JP2017029282A - 検査装置及び検査装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】走査による被検眼画像の歪みを被検眼の視度に依らずリアルタイムに実施できる検査装置を提供する。【解決手段】被検査物における被走査領域を含む領域で測定光を走査する走査手段と、走査手段を有する投影光学系と、測定光に対応する被検査物からの戻り光を受光する受光手段と、受光手段と走査手段とによって得られた画像情報から画像を生成する画像生成手段と、測定光の光路上において領域に対応した範囲に配置された指標部と、測定光を指標部に照射して得られる時間情報に基づいて画像情報を補正する補正手段と、を有することを特徴とする【選択図】図4
Description
本発明は、眼科撮影装置に例示される検査装置、及び該検査装置の制御方法に関するものである。
現在、被検眼を走査して観察や撮影を行う眼科撮影装置として、様々なものが使用されている。例えば、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)、共焦点レーザー走査検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)、AO−SLO(Adaptive Optics Scanning Laser Ophthalmoscope)等がこれにあたる。これらの機器においては、ガルバノスキャナや共振型スキャナ、ポリゴンスキャナ等を使用して被検眼上にて測定光を走査し、被検眼の複数の点におけるデータを連続的に取得する測定光の走査技術が用いられている。
この測定光の走査技術を用いる際には、被検眼の所望の部位を正しく観察又は撮影するために、スキャナの被検眼上での走査速度や走査位置を正確に検出する必要がある。しかし、これらの眼科機器で用いられるスキャナは個体差や周囲の温度変化などの様々な要因で走査速度や走査位置が変化することが知られている。
この課題に対する解決策として、補正用のチャートを取り付けてあらかじめ記憶している画像と比較し、サンプリングのタイミングを補正する技術が知られている。(特許文献1)また、共振型スキャナの駆動部より得られる位置信号をもとにサンプリングのタイミングを補正する技術が知られている。(特許文献2)
しかしながら、特許文献1に例示される補正用チャートを用いる方法では、補正のたびに装置に対して補正用チャートを取り付ける必要があり、補正に時間がかかるという課題がある。特に、被検眼の検査中に走査速度や走査位置に変化が生じた場合、検査中に補正チャートを取り付けるのはユーザーにとって困難である場合が多い。
また、共振型スキャナの駆動部より得られる位置信号を用いる方法は、位置信号を取得できないスキャナには適用することができない。さらに、位置信号はスキャナ単体の位置を示しているため、眼科機器内でのスキャナユニット全体の位置にずれが生じた場合には、それを補正することができない。すなわち、眼科機器としての走査速度や走査位置を正確に補正することができない。
本件は以上の背景に鑑みたものであって、被検査物上での測定光の走査速度や走査位置の変化を短時間で正確に補正することを可能とする検査装置及びその制御方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る検査装置では、
被検査物における被走査領域を含む領域で測定光を走査する走査手段と、
前記走査手段を有する投影光学系と、
前記測定光に対応する前記被検査物からの戻り光を受光する受光手段と、
該受光手段と前記走査手段とによって得られた画像情報から画像を生成する画像生成手段と、
前記測定光の光路上において前記領域に対応した範囲に配置された指標部と、
前記測定光を前記指標部に照射して得られる時間情報に基づいて前記画像情報を補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
被検査物における被走査領域を含む領域で測定光を走査する走査手段と、
前記走査手段を有する投影光学系と、
前記測定光に対応する前記被検査物からの戻り光を受光する受光手段と、
該受光手段と前記走査手段とによって得られた画像情報から画像を生成する画像生成手段と、
前記測定光の光路上において前記領域に対応した範囲に配置された指標部と、
前記測定光を前記指標部に照射して得られる時間情報に基づいて前記画像情報を補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、眼科撮影装置等の検査装置において、測定光の走査速度や走査位置の変化を短時間で正確に補正することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な一実施例を説明する。なお、以下の実施例は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
更に、本実施例では、眼科撮影装置として、共焦点レーザー走査検眼鏡(SLO装置)を例に挙げたが、SLO装置に限ったものではなく、OCT装置やAO−SLO装置など、被検眼を走査する眼科撮影装置一般に適用できる。
[実施例1]
(本体構成)
本実施例におけるSLO装置の概略構成を、図1を用いて説明する。図1は、SLO装置の側面図である。SLO装置2000は、光学ヘッド900、ステージ部950、ベース部951、顎台952、及び制御部を有する。光学ヘッド900は、眼底部の2次元画像を撮像するための測定光学系である。ステージ部950は、光学ヘッド900を図中xyz方向に不図示のモータを用いて移動可能とした移動部である。ベース部951は、ステージ部950を支持すると共に、これら電力等を供給する電源等を内蔵する。顎台952は、被検者の顎と額とを固定することで、被検者の眼(被検眼)の固定を促す。
(本体構成)
本実施例におけるSLO装置の概略構成を、図1を用いて説明する。図1は、SLO装置の側面図である。SLO装置2000は、光学ヘッド900、ステージ部950、ベース部951、顎台952、及び制御部を有する。光学ヘッド900は、眼底部の2次元画像を撮像するための測定光学系である。ステージ部950は、光学ヘッド900を図中xyz方向に不図示のモータを用いて移動可能とした移動部である。ベース部951は、ステージ部950を支持すると共に、これら電力等を供給する電源等を内蔵する。顎台952は、被検者の顎と額とを固定することで、被検者の眼(被検眼)の固定を促す。
