンエ像の面積及び明るさ(輝度)を記録しつつ、被検眼E2に向かって前進する。ある1つのプルキンエ像にアライメント光学系13の合焦点が接近するに従い、そのプルキンエ像は、小さく、明確且つ明るくなる。他の2個のプルキンエ像は、比較的大きく、不明確且つ暗い。例えば、前方から、アライメント光学系13の合焦点が、眼内レンズ後面反射プルキンエ像P3を通り過ぎ、角膜反射プルキンエ像Pcに接近すると、後面反射プルキンエ像P3は徐々に大きく、不明確且つ暗くなっていく。一方、角膜反射プルキンエ像Pc及び前面反射プルキンエ像P1は小さく、明確且つ明るくなっていく。しかし、角膜反射プルキンエ像Pcのほうが、前面反射プルキンエ像P1よりも小さく且つより明るくなる。アライメント光学系13の合焦点が、二番目のプルキンエ像P2=Pcを通り過ぎてしまうと、後面反射プルキンエ像P3及び角膜反射プルキンエ像Pcが徐々に大きく、不明確且つ暗くなり、前面反射プルキンエ像P1のみが小さく、明確且つ明るくなっていく。以上のごとく、像の面積、明確さ及び輝度により、前後位置関係を確認することができる。これらのプルキンエ像P1、P2、P3の面積及び輝度の相対変化は、画像処理部6に記憶されている。光学部3が被検眼E2から離間するように移動する場合は、プルキンエ像の面積、明確度、輝度の増減は上記とは逆になる。
以上から、角膜反射プルキンエ像Pcの判別のためには、装置1の待機位置を、被検眼E2よりかなり手前に初期設定してもよい。そして、光学部3をZ軸方向に沿って被検眼E2に接近させ、3個のプルキンエ像P3、P2、P1のうち、2番目に合焦したものを角膜反射によるプルキンエ像Pcとして特定することが可能である。逆に、装置1の待機位置を被検眼に接近させた位置に初期設定してもよい。そして、光学部3をZ軸方向に沿って被検眼E2から離間させ、2番目に合焦したプルキンエ像を角膜反射によるプルキンエ像Pcとして特定することも可能である。このように、Z軸方向での合焦位置の相違(プルキンエ像P1、P2、P3の前後位置関係)により、検査者も装置1自身も、角膜反射によるプルキンエ像Pcを、判別することができる。
一般的に、角膜反射によるプルキンエ像Pcは、前後方向における瞳孔Pp付近に位置している。そこで、装置1の待機位置でのアライメント光学系13の合焦点が瞳孔Pp付近となるように、初期設定されてもよい。この初期設定により、装置1の待機位置での画像から、最も小さく明るい像を角膜反射によるプルキンエ像Pcとして特定することが可能となる。
以上、角膜反射のプルキンエ像Pcの特定について、検査者による操作を中心に説明された。以下には、装置1の機能に基づいた上記特定動作が簡単に説明される。まず、被検眼E2の移動に伴うプルキンエ像の移動態様に基づいた特定動作では、装置1は以下の手順で動作する。
(1)光学部3が、制御部4の指示により、前眼部を撮影しつつZ軸方向に沿って被検 眼E2に接近する。
(2)光学部3は、画像処理部6及び制御部4からの指示により、3個のプルキンエ像 が検出された位置で停止する。
(3)画像処理部6が、3個のプルキンエ像のそれぞれに対し、ラベリングを行う。こ れにより、3個のプルキンエ像にはラベル(P1、P2、P3)が付され、各像の 二値化像の重心位置及び位置関係が特定される。
(4)上記プルキンエ像のラベル(P1、P2、P3)、重心位置及び位置関係が画像 処理部6の記憶部に記憶される。
(5)固視灯の点灯位置が変えられ、被検眼E2に旋回移動を指示する。
(6)画像処理部6が、3個のプルキンエ像の移動方向及び移動距離を記録する。
(7)画像処理部6が、各プルキンエ像の移動方向及び移動距離を比較し、移動距離の 長さが三者のうちの中間であるプルキンエ像を角膜反射によるプルキンエ像Pcと 決定する。
次いで、3個のプルキンエ像に対する合焦順序に基づいた特定動作では、装置1は以下の手順で動作する。
(1)装置1の待機位置において、被検眼E2の前眼部像が表示された状態で、光学部 3が撮影を開始する。
(2)光学部3が、制御部4の指示により、前眼部を撮影しつつ待機位置からZ軸方向 に沿って被検眼E2に接近する。(検出された3個のプルキンエ像が小さく且つ明 るくなる。)
