JP6217065B2 - 眼科撮影装置 - Google Patents

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本発明は眼底撮影をする眼科撮影装置に関する。
波面補償部で眼の波面収差を取り除いた状態で眼底撮影画像を得る眼科撮影装置が提案されている。この種の眼科撮影装置は、眼底に投影される照明光を所要方向に偏向させる走査部材と、眼底からの反射光を受光する受光素子とを備え、受光素子で眼底からの反射光を繰り返し受光することで、眼底撮影画像の情報を取得している(例えば、特許文献1参照)。なお高解像度の眼底撮影画像を出来るだけ早く構成するためには、走査部材の往路と復路の両方で画像データが取得される事が好ましい。
特開2010‐259543号公報 特開平11‐225965号公報
しかし走査部材の往復走査と、受光素子で画素が読み取られるタイミングとの間にばらつきが生じると、モニタに表示される眼底画像の画質が低下するおそれがある。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、眼底の撮影画像を精度良く取得できる眼科撮影装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検者眼の眼底を照明する照明光源を持つ照明光学系と、前記照明光源の光束を前記眼底に対して走査線毎に往復振動させる共振型光スキャナーを持ち、前記光束によって眼底上を二次元走査するための走査部材と、前記眼底からの反射光を受光して光電変換し所要の信号を出力する受光素子と、を備える眼底撮影光学系と、前記共振型光スキャナーによる往路走査と復路走査とが副走査方向に関して互いに異なる走査線で行われることにより眼底上が前記光束によって二次元走査されるように前記走査部材を制御する走査制御手段と、1フレーム分の二次元走査において前記受光素子から出力される信号に基づいて眼底画像を得る画像生成手段と、を備え、前記画像生成手段は、前記走査線毎の走査部材の往復振動で取得された前記信号に基づく前記撮影画像を、前記往路走査による画素列と、前記復路走査による画素列と、に区分けするための基準位置を定め、前記基準位置に基づいて区分けされた前記往路走査による素列を複数、副走査方向に並べることにより第1眼底画像データを生成すると共に、前記基準位置に基づいて区分けされた前記復路走査による素列を複数、副走査方向に並べることにより第2眼底画像データを生成し、前記往路走査による複数の画素列を含む前記第1眼底画像データと、前記復路走査による複数の画素列を含む前記第2眼底画像データとの相関に基づいて、前記基準位置を補正し、 補正後の基準位置に基づいて区分けされた往路走査による複数の画素列による第1眼底画像データと、補正後の基準位置に基づいて区分けされた復路走査による複数の画素列による第2眼底画像データと、を合成して、合成眼底画像を得る
本発明によれば、眼底の撮影画像を精度良く取得できる眼科撮影装置を提供できる。
本発明の実施形態を説明する。図1は眼科撮影装置500の外観図である。眼科撮影装置500は、基台502、撮影部503、顔支持ユニット504を備える。基台502上に取り付けられた撮影部503の内部には後述する光学系が収納される。顔支持ユニット504は顎台505備え、顎台505は駆動手段(図示を略す)の駆動により顔支持ユニット4の基部に対して三次元方向に移動される。
図2に眼科撮影装置500の光学系の説明図を示す。光学系は第1撮影ユニット100と、第2撮影ユニット200を備える。第1撮影ユニット100は、被検眼Eを細胞レベルの解像度で撮影し眼底画像(以下、第1撮影画像と記す)を得る。第2撮影ユニット200は、第1撮影ユニット100よりも広い画角の眼底画像を取得し、第1撮影画像の撮影位置を指定する際に用いられる。
第1撮影ユニット100は共焦点光学系を用いた走査型レーザー検眼鏡の構成とされ、眼Eに照明光(照明光束)を照射して眼底を2次元的に照明する第1照明光学系100aと、眼底に照射された照明光の反射光(反射光束)を受光して第1撮影画像を得る第1撮影光学系100b、更に眼Eの波面収差を検出して低次収差及び高次収差を取り除く波面補償ユニット110を有する。
(第1撮影ユニット)
第1照明光学系100aは光源1(第1光源)を備え、光源1から眼底に到る光路L1に、レンズ2、偏光ビームスプリッタ4、ビームスプリッタ71、凹面ミラー6、凹面ミラー7、平面ミラー8、波面補償デバイス72、ビームスプリッタ75、凹面ミラー11、凹面ミラー12、レゾナントスキャナー15、凹面ミラー16、凹面ミラー17、を備える。そして、さらに、平面ミラー21、レンズ22、平面ミラー23、視度補正部10、平面ミラー25、凹面ミラー26、ガルバノスキャナー40、ダイクロイックミラー90、凹面ミラー31、平面ミラー32、平面ミラー33、凹面ミラー35が配置されている。
第1照明光学系100aの構成を説明すると、光源1は、被検眼に視認されにくい近赤外から赤外域で眼底を照明する周知の赤外光源であり、例えば、波長840nmのSLD(Super Luminescent Diode)光源や、収束性の高いスポット光を出射する半導体レーザー等が用いられる。偏光ビームスプリッタ4は、光源1からの照射光のうちS偏光成分の光束を通過しその他(P偏向成分など)の光束を遮光する。ビームスプリッタ71は、光源1の波長の光を透過し、後述する収差検出用光源76の波長の光を反射する特性を持つ。
