JP6866132B2 - 眼科装置、眼科装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

眼科装置、眼科装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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本発明は、被検眼の画像を撮影する眼科装置及びその制御方法、当該制御方法等をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
現在、被検眼上で測定光を走査し、この測定光の該被検眼からの反射光を用いて該被検眼の観察や撮影を行う眼科撮影装置として様々なものが使用されている。これら眼科機器としては、例えば、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT、以下OCT装置)、共焦点レーザー走査検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO、以下SLO装置)、AO−SLO(Adaptive Optics Scanning Laser Ophthalmoscope:AO−SLO、以下AO−SLO装置)等がある。これらの装置においては、ガルバノスキャナや共振型スキャナ、ポリゴンスキャナ等を使用して被検眼上で測定光を走査し、被検眼の複数の点におけるデータを連続的に取得している。
これら装置では、例えば一枚の画像を取得するために測定光を走査している間は、被検眼の視線が一定の方向を注視した状態にあることが好ましい。このため、例えば特許文献1に例示されるように、眼底撮像装置(SLO装置)において測定光を走査する際に、被検眼の固視を促すために固視灯を被検眼へ投影させている。
特開2012−125490号公報
特許文献1に開示される眼底撮像装置では、眼底画像に対する水平方向において測定光の一往復走査を行い、その後垂直方向に走査位置をずらして再度水平方向の走査を行う所謂ラスタスキャンが行われている。眼底画像一枚分のラスタスキャンの終了後、測定光の照射位置は、一枚の眼底画像を得る際の測定光走査の開始位置に戻され、次の眼底画像を得るための測定光走査が繰り返される。
従来、一枚の画像の取得終了後における測定光の走査終了位置から、次の画像の取得のための測定光の走査開始位置への照射位置の移動という一連の測定光の移動において、測定光は常に同じ被検眼に照射されている。従って、走査終了位置から走査開始位置への測定光の照射位置の移動が、被検者から見えることとなる。この照射位置の移動は、被検者にとって視野を横切る輝点を提示することになり、被検眼の固視が不安定になる可能性につながる。
本発明は、以上の状況に鑑みたものであって、測定光を走査して被検眼の画像を得る際に安定した被検眼の固視状態を得る眼科装置及びその制御方法、当該制御方法等をコンピュータに実行させるためのプログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る眼科装置は、
検眼の眼底を測定光により第一の方向の走査と前記第一の方向とは異なる第二の方向の走査とを含む二次元走査であって、前記第二の方向の往復走査の速度は前記第一の方向における走査の速度よりも遅い二次元走査を繰り返して実行するための走査手段と、
前記二次元走査される前記眼底からの前記測定光の反射光に基づいて前記眼底の二次元画像を生成する画像生成手段と、
記二次元画像の生成を目的としない前記第二の方向の復路の走査において前記眼底に照射される前記測定光の光量、前記二次元画像の生成を目的とする前記第二の方向の往路の走査において前記眼底に照射される前記測定光の光量よりも小さくるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。

本発明によれば、測定光を走査して被検眼の画像を得る際に、安定した被検眼の固視状態を得ることが可能となる。
本発明の第一の実施形態に係る眼科装置全体の構成を示す概略図である。 図1に示す眼科装置における光学系の説明図である。 眼科装置により得られるSLO画像と、共振型スキャナの動作とについての説明図である。 本発明の第一の実施形態におけるガルバノスキャナ角度と測定光の走査領域との関係を示す説明図である。 本発明の第一の実施形態における共振型スキャナ角度、ガルバノスキャナ角度、及びSLO光源の状態の関係を示す説明図である。 従来のSLO装置において被検者から見えるSLO測定光束と固視灯との見え方を示す説明図である。 本発明の第一の実施形態におけるSLO画像を得る際の撮影手順を示すフローチャートである。 本発明の第二の実施形態における共振型スキャナ角度、ガルバノスキャナ角度、SLO光源の状態の関係を示す説明図である。 本発明の第二の実施形態におけるSLO画像を得る際の撮影手順を示すフローチャートである。 本発明の第一の実施形態における共振スキャナ角度、ガルバノスキャナ角度、及びSLO光源の状態の別の関係を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、以下の実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
また、以下の実施形態では、眼科撮影装置として共焦点レーザー走査検眼鏡(SLO装置)を例に挙げた。しかし、本発明の適用対象はSLO装置に限ったものではなく、OCT装置やAO−SLO装置など、被検眼を測定光で走査する眼科撮影装置一般に適用できる。
[第一の実施形態]
以下に本発明の第一の実施形態として、本発明をSLO装置に適用した場合について、図面を参照して説明する。
(装置の概略構成)
図1は、本実施形態におけるSLO装置の概略構成を示す。
図1に示すSLO装置100は、光学ヘッド101、ステージ部102、ベース部103、顎台104、制御部110、記憶部111、表示部112、及び入力部113を有する。
光学ヘッド101は、被検眼の眼底部の二次元画像を撮像するための撮影光学系を内蔵している。ステージ部102は不図示のモータ等を有し、これらモータを用いて光学ヘッド101を図中xyz方向に移動可能とする移動部として機能する。ベース部103はステージ部102を支持し、且つモータ等の電源と前述した光学系の一部等を内蔵する。顎台104はベース部103に固定されており、被検者の顎と額とを固定することで、被検者の眼(被検眼)の固定を促す。
