JP2008244472A - コイルの取出しと成形に係る方法又は装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 巻治具の一方21に摺動可能に巻芯13配置。この巻芯13は巻治具の他方22に向って付勢されている。コイル受けピン47U,47Dと巻芯13とを正対させ、巻治具の一方21をコイル扱い部材46側へ移動。コイル受けピン47U,47Dに押され巻芯13後退。コイル56が巻芯13からコイル受けピン47U,47Dへ移行。コイル56を支承したコイル受けピン47U,47Dを離間してコイル56伸長。この伸長方向と交叉する方向に移動可能なプレス治具53L,53Rで、伸長と同時に又は前後してコイル56を押圧、成形。長円形コイル57を得る。
【選択図】図6
Description
(1)整列性
従来手法では、線材の入線位置がコイルの直線部とR部(偏向部)との接続部付近になっている。ここはクロスポイントが出しにくい位置であり、線材の乱れが生じ易い。
(2)コイルの変形
従来手法では、コイルの短径(短軸)方向が膨らむ。このため、コイルが指定寸法に入らないことが多く、炉に入れて再加熱するなどの後処理が必要だった。また、特にハイテンションワイヤーで、コイルの反り、捩れが発生し易かった。
(3)タクトタイム
ア)上記(1)(2)の問題があるため、従来手法では、円形のコイルを巻回する場合の凡そ5分の1程度まで、巻回時の回転数を下げざるを得なかった
イ)また、ボビンレスコイルは、その名の通りボビンが無い。このため、元々寸法が狂い易い。それ故、従来は、寸法を補正すべく成形を加えるにしても、一旦巻芯から外し、それを成形用の治具に手作業で再装着して行なうか、巻線機上で、巻芯に巻回した儘で成形を実行している。言わば、巻回して成形、巻回して成形、というように、作業を交互に直列的に実行している。このことが更にタクトタイムを長くしている。
また、請求項2を引用する請求項3のコイル成形方法では、前記コイルを円形又は楕円形に形成し、該コイルに対して前記伸長、押圧を実行する。
また、請求項2又は請求項3を引用する請求項4のコイル成形方法では、前記伸長、押圧の際、幅規制部材で前記コイルの幅を規制する。
また、請求項5又は請求項6を引用する請求項7のコイル取出し成形方法では、前記伸長方向と交叉する方向に移動可能に配置された押圧部材を前記コイルに接近させ、前記伸長と同時に又は前後して前記コイルを押圧し前記コイルを成形する。
また、請求項5、請求項6又は請求項7を引用する請求項8のコイル取出し成形方法では、前記成形の際、幅規制部材で前記コイルの幅を規制する。
また、請求項10又は請求項11を引用する請求項12のコイル成形装置では、更に幅規制部材を備え、前記制御手段は、前記押圧、成形の際、該幅規制部材で前記コイルの幅を規制する。
また、請求項13又は請求項14を引用する請求項15のコイル取出し成形装置では、前記伸長方向と交叉する方向に移動可能に配置された押圧部材を更に有し、前記制御手段は、前記押圧部材を前記コイルに接近させ、前記伸長と同時に又は前後して前記コイルを押圧し、前記コイルを成形する。
また、請求項13、請求項14又は請求項15を引用する請求項16のコイル取出し成形装置では、更に幅規制部材を備え、前記制御手段は、前記成形の際、該幅規制部材で前記コイルの幅を規制する。
本発明では、巻芯から支承部材へとコイルが円滑に移行される。従って、変形等生じさせることなくコイルを取出すことが出来る。しかも、その移行対象たるコイルは、下記(2),(3)で説明するように、高い整列性を備えている。このことも相俟って、コイルは変形等起こすことなく円滑に取出される。
(2)整列性が向上する。
従来の手法では、巻芯の辺の長さが違うため、線材の引込みが脈流的になる。このため、線材の乱れが生じ易かった。しかし、本発明では、線材巻回自体は円形又は楕円形の巻芯で実行される。これだと線材の乱れは生じにくい。しかも高速回転を可能にする。それでも整列性は保たれる。従って、安定した完全整列巻線が可能となる。
(3)コイルの変形が生じない。