波面補償デバイス72は、後述する波面センサー73で検出された眼底反射光に含まれる収差を除去するように制御される。なお波面補償デバイス72は、例えば、液晶空間位相変調器とし、反射型のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等が用いられる。波面補償デバイス72は、光源1からの照明光(S偏光光)、照明光の眼底での反射光(S偏光光)、波面収差検出用光の反射光(S偏光成分)等の所定の直線偏光(S偏光)に対して収差を補償することが可能な向きに配置されており、波面補償デバイス72は入射光のS偏光成分を変調する。また波面補償デバイス72は、その液晶層内の液晶分子の配列方向が入射する反射光の偏光面と略平行であり、さらに液晶分子が液晶層への印加電圧の変化に応じて回転する所定の面が、波面補償デバイス72に対する眼底からの反射光の入射光軸及び反射光軸と波面補償デバイス72が持つミラー層の法線とを含む平面に対して略平行になるように配置されている。
なおここでは、波面補償デバイス72を液晶変調素子とし、反射型のLCOS(Liquid
Crystal On Silicon)等を用いているが、反射型の波面補償デバイスであれば良く、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の一形態のデフォーマブルミラーが用いられても良い。また反射型の波面補償デバイス以外にも、眼底からの反射光を透過して波面収差を補償する透過型の波面補償デバイスを用いても良い。
眼Eの視度補正のために光路長を変える視度補正部10は、ここでは2枚の平面ミラーと2つのレンズ(図番号を略す)、駆動部10aで構成されており、駆動部10aの駆動で平面ミラー及びレンズが矢印A方向に移動されることで、光路長が変更され視度が補正される。これ以外にも視度補正部10には平面ミラーとレンズに変えて光軸方向に移動可能なプリズムを用いることもできる。
共振型スキャナーであるレゾナントスキャナー15は、光源1からの照明光(スポット光)を所定方向に偏向させるミラー15aと、ミラー15aを所定の共振周波数で駆動する駆動部15bから構成される。駆動部15bの駆動でレゾナントスキャナー15aが所定の共振周波数で主走査方向(水平方向)に高速で振動されることで、眼底が照明光でライン状に照明される。
ガルバノスキャナー40は、ミラー41aと駆動部41bを備え、駆動部41bの駆動でミラー41aを副走査方向に傾斜させる。これによりレゾナントスキャナー15の主走査で一次元方向に偏向された光束が、更に垂直方向に偏向されて、眼底が照明光で二次元に照明される。なお動作の安定性を考慮すると、ガルバノスキャナー40は等速直線運動で動作制御されることが好ましい。
以上のようなレゾナントスキャナー15とガルバノスキャナー40の組み合わせで、照明光を二次元方向に偏向させて、眼底を二次元的に照明する走査部材が構成される。照明光で照明された眼底からの反射光は、受光素子56で受光され光電変換される。受光素子56から出力された信号は、後述する制御部80で量子化され、撮影画像の輝度情報として後述するメモリ81に入力される。これにより所要画角の二次元の眼底画像が取得される。
ダイクロイックミラー90は、第2撮影ユニット200等の光路を第1照明光学系100aと略同軸にする。ダイクロイックミラー90は、第2撮影ユニット200からの光束を透過させ、光源1及び後述する光源76からの光束を反射する特性を有する。
以上のような構成により、光源1から出射された照明光は、レンズ2で平行光とされた後、偏光ビームスプリッタ4を経て、ビームスプリッタ71、凹面ミラー6から平面ミラー8で反射され、波面補償デバイス72に入射する。波面補償デバイス72に反射された照明光は、ビームスプリッタ75を介し、凹面ミラー11、12で反射されてレゾナントスキャナー15に入射される。
レゾナントスキャナー15で反射された照明光は、凹面ミラー16から平面ミラー21で反射され、レンズ22に集光された後、平面ミラー23で反射され、更に視度補正部10を介して、平面ミラー25、凹面ミラー26で反射されて、ガルバノスキャナー40に入射される。ガルバノスキャナー40で反射された照明光は、ダイクロイックミラー90から凹面ミラー35で反射されて、眼Eの眼底に集光する。この状態でレゾナントスキャナー15及びガルバノスキャナー40の偏向動作が駆動制御されることで、照明光による眼底の2次元走査が行われる。
第1撮影光学系100bは、第1照明光学系100aのダイクロイックミラー90からビームスプリッタ71までの光路を共通とし、更にビームスプリッタ71の反射光路上に平面ミラー51、偏光ビームスプリッタ52、レンズ53、ピンホール板54、レンズ55、受光素子56が配置されている。偏光ビームスプリッタ52はS偏光成分の光束のみを通過しその他(P偏向成分など)の光束を遮光する。ピンホール板54は眼底と共役位置に置かれる。受光素子56にはAPD(アバランシェフォトダイオード)が用いられるとする。これ以外にも受光素子56には光電子倍増管等を用いることもできる。
光源1からの照明光で照明された眼底からの反射光は、第1照明光学系100aを逆に辿り、ビームスプリッタ71、平面ミラー51で反射され、偏光ビームスプリッタ52でS偏光成分の光束だけ透過される。偏光ビームスプリッタ52を透過した光束は、レンズ53を介してピンホール板54のピンホールに焦点を結び、レンズ55を経て受光素子56で受光される。
なお、角膜からの反射光はピンホール板54によって大部分が除去される。これにより角膜反射光による画像への影響が抑えられ、受光素子56で眼底からの反射光が好適に受光される。以上のような第1撮影光学系100bによる眼底画像の撮影画角は、例えば1度から5度程度であるとする。
第1照明光学系100aと光路を一部共用する波面補償部110は、光源76、レンズ77、偏光ビームスプリッタ78、ビームスプリッタ75、71、ダイクロイックミラー86、偏光板85、レンズ84、平面ミラー83、レンズ82、波面センサー73を含む。つまり波面補償部110は、第1照明光学系100aの光路に置かれるビームスプリッタ71から凹面ミラー35までの光学部材を共用する。
波面補償部110の構成を説明する。光源76には、光源1とは異なる赤外域の光束を発するレーザダイオードが用いられる。例えば本実施形態では波長780nmのレーザー光を出射する光線76が使用される。なお第1光源1と収差検出用の光源76は併用されても良い。