制御部110はSLO装置100の制御部を兼ねるパソコンであり、SLO装置100の制御とともに眼底画像の構成等の処理を行う。記憶部111は眼底撮像用のプログラムなどを記憶するハードディスク等により構成され、制御部110に内蔵される。表示部112は眼底画像の表示等を行うモニタであり、入力部113は具体的にはキーボードとマウスから構成されて制御部110への入力の操作等に用いられる。なお、本実施形態では、制御部(パソコン)、ハードディスク、表示部、及び入力部を、SLO装置100における本体の外部に設けている。しかし、これら構成をSLO装置100の本体に内蔵する態様とすることも可能である。
(撮影光学系の構成)
本実施形態に係るSLO装置100の撮影光学系の構成について、図2を用いて説明する。
まず、光学ヘッド101に内蔵される構成について説明する。該光学ヘッド101内部において、被検眼200に対向して対物レンズ201−1が配置される。該対物レンズ201−1の光軸上には第一のダイクロイックミラー205が配置される。被検眼200に至る光路は、該第一のダイクロイックミラー205によって、前眼部観察系の光路L1と、内部固視灯及びSLO光学系の光路L2とに波長帯域ごとに分岐される。
光路L1上には、被検眼前眼部からの反射光を前眼観察用のCCD202に受光させる構成として、その光軸上にレンズ204、及びレンズ203が配置される。CCD202は、不図示の前眼観察用照明光の波長、具体的には波長970nm付近に感度を持つ。
光路L2の光軸上には、更に第二のダイクロイックミラー209が配置される。被検眼200の眼底からの反射光の光路L2は、第二のダイクロイックミラー209によって、内部固視灯光学系の光路L3と、SLO光学系の光路L4へと分岐される。光路L2の光軸上には、第一のダイクロイックミラー205より順に、レンズ201−2、共振型スキャナ206、ガルバノスキャナ207、及びレンズ208が配置され、該光路L2は第二のダイクロイックミラー209に至る。
第二のダイクロイックミラー209の透過方向におけるSLO光学系(光路L4)の光軸上には、SLO合焦レンズ210、穴あきミラー211、SLO光源212及びフォトディテクタ213が配置される。SLO合焦レンズ210は、不図示のレンズ駆動用モータにより、図中矢印にて示す光軸方向に駆動される。フォトディテクタ213は、本実施形態において被検眼200に投影された光束の該被検眼200からの反射光を受光する受光手段を構成する。また第二のダイクロイックミラー209の反射方向における内部固視灯光学系(光路L3)の光軸上には、固視合焦レンズ214と内部固視灯215とが配置される。固視合焦レンズ214は、不図示のレンズ駆動用モータにより、図中矢印にて示す光軸方向に駆動される。
SLO光源212は、波長780nm付近に中心値を持つ測定光を発する。従って、フォトディテクタ213は、該測定光に対応する反射光を受光するために、波長780nm付近の光に対して感度を持つ。一方、内部固視灯215は可視光を発生して被検眼に対する固視灯を提供し、被検者にこれを注視させることによって固視を促す。
SLO光源212から発せられた測定光或いは内部固視灯215から発せられた固視光は、何れも第一のダイクロイックミラー205の付近で一度結像し、被検眼200の眼底付近で再度結像する。二度目の結像位置が被検眼200の眼底面と一致するようにSLO合焦レンズ210及び固視合焦レンズ214が不図示のレンズ駆動用モータによって光軸上において駆動される。即ち、これら合焦レンズの駆動によって、一度目の結像位置も第一のダイクロイックミラー205の付近で変化する。
SLO光源212からの測定光及び固視光の眼底上での結像位置は、該測定光をX方向に駆動する共振型スキャナ206、及び該測定光をY方向に駆動するガルバノスキャナ207により変化する。これらのスキャナによって、測定光及び固視光は眼底上で二次元方向に走査される。この測定光は眼底上で散乱し、光路L2の方向に散乱した反射光は穴あきミラー211で反射されてフォトディテクタ213で検出される。フォトディテクタ213により得られる信号を後述する方法で処理することで、SLO画像が得られる。固視光は内部固視灯215の点灯制御等により、被検眼の固視を促すように視野上に固定された指標として被検眼に提示される。これらスキャナによる測定光の照射位置及び眼底上での走査範囲等を指定することにより、本SLO装置100では被検眼200の眼底部における関心領域全体の撮影ができる。
以上に述べた被検眼200からSLO光学系に至る構成及び該SLO光学系は、例示であって本実施形態の構成に限定されない。被検眼200の眼底を含む領域の二次元走査を行う走査手段は、後述するように当該領域の二次元走査を繰り返して実行する。また、共振型スキャナ206及びガルバノスキャナ207は、本実施形態において該走査手段に含まれて実際に眼底にて測定光を走査する。なお、共振型スキャナ206及びガルバノスキャナ207は、共に測定光を反射させるミラーを所定の角度範囲で回転させることによって、測定光の反射方向を偏向し、これにより測定光の走査を行う。共振型スキャナ206による測定光の往復走査の方向を便宜上X方向(第一の方向)、ガルバノスキャナ207による測定光の往復走査の方向を便宜上Y方向(該第一の方向に垂直な第二の方向)とする。共振型スキャナ206の走査速度はガルバノスキャナ207の走査速度よりも早い。また、一般に、共振型スキャナ206は走査速度が速い反面、例えば測定光の照射位置を適宜修正することが困難である。このことから、ガルバノスキャナ207に代えて、少なくとも本来の走査方向であるY方向に加え、Y方向以外の方向、より好ましくはX方向にも測定光の照射位置を修正できるスキャナを用いてもよい。即ち、本実施形態では測定光をX方向に走査するXスキャナとして共振型スキャナ206を用い、Y方向に走査するYスキャナとしてガルバノスキャナ207を用いているが、これらに他の様式のスキャナを用いてもよい。換言すれば、測定光をX方向において高速で走査し、測定光をY方向において低速で走査することが可能な走査系であれば、上述した構成に限定されない。
