JP4281184B2 - 分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線マイクロアナライザやX線分析装置等の分析装置に関し、特に二次元走査で得られる二次元画像の補正に関する。
【0002】
【従来の技術】
EDX(エネルギー分散X線分光)やWDX(波長分散X線分光)を用いた電子マイクロアナライザ(EPMA)や走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子線分析装置やX線分析装置等の分析装置は、試料上に電子線や単色X線の励起源を照射し、この照射によって試料から発生する二次電子線、反射電子線、特性X線等を検出することによって試料の表面分析や元素分析を行う。図15は分析装置の概略図である。分析装置1では、励起源11あるいは試料ステージ12を二次元的に走査し検出器13で検出することによって、試料Sの表面の凹凸や元素分析の二次元的な像を得ることができる。このような分析をマッピング分析と呼び、得られる二次元画像をマッピング画像と呼んでいる。
【0003】
マッピング分析では、励起源11と試料ステージ12はx方向及びy方向に相対的に移動することによって試料面を二次元的に走査しており、通常、x方向に一ライン分移動しながらデータを取得した後、y方向に一ラインずらす操作を繰り返すことによって、1フレーム分の走査画像を取得している。
上記マッピング分析の走査を試料ステージを駆動して行う場合には、2つの測定モードが知られている。一つの測定モードは試料ステージをx方向の一方向に駆動したときのみデータを測定するものであり、他の測定モードは試料ステージをx方向の一方向の駆動と逆方向の駆動の両方向においてデータを測定するものであり、仮に前者を片道測定モードと呼び、後者を往復測定モードと呼ぶ。図16はマッピング分析の走査を説明する図であり、図16(a)は片道測定モードを示し、図16(b)は往復測定モードを示している。
【0004】
片道測定モードでは、図16(a)に示すように、走査開始点Sから走査を始め、x方向に試料ステージを駆動して一方向のラインX(実線で示す)についてデータを取得し、ラインY(破線で示す)に示すように、y方向に1ライン分ずらしながらx方向の逆方向に試料ステージを駆動する操作を走査終了点Eまで繰り返すことによって、1フレーム分の画像データを取得する。
往復測定モードでは、図16(b)に示すように、走査開始点Sから走査を始め、x方向に試料ステージを駆動して一方向(往路方向)のラインXf(実線で示す)についてデータを取得し、さらにx方向の逆方向(復路方向)に試料ステージを駆動して他方向のラインXb(実線で示す)についてデータを取得する操作を走査終了点Eまで繰り返すことによって、1フレーム分の画像データを取得する。
【0005】
分析装置の試料ステージを駆動する駆動装置は、一般にステッピングモータ、ボールネジ、クロスローラベアリング等を用いた直線移動ガイド等で構成されている。これらを構成する機械系は、通常に数μm〜十数μm程度のバックラッシュが存在する。
通常、片道測定モード及び往復測定モードでは、x方向の開始端側(図16の左端側)では位置合わせを行うが、x方向の終了端側(図16の右端側)では位置合わせを行わず、機械系が含むバックラッシュによってx方向の折り返しにおいて試料ステージに位置ずれが生じる。片道測定モードでは、x方向の開始端側からの移動時(往路方向)にのみにデータを取得するため、得られる二次元画像にはバックラッシュによる位置ずれによるx方向の画像ずれの影響は無視することができる。一方、往復測定モードでは、x方向の終了端側からの移動時(復路方向)においてもデータを取得するため、得られる二次元画像はバックラッシュによる位置ずれによって、x方向に画像ずれが生じることになる。
【0006】
通常、このバックラッシュによるx方向の画像ずれを防止するために、あらかじめ適当なバックラッシュ量を定めておき、復路方向で測定する際にバックラッシュ量に相当するパルス数だけ余分に試料ステージを駆動させている。
また、x方向の画像ずれが生じた二次元画像を後処理で補正する方法も提案されている。第1の補正方法は、はじめに適当なバックラッシュ量を想定し、復路成分の画像データを指定したバックラッシュ量だけシフトして二次元画像を形成し、該二次元画像を目視で評価するという作業を、バックラッシュ量を変更しながら繰り返すことによって最適なバックラッシュ量を求め、これによって補正量を求めるものである。また、第2の補正方法は、復路方向の1ラインのデータを、一つ前の往路方向ラインあるいは一つ後の往路方向ラインのデータと比較し、その差が最も小さくなるようにシフトして補正量を求めるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したx方向の画像ずれの防止や補正の方法では、x方向の画像ずれを十分に除くことができず、また作業の手間や時間がかかるという問題がある。