偏光ビームスプリッタ(第1偏光手段)78は、光源76からの光束を、偏光ビームスプリッタ4でS偏光された光源1からの光束に直交するP偏光の光束に偏光する。ビームスプリッタ75は、波面補償部110の光束を第1照明光学系の光路に導く。ビームスプリッタ71は、光源1の波長の光(840nm)を透過し、収差検出用の光源76の波長光(780nm)を反射する特性を持つ。これにより波面センサー73は、照射されたレーザー光による眼底からの散乱光のうちS偏光成分を持つ光を検出する。ダイクロックミラー86は、光源1の波長の光(840nm)を透過し、収差検出用の光源76の波長光(780nm)を反射する。偏光板(第2偏光手段)85は、光源76から眼Eに照射された偏光方向の光束(P偏光光)を遮断し、この偏光方向に直交する偏光方向の光束(S偏光光)を透過する。
波面センサー73は、被検眼の反射光に含まれる低次収差及び高次収差を検知するものが用いられる。例えば多数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイと、マイクロレンズアレイを透過した光束を受光させるための二次元撮像素子73a(2次元受光素子)から構成される。また収差検出用の光源76(第3光源)は、光源1とは異なる赤外帯域の光束を発するものが選択される。例えば本実施形態では、波長780nmのレーザー光を出射するレーザダイオードが用いられており、光源76の出射端は眼底と共役関係とされる。なお波面センサー73には、ハルトマンシャック検出器や光強度の変化を検出する波面曲率センサー等を用いることができる。なおレゾナントスキャナー15、波面補償デバイス72の反射面、波面センサー73の受光面は眼Eの眼底と略共役とされる。
光源76から出射されたレーザー光は、レンズ77で平行光とされた後、偏光ビームスプリッタ78で光源1からの照明光と直交する偏光方向(P偏光)とされ、ビームスプリッタ75で第1照明光学系100aの光路に導かれる。ビームスプリッタ75で反射したレーザー光は、第1照明光学系100aの光路を経て眼底に集光される。眼底からの反射光は、第1照明光学系100aの各光学部材を経て波面補償デバイス72で反射され、ビームスプリッタ71により第1照明光学系100aの光路から外され、ダイクロイックミラー86で反射された後、偏光板85、レンズ84、平面ミラー83、レンズ82を経て波面センサー73へと導かれる。これにより波面センサー73では眼底からの散乱光のうちS偏光成分を持つ光が検出され、角膜や光学素子で反射された光束が、波面センサー73で検出されることが抑えられる。
以上のような波面補償部(補償光学系)110によって、波面センサー73で検出された光源76の眼底反射光の波面収差に基づいて、波面補償デバイス72が制御され、光源76の反射光のS偏光成分と共に、光源1から出射される照明光とその反射光の波面収差が取り除かれる。これにより眼Eの波面収差が取り除かれた(波面補償された)高解像度の第1撮影画像が得られる。つまり第1撮影画像の1画像を構築する画素数が、従来の広画角(例えば40度程度)の眼底画像と同程度となるように照明光の走査を行い、さらに波面補償を行うことで、狭画角(1.5度程度)でありながら細胞レベルまで観察できる高解像度・高倍率な眼底画像が得られるようになる。
(第2撮影ユニット)
第2撮影ユニットは、第1撮影ユニットの画角よりも広画角の眼底画像(第2撮影画像)を得る。得られた第2撮影画像は第1撮影画像の撮影位置の指定、撮影位置の確認用に用いられる。第2撮影画像を取得する第2撮影ユニット200は、眼Eの眼底画像を観察用として広画角(例えば20度〜60度程度)でリアルタイムに取得できればよく、既存の眼底カメラの観察・撮影光学系や走査型レーザー検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)の光学系、及び制御系等が用いられる。ここでは説明の簡便のため第2撮影ユニット200の構成はブロック図で示す。
第2撮影ユニット200は、眼Eに照明光を照射し眼底を2次元的に照明する第2照明光学系と、眼底からの反射光を受光して第2撮影画像を撮像する第2撮影光学系から構成される。第2照明光学系は、眼底を赤外光で照明する第2光源210、照明光を眼底上で2次元的に走査する走査部220等を備える。第2光源210には、例えば910nmの波長のレーザー光を出射するレーザダイオードが用いられる。走査部220は、X及びY方向の二次元方向にレーザー光を偏向(反射)するミラーを備える。なお第2撮影ユニット200による眼底画像の撮影画角が第1撮影ユニット100の画角より大きくなるように走査部220のミラーの振れ角が決定される。例えば、第2撮影画像によって眼底の特徴部を取得するために、黄斑部や乳頭を同時に撮影できる程度の画角を持つ構成とされる場合、画角は20〜60度程度とされる。第2撮影光学系は、眼底からの反射光を受光する受光素子251等を備える。
以上のような第2撮影ユニット200の光路はダイクロイックミラー90によって第1撮影ユニット100と略同軸にされ、第2光源210からの光束は、ダイクロイックミラー90から平面ミラー33を経て眼底に集光される。眼底に投影された光束は走査部220の駆動により眼底の広い範囲で2次元的に走査される。眼底からの反射光は平面ミラー33からダイクロイックミラー90までの光路を逆に経て、第2撮影光学系200bの受光素子251で受光される。これにより、第1撮影ユニット100の撮影の位置指定などに用いられる第2撮影画像が取得される。
なお、本実施形態では走査部220を用いて照明光を2次元的に走査して眼底を照明している。これ以外にも、例えばライン状のスリット光をラインと直交する方向に走査して眼底照明しても良く、ホールミラー等を用いた既存の眼底カメラの照明光学系にて眼底全体が一度に照明されても良い。