(3)画像処理部6は、3個のプルキンエ像に対してラベリングを行い、各像の面積及 び輝度を記録し続ける。(眼内レンズ後面反射のプルキンエ像P3が、最初に最小 化、明確化し、且つ最も明るくなる。すなわち、アライメント光学系13の合焦点 に近づく。)
(4)画像処理部6は、次いで、面積が大きくなり且つ輝度が低下するプルキンエ像1 個(P3)と、面積が小さくなり且つ輝度が上昇するプルキンエ像2個(P1、P 2)とを認識する。(アライメント光学系13の合焦点が後面反射のプルキンエ像 P3から離間し、角膜CN反射プルキンエ像Pc及び前面反射プルキンエ像P1に 接近している。)
(5)画像処理部6は、面積が小さくなり且つ輝度が上昇する2個のプルキンエ像P1 、P2のうち、より小さく且つより明るいプルキンエ像P2を、角膜反射によるプ ルキンエ像Pcと決定する。
装置1が上記手順によって角膜反射のプルキンエ像P2を特定した場合であっても、自動的に、角膜反射のプルキンエ像(P2=Pc)が、画像処理部6の記憶部に記憶される。もちろん、この記憶された角膜反射のプルキンエ像Pcには、前述したプルキンエ像P2の重心位置の座標、及び、他のプルキンエ像P1、P3との座標上の位置関係という情報が付随している。一方、検査者が以上に例示された手順によって角膜反射のプルキンエ像Pcを判別した場合、操作部7におけるマウスのクリック操作等により、プルキンエ像P1、P2、P3のうちの角膜反射のプルキンエ像Pc(=P2)が指定される。これにより、外部入力によって角膜反射のプルキンエ像P2が特定されることになる。この操作により、この角膜反射のプルキンエ像(P2=Pc)が記憶部に記憶される。
また、装置1自身が上記手順によって角膜反射のプルキンエ像P2を特定した場合、検査者による当否判定が可能なように構成されてもよい。検査者が装置1による特定を否定する場合には、検査者が訂正することができるように構成されてもよい。以下に、その動作の具体例が示される。
(1)装置1が、図6に示されるような、特定した3個のプルキンエ像を含む前眼部像 を、モニター画面上に表示する。この3個のプルキンエ像のうち、装置1が仮に特定 した角膜反射プルキンエ像P2にのみ、他のプルキンエ像から区別しうる着色マーク 、点滅等の表示がなされる。モニター画面上には、検査者が上記仮特定が誤りである と判定したとき、この否定的判定結果を入力するための「NO」、「×」等のマーク のボタンが表示される。
(2)上記(1)と同時に、装置1は、仮特定した角膜反射プルキンエ像P2を対象に、 アライメント動作を開始する。
(3)検査者は、モニター画面上の区別表示されたプルキンエ像P2が、角膜反射プル キンエ像Pcであるか否かを判定することが出来る。上記仮特定が正しいと判断され る場合は、外部からの操作がなされない。この場合、上記仮特定のプルキンエ像P2 が真に特定された角膜反射プルキンエ像Pcとなる。装置1は、この角膜反射プルキ ンエ像Pcを対象としてアライメント動作を継続する。すなわち、この角膜反射プル キンエ像Pcが前眼部像のアライメント基準点28b(図4)に至ると、XYZ駆動 部5は、この状態を維持しつつ光学部3のZ軸方向の動作を開始する。
(4)上記仮特定が誤りであると否定的判断を下した検査者によって上記「NO」ボタ ンがクリックされると、装置1は少なくともZ軸方向の動作を一旦減速するか又は一 旦停止する。このとき、装置1は、XY軸方向のアライメント動作については、変更 せずに継続することに問題はない。
(5)上記「NO」ボタンの繰り返しクリックの度に、上記区別表示が3個のプルキン エ像に順次切り替わってなされる。このときに切り替わるのは、区別表示のみであり 、仮特定の状態は切り替わらずに維持されている。
(6)検査者は、自己が角膜反射プルキンエ像であると判断するプルキンエ像Pc上に 区別表示がなされたとき、「NO」ボタンのクリックを止めることができる。装置1 は、所定時間後、このプルキンエ像Pcを対象に自動的にアライメント動作を再開す る。なお、アライメント動作の再開のために、肯定的判断結果を入力するための「Y ES」ボタンが別途に設けられていてもよい。
