JP6180147B2 - 眼科装置、その制御方法およびプログラム - Google Patents
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Description
特許文献1のSLO装置を含む従来の装置は、被検眼の眼底に照射される固視灯の光源の光を小さくし固視灯の輝度を向上させることで固視を安定させようとしていると想定される。しかしながら、この結果、上記ギャップが生じるため、固視を不安定にさせていると考えられる。
第1の実施形態では、本発明を適用できる眼科装置として、眼底撮像装置(例えばSLO装置)について説明する。
(装置の概略構成)
図1は、眼底撮像装置の一例を示す側面図である。
眼底撮像装置10は、光学ヘッド部100および制御ユニット部200を有している。光学ヘッド部100は、被検眼Eの前眼および眼底の2次元像を撮影するための光学系などを有している。制御ユニット部200は、光学ヘッド部100を制御する。
光学ヘッド部100には、被検眼Eに対向する対物レンズ101が配置されている。対物レンズ101の光軸上では、光路を分離する第1ダイクロイックミラー102が配置されている。第1ダイクロイックミラー102は、波長帯域ごとに、前眼観察光路L1と眼底観察光路および固視灯光路L2とに分岐させている。
光路L1には、レンズ141、撮像部としての前眼観察用の赤外線CCD142が配置されている。赤外線CCD142は、不図示の前眼観察用の照明光の波長、具体的には970nm付近の感度を有している。
レンズ104は、後述するXスキャナ117a、Yスキャナ117bの中心位置付近を焦点位置として配置されている。レンズ111は、固視灯の光源113および眼底観察用の光源115を合焦調整するための不図示のモータによって光軸方向に駆動される。
固視灯の光源113は、例えばLEDが用いられ、被検眼Eを固視させるための光を発生させる。また、眼底観察用の光源115は、被検眼の眼底を観察するための光を発生させる観察光源である。
制御ユニット部200は、制御部201、記憶部202などを有している。制御部201は、光学ヘッド部100全体を制御する。具体的には、固視灯の光源113、眼底観察用の光源115、シングルディテクター116、レンズ111を駆動するモータなどを制御する。記憶部202は、制御部201が実行するためのプログラムなどが記憶している。
図2(a)に示すように、まずXスキャナ122aは眼底上の走査領域において固視灯の光源113をX方向、すなわち主走査の方向(主走査方向)に沿って走査する(破線を参照)。主走査方向の走査が終了すると順次、Yスキャナ122bが固視灯の光源113をY方向、すなわち副走査の方向(副走査方向)に走査ラインをずらし、再びXスキャナ122aが固視灯の光源113を主走査方向に走査することで、走査領域全体を走査する。
眼底撮像装置10は、被検者に固視灯を固視させた状態で、眼底観察用の光源115の光が眼底に照射され、反射された戻り光をシングルディテクター116により検出することにより眼底画像を取得することができる。
すなわち、
d≦R・・・(式1)
を満たすように光源の像301の大きさが設定されている。
Rはレンズ111を駆動させることで変化するために、レンズ111を駆動させたときにRが最も小さくなるときの直径を用いることが好ましい。また、dは被検眼の眼軸長が変わることで変化するために、眼軸長が長いときを想定したときの走査間隔を用いることが好ましい。
d≦|β×r|・・・(式2)
とすることができる。
以上のような関係を満たすように、光学系の設計と光源113の発光領域の大きさを定めることで、走査ラインSL1上に走査される光源の像301と、走査ラインSL2上に走査される光源の像301との間には副走査方向にギャップが発生しない。したがって、このような光源の像301を用いて眼底に固視灯を照射することで、図3(b)に示すように副走査の方向において主走査同士の間に生じるギャップを低減することができる。そのため、被検眼Eの固視を安定させることができ、良好な眼底画像を取得することができる。
図4(a)は、主走査方向の走査ラインに沿って光源113を一定光量にして走査した場合の眼底上の見かけの輝度を示す図である。ここでは、位置Sは光源113が消灯状態から点灯状態に移行する点灯位置であり、位置Eは光源113が点灯状態から消灯状態に移行する消灯位置であるものとする。
図4(a)に示すように、眼底上で光源113を位置Sから光源113の直径Rに相当する位置P1までは見かけの輝度が単調に増加し、位置P1を過ぎると一定となる。また、図4(a)に示すように、光源113を消灯させる位置Eから位置S側に光源113の直径Rに相当する位置P2とすると、位置P2から位置Eまでは見かけの輝度が単調に減少する。この単調に増加および減少する領域が、境界部が不明瞭になる領域である。
