JP2016123466A - 眼底撮影装置 - Google Patents

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譲治 佐々木
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昌明 羽根渕
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【課題】画質のばらつきを良好に抑制できる眼底撮影装置を提供すること。【解決手段】眼底撮影装置1は、光源11からの光を被検眼の眼底に投光するための投光光学系100aと、光を反射させるミラー部25a,および,ミラー部25aを往復回転させる駆動部25b,を有し、投光光学系100aから投光される光を被検眼に対して走査線毎に往復振動させるための走査部25と、眼底によって反射される光の少なくとも一部を受光する受光素子56を有する撮影光学系100bと、を筐体内に備える。また、筐体内であって、かつ、走査部25によって走査可能な位置に、テストチャート60が配置される。そのうえで、眼底撮影装置1の制御部800は、テストチャート60に対する走査を介してミラー部25aの回転位置を示す位置信号を取得し、位置信号に基づくキャリブレーションデータを基準として、受光素子56からの受光信号に基づく眼底の正面画像を生成する。【選択図】図2

Description

本開示は、眼底撮影装置に関する。
従来、光スキャナーを用いて被検眼の眼底で光を走査し、その反射光を受光して、被検眼の眼底を撮影することができる撮影装置が知られている(特許文献1)。
特開2014−110825号公報
この種の装置では、光スキャナーにおけるミラー部の振れ角の誤差、走査速度等が、必ずしも一定とはならない場合があり、眼底画像の画質にばらつきが生じてしまうおそれがあった。
本開示は、従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、画質のばらつきを良好に抑制できる眼底撮影装置を提供することを技術課題とする。
本開示の第一態様に係る眼底撮影装置によれば、光源からの光を被検眼の眼底に投光するための投光光学系と、前記光を反射させるミラー部,および,前記ミラー部を往復回転させる駆動部,を有し、前記投光光学系から投光される光を前記被検眼に対して走査線毎に往復振動させるための光スキャナーと、前記眼底によって反射される光の少なくとも一部を受光する受光素子を有する撮影光学系と、を筐体内に備える眼底撮影装置であって、前記筐体内であって、かつ、前記光スキャナーによって走査可能な位置に配置される光学素子と、 前記光学素子に対する走査を介して前記ミラー部の回転位置を示す位置信号を取得し、前記位置信号に基づくキャリブレーションデータを基準として、前記受光素子からの受光信号に基づく前記眼底の正面画像を生成する画像生成手段と、を備える眼底撮影装置。
本開示の眼底撮影装置によれば、画質のばらつきを良好に抑制できる。
第1実施形態における撮影装置1の外観図を示した図である。 第1実施形態における撮影装置1の光学系を示した模式図である。 第1実施形態における撮影装置1の制御系を示したブロック図である。 テストチャートの一例を示した図である。 メイン処理における撮影装置1の動作を示したフローチャートである。 キャリブレーションデータ取得処理における撮影装置1の動作を示したフローチャートである。 第2実施形態における撮影装置1の光学系を示した模式図である。 第2実施形態におけるテストチャートの一例を示した図である。 光学系の一変容例を示した図である。
以下、図面を参照して、本開示における典型的な実施形態を説明する。各実施形態における撮影装置1は、被検眼の波面収差を補正した状態で被検眼の眼底像を取得する波面収差補償付眼底撮影装置(AO-SLO)である。初めに、図1から図6を参照して、本開示の第1実施形態を説明する。
図1を参照して撮影装置1の概略構成を説明する。撮影装置1は、基台510と、顔支持ユニット600と、撮影部500と、を備える。顔支持ユニット600は、基台510に取り付けられている。撮影部500には(つまり、撮影装置1の筐体には)、後述する光学系が収納されており、基台510の上に設けられている。顔支持ユニット600には、顎台610が設けられている。顎台610は、図示無き顎台駆動手段の操作により、顔指示ユニット600の基部に対して左右方向(X方向)、上下方向(Y方向)および前後方向(Z方向)に移動される。
図2を参照して、第1実施形態における撮影装置1の光学系について説明する。第1実施形態の撮影装置1は、眼底撮像光学系100と、波面収差検出光学系(以下、収差検出光学系と記載する。)110と、収差補償ユニット20,72と、第2撮影ユニット200と、トラッキング用ユニット300と、前眼部観察ユニット700と、を備える。
眼底撮像光学系100は、被検眼Eにレーザー光(照明光)を投光すると共に、眼底によるレーザー光の反射光を受光して被検眼Eの眼底像を撮影する。被検眼Eの眼底は、眼底撮像光学系100によって、高解像度(高分解能)・高倍率で撮影される。以下のように、眼底撮像光学系100は、例えば、共焦点光学系を用いた走査型レーザー検眼鏡の構成を有してもよい。眼底撮像光学系100は、第1投光光学系100aと、第1撮影光学系(受光光学系)100bと、を備える。また、本実施形態において、収差補償ユニット20,72は、収差補償ユニット20,72は、被検眼の収差を補正するために眼底撮像光学系100に配置される。なお、収差補償ユニットとしては、被検眼の低次収差(視度:例えば、球面度数)を補正するための視度補正部20と、被検眼の高次収差を補正するための高次収差補償部(波面補償デバイス)72と、に大別される。
第1投光光学系100aは、被検眼Eにレーザー光を照射すると共にレーザー光を眼底上で走査することによって、眼底を2次元的に照明する。第1投光光学系100aは、光源11(第1光源)から眼底に到るまでの光路において、光源11、レンズ12、偏光ビームスプリッタ(PBS)14、ビームスプリッタ(BS)71、凹面ミラー16、凹面ミラー17、平面ミラー18、収差補償ユニット72(波面補償デバイス72)、ビームスプリッタ(BS)75、凹面ミラー21、凹面ミラー22、走査部25、凹面ミラー26、凹面ミラー27、平面ミラー31、レンズ32、平面ミラー33、収差補償ユニット20(視度補正部20)、平面ミラー35、凹面ミラー36、偏向部400、ダイクロイックミラー90、凹面ミラー41、平面ミラー42、平面ミラー43、および、凹面ミラー45、を有する。
光源11は、レーザー光を出射する。本実施形態において、レーザー光は、被検眼に視認されにくい近赤外域の波長を持つ。例えば、本実施形態において、光源11は、波長840nmのSLD(Super Luminescent Diode)が使用される。なお、光源11は、収束性の高い特性を持つスポット光を出射するものであればよく、例えば、半導体レーザー等であってもよい。