また、内部固視灯215は、上述したように、共振型スキャナ206とガルバノスキャナ207による走査に連動して点灯制御することで、十字型やX型など様々な模様を被検眼眼底の様々な位置に投影することが可能となる。内部固視灯215をこのような構成とすることにより、被検眼を様々な方向に向かせることができる。よって、この固視標の提示位置の制御と測定光の走査位置の制御とを併せて、被検眼200の眼底部において幅広い領域を撮影することが可能となる。
なお、図1では、対物レンズ201−1の近傍であってSLO装置100における光路L2の光軸から外れた位置にSLO画像補正用フォトディテクタ216が配されている。該SLO画像補正用フォトディテクタ216は、後述する第二の実施形態においてSLO画像補正用のフォトディテクタとして用いられる。
(SLO画像の生成)
次に、上述したSLO装置100を用いて得られるSLO画像について、図3を用いて説明する。
制御部110では、フォトディテクタ213により得られる信号レベルをそれぞれの画素の輝度値に変換し、該輝度値に基づいてSLO画像を生成する。実際のSLO画像の生成は、制御部110において画像生成手段として機能するモジュールによって実行される。具体的には、ガルバノスキャナ207が眼底上にて光束をY方向に制御部110からの指令分駆動し、共振型スキャナ206が眼底上にて光束をX方向に1回走査する間に得られた画素を横方向に並べて1ラインデータを得る。それを繰り返して得られた複数のラインデータを縦(Y方向)に並べることで、図3(a)に示すような二次元の画像を得る。該制御部110及びフォトディテクタ213は、本実施形態において、二次元走査された測定光に基づいて眼底の所定の領域の二次元画像を生成する画像生成手段を構成する。
なお、共振型スキャナ206は往復走査を行うスキャナであるため、奇数回目の走査と偶数回目の走査とでは走査方向が逆になる。そのため、実際には奇数ラインのデータと偶数ラインのデータを逆に並べることで、図3(a)に示すように方向の統一された二次元画像を得ている。
図3(b)は共振型スキャナ206の駆動を表したものである。同図において、横軸は時刻、縦軸は共振型スキャナ206の振れの角度Sを表している。図3(a)における点線301上の画素値は、図3(b)における時刻311又は321において得られた信号に対応したものである。同様に、点線302、303、及び304上の画素値は、それぞれ時刻312又は322、時刻313又は323、及び時刻314又は324において得られた信号に対応したものである。ここで、時刻311、312、313、及び314は等時間間隔である。また、時刻321、322、323、及び324も等時間間隔である。そしてその時の共振型スキャナ206の振れ角度(ミラーの角度又は共振スキャナ角度)はそれぞれ角度331、332、333、及び334である。
共振型スキャナの駆動は等速ではないため、各々の時間での角度331、332、333、及び334の間隔はそれぞれ異なる。即ち、図3(a)のSLO画像は、本来は横画像の横方向において歪みを持っている。しかし、図3(a)における点線301、302、303、及び304は、画像の上では等間隔に表示されることを要する。後述するが、本実施形態では、フォトディテクタ213によって測定光の走査位置に関する基準となる信号を検出することとしている。この検出信号を用いて、測定光の走査位置と共振型スキャナ206の一走査に要する時間との関係を得ている。本実施形態では、輝度値を得る際の信号取得間隔は、この関係に基づいて後述する方法で補正している。
(ガルバノスキャナ角度の説明)
図4はガルバノスキャナ207の駆動を表したものである。
同図において横軸は時刻、縦軸はガルバノスキャナ207の回転角(y)を表している。また、同図における時刻tnに対応するガルバノスキャナ207の回転角は各々角度dnで示してある。
ガルバノスキャナ207は、制御部110から停止信号が送信されるまで、時刻t1から時刻t5までの動作を繰り返し実行する。なお、時刻t0から時刻t1は制御部110からガルバノスキャナ207へ駆動信号を出力し、実際にガルバノスキャナ207が駆動を開始するまでに要する時間を表している。ガルバノスキャナ207は、回転角d1からd4の間で回転駆動される。
同図において、被検眼200の眼底を測定光で走査する際のガルバノスキャナ207の有効走査領域(角度)、つまり被検眼眼底のSLO画像生成領域は、|回転角d2−回転角d3|である。従って、|回転角d1−回転角d2|はガルバノスキャナ207の加速領域、|回転角d3−回転角d4|はガルバノスキャナ207の減速領域となる。特に、回転角d1はガルバノスキャナ駆動開始角度である。具体的には、時刻t1で画像データ取得のための動作が開始され、時刻t2で実際に画像生成に供せられる画像データの取得が始まり、時刻t3で画像生成用の画像データの取得が終わり、時刻t4で画像データ取得のための一工程が終了する。なお、本実施形態では、ガルバノスキャナ207は往路でのみSLO画像データを取得する。被検眼200における眼底上のY方向のSLO画像データを一枚分取得し終えたら、該ガルバノスキャナ207は即座に回転角d4から回転角d1まで駆動する。そして、再び次の一枚分のSLO画像データを取得するための駆動を開始する。
(ガルバノスキャナと共振型スキャナとSLO光源の駆動状態の説明)
次に、本実施形態の特徴的な動作について図5を用いて説明する。
図5(a)及び(b)は、各々共振型スキャナ206の角度、ガルバノスキャナ207の角度、及びSLO光源212の駆動状態各々の関係を示す図である。図5(a)における(x)、(y)及び(l)各々の横軸は時刻tである。また、同図における(x)の縦軸は共振型スキャナ206の変位(回転角)を、(y)はガルバノスキャナ207の変位(回転角)を示している。更に同図における(l)は、SLO光源212の点灯状態、具体的には共振型スキャナ206より被検眼方向に反射される測定光の光量を表している。
図5(a)において、時刻t0において制御部110から撮像開始指令が共振型スキャナ206、及びガルバノスキャナ207、及びSLO光源212に送られる。当該撮像開始指令に応じて、t1より眼底画像の撮像が開始される。具体的には、共振型スキャナ206及びガルバノスキャナ207が、それぞれの周期で駆動を開始する。また、SLO光源212も点灯される。
