JP2008244424A - 有機電界蛍光発光素子、有機電界蛍光発光層塗布溶液、カラーディスプレイ表示装置 - Google Patents

有機電界蛍光発光素子、有機電界蛍光発光層塗布溶液、カラーディスプレイ表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】湿式製膜法で製膜が可能な青蛍光化合物を含む発光層を有する有機電界蛍光発光素子を提供する。
【解決手段】一対の陽極2と陰極9との間に発光性化合物を含む発光層5を有する有機電界蛍光発光素子であって、発光層5は湿式製膜法により形成され、発光性化合物がガラス転移温度80℃以上、トルエンの溶解度0.2重量%以上の青蛍光化合物であり、少なくとも2核又は3核の縮合環(KK1)と3核乃至5核の縮合環(KK2)との核数の差が1以上3以下である分子構造を有し、好ましくは2位が無置換、6位に5個以上のベンゼン環を含む置換基を有するアントラセン骨格を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界蛍光発光素子等に関し、より詳しくは、青蛍光化合物を含む発光層を有する有機電界蛍光発光素子等に関する。
近年、薄膜型の電界発光素子として、無機材料に代わり、有機薄膜を用いた有機電界蛍光発光素子の開発が行われている。有機電界蛍光発光素子は、通常、陽極と陰極の間に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層等を有し、この各層に適した材料が開発されている。
各層の形成方法としては、真空蒸着法及び湿式製膜法が挙げられる。真空蒸着法によれば、良質な薄膜が均一に製膜され、積層化が容易、不純物の混入が少ない等の利点がある。
一方、湿式製膜法は、真空プロセスが要らず大面積化が容易であることから、例えば、ジスチリルアリーレン誘導体を含む有機薄膜層を湿式製膜法により製膜した有機エレクトロルミネッサンスが報告されている(特許文献1参照)。
国際公開第03/037836号パンフレット
ところで、有機電界蛍光発光素子には、赤、緑及び青の蛍光化合物が使用される。この中でも、青蛍光化合物は、赤又は緑の蛍光化合物に比べ、高エネルギーの光子を放出させるため印加が高くなり、発光状態の発光素子が高温にさらされやすいという特徴がある。
また、発光層を形成後に行われる封止材加熱硬化処理等の後工程処理により、発光層中の蛍光化合物が相変化を起こし易いという問題がある。このため、通常、ガラス転移温度(Tg)が高い蛍光化合物が用いられる。
しかし、ガラス転移温度(Tg)が高い蛍光化合物は、剛直な分子構造を有するため、加熱による相変化の影響を受けず、素子の長寿命化に優れているものの、反面、有機溶剤への可溶性が低いという問題がある。そのため、湿式製膜法で使用する発光層塗布溶液を得ることが困難である。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、湿式製膜法で製膜が可能な青蛍光化合物を含む発光層を有する有機電界蛍光発光素子を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、かかる青蛍光化合物を含む有機電界蛍光発光層塗布溶液を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、かかる有機電界蛍光発光素子を備えるカラーディスプレイ表示装置を提供することにある。
かくして本発明によれば、一対の電極間に発光性化合物を含む発光層を有する有機電界蛍光発光素子であって、発光性化合物は、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上、且つ、トルエンに対する溶解度が0.2重量%以上である青蛍光化合物から構成されることを特徴とする有機電界蛍光発光素子が提供される。
ここで、本発明が適用される有機電界蛍光発光素子において、青蛍光化合物は、少なくとも2核又は3核の縮合環(KK1)と、3核乃至5核の縮合環(KK2)と、を有し、
KK2の核数とKK1の核数との差が1以上3以下であることが好ましい。
また、青蛍光化合物は、少なくともアントラセン骨格を有し、アントラセン骨格は、2位が無置換、且つ、6位に少なくとも5個のベンゼン環を含む置換基を有することが好ましい。
さらに、青蛍光化合物は、少なくともアントラセン骨格を有する発光性化合物と、アントラセン骨格以外の構造を有する他の発光性化合物と、を含むことが好ましい。
一方、本発明が適用される有機電界蛍光発光素子において、発光層は、青蛍光化合物と所定の有機溶剤を含む塗布溶液を塗布して形成されることが好ましい。
また、発光層は、青蛍光化合物と所定の有機溶剤とを含む塗布溶液を塗布して形成した後、酸素濃度1ppm以下、水分濃度1ppm以下の環境下で乾燥させることが好ましい。
さらに、本発明が適用される有機電界蛍光発光素子は、発光層と電極との間に、湿式製膜法により形成された正孔注入層を有し、正孔注入層は200℃以上で加熱された層であることが好ましい。
次に、本発明によれば、発光性化合物と所定の有機溶剤を含む有機電界蛍光発光層塗布溶液であって、発光性化合物は、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上、且つ、トルエンに対する溶解度が0.2重量%以上である青蛍光化合物から構成されることを特徴とする有機電界蛍光発光層塗布溶液が提供される。
ここで、青蛍光化合物は、少なくとも2核又は3核の縮合環(KK1)と、3核乃至5核の縮合環(KK2)と、を有し、KK2の核数とKK1の核数との差が1以上3以下であることが好ましい。
また、青蛍光化合物は、少なくともアントラセン骨格を有し、アントラセン骨格は、2位が無置換、且つ、6位に少なくとも5個のベンゼン環を含む置換基を有することが好ましい。
さらに、青蛍光化合物は、少なくともアントラセン骨格を有する発光性化合物と、アントラセン骨格以外の構造を有する他の発光性化合物と、を含むことが好ましい。
さらに、本発明によれば、かかる有機電界蛍光発光素子を備えることを特徴とするカラーディスプレイ表示装置が提供される。
本発明の有機電界蛍光発光素子は、湿式製膜法により発光層が形成される。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
(有機電界蛍光発光素子)
本実施の形態が適用される有機電界蛍光発光素子は、基板上に少なくとも一対の電極(陽極、陰極)及びこれらの両極間に設けられた発光層を有するものであって、発光層に含まれる発光性化合物が、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上、且つ、トルエンに対する溶解度が0.2重量%以上である青蛍光化合物から構成されるものである。
次に、有機電界蛍光発光素子の各層について説明する。
図1は、本実施の形態が適用される有機電界蛍光発光素子の構造の一例を示す断面模式図である。図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層(有機発光層)、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
[1]基板
基板1は有機電界蛍光発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界蛍光発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
[2]陽極
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は発光層側の層(正孔注入層3又は発光層5等)への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成する、又は、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極2に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
[3]正孔注入層
正孔注入層3は陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であるため、正孔注入層3には正孔輸送性化合物を含むことが好ましい。
正孔注入層3は、正孔輸送性化合物を含むことが好ましく、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含むことがさらに好ましい。また、正孔注入層3にカチオンラジカル化合物を含むことが好ましく、カチオンラジカル化合物と正孔輸送性化合物とを含むことがさらに好ましい。
さらに、必要に応じて、正孔注入層3には電荷のトラップになりにくいバインダー樹脂や、塗布性改良剤を含んでいてもよい。
(正孔輸送性化合物)
正孔輸送性化合物としては、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。
正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。
特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型炭化水素化合物)がさらに好ましい。
芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記一般式(VII)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
(一般式(VII)中、Ar21,Ar22は各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar23〜Ar25は、各々独立して、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。Yは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar21〜Ar25のうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 2008244424
(上記各式中、Ar31〜Ar41は、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環由来の1価又は2価の基を表す。R51及びR52は、各々独立して、水素原子又は任意の置換基を表す。)
Ar21〜Ar25及びAr31〜Ar41としては、任意の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環由来の、1価又は2価の基が適用可能である。これらは各々同一であっても、互いに異なっていてもよい。また、任意の置換基を有していてもよい。