光源11から出射されたレーザー光は、レンズ12により平行光とされた後、PBS14、BS71、凹面ミラー16,17、平面ミラー18を介して、波面補償デバイス72に入射する。本実施形態において、レーザー光は、PBS14を通過することによって、S偏光成分のみの光束とされる。波面補償デバイス72は、入射光の波面を制御することによって、被検眼の高次収差を補正する。波面補償デバイス72の詳細構成については後述する。本実施形態において、レーザー光は、波面補償デバイス72からBS75に導かれた後、凹面ミラー21、凹面ミラー22で反射され、走査部25に向かう。
本実施形態において、走査部25は、レーザー光を眼底上で2次元的に走査するために偏光部400と共に使用される光スキャナーである。走査部25は、レーザー光の主走査に使用される。本実施形態において走査部25は、投光項光学系100aから投光される光(例えば、レーザー光)を、被検眼に対して走査線毎に往復振動させるために使用される。また、走査部25は、レーザー光を反射させるミラー部,および,ミラー部を往復するように回転させる駆動部,を備える。走査部25としては、共振型スキャナーの一例であるレゾナントスキャナーが使用されてもよい。この場合、走査部25は、所定の共振周波数で高速にミラー部を振動させる。その結果として、眼底上でレーザー光がライン状に走査される。なお、本実施形態では、走査部25の駆動によって、レーザー光はX方向に走査されるものとする。
走査部25を経た光は、凹面ミラー26,27、平面ミラー31、レンズ32、平面ミラー33を介して、視度補正部20へ入射される。
視度補正部20は、視度補正を行うためのユニットである。視度補正部20は、駆動部20aのほかに、レンズおよび平面ミラーを1対ずつ有する。視度補正部20の平面ミラーおよびレンズが駆動部20aによって所定方向に移動されることで、光路長が調節される。その結果として、被検眼Eの視度の誤差が矯正される。視度補正部20から平面ミラー35へ導かれた照明光は、凹面ミラー36によって反射され、偏向部400に向かう。
偏向部400は、走査部25の駆動に伴ってレーザー光が往復振動される領域(光往復領域)の位置を変位させる。これによって、眼底上でレーザー光が走査される走査線の位置が移動する。偏向部400は、レーザー光の副走査を行う光スキャナーを有する。本実施形態では、偏向部400によって、眼底上で垂直方向(Y方向)にレーザー光が走査される。よって、走査部25と偏向部400とを組み合わせて動作させることによって、レーザー光が2次元的に走査される。なお動作の安定性を考慮すると、レーザー光の副走査は等速直線運動で動作制御されることが好ましい。
また、偏向部400は、レーザー光の走査範囲を移動させるためにも使用される(詳細は後述する)。偏向部400は、例えば、レーザー光を偏向する方向が異なる2つの光スキャナーを有していてもよい。例えば、第1実施形態において、偏向部400は、Y方向にレーザー光を偏向させるYガルバノミラーと、X方向にレーザー光を偏向させるXガルバノミラーとを有する。Xガルバノミラーの角度と、Yガルバノミラーにおいてミラーが回動する範囲と、が変更されることによって、第1眼底画像の撮影範囲(つまり、レーザー光の走査範囲)が移動される。なお、レーザー光のY方向への副走査は、Yガルバノミラーによって行われる。
偏向部400を経た光は、ダイクロイックミラー90、凹面ミラー41、平面ミラー42,43、および凹面ミラー45を経て、被検眼Eの瞳孔内に導かれる。その結果、レーザー光は、被検眼Eの眼底面に照射される。
また、ダイクロイックミラー90は、後述する第2撮影ユニット200、およびトラッキング用ユニット300、からの光束を透過させ、光源11および後述する光源76からの光束を反射させる特性を持つ。なお、光源11および光源76の出射端と被検眼Eの眼底とは共役とされている。このようにして、第1投光光学系100aが形成される。
次に、第1撮影光学系100bを説明する。第1撮影光学系100bは、眼底に照射されたレーザー光の反射光を受光素子56によって受光する。撮影装置1は、第1眼底画像(本実施形態では、AO−SLO画像)を、受光素子56からの信号に基づいて生成する。第1撮影光学系100bは、被検眼EからBS71までの光路を、第1投光光学系100aと共用する。また、第1撮影光学系100bは、BS71の反射側光路に配置された要素、即ち、平面ミラー51、PBS52、レンズ53、ピンホール板54、レンズ55、および、受光素子56を有している。なお、本実施形態では、受光素子56はAPD(アバランシェフォトダイオード)が用いられている。また、ピンホール板54は、眼底と共役な位置に置かれる。
光源11からのレーザー光の眼底反射光は、前述した第1投光光学系100aを逆に辿り、BS71、平面ミラー51のそれぞれで反射され、PBS52にてS偏光の光だけ透過される。この透過光は、レンズ53を介してピンホール板54のピンホールに焦点を結ぶ。ピンホールにて焦点を結んだ反射光は、レンズ55を経て受光素子56に受光される。なお、照明光の一部は角膜上で反射されるが、ピンホール板54により大部分が除去される。よって、受光素子56は、角膜反射の影響を抑えて、眼底からの反射光を受光できる。
受光素子56の受光信号を画像処理部(例えば、制御部800、図3参照)が処理することによって、第1眼底画像が生成される。本実施形態において、1フレームの眼底画像は、走査部25の主走査と、偏向部400に設けられたY走査用のガルバノミラーの副走査によって形成される。なお、第1眼底画像の画角が所定の角度となるように走査部25および偏向部400におけるミラーの振れ角(揺動角度)を定める(なお、レーザー光の振れ角は、ミラーの振れ角の2倍)。ここでは、眼底の所定の範囲を高倍率で観察、撮影する(ここでは、細胞レベルでの観察等をする)ために、画角を1度から5度程度とする。
ここで、第1実施形態では、筐体内(実施形態では、撮影部500の内部)であって、かつ、走査部25によって走査可能な位置に、テストチャート60(光学素子の一例)が配置される。例えば、テストチャート60は、投光光学系100における走査部25と被検眼Eとの間の眼底共役面に配置されてもよい。なお、眼底共役面は、例えば、収差補償ユニット20,72よる収差補正量が予め定められた値である場合に、模型眼の眼底と共役関係となる面であってもよい。一例として、テストチャート60は、ダイクロイックミラー90と凹面ミラー41との間の眼底共役面に配置されているものとする(図2参照)。この場合において、テストチャート60は、投光光学系100aの光軸L1から離れて配置されている。より詳細には、テストチャート60は、1枚の眼底画像を撮影する場合におけるレーザー光の通過領域(以下、「眼底撮影用領域」と称す)よりも外側に配置される。つまり、テストチャート60は、少なくとも、眼底画像の撮影画角に対応するレーザー光の通過領域よりも外側に配置される。テストチャート60は、Yガルバノミラーの走査方向に関して眼底撮影用領域よりも外側に配置されてもよいし、Xガルバノミラーの走査方向に関して眼底撮影用領域よりも外側に配置されてもよい。なお、第1実施形態におけるテストチャート60は、Yガルバノミラーの走査方向に関して眼底撮影用領域よりも外側に配置されているものとする。制御部800によって、Yガルバノミラー(つまり、主走査用の光スキャナーである走査部25とは別体の光スキャナー)によってレーザー光を眼底撮影用領域よりも外側に偏向させることで、テストチャート60を走査する。