ここで、ガルバノスキャナ207の駆動とSLO光源212の点灯との関係について説明する。
時刻t1より撮像が開始されるとガルバノスキャナ207は前述したようにガルバノスキャナの駆動開始角度である回転角d1から加速領域、有効走査領域、減速領域を経て、ガルバノスキャナの駆動終点角度である回転角d4に至る。加速領域は時刻t1からt2の間で、有効走査領域は時刻t2からt3の間で、減速領域は時刻t3からt4の間で実行される。ガルバノスキャナ207が回転角d1にある時に、測定光は二次元走査を行うための眼底を含む領域における二次元走査の開始位置に照射されている。また、回転角d4にある時に、測定光は二次元走査の終了位置に照射されている。そして、ガルバノスキャナ207は、駆動終点角度である回転角d4より再び駆動開始角度である回転角d1に戻る。その際、同図に示すように、ガルバノスキャナの駆動終点角度からガルバノスキャナの駆動開始角度へ戻るタイミングである時刻t4から時刻t5の間では、SLO光源212を消灯する。即ち、本実施形態では、測定光のある回の二次元走査の終了位置から次の回の二次元走査の開始位置まで測定光の照射位置が移動される間、測定光の照射は二次元画像の生成を目的としない。従ってこの区間において、該測定光の光量がゼロに下げられる。なお、この測定光の照射位置の移動は、二次元走査のために往復走査を行うガルバノスキャナ207において測定光の復路の走査に対応する。
このタイミングは、測定光が、被検眼に固視灯を注視させて被検者に動きを抑制してもらっている被検眼の眼前を横切って、再度の撮像の開始位置に戻るタイミングにあたる。即ち、ある回での画像取得からその次の回での画像取得までの間、眼底の二次元画像を生成する所定の領域を、測定光の照射位置が移動するタイミングでの測定光の光量低下が為される。このタイミングでSLO光源212を消灯することで、眼底の画像取得と関係なく測定光が固視灯提示位置の近傍を横切ることが無くなる。その結果、被検眼の固視の向上、及び被検眼に照射される測定光の光量の低減が同時に図れる。なお、上述した二次元走査の範囲は測定光の照射位置が両スキャナにより移動される範囲に対応し、二次元画像を生成する範囲は該二次元走査の範囲内において測定光が照射され且つ画像形成を行うための輝度情報を得るための測定光の走査範囲を指す。
ここで、図6、及び図5(b)を用いて、被検眼の固視の向上、及び被検者に照射される測定光の低減を同時に図ることが可能である理由を更に詳細に述べる。
図6は、被検者が対物レンズ201−1側から見たときのSLO装置100において観察する測定光の軌跡と内部固視灯の点灯位置とを示している。眼底画像撮像時において、被検者からは共振型スキャナ206、及びガルバノスキャナ207の走査によって測定光の軌跡が図中のl1、l2、…、lnのように見える。光学ヘッド101内には不図示の鏡筒があり、該鏡筒にけられたSLO光束は被検眼に照射されないため、被検者からは全体的にSLO光束の走査範囲が円形の領域として見える。また、内部固視灯は、この領域において図6に示したように×の形状601として被検者に提示される。被検者は、この×の形状601の中心を見るようにすることで、固視を安定させる。
ここで従来のSLO装置においては、ガルバノスキャナ207が駆動終点角度から駆動開始角度に戻る際に、前述した円形の領域において、例えば図6に示すように測定光の軌跡r1及びr2が観察される。なお、ガルバノスキャナが駆動開始角度に戻る際に見える測定光はガルバノスキャナの駆動速度や共振型スキャナの駆動速度によって見え方や本数が異なる。図6では簡単のため2本のみ観察される場合を示している。
この従来のSLO装置における共振型スキャナ及びガルバノスキャナの駆動及び測定光源の点灯について、図5(a)と同様の様式で示す図5(b)の時間軸を用いて説明する。なお、同図において、図6に示される測定光の軌跡が得られる時間範囲は、時刻t1から時刻t5の間に対応する。図6に示される軌跡r1及びr2は、ガルバノスキャナ207が時刻t4からt5の期間において、駆動終点角度から駆動開始角度に戻る際に見える。即ち、当該現象は、時刻t4からt5の間にもSLO光源212が点灯しているために発生する。
本来、被検眼200の輝度情報を取得する上でのガルバノスキャナ207の有効走査領域は時刻t2から時刻t3での測定光の走査領域である。そのため、その他の領域でのSLO光源212の点灯は被検者にとって不要である。ここで述べたように、規則正しく測定光の軌跡l1、l2、l3・・・、lnが見える視野中に、不規則な測定光となるr1、r2も見えてしまうと、被検者の注意はそちらに分散され、固視が不安定になる可能性がある。
そこで、本実施形態では、図5(a)で示したように、ガルバノスキャナ207が駆動終点角度から駆動開始角度に戻るタイミングである時刻t4から時刻t5の間でSLO光源212を消灯させることとしている。なお、SLO光源212は消灯させる場合のみではなく、被検者が気にならない光量まで、SLO光源212の光量を減光させることとしてもよい。この操作により、被検眼の固視を乱す要因が減らされ、固視の向上が見込める。更に、本実施形態によれば、被検者に照射される測定光の包括的な光量の低減も図れる。
なお、本実施形態では、SLO光源212を消灯もしくは減光させる態様を例示している。しかし、例えば測定光の光路中にシャッターを配置し、該シャッターを用いて、被検眼に照射される測定光をこのタイミングにおいて遮断することとしてもよい。また、図5(a)に示す形態では、SLO光源212を点灯させるタイミングを時刻t5にしているが、次の画像形成時における時刻t2に対応する時刻の直前に点灯させることとしても構わない。本実施形態では、SLO光源点の点灯時に光量安定化のための時間を確保するため、時刻t5で点灯させている。しかし、SLO光源の光量安定化が瞬時に可能な場合には、ガルバノスキャナ207が有効走査領域に入る前にSLO光源を点灯させればよい。
ここで、図10に、図5(a)に示したSLO光源212の消灯と点灯のタイミング等の変形例を、図5(a)と同様の様式で示す。上述した実施形態では、SLO光源212は、ガルバノスキャナ207の回転角が回転角d4となる時に消灯し、回転角が回転角d1に戻った時に点灯するものであった。
