JP2021087762A - 光干渉断層撮像装置、光干渉断層撮像装置の制御方法、およびプログラム - Google Patents

光干渉断層撮像装置、光干渉断層撮像装置の制御方法、およびプログラム Download PDF

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【課題】被検眼の動きによる歪みが低減された断層画像を取得可能とする。【解決手段】光干渉断層撮像装置は、被検眼の複数の前眼部画像を異なる時間に取得する前眼部画像取得手段と、測定光が照射された前記被検眼からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、前記被検眼の断層画像を取得する断層画像取得手段と、前記測定光の光路を含む光学ヘッド部を移動させる移動手段と、前記複数の前眼部画像に基づいて前記移動手段により前記被検眼に対する追尾を行う追尾手段と、前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かを設定するための設定手段と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、光干渉断層撮像装置、光干渉断層撮像装置の制御方法、およびプログラムに関する。
現在、多波長光波干渉を利用した光コヒーレンストモグラフィ(OCT:Optical Coherence Tomography)による光干渉断層撮像装置が知られている。例えば、光干渉断層撮像装置は、内視鏡での被検者の内臓の情報や、眼科装置での被検眼の網膜の情報を得るために用いられ、人体に対する適用分野を広げつつある。眼に適用した光干渉断層撮像装置は、眼科用機器として網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつある。
このような光干渉断層撮像装置は、低コヒーレント光である測定光を、サンプルに照射し、そのサンプルからの後方散乱光を、干渉系を用いることで測定することを可能にした装置である。光干渉断層撮像装置は、測定光をサンプル上の一点に照射した場合、そのサンプル上の一点における深さ方向の画像情報を得ることができる。さらに、光干渉断層撮像装置は、測定光をサンプル上で走査しながら測定を行うことで、サンプルの断層画像を得ることも可能である。そして、光干渉断層撮像装置は、眼底に適用した場合には、測定光を被検眼眼底上で走査することにより、被検眼眼底の断層画像を高解像度で撮像することが可能であることから、網膜の眼科診断等において広く利用されている。
光干渉断層撮像装置では、測定対象である眼底を水平方向、または垂直方向に反復走査することによって複数の断層画像を得る撮影方法が一般的である。例えば、光干渉断層撮像装置は、眼底上の同じ場所を複数回走査することによって、同一部位の複数の眼底断層画像を取得し、それらを加算平均処理することによって、高画質な一枚の眼底断層画像を得ることができる。また、光干渉断層撮像装置は、走査位置を平行に移動させながら複数回走査することによって、眼底の3次元画像を得ることも可能である。
しかしながら、このような複数回の走査を行う場合、全ての撮影を完了するためにある程度の時間を要するため、その間に眼が動いてしまう可能性がある。光干渉断層撮像装置で高画質な眼底断層画像を得るためには、被検眼と装置本体との位置関係を一定に保つことが重要である。光干渉断層撮像装置の撮影光軸と被検眼の瞳孔位置とを一致させ、撮影光が瞳孔内に収まるように撮影光学系と被検眼の相対位置を調整する必要がある。
ここで、特許文献1には、異なる時間に取得された複数の前眼部画像を用いて、被検眼に対して光学ヘッド部を自動的に駆動することにより、被検眼と光学ヘッド部とのアライメント状態を自動的に調整する自動アライメントを継続的に行う技術について開示されている。このとき、特許文献1には、被検眼の断層画像の撮影前には継続的な自動アライメントを実行するが、断層画像の撮影中には自動アライメントを停止することで、歪みの少ない断層画像を取得する方法が開示されている。これは、断層画像の撮影中に自動アライメントを実行すると、被検眼の動きに応じて光学ヘッドを自動的に駆動するため、光学ヘッドの駆動による歪みが断層画像に生じる可能性があるためである。
特開2013−153793号公報
ここで、被検眼の動き方によっては、断層画像の撮影中における被検眼の動きによる歪みが断層画像に生じる可能性がある。このため、被検眼の動き方によっては、断層画像の撮影中に継続的な自動アライメントを行った方がいい場合がある。
本発明の目的の一つは、被検眼の動きによる歪みが低減された断層画像を取得可能とすることである。
本発明の光干渉断層撮像装置の一つは、被検眼の複数の前眼部画像を異なる時間に取得する前眼部画像取得手段と、測定光が照射された前記被検眼からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、前記被検眼の断層画像を取得する断層画像取得手段と、前記測定光の光路を含む光学ヘッド部を移動させる移動手段と、前記複数の前眼部画像に基づいて前記移動手段により前記被検眼に対する追尾を行う追尾手段と、前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かを設定するための設定手段と、を有する。
本発明の一つによれば、被検眼の動きによる歪みが低減された断層画像を取得可能とすることができる。
光干渉断層撮像装置の構成例を示す図である。 XY方向の自動アライメント動作の一例を表すフローチャートである。 XY方向の前眼トラッキングの設定を行う画面の一例を示す図である。 スプリットプリズムによる瞳孔領域の割れについて説明する図である。 XYZ方向の自動アライメント動作の一例を表すフローチャートである。 XYZ方向の前眼トラッキングの設定を行う画面の一例を示す図である。
(第1の実施形態)
本実施形態の目的の一つは、被検眼の動きに応じて光学ヘッド部を移動させる前眼トラッキングの実行有無を切り替えることにより、被検眼の動きによる歪みが低減された断層画像を取得することである。被検眼の断層画像を撮影するため、測定光を被検眼上で走査している間に、被検眼や被検者の顔が動いた場合、断層画像に歪みが生じることがある。なお、前眼トラッキングとは、例えば、異なる時間に取得された複数の前眼部画像を用いて、被検眼に対して光学ヘッド部を自動的に駆動することにより、被検眼と光学ヘッド部とのアライメント状態を自動的に調整する自動アライメントを継続的に行うことである。