走査部25によって走査されるレーザー光がテストチャート60に照射されたとき、その反射光は受光素子56によって受光される。テストチャート60には、所定のテストパターン(「基準パターン」ともいう)が形成されている。受光素子56からの出力信号に基づいてテストパターンの変化を取得することによって、結果として、ミラー部25bの回転位置を示す位置情報が取得される。なお、テストパターンは、走査位置に応じて異なる光反射率を備えるパターンであってもよいし、走査位置に応じて異なる光透過率を備える基準パターンであってもよい。
例えば、本実施形態では、テストチャート60として、図4に示すようなチャート(テストターゲット)が利用され得る。図4に例示するテストチャート60は、一定の間隔で、走査部25によるレーザー光の走査方向(つまり、主走査方向)に交互に複数並べられた反射部60aと遮光部60bとを有するスケールチャートである。反射部60aは、光を反射する部分であり、遮光部60bは、反射部60aと比べて光を吸収する部分である。例えば、テストチャート60は、白黒の縞模様のチャートであって、白色部分が反射部60a、黒色部分が遮光部60bとして利用されてもよい。このようなテストチャート60が光往復領域へ配置された場合には、テストチャート60におけるレーザー光の照射位置に応じて(つまり、ミラー部25aの回転位置に応じて)テストチャートからの反射光の強度が異なる。よって、走査に伴い受光素子56から出力される信号に基づいて、ミラー部の回転位置を示す位置情報が取得される。なお、テストチャートに形成されるテストパターンは、図4に示す縞模様のパターンに限定されるものではない(詳細は後述する)。
第1実施形態では、偏向部400の駆動制御によって、投光光学系100aモードが、第1モード,および,第2モード,の2種類に切り替えられる。第1モードは、テストチャート60上を走査するモードである。また、第2モードは、眼底上をレーザー光が走査するモードである。第1実施形態では、偏向部400によって、レーザー光の通過領域が移動されることによって、第1モードと、第2モードとが切換わる(詳細は後述する)。
第2撮影ユニット200は、第1撮影ユニット100の画角よりも広画角の眼底画像(第2眼底画像)を撮影するためのユニットである。第2眼底画像は、例えば、第1眼底画像を得るための位置指定、および位置確認用の画像として用いられる。本実施形態の第2撮影ユニット200は、被検眼Eの眼底画像を広画角(例えば20度から60度程度)でリアルタイムに取得および観察できる構成であることが好ましい。例えば、第2撮影ユニット200として、既存の眼底カメラの観察・撮影光学系、および走査型レーザー検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)の光学系および制御系が利用されてもよい。
トラッキング用ユニット300は、被検眼Eの固視微動等による位置ずれの経時変化を検出し、移動位置情報を得る。トラッキング用ユニット300では、トラッキング開始時に得られた受光結果を基準情報として制御部800(図3参照)に送っておき、その後、1走査毎に得られる受光結果(受光情報)を逐次、制御部800に送信する。制御部800は基準情報に対してその後に得られた受光情報を比較し、基準情報と同じ受光情報が得られるように、移動位置情報を演算により求める。制御部800は求めた移動位置情報に基づいて偏向部400を駆動させる。このようなトラッキングを行うことにより、被検眼Eが微動してもその動きが相殺されるように偏向部400の駆動が行われるため、モニタ850に表示される眼底画像の動きは抑制されることとなる。また、ダイクロイックミラー91は、第2撮影ユニット200からの光束を透過させ、トラッキング用ユニット300からの光束を反射させる特性を持つ。
前眼部観察ユニット700は、被検眼Eの前眼部を可視光にて照明し、前眼部正面像を撮像するユニットである。前眼部観察ユニット700で撮像された画像は、モニタ850に出力される。前眼部観察ユニット700によって取得される前眼部画像は、撮影部500と被検眼Eとのアライメントに利用される。なお、ダイクロイックミラー95は、第2撮影ユニット200およびトラッキング用ユニット300からの光束を透過させ、前眼部観察ユニット700からの光束を反射させる特性を持つ。
次に、収差検出光学系110について説明する。収差検出光学系110は、波面センサ73を有する。また、収差検出光学系110は、被検眼Eの眼底に測定光を投光し、測定光の眼底反射光を、指標パターン像として波面センサ73で受光(検出)する。収差検出光学系110は、一部の光学素子を第1投光光学系100aおよび第1撮影光学系100bの光路上(本実施形態では、共通光路上)に持ち、光学系100a,100bと光路を一部共用している。つまり、本実施形態の収差検出光学系110は、光学系100a,100bの光路上に配置されたBS71から凹面ミラー45までを、光学系100a,100bと共用する。更に、収差検出光学系110は、光源76、レンズ77、PBS78、BS75、BS71、ダイクロイックミラー86、PBS85、レンズ84、平面ミラー83、レンズ82、を有する。
光源76は、被検眼Eの収差検出に使用される。本実施形態において、光源76は、光源11と異なる波長の光を発する。一例として、本実施形態では、測定光として、波長780nmのレーザー光を出射するレーザーダイオードが光源76として使用される。光源76から出射した測定光は、レンズ77によって平行光束とされた後、PBS78に入射される。
PBS78は、波面補償部に備えられた第1偏光手段の一例である。PBS78は、光源76から出射された光を所定の方向に偏光する。より詳細には、PBS78は、PBS14の偏向方向(つまり、S偏光)とは、直交する方向(即ち、P偏光)に偏光する。PBS78を経た光は、BS75によって反射されることによって、第1投光光学系100aの光路に導かれる。つまり、本実施形態において、BS75は、投光光学系100aに置かれ、且つ、撮影光である光源11からの光の投光光路と、測定光の投光光路とを同軸にして投光光学系の光路に導く光路合成部として機能する。ここで、BS75は、例えば、ハーフミラー等であってもよい。BS75によって反射された測定光は、第1投光光学系100aの光路を経て被検眼Eの眼底に集光される。