通常、バックラッシュ量は、試料ステージの測定時の駆動速度(データ一点あたりの測定時間)や、試料ステージ上の試料位置や試料の重量によって変化する。そのため、適切なバックラッシュ量を指定するには、実際の測定条件で測定を行い、得られた二次元画像のx方向の画像ずれを目視等で計測し、得られたx方向の画像ずれに基づいてバックラッシュ量を変更して再度測定を行うという作業を繰り返す必要があり、作業の手間や時間がかかるという問題がある。
【0008】
試料ステージ上の試料位置や試料上の分析領域によっては、測定開始から測定終了の間でバックラッシュ量が変化する場合があり、このような場合には、事前にバックラッシュ量を計測して指定したとしても、x方向の画像ずれが残り、1フレーム内の全領域についてバックラッシュを除去することは困難である。
また、バックラッシュ量を定めるためには、一度分析領域全体について分析してx方向の画像ずれを評価する必要があり、電子ビーム等の励起源の照射によって試料がダメージを受けて、同一の場所を分析することができないという、分析装置にとっては致命的な問題もある。
【0009】
また、第1の補正方法では、試行錯誤的に作業を繰り返す必要があるため作業性が悪いという問題があり、さらに、画像中でバックラッシュ量が変化している場合には対応することができない。
また、第2の補正方法では、x方向に十分な変化がある場合には良好に補正することができるが、x方向の変化が少ない領域では、補正量の信頼性が低下するという問題がある。また、y方向の測定間隔が大きい場合にも、比較する往路成分と復路成分との間の相関性が小さくなり、補正量の信頼性が低下するという問題がある。
x方向の画像ずれは、機械系によるバックラッシュに限らず他の要因で生じる可能性もある。
【0010】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、二次元画像のx方向の画像ずれを良好に補正することを目的とし、さらに詳細には再度の分析を要することなくx方向の画像ずれを補正すること、1フレーム内の二次元画像の全領域についてx方向の画像ずれを補正することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、x方向の画像ずれを含む二次元画像を後処理で補正するものであり、復路方向のラインデータと、往路方向のラインデータとを各隣接するラインを単位として比較するのではなく、複数のラインからなる領域を単位として比較し、その差が最も小さくなるようにシフトして補正量を求めるものである。
そこで、本発明の分析装置は、励起源に対して試料ステージを、x方向の往復動をy方向に順次移動させて繰り返すことによって二次元測定画像を測定する分析装置において、二次元測定画像をx方向の2つの異なる移動方向による画像成分群に分割し、画像成分群間の信号強度の偏差を最小とする補正量を算出する補正手段を備えた構成とする。
【0012】
図1は本発明の補正手段による処理を説明するフローチャートである。補正手段は分析装置本体あるいは記憶手段から測定した画像データを入力し(ステップS1)、画像データを画像成分群のブロックに分割し(ステップS2)、ブロックを単位として画像ずれのずれ量Dを求め(ステップS3)、該ずれ量Dから画像ずれを補正する補正量Cを求める(ステップS4)。
補正手段は、測定した画像データから、画像成分群を単位として復路方向と往路方向の画像ずれを補正する補正量を算出することによって、一度の分析によって再度の分析を要することなくx方向の画像ずれを補正することができ、また、画像成分群を単位とすることによって、x方向の変化が少ない領域においても補正量の信頼性を向上させることができる。
【0013】
補正手段は、画像成分群を単位とする復路方向と往路方向の画像ずれを補正する補正量を算出する一構成を、二次元測定画像をx方向の2つの異なる移動方向の画像成分に分離し、同じ移動方向で隣接する複数の画像成分を各移動方向毎の画像成分群に分割する画像分割機能と、分割したいずれか一方の移動方向の画像成分群をx方向にずらす画像シフト機能と、x方向にずらした画像成分群と他方の移動方向の画像成分群との信号強度の偏差を、画像成分群を単位として比較する画像偏差評価機能と、信号強度の偏差を最小とするシフト量から補正量を算出する補正量算出機能と、該補正量の基づいて画像データを補正する画像補正機能の各機能によって構成とすることができる。
