JP6798096B2 - 眼底撮影装置 - Google Patents

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Description

本開示は、被検眼の波面収差を補正した状態で被検眼の眼底像を撮影する眼底撮影装置に関する。
シャックハルトマンセンサーなどの波面センサを用いて眼の波面収差を検出し、その検出結果に基づいて波面補償デバイスを制御し、波面補償後の眼底画像を細胞レベルで撮影する装置が知られている。このような装置によって得られた眼底画像は、例えば、細胞密度解析等の眼底の細胞に関する解析処理に使用可能である(特許文献1参照)。
特開2014−110825号公報
ここで、眼底画像において、明るすぎていわゆる白とびが生じたり、明るさが不足していわゆる黒つぶれが生じたりする場合、それぞれの細胞が適正に検出され難くなる。その結果、例えば、上記の細胞に関する解析処理によって、適正な処理結果が得られない場合がある。また、解析処理において良好な処理結果を得るには、画像のコントラストについても考慮する必要がある。
本開示は、従来技術の問題点に鑑み、眼底の細胞に関する解析に適した良好な眼底画像を得ることができる眼底撮影装置を提供することを目的とする。
本開示の第1態様に係る眼底撮影装置は、被検眼の所定部位を形成する細胞画像を取得する眼科撮影装置であって、波面補償デバイスによって波面収差が補償された状態での被検眼からの反射光を受光する受光素子を備える撮影光学系と、前記受光素子から出力される受光信号の振幅を増幅した信号である増幅受光信号を出力する信号増幅部と、前記信号増幅部からの増幅受光信号を所定の階調範囲で量子化し、細胞画像として取り込むための画像形成部と、前記画像形成部によって取得される細胞画像を解析して前記細胞画像における一部又は全部の領域における階調分布を、前記細胞画像における階調値毎の画素数に関するヒストグラムとして取得し、前記ヒストグラムにおける低輝度側端部の階調値が前記細胞画像において取り得る最小階調値よりも大きく、前記ヒストグラムにおける高輝度側端部の階調値が前記細胞画像において取り得る最大階調値よりも小さくなる範囲において、前記低輝度側端部の階調値と前記高輝度側端部の階調値との差が、予め定められた閾値であって前記細胞画像を表す階調範囲の70パーセント以上予め定められた閾値よりも大きくなるように、前記受光信号を増幅するためのオフセットおよびゲインの少なくとも一方を、調整する増幅制御部と、を有し、前記画像形成部は、前記信号増幅部が前記増幅制御部によって調整された後に、新たな前記細胞画像を取り込む。
本開示の眼底撮影装置によれば、眼底の細胞に関する解析に適した良好な眼底画像を得ることができるという効果がある。
本実施形態における眼底撮影装置の光学系を示した模式図である。 第1眼底画像の一例を示した図である。 眼底撮影装置の制御系を示したブロック図である。 特に、図3において、第1眼底画像(AO−SLO画像)を形成するために用いる回路の構成を、より詳細に示した図である。 制御部によって実行されるメイン処理の一例を示したフローチャートである。 増幅制御処理の一例を示したフローチャートである。 第1眼底画像の階調分布におけるヒストグラムの一例であり、信号増幅部における増幅制御が適正である場合におけるヒストグラムの一例を示す。 第1眼底画像の階調分布におけるヒストグラムの一例であり、白とびと、黒つぶれの両方が発生した第1眼底画像におけるヒストグラムの一例を示す。 第1眼底画像の階調分布におけるヒストグラムの一例であり、白とびが発生した第1眼底画像におけるヒストグラムの一例を示す。 第1眼底画像の階調分布におけるヒストグラムの一例であり、黒つぶれが発生した第1眼底画像におけるヒストグラムの一例を示す。 第1眼底画像の階調分布におけるヒストグラムの一例であり、ゲインが高すぎる状態の第1眼底画像におけるヒストグラムの一例を示す。 ROIが設定された場合の第1眼底画像の一例を示した図である。
以下、図面を参照して、典型的な実施形態を説明する。眼底撮影装置1は、被検眼の波面収差を補正した状態で被検眼の眼底像を撮影する波面収差補償付眼底撮影装置(AO―SLO)である。
初めに、図1を参照して、眼底撮影装置1の光学系について説明する。本実施形態の撮影装置1は、眼底撮像光学系100と、波面収差検出光学系(以下、収差検出光学系と記載する。)110と、収差補償ユニット20,72と、第2撮影ユニット200と、前眼部観察ユニット700と、を備える。
眼底撮像光学系100は、被検眼Eにレーザー光(照明光)を投光すると共に、レーザー光の眼底による反射光を受光して被検眼Eの眼底像を撮影する。被検眼Eの眼底は、眼底撮像光学系100によって、高解像度(高分解能)・高倍率で撮影される。以下のように、眼底撮像光学系100は、例えば、共焦点光学系を用いた走査型レーザー検眼鏡の構成を有してもよい。眼底撮像光学系100は、第1照明光学系100aと、第1撮影光学系100bと、を備える。また、本実施形態において、収差補償ユニット20,72は、収差補償ユニット20,72は、被検眼の収差を補正するために眼底撮像光学系100に配置される。なお、収差補償ユニットとしては、被検眼の低次収差(視度:例えば、球面度数)を補正するための視度補正部20と、被検眼の高次収差を補正するための高次収差補償部(波面補償デバイス)72と、に大別される。
第1照明光学系100aは、被検眼Eにレーザー光を照射すると共にレーザー光を眼底上で走査することによって、眼底を2次元的に照明する。第1照明光学系100aは、光源11(第1光源)から眼底に到るまでの光路において、光源11、レンズ12、偏光ビームスプリッタ(PBS)14、ビームスプリッタ(BS)71、凹面ミラー16、凹面ミラー17、平面ミラー18、収差補償ユニット72(波面補償デバイス72)、ビームスプリッタ(BS)75、凹面ミラー21、凹面ミラー22、走査部25、凹面ミラー26、凹面ミラー27、平面ミラー31、レンズ32、平面ミラー33、収差補償ユニット20(視度補正部20)、平面ミラー35、凹面ミラー36、偏向部400、ダイクロイックミラー90、凹面ミラー41、平面ミラー42、平面ミラー43、および、凹面ミラー45、を有する。