Ar21〜Ar41の芳香族炭化水素環及び/又は芳香族複素環由来の基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。
Ar21、Ar22としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の1価の基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がさらに好ましい。
また、Ar23〜Ar25としては、耐熱性、酸化還元電位を含めた正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環由来の2価の基が好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基がさらに好ましい。
一般式(VII)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン高分子化合物の具体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられる。
正孔注入層3の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種又は2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種又は2種以上とを併用するのが好ましい。
尚、これらの正孔輸送性化合物を発光層5に適宜含有させてもよい。
(電子受容性化合物)
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物がさらに好ましい。
例としては、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等の有機基の置換したオニウム塩、塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物、テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物、フラーレン誘導体、ヨウ素等が挙げられる。
上記の化合物のうち、強い酸化力を有する点で有機基の置換したオニウム塩、高原子価の無機化合物が好ましく、種々の溶剤に可溶で湿式塗布に適用可能である点で有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物が好ましい。
電子受容性化合物として好適な有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物の具体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられ、その好適例も同様であり、例えば下記構造式で表される化合物(A−2)が挙げられるが、何らそれらに限定されるものではない。
Figure 2008244424
(カチオンラジカル化合物)
カチオンラジカル化合物とは、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であるカチオンラジカルと、対アニオンからなるイオン化合物である。但し、カチオンラジカルが正孔輸送性の高分子化合物由来である場合、カチオンラジカルは高分子化合物の繰り返し単位から一電子取り除いた構造となる。
カチオンラジカルは、正孔輸送性化合物に前述した化合物から一電子取り除いた化学種であることが好ましく、正孔輸送性化合物としてさらに好ましい化合物から一電子取り除いた化学種であることが非晶質性、可視光の透過率、耐熱性、溶解性等の点からさらに好ましい。
カチオンラジカル化合物は、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合することにより生成させることができる。即ち、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合することにより、正孔輸送性化合物から電子受容性化合物へと電子移動が起こり、正孔輸送性化合物のカチオンラジカルと対アニオンからなるカチオンイオン化合物が生成する。
PEDOT/PSS(Adv.Mater.,2000年,12巻,481頁)やエメラルジン塩酸塩(J.Phys.Chem.,1990年,94巻,7716頁)等の高分子化合物由来のカチオンラジカル化合物は、酸化重合(脱水素重合)、即ち、モノマーを酸性溶液中で、ペルオキソ二硫酸塩等を用いて化学的に、又は、電気化学的に酸化することによっても生成する。この酸化重合(脱水素重合)の場合、モノマーが酸化されることにより、高分子化されるとともに、酸性溶液由来のアニオンを対アニオンとする、高分子の繰り返し単位から一電子取り除かれたカチオンラジカルが生成する。
正孔注入層3は、湿式製膜法又は真空蒸着法により陽極2上に形成される。
湿式製膜法による層形成の場合は、前述した各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)の1種又は2種以上の所定量を、必要により電荷のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤を添加して、溶剤に溶解させて、塗布溶液を調製し、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ダイコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット法等の湿式製膜法により陽極2上に塗布し、乾燥して、正孔注入層3を形成させる。
ここで、乾燥は、200℃以上で行うことが好ましく、さらに好ましくは210℃以上、特に好ましくは230℃以上、通常350℃以下、好ましくは280℃以下である。乾燥温度が過度に低いと、溶媒に対する不溶化が不十分となる傾向がある。乾燥温度が過度に高いと、正孔注入層材料の一部が分解する傾向がある。乾燥時間は、通常30分以上、好ましくは1時間以上、好ましくは3時間以内、より好ましくは1時間以内である。乾燥時間が過度に短いと、溶媒に対する不溶化が不十分となる傾向がある。
湿式製膜法による層形成のために用いられる溶剤としては、前述の各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)を溶解することが可能な溶剤であれば、その種類は特に限定されないが、正孔注入層3に用いられる各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)を失活させる恐れのある、失活物質又は失活物質を発生させるものを含まないものが好ましい。好ましくは、エーテル系溶剤又はエステル系溶剤である。
真空蒸着法による層形成の場合には、前述した各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)の1種又は2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上材料を用いる場合はそれぞれ独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極2上に正孔注入層3を形成させる。尚、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱し蒸発させて正孔注入層3の形成に用いることもできる。
このようにして形成される正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。尚、正孔注入層3は省略してもよい。
[4]正孔輸送層
正孔注入層3上に正孔輸送層4が設けられる。正孔輸送層4の材料としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5に接するために発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子には更に耐熱性が要求される。従って、ガラス転移温度(Tg)として85℃以上の値を有する材料が望ましい。
このような正孔輸送材料としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4’’−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J.Lumin.,72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で用いてもよいし、必要に応じて複数種混合して用いてもよい。
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym.Adv.Tech.,7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
また、正孔輸送層4は、重合性基を有する化合物(重合性化合物)を、熱及び/又は活性エネルギー線(紫外線、電子線、赤外線、マイクロ波等)の照射等により重合して得られる層であることが好ましい。
ここで「重合性基」とは、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により、近傍に位置する他の分子の同一又は異なる基と反応して、新規な化学結合を生成する基をいう。重合性基としては、特に限定されるものではないが、例えば、不飽和二重結合、環状エーテル、ベンゾシクロブタン等を含む基が好ましい。
重合性化合物の例としては、前述した重合性基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーが挙げられるが、中でもモノマーが好ましい。
重合性化合物の具体例としては、例えば、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、2,4,6−トリフェニルピリジン誘導体、C60誘導体、オリゴチオフェン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体誘導体等が挙げられる。中でも、電気化学的安定性及び電荷輸送性が高いという理由から、トリフェニルアミンの部分構造と重合性基とを有する化合物が特に好ましい。
正孔輸送層4は、スプレー法、印刷法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法等の通常の塗布法や、インクジェット法、スクリーン印刷法等各種印刷法等の湿式製膜法や、真空蒸着法等の乾式製膜法で形成することができる。