測定光は、眼底の集光位置(例えば、網膜表面)で反射される。測定光の眼底反射光は、第1投光光学系100aの光路(つまり、第1撮影光学系100bの光路)を、投光時とは逆に辿る。途中、測定光は、波面補償デバイス72によって反射される。その後、測定光は、BS71によって反射されることによって、第1投光光学系100aの光路を外れる。更にその後、測定光は、ダイクロイックミラー86によって反射され、PBS85、レンズ84、平面ミラー83、レンズ82を経て、波面センサ73へと導かれる。
PBS85は、波面補償部に備えられた第2偏光手段である。PBS85は、光源76から被検眼Eに照射された光のうち、一方向に偏波した光(ここでは、S偏光光)を透過することによって、波面センサ73へと導光するために利用される。また、PBS85は、透過した成分とは直交する方向に偏波された成分(P偏光光)を遮断する。なお、ダイクロイックミラー86は、光源11の波長の光(840nm)を透過し、収差検出用の光源76の波長の光(780nm)を反射する特性とされる。従って、波面センサ73では、測定光の眼底反射光のうちS偏光成分を持つ光が検出される。このようにして、角膜や光学素子で反射される光が波面センサ73に検出されることを抑制している。
波面センサ73は、被検眼Eの波面収差を検出するために、収差測定用の測定光の眼底反射光を受光する。波面センサ73としては、低次収差および高次収差を含む波面収差を検出できる素子(より詳細には、ハルトマンシャック検出器、および、光強度の変化を検出する波面曲率センサ等)等が利用されてもよい。本実施形態において、波面センサ73は、例えば、多数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイと、マイクロレンズアレイを透過した光束を受光させるための二次元撮像素子73a(又は、二次元受光素子)と、を有する。波面センサ73のマイクロレンズアレイは、被検眼Eの瞳と略共役な位置に配置される。また、二次元撮像素子73aの撮像面(受光面)は、被検眼Eの眼底と略共役な位置に配置される。
二次元撮像素子73aの撮像面には、マイクロレンズアレイを透過した光束によって、指標パターン像61(本実施形態では、ハルトマン像)が形成される(図示を省略する)。よって、眼底反射光は、マイクロレンズアレイを通過して二次元撮像素子73aに受光されることによって、ハルトマン像(ドットパターン像)として撮像される。本実施形態では、ハルトマン像から被検眼の収差情報が取得され、収差情報に基づいて波面補償デバイス72が制御される。なお、ハルトマン像の詳細については、後述する。
波面補償デバイス72は、眼底撮像光学系100の光路中に配置され、入射光の波面を制御することによって、被検眼Eの波面収差を補償する。本実施形態において、波面補償デバイス72には、液晶空間光変調器が使用されてもよい。一例として、以下では、反射型のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等が使用されるものとして説明する。この
場合、波面補償デバイス72は、光源11からのレーザー光(S偏光光)、該レーザー光の眼底反射光(S偏光光)、波面収差検出用光の反射光(S偏光成分)等の所定の直線偏光(S偏光)に対して収差を補正することが可能な向きに配置される。その結果、波面補償デバイス72は、入射する光のS偏光成分を変調できる。また、本実施形態において、波面補償デバイス72の反射面は、被検眼の瞳と略共役となる位置に配置される。
本実施形態の波面補償デバイス72において、液晶層内の液晶分子の配列方向は、入射する反射光の偏光面と略平行である。また、液晶分子が液晶層への印加電圧の変化に応じて回転する所定の面は、波面補償デバイス72に対する眼底反射光の入射光軸および反射光軸と、波面補償デバイス72が持つミラー層の法線と、を含む平面に対して略平行に配置されている。
なお、本実施例において、波面補償デバイス72は液晶変調素子とし、特に、反射型のLCOS等を用いるものとしているが、これに限るものではない。他の反射型の波面補償デバイスであってもよい。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の1形態であるデフォーマブルミラーが使用されてもよい。また、反射型の波面補償デバイスではなく、透過型の波面補償デバイスが使用されてもよい。透過型のデバイスでは、眼底からの反射光を透過させて波面収差が補償される。
なお、以上の説明では、収差検出用光源として、第1光源とは異なる波長の照明光を出射する光源を用いたが、第1光源が収差検出用光源を兼用していてもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、波面センサおよび波面補償デバイスを被検眼の瞳共役としたが、被検眼の前眼部の所定部位と略共役な位置であればよく、例えば、角膜共役であってもよい。
次に、図3を参照して、本実施形態における撮影装置1の制御系を説明する。撮影装置1は、制御部800を有している。制御部800は、撮影装置1の装置全体の制御を行うプロセッサ(例えば、CPU)である。本実施形態において、制御部800は、各ユニットの受光素子(例えば、受光素子56)からの信号(つまり、受光信号)に基づいて画像を形成する画像処理部を兼用する。そして、形成された第1眼底画像を、制御部800は、モニタ850に表示させる。なお、画像処理部は、制御部800が兼用する構成に限られるものではない。例えば、制御部800とは別体の画像処理回路を用いて、画像の生成などの各種画像処理が行われてもよい。
本実施形態において、制御部800には、記憶部801、操作入力部802、モニタ850、が電気的に接続される。また、制御部800には、光源1、駆動部10a、走査部15、受光素子56、波面補償デバイス72、波面センサ73、光源76、第2撮影ユニット200、トラッキング用ユニット300、偏向部400、が電気的に接続される。
記憶部801は、各種の制御プログラムおよび固定データを格納する。また、記憶部801には、撮影装置1によって取得された画像、一時データ等が記憶されてもよい。
制御部800は、操作部802から出力される操作信号に基づいて、第1撮影ユニット100等の上記の各部材を制御する。操作入力部802は、検者によって操作される操作部材を備える。操作部材としては、キーボードおよびマウス等が用いられてもよい。
モニタ850は、撮影装置1に搭載された表示モニタであってもよいし、撮影装置1とは別体の汎用の表示モニタであってもよい。また、これらが併用された構成であってもよい。モニタ850は、撮影装置1で撮影される眼底画像(第1眼底画像、および第2眼底画像)を、動画および静止画のそれぞれで表示できる。