従来の手法では、コイルの短径方向が膨らんだ。また、特にハイテンションワイヤーでは、コイルの反り、捩れが発生し易かった。しかし、本発明では、円形または楕円の巻芯で巻線を行う。そのあとで成形する。このため、反り、捩れが起こりにくくなる。
(4)タクトタイム
従来手法では、上記(2)(3)の問題があるために、円形のコイルを巻回する場合に比べ凡そ5分の1程度まで、巻芯回転数を下げざるを得なかった。しかし、本発明なら通常の円形コイルと同じ回転数で巻回することができる。
更に、従来手法では、巻回→成形→巻回→成形というように、その作業を交互に実行するしかなく、そのことがタクトタイムを更に長くしていた。しかし、本発明の巻回手法とコイル受取り手法とを組合せれば、巻回作業と成形作業とを分離することができ、両者の平行実施が可能になる。この点で、更にタクトタイムが短縮される。
ブロック左2には左側へ伸びるトラバスベース14が取着されている。トラバスベース14の上には、摺動フレーム16が配置されている。この摺動フレーム16は、左側のトラバスモータ17で駆動され、線ガイド18をトラバースさせる。
ブロック右3の上方には、上部摺動軸27が摺動自在に支承されている。ブロック右3の下方には、下部摺動軸26が摺動自在に保持されている。これら摺動軸26,27の各右端が、テールプレート23に取着されている。
テールプレート支承シャフト19の右端にはテールプレート用エアシリンダ24が連結されている。このエアシリンダ24への給排気で、テールプレート23及び上部、下部の摺動軸26,27が所要量左右に移動する。
スプラインシャフト4は、テールプレート23に回転自在に支承されている。従動プーリ28もテールプレート23に回転自在に支承されており、テールプレート23と一緒に左右に移動する。
可動側スピンドルの左端には可動側巻治具(治具キャップ)21が取着されている。その中心に巻芯13が摺動自在に保持されている。上部摺動軸27の右端には巻芯進退用エアシリンダ29が取着されている。可動側スピンドルの内部に挿通された連結杆(不図示)が、巻芯13とこのエアシリンダ29とを連結していて、エアシリンダ29への給気により巻芯13を固定側巻治具22(位置決め治具)方向へ付勢している。この固定側巻治具22は固定側スピンドルの右端に取着されており、可動側巻治具21に対向している。
水平ガイド33には、水平移動体34が水平方向摺動自在に支承されている。水平移動体34には水平移動用ボルト36が螺合されている。この水平移動用ボルト36の両端は水平ガイド33に回動自在に支承されている。
水平ガイド33の右端には水平移動用モータ37が取着されている。これに水平移動用ボルト36が連結されていて、水平移動体34を移動させる。
垂直移動体41には、シャッター49も支承されている。垂直移動体41にはシャッター上下用エアシリンダ51とシャッター横移動用エアシリンダ(こちらは不図示)が取着されている。シャッター49はこれらに連結されており、上下、左右に移動する。
次にコイル扱い部材46を下降させ、上下のコイル受けピン47U,47Dを巻芯13に正対させる(図2(2))。このとき、上下のコイル受けピン47U,47の外側の差渡し、即ち、これらを周回する長円の長径は、巻芯13の長径より少し小さくしておく。これで、二つのコイル受けピン47U,47Dは、巻回されたコイル56の内周より少し内側に位置する。
これにより、巻芯13に巻回されていた成形対象コイル56の内側にコイル受けピン47U,47Dが進入し、成形対象コイル56はコイル受けピン47U,47D側に移行して、これらに外嵌する形で支承される(図2(3))。
次にコイル扱い部材46を上昇させる(図3(5))。そのあと後退させる(図4(6))。これで成形対象コイル56は二つのプレス治具53L,53Rの間に位置決めされる(図6(9))。
次にシャッター49を下降させ、成形対象コイル56の側面に位置させる(図5(7))。
このとき、可動側巻治具21を前進させ、次の線材の巻回の準備とする。これでタクトタイムが縮まる。