湿式製膜法の場合は、正孔輸送材料の1種又は2種以上に、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤等の添加剤を添加し、適当な溶剤に溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法等の方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、正孔輸送層中の含有量で50重量%以下が好ましい。
真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、るつぼを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、るつぼと向かい合って置かれた、陽極2又は正孔注入層3が形成された基板1上に正孔輸送層4を形成させる。
正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
尚、正孔輸送層4は必ずしも設ける必要はなく、正孔注入層3上に、後述する発光層5を直接形成してもよい。
[5]発光層(有機発光層)
正孔輸送層4の上には、発光層5(有機発光層)が設けられる。発光層5は、発光性化合物を含み、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極9から電子注入層8を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる。発光層5は発光性化合物(ドーパント)と1種又は2種以上のホスト材料を含むことが好ましい。
本実施の形態では、発光層5に含まれる発光性化合物は、ガラス転移温度(Tg)が、80℃以上、好ましくは、100℃以上、より好ましくは、115℃以上、特に好ましくは、130℃以上、且つ、トルエンに対する溶解度が0.2重量%以上、好ましくは、0.6重量%以上、より好ましくは、1.5重量%以上である青蛍光化合物から構成される。
ここで、青蛍光化合物は、発光層5において電場中で青色発光し、ドーパント又はホストとして、単独又は複数混合し用いられる。青蛍光化合物のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計により測定される。また、トルエンに対する溶解度は、25℃におけるものである。
このような青蛍光化合物としては、置換基を有していてもよい縮合又は非縮合ベンゼン環を2個以上15個以下有する化合物であって、分子量が、好ましくは400〜1,000、より好ましくは400〜800の化合物が挙げられる。
本実施の形態では、かかる青蛍光化合物としては、少なくとも2核又は3核の縮合環(KK1)と、3核乃至5核の縮合環(KK2)と、を有し、KK2の核数とKK1の核数との差が1以上3以下である化合物が好ましい。この範囲を満たすことにより、高いガラス転移温度を保持しながら、有機溶媒に対する溶解性を向上させ、さらに、発光効率が向上する。また、青蛍光化合物の分子構造は非対称骨格を有することが好ましい。
より具体的には、置換基を有していてもよいアミノスチルベン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、ナフタレン化合物、ピレン化合物、ペリレン化合物、クリセン化合物等が挙げらる。
以下、具体的な化合物について説明する。
(1)アミノスチルベン化合物
(1−1)ジアミノスチルベン化合物
置換基を有していてもよいジアミノスチルベン化合物としては、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に芳香族縮合環基を表す。芳香族縮合環基としては、2核〜5核の縮合環由来の基が好ましい。具体的には、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、フルオランテン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、ペリレン環が挙げられる。中でも、ナフタレン環、フェナントレン環が好ましい。
〜Rは、それぞれ隣接する基と或いは母骨格部分と、直接又は窒素原子を介して結合し環を形成していてもよい。
また、式(1)において、分子は対称性を有さないことが好ましい。特に(i)R=R,R=R,R≠R、(ii)R≠R,R≠Rであることが好ましい。
さらに、R〜Rにおいて、少なくとも1つが2核〜3核の縮合環(KK1)であり、少なくとも1つが3核〜5核の縮合環(KK2)である場合、1≦〔〔(KK2)の核数〕−〔(KK1)の核数〕〕≦3であることが好ましい。この範囲を満たすことにより、高いガラス転移温度を保持しながら、有機溶媒に対する溶解性を向上させ、さらに、発光効率が向上する。
ここで、R〜Rは、さらに置換基を有していてもよい。R〜Rが有することがある置換基としては以下のものが挙げられる(以下、「置換基群A」と記すことがある。)。
例えば、置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは、炭素数1〜炭素数8の直鎖又は分岐のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基等が挙げられる。);置換基を有していてもよいアルケニル基(好ましくは、炭素数2〜炭素数9のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、1−ブテニル基等が挙げられる。);置換基を有していてもよいアルキニル基(好ましくは、炭素数2〜炭素数9のアルキニル基であり、例えばエチニル、プロパルギル基等が挙げられる。);
置換基を有していてもよいアラルキル基(好ましくは、炭素数7〜炭素数15のアラルキル基であり、例えばベンジル基等が挙げられる。);置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数2〜炭素数10のアシル基であり、例えば、ホルミル、アセチル、ベンゾイル基等が挙げられる);置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数2〜炭素数10のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等が挙げられる);置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数6〜炭素数15のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェノキシカルボニル基等が挙げられる);
ハロゲン原子(特に、フッ素原子又は塩素原子);カルボキシ基;置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等の、5員環又は6員環の単環又は2縮合環〜5縮合環由来の1価の基が挙げられる。);
置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環等の5員環又は6員環の単環又は2縮合環〜4縮合環由来の1価の基が挙げられる。)が挙げられる。
上述した置換基群Aの各基が有しうる置換基としては、例えば、炭素数1〜炭素数6のアルキル基、炭素数1〜炭素数6のアルコキシ基、炭素数6〜炭素数10の芳香族炭化水素基を含むアリールオキシ基、炭素数1〜炭素数6のアルキル基を少なくとも1つ有するアルキルアミノ基、炭素数6〜炭素数20の芳香族炭化水素基、炭素数1〜炭素数6のアルキルチオ基、炭素数6〜炭素数10の芳香族炭化水素基を有するアリールチオ基、炭素数2〜炭素数20のアシル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいジアミノスチルベン化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
(1−2)モノアミノスチルベン
置換基を有していてもよいモノアミノスチルベン化合物としては、下記式(1−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
式(1−2)中、R21およびR22は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。R23は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。mは0〜3の整数を表す。mが2または3のとき、複数のR23は同一であっても異なっていてもよい。
21〜R23の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等の5員環又は6員環の単環又は2縮合環〜5縮合環由来の1価の基が挙げられる。
また、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、上記置換基群Aに記載の基が挙げられる。具体例を以下に挙げる。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(2)フルオレン化合物
置換基を有していてもよいフルオレン化合物としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、ジアリールアミノ基又は前述した置換基群Aとして記載された置換基から選ばれる。中でも、特に、ジアリールアミノ基が好ましい。
アミノ基に結合するアリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、フルオランテン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、ペリレン環等の、5員環又は6員環の単環又は2縮合環〜5縮合環由来の基が挙げられる。特に好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環である。ジアリールアミノ基の2つのアリール基は同一であっても異なっていてもよいが、異なっている方が好ましい。また、R及びRは同一であることが好ましい。
及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。R及びRは、それぞれ、直接又はそれらに結合する置換基を介して結合し環を形成していてもよい。
ここで、置換基を有していてもよいアルキル基としては、通常、炭素数1〜炭素数8の直鎖又は分岐のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基等が挙げられる。好ましくはメチル基である。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等の5員環又は6員環の単環又は2縮合環〜5縮合環由来の1価の基が挙げられる。