以上のアライメント動作では、原則として装置1が動作を停止することが無いので、被検者に対する苦痛や瞬きを回避することができる。なお、検査者による装置1への指定入力は、上記「NO」及び「YES」のボタンのクリックに限らず、前述したとおり、モニター画面上でプルキンエ像の位置をクリックすること、タッチパネル上をタッチすること、別体の操作板を操作すること等が可能である。
以上の装置1の動作では、検査者による「NO」入力が無い限り、アライメント動作及び合焦動作が継続される。しかし、上記(1)、(2)において、装置1は、プルキンエ像を表示した状態で、検査者による判定を待つためにXY軸方向のアライメント動作を一旦減速するか又は一旦停止するように構成されてもよい。この停止又は減速状態において、検査者は、仮特定の当否の判断結果を「YES」ボタン又は「NO」ボタンのクリックによって入力する。「YES」ボタンがクリックされると、上記仮特定のプルキンエ像P2が真に特定された角膜反射プルキンエ像Pcとなる。装置1は、この特定されたプルキンエ像Pcを対象に、もとのアライメント動作を開始する。「NO」ボタンがクリックされると、装置1は減速状態又は停止状態を維持する。その後の動作は上記(5)、(6)と同じである。
アライメント動作中において、被検者の瞬き、不用意な被検眼E2の変位等により、観察画面からプルキンエ像P1、P2、P3の一部又は全部が消失することがある。このようなプルキンエ像追跡不能時間が生じた場合でも、この装置1は、その機能に基づいて自動的且つ容易にアライメント動作を再開しうる。一旦、プルキンエ像P1、P2、P3の一部又は全部が消失したときは、装置1はXYZ各軸方向の移動を停止し、瞬きや変位が収まるのを待つ。瞬きが止み、又は被検眼の位置が元に戻ると、再度、全プルキンエ像P1、P2、P3が画面上に現れる。装置1は、画面上に再度現れたプルキンエ像(再現プルキンエ像という)P1、P2、P3のうちから、角膜反射のプルキンエ像(P2=Pc)を自動的に捕捉し、追跡を再開することができる。装置1のこの動作の一例は、再現プルキンエ像P1、P2、P3の位置データに対してなされるスコアリングによるものである。このスコアリングは、画像処理部6の記憶部に記憶されている位置関係に基づいて実行されうる。この位置関係の例が、プルキンエ像P1、P2、P3の前述のXY座標上又はθR座標上の位置関係である。
上記スコアリングは、以下のとおり実行される。全プルキンエ像P1、P2、P3が再度画面上に現れたとき、各再現プルキンエ像P1、P2、P3の、他の2個の再現プルキンエ像それぞれとの位置関係(X座標差及びY座標差)が検出される。この検出値が、画像処理部6の記憶部に記憶されている前述の角膜反射のプルキンエ像(P2=Pc)と他のプルキンエ像P1、P3との位置関係(以下、これをPcとの位置関係と呼ぶ)と対比される。記憶されているこのPcとの位置関係とは、前述したP1とPcとの座標差(x1−x2及びy1−y2)、PcとP1との座標差(x2−x1及びy2−y1)、PcとP3との座標差(x2−x3及びy2−y3)、P3とPcとの座標差(x3−x2及びy3−y2)である。
この記憶されている位置関係と類似の位置関係を1つ有する再現プルキンエ像に、+1点が付与される。記憶されているPcとの位置関係と類似の位置関係を2つ有する再現プルキンエ像には、+2点が付与される。従って、再現プルキンエ像P1、P2、P3の位置データの各スコアリングは、P1が+1点、P2が+2点、P3が+1点となる。最多点(+2点)を付与された再現プルキンエ像P2が角膜反射のプルキンエ像Pcであるとして、これが記憶部に記憶される。そして、制御部4が、光学部3及びXYZ駆動部5に対し、この再現プルキンエ像P2(=Pc)を追跡するように指示する。XYZ駆動部5は、図4を参照しつつ前述されたと同様に、再度捕捉した再現プルキンエ像P2(=Pc)を追跡し、アライメント動作及び合焦動作を継続する。