【0014】
画像成分の分割は1フレームを単位とすることも、あるいは1フレームをy方向で複数の領域に分割し、各領域を単位とすることもできる。y方向で分割した複数の領域を単位として補正を行うことによって、画像中でバックラッシュ量が変化している場合にも、補正量の信頼性を向上させることができる。
また、補正手段の他の態様は、二次元測定画像をy方向の複数の領域に分割し、分割した各領域についてx方向の2つの異なる移動方向による画像成分群に分割し、該画像成分群間の信号強度の偏差を最小とする補正量を算出し、各領域で算出した補正量を曲線近似して補正曲線を算出する構成とする。
この補正手段の態様によれば、補正曲線によって各ライン毎に補正量を算出することができるため、y方向の測定間隔が大きく比較する往路成分と復路成分との間の相関性が小さい場合にも、補正量の信頼性を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の分析装置の補正機能を説明する図であり、本発明の分析装置1は分析装置本体10及び補正手段2を備える。なお、分析装置本体10は、図15で概略を示したように、試料ステージを二次元的に走査し検出器で検出することによって、試料の表面の凹凸や元素分析の二次元的な像を求めるものである。補正手段2は、分析装置本体10あるいはあらかじめ測定して記憶しておいた二次元測定画像の画像データD1を入力する。画像分割機能2aは、画像データD1をx方向の2つの異なる移動方向の画像成分に分離し、同じ移動方向で隣接する複数の画像成分を各移動方向毎の画像成分群(往路方向成分の画像データDf及び復路方向成分の画像データDb)に分割する。画像シフト機能2bは、分割したいずれか一方の移動方向の画像成分群(往路方向成分の画像データDfあるいは復路方向成分の画像データDbを)x方向にシフトする。
【0016】
画像偏差評価機能2cは、画像シフト機能2bでシフトした画像成分群と、シフトしていない画像成分群とを入力し、両画像成分群の信号強度の偏差を比較する。この比較は、画像シフト機能2bによるシフト量を変更して行い、両画像成分群の信号強度の偏差を最小とするシフト量を求め、補正量算出機能2dはこのシフト量から補正量を算出する。画像補正機能2eは、算出した補正量に基づいて画像データD1を補正し、補正画像データD2を出力する。
【0017】
次に、図3のフローチャート,及び図4の概略図を用いて画像データの補正処理について説明する。分析装置本体で検出した画像データを取り込み(ステップS11)、往路成分Dfと復路成分Dbに分割する。図4(a)は入力した画像データは、x方向の画像ずれによってy軸方向の直線が黒丸で示されるように位置ずれしている状態を示している。この画像データから往路成分Dfと復路成分Dbを取りだし、往路成分Dfと復路成分Dbに分割する(ステップS12)。復路成分Dbの画像ずれのずれ量を求めるために、復路成分Dbをx方向にシフトさせ、往路成分Dfとの偏差deを求める。そこで、シフト量Sを設定し(ステップS13)、設定したシフト量Sだけシフトさせた復路成分Dbと往路成分Dfとの画像ずれの偏差deを求め、この画像ずれの偏差deが最も小さくなるシフト量Sを求める。図4(b)及び図4(c)は、復路成分Dbのシフト状態と偏差deの関係を模式的に示している(ステップS14,15)。
偏差deを最も小さくするシフト量Sを補正量Cとして求める(ステップS16)。
【0018】
ここで、往路成分Dfと復路成分Dbとの偏差deを求める一例を、二次元検出器で検出した二次元の画素データを例として示す。なお、図5,6において、各矩形は画素を表し、画素内の数値は画像ずれがない場合のx,yの位置を示している。図5(a)は画像ずれがない場合の画素データ(n×m)を示し、図5(b)は復路成分Dbが1画素分だけ画像ずれした状態を示している。
図5(b)から往路成分Dfと復路成分Dbとを取りだして画像成分群に分割する。図6(a)は往路成分Dfの画像成分群を示し、図6(b)は復路成分Dbの画像成分群を示している。往路成分Dfと復路成分Dbとの偏差deを画像成分群を単位として算出するために、各対応する画素毎に信号強度Iの差の二乗の総和を評価値として求める。往路成分Dfの画素の信号強度をIfijとし、復路成分Dbの画素の信号強度をIbijとすると、評価値はΣ(Ifij―Ibij)2 で表される。
【0019】