前述した制御部はSLO装置の制御部を兼ねるパソコン925からなり、ハードディスク926、モニタ928、及び入力部929が付随する。パソコン925は、SLO装置の制御とともに眼底画像の構成等を行う。ハードディスク926は、眼底撮像用のプログラム、及び得られた眼底画像や当該画像にひも付けされたデータ等を記憶する。モニタ928は、本実施形態において眼底画像等を表示する表示部として機能する。入力部929はパソコン925への指示を行う際に用いられ、具体的にはキーボードとマウスから構成される。なお、ここでは、制御部(パソコン)925、ハードディスク926、表示部928、及び入力部929を、SLO装置2000の外部に設けているが、SLO装置2000に内蔵する構成とすることも可能である。
(撮影光学系の構成)
本実施例の撮影光学系の構成について図2を用いて説明する。
まず、光学ヘッド900部の内部について説明する。被検眼100に対向して対物レンズ101−1が設置され、その光軸上に第1ダイクロイックミラー102−1が配置される。第1ダイクロイックミラー102−1は、その反射方向であるSLO光学系の光路L2と、透過方向であるその他の光路L1とに波長帯域ごとに光路を分岐する。ここで、光路L1は例えば前眼部観察系光路であり、図示しないレンズ群およびCCDが配置され、被検眼の前眼部像の取得に用いられる。
本実施例の撮影光学系の構成について図2を用いて説明する。
まず、光学ヘッド900部の内部について説明する。被検眼100に対向して対物レンズ101−1が設置され、その光軸上に第1ダイクロイックミラー102−1が配置される。第1ダイクロイックミラー102−1は、その反射方向であるSLO光学系の光路L2と、透過方向であるその他の光路L1とに波長帯域ごとに光路を分岐する。ここで、光路L1は例えば前眼部観察系光路であり、図示しないレンズ群およびCCDが配置され、被検眼の前眼部像の取得に用いられる。
光路L2には第2ダイクロイックミラー102−2が配置され、これにより光路L2はさらにその反射方向であるSLO光路L2と、透過方向であるその他の光路L3に波長帯域ごとに分岐される。ここで、光路L3は例えばOCT光路であり、図示しないOCT光学系が構成され、被検眼の断層像の取得に用いられる。SLO光路L2に配置される光学部材は走査手段たる一対のスキャナを有する投影光学系を構成する。
第2ダイクロイックミラー102−2の反射方向のSLO光路L2には、分岐部より順に、レンズ101−2、Xスキャナ103、Yスキャナ104、合焦レンズ105−1、レンズ105−2、及び光路分離用のミラー108が配置されている。ミラー108は、穴あきミラーや中空のミラーが蒸着されたプリズムより構成される。SLO光路L2は、該ミラー108によって、更に投影光路L21と受光光路L22とに分離される。投影光路L21は、ミラー108の透過方向の光路であって、SLO光源109を有する。受光光路L22は、ミラー108の反射方向の光路であって、被検眼および後述する補正指標部からの戻り光を受光するフォトディテクタ110を有する。SLO光源109から発せられた測定光は、ミラー108、Yスキャナ104、Xスキャナ103、第2ダイクロイックミラー102−2、第1ダイクロイックミラー102−1、及び対物レンズ101−1を経て被検眼100に導かれる。被検眼100にて反射、散乱して得られる戻り光はこの光路を逆にたどった後、ミラー108に反射されてフォトディテクタ110に受光される。フォトディテクタ110は、測定光に対応する被検眼100からの戻り光を受光する受光手段を構成する。制御部925において画像生成手段として機能するモジュールは、フォトディテクタ110、Xスキャナ103、及びYスキャナ104から得られた画像情報に基づいて眼底画像を生成する。
ここで、光源109から出た光束は、第1ダイクロイックミラー102−1と第2ダイクロイックミラー102−2の間にある結像位置200で一度結像し、被検眼100の眼底付近で再度結像する。合焦レンズ105−1は、2度目の結像位置が被検眼100の眼底面と一致するように不図示のモータによって、光路の延在方向に沿って駆動される。このとき、合焦レンズ105−1の駆動によって1度目の結像位置200も変化する。本実施例では、結像位置200の付近に指標部130が配置されている。該指標部130は、後述する走査補正用チャートとして機能する。
光束の眼底上での結像位置は、所定の方向であるX方向に駆動する共振型のXスキャナ103、Y方向に駆動するガルバノ型のYスキャナ104により変化、移動する。これらのスキャナによって測定光の光束は被検眼100の眼底上で2次元方向に走査される。この光束は眼底上の各々の位置で反射、散乱し、光路L2の方向に散乱した反射光等は、前述したように戻り光となってミラー108で反射してフォトディテクタ110で検出される。
フォトディテクタ110により得られる信号を後述する方法で処理することで、SLO画像が得られる。このようにして、このSLO装置は被検眼眼底部における関心領域全体の撮影ができる。
(SLO画像の生成)
SLO画像について図3を用いて説明する。
フォトディテクタ110により得られる眼底上の各々の位置に対応する信号レベルをそれぞれの画素の輝度に変換し、SLO画像を生成する。より詳細には、共振型のXスキャナ103が測定光をX方向に1回走査する際に得られた戻り光について、これを受光した画素を横方向に並べて1ラインデータを得る。それを繰り返して得られた複数の1ラインデータを縦に並べることで、図3(a)に示すような眼底の2次元の画像を得る。共振型のXスキャナ103は往復駆動であるため、奇数回目の走査と偶数回目の走査では走査方向が逆になる。そのため、図3(a)では奇数ラインのデータと偶数ラインのデータを逆に並べることで、方向の統一された2次元画像を得ている。
SLO画像について図3を用いて説明する。