また、プルキンエ像の前後位置関係に基づいた、装置1による角膜反射の再現プルキンエ像Pcの再追跡の他の例が、以下に説明される。再現プルキンエ像を検出したとき、光学部3の被検眼E2への接近動作を再開する。例えば、1個のプルキンエ像P3が大きく、不明確且つ暗くなり、2個のプルキンエ像P1、P2が小さく、明確且つ明るくなれば、最も小さく、最も明確且つ明るいプルキンエ像P2が角膜反射のプルキンエ像Pcであると判別する。一方、2個のプルキンエ像P2、P3が大きく、不明確且つ暗くなり、1個のプルキンエ像P1のみが小さく、明確且つ明るくなれば、大きく、不明確且つ暗くなっているうちの、より小さく且つより明るい方のプルキンエ像P2が角膜反射のプルキンエ像Pcであると判別する。この判別は、記憶されている前述のプルキンエ像P1、P2、P3の面積及び輝度の相対変化との対比に基づいてなされる。しかし、判別する際の判定基準は、プルキンエ像の面積及び輝度の両方でなくてもよい。そのうちの少なくとも1つによって判別されてもよい。そして、光学部3は、この判別された角膜反射のプルキンエ像Pcを追跡する。このようにして再度捕捉した再現プルキンエ像P2(=Pc)を再追跡し、アライメント動作及び合焦動作を継続する。
以上が、眼内レンズIOLが装着されている被検眼E2に対するアライメント動作である。この装置1によれば、一旦複数のプルキンエ像のうちから角膜反射によるプルキンエ像Pcを判別すると、プルキンエ像追跡不能時間が生じても、容易にアライメント動作が再開されうる。以降は、角膜反射によるプルキンエ像Pcを、単に「プルキンエ像P」という。
図1に示されるように、固視標光学系14は、固視灯(可視LED)34及びマスク35を有している。マスク35には、所定形状の小孔35aが形成されている。固視灯34から小孔35aを通過した所定形状の固指標光は、可視光反射赤外光透過ミラー32で反射されることにより、アライメント光軸13aに沿って被検眼E1に照射される。被検者がこの固指標光を固視することにより、被検眼E1の向きが固定される。
上記照明光学系11と撮影光学系12とは、合焦光学系としての機能をも有している。合焦動作は、光学部3の被検眼E1に対する詳細位置合わせである。以下に、照明光学系11と撮影光学系12とによる合焦動作を説明する。
撮影用照明光源15から照明光軸11aに沿って撮影用スリット部材17を通過した照明光(スリット光)は、前眼部で反射され、撮影光学系12の光軸12aに沿ってCCD20に至って受光される。スリット光がCCD20の画面20aの所定位置に受像されるときは、合焦していることになる。この所定位置とは、角膜内皮細胞が最も明確に撮影されうる位置である。照明光軸11aと撮影光軸12aとの交点(合焦点)Fが被検眼E1の撮影対象部位にあるときに、画像処理部6が合焦を検知する。このとき、CCD20は、撮影対象部位(角膜内皮細胞)を明瞭に撮影することができる。
図3には、光学部3が待機位置から合焦のために被検眼E1の角膜CNに接近する状態が、相対的に示されている。すなわち、固定された光学部3に角膜CNが接近しつつあるように示されている。待機位置は、光学部3が被検眼E1から十分に離間した位置であり、合焦しえない位置である。図3には、光学部3のZ軸方向移動時のスリット像の動きも示されている。図9には、撮影用CCD20の画面20a上を移動するスリット像が示されている。撮影用CCD20にはスリット像が受像される。画面20aにおける画像は、上記画像処理部6において処理され、制御部4に送られる。この画像は、上記操作部7での操作によって、表示部8にも表示されうる。
図3に示されているスリット像は、角膜上皮像Icu、角膜内皮像Ici、予備信号スリット像(予備信号像という)Ip及び後続信号スリット像(後続信号像という)Isである。角膜上皮Cuで反射されるスリット光による像が角膜上皮像Icuであり、角膜内皮Ciで反射されるスリット光による像が角膜内皮像Iciである。この装置1の撮影対象は角膜内皮像Iciである。図9に示されるように、予備信号像Ip及び後続信号像Isについても、ともに、角膜上皮Cuで反射される像Ipu、Isuと、角膜内皮Ciで反射される像Ipi、Isiとが存在する。しかし、角膜内皮Ciで反射される予備信号像Ipi及び後続信号像Isiは、一般的に光量が少ないので、信号としての使用には不向きである。従って、図3ではその図示が省略されている。しかし、信号として十分な光量があれば、使用可能である。それにより制御可能範囲がさらに拡大するので好ましい。