一方、図10に示す変形例では、例えば、ガルバノスキャナ207が駆動される角度範囲に対応する測定光の走査範囲(y方向の長さ)が被検眼200の瞳孔径よりも長いような場合を想定している。即ち、想定される場合では、ガルバノスキャナ207の駆動角度範囲503は、実際に眼底において測定光が照射される走査範囲に対応する角度範囲504よりも広い。このとき、ガルバノスキャナ207の回転角が、角度範囲504よりも外側の角度である場合、測定光は瞳孔の外側に照射されて被検眼200の眼底には至らない。即ち、測定光が被検眼200に照射されないため、この角度範囲における測定光の照射は二次元画像の生成を目的としない。従って、本変形例では、測定光の往路走査において、測定光が被険眼に照射される角度範囲504から外れる回転角d7となる時刻t7でSLO光源212を消灯又は減光する。また、測定光が回転角d4からd1に戻った後の往路走査において、回転角が角度範囲504に再び入る回転角d8となる時刻t8で点灯又は光量復帰を行う。
なお、図10に示す例では、測定光の走査範囲が測定光の被検眼200に対する照射範囲を超えるまでガルバノスキャナ207が回転されるような、駆動角度範囲が大きい場合について述べている。しかし、被検眼200の瞳孔径によっては、ここで述べた測定光が被検眼に照射される駆動角度範囲503とガルバノスキャナ207の角度範囲504との関係が変わることも想定される。このような場合、ガルバノスキャナ207の駆動角度範囲503と角度範囲504との関係によっては、ガルバノスキャナ207の回転角が回転角d4の際にSLO光源212を消灯し、測定光の往路走査における回転角d6の際に点灯してもよい。また、測定光の往路走査におけるガルバノスキャナ207の回転角d5の際にSLO光源212を消灯し、回転角d1の際に点灯してもよい。なお、上述したように、このSLO光源212の点灯或いは光量復帰を行うタイミングは、測定光の光量の安定化に要する時間を考慮して、当該時間分上述した点灯等のタイミングより前から実施してもよい。
以上に述べた変形例においては、被検眼の輝度情報の取得を目的としない測定光の走査区間に合わせ、該輝度情報の取得を行えないような測定光の走査区間においても該測定光の光量をゼロに下げている。これにより、眼底の画像取得と関係なく測定光が固視灯提示位置の近傍を横切ることが無くなるという効果に合わせ、SLO光源212の不要な点灯時間を包括的に低減するという効果も得られる。
(SLO画像の撮影フロー)
次に、本実施形態に係るSLO装置において、被検眼の眼底画像を撮影する際の工程について、フローチャートを用いて説明する。図7は、該SLO装置の制御方法である本実施形態におけるSLO画像の撮影フローを表している。本撮影フローにおいては、SLO光源212を消灯することとしているが、上述したように減光することとしてもよい。即ち、制御手段として機能する制御部110により、SLO光源212を制御して測定光の消光或いは減光を行わせればよい。或いは、測定光の遮光或いは減光を行う不図示のシャッターを配し、制御部110によって該シャッターの該測定光の光路に対しての挿脱を行うこととしてもよい。より詳細には、測定光の二次元走査において、眼底画像の生成を目的とせずに二次元走査される領域に照射される測定光の光量を、眼底画像の生成を目的として眼底に照射される前記測定光の光量よりも小さくなるように制御すればよい。
本実施形態における撮影フローにおいて、まずステップS701で、制御部110は共振型スキャナ206の駆動を開始する。なお、共振型スキャナ206のミラーによる測定光の偏向の動作は、フローが終了するまで続けられる。続くステップS702で、制御部110は測定光の走査開始位置に測定光を照射できるように、ガルバノスキャナ207を駆動開始角度へ動作させる。動作後、ステップS703で、制御部110はSLO光源212を点灯させる。
ステップS704で、制御部110はガルバノスキャナ207を駆動させ、測定光の照射位置を眼底における撮影範囲方向に動かして、測定光の照射位置を眼底撮影のための二次元走査開始位置に至らせる。その後、ステップS705で、制御部110は、共振型スキャナ206とガルバノスキャナ207により測定光による眼底の二次元走査を開始、実行する。
ステップS705における測定光による眼底の二次元走査が完了したら、フローはステップS706に進み、制御部110はSLO光源212を消灯する。ステップS707で、制御部110は二次元走査された測定光の反射光より得られる信号に基づいて、眼底画像(SLO画像)を生成する。生成された眼底画像は、所謂プレビュー画像として表示部112に表示される。
操作者は表示部112に表示される眼底画像を観察し、当該画像を診断等に用いる本撮影画像として保存するか否かを判定し、入力部113を介してステップS708において判定結果を入力する。入力部113からの例えば不図示の撮影ボタン押下の入力があれば、制御部110は当該画像を保存すべきと判断する。なお、本実施形態では操作者によりステップS708の判定を行こととしているが、この判定は他の基準を設定して、自動で行ってもよい。例えば、眼底画像の輝度から合焦状態を判断し、合焦している状態の画像であれば保存すべきと判断することとしてもよい。
ステップS708で撮影画像として保存すべきと判定された場合、制御部110はステップS709で該眼底画像を記憶部111に保存し、それを再び表示部112に表示する。最後に制御部110はステップS710及びステップS711の各々でガルバノスキャナ207及び共振型スキャナ206に駆動停止信号を送信し、駆動を停止させる。この工程により、SLO装置100による眼底の撮影が終了される。
ステップS708で撮影画像として保存すべきではないと判定された場合、再び測定光の照射位置を二次元走査の開始位置に戻すように、ガルバノスキャナ207が動作する。本実施形態では、この時、ステップS706でSLO光源212を消灯しているため、被検眼に測定光が照射されることはない。上述したように、このことは、被検眼の固視が向上されることを示している。
ステップS708で撮影画像として保存すべきではないと判定されている間は、以上のステップS702からステップS708の処理を繰り返す。なお、前述の処理を繰り返している間に操作者は入力部113からの入力によってSLO合焦レンズ210を駆動し、眼底に対して測定光を合焦させることができる。また、制御部110が定期的に合焦状態を判断し、測定光が眼底上に合焦するようにSLO合焦レンズ210を駆動してもよい。