フォトディテクタ110により得られる眼底上の各々の位置に対応する信号レベルをそれぞれの画素の輝度に変換し、SLO画像を生成する。より詳細には、共振型のXスキャナ103が測定光をX方向に1回走査する際に得られた戻り光について、これを受光した画素を横方向に並べて1ラインデータを得る。それを繰り返して得られた複数の1ラインデータを縦に並べることで、図3(a)に示すような眼底の2次元の画像を得る。共振型のXスキャナ103は往復駆動であるため、奇数回目の走査と偶数回目の走査では走査方向が逆になる。そのため、図3(a)では奇数ラインのデータと偶数ラインのデータを逆に並べることで、方向の統一された2次元画像を得ている。
図3(b)はXスキャナ103の駆動を表したものである。前述したように、Xスキャナ103は、測定光を所定の方向に往復振動させるミラーより構成される。横軸は時刻、縦軸はXスキャナ103の角度を表している。図3(a)に示した眼底画像における点線301上の画素の値は、図3(b)における時刻311又は321において取得した信号から作成したものである。同様に、点線302、303、及び304上の画素の値はそれぞれ、時刻312又は322、時刻313又は323、及び時刻314又は324における信号から作成したものである。ここで、時刻311、312、313、及び314は等時間間隔である。また、時刻321、322、323、及び324も等時間間隔である。そしてその時の共振型スキャナの角度はそれぞれ331、332、333、及び334である。共振型スキャナの駆動は等速ではないため、これら角度331、332、333、及び334の間隔はそれぞれ異なる。したがって、図3(a)における点線301、302、303、304上の像は眼底上で実際には等間隔で配置されてはないが、画像の上では等間隔に表示されている。すなわち、図3(a)のSLO画像は歪みを持っている。したがって、フォトディテクタ110による信号取得間隔は後述する方法で補正を行う必要がある。
(走査補正チャートの説明)
次に、走査補正用チャート130について図4を用いて説明する。
図4(a)は、図2の走査補正チャート130に関する部分を抽出して表したものである。走査補正チャート130は図4(a)に示すように、光束中に配置されているが、Yスキャナ104の角度を変えることで、光路401、402、及び403のような異なる光路に沿って、走査補正チャート130の任意の位置へ光束を投影することができる。走査補正用チャート130は結像位置200の付近に配置されているため、光束は走査補正用チャート130のいずれかの位置で合焦する。光束の結像位置は合焦レンズ105−1の位置によって決まるが、ここでは合焦レンズ105−1の位置は走査補正用チャート130上と光束の結像位置とが略一致する場合を例にとって説明する。
次に、走査補正用チャート130について図4を用いて説明する。
図4(a)は、図2の走査補正チャート130に関する部分を抽出して表したものである。走査補正チャート130は図4(a)に示すように、光束中に配置されているが、Yスキャナ104の角度を変えることで、光路401、402、及び403のような異なる光路に沿って、走査補正チャート130の任意の位置へ光束を投影することができる。走査補正用チャート130は結像位置200の付近に配置されているため、光束は走査補正用チャート130のいずれかの位置で合焦する。光束の結像位置は合焦レンズ105−1の位置によって決まるが、ここでは合焦レンズ105−1の位置は走査補正用チャート130上と光束の結像位置とが略一致する場合を例にとって説明する。
図4(b)は走査補正用チャートのチャート面を表した図である。図4(b)のチャートの座標関係は被検眼100の眼底上に投影された場合と同方向となるように表現している。すなわち、図4(a)の走査補正用チャート130におけるZ方向およびX方向がそれぞれ、図4(b)におけるY方向およびX方向に対応している。走査補正用チャート130のチャート面には、例えば、反射率の高い完全拡散面上に反射率の低い複数の平行の線がチャートとして描かれている。また、同図において、領域450はXスキャナ103及びYスキャナ104によって実際に光束が走査される走査範囲を示している。領域450のX方向がXスキャナ103による走査範囲、領域450のY方向がYスキャナ104による走査範囲である。領域451は被検眼100からの反射光束が通過する範囲であり、この内側にチャートは描かれず、光束が透過できるようになっている。
即ち、被検眼100における測定光の被走査領域に対応する、測定光の光路上における走査補正用チャート130の範囲が領域451となる。走査手段たるXスキャナ103及びYスキャナ104は、実際の走査範囲として前述した被検査領域とその周囲の領域を含む全領域で測定光を走査する。本実施例での走査補正用チャート130は、この全領域に対応する測定光の光路上の範囲である領域450を含むように配置される。なお、本実施例では、この領域450を含むように走査補正用チャート130が配置されている。走査補正用チャート130は、後述するようにYスキャナ104の走査域の全域より後述する時間情報を得られるように、この領域450の全てを含んで配置されることが好ましい。しかし、例えば後述する走査線410に対応する領域にのみ配置される等、測定光の光路上において領域450に対応した範囲或いはその内側に配置されていれば良い。
光束は走査補正用チャート130上でXスキャナ103とYスキャナ104の角度に応じた位置に投影される。例えば、Yスキャナ104が光路403に光束を投影する角度であれば、光束は図4(b)の走査線410のいずれかの位置に投影される。走査線410のどの位置に投影されるかはXスキャナ103の角度に応じて定まる。この状態でXスキャナ103を駆動させることで、走査線410に沿って走査補正用チャート130上で測定光の光束を走査することができる。走査補正用チャート130の平行線はXスキャナ103の等間隔の角度に対応した位置に描かれている。
チャート上にて光束を走査して得られた信号強度をグラフにしたものが図4(c)である。同図において、横軸は時間、縦軸は得られた信号強度である。走査補正用チャート130に描かれた線は反射率が低いため、該線上を拘束が走査されている間は、信号強度が低くなっている。この信号強度のデータを閾値420で2値化することで、線上を走査している時間とそうでない時間とを区別することができる。