例えば、断層画像を撮影中に被検眼や被検者の顔が動いた場合、被検眼と撮影光軸の相対的な偏心により、断層画像上の網膜が傾いたり、上下に移動したりすることがある。特に、複数枚の断層画像を得るために複数回の走査を行う場合、ある断層画像上では網膜が水平に位置しているが、別の断層画像上では網膜が傾いて撮影されるような状況が発生する。このように、互いに傾きの異なる複数枚の断層画像が撮影された場合、それら複数枚の断層画像から生成される三次元画像上では、各断層画像の傾きの差が網膜形状の歪みとして表れる。この歪みを低減するため、被検眼の断層画像を撮影中に前眼トラッキングを行ったとしても、断層画像に歪みが生じることがある。
例えば、眼の動きは大きく3つのタイプ(トレモロ、サッケード、ドリフト)に大別できるが、このうちサッケードに対して前眼トラッキングを行うと、取得される断層画像に大きな歪みが生じることがある。サッケードは、高速かつ非常に大きな視線移動である。サッケードによる眼の動きは光学ヘッド部の動作と比べて高速であり、前眼トラッキングによる補正が困難である。前眼トラッキングは実際の眼の動きにリアルタイムで追従することができないため、サッケードそのものによる断層画像の歪みに加えて、前眼トラッキングのディレイによる断層画像の歪みも生じてしまう。加えて、サッケードは被検者の一時的な注視点のブレによって発生するものであり、短時間の内に元の位置に戻ってくることが多い。このような一時的な眼の往復運動に対して前眼トラッキングを行った場合、サッケードによる往復2回の歪みに加え、前眼トラッキングのディレイによる往復2回の歪みが生じてしまう。
以上のような断層画像上の歪みは、医師による画像診断の妨げになるだけでなく、断層画像の歪みを誤って病変部と認識してしまい、結果として誤診に繋がる恐れがある。また、断層画像上の歪みは、多くの光干渉断層撮像装置が持つ網膜層境界の自動認識機能にも悪影響を及ぼす可能性がある。そして、誤った網膜層境界の認識が行われた場合、その誤った認識結果に基づく網膜層厚の計測値等が表示されることになり、結果として誤診に繋がる恐れがある。
そこで、被検眼の断層画像を取得する際に、被検眼の動きに合わせて適切な前眼トラッキングの制御を行うことが好ましい。これにより、被検眼の動きによる歪みが低減された断層画像を取得することができる。具体的には、以下の実施形態において説明する。
図1を参照して、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置の構成例を説明する。光干渉断層撮像装置は、走査部を介して測定光が照射された被検眼からの戻り光と、測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、被検眼の断層画像を取得する。光断層画像撮像装置は、光学ヘッド部100と、分光器200と、制御部300とを備える。以下、光学ヘッド部100、分光器200、および制御部300の構成を順に説明する。
<光学ヘッド部100および分光器200の構成>
光学ヘッド部100は、被検眼Eの前眼Eaや、被検眼眼底Erの2次元像および断層画像を撮像するための測定光学系で構成されている。以下、光学ヘッド部100の内部について説明する。被検眼Eに対向して対物レンズ101−1が設置されており、その光軸上に設けられた、光路分離部として機能する第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103によって光路が分離される。すなわち、OCT光学系の測定光路L1、眼底観察光路と固視灯光路L2、および前眼観察光路L3に波長帯域ごとに分岐される。
光路L2は、さらに第3ダイクロイックミラー118によって眼底観察用のAPD(アバランシェフォトダイオード)115および固視灯116への光路に、波長帯域ごとに分岐される。ここで、101−2,111,112はレンズであり、レンズ111は固視灯および眼底観察用の合焦調整のため不図示のモータによって駆動される。APD115は、不図示の眼底観察用照明光の波長、具体的には780nm付近に感度を持つ。一方、固視灯116は、可視光を発生して被検者の固視を促す。
また、光路L2には、不図示の眼底観察用照明光源から発せられた光を被検眼Eの眼底Er上で走査するためのXスキャナ117−1(主走査方向用)と、Yスキャナ117−2(主走査方向と交差する副走査方向用)が配置されている。レンズ101−2は、Xスキャナ117−1と、Yスキャナ117−2の中心位置付近を焦点位置として配置されている。Xスキャナ117−1は、共振型のミラーで構成されているが、ポリゴンミラーで構成されていても良い。Xスキャナ117−1、Yスキャナ117−2の中心位置付近と、被検眼Eの瞳の位置は、光学的に共役関係となるように構成されている。また、APD(アバランシェフォトダイオード)115は、シングルディテクターであり、眼底Erから散乱・反射され戻ってきた光を検出する。第3ダイクロイックミラー118は、穴あきミラーや、中空のミラーが蒸着されたプリズムであり、照明光と、眼底Erからの戻り光とを分離する。
光路L3には、レンズ141と、前眼観察用の赤外線CCD142とが配置されている。この赤外線CCD142は、不図示の前眼観察用照明光の波長、具体的には970nm付近に感度を持つ。光路L1は、前述の通りOCT光学系を成しており、被検眼の眼底Erの断層画像を撮像するために使用される。より具体的には、断層画像を形成するための干渉信号を得るために使用される。
光路L1には、レンズ101−3と、ミラー121と、光を被検眼の眼底Er上で走査するために、走査部として機能するXスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2とが配置されている。さらに、Xスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2の中心位置付近が、レンズ101−3の焦点位置となるようにXスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2が配置されている。さらに、Xスキャナ122−1、Yスキャナ122−2の中心位置付近と、被検眼Eの瞳の位置とは、光学的な共役関係となっている。この構成により、走査部を物点とした光路が、レンズ101−1とレンズ101−3の間で略平行となる。それにより、Xスキャナ122−1、Yスキャナ122−2がスキャンを行っても、第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103に入射する角度を同じにすることが可能となる。