なお、上記の光学系に、眼Eの固視微動等による位置ずれの経時変化を検出して移動位置情報を得る周知のトラッキング用ユニット(位置検出部)が設けられても良い。
次に眼科撮影装置の制御系を説明する。図3は制御ブロック図である。
制御部80には上述の光学系の各構成(又は各構成を駆動させるための図示を略す駆動部)が接続される他、記憶部81、指定手段となるコントロール部92、モニタ70などが接続される。制御部80は、装置のアライメント動作、撮影動作、波面補償動作、トラッキング動作等の各種制御をする。また制御部80は受光素子56から出力された信号を量子化し、撮影画像の輝度情報としてメモリ81に記憶させる画像取得手段となる。また制御部80は後述する基準位置情報に対する撮影画像の位置情報の差分を、歪量として求める歪抽出手段となる。更に制御部80は、レゾナントスキャナー15の往復振動で取得される撮影画像を、往路で取得される画像領域と、復路で取得される画像領域とを区分けするための基準位置を設定する基準位置設定手段になり、画像取得手段で取得された撮影画像を画像処理で補正するための補正手段になる。
記憶部81には、装置の動作に必要となる各種プログラムの他、コントロール部92による入力情報、取得された撮影情報(第1撮影画像及び第2撮影画像)など各種情報が記憶される。また記憶部81には、撮影画像に含まれる歪を抽出するための補正チャート(ドットマトリクス)の画像データが基準位置情報として記憶されている。
また記憶部81は、受光素子56で読み取られた信号に基づく画素の輝度情報が順次蓄積されるフレームメモリ81aと、フレームメモリ81aに蓄積された画素の配列をしなおして(座標変換を行って)、撮影画像に含まれる歪を除去するための画像補正部81bを持つ。
画像補正部81bは、記憶部81に用意された補正チャートの画像データと、第1撮影ユニットで同一の補正チャートを撮影して取得された撮影画像データである撮影画像の位置情報との差分に基づき、前記画素の配列を決定する。このように画像補正部81bによって、フレームメモリ81aに蓄積された信号(画素の輝度情報)の位置情報(配列)が決定されることで、歪が除去された第1撮影画像がモニタ70に好適に表示される。なお画像補正部81bには、ルックアップテーブルや、正弦関数等の演算式等が用いられる。ここでは画像補正部81bにルックアップテーブルが用いられる例を説明する。
なおここで示される歪とは、走査部材の速度変化で生じる各画素の表現する範囲の変化により、第1撮影画像の形成状態が均一ではなくなることを言う。第1撮影画像が均一ではないとは、例えば、画像の局所領域の解像度が異なっている状態、画像全体が拡大又は縮小されていることを言う。これ以外にも撮影された眼底像が、所期の第1撮影画像としてモニタ70に正しく表示されていない状態を言う。
コントロール部92は、各種入力操作に用いられる。例えば、検者が細胞レベルの第1撮影画像の撮影位置を、第2撮影画像上で指定する位置指定等に用いられる。コントロール部92には、モニタ70に設置されるタッチパネル、マウス等、スイッチ等の周知の入力部材が用いられる。
モニタ70には、制御部80による受光素子56、251の受光信号に基づき、画角の異なる眼底画像(つまり第1撮影画像及び第2撮影画像)が形成される。例えばモニタ70には所定のフレームレート(例えば10〜100Hz程度)で更新される眼底画像(第1撮影画像、及び第2撮影画像)が動画表示される他、記憶部81に記憶された眼底画像又は受光素子56、251から直接取得された眼底画像が静止画表示される。
<動作説明>
次に以上のような構成を備える眼科撮影装置の動作を説明する。図4はモニタ70の表示画面の例である。図5(a)はガルバノスキャナー40の走査状態の説明図であり、横軸が副走査方向の座標Y、縦軸が速度Vである。図5(b)はレゾナントスキャナー15の走査状態の説明図であり、横軸が主走査方向の座標X,縦軸が速度Vである。図5(c)は走査部材の走査で構築される第1撮影画像の例であり、横軸Xが主走査方向の座標、縦軸Yが副走査方向の座標に対応している。
先ず第1撮影画像に含まれる歪を除去するため、第1撮影光学系100bでドットマトリクスによる補正チャートが撮影される。なお受光素子56で受光された補正チャートの情報は、撮影画像の位置情報として記憶部81に記憶される。
つまり走査部材が、レゾナントスキャナー15とガルバノスキャナー40の組み合わせで構成される場合、図5(a)のように、ガルバノスキャナー40は副走査方向に等速運動するのに対し、図5(b)のように、レゾナントスキャナー15は主走査線毎に正弦波状に速度変化する。一方、信号(輝度情報)は一定の時間間隔(サンプリング周波数)で取得される為、レゾナントスキャナー15の速度変化によって、眼底の単位面積に対して取得される信号(輝度情報)の密度が変わる。例えば、図5(c)において、主走査方向の位置x1と位置x3では、ミラー15aの走査速度が比較的に速くなり、眼底の単位面積に対して取得される輝度情報の密度が高くなる。一方、主走査方向の位置x2では、ミラー15aの走査速度が比較的に遅くなり、眼底の単位面積に対して取得される輝度情報の密度が低くなる。このように、撮影画像の周辺部と中央部で取得された輝度情報の密度が異なると、モニタ70に第1撮影画像が表示されたときに、主走査方向の周辺部と中央部とで画像の形成状態が変わり、複数の撮影画像を張り合わせたとき等に全体的な見栄えを低下させてしまうことに繋がる。
そこで、例えば装置の駆動時に、第1撮影光学系100bで受光素子56と略共役位置に置かれた補正チャート(ドットマトリクス)を撮影して、基準位置情報として記憶部81に記憶させる。制御部80は、受光素子56で眼底からの反射光(輝度情報)を、所定のステップ(サンプリング周波数)で取得する。受光素子56で読み取られた輝度情報はフレームメモリ81aに記憶される。次に制御部80は、フレームメモリ81aに記憶された輝度情報(画像データ)と、記憶部81に予め記憶されている補正チャート(ドットマトリクス)を比較する。そして、対応関係にある画素の座標の差分(ズレ量)から、フレームメモリ81aに記憶された画像データの歪を求める。そして制御部80は、フレームメモリ81aの画像データをモニタ70に表示させるときに、抽出された歪が除去されるように、画像補正部81bのルックアップテーブルの情報を更新する。これにより、フレームメモリ81aの画像データが、ルックアップテーブルを介してモニタ70に出力されることで、レゾナントスキャナー15の速度変化で生じる画像の歪が除去されて、モニタ70に細胞レベルの眼底画像が精度良く表示される。