光源11は、レーザー光を出射する。光源11から出射されたレーザー光は、レンズ12により平行光とされた後、PBS14、BS71、凹面ミラー16,17、平面ミラー18を介して、波面補償デバイス72に入射する。本実施形態において、レーザー光は、PBS14を通過することによって、S偏光成分のみの光束とされる。波面補償デバイス72は、入射光の波面を制御することによって、被検眼の高次収差を補正する。波面補償デバイス72の詳細構成については後述する。本実施形態において、レーザー光は、波面補償デバイス72からBS75に導かれた後、凹面ミラー21、凹面ミラー22で反射され、走査部25に向かう。
本実施形態において、走査部25は、レーザー光を眼底上で2次元的に走査するために偏向部400と共に使用される。走査部25は、レーザー光の主走査に使用されるレゾナントミラーである。レーザー光は、走査部25によって、眼底上でX方向に走査される。
走査部25を経た光は、凹面ミラー26,27、平面ミラー31、レンズ32、平面ミラー33を介して、視度補正部20へ入射される。
視度補正部20は、視度補正を行うためのユニットである。視度補正部20は、駆動部20aのほかに、レンズおよび平面ミラーを1対ずつ有する。視度補正部20の平面ミラーおよびレンズが駆動部20aによって所定方向に移動されることで、光路長が調節される。その結果として、被検眼Eの視度の誤差が矯正される。
視度補正部20から平面ミラー35へ導かれた照明光は、凹面ミラー36に反射され、偏向部400に向かう。
偏向部400は、光源11から出射されたレーザー光を眼底上で垂直方向(Y方向)に走査する。さらに、偏向部400は、眼底におけるレーザー光の走査範囲を移動させるためにも使用される。例えば、本実施形態において、偏向部400は、レーザー光を偏向する方向が異なる2つの光スキャナ(具体例としては、XガルバノミラーおよびYガルバノミラー)を有していてもよい。
偏向部400を経た光は、ダイクロイックミラー90、凹面ミラー41、平面ミラー42,43、および凹面ミラー45を経て、被検眼Eの瞳孔内に導かれる。レーザー光は、被検眼Eの眼底面上で集光する。眼底上では、前述したように、走査部25および偏向部400の動作によって、レーザー光が2次元的に走査される。
また、ダイクロイックミラー90は、後述する第2撮影ユニット200からの光束を透過させ、光源11および後述する光源76からの光束を反射させる特性を持つ。なお、光源11および光源76の出射端と被検眼Eの眼底とは共役とされている。このようにして、第1照明光学系100aが形成される。
次に、第1撮影光学系100bを説明する。第1撮影光学系100bは、眼底に照射されたレーザー光の反射光を受光素子56によって受光する。眼底撮影装置1は、第1眼底画像(本実施形態では、AO−SLO画像、図2参照)を、受光素子56からの信号に基づいて取得する。第1撮影光学系100bは、被検眼EからBS71までの光路を、第1照明光学系100aと共用する。また、第1撮影光学系100は、BS71の反射側光路に配置された要素、即ち、平面ミラー51、PBS52、レンズ53、ピンホール板54、レンズ55、および、受光素子56を有している。なお、本実施形態では、受光素子56はAPD(アバランシェフォトダイオード)が用いられている。また、ピンホール板54は、眼底と共役な位置に置かれる。
光源11からのレーザー光の眼底反射光は、前述した第1照明光学系100aを逆に辿り、BS71、平面ミラー51のそれぞれで反射され、PBS52にてS偏光の光だけ透過される。この透過光は、レンズ53を介してピンホール板54のピンホールに焦点を結ぶ。ピンホールで焦点を結んだ反射光は、レンズ55を経て受光素子56に受光される。なお、照明光の一部は角膜上で反射されるが、ピンホール板54により大部分が除去される。よって、受光素子56は、角膜反射の影響を抑えて、眼底からの反射光を受光できる。
詳細は後述するが、受光素子56からの受光信号が、画像処理部(例えば、制御部800)等で処理されることにより、第1眼底画像が形成される。本実施形態において、1フレームの眼底画像は、走査部25の主走査と、偏向部400に設けられたY走査用のガルバノミラーの副走査によって形成される。なお、第1撮影ユニット100で取得する眼底画像(眼底像)の画角が所定の角度となるように走査部25および偏向部400におけるミラーの振れ角(揺動角度)を定める。ここでは、眼底の所定の範囲を高倍率で観察、撮影する(ここでは、細胞レベルでの観察等をする)ために、画角を1度〜5度程度とする。本実施形態では、1.5度とする。被検眼の視度等にもよるが、第1眼底画像の撮影範囲は、500μm角程度とされる。
さらに、偏向部400に設けられたX走査用のガルバノミラーとY走査用のガルバノミラーの反射角度が第1眼底画像の撮像画角より大きく移動されることによって、眼底における第1眼底画像の撮像位置(つまり、レーザー光の走査範囲)が変更される。
第2撮影ユニット200は、第1撮影ユニット100の画角よりも広画角の眼底画像(第2眼底画像)を取得するためのユニットである。第2眼底画像は、例えば、第1眼底画像を得るための位置指定、および位置確認用の画像として用いられる。本実施形態の第2撮影ユニット200は、被検眼Eの眼底画像を広画角(例えば20度〜60度程度)でリアルタイムに取得および観察できる構成であることが好ましい。例えば、第2撮影ユニット200として、既存の眼底カメラの観察・撮影光学系、および走査型レーザー検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)の光学系および制御系が利用されてもよい。