置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環等の5員環又は6員環の単環又は2縮合環〜4縮合環由来の1価の基が挙げられる。
これら置換基としては、前述した置換基群Aに記載された置換基が挙げられる。
また、nは、1〜5の整数を表し、3であることが好ましい。n個のフルオレン環は、置換基を有していてもよい。また、n個のフルオレン環は、同一であっても異なっていてもよい。
さらに、置換基を有していてもよいフルオレン化合物としては、下記の骨格を有する化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
置換基を有していてもよいフルオレン化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(2−1)ビスフルオレン化合物
本実施の形態において、置換基を有していてもよいフルオレン化合物の中でも、下記式(2−1)で表されるビスフルオレン化合物が好ましい。
Figure 2008244424
式(2−1)で表されるビスフルオレン化合物の具体例としては下記の化合物が挙げられる。以下、Npはナフタレン環、Phenはフェナントレン環を表す。
Figure 2008244424
(3)アントラセン化合物
置換基を有していてもよいアントラセン化合物としては、下記式(3)で表される9,10置換基アントラセン化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
式(3)中、R及びR10は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等の、5員環又は6員環の単環又は2縮合環〜5縮合環由来の1価の基が挙げられる。
及びR10の置換基が、それぞれ、R及びR10と及び/またはアントラセン環と結合して環を形成していてもよい。
また、アントラセン環は置換基を有していてもよく、このような置換基としては前述した置換基群Aに記載されたものが挙げられる。
式(3)で表される9,10置換基アントラセン化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(3−1,3−2)
本実施の形態において、置換基を有していてもよいアントラセン化合物の中でも、下記式(3−1)で表される6,9,10置換アントラセン化合物、又は式(3−2)で表される2,6,9,10置換基アントラセン化合物が好ましい。
特に、アントラセン骨格は、2位が無置換、且つ、6位に少なくとも5個のベンゼン環を含む置換基を有するアントラセン化合物が好ましい。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
式(3−1)及び式(3−2)中、R11,R11a及びR12は、前述した置換基群Aに記載された置換基が挙げられる。式(3−1)又は式(3−2)において、R及びR10はフェニル基であることが好ましい。R11,R11a及びR12はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であることが好ましく、2核〜4核の縮合環又は/及び5個以上のベンゼン環を有するものであることが好ましい。特に、R11aは5個以上のベンゼン環を有するものがより好ましい。
ここで、5個以上のベンゼン環を有するものとは、ベンゼン環が複数個連結してなるもの(例えば、ビフェニル基、ターフェニル基等)であってもよいし、ベンゼン環が縮合して縮合環を形成してなるもの(例えば、ナフタレン環、アントラセン環等)であってもよいし、これらが組み合わされたものでもよい。
式(3−2)で表される2,6,9,10置換基アントラセン化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。尚、Npはナフタレン環を表す。また、この他にも、式(3)の具体例として例示しているものが挙げられる。
Figure 2008244424
(3−3)ビアントラセン化合物
本実施の形態において、置換基を有していてもよいアントラセン化合物の中でも、下記式(3−3)で表されるビアントラセン化合物が好ましい。
Figure 2008244424
式(3−3)中、R13及びR14は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等の5員環又は6員環の単環又は2縮合環〜5縮合環由来の1価の基が挙げられる。これらの中でも、ベンゼン環が好ましい。
13及びR14の置換基が、それぞれ、R13及びR14と及び/またはアントラセン環と結合して環を形成していてもよい。
また、アントラセン環は置換基を有していてもよく、このような置換基としては前述した置換基群Aに記載されたものが挙げられる。さらに、アントラセン環の置換基はそれぞれ結合して環を形成してもよい。
式(3−3)で表されるビアントラセン化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(3−4)他のアントラセン化合物
本実施の形態において、置換基を有していてもよいアントラセン化合物の中でも、下記式(3−4)で表されるアントラセン化合物が好ましい。
Figure 2008244424
式(3−4)において、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子又は前述した置換基群Aに記載された置換基から選ばれる。R15及び/またはR16は置換基であることが好ましい。
さらにR15及びR16以外にも、アントラセン環またはベンゼン環は置換基を有していてもよい。このような置換基としては、前述した置換基群Aに記載されたものが挙げられる。
式(3−4)で表されるアントラセン化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
本実施の形態において、置換基を有していてもよいアントラセン化合物として、さらに、下記アントラセン化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
(4)ナフタレン化合物
置換基を有していてもよいナフタレン化合物としては、下記式(4)で表されるジアリールアミノ基を有するナフタレン化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
式(4)中、R17〜R20は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等の5員環又は6員環の単環又は2縮合環〜5縮合環由来の1価の基が挙げられる。
17〜R20の置換基としては前述した置換基群Aに記載された置換基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
−NR1718基及び−NR1920基は、それぞれ、ナフタレン環の2位及び6位に結合していることが好ましい。
式(4)で表されるジアリールアミノ基を有するナフタレン化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(5)その他の化合物
さらに、本実施の形態において、少なくとも2核又は3核の縮合環(KK1)と、3核乃至5核の縮合環(KK2)と、を有し、KK2の核数とKK1の核数との差が1以上3以下である青蛍光化合物として、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(6)ピレン化合物
置換基を有していてもよいピレン化合物としては以下に例示する化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
上式中、R84〜R87は、水素原子または前記置換基群Aに記載の基から選ばれる。R84〜R87は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。R84〜R87は、特に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であることが好ましい。また、R84≠R85またはR84≠R87等のように、非対称構造であることが好ましい。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(7)置換基を有していてもよいペリレン化合物としては、以下に例示する化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
式中、R25〜R32は、水素原子または脂環炭化水素基及び前記置換基群Aに記載の基から選ばれる。R25〜R32は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
脂環炭化水素基としては、炭素数5〜炭素数8の脂環炭化水素基が好ましく、具体的には、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
また、前記置換基群Aの中でも、アルキル基が好ましく、特に3級炭素原子または4級炭素原子を基内に有するアルキル基が好ましく、中でも炭素数4〜炭素数15のアルキル基が好ましい。尚、下記具体例中のMeは、メチル基を表す。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(8)クリセン化合物
さらに、以下に例示するクリセン化合物。
Figure 2008244424
(上記式中、R33〜R40、R43〜R46、R49〜R52は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。R41,R42,R47,R48は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
33〜R52の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、前記R17〜R20の芳香族炭化水素基として例示したものが挙げられる。また、置換基としては、前述した置換基群Aに記載された置換基が挙げられる。
41,R42,R47,R48の置換基を有していてもよいアルキル基の具体例としては、好ましくは、炭素数1〜炭素数8の直鎖又は分岐のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
具体的には、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
また、上記クリセン化合物の具体例の構造において、アミノ基に結合する以下の基に代わり、