復路成分Dbの画像成分群のシフト量を画素単位で変化させ、評価値を算出する。図6(c),(d)は、それぞれ1画素分及び2画素分だけx方向にシフトさせた復路成分Dbを示している。評価値は、往路成分Dfとシフトさせた復路成分Dbとの間でΣ(Ifij―Ibij)2 の演算値を求める。算出した評価値を最小とするx方向のシフト量を求め,このシフト量から画像ずれの補正量を求める。復路成分をシフトさせたことにより、各ラインの両端では当然、往路と復路のデータが両方存在しない部分が生じる。これらは計算から除去する。
【0020】
次に、補正量の算出において、画像成分群は1フレームを単位とすることも、あるいは1フレームを分割した領域を単位とすることもできる。以下、分割した領域を単位として補正量を算出する例について説明する。
x方向の画像ずれのずれ量はy方向で異なる場合がある。図7(b)は、図7(a)に示す直線がy方向で異なるずれ量で画像ずれした状態を示している。
【0021】
本発明の分析装置は、分割した領域を単位として補正量を算出することによって、y方向でずれ量が異なる場合にも適切な補正量を算出することができる。なお、図7に斜線部分は復路成分Dbを示し、無地部分は往路成分Dfを示している。
【0022】
図7(b)において、1フレームを領域R1と領域R2に分割する。領域R1は、ずれ量Daを有し(図7(c))、ずれ量Daを補正する補正量Caを算出する。また、領域R2は、ずれ量Dbを有し(図7(e))、ずれ量Dbを補正する補正量Cbを算出する。算出した補正量Ca,Cbを用いて各領域を補正することにより、より適切な画像ずれを補正することができる。
【0023】
さらに、複数の領域で求めた補正量に基づいて補正曲線を形成し、この補正曲線によって画像ずれの補正をより細かく行うことができる。以下に、図8のフローチャート及び図9の画像の概略図を用いて補正曲線を形成する例について説明する。
分析装置本体で検出した画像データを取り込む。(a),図9(b)は、y軸方向の直線像(図9(a))がy方向に異なるずれ量で画像ずれしている状態を示している(ステップS21)。1フレームの画像データをy方向の複数の領域R1〜R4に分割する。なお、分割数は任意とすることができる。また、同じライン数の領域に等分割とすることも、画像ずれの状態や試料に応じて異なるライン数の領域に分割することもできる。例えば、画像ずれの程度が大きく変化する部分や詳細な観察を要する部分については、少ないライン数の領域に分割し、画像ずれの程度の変化が小さい部分や詳細な観察を要さない部分については多いライン数の領域に分割する(ステップS22)。
【0024】
分割した各領域内において、各ラインを往路成分Dfと復路成分Dbに分割する。図9(c),(d)は領域R1〜R4内のラインを往路成分Dfと復路成分Dbに分割する状態を示している。各領域内はほぼ同程度に画像ずれしている(ステップS24)。領域nにおいて、前記したステップS13〜ステップS16と同様にして、シフト量Sを設定し(ステップS25)、往路成分Dfと復路成分Dbとの画像ずれ量deを求め(ステップS26)、該画像ずれ量deを評価値として最小となるシフト量Sを求め(図9(e))(ステップS27)、該シフト量を領域nにおける補正量Cnとする(ステップS28)。
領域nを替えてステップS24〜ステップS28を繰り返し、全領域について補正量Cnを求める。図(ステップS23,29)。
【0025】
求めた複数個の補正量Cnを図9(f)に示すように軸方向にプロットし、これらの補正量の点を最小自乗法や直線補間やスプライン補間等で近似し補正曲線を求める(ステップS30)。補正曲線から補正する復路成分Dbに対応する補正量を求め、復路成分Dbをこの補正量だけシフトすることによって、該復路成分Dbの画像ずれを補正することができる。
往路成分Dfと画像ずれを補正した復路成分Dbとを用いて画像の再構成を行うことによって、画像ずれを補正した1フレーム分の画像を再構成することができる。なお、復路成分Dbを補正量だけシフトした場合には、シフトによって往路成分Dfと対応する画像データが不足する部分が発生する場合がある。この場合には、復路成分Dbに隣接する往路成分Dfから対応する画素のデータを転用する等によって画像を再構成する(ステップS31)。
【0026】
図10〜図14は本発明の分析装置による画像例及び数値例である。図10は画像ずれを補正する前の元画像であり、画素数は512ピクセル×512ピクセルである。この画像の往路成分と復路成分を取りだし、各成分で画像を再構成すると図11に示す画像となる。