前眼部観察ユニット700は、被検眼Eの前眼部を可視光で照明し、前眼部正面像を撮像するユニットである。前眼部観察ユニット700で撮像された画像は、モニタ850に出力される。前眼部観察ユニット700によって取得される前眼部画像は、撮影部500と被検眼Eとのアライメントに利用される。なお、ダイクロイックミラー95は、第2撮影ユニット200からの光束を透過させ、前眼部観察ユニット700からの光束を反射させる特性を持つ。
次に、収差検出光学系110について説明する。収差検出光学系110は、波面センサ73を有する。また、収差検出光学系110は、被検眼Eの眼底に測定光を投光し、測定光の眼底反射光を、指標パターン像として波面センサ73で受光(検出)する。収差検出光学系110は、一部の光学素子を第1照明光学系100aおよび第1撮影光学系100bの光路上(本実施形態では、共通光路上)に持ち、光学系100a,100bと光路を一部共用している。つまり、本実施形態の収差検出光学系110は、光学系100a,100bの光路上に配置されたBS71から凹面ミラー45までを、光学系100a,100bと共用する。更に、収差検出光学系110は、光源76、レンズ77、PBS78、BS75、BS71、ダイクロイックミラー86、PBS85、レンズ84、平面ミラー83、レンズ82、を有する。
光源76は、被検眼Eの収差検出に使用される。本実施形態において、光源76は、光源11と異なる波長の光を発する。光源76から出射した測定光は、レンズ77によって平行光束とされた後、PBS78に入射される。
PBS78は、波面補償部に備えられた第1偏光手段の一例である。PBS78は、光源76から出射された光を所定の方向に偏光する。より詳細には、PBS78は、PBS14の偏向方向(つまり、S偏光)とは、直交する方向(即ち、P偏光)に偏光する。PBS78を経た光は、BS75によって反射されることによって、第1照明光学系100aの光路に導かれる。その結果、測定光は、第1照明光学系100aの光路を経て被検眼Eの眼底に集光される。
測定光は、眼底の集光位置(例えば、網膜表面)で反射される。測定光の眼底反射光は、第1照明光学系100aの光路(つまり、第1撮影光学系100bの光路)を、投光時とは逆に辿る。途中、測定光は、波面補償デバイス72によって反射される。その後、測定光は、BS71によって反射されることによって、第1照明光学系100aの光路を外れる。更にその後、測定光は、ダイクロイックミラー86によって反射され、PBS85、レンズ84、平面ミラー83、レンズ82を経て、波面センサ73へと導かれる。
PBS85は、波面補償部に備えられた第2偏光手段である。PBS85は、光源76から被検眼Eに照射された光のうち、一方向に偏波した光(ここでは、S偏光光)を透過することによって、波面センサ73へと導光するために利用される。また、PBS85は、透過した成分とは直交する方向に偏波された成分(P偏光光)を遮断する。なお、ダイクロイックミラー86は、光源11の波長の光(840nm)を透過し、収差検出用の光源76の波長の光(780nm)を反射する特性とされる。従って、波面センサ73では、測定光の眼底反射光のうちS偏光成分を持つ光が検出される。このようにして、角膜や光学素子で反射される光が波面センサ73に検出されることを抑制している。
波面センサ73は、被検眼Eの波面収差を検出するために、収差測定用の測定光の眼底反射光を受光する。波面センサ73としては、低次収差および高次収差を含む波面収差を検出できる素子(より詳細には、ハルトマンシャック検出器、および、光強度の変化を検出する波面曲率センサ等)等が利用されてもよい。本実施形態において、波面センサ73は、例えば、多数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイと、マイクロレンズアレイを透過した光束を受光させるための二次元撮像素子73a(又は、二次元受光素子)と、を有する。波面センサ73のマイクロレンズアレイは、被検眼Eの瞳と略共役な位置に配置される。また、二次元撮像素子73aの撮像面(受光面)は、被検眼Eの眼底と略共役な位置に配置される。
二次元撮像素子73aの撮像面には、マイクロレンズアレイを透過した光束によって、指標パターン像61(本実施形態では、ハルトマン像)が形成される(図示を省略する)。よって、眼底反射光は、マイクロレンズアレイを通過して二次元撮像素子73aに受光されることによって、ハルトマン像(ドットパターン像)として撮像される。本実施形態では、ハルトマン像から被検眼の収差情報が取得され、収差情報に基づいて波面補償デバイス72が制御される。なお、ハルトマン像の詳細については、後述する。
波面補償デバイス72は、眼底撮像光学系100の光路中に配置され、入射光の波面を制御することによって、被検眼Eの波面収差を補償する。本実施形態において、波面補償デバイス72には、液晶空間光変調器が使用されてもよい。一例として、以下では、反射型のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等が使用されるものとして説明する。この場合、波面補償デバイス72は、光源11からのレーザー光(S偏光光)、該レーザー光の眼底反射光(S偏光光)、波面収差検出用光の反射光(S偏光成分)等の所定の直線偏光(S偏光)に対して収差を補正することが可能な向きに配置される。その結果、波面補償デバイス72は、入射する光のS偏光成分を変調できる。また、本実施形態において、波面補償デバイス72の反射面は、被検眼の瞳と略共役となる位置に配置される。
本実施形態の波面補償デバイス72において、液晶層内の液晶分子の配列方向は、入射する反射光の偏光面と略平行である。また、液晶分子が液晶層への印加電圧の変化に応じて回転する所定の面は、波面補償デバイス72に対する眼底反射光の入射光軸および反射光軸と、波面補償デバイス72が持つミラー層の法線と、を含む平面に対して略平行に配置されている。