Figure 2008244424
下記置換基群aに記載した基を有するものであってもよい。
Figure 2008244424
(9)脂肪族環を有する化合物
脂肪族環を有する化合物としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008244424
(式中、Arは、ナフタレン、フェナントレン、クリセン、ピレンからなる群より選ばれる芳香族縮合環基を表す。Yは、水素原子または芳香族炭化水素基を表す。環Xは、脂肪族環を表す。nは1以上の整数を表す。)
Arは置換基を有していてもよく、置換基としては前述した置換基群Aに記載された基が挙げられる。
の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等由来の基が挙げられる。これらの芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよく、置換基としては、前述した置換基群Aに記載された基が挙げられる。
環Xの脂肪族環としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
nは、1以上の整数を表し、好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下、特に好ましくは2である。
次に、具体例を示す。
下記化学式(EqI)で示される脂肪族環を有する化合物において、置換基R61〜置換基R70としてアリールアミノ基、水素原子、エチル基を有する化合物1〜化合物6を表1に示す。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
ここで、表1中、−Hは水素原子を表す。また、アリールアミノ基であるCM1〜CM6は、以下の通りである。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
下記化学式(EqII)で示される脂肪族環を有する化合物において、置換基R71〜置換基R82としてアリールアミノ基、水素原子、エチル基を有する化合物7〜化合物14を表2に示す。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
ここで、表2中、−Hは水素原子を、ETはエチル基を表す。また、アリールアミノ基であるCM1〜CM6は、前述した通りである。
下記化学式(EqIV)で示される脂肪族環を有する化合物において、置換基R91〜置換基R100としてアリールアミノ基、水素原子を有する化合物15〜化合物26を表3に示す。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
ここで、表3中、−Hは水素原子を表す。また、アリールアミノ基であるCM1〜CM6は、前述した通りである。
下記化学式(EqVII)で示される脂肪族環を有する化合物において、置換基R101〜置換基R108としてアリールアミノ基、水素原子を有する化合物27〜化合物44を表4に示す。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
ここで、表4中、−Hは水素原子を表す。また、アリールアミノ基であるCM1〜CM6は、前述した通りである。
本実施の形態において、青蛍光化合物として挙げられた(1)〜(9)の化合物は、さらに必要に応じて、前述した置換基群Aの中から、適宜、置換基を選択導入してもよい。
本実施の形態において、上述した青蛍光化合物は、それぞれ単独で使用する、又は、2種以上の青蛍光化合物を組み合わせて使用してもよい。
特に、本実施の形態において、発光層5に含まれる青蛍光化合物として、少なくともアントラセン骨格を有する青蛍光化合物と、アントラセン骨格以外の構造を有する他の青蛍光化合物とを組み合わせて使用することが好ましい。
この場合、少なくともアントラセン骨格を有する青蛍光化合物(A)と、アントラセン骨格以外の構造を有する他の青蛍光化合物(B)との混合比(A/B)は特に限定されない。
例えば、アントラセン骨格を有する青蛍光化合物(A)成分の比率が大きく、混合比(A/B)が(90/10)<(A/B)<100の場合は、有機電界蛍光発光素子が長寿命化される傾向がある。また、アントラセン骨格以外の構造を有する他の青蛍光化合物(B)成分の比率が増大し、混合比(A/B)が(90/10)より小さい場合((A/B)<(90/10))は、発光層5の発光効率が高まる傾向がある。
本実施の形態において、有機電界蛍光発光素子の発光層5は、湿式製膜法により、上述した青蛍光化合物と所定の有機溶剤を含む塗布溶液(有機電界蛍光発光層塗布溶液)を、陽極2上又は陽極2上に形成した正孔注入層3上や正孔輸送層4上に塗布して形成される。尚、正孔輸送層4を設けない場合は、正孔注入層3上に塗布して形成される。
発光層5を湿式製膜法により形成する場合は、青蛍光化合物の1種または2種以上の所定量を、必要により電荷のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤等を溶剤に溶解させた有機電界蛍光発光層塗布溶液を調製し、これをスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ダイコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット法等の湿式製膜法により陽極2上に塗布し、乾燥して、発光層5を形成する。
有機電界蛍光発光層塗布溶液は、さらに正孔輸送材料を含有していてもよい。正孔輸送材料としては、前記正孔輸送層4に用いられる正孔輸送材料として例示したものが挙げられる。中でも、芳香族アミン化合物が好ましく、トリアリールアミン系化合物が特に好ましい。
有機電界蛍光発光層塗布溶液中の、正孔輸送材料の含有量としては、0.1重量%〜20重量%が好ましく、0.5重量〜%10重量%がさらに好ましい。
発光層5を湿式製膜法により形成する場合、製膜は通常10℃以上、好ましくは13℃以上、さらに好ましくは16℃以上、通常50℃以下、好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下で行われる。また、相対湿度は、通常、0.01%以上、好ましくは0.05%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下で行われる。また、酸素濃度は、通常0.01ppm以上、より好ましくは0.05ppm以上、好ましくは50%以下、より好ましくは25%以下である。
本実施の形態において、上述した有機電界蛍光発光層塗布溶液に含まれる溶剤としては種々の溶剤が適用可能であり、特に限定されない。
例えば、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;シクロヘキサノン、シクロオクタノン等の脂環を有するケトン;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン;メチルエチルケトン、シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環を有するアルコール;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル等が挙げられる。
これらのうち、水の溶解度が低い点、容易には変質しない点で、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素が好ましく、特に、インクジェット法による湿式製膜法において、欠陥がなく膜厚均一性の優れた有機電界蛍光発光素子の発光層を形成しやすいために好ましい。
有機電界蛍光発光素子には、陰極等の水分により著しく劣化する材料が多く使用されているため、有機電界蛍光発光層塗布溶液中の水分の存在は、乾燥後の膜中に水分が残留し、素子の特性を低下させる可能性が考えられ好ましくない。
有機電界蛍光発光層塗布溶液中の水分量を低減する方法としては、例えば、窒素ガスシール、乾燥剤の使用、溶剤を予め脱水する、水の溶解度が低い溶剤を使用する等が挙げられる。なかでも、水の溶解度が低い溶剤を使用する場合は、湿式製膜工程中に、溶液膜が大気中の水分を吸収して白化する現象を防ぐことができるため好ましい。この様な観点からは、例えば、25℃における水の溶解度が1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である溶剤を、組成物中10重量%以上含有することが好ましい。
また、湿式製膜時に溶剤が蒸発することにより製膜安定性が低下することを防止するためには、沸点が100℃以上、好ましくは沸点が150℃以上、より好ましくは沸点が200℃以上の溶剤を用いることが効果的である。
また、より均一な膜を得るためには、製膜直後の液膜から溶剤が適当な速度で蒸発することが必要で、このためには通常沸点80℃以上、好ましくは沸点100℃以上、より好ましくは沸点120℃以上で、通常沸点270℃未満、好ましくは沸点250℃未満、より好ましくは沸点230℃未満の溶剤を用いることが効果的である。溶剤は、単独又は2種類以上の溶剤を混合して用いることもできる。
また、より均一な膜を得るためには、必要に応じて、真空乾燥、加熱乾燥、製膜から乾燥処理までの時間の最適化等を施すこともできる。乾燥は、酸素濃度1ppm以下、水分濃度1ppm以下の環境下で行うことが好ましい。
本実施の形態においては、発光層5以外に、正孔注入層3及び後述の電子注入層8等の有機層を有する場合、発光層5と正孔注入層3や電子注入層8の他の有機層とを合わせた総膜厚は通常30nm以上、好ましくは50nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上で、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは300nm以下である。また、発光層5以外の正孔注入層3や後述の電子注入層8の導電性が高い場合、発光層5に注入される電荷量が増加する為、例えば正孔注入層3の膜厚を厚くして発光層5の膜厚を薄くし、総膜厚をある程度の膜厚を維持したまま駆動電圧を下げることも可能である。
よって、発光層5の膜厚は、通常10nm以上、好ましくは20nm以上で、通常300nm以下、好ましくは200nm以下である。尚、本発明の素子が、陽極2及び陰極9の両極間に、発光層5のみを有する場合の発光層5の膜厚は、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、通常500nm以下、好ましくは300nm以下である。
[6]正孔阻止層