次に、検者は固視灯(図示を略す)で眼Eを固視させた状態で、コントロール部92の操作で視度補正部10を駆動させて眼Eの視度補正をする。また第2撮影ユニット200で撮影されモニタ70上の所定領域に表示された第2撮影画像70bを確認しながらアライメントを完了させる。
アライメント完了後、制御部80は光源76、波面補償デバイス72、波面センサー73の駆動により眼Eの波面収差の検出及び補正を開始する。図4(a)に示されるように、第2撮影画像70b上(観察画像枠内)であって、第1撮影画像70aの撮影箇所に対応する位置にマークMを形成する。これにより第1撮影画像70aが第2撮影画像70b上のどの位置での拡大画像であるかが視覚的に示される。なお、ここでは初期状態として第2撮影ユニットの光軸(主光軸)を中心として所定画角(ここでは1.5度)の範囲が第1撮影画像70aの撮影位置に対応されている。
図4(b)に示されるように、コントロール部92の操作で第2撮影画像70b上での第1撮影画像の撮影位置が指定されると、制御部80は入力信号に基づき駆動部15bの駆動制御で、レゾナントスキャナー15(ミラー15a)の主走査方向の傾斜角度を変えると共に、図示を略す駆動部の駆動制御でガルバノスキャナー40の垂直方向の傾斜角度を変えて、第1撮影画像の撮影位置に対応する眼底上の位置が照明されるようにする。
また制御部80は、波面センサー73で検出される光学分布(受光信号)から得られる結果に基づいて波面補償光学系110を動的に制御する。ここでは波面補償デバイス72が持つ液晶パネル(液晶層)によって、眼底からの反射光の回折像の拡がり具合が最小となるように、その液晶パネルの液晶分子が電圧制御で配列方向が変えられることで、位相分布を制御する。
以上のような波面収差の補正の完了が制御部80で検知されると、制御部80は第1撮影画像の撮影を開始する。制御部80は波面センサー73の信号(受光結果)に基づき、光源1、受光素子56を駆動する。光源1から出射された照明光は偏光ビームスプリッタ4でS偏光とされ、波面補償デバイス72で変調される。そして走査部15による偏向で2次元的に走査され、眼底に集光される。
眼底に集光された照明光の反射光は、レゾナントスキャナー15を介して光路を逆に辿り、波面補償デバイス72の変調を受け、ビームスプリッタ71で反射(偏向)されて第1撮影光学系100bに導かれる。反射光は、偏光ビームスプリッタ52を介し、レンズ53でピンホール板54のピンホールに集光され、レンズ55を介して受光素子56に入射される。これにより、受光素子56の受光結果に基づき、図4(b)に示されるように、制御部80によって、モニタ70上に所要画角の第1撮影画像70aが表示される。
<撮影画像の位置補正>
なお、制御部80は、レゾナントスキャナー15の発振周波数に合わせて出力されるトリガ信号(同期信号)に基づき、受光素子56で眼底からの反射光を読み取るタイミングを決定する。図6(a)にフレームメモリ81aの説明図を示す。例えば、フレームメモリ81aはn行×m列で二次元配列された複数の入力部dnm(n=1、2・・・、m=1、2・・・)を持ち、各入力部dnmには、受光素子56で読み取られた反射光の受光信号に基づく輝度情報が順次蓄積される。例えば制御部80は、レゾナントスキャナー15の1走査(走査線)ごとに出力される同期信号をトリガ信号として、所定のサンプリング周波数のクロック信号を出力させ、クロック信号のタイミングに合わせて、眼底の反射光を受光素子56で取得する。トリガ信号が入力されると、制御部80はレゾナントスキャナー15の一往復の走査(走査線)で読み取られた信号(輝度情報)を1行目の入力部d1m(m=1、2・・・)に順次割り当てる。次のトリガ信号が入力されると、制御部80はレゾンナントスキャナー15の一往復の走査に連動して読み取られた信号(輝度情報)を2行目の入力部d2m(m=1、2・・・)に蓄積させる。このようにして走査線毎にフレームメモリ81に割り当てて行く。そして、フレームメモリ81aへの信号(輝度情報)の蓄積が完了すると、制御部80はレゾナントスキャナー15の往路と復路で読み取られた信号(輝度情報)を交互に重ね合わせるために、往路の画像領域と復路の画像領域を区分けする。
なおミラー15aの振り角は、制御部80で直接制御されるものではない。そこで制御部80は、フレームメモリ81aの入力欄dnmを所定の位置で2分割して、往路の画像領域と復路の画像領域とみなす。つまり図6(a)では、制御部80は、基準位置Oを介して紙面左側を往路の画像領域D1,紙面右側が復路の画像領域D2とみなす。そして、走査線の異なる往路の画像領域D1と復路の画像領域D2とを重ね合わせるために、制御部80は、基準位置Oを軸に画像領域D1(又は画像領域D2)の信号(輝度情報)の並びを反転させる。そして画像領域D1の画素と画像領域D2の信号(輝度情報)を走査線毎に交互に並べて、モニタ70に表示される第1撮影画像の元となる基準画像を形成する。
ところで、レゾナントスキャナー15のミラー15aの振り角は、駆動部15aの駆動状態の変化に依存する。その為、同期信号とミラー15aの振り角との間に位相差が生じてしまうと、図6(b)に示すように、トリガ信号に基づく画像の取り込み開始位置が、走査線方向にずれてしまう。この場合、画像領域81aを2分割する位置を基準位置Oとして、往路の画像と復路の画像を区分けすると、実際の境界位置O1と基準位置Oとの間にずれが生じる。