また、測定光源130は、測定光を測定光路に入射させるための光源となる。本実施形態の場合、測定光源130はファイバー端であり、被検眼Eの眼底Erと光学的な共役関係を有する。123,124はレンズであり、そのうちのレンズ123は合焦調整をするために不図示のモータによって駆動される。合焦調整は、ファイバー端である測定光源130から出射する光を眼底Er上に結像するように行われる。合焦調整部として機能するレンズ123は、測定光源130と、走査部として機能するXスキャナ122−1およびYスキャナ122−2と、の間に配置されている。これにより、より大きなレンズ101−3や、また光ファイバー125−2を動かす必要がなくなる。
この合焦調整によって、被検眼Eの眼底Erに測定光源130の像を結像させることができ、また被検眼Eの眼底Erからの戻り光を、測定光源130を通して光ファイバー125−2に効率良く戻すことができる。
なお、図1において、Xスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2との間の光路は紙面内において構成されているが、実際は紙面垂直方向に構成されている。さらに、光学ヘッド部100は、測定光の光路と参照光の光路とを含む光学ヘッド部100を移動させる移動部として機能するヘッド駆動部140を備えている。ヘッド駆動部140は、不図示の3つのモータから構成されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元(X、Y、Z)方向に移動可能となるように構成されている。これにより、被検眼Eに対する光学ヘッド部100のアライメントが可能となっている。
次に、測定光源130からの光路と参照光学系、分光器200の構成について説明する。測定光源130、光カプラー125、光ファイバー125−1〜4、レンズ151、分散補償用ガラス152、ミラー153、および分光器200によってマイケルソン干渉系が構成されている。光ファイバー125−1〜4は、光カプラー125に接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバーである。
測定光源130から出射された光は光ファイバー125−1を通じ、光カプラー125を介して光ファイバー125−2側の測定光と、光ファイバー125−3側の参照光とに分割される。測定光は前述のOCT光学系光路を通じ、観察対象である被検眼Eの眼底Erに照射され、網膜による反射や散乱により同じ光路を通じて光カプラー125に到達する。
一方、参照光は光ファイバー125−3、レンズ151、測定光と参照光との分散を合わせるために挿入された分散補償用ガラス152を介してミラー153に到達し反射される。そして、同じ光路を戻り、光カプラー125に到達する。光カプラー125によって、測定光と参照光とが合波され干渉光となる。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長とがほぼ同一となったときに干渉を生じる。ミラー153は不図示のモータおよび駆動機構によって光軸方向に位置を調整可能に保持され、被検眼Eによって変わる測定光の光路長に参照光の光路長を合わせることが可能である。干渉光は光ファイバー125−4を介して分光器200に導かれる。
分光器200は、レンズ201と、回折格子202と、レンズ203と、ラインセンサ204とを備えている。光ファイバー125−4から出射された干渉光はレンズ201を介して略平行光となった後、回折格子202で分光され、レンズ203によってラインセンサ204に結像される。
次に、測定光源130の周辺について説明する。測定光源130は代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。中心波長は855nm、波長バンド幅は約100nmである。ここで、バンド幅は、得られる断層画像の光軸方向の分解能に影響するため、重要なパラメータである。また、光源の種類は、ここではSLDを選択したが、低コヒーレント光が出射できればよく、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。中心波長は眼を測定することを鑑みると、近赤外光が適切である。また、中心波長は得られる断層画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましい。双方の理由から中心波長を855nmとした。
なお、本実施形態では、干渉計としてマイケルソン干渉計を用いているが、マッハツェンダー干渉計を用いてもよい。測定光と参照光との光量差に応じて光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉計を、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉計を用いることが望ましい。
また、参照光の光路を光学ヘッド部100に置かずに、光ファイバーで接続された形で別筐体に据え置きする構成でもよい。また、参照光の光路だけでなく、光源やセンサ、ビームスプリッタ等についても、同様に、別筐体に据え置きする構成でもよい。
<制御部300の構成>
制御部300は、光学ヘッド部100および分光器200の各部と接続されている。具体的には、制御部300は、光学ヘッド部100内の赤外線CCD142と接続されており、被検眼Eの前眼部Eaの観察画像を生成可能に構成されている。また、制御部300は、光学ヘッド部100内のAPD115とも接続されており、被検眼Eの眼底Erの観察画像を生成可能にも構成されている。さらに、制御部300は、光学ヘッド部100内のヘッド駆動部140とも接続されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元的に駆動可能に構成されている。
一方、制御部300は、分光器200のラインセンサ204とも接続されている。これにより、分光器200によって波長分解された測定信号を取得可能であり、さらに測定信号に基づいて被検眼Eの断層画像を生成することができる。
生成された被検眼Eの前眼部観察画像、眼底観察画像、および断層画像は、制御部300に接続されたモニタ301に表示可能である。
<被検眼Eのアライメント方法>