正孔阻止層6は正孔と電子を発光層5内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。即ち、正孔阻止層6は、発光層5から移動してくる正孔が電子輸送層7に到達するのを阻止することで、発光層5内で電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、電子輸送層7から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割がある。
正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物により、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層形成される。
正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。
このような条件を満たす正孔阻止層6の材料としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)が挙げられる。
さらに、国際公開05/022962号パンフレットに記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も正孔阻止材料として好ましい。
正孔阻止層6の膜厚は、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上で、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。正孔阻止層6は正孔注入層3と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
[7]電子輸送層
電子輸送層7は素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、発光層5と電子注入層8との間に設けられる。
電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極9又は電子注入層8からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−又は5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。
電子輸送層7の膜厚は、通常下限は1nm、好ましくは5nm程度であり、上限は通常300nm、好ましくは100nm程度である。電子輸送層7は、正孔注入層3と同様にして湿式製膜法、或いは真空蒸着法により発光層5上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
[8]電子注入層
電子注入層8は陰極9から注入された電子を効率よく発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行うには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましく、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウム等のアルカリ土類金属が用いられる。電子注入層8の膜厚は0.1nm〜5nmが好ましい。
また、陰極9と発光層5又は後述の電子輸送層7との界面にLiF、MgF、LiO、CsCO等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl.Phys.Lett.,70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEETrans.Electron.Devices,44巻,1245頁,1997年;SID 04 Digest,154頁)。
さらに、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報等に記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は通常5nm以上、好ましくは10nm以上で、通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
電子注入層8は、発光層5と同様にして湿式製膜法、或いは真空蒸着法により発光層5上に積層することにより形成される。真空蒸着法の場合には、真空容器内に設置されたるつぼ又は金属ボートに蒸着源を入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、るつぼ又は金属ボートを加熱して蒸発させ、るつぼ又は金属ボートと向き合って置かれた基板上に電子注入層8を形成する。
アルカリ金属の蒸着は、クロム酸アルカリ金属と還元剤をニクロムに充填したアルカリ金属ディスペンサーを用いて行う。このディスペンサーを真空容器内で加熱することにより、クロム酸アルカリ金属が還元されてアルカリ金属が蒸発される。有機電子輸送材料とアルカリ金属とを共蒸着する場合は、有機電子輸送材料を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、各々のるつぼ及びディスペンサーを同時に加熱して蒸発させ、るつぼ及びディスペンサーと向き合って置かれた基板上に電子注入層8を形成する。このとき、電子注入層8の膜厚方向において均一に共蒸着されるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。尚、電子注入層8は、これを省略してもよい。
[9]陰極
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8又は発光層5等)に電子を注入する役割を果たす。陰極9として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極9の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
[10]その他の構成層
以上、図1に示す層構成の素子を中心に説明してきたが、本実施の形態においては、有機電界蛍光発光素子における陽極2及び陰極9と発光層5との間には、その性能を損なわない限り任意の層を有していてもよく、また発光層5以外の任意の層を省略してもよい。例えば、電子輸送層7及び正孔阻止層6は必要に応じて、適宜設ければよく、1)電子輸送層7のみ、2)正孔阻止層6のみ、3)正孔阻止層6/電子輸送層7の積層、4)用いない等の用法がある。
正孔阻止層6と同様の目的で、正孔注入層3と発光層5の間に電子阻止層(図示せず。)を設けることも効果的である。電子阻止層は、発光層5から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層5内で正孔との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層5の方向に輸送する役割がある。
電子阻止層に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。また、本実施の形態では、発光層5が湿式製膜法で形成されることが好ましく、その場合、電子阻止層も湿式製膜法で形成することが、素子製造が容易となるため、好ましい。
このため、電子阻止層も湿式製膜適合性を有することが好ましく、このような電子阻止層に用いられる材料としては、例えば、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(WO2004/084260号公報記載)等が挙げられる。
尚、図1とは逆の構造、即ち、基板1上に陰極9、電子注入層8、発光層5、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に有機電界蛍光発光素子を設けることも可能である。
さらに、図1に示す層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合はその2層)の代わりに、例えばV等を電荷発生層(CGL)として用いると段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からもより好ましい。
本実施の形態が適用される有機電界蛍光発光素子は、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
本実施の形態が適用される有機電界蛍光発光素子は、カラーデイスプレーモジュール基板、カラーデイスプレー表示装置、カラーデイスプレーテレビ等の大面積を有するカラーデイスプレー用途に適用することができる。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。尚、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜実施例24、比較例1,2)
図1に示す有機電界蛍光発光素子において、正孔輸送層4を有しない構造の有機電界蛍光発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター製膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。
パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥し、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
正孔注入層3を以下のように湿式製膜法によって形成した。正孔注入層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する高分子化合物(P−1(重量平均分子量:29400、数平均分子量:12600))と下記に示す構造式の電子受容性化合物(A1)とを用い、下記の条件でスピンコートした。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(スピンコート条件)
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 P−1 2.0重量%
A−1 0.4重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×15分
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
続いて、発光層5を以下のように湿式製膜法によって形成した。下記表1に記載の青蛍光化合物(A)と青蛍光化合物(B)とを、表1に示す重量比(A/B)、合計濃度2重量%になるようにトルエン溶媒に添加し、25℃で、超音波撹拌装置(Bransonic UL Transonics Corp.社製2510J−DTH)により10分間撹拌し、塗布溶液(有機電界蛍光発光層塗布溶液)を調液した。