図10,11の画像について、往路成分16ラインと復路成分16ラインの計32ラインを単位とする計16個の領域に分割し、各領域毎に最適な補正量を求める。図13は最小自乗法で最適な補正量を求めた数値例であり、0ピクセルから25ピクセルまで1ピクセル単位でシフト量を変化させながら、各画素において往路成分と復路成分の信号の強度差の二乗を加算した値を求めて描画したグラフを示している。図示する数値例では、20ピクセルの補正量で評価値が最小となり、最適な補正量は20ピクセルであることを示している。
図12は、求めた最適補正量で復路成分を補正し、往路成分と共に画像を再構成した画像を示している。再構成した画像によれば、画像ずれが除去され、明瞭な画像が得られている。
【0027】
また、図14は、補正曲線の一例である。図示する補正曲線では、走査開始から走査終了の間に、最適補正量が30ピクセルから20ピクセルまでほぼ直線的に変化している。なお、補正曲線は、必ずしも最適補正量が直線的に変化するとは限らず、試料自体の状態や、試料ステージ上の試料の位置等で変化する。
【0028】
本発明の実施の形態によれば、画像全体に一定量の画像ずれがある場合に限らず、画像中で画像ずれが変化している場合においても、各ライン毎に最適な補正量で補正することができる。
本発明の実施の形態によれば、画像中にx方向の画像変化が少ない部分が含まれる等の画像の特性に関わらず、最適な補正量で補正することができる。
本発明の実施の形態によれば、マッピング分析において、測定条件に応じたバックラッシュ量をあらかじめ求めるための予備測定を行う必要がないため、分析時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態によれば、画像ずれを含む画像データからずれを補正することができるため、電子ビームなどの励起源の照射によるダメージに弱く二度と同一場所の分析が困難な試料についても分析が可能である。また、画像ずれを含む画像データからずれを補正することができるため、測定したデータを捨てることなく測定データを有効利用することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の分析装置によれば、二次元画像のx方向の画像ずれを良好に補正することができ、また、詳細には再度の分析を要することなくx方向の画像ずれを補正し、1フレーム内の二次元画像の全領域についてx方向の画像ずれを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補正手段による処理を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の分析装置の補正機能を説明する図である。
【図3】本発明の画像データの補正処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の画像データの補正処理を説明する概略図である。
【図5】往路成分と復路成分を説明する画素の概略図である。
【図6】往路成分と復路成分を説明する画素の概略図である。
【図7】x方向の画像ずれのずれ量がy方向で異なる場合を説明する図である。
【図8】補正曲線の形成を説明するためのフローチャートである。
【図9】補正曲線の形成を説明するための画像の概略図である。
【図10】本発明の分析装置による画像例である。
【図11】本発明の分析装置による画像例である。
【図12】本発明の分析装置による画像例である。
【図13】本発明の分析装置による数値例である。
【図14】本発明の分析装置による数値例である。
【図15】分析装置の概略図である。
【図16】マッピング分析の走査を説明する図である。
【符号の説明】
1…電子線分析装置、2…補正手段、2a…画像分割機能、2b…画像シフト機能、2c…画像偏差評価機能、2d…補正量算出機能、2e…画像補正機能、C…補正量、Df…往路成分、Db…復路成分、de…偏差、10…分析装置本体、11…励起源、12…試料ステージ、13…検出器。
Claims (2)
- 励起源に対して試料ステージを、x方向の往復動をy方向に順次移動させて繰り返すことによって二次元測定画像を測定する分析装置において、
二次元測定画像をx方向の2つの異なる移動方向による複数のラインからなる画像成分群に分割し、該画像成分群間の信号強度の偏差を最小とする補正量を算出する補正手段を備えたことを特徴とする、分析装置。 - 前記補正手段は、二次元測定画像をy方向の複数の領域に分割し、該分割した各領域についてx方向の2つの異なる移動方向による複数のラインからなる画像成分群に分割し、該画像成分群間の信号強度の偏差を最小とする補正量を算出し、各領域で算出した補正量を曲線近似して補正曲線を算出することを特徴とする、請求項1に記載の分析装置。
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