次に、第1実施形態における撮影装置1の動作を説明する。撮影装置1は、電源がオンされた後、記憶部801に記憶されたメイン処理のプログラムに従って動作する。即ち、第1実施形態において、撮影装置1は、走査部25を制御してテストチャート60をレーザー光により走査し、この走査を介してミラー部25aの回転位置を示す位置信号を取得する。また、位置信号に基づくキャリブレーションデータを基準として、受光素子56からの受光信号に基づく第1正面画像を生成する。例えば、キャリブレーションデータは、画像生成処理において制御部800が受光素子56からの信号を読み取るタイミング(つまり、サンプリングタイミング)の基準を得るために利用される。そして、撮影装置1は、サンプリングタイミング毎に得られる輝度情報から第1眼底画像を構築することによって、良好な画質の第1眼底画像が得られる。
図5は、第1実施形態に係る装置の動作の具体例について説明するための図である。図5に示すように、まず、制御部800は、光源11,76からの光を出射させると共に、走査部25および偏向部400による光走査を開始させる(S1)。
次に、制御部800は、テストチャート60を用いて、走査部25によるレーザー光の走査についてのキャリブレーションデータを検出する(S2)。ここでいうキャリブレーションデータは、走査部25の触れ角、および画像のリニアリティ(線形性)のうち少なくともいずれかのキャリブレーションに関する。なお、リニアリティは、眼底共役面において、画像の画素と対応する位置の均等さを示し得る。
ここで、図6のフローチャートを参照して、S2の処理を、より詳細に説明する。第1実施形態のキャリブレーションデータ検出処理(S2)では、まず、制御部800は、投光光学系100aの状態を、第1モードに設定する(S21)。第1モードに設定された場合において、制御部800は、走査部25を制御することによってレーザー光を偏向させ、レーザー光によってテストチャートを走査する。第1モードは、テストチャート60上でレーザー光の主走査(走査部25による走査)が行える状態であればよく、偏向部400によるレーザー光の副走査は必ずしも行われなくてもよい。つまり、第1モードでは、テストチャート60上でレーザー光の主走査が行われるように、Yガルバノミラー、および、Xガルバノミラーの角度が、予め定められた値に設定されてもよい。
制御部800は、収差補正部20,72による収差補正量が、予め定められた値で一定に保たれるように、収差補正部20,72を制御する(S22)。第1実施形態では、テストチャート60の位置でレーザー光が集光するような収差補正量に制御されることが好ましい。なお、S2の処理において設定される収差補正量は、例えば、キャリブレーションやシミュレーション等の手法を用いて求められた値であってもよい。
次に、制御部800は、第1モードに設定された場合において、走査部25の駆動方向に関する第1眼底画像のキャリブレーションデータを、受光素子56からの受光信号に基づいて取得する(S23)。このとき、制御部800は、ミラー部25の回転位置を示す位置信号としてテストチャート60を介した光を受光する受光素子56からの受光信号を取得する。このように得た受光信号から、キャリブレーションデータが取得される。
ここで、受光素子56からの受光信号を制御部800がサンプリングすることで、少なくとも1つの走査線におけるテストチャート60の画像情報が得られる。この画像情報において、テストチャート60の反射部60aに応じた画素が連続する高輝度の領域と、遮光部60bに対応する画素が連続する低輝度の領域とは、画像上で交互に配置される。ここで、本第1実施形態では、便宜上、画像情報を構成する各画素が、例えば、受光素子25を用いてテストチャート60を介した光を一定周期で読み取り(サンプリングし)、読み取り毎に生成される場合について検討する。この場合、画像上における高輝度の領域と低輝度の領域との配置間隔は、テストチャート60上におけるレーザー光の走査速度の変化に応じて、不均一になる。走査速度には、例えば、走査部25の動作特性等の要因が影響する。例えば、レゾナントスキャナー等の共振型スキャナーのミラー部は、振り子のように正弦波状に振動し、ミラー部の回転量毎に回転速度が変わる特性を持つ。その結果、走査線の両端では走査速度が比較的遅くなる。一方で、走査線の中盤では走査速度が比較的速くなる。
また、テストチャート60上における走査線の長さ(即ち、走査部25における振れ角)が、所期する値からずれてしまう場合がある。この場合、上記の画像情報では、例えば、高輝度の領域と低輝度の領域とがなす縞の数、およびそれぞれの領域の幅等が、所期する値から異なってしまう。
第1実施形態の制御部800は、例えば、上記の画像情報を、解析することによって、キャリブレーションデータ800を得ることができる。第1実施形態におけるキャリブレーションデータは、例えば、走査の各周期において、受光素子56から輝度信号を読み取るタイミング(つまり、サンプリングタイミング)に関するデータであってもよい。例えば、第1実施形態において走査部25として使用するレゾナントスキャナーは、そのミラー部25aの振動周期は一定である。この振動周期が既知(例えば、メモリに予め記憶されている)であれば、この振動周期と,上記画像情報における高輝度の領域の間隔と,から(又は、低輝度の領域の間隔)、例えば、走査の各タイミングにおけるミラー部25aの速度を得ることができ、また、眼底共役面上を等間隔にサンプリングするためのサンプリングタイミングを把握することができる。この場合において、それぞれのサンプリングタイミングの間隔は、ミラー部25aの速度が相対的に速いときほど広く、ミラー部25aの速度が相対的に遅いときほど狭くなるように設定される。このようにして、サンプリングタイミングを規定する情報を、キャリブレーションデータとして取得してもよい。
第1実施形態では、走査部23のキャリブレーションデータを得た後、第1眼底画像の取得に進む。そこで、S23の処理の後は、制御部800によって、投光光学系100aの状態が、第2モードに設定される(S24)。この場合において、制御部800は、走査部25を制御することによってレーザー光を偏向させ、レーザー光によって眼底を走査する。
図5に戻って説明を続ける。制御部800は、被検眼Eの収差に応じた収差補正制御を開始する(S3)。即ち、波面センサ73によって検出される被検眼Eの波面収差が取り除かれるように、収差補正部10,72が制御される。
次に、第1実施形態における制御部800は、第1モードにて予め取得されたキャリブレーションデータを基準として、受光素子56からの受光信号に基づく眼底の正面画像を生成する(S4)。例えば、キャリブレーションデータが、眼底において所期する走査範囲を等間隔にサンプリングするためのサンプリングタイミングを規定するデータである場合、サンプリングの周期が、キャリブレーションデータを基準に変調される。その結果、所期する走査範囲が等間隔にサンプリングされた第1眼底画像が得られる。つまり、主走査方向の画角の精度,および,リニアリティが良好な第1眼底画像が得られる。