なお、以上に述べた実施形態では、測定光が二次元走査の終了位置から次の二次元走査の開始位置まで走査される際にSLO光源212が消灯される場合を例示した。しかし、実際には測定光が二次元走査される領域は被検眼の眼底を含みその外周も含めた領域である。即ち、実際には一の回の二次元走査の終了位置から次の回の二次元走査の開始位置までの測定光の移動経路において、実際に被検眼に測定光が観察される領域は部分的である。従って、測定光の消灯等はこの眼底画像を得る所定の領域を横切る際にのみ実行されればよい。また、該所定の領域以外を測定光が走査される際に、測定光の消灯等を行ってもよい。即ち、被検眼眼底の二次元画像の生成を目的とせずに測定光が被検眼に向けて照射或いは走査される状態において、少なくとも眼底に対しては測定光が照射されないように、光源における測定光の消灯制御、測定光の光路を遮断する遮断制御等が実行されればよい。このように眼底に対して測定光が照射されない制御の実行により、眼底に照射される測定光の光量を小さくする制御が行われる。
ここで、以上に述べた第一の実施形態では、測定光の消灯或いは光量の減光は、ガルバノスキャナ207に例示されるYスキャナの動作における、動作の開始からの特定の経過時間を基準として行なっている。具体的には、ガルバノスキャナ207の動作状態を変化させるタイミングである上述した時刻t0〜t5、或いは特定の回転角となる時刻t7及びt8を基準としている。しかし、上述した例に関しては、ガルバノスキャナ207の動作範囲内でX方向に行なわれる共振型スキャナ206の動作を基準として測定光の消灯或いは光量の減光を行ってもよい。
例えば、先にも述べたように、ガルバノスキャナ207の回転における最初の部分及び最後の部分は一定の速度での動作は行っていない。或いはガルバノスキャナ207の動作も安定していない。従って当該動作時に得られた反射光は画像生成に用いないことが好ましく、ガルバノスキャナ207の動作が安定した状態で得られた被検眼からの測定光の戻り光を用いて画像生成をすることが好ましい。即ち、ガルバノスキャナ207のY方向スキャンにおいて、共振型スキャナ206により最初に行なわれるX方向のスキャン及び最後に行なわれるX方向のスキャンの少なくとも一方については、眼底に照射する測定光の消灯或いは光量の減光を行なうことが好ましい。即ち、これらX方向のスキャン時においては、ガルバノスキャナ207によるY方向スキャン時の復路の際と同様の測定光の光量制御が行われることが好ましい。或いは、ガルバノスキャナ207の往復走査時における往路から復路に走査方向が切り替わる部分、及び往路から復路に走査方向が切り替わる部分では、上述したガルバノスキャナ207の不安定な動作が起こる可能性がある。よって測定光走査時におけるこれら部分の少なくとも一方において、ガルバノスキャナ207の往路における測定光の走査時よりも眼底に照射する測定光の消灯或いは光量の減光を行なうことが好ましい。
[第二の実施形態]
図5を用いて説明したように、ガルバノスキャナ207は駆動開始角度から動作を開始し、加速領域、有効走査領域、減速領域を経て駆動終了角度に至り、その後再び駆動開始角度に戻る動作を行う。上述した第一の実施形態では、これら動作の際に、SLO光源212を消灯、もしくは被検者が気にならない測定光の光量まで発光光量の減光をさせることで、被検眼の固視の向上を図る例について述べた。
以下で述べる第二の実施形態では、図8を用いて、ガルバノスキャナ207が駆動開始位置から駆動し、加速領域、有効走査領域及び駆動終了角度を経てから、駆動開始角度に戻る動作を行う場合について述べる。本実施形態ではこれら動作の経過中に、測定光がSLO画像補正用フォトディテクタ216における受光位置を経ている。同時に第一の実施形態と同様に、適切なタイミングでのSLO光源212の消灯、もしくは被検者が気にならない光量までのSLO光源212の光量の減光を行って、被検眼の固視の向上を図る例について説明する。
図8は、図5(a)と同様の様式にて、共振型スキャナ206の走査角度、ガルバノスキャナ207の走査角度、及びSLO光源212の点灯状態の時間経過時における動作を示す図である。また、同図における(x)、(y)及び(l)に関しての横軸及び縦軸も図5(a)と同様である。
ここで、ガルバノスキャナ207の走査角度とSLO光源212の点灯状態との関係について、同図を用いて説明する。
時刻t1より撮像が開始されるとガルバノスキャナ207は前述したようにガルバノスキャナ駆動開始角度である回転角d1から動作を開始する。該ガルバノスキャナ207は、加速領域及び有効走査領域を経た後、時刻t3から時刻t4の間に測定光の照射位置をSLO画像補正用フォトディテクタの受光位置に移動させる。従って、当該実施形態では、有効走査領域からSLO画像補正用フォトディテクタに測定光照射位置を移動させるための加速及び減速等の走査角度の調整操作が行われる。そして、時刻t4から時刻t5において該受光位置となる測定光の走査領域に対応する角度を経て、再びガルバノスキャナ駆動開始角度に戻る。また、ガルバノスキャナ駆動開始角度へ戻るタイミングである時刻t5から時刻t6の間で、制御部110はSLO光源212を消灯する。第一の実施形態と同様に、このタイミングでSLO光源212を消灯することで、被検眼の固視の向上が図られる。
第一の実施形態では、ガルバノスキャナ207が減速領域を走査後に直接駆動開始角度に戻っている。これに対して、第二の実施形態では、ガルバノスキャナ207が有効走査領域を経過後に、測定光がSLO画像補正用フォトディテクタ216を走査する位置を経るように動作してから駆動開始角度に戻っている。
一般的に、共振型スキャナの駆動は、図3を参照して述べたように動作角の範囲内において等速ではない。そのため、より良いSLO画像を生成するためには、時間と測定光の照射位置との関係を補正することが好ましい。本実施形態では、SLO画像補正用フォトディテクタ216の情報を用いてフォトディテクタ213の信号取得間隔を補正している。この補正を実行することで、共振型スキャナによる測定光の走査方向での眼底上の信号の取得位置を補正し、画像歪みを抑制したSLO画像が生成できる。なお、より精度の高い補正を行うためにはSLO画像補正用フォトディテクタ216上で測定光を複数回走査するとよい。