次に、この塗布溶液を正孔注入層3上に、乾燥膜厚30nmになるようにスピンコートし、10℃、15分間乾燥し、発光層5を形成した。
ここで、青蛍光化合物(A)と青蛍光化合物(B)とのトルエン溶媒に対する溶解性は、以下のように評価した。
5mg、10mg、20mg、100mgの各青蛍光化合物(A,B)を5mlのガラスサンプル瓶に採取し、各サンプル瓶にトルエン溶液を添加し、青蛍光化合物(A,B)とトルエンとの合計が10gになるように調液した。次に、このトルエン溶液を25℃で10分間超音波撹拌装置にて撹拌処理を施し、以下の基準に基づき青蛍光化合物(A,B)の溶解性を評価した。
A:100mg以上の青蛍光化合物が溶解した。
B:20mg以上100mg未満の青蛍光化合物が溶解した。
C:10mg以上20mg未満の青蛍光化合物が溶解した。
D:5mg以上10mg未満の青蛍光化合物が溶解した。
次に、正孔阻止層6として下記に示すピリジン誘導体(HB−1)をるつぼ温度275℃〜271℃として、蒸着速度0.1nm/秒で5nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は4.5×10−5Paであった。
Figure 2008244424
続いて、正孔阻止層6の上に、電子輸送層7として下記に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(ET−1)を同様にして蒸着した。このときのアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は243℃〜268℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は4.6×10−5Pa、蒸着速度は0.08nm/秒〜0.1nm/秒で膜厚は30nmとした。
Figure 2008244424
尚、上記の発光層5、正孔阻止層6及び電子輸送層7を真空蒸着する際の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層7まで形成した素子を、一旦、真空蒸着装置内より大気中に取り出した。次に、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプと直交するように素子に密着させた。続いて、この素子を別の真空蒸着装置内に設置し、有機層を形成した場合と同様に、真空蒸着装置内の真空度が2.9×10−4Pa以下になるまで排気した。
次に、フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.008nm/秒〜0.01nm/秒、真空度2.9×10−4Paで、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に電子注入層8として製膜した。続いて、同様に、アルミニウムをモリブデンボートにより加熱し、蒸着速度0.08nm/秒〜0.1nm/秒、真空度2.7×10−4Pa〜2.5×10−4Paで膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極9を完成させた。以上の電子注入層8及び陰極9を形成する際に、蒸着時の基板温度を室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界蛍光発光素子を調製した。
この素子に7Vの電圧を印加した際の発光の有無と発光色を評価した。尚、青蛍光化合物(A,B)のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社社製:DSC6220)により測定した。実施例1〜実施例17、比較例1,2の結果を表5に示し、実施例18〜実施例24の結果を表6に示す。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
尚、表5及び表6中の青蛍光化合物(A,B)の構造式を以下に示す。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
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Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
表5及び表6に示す結果から、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上、且つ、トルエンに対する溶解度が0.2重量%以上である青蛍光化合物(A,B)を含む塗布溶液(有機電界蛍光発光層塗布溶液)を用いて、スピン塗布法によって有機電界蛍光発光素子の発光層を形成することができる。
この塗布溶液を用いて、インクジェット塗布方法、スクリーン印刷塗布方法等の各種印刷塗布法により、スピン塗布法と同様に発光層を形成できることが容易に推定される。
(実施例25)
正孔注入層のスピンコート後の乾燥条件を230℃で1時間とした以外は、実施例22と同様にして有機電界蛍光発光素子を作製した。この素子の発光特性を表7に示す。発光特性は、実施例22で作製した素子を1としたときの、相対値で示す。
(実施例26)
正孔注入層のスピンコート後の乾燥条件を230℃で12時間とした以外は、実施例22と同様にして有機電界蛍光発光素子を作製した。この素子の発光特性を表7に示す。発光特性は、実施例22で作製した素子を1としたときの、相対値で示す。
(実施例27)
発光層を形成する際の、スピンコート後の乾燥を酸素濃度1ppm以下、水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気下にて行った以外は、実施例22と同様にして有機電界蛍光発光素子を作製した。この素子の発光特性を表7に示す。発光特性は、実施例22で作製した素子を1としたときの、相対値で示す。
(実施例28)
発光層を形成する塗布溶液に、青蛍光化合物に対して、下記化合物(H−1)を3重量%添加した他は、実施例22と同様にして有機電界蛍光発光素子を作製した。この素子の発光特性を表7に示す。発光特性は、実施例22で作製した素子を1としたときの、相対値で示す。
Figure 2008244424
(実施例29)
発光層を形成する塗布溶液に、青蛍光化合物に対して、下記化合物(H−2)を3重量%添加した他は、実施例22と同様にして有機電界蛍光発光素子を作製した。この素子の発光特性を表7に示す。発光特性は、実施例22で作製した素子を1としたときの、相対値で示す。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(実施例30)
前述した式(3)で表される9,10置換基アントラセン化合物(ビアントラセン化合物)の具体例として例示した下記(3−1)〜(3−8)の8種類の化合物についてトルエンに対する溶解度及びガラス転移温度を測定した。結果を表8に示す。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(実施例31)
以下の脂肪族環を有する化合物(9−1)、(9−2)についてトルエンに対する溶解度およびガラス転移温度を測定した。結果を表9に表す。また、いずれの化合物も、ガラス基板上に以下の条件で該化合物を製膜した際の色調は青色であった。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(実施例32)
以下の操作に従い、2mm×2mmの大きさの発光面積部分を有する有機電界蛍光発光素子を調製した。
(陽極の形成)
ガラス基板の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nmの厚みで製膜した(スパッタ製膜品、シート抵抗15Ω)。この透明導電膜に、通常のフォトリソグラフィー技術により、2mm幅のストライプにパターニングし、陽極を形成した。
パターニングしたITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、紫外線オゾン洗浄を行った。
(正孔注入層の形成)
続いて、陽極の上に正孔注入層を形成した。正孔注入層の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する非共役系高分子化合物(PB−1:重量平均分子量29,400、数平均分子量12,600)を用い、光反応開始剤(A−1)と共に陽極の上にスピンコートした。
スピンコートの条件を表10に示す。また、非共役系高分子化合物(PB−1)と光反応開始剤(A−1)の使用比率は、(PB−1):(A−1)=10:4(重量比)とした。スピンコートを行なった後、260℃で180分の乾燥を行ない、膜厚30nmの均一な正孔注入層の薄膜を形成した。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(正孔輸送層)
形成した正孔注入層の上に正孔輸送層を形成した。正孔輸送層の材料として、以下に示す化合物(HT−1)を用いて、スピンコートにより、正孔輸送層を形成した。
スピンコートの条件を表11に示す。スピンコートを行なった後、230℃で60分の乾燥を行ない、膜厚20nmの均一な正孔輸送層の薄膜を形成した。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(発光層)
次に、形成した正孔輸送層の上に発光層を形成した。発光層の材料として、以下に示した化合物1及び蛍光発光性のドーパント(9−2)を下記条件でトルエンに溶解した組成物を用いて、スピンコートにより発光層を形成した。
スピンコートの条件を表12に示す。また、化合物1と(9−2)との使用比率は、化合物1:(9−2)=10:1(重量比)とした。
スピンコートを行なった後、100℃で60分の乾燥を行ない、膜厚50nmの均一な発光層の薄膜を形成した。尚、化合物1の溶解度は、8%であった。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(正孔阻止層・電子輸送層)
続いて、形成した発光層の上に正孔阻止層を形成し、さらに、正孔阻止層の上に電子輸送層を形成した。
正孔阻止層の材料として、下記に示すHB−1を用いて、真空蒸着法により膜厚10nmの正孔阻止層を形成した。
次に、電子輸送層の材料として、下記に示すET−1を用いて、真空蒸着法により膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
Figure 2008244424