なお、本実施例において、波面補償デバイス72は液晶変調素子とし、特に、反射型のLCOS等を用いるものとしているが、これに限るものではない。他の反射型の波面補償デバイスであってもよい。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の1形態であるデフォーマブルミラーが使用されてもよい。また、反射型の波面補償デバイスではなく、透過型の波面補償デバイスが使用されてもよい。透過型のデバイスでは、眼底からの反射光を透過させて波面収差が補償される。
なお、以上の説明では、収差検出用光源として、第1光源とは異なる波長の照明光を出射する光源を用いたが、第1光源が収差検出用光源を兼用していてもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、波面センサおよび波面補償デバイスを被検眼の瞳共役としたが、被検眼の前眼部の所定部位と略共役な位置であればよく、例えば、角膜共役であってもよい。
次に、図3のブロック図を参照して、本実施形態の眼底撮影装置1における電気的構成を説明する。眼底撮影装置1は、制御部800(演算制御部)を有している。制御部800は、眼底撮影装置1における装置全体の制御、および演算処理を行うプロセッサである。制御部800は、例えば、CPUおよびメモリ等の組み合わせからなる。本実施形態において、制御部800は、各種の第1眼底画像の形成等の画像処理を行う画像処理部を兼用する。但し、必ずしもこれに限られるものではなく、各種の画像処理を行う画像処理回路は、制御部800とは別体に設けられていても良い。
本実施形態において、制御部800には、記憶部801、操作入力部802、モニタ850、が電気的に接続される。また、制御部800には、光源1、駆動部10a、走査部15、波面補償デバイス72、波面センサ73、光源76、第2撮影ユニット200、偏向部400、が電気的に接続される。また、制御部800には、受光素子56、信号増幅部57、およびアナログ/デジタル変換器58(以下、「A/D変換器」と省略する)が直列接続されている。本実施形態では、信号増幅部57からの増幅受光信号を量子化し、所定の階調で表される画像(具体的には、細胞画像)として取り込むための画像形成部は、便宜上、A/D変換器58と制御部800との組み合わせとして形成されるものとする。
記憶部801は、各種の制御プログラムおよび固定データを格納する。また、記憶部801には、眼底撮影装置1によって撮影された画像、一時データ等が記憶されてもよい。
制御部800は、操作入力部802から出力される操作信号に基づいて、第1撮影ユニット100等の上記の各部材を制御する。操作入力部802は、検者によって操作される操作部材として図示無きマウス等の操作部材を備える。
モニタ850は、眼底撮影装置1に搭載された表示モニタであってもよいし、眼底撮影装置1とは別体の汎用の表示モニタであってもよい。また、これらが併用された構成であってもよい。モニタ850は、眼底撮影装置1で撮影される眼底画像(第1眼底画像、および第2眼底画像)を、動画像および静止画像のそれぞれで表示できる。
なお、制御部800による波面補償デバイス72の制御は、波面センサ73によって検出される波面収差に基づいて実行される。本実施形態では、波面センサ73からの検出信号に基づく波面補償デバイス72のフィードバック制御が行われる。波面補償デバイス72が制御されることによって、光源76の反射光のS偏光成分と共に、光源1から出射されるレーザー光と該レーザー光の眼底反射光の高次収差が取り除かれる。このようにして、光源1から出射されたレーザー光、および該レーザー光の眼底反射光が持つ収差が取り除かれる。その結果、被検眼Eの高次収差が取り除かれた(波面補償された)高解像度の第1眼底画像(即ち、波面補償画像)が眼底撮影装置1によって取得される。なお、このとき、低次の収差は、視度補正部10によって補正される。
信号増幅部57は、受光素子56から出力される受光信号の振幅を増幅した信号である増幅受光信号を出力する。増幅受光信号は、A/D変換器58によって所定の階調(つまり、階調値の範囲)で量子化(アナログ/デジタル変換)されたうえで、制御部800に取得される。結果、制御部800は、増幅受光信号の振幅の大きさに応じた階調値の画素を形成する。なお、第1実施形態において、階調は、A/D変換器57における信号入力範囲および信号分解能に基づいて定められる(例えば、256階調)。そして、制御部800は、1フレーム分の増幅受光信号から生成される画素に基づいて1フレームの第1眼底画像を形成する。このようにして、A/D変換器58および制御部800(つまり、本実施形態における画像形成部)によって、増幅受光信号が、所定の階調で表される細胞画像として取り込まれる。
図4に示すように、信号増幅部57には、制御部800からの制御信号が入力される。これにより、信号増幅部57では、入力(つまり、受光信号)に対するオフセット、およびゲインが、制御部800からの制御信号に基づいて調節可能である。このような信号増幅部57の具体的構成の一例を、図4に示す。例えば、受光素子56とA/D変換器58との間に、直列的に挿入された乗算器57aおよび加算器57bの組み合わせによって、信号増幅部57は形成されても良い。例えば、図4の信号増幅部57では、受光素子56からの信号が乗算器57aに入力される。更に、乗算器57aで増幅された信号が加算器57bに入力される。その結果、乗算器57aによる信号の振幅の増倍と、加算器57bによるオフセットとが、独立に行われる。なお、図4の例では、制御部800は、加算器57bおよび乗算器57aに対して個別に制御信号を出力することで、オフセットおよびゲインをそれぞれ独立に調節する。