(フォトディテクタの説明)
SLO画像補正用フォトディテクタ216について、以下に図2を用いて説明する。
SLO画像補正のために、測定光の照射位置がSLO画像補正用フォトディテクタ216の受光部を経るように、ガルバノスキャナ207はそのミラーの角度を変化させている。このミラーの角度変化を制御することで、測定光をSLO装置100の測定光軸外に配置されたSLO画像補正用フォトディテクタ216に照射することが可能である。SLO画像補正用フォトディテクタ216は、被検眼へ測定光が入射する際の光軸の外に配置されている。即ち、該SLO画像補正用フォトディテクタ216は、測定光を二次元走査する領域において眼底画像の生成を目的としない領域に配置されて測定光を受光する受光素子を構成する。該受光素子は、眼底画像を生成する際に用いる画像歪の補正用の信号を出力する。
なお、フォトディテクタ213によって検出されるアナログ信号波形の形状やパルスの幅は、SLO合焦レンズ210の位置によって変化する。このため、アナログ信号波形の重心やパルス幅の中心など、SLO合焦レンズ210の位置に依存しない検出時刻の計算を行う必要がある。なお、アナログ信号が二値化することでヒステリシスを持つ場合は、その程度に応じて中心計算を行ってもよい。また、フォトディテクタの出力特性や共振型スキャナの駆動特性に応じた特別な計算式を用いて検出時刻を算出してもよい。また、より精度の高い検出時刻を検出するために、フォトディテクタを2固以上配置してもよい。
(SLO撮影フロー)
次に、第二の実施形態に係るSLO装置において、被検眼の眼底画像を撮影する際の工程について、フローチャートを用いて説明する。図9は本実施形態におけるSLO画像の撮影フローを表している。図7に示すフローチャートと図9に示すフローチャートとは、測定光による眼底の二次元走査の終了後に、SLO画像補正用フォトディテクタ216を測定光が経る制御が入っていることにおいて異なっている。
本実施形態における撮影フローにおいて、まずステップS901で、制御部110は共振型スキャナ206の駆動を開始する。続くステップS902で、制御部110は測定光の走査開始位置に測定光を照射できるように、ガルバノスキャナ207を駆動開始角度へ動作させる。動作後、ステップS903で、制御部110はSLO光源212を点灯させる。
ステップS904で、制御部110はガルバノスキャナ207を駆動させ、測定光の照射位置を眼底における撮像範囲方向に動かして、測定光の照射位置を眼底撮影のための二次元走査の開始位置に至らせる。その後、ステップS905で、制御部110は、共振型スキャナ206とガルバノスキャナ207により測定光による眼底の二次元走査を開始、実行する。
本実施形態において、画像の生成は、フォトディテクタ213で得られた信号情報を用いて行われる。ステップS905における測定光による眼底の所定の撮影範囲に対する二次元走査後、ステップS906で、SLO画像補正用フォトディテクタ216に測定光が照射するようにガルバノスキャナ207を動作させる。このとき、SLO画像補正用フォトディテクタ216へ測定光が至る光軸は測定光が被検眼へ至る光軸とは異なるため、被検眼へ該測定光が入射されることはない。SLO画像補正用フォトディテクタ216は、例えば共振型スキャナ206におけるミラーが所定の角度となった際に測定光が入射する位置に配されている。従って、この入射タイミングとその際のミラー回転角度に対応する測定光の走査位置との関係が予め得られていれば、共振型スキャナ206による眼底上の測定光走査を該入射タイミングより知ることができる。
ステップS906におけるSLO画像補正用フォトディテクタ216による位置信号の取得が行われた後、フローはステップS907に進み、制御部110はSLO光源212を消灯する。ステップS908で、制御部110は二次元走査された測定光の反射光により得られる信号、及びSLO画像補正用フォトディテクタ216より得られる位置信号に基づいて、眼底画像(SLO画像)を生成する。生成された眼底画像は、所謂プレビュー画像として表示部112に表示される。
操作者は表示部112に表示される眼底画像を観察し、当該画像を診断等に用いる本撮影画像として保存するか否かを判定し、入力部113を介してステップS909において判定結果を入力する。入力部113からの例えば不図示の撮影ボタン押下の入力があれば、制御部110は当該画像を保存すべきと判断する。なお、本実施形態では操作者によりステップS909の判定を行うこととしているが、この判定は他の基準を設定して、自動で行ってもよい。例えば、眼底画像の輝度から合焦状態を判断し、合焦している状態の画像であれば保存すべきと判断することとしてもよい。
ステップS909で撮影画像として保存すべきと判定された場合、制御部110はステップS910で該眼底画像を記憶部111に保存し、それを再び表示部112に表示する。最後に制御部110はステップS911及びステップS912の各々でガルバノスキャナ207及び共振型スキャナ206に駆動停止信号を送信し、駆動を停止させる。この工程により、SLO装置100による眼底の撮影を終了される。
ステップS909で撮影画像として保存すべきではないと判定された場合、再び測定光の照射位置を二次元走査の開始位置へ戻すように、ガルバノスキャナ207が動作する。本実施形態では、この時、ステップS907でSLO光源212を消灯しているため、被検眼に測定光が照射されることはない。上述したように、このことは、被検眼の固視が向上されることを示している。
ステップS909で撮影画像として保存すべきではないと判定されている間は、以上のステップS902からステップS909の処理を繰り返す。なお、前述の処理を繰り返している間に操作者は入力部113からの入力によってSLO合焦レンズ210を駆動し、眼底に対して測定光を合焦させることができる。また、制御部110が定期的に合焦状態を判断し、測定光が眼底上に合焦するようにSLO合焦レンズ210を駆動してもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 SLO装置
110 制御部
200 被検眼
206 共振型スキャナ
207 ガルバノスキャナ
212 SLO光源

Claims (15)