図2は、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置の制御方法を示すフローチャートである。図2のフローチャートを参照して、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置を用いた被検眼Eの自動アライメント方法を説明する。撮影に先立ち、まず検者は被検者を装置の前に着座させる。
制御部300は、検者による不図示のスイッチ操作を受け付けて、自動アライメントを開始する。自動アライメントが開始されると、ステップS201において、制御部300は、前眼部画像取得部として機能し、定期的に赤外線CCD142から前眼部画像を取得して解析を行う。具体的には、制御部300は、入力された前眼部画像内の瞳孔領域を検出する。
ステップS202において、制御部300は、検出された瞳孔領域の中心位置を算出する。ステップS203において、制御部300は、検出された瞳孔領域の中心位置と、前眼部画像の中心位置との変位量(位置ずれ量)を算出する。本実施形態の光干渉断層撮像装置は、前眼部画像の中心と対物レンズ101−1の光軸とが一致するよう構成されており、ステップS203で算出される変位量は、被検眼Eと測定光軸との位置ずれ量を表している。
ステップS204において、制御部300は、ステップS203で算出された変位量が所定値未満か否かを判定する。変位量が所定値以上であると判定された場合(S204;No)、ステップS205に進む。一方、変位量が所定値未満であると判定された場合(S204;Yes)、自動アライメント処理を終了する。
ステップS205において、制御部300は、ステップS203で算出された位置ずれ量に応じて、光学ヘッド部100を移動するようにヘッド駆動部140へ指示を行う。ステップS206において、ヘッド駆動部140は、不図示の3つのモータを駆動させて、光学ヘッド部100の位置を被検眼Eに対して水平・垂直方向(XY方向)に移動させる。移動の結果、光学ヘッド部100に搭載される対物レンズ101−1の光軸の位置は、被検眼Eの前眼部Eaの瞳孔中心位置に近づくように補正されることになる。
その後、ステップS201に戻る。ステップS201において、制御部300は、前眼部画像取得部として機能し、被検眼Eの複数の前眼部画像を異なる時間に取得し、上記の処理を繰り返す。ステップS205およびS206において、制御部300は、追尾部として機能し、複数の前眼部画像に基づいてヘッド駆動部140により被検眼に対する追尾を行う。
この一連の自動アライメント動作によって、対物レンズ101−1の光軸位置は被検眼Eの前眼部Eaの瞳孔中心位置に合致し、適正なアライメント状態で被検眼の断層画像を撮影することが可能となる。
上記では自動アライメントによって光軸を瞳孔中心に合わせる動作を説明したが、意図的に光軸を瞳孔中心からずらして断層画像を撮影したいこともある。例えば、白内障による水晶体の混濁や硝子体の混濁がある場合、瞳孔中心よりも瞳孔周辺部の透過率が高く、断層画像の撮影に適している場合がある。この様な場合、検者はモニタ301に表示された前眼部Ea上の任意の位置をマウス等のポインティングデバイスで指定し、その指定された位置が光軸と一致するように自動アライメントを行うことができる。
なお、前眼部Ea上の任意の位置を指定する際、ポインティングデバイス以外に、タッチパネルで位置を指定しても良い。また、ジョイスティック、キーボード、マウスホイール、GUI上のボタン、スライダー等を用いて前眼部Eaと光軸の位置関係を任意に調整できるようにしてもよい。
さらに、取得した前眼部画像を解析することで瞳孔内の透過度が高い位置を特定し、特定された位置が光軸と一致するように自動アライメントを行うこともできる。
本実施形態では、赤外線CCDを用いた前眼部画像に基づいて、被検眼に対する光学系の自動アライメントを行っているが、他の手法を用いてこれを実施してもよい。例えば、アライメント用の指標を被検眼の前眼部に投影し、その反射光を検出することで水平・垂直方向(XY方向)の自動アライメントを行うことができる。また、前眼部画像の代わりに眼底観察画像を用い、アライメントずれによって画像周辺部に生じるフレアの量や発生方向を検知し、水平・垂直方向(XY方向)の自動アライメントを行うこともできる。また、機械学習や深層学習などのAI(人工知能)を用いて前眼部画像や眼底観察画像を解析し、水平・垂直方向(XY方向)のずれ量を求めるようにしても良い。
<撮影準備中の前眼トラッキング>
次に、検者は、撮影用の断層画像を取得するための撮影準備を行う。ここで、撮影準備とは、例えば、フォーカス調整、偏光調整、光量調整、光路長差の調整の少なくとも一つの調整を含む。また、撮影準備中は、例えば、フォーカス調整中、偏光調整中、光量調整中、光路長差の調整中の少なくとも一つである。これらの撮影準備は、モニタ301に表示された前眼部観察画像、眼底観察画像、および断層画像を見ながら検者が行うが、被検眼のアライメント状態が良くない場合、撮影準備に時間を要してしまうことがある。
フォーカス調整、偏光調整等は取得された画像の明るさを見ながら調整することが一般的であるが、被検眼のアライメント状態が良くない場合、光束の一部が瞳孔縁によって遮光され、画像が暗くなってしまう場合がある。また、光路長差の調整は断層画像内の網膜の位置を見ながら調整することが一般的であるが、被検眼のアライメント状態が不安定な場合、断層画像内の網膜位置が動き続けて安定しない場合がある。
そこで、本実施形態の光干渉断層撮像装置は、被検眼のアライメント状態の悪化を防ぐため、自動アライメント動作を継続して行う前眼トラッキング機能を備える。撮影準備の間、前眼トラッキングを使用することで、アライメント状態をできるだけ維持することができ、撮影準備を比較的短時間に終えることが可能となる。
撮影準備中の前眼トラッキングを開始する場合、前述した自動アライメントの完了後にそのまま前眼トラッキングを継続することが望ましい。自動アライメント完了時、対物レンズ101−1の光軸位置と被検眼Eの前眼部Eaの位置関係は適切に調整されている。そのため、前眼トラッキングは自動アライメント動作を繰り返すことにより、初回の自動アライメント完了時点の対物レンズ101−1の光軸位置と被検眼Eの前眼部Eaの位置関係を保つことができる。
一方、撮影準備中に前眼トラッキングを使用すると、検者の意図に反して被検眼のアライメント状態が変化し、思い通りに撮影準備を行うことが難しくなる場合がある。例えば、断層画像上の網膜の傾きを調整するため、検者が光学ヘッド部100の位置を調整した場合、前眼トラッキングは適正なアライメント状態を保つため、検者が動かした光学ヘッド部100の位置を元の位置に戻そうとすることがある。