また、キャリブレーションデータを得るためのテストチャート60の走査において、収差補償状態は、波面収差の検出結果に関わらず、一定である。つまり、キャリブレーションでの各サンプリングポイントにおけるレーザー光の集光状態は一定なので、キャリブレーションデータを、精度よく得ることができる。その結果として、第1眼底画像の画質が改善されやすくなる。
また、本実施形態では、偏向部400の駆動制御によって、キャリブレーションデータの取得が行われる第1モードと、第1眼底画像の生成が行われる第2モードと、に投光光学系100の状態が切り替わる。つまり、投光光学系100aモードを切り替えるユニットを、眼底における第1眼底画像の撮影位置を設定するユニットと兼用することにより、上記のキャリブレーション情報を検出するために必要となる部品の増加が抑制されている。
また、第1実施形態では、キャリブレーションデータを得るために使用される光学素子として、装置備え付けのテストチャート60が利用されるので、テストチャート60のセット等に要する検者の負担を抑制して、キャリブレーションを行うことができる。
<第2実施形態>
次に、図7を参照し、本開示における第2実施形態を説明する。
第1実施形態の撮影装置1は、走査部材であるテストチャート60の走査と、眼底画像の撮影とが、異なる期間において行われる場合について説明した。これに対し、第2実施形態の撮影装置1は、テストチャート60の走査と、眼底画像を撮影とを、並行して行う。第2実施形態では、テストチャートを用いてサンプリングパルスを生じさせる。また、制御部800は、受光素子56からの受光信号を、サンプリングパルスと同期して読み取り、読み取ったデータから第1眼底画像を生成する。第2実施形態の撮影装置1における光学系および制御系の構成の多くは、第1実施形態と同様である。そこで、同一の構成には、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、第2実施形態に係る撮影装置1の詳細構成を説明する。第2実施形態では、投光光学系100aの投光光路が、走査部25と被検眼Eとの間で分岐されている。即ち、走査部25と被検眼Eとの間の投光光路中に挿入されているBS121(例えば、ハーフミラー等)によって、第1眼底画像撮影用の光路から、サンプリングパルス取得用の光路(以下、「分岐光路」と称する。)L2が分岐される。一例として、第2実施形態では、凹面ミラー26と、凹面ミラー27との間にBS121が置かれることによって、分岐光路L2が形成されているものとする(図7参照)。そして、第2実施形態では、一例として、波面情報の取得に使用する測定光(即ち、図7の例では、光源76からの光)を用いて、サンプリングパルスが取得される。つまり、BS121は、測定光を分岐光路L2に分岐させる。
第2実施形態において、分岐光路L2には、テストチャート122(光学素子の一例)が配置されている(図7参照)。また、分岐光路L2には、テストチャート122のほかに、受光素子124(光検出器)が配置される。図7において、分岐光路L2には、BS121と、受光素子124との間に、テストチャート122と、集光レンズ123とが順に配置される。テストチャート122は、例えば、第1実施形態と同様に、眼底共役面に配置されていてもよい。BS121によって、分岐光路L2へ分岐された測定光は、テストチャート122に導かれる。
また、図7に示すテストチャート122は、透過型のチャートである。例えば、受光素子124に向かう光を透過する透過部122aと、遮光する遮光部122bと、が主走査方向に交互に並んで形成されていても良い。ここで、透過部122aは、所期する画角の第1眼底画像と対応する範囲で、均等に形成されていてもよい(図8参照)。また、例えば、テストチャート122は、複数のスリットが形成されたスリットマスクであっても良い。この場合は、スリット穴によって透過部122aが形成され、隣り合うスリット穴の間に遮光部122bが形成される。よって、測定光は、テストチャート122によって、眼底共役面にて予め定められた位置(第2実施形態では、透過部122aの位置)に測定光が照射される場合にのみ、受光素子124へ導かれる。結果、走査部25におけるミラー部25aの回転位置が、テストチャート122の透過部122aの位置にて定められる回転位置となるタイミング毎に、受光素子124にて測定光が検出され、受光素子124からパルス信号が発せられる。即ち、受光素子124は、テストチャート122からの光を受光し、テストチャート122における光の受光位置に対応した電気信号(本実施形態では、パルス信号)を出力する。
パルス信号は、制御部800が受光素子56からの信号を読み取るタイミングを得るためのサンプリングパルスとして、制御部800(図3参照)に入力される。そして、制御部800は、受光素子124からの電気信号に同期して受光素子56からの受光信号を読み取り、読み取った受光信号に基づいて正面画像を生成する。
ここで、第1眼底撮影用のレーザー光は、測定光と同じ光軸で眼底に照射される。よって、眼底共役面にてレーザー光の照射位置が透過部122aに対応する位置となる度に、第1眼底画像を構築するためのサンプリングが、制御部800によって行われる。前述したように、第2実施形態において、それぞれの透過部122aは、眼底共役面上にて均等に配置されている。結果、制御部800は、眼底共役面を均等にサンプリングして、第1眼底画像を形成できる。故に、リニアリティの良好な第1眼底画像を得ることができる。また、透過部122aは、第1眼底画像として所期する画角と対応する範囲に形成されている。故に、例えば、テストチャート122における透過部122aの数と、第1眼底画像における走査線毎のサンプリング数とが一定の対応関係で画像が形成されることによって、所期する画角の第1眼底画像を精度よく得ることが容易である。
また、第2実施形態では、第1眼底画像の撮影と並行して生成されるパルス信号を利用して、サンプリングタイミングが把握されるので、走査部25の走査速度や触れ角が時間的に変位しても画質が維持されやすい。
また、図7の例の投光光学系100aにおいて、眼底撮影に使用される光源11と、BS75との間における光源11からのレーザー光の光路上に、波面補償デバイス72は配置されている。ここで、BS75は、図7に示すように、光源11からの撮影光の投光光路と、光源76からの測定光(本実施形態における基準光)の投光光路とを、同軸にして投光光学系100aの光路に導く。よって、分岐光路L2へ導かれる測定光は、波面補償デバイス72を経由しないため、収差の状態が一定である。つまり、波面補償デバイス72を用いた波面補償制御が行われても、テストチャート122に照射される測定光の収差は変化しない。結果、波面補償制御にかかわらず、受光素子124からサンプリングパルスを安定して発生させることができる。