図4(b)に示すように、光源113により照射される光量を制御することにより、眼底上の見かけの輝度を一定にすることができる。なお、図4(b)では、左端および右端が無限大に発散してしまう。そこで、実際には図5(a)に示すように位置Sから所定の距離Lだけ離れた位置PL1までの間、位置Eから距離Lだけ離れた位置PL2から位置Eまでの間は、光量を一定に保つように制御する。
また、図5(a)に示すように、制御部201は、位置Eにおける光源113の光量を、位置Eから所定の距離だけ離れた点灯状態の光源113(例えば位置P2の光源)の光量よりも大きくする。ここで、所定の距離とは、光源113の主走査方向の長さ、すなわち光源113の像の直径Rである。また、制御部201は、光源113の光量を位置P2から位置Eに向かって走査されるにしたがって徐々に大きくなるように制御する。
また、位置Eの像504は、光源が点灯状態から消灯状態に移行する直前の像である。位置PL2の像505は、位置Eから距離Lだけ離れた像である。位置P2の像506は、位置Eから距離Rだけ離れた像である。ここで、像504と像505の輝度は同一であり、像506の輝度よりも大きい。
なお、位置P1および位置P2は、特定の位置に相当する。また、距離Lは、被検者が視認できない距離(例えば30μm以下)となるように設定することが好ましい。
なお、本実施形態では、上述した構成に限られず、固視灯の光源113の光路側に不図示のピンホールを配置し、このピンホールの像を眼底上で走査させてもよい。その際には、図3(a)での「眼底における光源113の像」がピンホールの像となる。
第2の実施形態では、第1の実施形態の眼底撮像装置10に被検眼の断層画像を取得する断層画像取得手段としてのOCT装置を追加した眼科装置20である。
(装置の概略構成)
図6は、眼科装置20の一例を示す側面図である。
眼科装置20は、光学ヘッド部300、制御ユニット部200および分光器180を有している。本実施形態では、光路L1および光路L2は第1の実施形態と同様であり、固視灯の光源113により眼底に照射される像の位置や光量の制御も第1の実施形態と同様であり、その説明を省略する。また、光学ヘッド部300および制御ユニット部200のうち、第1の実施形態と同様の構成は、同一符号を付してその説明を省略する。
第1の実施形態では、第1ダイクロイックミラー102とレンズ104との間にはミラー103が配置されていたが、本実施形態では、図6に示すように第3ダイクロイックミラー106が配置されている。第3ダイクロイックミラー106は、眼底の2次元像を取得する光路L2と断層画像を取得する光路L3とに波長領域ごとに分岐する。
光路L3は、断層画像を取得するための光学系(OCT光学系)を成しており、被検眼Eの眼底の断層画像を撮像するためのものである。より具体的には断層画像を形成するための干渉信号を得るものである。
なお、図6では、Xスキャナ122a、Yスキャナ122bの間の光路は紙面内において構成されているが、実際は紙面垂直方向に構成されている。
130は光源、153はミラー、152は分散補償用ガラス、125は光カプラー、125a〜dは光カプラーに接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバー、151はレンズ、180は分光器である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するプログラムを、各種記憶媒体を介して眼科装置に供給し、眼科装置のコンピュータ(または制御部201など)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (17)
- 被検眼を固視させるための光を発生させる光源と、
前記光源からの光を前記被検眼の眼底上で主走査および副走査する走査手段と、
前記光源からの光が前記眼底に照射される照射領域の前記副走査の方向の長さが、前記副走査の方向における前記主走査の走査間隔以上となるように、前記走査手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする眼科装置。 - 前記制御手段により前記主走査の位置および前記副走査の位置に応じて前記光源を点灯あるいは消灯しながら、前記走査手段により前記光源からの光を前記被検眼の眼底上で主走査および副走査することにより、前記被検眼の眼底に所定のパターンの固視灯を照射することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
- 前記制御手段は、前記主走査の位置および前記副走査の位置に応じて、前記光源を点灯あるいは消灯し且つ前記光源の点灯状態における前記被検眼の眼底に照射される光の光量を変更するように、前記光源を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科装置。