この様な検者によるアライメント操作と前眼トラッキングの競合は、検者によるアライメント調整結果を適正位置からのオフセットとして加味した状態で前眼トラッキングを行うことで、ある程度緩和することが可能である。
しかしながら、前眼トラッキングによる光学ヘッド部100の動作と、検者の操作による光学ヘッド部100の動作が同時に行われ得る状況では、検者の違和感を完全に払拭することは困難である。そのため、本実施形態の光干渉断層撮像装置は、撮影準備中に前眼トラッキングを使用するか否かを設定する機能を備える。
図3は、モニタ301に表示される前眼トラッキングの使用の有無を設定するための画面例である。制御部300は、設定部として機能し、前眼トラッキング設定部302の「プレビュー中」のチェックボックスをオン/オフにすることで、前眼トラッキングを被検眼Eの撮影用の断層画像を取得するための撮影準備中に使用するか否かを設定することができる。すなわち、制御部300は、追尾部としての制御部300による追尾を被検眼Eの撮影用の断層画像を取得するための撮影準備中に行うか否かを設定することができる。
なお、撮影準備中に前眼トラッキングを使用するか否かを自動で決定するようにしてもよい。例えば、検者の操作によって光学ヘッド部100が動作されるまでは撮影準備中の前眼トラッキングを使用し、検者の操作によって光学ヘッド部100が動作されると、前眼トラッキングを停止する方法が考えられる。この様な構成では、検者によるアライメント操作と前眼トラッキングの競合を回避することができる。
制御部300は、追尾部として機能し、検者によってヘッド駆動部140による光学ヘッド部100の移動が行われるまでの間、追尾を行い、検者によってヘッド駆動部140による光学ヘッド部100の移動が行われると、追尾を停止する。
<断層画像の撮影方法>
次に、本実施形態の光干渉断層撮像装置を用いた断層画像の撮影方法について説明する。検者は制御部300上の図示しないスイッチを操作して撮影を開始する。制御部300は、撮影開始の指示に従い、定期的にラインセンサ204から出力される干渉光を基に記録用の断層画像の生成を開始する。なお、「記録用」は「撮影用」とも表現するものとする。
ここで、ラインセンサ204から出力される干渉光は、回折格子202で分光された周波数毎の信号である。制御部300は、ラインセンサ204の信号をFFT(Fast Fourier Transform)処理し、眼底Er上のある一点における深さ方向の情報を生成する。この眼底Er上のある一点における深さ方向の情報生成は、Aスキャンと呼ぶ。
そして、眼底Erに照射される測定光は、Xスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、眼底Er上を任意に走査可能である。Xスキャナ122−1およびYスキャナ122−2により、測定光を被検眼上で走査することができる。
制御部300は、この任意の軌跡による走査を一回行う間に取得される一連の複数のAスキャンを一枚の二次元画像に束ねることにより、眼底Er上の任意の軌跡における断層画像を生成する。
さらに、制御部300は、Xスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、前述の任意の軌跡による走査を複数回繰り返す。同じ軌跡の操作を複数回行った場合、眼底Er上の任意の軌跡における複数枚の断層画像を得ることができる。例えば、制御部300は、Xスキャナ122−1のみを駆動させてX方向の走査を反復実行し、眼底Erの同一走査線上における複数の断層画像を生成する。また、制御部300は、Xスキャナ122−1およびYスキャナ122−2を同時に駆動させて円形の操作を反復実行し、眼底Erの同一円上における複数の断層画像を生成することもできる。そして、制御部300は、それら複数枚の断層画像を加算平均処理することにより、高画質な一枚の断層画像を生成し、モニタ301に表示する。
一方、制御部300は、Xスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、前述の任意の軌跡よる走査をXY方向にずらしながら複数回の走査を行うこともできる。例えば、X方向の走査を一定間隔でY方向にずらしながら複数回行うことで、眼底Er上の矩形領域全体を覆う複数枚の断層画像を生成する。そして、制御部300は、それら複数枚の断層画像を合成することで、眼底Erの三次元情報を生成し、モニタ301に表示する。
これらのXスキャナ122−1とYスキャナ122−2とによる走査パターンは、不図示のスキャンパターン選択ボタンの押下により、任意に切替可能である。
制御部300は、断層画像取得部として機能し、測定光が照射された被検眼Eからの戻り光と測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、被検眼Eの断層画像を取得する。
<撮影中の前眼トラッキング>
ところで、複数の断層画像を撮影するために前述したような複数回の走査を行う場合、それら複数の走査に要する時間は1回の走査と比べて長くなる。例えば、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置は、眼底Er上でX方向に10mmの走査をY方向に0.014mmずつずらしながら696本の走査位置を設定可能である。そして、光干渉断層撮像装置は、それら696本の走査位置それぞれにつき同一位置で4回の操作を行い、計2784枚(696本×4回)の断層画像を取得し、眼底Er上の10mm×10mmの範囲の三次元情報を生成することができる。そして、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置では、一枚の断層画像は合計696のAスキャンから構成され、一つのAスキャンに要する時間は14.3マイクロ秒である。従って、一枚の断層画像を得るために、696×14.3マイクロ秒=10.0ミリ秒を必要とし、全128枚の断層画像を得るためには少なくとも10.0ミリ秒/枚×2784枚=27.8秒を必要とする。
一方、人間の眼球運動は不随意運動の一種であり、例え被検者が固視灯などを注視していたとしても、完全に抑制することは困難である。また、その発生周期は前述した27.8秒の撮影期間よりも大幅に短く、全2784枚の断層画像を取得する間にこれらの眼球運動が何度も発生する可能性が高い。