図3及び図9に示されるように、光学部3が被検眼E1に接近する(角膜CNが光学部3に接近する)に伴い、撮影用対物レンズ21を通してCCD20で受像される位置は、図中の矢印A方向に移動する。予備信号像Ipu、Ipi、角膜上皮像Icu、角膜内皮像Ici、後続信号像Isu、Isiが、その順で矢印A方向に移動する。図3において、第一の光軸12a1は、光学部3の接近移動前の状態の角膜上皮Cuにおける反射像の光軸である。第二の光軸12a2は、光学部3の所定距離接近移動した後の角膜内皮Ciにおける反射像の光軸である。第三の光軸12a3は、光学部3の所定距離接近移動した後の状態の角膜上皮Cuにおける反射像の光軸である。
撮影対象である角膜内皮像Iciは、図9(b)に示されるように、それがCCD20の画面20a上の所定位置に正しく位置したときに撮影される。CCD20のサンプリング周期は30フレーム/秒程度である。一方、光学部3は、迅速な撮影を行うために、高速で被検眼E1に接近させられる。このような高速移動の場合、角膜内皮像Iciが画面20a上に存在しうるのは、Z軸方向移動距離でいうと0.7mm程度である。したがって、0.033秒周期の撮影時に、高速で角膜内皮像Iciを画面20a上の所定位置に正確に位置決めすることは困難な場合がある。一方、正確な位置決めのために十分な低速で光学部3を接近させる場合には、撮影に時間がかかりすぎ、被検眼の向きの固定が困難となる。
かかる事態を防止するために、この撮影装置1では、光学部3の高速接近と、合焦直前の急減速とを組み合わせ、迅速且つ正確に角膜内皮像Iciを画面20a上の所定位置に正確に位置決めするように制御している。具体的には、角膜上皮Cuで反射される光量の多い上記予備信号像Ipu及び/又は後続信号像Isuが使用される。予備信号像Ipu及び後続信号像Isuのいずれかが画面20a上に存在しうるのは、両信号用スリット42、43が存在しない場合のZ軸方向移動距離でいうと3倍以上といえる。したがって、CCD20には、予備信号像Ip、角膜上皮像Icu、角膜内皮像Ici及び後続信号像Isのいずれかが受像されることが十分に可能である。
前述のとおり、角膜内皮像Iciが画面20a上の所定位置に結像したときは、そのまま撮影される(図9(b))。予備信号像Ipuが画面20a上に結像したとき(図9(a))は、角膜内皮像Iciが画面20a上に受像されるように、光学部3の前進速度が急減速する。この制御は、制御部4が、画像処理部6からの画像信号に基づいて、XYZ駆動部5及びXYZテーブル2を介して行う。かかる制御により、光学部3が高速で被検眼E1に接近しても、的確且つ迅速な合焦が可能となる。
このように、予備信号像Ipuを使用することによって、的確且つ迅速な合焦が十分可能である。本実施形態では、さらに上記した後続信号像Isuを使用することができる。万が一、予備信号像Ipu及び角膜内皮像Iciがともに画面20a上に結像しないときであっても、後続信号像Isuが受像されるので(図9(c))、このときは角膜内皮像Iciが画面20a上に受像されるように、XYZ駆動部5が、光学部3の前進を後退に切り替える。この制御も、制御部4が、画像処理部6からの画像信号に基づいて、XYZ駆動部5及びXYZテーブル2を介して行う。かかる制御により、光学部3が高速で被検眼E1に接近しても、的確且つ迅速な合焦が可能となる。
以上のとおり、主スリット41に加えて、予備信号用スリット42及び後続信号用スリット43のいずれか一方を備えておくと、的確且つ迅速な合焦が可能となる。撮影時間の短縮の観点からは、予備信号用スリット42が後続信号用スリット43より有効であるといえる。両スリット42、43をともに備えると、一層有効である。