- 前記制御手段は、前記光源の点灯状態において、前記光源の点灯初期および点灯後期における前記被検眼の眼底に照射される光の光量が、前記光源の点灯中期における前記被検眼の眼底に照射される光の光量よりも大きくなるように、前記光源を制御することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の眼科装置。
- 前記制御手段は、前記光源の消灯状態から点灯状態に移行する移行時の前記被検眼の眼底に照射される光の光量が、移行後の点灯状態の前記被検眼の眼底に照射される光の光量よりも大きくなるように、前記光源を制御することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の眼科装置。
- 前記制御手段は、前記光源が点灯状態から消灯状態に移行する直前の前記被検眼の眼底に照射される光の光量が、前記直前よりも前の点灯状態の前記被検眼の眼底に照射される光の光量よりも大きくなるように、前記光源を制御することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の眼科装置。
- 前記制御手段は、前記光源を点灯させ前記被検眼の眼底に前記光源からの光を照射させた状態で、特定の位置から主走査の方向に所定の距離だけ離れた消灯位置まで前記走査手段により前記光源からの光が走査される場合に、前記被検眼の眼底に照射される光の光量が徐々に大きくなるように、前記光源を制御することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の眼科装置。
- 前記制御手段は、前記光源を点灯させ前記被検眼の眼底に前記光源からの光を照射した点灯位置から主走査の方向に所定の距離だけ離れた特定の位置まで前記走査手段により前記光源の光が走査される場合に、前記被検眼の眼底に照射される光の光量を徐々に小さくすることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の眼科装置。
- 前記所定の距離は、前記光源からの光が前記眼底に照射される照射領域の前記主走査の方向の長さであることを特徴とする請求項7又は8に記載の眼科装置。
- 前記制御手段は、前記光源の光量を調整することにより、前記被検眼の眼底上に照射される光の光量を増減させることを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載の眼科装置。
- 前記光源からの光を減光させる減光手段を更に有し、
前記制御手段は、前記減光手段を制御することにより、前記被検眼の眼底上に照射される光の光量を増減させることを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載の眼科装置。 - 被検眼を固視させるための光を発生させる光源と、
前記光源からの光を前記被検眼の眼底上で主走査および副走査する走査手段と、を有し、
前記光源からの光が前記眼底に照射される照射領域の前記副走査の方向の長さが、前記副走査の方向における前記主走査の走査間隔以上であることを特徴とする眼科装置。 - 前記被検眼を観察するための光を発生させる観察光源と、
前記観察光源からの光が前記被検眼に照射され反射された戻り光を検出する検出手段と、を更に有し、
前記走査手段は、前記観察光源からの光および前記光源からの光を前記被検眼の眼底上で主走査および副走査することを特徴とする請求項1ないし12の何れか1項に記載の眼科装置。 - 測定光が照射した被検眼からの戻り光と、前記測定光に対応する参照光とを合波した合波光に基づいて、前記被検眼の断層画像を取得する断層画像取得手段を更に有することを特徴とする請求項1ないし13の何れか1項に記載の眼科装置。
- 前記走査手段は、
前記主走査するための主走査用走査手段と、
前記副走査するための副走査用走査手段と、
を含むことを特徴とする請求項1ないし14の何れか1項に記載の眼科装置。 - 被検眼を固視させるための光を発生させる光源と、
前記光源からの光を前記被検眼の眼底上で主走査および副走査する走査手段と、を有する眼科装置の制御方法であって、
前記光源からの光が前記眼底に照射される照射領域の前記副走査の方向の長さが、前記副走査の方向における前記主走査の走査間隔以上となるように、前記走査手段を制御する工程を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。 - 請求項16に記載の眼科装置の制御方法の制御する工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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