しかし、全ての眼球運動が撮影される断層画像に悪影響を及ぼす訳ではない。眼の動きは大きく3つのタイプ(トレモロ、サッケード、ドリフト)に大別できるが、このうちトレモロは非常に高速かつ微小な眼振動であり、撮影される断層画像には殆ど影響が生じない。次に、サッケードは高速かつ非常に大きな視線移動であり、撮影される断層画像に大きな歪みが生じる。しかし、前述した様に、サッケードに対して前眼トラッキングを行っても効果は薄く、逆に断層画像の歪みが増えてしまうことが多い。そして、ドリフトは、低速でスライドするように動く眼球運動であり、撮影される断層画像に歪みが生じるものの、前眼トラッキングによって良好に補正することが可能である。
従って、前眼トラッキングでは、3つの眼球運動のうちドリフトによる眼の動きのみを補正するように動作することが望ましい。本実施形態による光干渉断層撮影装置は、前眼トラッキングにより光学ヘッド部100を動作する際に、光学ヘッド部100の移動速度が一定速度未満かつ急激な速度変化が生じないように制御している。移動速度および速度変化量(加速度)の上限値は一般的なドリフト運動の速度と速度変化量に基づいて設定されており、サッケードの様に急激な眼球運動が生じても、光学ヘッド部100が急に動き出すことはない。このため、制御部300がヘッド駆動部140による追尾を行う場合、ヘッド駆動部140は、光学ヘッド部100の移動速度が第1の閾値未満、かつ光学ヘッド部100の速度変化量が第2の閾値未満になるように、光学ヘッド部100を移動させてもよい。すなわち、追尾手段による追尾を被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うと設定された場合には、移動手段は、光学ヘッド部の移動速度が第1の閾値未満、かつ前記光学ヘッド部の速度変化量が第2の閾値未満になるように、光学ヘッド部を移動させてもよい。
この様に、光学ヘッド部100の動作速度が制限されることは、断層画像の撮影に対してもメリットが大きい。断層画像を撮影している間に、急に光学ヘッド部100を動かすと、取得される断層画像に歪みが生じてしまうが、光学ヘッド部100の移動速度が低速かつ速度変化が少ない場合、断層画像に生じる歪みが抑えられる。そのため、断層画像の撮影中に、前眼トラッキングを停止する必要はなく、断層画像を撮影しながら眼の動きに追尾することが可能である。従って、前眼トラッキングによって補正する眼球運動の対象を低速のドリフトに限定することは重要である。
なお、本実施形態では、光学ヘッド部100の動作速度および速度変化を制限することで、前眼トラッキングの動作を制限しているが、他の方法によって制限を行ってもよい。例えば、前眼部観察画像を用いて眼球運動の速度を検出し、検出された速度が一定速度未満であると判断された場合のみ、前眼トラッキングによる追尾を行うこともできる。
さらに、前眼トラッキングは、被検者が瞬きを行った場合には、作動しないようにすることが望ましい。被検者が瞬きを行った場合、前眼部観察画像に写る瞳孔の円形状は、上瞼によって上部から徐々に隠されていき、最終的に瞳孔は瞼によって完全に隠されてしまう。そして、瞼が再び開くのに合わせて、瞳孔は再び下部から徐々に出現する。
この様に、瞳孔が上部から隠されていき、そして再び出現してくるような状況において、瞳孔の中心位置を追尾する前眼トラッキングを使用すると、瞬きに合わせるように、光学ヘッド部100が上下する現象が発生してしまう。そのため、前眼トラッキングは、被検眼の瞬きによる瞳孔形状の変化に影響されないように作動することが重要である。
例えば、前眼部観察画像から検出された瞳孔の上部が欠けている場合、検出された瞳孔の下部形状を用いて瞳孔の上部形状を補完することで、上瞼による瞳孔形状の変化に影響されにくい前眼トラッキングを実現することができる。また、制御部300は、瞼によって瞳孔が完全に隠され検出不能となった場合、瞳孔が検出されるまで前眼トラッキングを一時停止するなどの対処を行っても良い。制御部300は、瞼によって瞳孔が完全に隠された場合には、ヘッド駆動部140による追尾を一時停止する。
以上述べた様に、撮影中の前眼トラッキングはいくつかの制限事項はあるものの、ドリフトと呼ばれる特定の眼の動きに対しては有用であり、多くの被検者に対して効果的に作用する。しかしながら、非常に頻回かつ大きな眼球運動を繰り返してしまう被検者の撮影中に前眼トラッキングを使用した場合、前眼トラッキングを使用しない場合と比べて必ずしも良い断層画像が取得されるとは限らない。また、近視矯正手術やコンタクトレンズ等により瞳孔の検出が安定しない被検者においても、前眼トラッキングが効果的に作用しない場合がある。そのため、本実施形態の光干渉断層撮像装置は、撮影中に前眼トラッキングを使用するか否かを設定する機能を備える。
図3は、モニタ301に表示される前眼トラッキングの使用の有無を設定するための画面例である。制御部300は、設定部として機能し、前眼トラッキング設定部302の「撮影中」のチェックボックスをオン/オフにすることで、前眼トラッキングを被検眼Eの撮影用の断層画像を取得している間に使用するか否かを設定することができる。すなわち、制御部300は、追尾部としての制御部300による追尾を被検眼Eの撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かを設定することができる。
ところで、撮影準備中に前眼トラッキングを使用せず、撮影中のみ前眼トラッキングを使用する場合、撮影準備中に被検者の眼が動いてしまっている可能性がある。そのため、自動アライメント完了時点での対物レンズ101−1の光軸位置と被検眼Eの前眼部Eaの位置関係とは異なるアライメント状態で前眼トラッキングが開始される可能性がある。この場合、撮影開始時点でのアライメント状態は自動アライメント完了時点とは異なっているものの、検者は最終的にその状態で撮影用の断層画像の取得を決断しており、撮影開始時点でのアライメント状態を保持するように前眼トラッキングを行うことが望ましい。
そのため、本実施形態の光干渉断層撮像装置は、撮影中のみ前眼トラッキングを使用する場合、撮影開始時点の前眼部観察画像上で瞳孔位置を検出し、新たに取得される前眼部観察画像上でも、同じ位置に瞳孔が検出されるように前眼トラッキングを実行する。
制御部300は、追尾部として機能し、被検眼に対する追尾を開始する際に、追尾開始時点での前眼部画像内の被検眼の位置を記憶し、新たに取得される前眼部画像において上記の記憶された被検眼の位置が保たれるように追尾を行う。