また、図7に示すように、テストチャート122は、光軸L2に対して斜めに傾けて配置されている。これにより、テストチャート122からの反射光が投光光学系100aを遡って、受光素子124以外の検出器(例えば、波面センサ73等)にノイズとして受光されることが抑制される。結果として、テストチャート122からの反射光による第1眼底画像の画質劣化が抑制される。
以上、実施形態に基づいて説明を行ったが、本開示は、様々な変形が可能である。
第1実施形態では、投光光学系100aの状態を、第1モードと第2モードとに切り替えるために、投光光学系100aにおけるレーザー光の通過範囲が、偏向部400によって変位される場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、テストチャートを、投光光学系100aの投光光路(例えば、眼底撮影用領域)に対して挿脱させる挿脱ユニットを撮影装置1に設けると共に、制御部800が挿脱ユニットを制御してテストチャートの位置を切換えることによって、投光光学系100aの状態を第1モードと第の2モードとに切換えるように、撮影装置1は構成されてもよい。
また、上記各実施形態では、光学素子として、テストチャートが使用される場合について説明した。即ち、上記各実施形態では、光学素子を介した光を、光学素子とは別体の受光素子(光検出器)を用いて受光し、ミラー部の回転位置を示す位置情報が取得された。しかし、光学素子は、テストチャートに限定されるものではない。例えば、光学素子は、光検出器を兼用する構造であってもよい。具体例として、走査部25を経た光の少なくとも一部を受光することによって受光位置と対応する電気信号を出力する光検出器が、光学素子として用いられてもよい。例えば、第1実施形態では、走査部25による光の走査方向にて光を検出するセンサ(例えば、ラインセンサ、一列に並べられた複数個のセンサ等)が、光学素子として利用されてもよい。この場合、センサから逐次出力される信号を制御部800が処理することによって、キャリブレーション情報が取得される。また、例えば、第2実施形態では、走査部25による光の走査方向に並べられた複数個のフォトダイオード125が、光学素子として設けられていてもよい(図9参照)。この場合、第2実施形態におけるレンズ123および受光素子124は不要となる。光学素子から各々出力される信号を、サンプリングパルスとして使用することで、上記2実施形態と同様の動作が実現される。
また、第1実施形態において、投光光学系100aが第1モードである場合には、Y方向の走査が行われないものとして説明したが、Y方向の走査が行われてもよい。例えば、走査部25と偏向部400とを用いた2次元的なレーザー光の走査の結果としてテストチャート60の輝度情報(例えば、画像情報でもよい)を解析することによって、キャリブレーションデータを取得してもよい。
また、上記第1実施形態では、キャリブレーションデータは、サンプリングタイミングのキャリブレーションに利用されたが、これに限定されるものではない。キャリブレーションデータは、走査部25の走査に関するキャリブレーションに使用されるデータであればよく、例えば、画像における輝度情報の位置補正に用いられるデータであってもよい。主走査方向に関する輝度情報の位置座標を、キャリブレーションデータに基づいて補正することにより、眼底共役面上のサンプリング間隔が一定でない状態で撮影が行われる場合であっても、良好な画像を得ることができる。
上記第2実施形態では、測定光をテストチャートに照射することによって、サンプリングパルスを取得する場合について説明したが、テストチャートに照射される光は、測定光に限られるものではなく、例えば、レーザー光であってもよい。光路分岐部121までのレーザー光の投光光路上に、波面補償デバイス72が配置されないように、光学系の設計が図7の例から適宜変更されてもよい。この場合において、波面補償デバイス72は、例えば、光路分岐部121よりも被検眼側に配置されてもよい。特に、走査部25および偏向部400が駆動した際に、光の通過位置が一定である箇所に波面補償デバイス72は配置されることが望ましい。なお、勿論、測定光等の撮影光以外の光を用いてサンプリングパルスを得る場合においても、光路分岐部121よりも被検眼側に波面補償デバイス72が配置されていて構わない。
上記のとおり、光学素子(例えば、テストチャートおよび光検出器等)の走査は、眼底撮影用の光源からの光であって、光スキャナーによって走査された光であってもよいし、波面収差検出用の光源からの光であって、光スキャナーによって走査された光であってもよい。また、その他、眼底撮影用の光源とは別体の光源からの光であって、光スキャナーによって走査された光であってもよい。
なお、上記実施形態において、ミラー系で構成された箇所は、レンズ系で構成されてもよい。例えば、撮影光学系100における凹面ミラー41,45等を含む対物光学系が、ミラー系で構成されてもよい。
上記実施形態において、テストチャートに形成されるテストパターンは、縞模様である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1実施形態のようにキャリブレーションデータを求める場合においては、テストパターンには、上記実施形態のような幾何学的な図形のパターン(例えば、格子パターン、グリッドパターン等)以外にも、その他図形、文字、記号等によるパターンを用いることができる。いずれの場合においても、パターンにおける各部の位置情報および寸法情報等の参照データが予め記憶されたメモリが設けられていてもよい。参照データと、テストパターンに対する実際の走査結果との比較に基づいて、眼底共役面上を等間隔にサンプリングするためのサンプリングタイミング等のキャリブレーションデータを得ることができる。
なお、上記実施形態では、被検眼Eの波面収差を測定するために、眼底撮影装置1の光学系に波面センサ73が設けられた場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被検眼の波面収差を眼底からの反射光に基づいて測定する構成を備えていればよい。例えば、PhaseDiversity法を用いた波面収差の測定手法が提案されており、これを用いてもよい。勿論、他の手法で測定されてもよい。
1 撮影装置
11,76 光源
100a 投光光学系
100b 撮影光学系
25 走査部
25a ミラー部
25b 駆動部
56 受光素子
60,122 テストチャート
73 波面センサ
72 波面補償デバイス
75 ビームスプリッタ―
121 光路分岐部
124 受光素子
125 フォトダイオード
400 偏向部