(SLO撮影フロー)
図5(a)はSLO撮影の流れを表したフローチャートである。以下、当該フローチャートに沿ってSLO画像を取得する工程について説明する。
図5(a)はSLO撮影の流れを表したフローチャートである。以下、当該フローチャートに沿ってSLO画像を取得する工程について説明する。
まず、パソコン925(以下制御部925)は、ステップS501でXスキャナ103の駆動を開始する。次に制御部925はステップS502でSLO光源109を点灯する。光源109の点灯後、制御部925はステップS503で、合焦レンズ105−1の現在位置に対応するYスキャナ104の角度を求める。ここで、対応する角度は走査補正用チャート130上で光束が合焦する角度であり、光学系に基づく計算により制御部925が算出する。或いは計算ではなく、あらかじめ保持しているテーブルに基づいて当該角度を算出してもよい。ただし、本実施例においては、補正チャート130に合焦した場合を例にとって説明するため、Yスキャナ104の角度は任意とする。例えば被検眼の視度に応じて合焦レンズ105−1を移動させて被検眼上に測定光を合焦させた場合、走査補正用チャート130上では光束が合焦しなくなるが、このときの対応については実施例3で詳述する。
次に制御部925は、ステップS504でYスキャナ104を上記の方法により求めた角度に駆動させる。この操作によってXスキャナ103は、測定光を走査補正用チャート130上で走査することとなる。この状態にて、ステップS505ではライン分の範囲の測定光の走査を行う。このとき、フォトディテクタ110による信号取得はあらかじめ定められた間隔の等時間間隔とする。このようにしてXスキャナ103を往復駆動することで、1ラインデータを2つ得る。
ラインデータの取得後、制御部925はステップS506で後述する補正方法でサンプリング間隔の補正を行う。サンプリング間隔の補正が終了すると、制御部925はステップS507で、測定光が眼底二次元走査の開始位置に照射されるようにYスキャナ104を駆動させる。次にステップS508で、制御部925は眼底上でXスキャナ103とYスキャナ104とによる測定光の2次元走査を行う。このとき、フォトディテクタ110による信号取得はステップS506により補正された間隔で行う。ここで、上記ではステップS505による走査位置と、ステップS507走査位置を分けて説明をしたが、これらの走査位置は同じでもよい。その場合、補正のための走査と眼底撮像のための走査を同一の走査の中で行うことができる。
ただし、上述の方法で被検眼眼底像を取得した情報をモニタ928に表示する場合、得られる被検眼眼底画像は図5(b)に示すように撮像範囲451の周辺に補正チャート130のチャート面が写り込んだ状態である。これでは、検査者にとっては不要な情報を提示してしまっていることになる。そこで、ステップS509では、予め設定している撮像範囲451に対応する走査位置に対してのみ、モニタ928に表示するよう画像を生成する。画像生成は制御部925における画像生成手段により実行される。このステップを経たのち、ステップS510で、制御部925はモニタ928に、ステップS509で生成したSLO画像を表示させる。この工程を経ることによって、図5(c)に示すような画像を検査者に提示できるため、検査者にとって不要な情報を提示することがなくなる。ここで、図5(c)では、説明の便宜上薄い色でチャートを記載しているが、実際は何も表示されないものとする。
ステップS510にて画像を表示した後、制御部925はステップS511で撮影準備が完了したかどうかの判断を行う。例えば、入力部929から撮影ボタン押下の入力があれば、制御部925は撮影準備が完了したと判断する。なお、判断基準は他の基準でもよい。例えば、SLO画像の輝度から合焦状態を判断し、合焦している状態を撮影準備完了と判断してもよい。
撮影準備が完了したと判断された場合、制御部925はステップS512でSLO画像をハードディスク926に保存し、それを表示手段であるモニタ928に表示させる。最後に、制御部925はステップS513でSLO光源109を消灯し、撮影を終了する。なお、ステップS511にて撮影準備が完了していないと判断された場合、フローはステップS503に戻り、前述の処理を繰り返す。
このようにすることで、制御部925は、SLO画像の取得に際して、任意のライン毎や任意のフレーム毎に走査時間の補正を行うことができる。即ち、画像生成のための画像情報に対し、フレーム毎の走査時間を補正するための時間情報に基づく補正を施すことが可能となる。そのため、時間経過とともに走査時間に変化が生じた場合であっても、この変化に対してすぐに補正を行うことができる。また、撮像範囲451の外側にマスクを掛けることで、検査者にとって不要な補正チャート情報の提示を省略することができる。なお、この補正の処理は制御部925において補正手段として機能するモジュールにより実行される。即ち、眼底画像の生成に際して、画像生成手段によって両スキャナの走査位置に応じてフォトディテクタが受光した情報の処理が行われ、補正手段は両スキャナ、特にXスキャナ103の走査位置を補正する。
以上が本実施例に係るSLO画像の撮影の流れである。なお、補正を行うタイミングは他の制御方法でもよい。たとえば、あらかじめ決められた時間が経過するごとに補正を行ってもよいし、検査開始時に補正を行ってもよい。或いは、共振型スキャナの変化が大きい場合には画像取得中に補正を行ってもよい。ガルバノスキャナの駆動制御によってそれらを切り替えることもできる。
(走査補正の説明)
次に、走査の補正方法について図6を用いて説明する。なお、走査の補正はXスキャナ103の往復動作の往路と復路について行うが、往路と復路は動作方向が逆になるのみで動作的には同一と考えられることから、以下では往路の補正の説明のみ行う。
次に、走査の補正方法について図6を用いて説明する。なお、走査の補正はXスキャナ103の往復動作の往路と復路について行うが、往路と復路は動作方向が逆になるのみで動作的には同一と考えられることから、以下では往路の補正の説明のみ行う。