  1. 検眼の眼底を測定光により第一の方向の走査と前記第一の方向とは異なる第二の方向の走査とを含む二次元走査であって、前記第二の方向の往復走査の速度は前記第一の方向における走査の速度よりも遅い二次元走査を繰り返して実行するための走査手段と、
    前記二次元走査される前記眼底からの前記測定光の反射光に基づいて前記眼底の二次元画像を生成する画像生成手段と、
    記二次元画像の生成を目的としない前記第二の方向の復路の走査において前記眼底に照射される前記測定光の光量、前記二次元画像の生成を目的とする前記第二の方向の往路の走査において前記眼底に照射される前記測定光の光量よりも小さくるように制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記二次元画像の生成を目的としない前記測定光の照射は、ある回の前記二次元走査の終了位置から次の回の前記二次元走査の開始位置までの間で、前記眼底を横切って前記測定光の照射位置が移動される際の照射を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記走査手段は前記二次元走査における第一の方向において前記測定光を往復走査するXスキャナと、少なくとも前記第一の方向に垂直な第二の方向において前記Xスキャナの往復走査の速度よりも遅い速度で前記測定光を往復走査するYスキャナと、を有し、
    前記二次元画像の生成を目的としない前記測定光の照射は、前記Yスキャナによる走査の復路の走査における前記測定光の照射を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  4. 前記第二の方向における前記Xスキャナによる最初の往復走査と最後の往復走査との少なくとも一方において、前記制御手段は、前記二次元画像の生成を目的として前記眼底に照射される前記測定光の光量よりも前記測定光の光量を小さくすることを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  5. 前記眼底における前記測定光の走査範囲の外で且つ前記二次元走査される領域内に配置されて前記測定光を受光する受光素子を更に備え、
    前記受光素子は前記二次元画像を生成する際に用いる、画像歪の補正用の信号を出力することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の眼科装置。
  6. 前記制御手段は、前記測定光が前記受光素子を照射してから前記二次元走査の開始位置に戻るまでの間、前記測定光の光量を、前記二次元画像の生成を目的として前記眼底に照射される前記測定光の光量よりも小さくするように制御することを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  7. 前記制御手段は、前記第二の方向の測定光の走査において前記往路の走査から前記復路の走査に切り替わる部分及び前記復路の走査から前記往路の走査に切り替わる部分の少なくとも一方で走査される測定光の光量を、前記往路の走査において前記眼底に照射される測定光の光量よりも小さくするように制御することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の眼科装置。
  8. 前記制御手段は、前記測定光の光量を小さくする制御において、前記測定光を発する光源を制御して前記測定光の消光或いは減光を行わせることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の眼科装置。
  9. 前記制御手段は、前記測定光の光量を小さくする制御において、前記測定光の遮光或いは減光を行うシャッターの前記測定光の光路への挿脱を行うことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の眼科装置。
  10. 固視光を発生させる固視灯を更に備え、
    前記走査手段を介して前記固視光が前記被検眼の眼底に照射されるように構成され、
    前記制御手段は、前記走査手段による走査に連動するように前記固視灯を点灯制御し、
    前記制御手段は、前記眼底に前記測定光が照射されない制御を実行することにより、前記眼底に照射される前記測定光の光量を小さくするように制御することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の眼科装置。
  11. 前記走査手段は、前記測定光を前記第一の方向に走査するための共振型スキャナと、前記測定光を前記第二の方向に走査するためのガルバノスキャナとを含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の眼科装置。
  12. 前記被検眼の前眼部の画像を取得するための前眼部観察光学系と、
    前記走査手段が配置される光路から前記前眼部観察光学系の光路を分岐させる分岐手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の眼科装置。
  13. 前記二次元走査が繰り返し実行されることにより得た前記反射光に基づいて繰り返し生成された前記二次元画像をプレビュー画像として表示手段に表示させる表示制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の眼科装置。
  14. 検眼の眼底を測定光により第一の方向の走査と前記第一の方向とは異なる第二の方向の走査とを含む二次元走査であって、前記第二の方向の往復走査の速度は前記第一の方向における走査の速度よりも遅い二次元走査を走査手段により繰り返して実行する工程と、
    前記二次元走査される前記眼底からの前記測定光の反射光に基づいて前記眼底の二次元画像を生成する工程と、
    記二次元画像の生成を目的としない前記第二の方向の復路の走査において前記眼底に照射される前記測定光の光量、前記二次元画像の生成を目的とする前記第二の方向の往路の走査において前記眼底に照射される前記測定光の光量よりも小さくるように制御する工程と、を含むことを特徴とする眼科装置の制御方法。
  15. 請求項14に記載の眼科装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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