同様にレゾナントスキャナー15の発振周波数が変化すると、図6(c)に示されるように、水平方向の画像のサイズが変化する。例えば、発振周波数が高くなると、一走査線当たりで読み取られる画素数が少なくなり画像が走査線方向に圧縮される。つまり一画素がカバーする範囲が広くなるため縮小系となる。一方、発振周波数が低くなると、走査線毎に読み取られる画素数が多くなり、画像が走査線方向に伸びたものになる。なお、図6(c)では画素数が減り、画像が圧縮される例を示している。この場合にも、仮の基準位置Oと、実際の往路の画像領域D1と復路の画像領域D2の境界位置O2との間にずれが生じる。そして、誤った基準位置Oに基づいて、画像領域D1(又は画像領域D2)の輝度情報の並びが反転され、基準画像が形成されると、副走査方向に隣り合う信号(輝度情報)間で歪が生じてしまい、画質が低下してしまう。
なおレゾンナントスキャナー15の往復走査で1画像を生成する際に生じる基準位置Oのずれは、レゾナントスキャナー15の発振周波数が変化するほど現れ易くなる。特に、波面補償光学系を備える眼底撮影装置では、細胞レベルの撮影画像を高速で取得することが求められており、基準位置Oのずれが生じやすくなるおそれが有る。
そこで、本実施形態では、往路の画像領域D1と復路の画像領域D1の境界に基準位置が正しく設定されるようにする。なお設定される基準位置は、基準位置情報として記憶部81に記憶される。
図7に基準位置の設定のためのフローチャートを示す。まず、ステップS101で、レゾナントスキャナー15の一走査(走査線)毎に、受光素子56が眼底からの反射光を読み取って、輝度情報として入力欄dnmに蓄積する。この時、ガルバノミラー15は、副走査方向に走査されている。次にステップS102で、制御部80は、フレームメモリ81aを2分割する仮の基準位置Oを設定して、仮の往路画像領域D1と仮の復路画像領域D2に分ける。そして、ステップS103で、仮の往路画像領域D1から任意の特徴部位を抽出すると共に、仮の復路画像領域D2から、仮の往路画像領域D1で抽出された画像領域と相関の高い画像領域を検出する。
次にステップS104で、制御部80は、仮の往路画像領域D1で抽出された特徴部位の中心から仮の基準位置Oまでの距離ΔLと、仮の復路画像領域D2で抽出された特徴部位から仮の基準位置Oまでの距離Δrを求める。そして、次式を用いて実際の基準位置O1に対する仮の基準位置Oのずれ量Δdを求める。
Figure 0006217065
例えば、仮の基準位置Oに対して実際の基準位置O1が主走査方向(紙面右側)に距離Δdずれている場合、制御部80は、ステップS105で、各入力欄dnmの信号(輝度情報)の座標を距離Δd(紙面左側)シフトさせる補正をする。このような処理によって、レゾナントスキャナー15の往路と復路で読み取られた信号(輝度情報)に対して基準位置O1が正しく設定され、往路の画像領域D1と復路の画像領域D2が正しく設定される。そして上記の画像処理によって、往路の画像と復路の画像が合成されることで、基準画像が精度良く形成される。
なお以上のように基準画像が形成されたら、制御部80は基準画像を構成する信号(輝度情報)を順次読み出してモニタ70に表示させる。この時、本実施形態では、フレームメモリ81aの基準画像の情報は、一旦画像補正部81bで変換される。これにより、画像補正部81bの情報が順次出力されることで、基準画像に含まれる画素の歪が更に補正される。そして、ステップS106で、モニタ70に第1眼底画像が好適に表示されるようになる。
第2撮影画像70bにおける異なる領域(撮影箇所)を観察したい場合は、図4(c)に示されるように、コントロール部92の操作で、第2撮影画像70b上に表示されたマークMを適宜移動させる。なおカーソルをモニタ70に表示させ、カーソルにてマークMが適宜移動される構成としてもよい。また第2撮影画像70bにおいて、第1撮影画像70aの撮影が完了した領域(マークMが表示されていた範囲)の表示状態を変えることで、第2撮影画像70b上で第1撮影画像70aの撮影の完了を視覚的に分かり易く示しても良い。以上のようにして、異なる第1撮影画像の撮影位置が指定されると、制御部80は新しく指定された第1撮影画像の撮影位置に対応するガルバノスキャナー40の条件を求め、ガルバノスキャナー40の駆動制御をする。
<画像補正>
また本実施形態のように、レゾナントミラー15の主走査と、ガルバノスキャナー40で副走査とが組合せられる場合、ガルバノスキャナー40は副走査方向に等速直線運動で移動されることが動作の安定性上で好ましい。しかしガルバノスキャナー40が等速で移動されると、主走査方向の各走査線の両端(左右位置)で形成される画素に歪が生じる場合がある。図8に眼底の撮影領域とガルバノスキャナー40の副走査による走査線との関係の説明図を示す。なおここでは説明の便宜上、レゾナントスキャナー15の主走査による走査線の記載は省略する。図8(a)は、眼底の撮影領域に対するガルバノスキャナー40の走査軌跡の説明図であり、撮影領域R、ガルバノスキャナー40の各走査線Ln(n=1、2、・・・、m)、ガルバノスキャナー40の走査線に連動して受光素子56で画素が取得されるサンプリングポイントPn(n=1、2、3、・・・、m)である。図8(b)はモニタ70上の第1撮影画像の表示領域であり、各サンプリングポイントPn(n=1、2、3、・・・、m)で読み取られた画素の表示領域rが走査線Ln(n=1、2、・・・、m)毎に用意されている。