一方、撮影準備中に前眼トラッキングを使用しており、撮影中も前眼トラッキングを使用する場合、撮影準備中に開始した前眼トラッキングをそのまま継続することが望ましい。撮影準備中に前眼トラッキングを使用していた場合、撮影の開始を指示した時点で、対物レンズ101−1の光軸位置と被検眼Eの前眼部Eaの位置関係は適切に調整されている。そのため、そのまま前眼トラッキングを継続することで対物レンズ101−1の光軸位置と被検眼Eの前眼部Eaの位置関係を保つことができる。
本実施形態によれば、プレビュー中または撮影中の前眼トラッキングの使用の有無を設定することにより、被検眼Eの動きによる歪みが低減された断層画像を取得することができる。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、被検眼Eの水平・垂直方向(XY方向)の動きに対する前眼トラッキングについて述べたが、被検眼Eは、奥行き方向(Z方向)に動くこともある。本実施形態では、撮影中にXYZ方向の前眼トラッキングを使用するか否かを設定可能な光干渉断層撮像装置について述べる。本実施形態の光干渉断層撮像装置は、一部の構成を除き、第1の実施形態で説明した装置と同様である。そのため、本実施形態では、第1の実施形態との相違点について説明する。
本実施形態の光干渉断層撮像装置は、前眼部Eaの観察光学系に配置されたレンズ141がスプリットプリズムを含む構成となっている。このスプリットプリズムは、図4(a)に示すように、被検眼Eと光学ヘッド部100のZ方向の位置関係が不適切である場合、赤外線CCD142にて取得される前眼部画像は、瞳孔が円形ではなく、割れた形状となるよう設計されている。そして、被検眼Eと光学ヘッド部100のZ方向の位置関係が適切である場合、図4(b)に示すように、瞳孔が円形に写るよう設計されている。そのため、制御部300は、赤外線CCD142にて取得される前眼部画像の瞳孔の割れ具合を検出することで、Z方向の前眼トラッキングを行うことが可能である。
<被検眼Eのアライメント方法>
図5は、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置の制御方法を示すフローチャートである。図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置を用いた被検眼EのXYZ方向の自動アライメント方法を説明する。
制御部300は、検者による不図示のスイッチ操作を受け付けて、自動アライメントを開始する。自動アライメントが開始されると、ステップS501において、制御部300は、前眼部画像取得部として機能し、定期的に赤外線CCD142から前眼部画像を取得して解析を行う。
ステップS502において、制御部300は、入力された前眼部画像を二値化して瞳孔領域を抽出し、抽出された瞳孔領域全体の重心を瞳孔領域の中心位置とする。ステップS503において、制御部300は、検出された瞳孔領域の中心位置に基づいて、被検眼Eと光学ヘッド部100とのアライメント変位量(XY方向の位置ずれ量)を算出する。
ステップS504において、制御部300は、抽出された瞳孔領域を上下に二分割し、上下のそれぞれの重心位置を用いて、瞳孔領域の重心ずれ量を算出する。ステップS505において、制御部300は、検出された瞳孔領域の重心ずれ量に基づいて、被検眼Eと光学ヘッド部100とのアライメント変位量(Z方向の位置ずれ量)を算出する。
ステップS506において、制御部300は、ステップS503およびステップS505で算出された変位量が所定値未満であるか否かを判定する。変位量が所定値以上であると判定された場合(S506;No)、ステップS507に進む。一方、変位量が所定値未満であると判定された場合(S506;Yes)、自動アライメント処理を終了する。
ステップS507において、制御部300は、ステップS503およびステップS505で算出された変位量に応じて、光学ヘッド部100を移動するように、ヘッド駆動部140へ指示を行う。ステップS508において、ヘッド駆動部140は、不図示の3つのモータを駆動させて、光学ヘッド部100の位置を被検眼Eに対して三次元方向(XYZ方向)に移動させる。
その後、ステップS501に戻り、一連の自動アライメント動作を繰り返すことによって、光学ヘッド部100の位置は、被検眼Eの前眼部Eaに対して適正な位置に近づくように補正されることになる。
本実施形態では、スプリットプリズムと瞳孔重心のずれ量を用いたZ方向の自動アライメントを行っているが、他の手法を用いてこれを実施してもよい。例えば、アライメント用の指標を被検眼Eの前眼部Eaに投影し、その反射光を検出することで、Z方向の自動アライメントを行うことができる。また、ステレオカメラの視差を利用して2つのカメラで取得される瞳孔位置のずれ量を検出し、Z方向の自動アライメントを行うこともできる。更に、機械学習や深層学習などのAI(人工知能)を用いて前眼部画像を解析し、Z方向のずれ量を求めるようにしても良い。
<被検眼Eの前眼トラッキング>
本実施形態に係るXYZ方向の自動アライメント動作を継続することで、光干渉断層撮像装置による撮影準備中、および撮影中に前眼トラッキングを実施することができる。また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、撮影準備中および/または撮影中に前眼トラッキングを使用するか否かを設定する機能を備える。
図6は、モニタ301に表示される前眼トラッキングの使用の有無を設定するための画面例である。制御部300は、設定部として機能し、前眼トラッキング設定部302の「撮影中」のチェックボックスをオン/オフにすることで、前眼トラッキングを被検眼Eの撮影用の断層画像を取得している間に使用するか否かを設定することができる。また、「プレビュー中」のチェックボックスをオン/オフにすることで、前眼トラッキングを被検眼Eの撮影用の断層画像を取得するための撮影準備中に使用するか否かを設定することができる。
制御部300は、X方向およびY方向に対する前眼トラッキングを「プレビュー中」と「撮影中」のそれぞれで行うか否かと、Z方向に対する前眼トラッキングを「プレビュー中」と「撮影中」のそれぞれで行うか否かを個別に設定することができる。X方向は、水平方向である。Y方向は、垂直方向である。Z方向は、奥行き方向である。