ステップS505で得られた走査補正用チャート130より得たラインデータに対して、閾値420で2値化し更に重心を計算することで、チャート上を光束が通過する際の走査時刻x1、x2、及びx3を得る。なお、4本目以降の線上の測定光の通過についての説明は省略する。時刻x1、x2、及びx3で測定光を走査した線の位置はハードディスク926にあらかじめ記憶されており、それを仮にy1、y2、及びy3とする。このように設定した点(x1、y1)、(x2、y2)、及び(x3、y3)、更には同様にして求めた全ての点を、横軸が時間、縦軸が位置とした座標にプロットすると図6のようなグラフが得られる。
また、共振型であるXスキャナ103は1周期毎に同期信号を出力するため、制御部925はこの同期信号を検出することで、Xスキャナ103の周期を算出することができる。この周期をTとし、m=2π/Tとする。
すると、上記の全てのデータは以下の式(1)で近似できる。
ここで、xは時間、yは走査補正用チャート130の中央の線を0とした場合の例えば図4(b)における走査線410上での該0を基準とした位置である。Aは振幅、すなわちXスキャナ103によって走査可能な距離である。Bは同期信号の位相である。この式(1)は、次の式(2)の形に変形できる。
ただし、
である。
すると、上記の全てのデータは以下の式(1)で近似できる。
式(2)のaとbとは上記のデータから最小二乗法で求めることができる。そこから式(1)の定数AとBとを求めることができる。
ここで、SLO画像の画素数をnとし、眼底上の観察範囲に対応する補正用チャートの範囲をY1からYnとする。眼底上において等間隔で信号取得するためには、以下の式(4)
で得られる座標で信号取得を行えばよい。iは画素番号、すなわち0からn−1の範囲の整数である。
ここで、SLO画像の画素数をnとし、眼底上の観察範囲に対応する補正用チャートの範囲をY1からYnとする。眼底上において等間隔で信号取得するためには、以下の式(4)
そこで、Y1、Y2、Y3、・・・、Ynを式(1)の逆関数に代入することで、信号取得すべき時間、X1、X2、X3、・・・、Xnを得る。このX1、X2、X3、・・・、Xnを補正された信号取得時間としてハードディスク926に保存する。ステップS508では、この時間で信号取得することで、歪みのないSLO画像を得ることができる。
以上が走査の補正方法である。この補正方法では、共振型スキャナ単体の駆動を補正するのみではなく、SLO光源と共振型スキャナ、各ミラーの位置関係の変化などを含めたSLO光学系全体を補正することができる。したがって、SLO装置の走査位置を正確に補正することができる。
なお、走査補正用チャート130として指標部を配置する領域は、測定光の光路上において被検眼100の被走査領域を含む領域に対応した範囲としている。本実施例では、この範囲に対応する領域450は、更に被走査領域(走査範囲)に対応する領域451の外側に配置することとし、得たい画像に対して指標に関する画像の影響を除いている。また、画像生成に際しては、領域450の内側であって測定光に照射された指標部のチャートに対応する領域の外側である領域451より得られた画像情報に基づいて画像を生成する。また、前述した投影光学系は、被検眼100の走査範囲とは異なる結像位置200を有するように構成されており、該結像位置200における領域450の内側に内包されるように測定光を投影可能となるように投影範囲が形成されている。指標部を構成するチャートは、この投影範囲内に配置されている。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について、図7を用いて説明する。
実施例1では、走査手段であるXスキャナ103、及びYスキャナ104で走査した光束が全て走査補正用チャート130に入射する例を説明したが、実際には図7(a)の光線701、702に示すように、走査した光束が内部のレンズ等の光学部材を通過できず、一部のみが補正チャートに入射する場合も生じる。これは、多くの被検眼画像を得るためには、通常円形のレンズに対して少なからずオーバースキャンをする矩形の走査範囲となるからである。このような場合、補正に使用可能なチャートの範囲は図7(b)に示す投影範囲752の内側で、かつ撮像範囲451の外側となる。ここで、投影光束が眼底の反射光束より細い場合や、対物レンズ101−1がレンズ101−2より小さい場合等では、投影範囲752より撮像範囲451が小さくなるため、被検眼の情報を減らすことなくチャート情報を取得することができる。
次に、本発明の実施例2について、図7を用いて説明する。
実施例1では、走査手段であるXスキャナ103、及びYスキャナ104で走査した光束が全て走査補正用チャート130に入射する例を説明したが、実際には図7(a)の光線701、702に示すように、走査した光束が内部のレンズ等の光学部材を通過できず、一部のみが補正チャートに入射する場合も生じる。これは、多くの被検眼画像を得るためには、通常円形のレンズに対して少なからずオーバースキャンをする矩形の走査範囲となるからである。このような場合、補正に使用可能なチャートの範囲は図7(b)に示す投影範囲752の内側で、かつ撮像範囲451の外側となる。ここで、投影光束が眼底の反射光束より細い場合や、対物レンズ101−1がレンズ101−2より小さい場合等では、投影範囲752より撮像範囲451が小さくなるため、被検眼の情報を減らすことなくチャート情報を取得することができる。
上記で得られたチャート情報に基づいてSLO画像を補正し、表示するステップ、方法、およびチャート部分にマスクを掛ける方法については、実施例1と同様であるため、説明は省略する。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3について、図8(a)〜(e)を用いて説明する。