例えば、図8(a)に示されるように、ガルバノスキャナー40の走査線L1と、走査線L2を見たときに、副走査方向に隣り合うサンプリングポイントP1とP6で読み取られる信号(輝度情報)は離散的になり、副走査方向に隣り合うサンプリングポイントP6とP7で読み取られる信号(輝度情報)は重複してしまう。この場合、モニタ70に加算平均画像を表示させる場合には、眼底画像の画質がさらに低下するおそれが有る。また眼底の輝度値の分布状態と、モニタ70の第1撮影画像の輝度値の分布状態との間に差があると、トラッキングを行う際に誤動作の原因にもなり得る。一方で、これを避けるために、走査線の端部で読み取られた信号(輝度情報)を捨てて、誤差が少ない走査線の中央部の輝度情報のみで第1撮影画像を形成することも考えられるが、一度の撮影で表示される第1撮影画像の画角が小さくなり、撮影回数と撮影時間が増加し、患者の負担となることが懸念される。また、このような走査線の端部でのし輝度情報のばらつきは、第1撮影画像を出来るだけ早く形成するために、ガルバノスキャナー40の速度を上げた場合に顕著になるおそれがある。
そこで、本実施形態では、図8(c)に示されるように、副走査方向に隣り合うサンプリングポイントPnで読み取られた信号(輝度情報)を平均化して第1撮影画像70aを構成する新たな信号(輝度情報)を生成する。例えば、図8(c)において、制御部80は、サンプリングポイントP1とP6で読み取られた信号(輝度情報)の平均値を求めて、、図8(d)に示されるように、モニタ70の所要の表示領域rに表示させる。このようにすると、ガルバノスキャナー40の等速直線運動による左右位置での画素の偏りの影響が抑えられる。また、画素の輝度の平均化によって、副走査方向に隣り合う位置で取得された輝度情報に差(ズレ)が生じていた場合に、そのズレ量が平均化の処理により低減される。これにより、モニタに第1撮影画像70aが精度良く表示されるようになる。
なお、以上のような輝度情報の平均化処理は、少なくとも誤差が含まれる可能性のある第1撮影画像70aの左右位置の所定領域に含まれる輝度情報を対象として行われても良い。画像処理が必要な領域に対してのみ行われることで、より効率よく画像が形成される。また上記では副走査方向に隣り合う信号(輝度情報)の平均値を求めているが、これ以外にも、隣り合う信号(輝度情報)に基づいて新しい輝度値を持つ信号が生成されれば良い。例えば、加算処理等の演算によって新しい輝度値を持つ信号(輝度情報)が生成されても良い。
<画像の歪補正>
また上記では、装置の駆動時に画像処理で第1撮影画像の歪補正をする例を説明した。これ以外にも、レゾナントスキャナー15の検知信号を用いて、第1撮影画像の歪を補正することができる。つまり上述の画像処理による歪補正では、補正チャートの情報を基準位置情報として予め取得する必要がある。その為、撮影の途中でレゾナントスキャナー15の振り角に変化が生じ、第1撮影画像に再度歪が生じた場合には、補正チャートの取り直しが必要となる。そこで、輝度情報と共にレゾナントスキャナー15の走査角度の情報(走査位置信号)を取得する。そして走査位置信号から、サンプリングポイントpn(n=1、2、・・・、m)毎に走査角度の変化量を求め、サンプリングポイントpn毎の走査角度の変化量が一定値となるように、取得された輝度情報の走査角度の情報を補正する。このようにすると、撮影の途中でレゾナントスキャナー15の振り角に変化が生じたとしても、変化量の影響による画像の歪が抑えられて、モニタ70に第1撮影画像を継続して精度良く表示できる。
以下、第2変用例の眼科撮影装置を説明する。図9は、レゾナントミラー15の走査軌跡とサンプリングポイントpnとの関係の説明図である。ここで、サンプリングポイントpn、走査角度の変化量を求める際の基準となる直線状の走査軌跡(基準ライン)line、走査位置信号に基づき取得されたレゾナントスキャナー15の正弦波状の走査軌跡(測定ライン)rezとする。
本実施形態では、上述の眼科撮影装置の駆動部15bに、ミラー15aの振り角を検知するための図示を略す検知部を取り付ける。検知部は、駆動部15bの電圧信号から、サンプリングポイントpn(n=1、2、・・、m)毎にレゾナントスキャナー15の走査位置信号を取得する。そして走査位置信号は輝度情報に関連付けられてメモリ81に記憶される。なお、基準ラインlineは、第1撮影画像の画角と走査速度によって走査角度[deg]を決定し、サンプリングポイントpn毎の走査角度の変化量を一定(a0)とすることで得られる直線波形の情報であり、予めメモリ81に記憶される。なお基準ラインlineのように、サンプリングポイントpn毎に、走査角度が等間隔で変化すると、眼底の反射光による輝度情報が一定の間隔で取得されるようになる。そこで、第2変用例では、メモリ81に記憶された基準レベルlineと測定ラインrezを比較し、レゾナントスキャナー15aの走査角度の変化量を求める。第1撮影画像を形成する輝度情報の位置を、走査角度の変化量に基づき補正することで、レゾナントスキャナー15の速度変化に伴い生じる第1撮影画像の歪を取り除くことができる。
以上の構成を備える第2変用例の眼科撮影装置を説明する。図10は図9の拡大図である。先ず、制御部80は、走査部材の駆動制御で眼底に対して照明光を二次元的に走査させ、眼底からの反射光をサンプリングポイントpnに合わせて受光素子56で受光して光電変換する。また制御部80は検知の検知結果から、サンプリングポイントpn毎にレゾナントスキャナー15の走査位置信号を取得する。この時、レゾンナントスキャナー15の走査軌跡(測定ラインrez)は正弦波状に変化する。その為、図10に示されるように、サンプリングポイント毎に、走査角度[deg]の変化量a1、a2、・・・が変わる。この例では、基準ラインlineに対して、a1/a0、a2/a0、・・・のように走査角度[deg]の変化量に差が生じる。この場合、第1撮影画像を生成するために、輝度情報を画素としてモニタ70上に等間隔で配置する画像処理をすると、第1撮影画像の中央部と周辺部とで画像の歪みが生じてしまう。つまり、レゾナントスキャナー15の走査角度が基準である0[deg]から離れるにつれて、走査角度の移動量が小さくなり、眼底から輝度情報を取得する間隔が狭くなる。このように取得された輝度情報をモニタ70に等間隔で並べる処理をすると、第1撮影画像の中央部に対して周辺部が伸びたような画像が表示されてしまう。