以上のような構成と持つ本装置の動作を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。眼底撮影装置1は、電源がオンされた後、記憶部801に記憶された制御プログラムに従って動作する。
はじめに、被検眼Eに対する撮影部500のアライメントが行われる(S1)。例えば、制御部800は、前眼部観察ユニット700を用いてリアルタイムな前眼部画像を取得すると共に、前眼部画像をモニタ850に表示させる。検者は、モニタ850上の前眼部画像を観察しながら、顎台610の位置調整を手動又は自動で行い、アライメントを行う。この場合において、検者は、図示無き固視標を被検者が固視するように指示する。
本実施形態では、アライメントが完了した後、操作入力部802に設けられた開始スイッチが検者によって操作されると、第1撮影ユニット100を用いた第1眼底画像の取得が開始される。
まず、制御部800は、波面補償制御を開始する(S2)。これによって、被検眼の波面収差が、波面センサ73で逐次検出されると共に、検出結果に基づいて波面補償デバイス72が逐次駆動される。その結果、波面収差が補償された状態での被検眼からの反射光が、受光素子56によって受光されるようになる。よって、画像形成部によって形成される第1眼底画像において、波面収差の影響が抑制される。また、被検眼Eの波面検出の結果に基づいて視度補正部10を制御することで、制御部800が視度補正を自動的に行ってもよい。なお、S2の処理が実行された以降、波面補償制御は、後述の各処理とは並行して、逐次行われるものとする。
次に、制御部800は、S3からS5の処理を、撮影指示が入力されるまで(つまり、S5:Yesとなるまで)繰り返し実行し、受光素子56からの受光信号の増幅制御を逐次行いつつ、第1眼底画像を逐次生成する。
S3からS5のループ処理において、制御部800は、まずは、第1眼底画像を形成する。より詳細には、制御部800は、走査部25および偏向部400を用いた1フレーム分の走査毎に、A/D変換器58から出力される量子化された受光信号(より詳細には、増幅受光信号)に基づいて、1枚の第1眼底画像を形成する。本実施形態では、0〜255の範囲の値で、第1眼底画像における各画素の階調値は表される。なお、本実施形態において、より明るい画素ほど階調値は高く、より暗い画素ほど階調値は低いものとする。また、制御部800は、形成した第1眼底画像を、モニタ850に表示させる。なお、第1眼底画像を表す階調値の範囲は、上記の0〜255(つまり、256階調)に限られるものではなく、例えば、0〜511(つまり、512階調)等、他の階調値の範囲を採用し得る。また、検者からの操作入力に応じて、第1眼底画像を表す階調値の範囲を、複数の候補から選択する構成であってもよい。
次に、制御部800は、増幅制御処理(S4)を行う。これにより、信号増幅部57において受光素子56から出力される受光信号の増幅度合を調整する。本実施形態における増幅制御処理(S4)では、オフセットおよびゲインの少なくとも一方が、第1眼底画像の階調分布に基づいて調整される。上記の通り、本実施形態では、撮影の指示が入力されるまでの間、第1眼底画像の取り込みと、取り込んだ第1眼底画像に基づく受光信号の増幅制御とが、交互に、くり返し行われる。その結果として、細胞に関する解析に適した良好な第1眼底画像を得ることができる(詳細は後述する)。
ここで、図6を参照して、増幅制御処理(S4)に含まれる処理の一例を説明する。
図6の例では、まず、制御部800は、S3の処理によって予め取り込まれた第1眼底画像を解析して、第1眼底画像における階調分布を取得する(S21)。この場合において、本実施形態では、第1眼底画像の画素数を1階調値毎に示したヒストグラム(例えば、図7A〜図7E参照)が、制御部800によって取得される。但し、ヒストグラムを構成するビンは、1階調値毎に設定される必要はなく、一定の幅毎(例えば、5階調毎等)に設定されていてもよい。
次に、制御部800は、ヒストグラムを解析し、ヒストグラムにおいて画素が分布する階調値の範囲(つまり、画素の分布範囲)を定める境界値(Lpv,Hpv)を取得する(S22)。Lpv、Hpvは、それぞれ、図7A〜図7Eに示すように、ヒストグラムにおける画素の分布範囲における低輝度側端部の階調値と、高輝度側端部の階調値と、である。
より具体的な境界値(Lpv,Hpv)の定義は、いわゆる当業者によって適宜設定し得る。その際、ノイズ分、装置の特性等を考慮して算出してもよい。例えば、単純に、分布の最大値、最小値を、分布範囲の境界値(Lpv,Hpv)としてもよい。また、それぞれの境界値(Lpv,Hpv)は、分布の最大値,最小値から、ビン数本分だけ(例えば、3本分だけ等)中央値(或いは、平均値、最頻値等)側の値として定めてもよい。また、境界値(Lpv,Hpv)は、階調値毎の累積度数(画素数)を考慮して定めてもよい。例えば、第1細胞画像における画素数の例えば99.98パーセント程度が、LpvとHpvとの間に含まれ、LpvおよびHpvの外側にある画素数が例えば各0.01パーセント程度となるように、境界値(Lpv,Hpv)を定めてもよい。更に、ビニング処理した第1眼底画像からヒストグラムを得て、境界値(Lpv,Hpv)を求めてもよい。
増幅制御処理(S4)では、S23以降の処理によって、オフセットおよびゲインの一方が調整される。詳細は後述するが、本実施形態において、制御部800は、高輝度側境界Hpvを第1眼底画像において取り得る最大階調値(255)より低く,低輝度側境界Lpvを第1眼底画像において取り得る最少階調値(0)よりも高くする。
また、本実施形態において、制御部800は、HpvとLpvとの差を、閾値Wthよりも大きくするように、オフセットおよびゲインの少なくとも一方を調節する。閾値Wthは、細胞解析において細胞画像に含まれる各細胞を識別するための閾値であってもよい。例えば、解析処理において、視細胞の識別が、細胞頂点(細胞中心)の検出によって行われる場合は、その検出範囲において、細胞の頂点部分と、その頂点部分を囲む周辺部分とを、異なる階調で表示し得る値が、Wthとして設定されるとよい。