上述の前眼トラッキングに関する設定は、XY方向に対する前眼トラッキングと、Z方向に対する前眼トラッキングに対して、個別に設定することができる。すなわち、「撮影中」や「プレビュー中」の前眼トラッキングをXY方向のみ有効にすることも可能である。Z方向の前眼トラッキングは、光学ヘッド部100と被検眼Eや被検者の鼻が接触する可能性が考えられるため、XY方向とは個別の設定を可能にしている。
なお、本実施形態では、前眼トラッキングに対する設定を、XY方向に対する設定とZ方向に対する設定の2つに分離しているが、XYZの3つの方向に対して個別に設定できるようにしてもよい。この場合、前眼トラッキングに対する設定は、X方向に対する前眼トラッキングの設定と、Y方向に対する前眼トラッキングの設定と、Z方向に対する前眼トラッキングの設定の3つに分離される。
また、制御部300は、X方向、Y方向およびZ方向のうちの少なくとも2つの方向に対する前眼トラッキングを「プレビュー中」と「撮影中」のそれぞれで行うか否かを設定可能であることが好ましい。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100 光学ヘッド部、115 APD、122 スキャナ、130 測定光源、140 ヘッド駆動部、200 分光器、204 ラインセンサ、300 制御部、301 モニタ、302 前眼トラッキング設定部、E 被検眼

Claims (12)

  1. 被検眼の複数の前眼部画像を異なる時間に取得する前眼部画像取得手段と、
    測定光が照射された前記被検眼からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、前記被検眼の断層画像を取得する断層画像取得手段と、
    前記測定光の光路を含む光学ヘッド部を移動させる移動手段と、
    前記複数の前眼部画像に基づいて前記移動手段により前記被検眼に対する追尾を行う追尾手段と、
    前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かを設定するための設定手段と、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮像装置。
  2. 前記設定手段は、更に、前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得するための撮影準備中に行うか否かを設定することを特徴とする請求項1に記載の光干渉断層撮像装置。
  3. 前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得するための撮影準備中に行うと設定された場合には、検者によって前記移動手段による光学ヘッド部の移動が行われると、前記追尾手段による追尾が停止されることを特徴とする請求項2に記載の光干渉断層撮像装置。
  4. 前記撮影準備中は、フォーカス調整中、偏光調整中、光量調整中、光路長差の調整中の少なくとも一つであることを特徴とする請求項2または3に記載の光干渉断層撮像装置。
  5. 前記被検眼に対する追尾を開始する際に、追尾開始時点での前記前眼部画像内の前記被検眼の位置を記憶し、新たに取得される前記前眼部画像において前記記憶された被検眼の位置が保たれるように、前記追尾手段による追尾が実行されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  6. 瞼によって瞳孔が隠された場合には、前記追尾手段による追尾が一時停止されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  7. 前記設定手段は、水平方向、垂直方向および奥行き方向のうちの少なくとも2つの方向に対する前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かを設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  8. 前記設定手段は、水平方向および垂直方向に対する前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かを設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  9. 前記設定手段は、水平方向および垂直方向に対する前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かと、奥行き方向に対する前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かを個別に設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  10. 前記設定手段は、水平方向に対する前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かと、垂直方向に対する前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かと、奥行き方向に対する前記追尾手段による追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かを個別に設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  11. 光干渉断層撮像装置の制御方法であって、
    被検眼の複数の前眼部画像を異なる時間に取得する前眼部画像取得ステップと、
    測定光が照射された前記被検眼からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、前記被検眼の断層画像を取得する断層画像取得ステップと、
    前記複数の前眼部画像に基づいて、前記測定光の光路を含む光学ヘッド部を移動させる移動手段により前記被検眼に対する追尾を行う追尾ステップと、
    前記追尾ステップによる追尾を前記被検眼の撮影用の断層画像を取得している間に行うか否かを設定するための設定ステップと、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮像装置の制御方法。
  12. 請求項11に記載された光干渉断層撮像装置の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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