このとき、成形対象コイル56の幅(図6の紙面に垂直な方向)は、シャッター49とコイル扱い部材46とで規制されている(図5(8))。それ故、この押圧で、成形対象コイル56の幅が広がることはない。
このあと、コイル扱い部材46を図1の状態に戻す。次のコイル巻回が終っていれば、直ぐにそのコイル56の成形作業に入る(図2(2))。終っていなければ、巻回終了を待って成形作業に入る。
成形対象コイル56の短軸方向の押圧は、引伸ばしの前後に行なっても良い。また、成形対象コイル56が、その伸長、即ちコイル受けピン47Uの上昇だけで所望の形状になるならば、成形対象コイル56の短軸方向の押圧は省いても良い。
コイル受けピン47U,47Dは、実施の形態例のような円柱状、断面円形には限られない。これらは、成形対象コイルの形状や、コイルのどの部分を変形させたいか等により、適宜変更される。例えば、成形後の曲線部が蒲鉾型である場合は、その断面も、図8(A)のコイル受けピン47−1、47−2のように蒲鉾型とされる。コイル受けピンの本数も2本には限られない。図8(B)に、4本のコイル受けピン47−3〜47−6で構成された例を示す。これらは、四辺形で角が丸められたコイルを形成する場合等に使用される。ここでは、コイルは必要に応じ左右方向にも伸長され、また、必要に応じ上下からも押圧される(プレス治具53U、53D)。
巻芯13は、固定側巻治具22の方に配置しても良い。この場合、巻芯進退用エアシリンダ29等もブロック左2側に配置される。コイル扱い部材46の向きも逆にされ、コイル受けピン47U,47Dも固定側巻治具22の方に向けられる。
2…ブロック左
3…ブロック右
4…スプラインシャフト
5…キャビネット
8…モータスプライン間ベルト
9…固定側プーリ
10…シャフト左プーリ
11…モータプーリ
12…固定側モータ間ベルト
13…巻芯
14…トラバスベース
16…摺動フレーム
17…トラバスモータ
18…線ガイド
19…テールプレート支承シャフト
21…可動側巻治具
22…固定側巻治具
23…テールプレート
24…テールプレート用エアシリンダ
26…下部摺動軸
27…上部摺動軸
28…従動プーリ
29…巻芯進退用エアシリンダ
31…可動側プーリ
32…スプライン可動側間ベルト
33…水平ガイド
34…水平移動体
36…水平移動用ボルト
37…水平移動用モータ
38…垂直ブラケット
39…垂直ガイド
41…垂直移動体
42…垂直移動用ボルト
43…ベアリング体
44…垂直移動用モータ
46…コイル扱い部材
47U,47D…コイル受けピン
47−1〜47−6…コイル受けピン(他の実施の形態例)
48…受けピン上下用エアシリンダ
49…シャッター
50…成形機構付巻線機
51…シャッター上下用エアシリンダ
52…プレス機構
53L,53R…プレス治具
53U,53D…プレス治具(他の実施の形態例)
54…プレス用モータ
56…成形対象コイル
57…長円形コイル
58…線材
Claims (16)
- 巻治具の一方に摺動可能に配置され、巻治具の他方に向って付勢されている巻芯と、コイルを内側から支承する為の支承部材とを正対させ、
前記巻治具の一方及び前記支承部材について、その何れかを他方に接近させるか又は相互に接近させ、
該接近で前記巻芯を前記巻治具内に移動させ、それにより前記巻芯に巻回されていたコイルを前記支承部材に移行させ、該コイルをその内側から前記支承部材に支承させる
ことを特徴とするコイル取出し方法。 - 支承部材を離間させ、該支承部材に支承されているコイルを伸長させ、
該伸長方向と交叉する方向に移動可能に配置された押圧部材を前記コイルに接近させ、前記伸長と同時に又は前後して前記コイルを押圧し、成形する
ことを特徴とするコイル成形方法。 - 前記コイルを円形又は楕円形に形成し、該コイルに対して前記伸長、押圧を実行する
ことを特徴とする請求項2に記載のコイル成形方法。 - 前記伸長、押圧の際、幅規制部材で前記コイルの幅を規制する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のコイル成形方法。 - 巻治具の一方に摺動可能に配置され、巻治具の他方に向って付勢されている巻芯と、コイルを内側から支承する為の支承部材とを正対させ、