ここで、閾値Wthは、第1細胞画像を表す階調範囲における最大階調値と最小階調値との差を示す値に近いほど(例えば、第1眼底画像が256階調で表される場合は、256に近いほど)、多くの階調でもって第1眼底画像を表すことができるようになる。よって、細胞の解析をより良好に行うことができるようになる。しかし、この場合、ヒストグラムが一定の状態に収束し難くなる。つまり、逐次取得される第1眼底画像の画質が不安定になりやすい。また、安定するまでの時間が長くなりやすい。つまり、画質の安定しやすさと、第1眼底画像において細胞の描写に実質的に使用する階調値の範囲とは、トレードオフの関係にある。画質が速やかに安定し、且つ、多くの階調で細胞が表される第1眼底画像を得るには、例えば、第1細胞画像を表す階調範囲における最大階調値と最小階調値との差の70パーセント以上、90パーセント以下の値にWthを設定することが好ましい(より好適には、75パーセント以上、85パーセント以下)。本実施形態では、80パーセント程度の値(例えば、約200)が、閾値Wthとして設定されている。但し、上記の好適な範囲は一例であり、信号増幅部57の特性、および、制御部80の処理速度等に応じて、閾値Wthの好適な範囲は、変動し得る。
図6の例において、制御部800は、S23の処理によって、ヒストグラムの分布範囲における高輝度側境界の階調値Hpvが最大階調値255であり、且つ、ヒストグラムの分布範囲における低輝度側境界の階調値Lpvが最小階調値0であるか否かを判定する(S23)。Hpvが最大階調値255であり、且つ、Lpvが最小階調値0である場合(S23:Yes)のヒストグラムは、例えば、図7Bのようになる。つまり、この場合、ゲインが高く、第1眼底画像において、黒つぶれと、白とびとがいずれも生じていると考えられる。そこで、この場合(S23:Yes)、制御部800は、ゲインを下げる(S28)。結果、その後取得される第1眼底画像において、黒つぶれと、白とびとが軽減されるようになる。そして、増幅制御処理(S4)を終了し、S5の処理(図5参照)に移行する。
また、Hpvが最大階調値255ではない、および/又は、Lpvが最小階調値0ではない場合は(S23:No)、S24の判定処理が実行される。即ち、Hpvが最大階調値255であるか否かが判定される(S24)。本実施形態において、S24の判定が行われる前にS23:Noの判定がされていることから、Hpvが最大階調値255と判定される場合(S24:Yes)は、Lpvは最小階調値0以外の値である。この場合、ヒストグラムは、例えば、図7Cのようになっている。つまり、この場合、オフセットが高く、第1眼底画像において白とびが生じていると考えられる。そこで、この場合(S24:Yes)、制御部800は、オフセットを下げる(S29)。これにより、白とびが抑制される。そして、増幅制御処理(S4)を終了し、S5の処理(図5参照)に移行する。
一方、Hpvが最大階調値255ではないと判定された場合は(S24:No)、S25の判定処理が実行される。即ち、Lpvが最少階調値0か否かが判定される(S25)。本実施形態において、S24の判定が行われる前にS23:Noの判定がされていることから、Lpvが最少階調値0であると判定される場合(S25:Yes)は、Hpvは最大階調値255以外の値である。この場合、ヒストグラムは、例えば、図7Dのようになっている。つまり、この場合、オフセットが低く、第1眼底画像において黒つぶれが生じていると考えられる。そこで、この場合(S25:Yes)、制御部800は、オフセットを上げる(S30)。これによって、黒つぶれが抑制される。そして、増幅制御処理(S4)を終了し、S5の処理(図5参照)に移行する。
また、S25において、Lpvが最少階調値0とは異なると判定された場合(S25:No)、制御部800は、更に、Lpvが、第1眼底画像の細胞において最低減の明るさを設定するための閾値Lth(第3閾値)よりも大きいか否かを判定する(S26)。閾値Lthは、第1眼底画像の低輝度部分の階調値(いわゆる黒レベル)を安定させるために設定されている。例えば、第1眼底画像を表す階調値の範囲における最大階調値と最小階調値との差の例えば、3パーセント程度の値に設定されてもよい。S23:No、且つ、S24:Noの場合に、S25の判定が行われることから、この場合、第1眼底画像には、白とびも、黒つぶれも大きく生じていないと考えられる。但し、S25の処理において、Lpv>Lthと判定される場合は(つまり、S26:Yes)、全体的に画像の明るさ(ブライトネス)が高くコントラストが低い場合であると考えられる。そこで、本実施形態では、この場合(S26:Yes)、オフセットを下げる(S31)。その結果として、第1眼底画像の黒レベルを、画像毎に一定にすることができ、且つ、コントラストを向上させることができる。その後、増幅制御処理(S4)を終了し、S5の処理(図5参照)に移行する。
また、S26において、Lpvが、閾値Lth以下であると判定される場合は(S26:No)、S27の処理が行われる。S27では、HpvとLpvとの差が、閾値Wthよりも小さな値か否かが判定される。Hpv−Lpv<Wthである場合には(S27:Yes)、第1眼底画像において、実質的に使用される階調がWthよりも少ないということである。この場合、例えば、ヒストグラムは、図7Eのようになる。そこで、この場合(S27:Yes)、制御部800は、ゲインを上げることによって、実質的に使用される階調を増加させる(S32)。これによって、第1眼底画像において、細胞が、豊富な階調を用いて表わされる。その後、増幅制御処理(S4)を終了し、S5の処理(図5参照)に移行する。また、S27の処理において、HpvとLpvとの差が閾値Wthより大きいと判定された場合にも、増幅制御処理(S4)を終了し、S5の処理に移行する。