スリット部材17において、予備信号用スリット42及び後続信号用スリット43が主スリット41から離れすぎていると、予備信号像Ipu、角膜内皮像Ici及び後続信号像Isuともに検出されない可能性がある。また、後続信号用スリット43が主スリット41に近すぎると、角膜内皮像Iciに後続信号像Isuが重なり、明瞭な角膜内皮像Iciが得られない。従って、各スリット42、41、43同士の間隔は、光学部3の前進中には、いずれかのスリットの像Ipu、Ici、Isuが画面20a上に結像しうるような間隔とされている。
撮影用スリット部材17における、予備信号用スリット42及び後続信号用スリット43は、その上下方向位置が異なっている。これは、画面20a上における予備信号像Ipと後続信号像Isとを識別可能にする目的からである。識別のためには、上下位置を相違させることには限定されない。例えば、スリットの上下方向の長さの相違等、形状を相違させてもよい。
この撮影装置1は、さらにスムーズ且つ的確な合焦動作をなし得る構成を有している。上記アライメント光学系13によって予備合焦がなされる。予備合焦とは、光学部3が合焦点に近づいたことを検知し、光学部3の移動速度を低下させることである。図4を参照しながら前述したように、アライメント動作では、光学部3の前眼部への接近に伴い、プルキンエ像Pが、CCD28の撮影画像28a上で明確になり且つ縮小する。次いで、撮影画像28aの中央のアライメント基準点28bに接近させられる。プルキンエ像Pがアライメント基準点28bに維持されつつ、光学部3がさらに被検眼に接近させられてアライメントがなされる。
プルキンエ像Pが撮影画像28a上で所定の大きさにまで縮小したとき、光学部3の移動速度が低下するようにされている。所定の大きさとは、予め定められたプルキンエ像の範囲内の画素数である。この画素数が上記所定の大きさ(閾値)となる光学部3の位置は、予備信号像Ipが撮影画像28a上で検知されるより後方である。また、光学部3の移動速度は、合焦制御の観点からは、プルキンエ像Pの大きさが、閾値からさらに小さくなるに従って徐々に低下させられるのが好ましい。
光学部3の前進が減速することにより、正確な合焦動作が可能となる。上記予備信号像Ip、角膜上皮像Icu、角膜内皮像Ici及び及び後続信号像Isが画面20a上の所定位置に受像されるように制御することが一層容易となる。また、光学部3の移動もスムーズになる。このアライメント光学系13による予備合焦と、前述した予備信号像Ip及び後続信号像Isの作用とが組み合わされることにより、さらに迅速且つ正確な合焦が可能となる。
上記撮影装置1による角膜内皮細胞の撮影動作の一例を説明する。まず、待機位置にある撮影装置1の前面下部に設置された図示しないアゴ台と、前面上部に設置された図示しない額当てとに、被検者の顔を当接させて顔の向きを固定する。次に、アライメント光学系のCCD28の撮影画像28aに前眼部像が入るように、アゴ台の高さと、頭部の左右位置とを概ね合わせる。撮影画像28aは、前述のとおり、表示部8にも表示される。本体10の前部の前眼部照明用のLED9が点灯し、前眼部を照明している。被検者に固指標光を固視させることにより、被検眼E1の向きを固定する。この状態で、撮影装置1の図示しない撮影ボタン(スタートボタン)が押され、光学部3が被検眼E1に向かって前進する(Z軸方向移動)。
CCD28の撮影画像28aにプルキンエ像Pが検出されると、光学部3の前進が停止する。プルキンエ像Pが撮影画像28aの中央点28bに位置するように、光学部3がXY各軸方向に変位する。撮影画像28a上のプルキンエ像Pの上記位置を維持しつつ、光学部3が前進する。撮影画像28a上のプルキンエ像Pの大きさが所定値になると、光学部3の前進が減速して正確な合焦に備える。角膜内皮像IciがCCD20の画面20a上で検知されたときは、そのまま撮影される。予備信号像Ipが画面20a上で検知されたときは、角膜内皮像Iciが画面20a上に位置するように、光学部3の前進速度が急減速する。このようにして画面20a上に位置した角膜内皮像Iciが撮影される。後続信号像Isが画面20a上で検知されたときは、角膜内皮像Iciが画面20a上に位置するように、光学部3の前進が後退に切り替えられる。このようにして画面20a上に位置した角膜内皮像Iciが撮影される。