実施例1及び2では、合焦レンズ105−1は、走査補正用チャート130に一致した位置である場合の説明をした。しかし、実際に眼底画像を取得する場合には、被検眼の視度に合わせて、被検眼の眼底上に焦点位置がくるように合焦レンズ105−1を移動させる。このとき、装置内部の結像位置200も、合焦レンズ105−1の位置に対応した位置に移動する。このときの結像位置の変化する範囲についてその端となる位置を、各々図8(a)の位置201(遠視側の最大変化位置)及び位置202(近視側の最大変化位置)とする。この場合、実施例1及び2で説明した走査補正用チャート130の配置では、焦点が合わず光束径が太くなってしまうため、所望のチャート像を得ることができない。そこで、本実施例では図8(a)で示すように、光軸に対して斜めに配置する走査補正用チャート131を用いた例で説明を行う。
次に、本発明の実施例3について、図8(a)〜(e)を用いて説明する。
実施例1及び2では、合焦レンズ105−1は、走査補正用チャート130に一致した位置である場合の説明をした。しかし、実際に眼底画像を取得する場合には、被検眼の視度に合わせて、被検眼の眼底上に焦点位置がくるように合焦レンズ105−1を移動させる。このとき、装置内部の結像位置200も、合焦レンズ105−1の位置に対応した位置に移動する。このときの結像位置の変化する範囲についてその端となる位置を、各々図8(a)の位置201(遠視側の最大変化位置)及び位置202(近視側の最大変化位置)とする。この場合、実施例1及び2で説明した走査補正用チャート130の配置では、焦点が合わず光束径が太くなってしまうため、所望のチャート像を得ることができない。そこで、本実施例では図8(a)で示すように、光軸に対して斜めに配置する走査補正用チャート131を用いた例で説明を行う。
図8(b)、(c)及び(d)は、本実施例における走査補正用チャート131によって得られるチャート像情報を示している。ここで図8(b)、(c)、(d)はそれぞれ、正視、遠視、近視の被検眼に対して合焦レンズ105−1の位置を合わせた場合のチャート情報を示している。なお、これら図において、図5(b)及び(c)と同様に、濃い色で示されたチャートは実際に表示されて信号を得ている部分であり、薄い色で示されるチャートは実際には何も表示されない部分であり、便宜上当該態様にて図示している。本実施例では、指標部を構成する走査補正用チャート131を、測定光を投影する投影光学系の光軸に対して斜めに配置している。
このように、走査補正用チャート131を斜めに配置することで、合焦レンズ105−1を被検眼に対して合焦するように動かした場合であっても、チャート情報を取得することができる。ただし、チャート情報の得られる図中Y方向の位置が異なることとなる。このときのSLO画像の生成フローについて、図8(e)を用いて説明する。
まず、制御部925は、ステップS801でXスキャナ103の駆動を開始する。次に制御部925はステップS802でSLO光源109を点灯する。光源109の点灯後、制御部925はステップS803で、合焦レンズ105−1の現在位置に対応するYスキャナ104の角度を求める。ここで、対応する角度は走査補正用チャート131上で光束が合焦する角度であり、光学系に基づく計算により制御部925が算出する。或いは計算ではなく、あらかじめ保持しているテーブルに基づいて算出してもよい。
次に制御部925は、ステップS804でYスキャナ104を上記の方法により求めた角度に駆動させる。この操作によってXスキャナ103は、測定光を走査補正用チャート131上で走査することとなる。この状態にてステップS805ではライン分の範囲の測定光の走査を行う。このとき、フォトディテクタ110による信号取得はあらかじめ定められた間隔の等時間間隔とする。なお、本実施例では、Xスキャナ103を往復駆動することで、1ラインデータを2つ得る。
また、本実施例では、被検眼の走査開始前にチャート131上での測定光の走査を行っているが、被検眼の二次元走査中にこれを行っても良い。この場合は、被検眼の二次元走査中にYスキャナ104がステップS803で求めた角度になった際に得られるチャート像の情報を、次ステップS806にて制御部925に受け渡す。
次に制御部925はステップS506で前述した補正方法でサンプリング間隔の補正を行う。このとき、合焦レンズ105−1の現在位置に対応したYスキャナ104の位置によって、走査時刻に対する線の位置が異なる。このため、Yスキャナ104の角度に応じたチャート線の情報をハードディスク926にあらかじめ記憶させておき、この情報に基づいて補正を行う。サンプリング間隔の補正が終了すると、制御部925はステップS807で、測定光が眼底二次元走査の開始位置に照射されるようにYスキャナ104を駆動させる。次にステップS808で、制御部925は眼底上でXスキャナ103とYスキャナ104による測定光の2次元走査を行う。このとき、フォトディテクタ110による信号取得はステップS806により補正された間隔で行う。ここで、上記ではステップS805による走査位置と、ステップS807走査位置とを分けて説明したが、これらは分けなくてもよく、補正のための走査と眼底撮像のための走査とを同一の走査の中で行っても良い。
ただし、上述の方法で被検眼眼底像を取得した情報をモニタ928に表示する場合、実施例1で説明したように、得られる被検眼眼底画像には、その合焦レンズ105−1の現在位置に応じた位置に、走査補正用チャート131のチャート面が写り込んだ状態となってしまう。そこで、ステップS809で実施例1と同様に、予め設定している撮像範囲451に対応する走査位置に対してのみ、モニタ928に表示するよう画像を生成する。
このようにして、制御部925はステップS809でSLO画像を生成し、モニタ928に表示する。その後のフローは実施例1と同様であるため説明を省略する。
このようにすることで、制御部925は合焦レンズ105−1が被検眼に合わせて移動した際でも、任意のライン毎や任意のフレーム毎に走査時間の補正を行うことができる。そのため、時間経過とともに走査時間に変化が生じた場合であっても、すぐに補正を行うことができる。また、撮像範囲451の外側にマスクを掛けることで、検査者にとって不要な補正チャート情報の提示を省略することができる。
ここで、走査補正用チャート131は、実施例1と同様に反射率の高い完全拡散面上に反射率の低い複数の平行の線が描かれているものであっても良いが、これに限る事は無い。例えば、拡散反射部材の代わりに、再帰性反射部材を用いても良い。再帰性反射部材は、光が入射した際に、その入射方向と略一致した方向に反射光を返す部材である。このような部材を用いれば、補正チャート131が光軸に対して斜めに配置されていても、効率良く反射光をフォトディテクタ110へ返すことができる。