そこで、本実施形態では、サンプリングポイントpn(n=1、2、・・・、m)毎に、基準レベルlineの角度変化量の基準値a0に対する測定ラインrezの角度変化量の比率を求める。そして角度変化量の比率が一定となるように、第1撮影画像を形成する信号を求める画像処理をする。つまり図10のサンプリングポイントp1で取得された輝度情報に対しては、a1/a0だけ角度[deg]の補正を行い、サンプリングポイントp2で取得された輝度情報に対しては、a2/a0だけ角度[deg]を補正する。このようにすると、特に第1撮影画像の周辺部に生じる歪が抑えられる。なお上記の補正では、基準レベルlineと測定ラインrezの周波数は等しく、基準レベルlineと測定ラインlineの走査角度0[deg]は一致されているとする。
図11に、信号(画素)の補正量の説明図を示す。例えば走査の経過時間が37.5μsの時、モニタ70上で本来5.0μmの位置に置かれる信号(画素)は、約4.8μの位置に置かれる。走査の経過時間が45.0μsの時、本来8.0μmの位置に置かれる信号(画素)は約6.4μmの位置に置かれる。このように信号(輝度情報)の表示位置の補正によって画像の歪が抑えられる。
図12に、本実施形態の画像処理による歪補正前と歪補正後の画像の比較例を示す。図12(a)の歪補正前では第1撮影画像の左右端部に画像の乱れが生じている。一方、図12(b)の歪補正後では、第1撮影画像の左右端部の乱れが抑えられていることが分かる。
なお上記では走査部材(レゾナントスキャナー)の振り角の変化量を求め、取得された輝度情報(画素)の位置補正(角度補正)をしている。これ以外にも、レゾナントスキャナーの走査位置信号の検出結果に基づき、サンプリング(サンプリングクロック)の周波数を変化させて、受光素子56で輝度情報を取り込むタイミングを調節することで、画像の歪を抑えることができる。なおサンプリング周波数の変調にはFM変調など、周知の周波数変調方式が用いられる。例えば、図13に示すように、検出部でレゾナントスキャナー15aの1周期分(T1)の波形変化を検出して、次の1周期(T2)で、周期T1で取得された波形変化に基づき、サンプリング周波数を周波数変調させて、輝度情報を取得するタイミングを調節する。具体的には、走査角度の基準である0度から、走査角度が大きくなる(離れる)につれて、受光素子56で輝度情報を取得するタイミング(サンプリングポイントの間隔)を遅くする。つまり周波数を低くする処理をする。このような処理により、レゾナントスキャナー15の速度変化によらず、眼底の輝度情報が一定間隔で取得されるようになる。その為、上述のような画像処理による補正をする事無く、効率よく歪が抑制された第1撮影画像をモニタ70に表示される。
なお上記では眼科撮影装置として、眼の収差を除去する波面補償部を持ち眼底を撮影する眼底撮影装置を例に挙げて説明した。これ以外にも共振スキャナーを持つ走査部材の走査で被検眼を照明し、眼からの反射光を受光素子で受光して眼の観察又は撮影を行う眼科装置に、本発明に掛かる構成が適用可能である。例えば、被検眼の角膜からの反射光を受光して、角膜内皮細胞等の観察又は撮影を行う眼科撮影装置等に適用される。
眼科撮影装置の外観図である。 眼科撮影装置の光学系の説明図である。 眼科撮影装置の制御ブロック図である。 モニタの表示画面の例である。 走査部材の走査状態の説明図である。 フレームメモリの説明図である。 基準位置設定のフローチャートである。 眼底撮影領域とガルバノスキャナーの副走査との関係の説明図である。 第2変用例の歪補正の原理の説明図である。 図9の歪補正の原理の説明図の拡大図である。 第2変用例の歪補正の具体例である。 第2変用例の歪補正前後の撮影画像の例である。 第3変用例の説明図である。
1 光源
10 視度補正部
56 受光素子
70 モニタ
80 制御部
81 記憶部
92 コントロール部
100 第1撮影ユニット
100a 第1照明光学系
100b 第1撮影光学系
110 波面補償部
200 第2撮影ユニット
500 眼科撮影装置

Claims (1)

  1. 被検者眼の眼底を照明する照明光源を持つ照明光学系と、
    前記照明光源の光束を前記眼底に対して走査線毎に往復振動させる共振型光スキャナーを持ち、前記光束によって眼底上を二次元走査するための走査部材と、
    前記眼底からの反射光を受光して光電変換し所要の信号を出力する受光素子と、
    を備える眼底撮影光学系と、
    前記共振型光スキャナーによる往路走査と復路走査とが副走査方向に関して互いに異なる走査線で行われることにより眼底上が前記光束によって二次元走査されるように前記走査部材を制御する走査制御手段と、
    1フレーム分の二次元走査において前記受光素子から出力される信号に基づいて眼底画像を得る画像生成手段と、を備え、
    前記画像生成手段は、
    前記走査線毎の走査部材の往復振動で取得された前記信号に基づく前記撮影画像を、前記往路走査による画素列と、前記復路走査による画素列と、に区分けするための基準位置を定め、
    前記基準位置に基づいて区分けされた前記往路走査による素列を複数、副走査方向に並べることにより第1眼底画像データを生成すると共に、前記基準位置に基づいて区分けされた前記復路走査による素列を複数、副走査方向に並べることにより第2眼底画像データを生成し、
    前記往路走査による複数の画素列を含む前記第1眼底画像データと、前記復路走査による複数の画素列を含む前記第2眼底画像データとの相関に基づいて、前記基準位置を補正し、
    補正後の基準位置に基づいて区分けされた往路走査による複数の画素列による第1眼底画像データと、補正後の基準位置に基づいて区分けされた復路走査による複数の画素列による第2眼底画像データと、を合成して、合成眼底画像を得ることを特徴とする眼科撮影装置。
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