以上の増幅制御処理(S4)のうち、S28からS32のそれぞれの処理において調整されるオフセット、ゲイン、あるいはその両方の変化量は、一定値であってもよい。また、ヒストグラムの状態に応じて変化量を調整する制御が行われてもよい。より具体的な値は、制御部800の処理速度、加算器57bおよび乗算器57aの特性等、に応じて適宜設定できる。目標変化量が適切に設定されることで、オフセットおよびゲインの調整を短時間で完了させる(つまり、オフセットおよびゲインの値を収束させる)ことができる。また、S4の処理における処理の順番および内容は、上記に限られるものではない。装置の特性および、調整完了までの目標時間等に応じて適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、増幅制御処理S4が一度実行される度に、オフセットおよびゲインの一方のみの調整が実行される場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、オフセットおよびゲインの両方の調整が行われるようにしてもよい。
図5に戻って説明を続ける。前述したように、制御部800は、第1眼底画像の取り込み(S3)と、増幅制御処理による受光信号の増幅量調整(S4)と、交互に、繰り返し行う。よって、先に取得した第1眼底画像に基づいて受光信号の増幅量が調整された状態で、新たな第1眼底画像の取り込みが行われる。これが繰り返されることによって、結果として、細胞の解析に適した良好な第1眼底画像が得られる。より具体的には、白とび、黒つぶれが少なく、少なくとも閾値Wthよりも多くの階調を用いて表された第1眼底画像を得ることができる。また、本実施形態では、波面補償制御が行われるので、波面補償デバイス72の駆動状態の変化に応じて第1眼底画像の状態は逐次変化していく。しかし、このような画像に対しても、上記の受光信号の増幅制御は、良好な第1眼底画像を得るうえで有効である。
また、本実施形態では、波面補償制御と並行して、第1眼底画像の取得(S3)と、増幅制御処理(S4)とが行われる。つまり、波面を補正することで、受光素子56に受光される光の強度を適正に高めた状態で、第1眼底画像が取り込まれる。よって、良好な第1眼底画像に基づいてオフセットとゲインを調整できる。その結果、オフセットおよびゲインが速やかに収束しやすい。
検者は、モニタ850に表示される第1眼底画像を確認し、制御部800による増幅調整が落ち着いてきた段階で、撮影指示を、操作入力部802に対して入力する。これによって、第1眼底画像の撮影処理が行われる(S6)。例えば、制御部800は、第1眼底画像の撮影を、被検眼Eの同一位置に対して複数回行うことで、その複数枚の画像を、第1眼底画像の撮影画像として得ても良い。また、複数枚の第1眼底画像に対して加算平均処理を施した加算平均画像を、撮影画像として生成しても良い。
その後、制御部800は、第1眼底画像の撮影画像を用いて、眼底を形成する細胞(例えば、視細胞、および血管細胞等)に関する画像処理(例えば、解析処理)を行ってもよい(S7)。ここでは、一具体例として、第1眼底画像の撮影画像として視細胞画像を得た場合において、視細胞に関する解析を行う場合について説明する。視細胞に関する解析では、例えば、視細胞の数および密度等を解析する場合がある。このような場合において、視細胞を正確に検出することが重要となる。第1眼底画像(図2参照)において、視細胞は、符号901によって示される。視細胞901は、細胞の中央部分(細胞頂点)がその外側に対して明るい画像として示される。本実施形態では、上記の増幅制御処理の結果として、視細胞の明るさを安定させることができ、また、第1眼底画像において多くの階調が用いられる。その結果、視細胞における中央部分とその外側部分との明暗の差を明確にすることができるので、視細胞の検出が容易となる。その結果、精度の良い解析結果を得ることができる。
以上、実施形態に基づいて説明を行ったが、上記実施形態にかかる技術を次のように変形しても良い。
例えば、上記実施形態では、第1眼底画像の全範囲における階調分布に基づいて、受光信号の増幅量が調整される場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、第1眼底画像の一部分における階調分布に基づいて、受光信号の増幅量が調整されてもよい。この場合、第1眼底画像において、増幅量の調整に階調分布が使用される範囲(つまり、注目領域、以下、ROIと称す。)は、マウス等を介して検者によって指定される範囲であってもよい。ここで、図10に、ROIの設定された眼底画像の一例を示す。図10に示すように、第1眼底画像において検者の所望する範囲に対し、ROIが設定されてもよい。また、ROIの範囲指定は、S7における解析範囲の指定と兼用されてもよい。この場合、検者が解析したい領域において、コントラストおよび階調が良好に設定されるので、所期する領域についての解析結果を精度よく得ることができる。このようなROIを、例えば、視細胞901の密集箇所に設定した場合、その密集箇所における各視細胞が明確化し、また、例えば、血管部分902に設定した場合、血管の内皮と外皮との区別が明確化し得る。
また、第1眼底画像において、ROIに指定された箇所には、第1眼底画像においてROIを識別するための識別表示が付されても良い。識別表示としては、図10に示すように、ROIの設定範囲を囲む線Lであってもよいし、ROIの設定範囲を異なる色等で周囲と区別するような表示態様であるとよい。