(電子注入層・陰極)
次に、電子輸送層の上に電子注入層8を形成し、さらに、電子注入層8の上に陰極を形成した。電子注入層8は、フッ化リチウム(LiF)を用い、有機層と同様に真空蒸着法によって膜厚0.5nmの電子注入層8を形成した。また、陰極の材料としてアルミニウムを用い、膜厚80nmの陰極を、それぞれ陽極であるITOストライプと直交する形状の2mm幅のストライプ状に積層した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界蛍光発光素子が得られた。この有機電界蛍光発光素子から、青色発光が得られた。
(実施例33)
図1に示す構造を有する有機電界蛍光発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス製の基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター製膜品;シート抵抗15Ω)を、通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用い、2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。
パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥し、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
正孔注入層3を以下のように湿式製膜法によって形成した。正孔注入層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する高分子化合物(P−1(重量平均分子量:29400、数平均分子量:12600))と下記に示す構造式の電子受容性化合物(A−1)とを用い、下記の条件でスピンコートした。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
(スピンコート条件)
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 (P−1) 2.0重量%
(A−1) 0.4重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×15分
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
続いて、正孔輸送層4を以下のように湿式製膜法によって形成した。正孔輸送層4の材料として、以下に示す化合物(HT−2)を用いて、スピンコートにより、正孔輸送層4を形成した。スピンコートを行なった後、窒素中、230℃で60分の乾燥を行ない、膜厚20nmの均一な正孔輸送層4の薄膜を形成した。
(スピンコート条件)
溶媒 トルエン
固形分濃度 0.5重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
雰囲気 窒素
Figure 2008244424
続いて、発光層5を以下のように湿式製膜法によって形成した。以下に示した青蛍光化合物(10−1)と青蛍光化合物(10−2)とを、重量比(10−1)/(10−2)=5/95、合計濃度2重量%になるようにトルエン溶媒に添加し、25℃で、超音波撹拌装置(Bransonic UL Transonics Corp.社製2510J−DTH)により10分間撹拌し、塗布溶液(有機電界蛍光発光層塗布溶液)を調液した。
Figure 2008244424
Figure 2008244424
次に、この塗布溶液を正孔輸送層4上に、乾燥膜厚30nmになるようにスピンコートし、10℃、15分間乾燥し、発光層5を形成した。
ここで、青蛍光化合物(10−1)と青蛍光化合物(10−2)とのトルエン溶媒に対する溶解性は、それぞれ、(10−1)がB(20mg以上100mg未満の青蛍光化合物が溶解した。)、(10−2)がA(100mg以上の青蛍光化合物が溶解した。)であった。また、(10−2)のガラス転移温度は148℃であった。
次に、正孔阻止層6として以下に示すピリジン誘導体(HB−1)を、るつぼ温度275℃〜271℃として、蒸着速度0.1nm/秒で5nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は4.5×10−5Paであった。
Figure 2008244424
続いて、正孔阻止層6の上に、電子輸送層7として以下に示すアルミニウム錯体(ET−2)を同様にして蒸着した。このときのアルミニウム錯体のるつぼ温度は243℃〜268℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は4.6×10−5Pa、蒸着速度は0.08nm/秒〜0.1nm/秒で膜厚は30nmとした。
Figure 2008244424
尚、上記の発光層5、正孔阻止層6及び電子輸送層7を真空蒸着する際の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層7まで形成した素子を、一旦、真空蒸着装置内より大気中に取り出した。次に、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプと直交するように素子に密着させた。続いて、この素子を別の真空蒸着装置内に設置し、有機層を形成した場合と同様に、真空蒸着装置内の真空度が2.9×10−4Pa以下になるまで排気した。
次に、電子注入層8として、フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.008nm/秒〜0.01nm/秒、真空度2.9×10−4Paで、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に製膜した。続いて、同様に、アルミニウムをモリブデンボートにより加熱し、蒸着速度0.08nm/秒〜0.1nm/秒、真空度2.7×10−4Pa〜2.5×10−4Paで膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極9を完成させた。以上の電子注入層8および陰極9を形成する際に、蒸着時の基板温度を室温に保持した。
以上の様にして、大きさ2mm×2mmの発光面積部分を有する有機電界蛍光発光素子を調製した。この有機電界蛍光発光素子に7Vの電圧を印加した際、青色の発光色を示した。また、実施例22で調製した有機電界蛍光発光素子の発光特性を1としたときの、この有機電界蛍光発光素子の発光特性は、以下の通りであった。
輝度 3
発光効率 4
駆動電圧 (1/2)
寿命 5>
有機電界蛍光発光素子に好適な構造例を示す断面模式図である。
符号の説明
1…基板、2…陽極、3…正孔注入層、4…正孔輸送層、5…発光層、6…正孔阻止層、7…電子輸送層、8…電子注入層、9…陰極

Claims (12)

  1. 一対の電極間に発光性化合物を含む発光層を有する有機電界蛍光発光素子であって、
    前記発光性化合物は、
    ガラス転移温度(Tg)が80℃以上、且つ、トルエンに対する溶解度が0.2重量%以上である青蛍光化合物から構成されることを特徴とする有機電界蛍光発光素子。
  2. 前記青蛍光化合物は、
    少なくとも2核又は3核の縮合環(KK1)と、
    3核乃至5核の縮合環(KK2)と、を有し、
    前記KK2の核数と前記KK1の核数との差が1以上3以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の有機電界蛍光発光素子。
  3. 前記青蛍光化合物は、少なくともアントラセン骨格を有し、
    前記アントラセン骨格は、
    2位が無置換、且つ、6位に少なくとも5個のベンゼン環を含む置換基を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界蛍光発光素子。
  4. 前記青蛍光化合物は、
    少なくともアントラセン骨格を有する発光性化合物と、前記アントラセン骨格以外の構造を有する他の発光性化合物と、を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の有機電界蛍光発光素子。
  5. 前記発光層は、
    前記青蛍光化合物と所定の有機溶剤を含む塗布溶液を塗布して形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の有機電界蛍光発光素子。
  6. 前記発光層は、前記青蛍光化合物と所定の有機溶剤とを含む塗布溶液を塗布して形成した後、酸素濃度1ppm以下、水分濃度1ppm以下の環境下で乾燥させることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の有機電界蛍光発光素子。
  7. 前記発光層と前記電極との間に、湿式製膜法により形成された正孔注入層をさらに有し、当該正孔注入層は200℃以上で加熱された層であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の有機電界蛍光発光素子。
  8. 発光性化合物と所定の有機溶剤を含む有機電界蛍光発光層塗布溶液であって、
    前記発光性化合物は、
    ガラス転移温度(Tg)が80℃以上、且つ、トルエンに対する溶解度が0.2重量%以上である青蛍光化合物から構成される
    ことを特徴とする有機電界蛍光発光層塗布溶液。
  9. 前記青蛍光化合物は、
    少なくとも2核又は3核の縮合環(KK1)と、
    3核乃至5核の縮合環(KK2)と、を有し、
    前記KK2の核数と前記KK1の核数との差が1以上3以下である
    ことを特徴とする請求項8記載の有機電界蛍光発光層塗布溶液。
  10. 前記青蛍光化合物は、少なくともアントラセン骨格を有し、
    前記アントラセン骨格は、
    2位が無置換、且つ、6位に少なくとも5個のベンゼン環を含む置換基を有する
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の有機電界蛍光発光層塗布溶液。
  11. 前記青蛍光化合物は、
    少なくともアントラセン骨格を有する発光性化合物と、前記アントラセン骨格以外の構造を有する他の発光性化合物と、を含む
    ことを特徴とする請求項8乃至10いずれか1項に記載の有機電界蛍光発光層塗布溶液。
  12. 請求項1乃至7いずれか1項に記載の有機電界蛍光発光素子を備えることを特徴とするカラーディスプレイ表示装置。
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