また、ここではYスキャナ104の角度に応じて、補正のための走査時刻に対する線の位置情報を予めハードディスク926に記憶させていたが、これは本実施例に限る事ではない。前述の実施例1及び2においても、チャートの範囲中に撮像範囲451(チャート情報の存在しない範囲)が存在するため、Yスキャナ104の角度によって、走査時刻に対する位置情報は異なる。このため、実施例1及び2においても、チャート情報を取得する際のガルバノスキャナ104の情報に基づいて、補正に用いる予め複数記憶された情報(走査時刻に対する線の位置情報)の中から選択することが好ましい。
また、ここでは結像位置200及び201、202が第1ダイクロイックミラー102−1と第2ダイクロイックミラー102−2との間に設けていたが、これに限る事は無い。例えば、図9(a)の位置210、211、及び212に示すように、第1ダイクロイックミラー102−1の近傍に結像位置が有る場合、走査補正用チャート132のように、第1ダイクロイックミラー102−1の反射面上にくるように補正チャートを配置しても良い。また、補正チャート自体を、第1ダイクロイックミラー102−1の反射面上に描いても良い。この場合は、図9(b)に示すダイクロイックミラーのように、被検眼の撮像範囲451内にはチャートを描かず、撮像範囲451の外の部分にチャートを描くことで、上述の補正を達成することができる。即ち、本発明の一態様として、測定光を偏向させるダイクロイックミラーの反射面上に、指標部を配置することが可能である。
また、補正チャートは第1ダイクロイックミラー102−1の反射方向に無くてもよく、透過方向に配置されても良い。この際は、図9(a)に示した走査補正用チャート133の配置となる。この場合、第1ダイクロイックミラー102−1は、撮像範囲451の部分は光源109の波長が透過できるようにし、その外側の部分は、光源109の波長が透過できるような特性を持つようにする。即ち、本発明の一態様として、測定光を偏向させるダイクロイックミラーの透過方向に、指標部を配置することが可能である。
もしくは、図9(c)に示したように、第1ダイクロイックミラーの撮像範囲451の外の部分を部分的に取り除いてしまってもよい。このような場合の走査補正用チャート133は、撮像範囲にチャートを描いても良く、図9(d)のようなチャートでも良い。ただし、光路L1上にこの走査補正用チャート133等の光学系が配置される場合には、その光学系の光束外の部分にチャートを描く必要がある。
以上の説明では、走査補正用チャートはYスキャナ104の走査領域の全域に渡って描かれている例を説明したが、これに限ることは無い。チャートをガルバノ型のYスキャナ104の走査方向に短くし、補正の際のYスキャナ104の角度をあらかじめ決められた固定の角度で制御するようにしてもよい。その場合、合焦レンズ105−1の位置によっては光束がチャートに合焦しないため、補正の際に合焦レンズ105−1を決まった位置に駆動する制御をしてもよい。または、合焦していない状態で信号を取得し、信号強度の低い部分の重心を求めることによってチャートの線の位置を検出してもよい。
また、本実施例では走査用補正チャートに配されたチャートは拡散面や再帰性反射部材からなり、散乱および反射光をフォトディテクタで受光しているが、他の形態でもよい。走査用補正チャートをセンサとして、センサで受光した時刻をもとに補正を行ってもよい。即ち、測定光を受光するセンサを直接指標部として用いる態様とすることも可能である。この場合、フォトディテクタを1個もしくは複数個配置してもよいし、1次元センサや2次元センサを用いてもよい。
また、本実施形態では共振型スキャナの周期を共振型スキャナの同期信号から算出しているが、他の方法でもよい。例えば、走査用補正チャートの走査データや、センサによる検出時間をもとに算出してもよい。その際、共振型スキャナの往復駆動の往路と復路で速度が異なる可能性を考慮し、異なる時刻に求めた周期を往路と復路に別々に用いてもよい。
また、本発明は、上述した実施例の機能(例えば、上記の各部の処理を各工程に対応させたフローチャートにより示される処理)を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても実現できる。この場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が、コンピュータが読み取り可能に記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することにより、上述した実施例の機能を実現する。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形、変更して実施することができる。例えば、上記の実施例では、被検査物が眼の場合について述べているが、眼以外の皮膚や臓器等の被検査物に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科装置に例示される検査装置として把握され、被検眼は被検査物の一態様として把握されることが望ましい。
本発明に係る実施例では、検査者に補正のための情報を提示することなく、走査速度や走査位置の変化を短時間で正確に補正することができる。また、態様によっては、被検眼の撮像情報を減らすことなく、被検眼の走査と同時に補正のための情報を得ることができる。本発明の更なる対応では、被検眼の視度に依存せずに走査補正が実現できるため、走査補正のための合焦調整が不要となり、測定時間を低減できる可能性がある。本発明の更なる態様では、より省スペースで走査補正を実現できるため、より多くの被検眼情報を得られる可能性がある。更に、指標部の情報をより多く受光手段へ入力することができるため、補正精度の向上につなげることができる。