また、先の撮影において設定されたオフセットおよびゲインを、撮影条件データとして記憶部へ記憶すると共に、その後の撮影において、撮影条件データとして記憶されている先の撮影のオフセットおよびゲインを使用可能とする構成であってもよい。制御部800は、例えば、オフセットおよびゲインの調整が完了した場合(例えば、オフセットおよびゲインの値が収束した場合)、撮影指示が入力された場合、又は、撮影条件の記憶指示が検者から入力された場合に、その時点におけるオフセット及びゲインの調整量を記憶するようにしてもよい。このときと同じ撮影位置で行う場合において、予め記憶された調整量を再現することは有用である。即ち、受光信号の増幅量調整に要する時間を短くすることができる。また、同じ撮影条件の画像が得られるので、異なる時期に撮影された画像を比較する場合(例えば、フォローアップ撮影時)に有用である。
また、上記実施形態におけるオフセットおよびゲインの調整制御を行う撮影モードである第1の撮影モードと、該調整制御を行わない撮影モードである第2の撮影モードとを、切り替え可能な構成であっても良い。例えば、上記実施形態で示したように、細胞の解析を行う場合には、オフセットおよびゲインの調整制御は有用である。しかし、小口病等の診断には、画像の明るさ自体が重要な指標となり得る。よって、この場合、上記の調整制御を行わないことが好ましい。そこで、このような場合には、制御部800は、検者からの入力指示などに基づいて、第2モードを設定し、オフセットおよびゲインを規定値にした状態で撮影が行われるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1眼底画像のヒストグラムにおいて、画素が分布する分布範囲の高輝度側境界Hpvを最大階調値255より低く,分布範囲の低輝度側境界Lpvを最少階調値0よりも高くすると共に、高輝度側境界の階調値と低輝度側境界の階調値との差Hpv−Lpvを、細胞を区別して示すための閾値Wthよりも大きくするように、オフセットおよびゲインの少なくとも一方を調節する場合について説明した。しかし、受光信号の増幅量の制御方法は、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、制御部800は、高輝度側境界の階調値と低輝度側境界の階調値との差Hpv−Lpvを閾値Wthよりも大きくするようにゲインを調整し、且つ、ヒストグラム、或いは、ヒストグラムにおける画素の分布範囲における最大階調領域と最小階調領域とに分布する画素の数を、所定の閾値(第2閾値)以下とするように、オフセットおよびゲインの少なくとも一方を調節するようにしてもよい。ここで、最大階調領域および最小階調領域は、複数の階調値(あるいは、ビン)にまたがる領域であってもよい。 また、ヒストグラムにおける最大階調領域は、256段階の階調であれば、階調値255またはその近傍の階調値の範囲に対応する領域であってもよく、ヒストグラムにおける最小階調領域は、階調値0またはその近傍の階調値の範囲に対応する領域であってもよい。また、分布範囲における最大階調領域は、Hpvまたはその近傍の階調値の範囲に対応する領域であってもよく、分布範囲における最小階調領域は、Lpvまたはその近傍の階調値の範囲に対応する領域であってもよい。第2閾値は、例えば、ヒストグラムを構成する全画素数をヒストグラムのビンの数で除算して得られる画素数に対して小さな値(例えば、100分の1以下の値)である。第2閾値の値は、求められる精度との関係で適宜定められてもよく、例えば、ヒストグラムを形成する画素の数パーセント程度(例えば、0.01パーセント)であってもよい。このような処理によっても、上記実施形態と同様に、細胞に関する解析に適した良好な細胞画像を得ることができる。
56 受光素子
57 信号増幅部
58 A/D変換器
72 波面補償デバイス
73 波面センサ
100 眼底撮像光学系
110 波面収差検出光学系
800 制御部
801 記憶部
802 操作入力部

Claims (3)

  1. 被検眼の所定部位を形成する細胞画像を取得する眼科撮影装置であって、
    波面補償デバイスによって波面収差が補償された状態での被検眼からの反射光を受光する受光素子を備える撮影光学系と、
    前記受光素子から出力される受光信号の振幅を増幅した信号である増幅受光信号を出力する信号増幅部と、
    前記信号増幅部からの増幅受光信号を所定の階調範囲で量子化し、細胞画像として取り込むための画像形成部と、
    前記画像形成部によって取得される細胞画像を解析して前記細胞画像における一部又は全部の領域における階調分布を、前記細胞画像における階調値毎の画素数に関するヒストグラムとして取得し、前記ヒストグラムにおける低輝度側端部の階調値が前記細胞画像において取り得る最小階調値よりも大きく、前記ヒストグラムにおける高輝度側端部の階調値が前記細胞画像において取り得る最大階調値よりも小さくなる範囲において、前記低輝度側端部の階調値と前記高輝度側端部の階調値との差が、予め定められた閾値であって前記細胞画像を表す階調範囲の70パーセント以上予め定められた閾値よりも大きくなるように、前記受光信号を増幅するためのオフセットおよびゲインの少なくとも一方を、調整する増幅制御部と、を有し、
    前記画像形成部は、前記信号増幅部が前記増幅制御部によって調整された後に、新たな前記細胞画像を取り込むことを特徴とする眼底撮影装置。
  2. 新たな前記細胞画像における細胞頂点と前記細胞頂点を囲む周辺部分との輝度の差を利用して、新たな前記細胞画像から細胞を検出する検出処理手段を、更に有する請求項1記載の眼底撮影装置。
  3. 解析処理の対象範囲である注目領域を前記細胞画像の一部の領域に対して設定する領域設定手段を有し、
    前記増幅制御部は、前記注目領域が設定された場合は、前記注目領域における階調分布に基づいてオフセットおよびゲインを調節することを特徴とする請求項1又は2記載の眼底撮影装置。
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