500 撮影部(筐体)
800 制御部
L2 分岐光路

Claims (15)

  1. 光源からの光を被検眼の眼底に投光するための投光光学系と、
    前記光を反射させるミラー部,および,前記ミラー部を往復回転させる駆動部,を有し、前記投光光学系から投光される光を前記被検眼に対して走査線毎に往復振動させるための光スキャナーと、
    前記眼底によって反射される光の少なくとも一部を受光する受光素子を有する撮影光学系と、を筐体内に備える眼底撮影装置であって、
    前記筐体内であって、かつ、前記光スキャナーによって走査可能な位置に配置される光学素子と、
    前記光学素子に対する走査を介して前記ミラー部の回転位置を示す位置信号を取得し、前記位置信号に基づくキャリブレーションデータを基準として、前記受光素子からの受光信号に基づく前記眼底の正面画像を生成する画像生成手段と、を備える眼底撮影装置。
  2. 前記光学素子を走査する第1モードと、前記眼底上を走査する第2モードとを切換えド切換手段と、
    前記第1モードに設定された場合、前記画像生成手段は、前記光スキャナーの駆動方向に関する前記正面画像のキャリブレーションデータを前記受光素子からの受光信号に基づいて取得し、
    前記第2モードに設定された場合、前記画像生成手段は、前記第1モードで予め取得された前記キャリブレーションデータを基準として、前記受光素子からの受光信号に基づく前記眼底の正面画像を生成する請求項1記載の眼底撮影装置。
  3. 前記光学素子は、前記眼底の正面画像を撮影する際の撮影画角に対応する領域よりも外側に配置されており、
    前記第1モードに設定された場合、前記画像生成手段は、前記光スキャナーを制御することによって前記光源からの光を偏向させ、前記光源からの光によって前記光学素子を走査し、
    前記第2モードに設定された場合、前記画像生成手段は、前記光スキャナーを制御することによって前記光源からの光を偏向させ、前記光源からの光によって前記眼底を走査することを特徴とする請求項2記載の眼底撮影装置。
  4. 前記投光光学系の投光光路に対して前記光学素子を挿脱させる挿脱ユニットを有し、
    前記モード切換手段は、前記挿脱ユニットを制御して前記光学素子の位置を切換えることによって、前記第1モードと前記第2モードとを切換える請求項2記載の眼底撮影装置。
  5. 前記光学素子は、基準パターンが形成されたテストチャートであって、
    前記受光素子は、前記第1モードが設定される場合において、前記テストチャートへの走査によって取得される前記テストチャートからの光を受光し、
    前記画像形成手段は、前記ミラー部の位置信号として、前記テストチャートからの光による前記受光素子からの受光信号を取得する請求項2から4のいずれかに記載の眼底撮影装置。
  6. 前記光学素子は、光検出器であって、前記光スキャナーを経た光の少なくとも一部を受光することによって受光位置と対応する電気信号を出力し、
    前記画像形成手段は、前記ミラー部の位置信号として、前記光検出器からの電気信号を取得する請求項2から4のいずれかに記載の眼底撮影装置。
  7. 前記眼底からの反射光に基づいて前記被検眼の波面収差を検出するための波面検出手段,および,前記投光光学系の投光光路に置かれ,前記波面検出手段の検出結果に基づき波面収差を補償する波面補償デバイス,を備え、
    前記第1モードが設定される場合において、前記波面補償デバイスによる収差補正量を一定とし、且つ、前記第2モードが設定される場合において、前記波面補償デバイスによる収差補正量を前記波面検出手段の検出結果に基づいて設定する収差補正制御手段を備える請求項1から7のいずれかに記載の眼底撮影装置。
  8. 前記投光光学系には、前記光スキャナーから被検眼側までの投光光路の間に前記投光光路を分岐させる光路分岐部が配置されると共に、前記光路分岐部によって前記投光光路から分岐される分岐光路が形成されており、
    前記光学素子は、前記分岐光路に配置される請求項1記載の眼底撮影装置。
  9. 前記分岐光路には、前記光学素子における光の受光位置に対応する電気信号を出力する光検出器が配置されており、
    前記画像生成手段は、前記光検出器からの電気信号に同期して前記受光素子からの受光信号を読み取り、読み取った受光信号に基づいて前記正面画像を生成する請求項8記載の眼底撮影装置。
  10. 前記光学素子は、基準パターンが形成されたテストチャートであって、
    前記検出器は、前記テストチャートからの光を受光し、受光位置に応じた前記電気信号を出力する請求項9記載の眼底撮影装置。
  11. 前記光学素子は、前記光検出器と兼用される構造である請求項9記載の眼底撮影装置。
  12. 前記光源は、撮影光を出射する撮影用光源と、前記撮影用光源とは別体であり,基準光を出射する基準用光源とを有し、
    前記投光光学系は、前記撮影光の投光光路と前記基準光の投光光路とを同軸にして前記投光光学系の光路に導く光路合成部を有し、
    前記撮影光学系は、前記撮影光の眼底反射光を前記受光素子で受光し、
    前記光路分岐部は、前記基準光を前記分岐光路へ分岐させて前記光学素子に導き、
    前記撮影用光源と前記光路合成部との間における前記撮影光の光路上に前記波面補償デバイスが配置される請求項8から11のいずれかに記載の眼底撮影装置。
  13. 前記基準用光源は、被検眼の波面収差を測定するための測定光源を兼用し、
    前記測定光源による眼底反射光を受光することによって前記被検眼の波面収差を検出するための波面センサと、
    前記波面センサの検出結果に基づき波面収差を補償する波面補償デバイスと、
    を備えることを特徴とする請求項12の眼底撮影装置。
  14. 前記眼底からの反射光を用いて前記被検眼の波面収差を検出するための波面センサ,および,前記投光光学系の投光光路に置かれ,前記波面検出手段の検出結果に基づき波面収差を補償する波面補償デバイス,を有し、
    前記波面補償デバイスは、前記投光光学系において前記光路分岐部よりも被検眼側に配置されている請求項8から11のいずれかに記載の眼底撮影装置。
  15. 前記光学素子は、眼底共役位置に配置されている請求項1から14のいずれかに記載の眼底撮影装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017029713A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 キヤノン株式会社 撮影装置及び撮影装置の制御方法
JP2020048772A (ja) * 2018-09-26 2020-04-02 株式会社トプコン 眼科装置、及びその制御方法

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