100・・被検眼、101−1・・レンズ、101−2・・レンズ、102−1・・第1ダイクロイックミラー、102−2・・第2ダイクロイックミラー、103・・Xスキャナ、104・・Yスキャナ、105−1・・合焦レンズ、108・・穴あきミラー、109・・SLO光源、110・・フォトディテクタ、130・・走査補正用チャート、200・・結像位置、450・・走査範囲、451・・撮像範囲、752・・投影範囲、900・・光学ヘッド、925・・制御部、2000・・SLO装置、L2・・SLO光路
Claims (14)
- 被検査物における被走査領域を含む領域で測定光を走査する走査手段と、
前記走査手段を有する投影光学系と、
前記測定光に対応する前記被検査物からの戻り光を受光する受光手段と、
該受光手段と前記走査手段とによって得られた画像情報から画像を生成する画像生成手段と、
前記測定光の光路上において前記領域に対応した範囲に配置された指標部と、
前記測定光を前記指標部に照射して得られる時間情報に基づいて前記画像情報を補正する補正手段と
を有することを特徴とする検査装置。 - 前記画像生成手段によって生成された画像を表示する表示手段を有し、
前記画像生成手段は、前記範囲の内側であって前記測定光に照射された前記指標部に対応する領域の外側より得られた前記画像情報に基づいて生成した画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。 - 前記指標部は、前記光路上の範囲における前記被走査領域に対応する範囲の外側に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
- 前記投影光学系は、前記被走査領域とは異なる前記測定光の結像位置を有すると共に、前記結像位置において前記領域の内側に内包されるように前記測定光が投影可能な投影範囲を有し、
前記指標部は、前記投影範囲内に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査装置。 - 前記指標部は前記投影光学系の光軸に対し斜めに配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検査装置。
- 前記投影光学系は、前記測定光を偏向させるミラーを有し、前記指標部は前記ミラーの反射面上に配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の眼科撮影装置。
- 前記投影光学系は、前記測定光を偏向させるミラーを有し、前記指標部は前記ミラーの透過方向に配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検査装置。
- 前記指標部は、前記測定光の入射方向に対して前記測定光を反射する再帰性反射部材からなり、
前記受光手段は、前記被検眼からの戻り光と共に前記指標部からの反射光を受光することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置。 - 前記指標部は、前記測定光を拡散反射する拡散反射部材からなり、
前記受光手段は、前記被検眼上からの戻り光と共に前記指標部からの反射光を受光することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置。 - 前記指標部は、前記測定光を受光するセンサであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置。
- 前記走査手段は、前記測定光を所定の方向に往復振動させるミラーを有する共振型スキャナであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の検査装置。
- 前記画像生成手段は前記走査手段の走査位置に応じて前記受光手段によって受光した情報を処理し、
前記補正手段は前記走査手段の走査位置を補正することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の検査装置。 - 被検査物における被走査領域を含む領域で測定光を走査する走査手段と、
前記走査手段を有する投影光学系と、
前記測定光に対応する前記被検査物からの戻り光を受光する受光手段と、
該受光手段と前記走査手段とによって得られた画像情報から画像を生成する画像生成手段と、
前記領域に対応する前記測定光の光路上の範囲に配置された指標部と、を有する検査装置の制御方法であって、
前記測定光を前記指標部に照射して時間情報を得る工程と、
前記時間情報に基づいて前記画像情報を補正する工程と、
前記補正した画像情報から前記画像生成手段が画像を生成する工程と、
を有することを特徴とする検査装置の制御方法。 - 請求項13に記載の検査装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015150577A JP2017029282A (ja) | 2015-07-30 | 2015-07-30 | 検査装置及び検査装置の制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020186480A1 (zh) * | 2019-03-18 | 2020-09-24 | 杭州镜之镜科技有限公司 | 近视预测系统及方法 |
JP2021053198A (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | 株式会社ニデック | 眼科撮影装置 |
-
2015
- 2015-07-30 JP JP2015150577A patent/JP2017029282A/ja active Pending
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WO2020186480A1 (zh) * | 2019-03-18 | 2020-09-24 | 杭州镜之镜科技有限公司 | 近视预测系统及方法 |
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JP7367433B2 (ja) | 2019-09-30 | 2023-10-24 | 株式会社ニデック | 眼科撮影装置 |
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