図10には、他の角膜内皮細胞撮影装置(以下、単に撮影装置という)51の光路図が示されている。この撮影装置51が図1の撮影装置1と異なる点は、その光学部53におけるアライメント光学系13に専用の受像器が備わっておらず、撮影光学系12の撮影用CCD20がアライメント用受像器の機能をも兼ねていることである。その結果、図1の撮影装置1におけるミラー25が、可視光反射赤外光透過ミラー54に置き換えられている。その他の機器については、両撮影装置1、51とも同一である。従って、図10では、図1の撮影装置1の構成部材と同一の機器については、同一の符号が付され、その説明が省略される。
この撮影装置51では、撮影光学系12による角膜内皮像Iciもアライメント光学系13による前眼部像も、共通の撮影用CCD20によって撮影される。角膜内皮Ciの撮影と前眼部の撮影とは、その撮影倍率が大きく異なるが、同一カメラ20によって行われる。角膜内皮像Iciと前眼部像とが重なった状態で撮影されないように、角膜内皮像Iciと前眼部像とは、撮影タイミングが相違されている。照明光学系11の照明光源15と、アライメント光学系13のアライメント指標光源27とは、撮影用CCD20の撮影周期に同期して点滅させられる。照明光源15とアライメント指標光源27とは、交互に点灯される。従って、角膜内皮像Iciと前眼部像とは重ね合わされず、異なる映像として得られる。
以上説明された実施形態では、角膜内皮細胞撮影装置が例示されている。しかし、本発明は角膜内皮細胞撮影装置には限定されない。本発明は、例えば、前眼部測定装置、レフラクトメータ、ケラトメータ等の眼科検査装置にも適用可能である。
本発明の眼科検査装置は、眼内レンズ装着眼の検査等に有用である。
1、51・・・角膜内皮細胞撮影装置
2・・・XYZテーブル
3、53・・・光学部
4・・・制御部
5・・・XYZ駆動部
6・・・画像処理部
7・・・操作部
8・・・表示部
9・・・前眼部照明用LED
10・・・本体
11・・・照明光学系
12・・・撮影光学系
13・・・アライメント光学系
14・・・固指標光学系
15・・・照明用光源
16・・・コンデンサレンズ
17・・・撮影用スリット部材
18・・・(照明用)対物レンズ
19、24、25、31・・・ミラー
20・・・(撮影用)CCD
21・・・(撮影用)対物レンズ
22・・・フィルタ
23・・・リレーレンズ
27・・・アライメント指標光源
28・・・(前眼部観察用)CCD
29・・・投影レンズ
30・・・前眼部撮影レンズ
32、54・・・可視光反射赤外光透過ミラー
33・・・ハーフミラー
34・・・固視灯
35・・・マスク
36・・・可視光カットフィルタ
41・・・主スリット
42・・・予備信号用スリット
43・・・後続信号用スリット
44・・・(固定用)孔
AC・・・前房
Ci・・・角膜内皮
CL・・・水晶体
CN・・・角膜
CR・・・回旋点
Cu・・・角膜上皮
E1、E2・・・被検眼
F・・・合焦点
Icu・・・角膜上皮像
Ici・・・角膜内皮像
IOL・・・眼内レンズ
IR・・・虹彩
Ip・・・予備信号像
Is・・・後続信号像
Ipu・・・(角膜上皮での)予備信号像
Ipi・・・(角膜内皮での)予備信号像
Isu・・・(角膜上皮)後続信号像
Isi・・・(角膜内皮での)後続信号像
LC・・・水晶体嚢
P、P1、P2、P3・・・プルキンエ像
Pp・・・瞳孔
Qc・・・角膜の曲率中心
Qf・・・眼内レンズ前面の曲率中心
Qr・・・眼内レンズ後面の曲率中心
Rc・・・角膜の曲率半径
Rf・・・眼内レンズ前面の曲率半径
Rr・・・眼内レンズ後面の曲率半径
SP・・・支持部
Tc・・・角膜頂点
Tf・・・眼内レンズ前面の頂点
Tr・・・眼内レンズ後面の頂点

Claims (9)

  1. 照明光学系、撮影光学系及びアライメント光学系を含む光学部と、
    この光学部を被検眼に対して移動させる光学部駆動部と、