前記巻治具の一方及び前記支承部材について、その何れかを他方に接近させるか又は相互に接近させ、
該接近で前記巻芯を前記巻治具内に移動させ、それにより前記巻芯に巻回されていたコイルを前記支承部材に移行させて、該コイルをその内側から前記支承部材に支承させ、
該コイルを支承した支承部材を離間させ、該コイルを伸長させて該コイルを成形する
ことを特徴とするコイル取出し成形方法。 - 前記コイルを円形又は楕円形に形成し、該コイルに対して前記伸長を実行する
ことを特徴とする請求項5に記載のコイル取出し成形方法。 - 前記伸長方向と交叉する方向に移動可能に配置された押圧部材を前記コイルに接近させ、前記伸長と同時に又は前後して前記コイルを押圧し前記コイルを成形する
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のコイル取出し成形方法。 - 前記成形の際、幅規制部材で前記コイルの幅を規制する
ことを特徴とする請求項5、請求項6又は請求項7に記載のコイル取出し成形方法。 - 対向して配置された巻治具と、
該巻治具の一方に摺動可能に配置され、該巻治具の他方に向って付勢されている巻芯と、
コイルを内側から支承する為の支承部材と、
制御手段とを有し、該制御手段は、
前記巻芯と前記支承部材とを正対させ、
前記巻治具の一方及び前記支承部材について、その何れかを他方に接近させるか又は相互に接近させ、
該接近で前記巻芯を前記巻治具内に移動させ、それにより前記巻芯に巻回されていたコイルを前記支承部材に移行させ、該コイルをその内側から前記支承部材に支承させる
ことを特徴とするコイル取出し装置。 - コイルを内側から支承する為の支承部材と、
前記コイルを伸長する方向と交叉する方向に移動可能に配置された押圧部材と、
制御手段とを有し、該制御手段は、
前記支承部材を離間させ、前記支承部材に支承されているコイルを伸長させ、
前記押圧部材を前記コイルに接近させ、前記伸長と同時に又は前後して前記コイルを押圧し、成形する
ことを特徴とするコイル成形装置。 - 前記コイルが円形又は楕円形に形成され、
前記制御手段は、該コイルに対して前記伸長、押圧を実行する
ことを特徴とする請求項10に記載のコイル成形装置。 - 更に幅規制部材を備え、
前記制御手段は、前記押圧、成形の際、該幅規制部材で前記コイルの幅を規制する
ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のコイル成形装置。 - 対向して配置された巻治具と、
該巻治具の一方に摺動可能に配置され、該巻治具の他方に向って付勢されている巻芯と、
コイルを内側から支承する為の支承部材と、
制御手段とを有し、該制御手段は、
前記巻芯と前記支承部材とを正対させ、
前記巻治具の一方及び前記支承部材について、その何れかを他方に接近させるか又は相互に接近させ、
該接近で前記巻芯を前記巻治具内に移動させ、前記巻芯に巻回されていたコイルを前記支承部材に移行させて、該コイルをその内側から前記支承部材に支承させ、
該コイルを支承した支承部材を離間させ、該コイルを伸長させて該コイルを成形する
ことを特徴とするコイル取出し成形装置。 - 前記巻芯の断面が円形又は楕円形にされていることを特徴とする請求項13に記載のコイル取出し成形装置。
- 前記伸長方向と交叉する方向に移動可能に配置された押圧部材を更に有し、
前記制御手段は、前記押圧部材を前記コイルに接近させ、前記伸長と同時に又は前後して前記コイルを押圧し、前記コイルを成形する
ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載のコイル取出し成形装置。 - 更に幅規制部材を備え、
前記制御手段は、前記成形の際、該幅規制部材で前記コイルの幅を規制する
ことを特徴とする請求項13、請求項14又は請求項15に記載のコイル取出し成形装置。
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