    画像処理部と、
    制御部とを備えており、
    上記アライメント光学系が、アライメント光を光学部の基準光軸に沿って前眼部に正面から照射する光源と、前眼部で反射されたアライメント光の反射像であるプルキンエ像を含む前眼部像を受像する受像器とを有しており、
    上記画像処理部が、上記前眼部像から複数のプルキンエ像を認識し、これらプルキンエ像のうちから角膜反射プルキンエ像を特定し、且つ、各プルキンエ像間の位置関係を特定し、
    この画像処理部が、特定された角膜反射プルキンエ像、及び、角膜反射プルキンエ像と他のプルキンエ像との上記位置関係を記憶し、
    上記制御部が、アライメント動作において、光学部が上記角膜反射プルキンエ像を追跡するように上記光学部駆動部に指示する、眼科検査装置。
  2. 上記光学部による角膜反射プルキンエ像の追跡動作において、
    上記画像処理部が、
    追跡不能時間経過後に検出された複数の再現プルキンエ像間の位置関係を特定し、
    この再現プルキンエ像間の位置関係を、記憶されている上記角膜反射プルキンエ像、及び、角膜反射プルキンエ像と他のプルキンエ像との位置関係と対比することにより、上記再現プルキンエ像のうちから角膜反射によるプルキンエ像を特定する、請求項1に記載の眼科検査装置。
  3. 上記画像処理部が、二次元の直交座標上又は極座標上における各プルキンエ像の位置を特定し、二つのプルキンエ像の座標値の差に基づいて上記位置関係を特定する、請求項1又は2に記載の眼科検査装置。
  4. 上記画像処理部が、光学部の被検眼に対する前後移動に伴う、各プルキンエ像の、面積の増減及び輝度の増減のうち少なくとも1つを特定し、この特定された事象のプルキンエ像間の相対変化に基づいて上記位置関係を特定する、請求項1又は2に記載の眼科検査装置。
  5. 上記画像処理部が、被検眼の変位に伴う上記複数のプルキンエ像の移動を対比することにより、上記複数のプルキンエ像のうちから角膜反射プルキンエ像を特定する、請求項1から3のいずれかに記載の眼科検査装置。
  6. 上記画像処理部が、上記複数のプルキンエ像の前後方向に沿った配置の順序に基づいて、上記複数のプルキンエ像のうちから角膜反射プルキンエ像を特定する、請求項1、2及び4のいずれかに記載の眼科検査装置。
  7. 表示部をさらに備えており、
    この表示部が、上記複数のプルキンエ像を表示し、
    この複数のプルキンエ像に対してなされた外部入力による指定に基づいて、上記画像処理部が、複数のプルキンエ像のうちから角膜反射プルキンエ像を特定する、請求項1又は2に記載の眼科検査装置。
  8. 上記複数のプルキンエ像の表示に伴い、角膜反射プルキンエ像であると仮特定されたプルキンエ像を対象に、上記光学部駆動部が上記光学部によるプルキンエ像の追跡を開始し、
    上記表示部に表示される複数のプルキンエ像のうち、上記仮特定された角膜反射プルキンエ像にのみ、他のプルキンエ像から区別しうる区別表示がなされており、
    上記仮特定を否定する外部入力があったとき、既に開始されている追跡のうちの少なくともZ軸方向の動作が一旦減速するか又は一旦停止し、角膜反射プルキンエ像を指定する外部入力があったときに、少なくとも上記Z軸方向のもとの動作が再開される、請求項7に記載の眼科検査装置。
  9. 上記表示部に表示される複数のプルキンエ像のうち、上記画像処理部が角膜反射プルキンエ像であると仮特定したプルキンエ像にのみ、他のプルキンエ像から区別しうる区別表示がなされており、
    上記光学部駆動部は、複数のプルキンエ像の表示の際に、上記外部入力を待つために、上記光学部によるプルキンエ像の追跡のうちの少なくともZ軸方向の動作を減速するか又は停止し、
    上記仮特定を否定し且つ角膜反射プルキンエ像を変更する外部入力、又は、上記仮特定を肯定する外部入力及びがあったとき、少なくとも上記Z軸方向のもとの動作が開始される、請求項7に記載の眼科検査装置。
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