JP2008242422A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の現像装置は、トナーTを収容するトナー収容部21と、外周面にトナーTを担持する凹凸部を備えた現像ローラ3とを有し、トナーTは、着色剤および結着樹脂を含んで構成された樹脂母粒子に、シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルが添加されて構成され、樹脂母粒子の体積平均粒径が2〜4μmであり、樹脂母粒子に対するシリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルの添加量が0.05〜2質量%であり、凹凸部は、規則的かつ均一に配列された凹部および/または凸部で構成されている。
【選択図】図3
Description
このような画像形成装置には、トナーを担持する現像ローラを有する現像装置が備えられている。かかる現像装置は、静電的な潜像を担持する感光ドラムに現像ローラを対向させた状態で用いられ、現像ローラから感光ドラムへトナーを付与することにより、感光ドラム上の潜像をトナー像として可視化(現像)する。
一方、従来、感光ドラムや現像ローラへのトナーのフィルミングを防止するために、結着樹脂および着色剤を含有して構成された樹脂母粒子にオイルを少量添加(外添)したトナーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、かかるトナーは、樹脂母粒子の凝集体の粒径にバラツキが生じてしまうため、トナーの帯電性が不均一になりやすく、現像特性や転写特性に悪影響を与えるおそれがある。特に、このような悪影響は小粒径トナーにおいて顕著であり、小粒径トナーにオイルを単に添加しても、印刷画像の高解像度化を図ることが難しい。
本発明の現像装置は、トナーを収容するトナー収容部と、
外周面に前記トナーを担持する凹凸部を備えた現像ローラとを有し、
前記トナーは、着色剤および結着樹脂を含んで構成された樹脂母粒子に、シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルが添加されて構成され、前記樹脂母粒子の体積平均粒径が2〜4μmであり、前記樹脂母粒子に対する前記シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルの添加量が0.05〜2質量%であり、
前記凹凸部は、規則的かつ均一に配列された凹部および/または凸部で構成されていることを特徴とする。
これにより、比較的簡単な構成で、凹部および/または凸部を規則的に配列することができる。
本発明の現像装置では、前記凹凸部は、転造法により形成されたものであることが好ましい。
これにより、比較的簡単かつ確実に、規則的に凹部および/または凸部が配列された凹凸部を形成することができる。
これにより、樹脂母粒子の凝集体を凹凸部に接触させることにより凹凸部の凹部の深さに応じた粒径とすることができる。そのため、より確実に、現像ローラ上で樹脂母粒子の凝集体を形成させてトナー飛散を防止することができる。
本発明の現像装置では、前記各第1の溝および/または前記各第2の溝の深さは、前記樹脂母粒子の体積平均粒径の2倍以下であることが好ましい。
これにより、凝集体の粒径の最適化を図って、トナー飛散を防止しつつ、トナーの帯電特性を向上させることができる。
これにより、現像ローラとトナー供給ローラとの間で、樹脂母粒子の凝集体を凹凸部に接触させることができる。そのため、より確実に、凝集体の粒径の均一化と、トナー中におけるシリコーンオイルやフッ素オイルの均一分散化を図ることができる。
これにより、トナー供給ローラの空孔内の樹脂母粒子の凝集体を凹凸部との接触によりほぐすことができる。そのため、トナー中におけるシリコーンオイルやフッ素オイルをより均一に分散させることができる。
これにより、現像ローラと規制ブレードとの間で、樹脂母粒子の凝集体を凹凸部に接触させることができる。そのため、より確実に、凝集体の粒径の均一化と、トナー中におけるシリコーンオイルやフッ素オイルの均一分散化を図ることができる。
これにより、トナーを現像ローラの回転に伴って現像ローラの軸線方向に移動させながら搬送することができる。そのため、現像ローラの軸線方向において、凝集体の粒径の均一化と、トナー中におけるシリコーンオイルやフッ素オイルの均一分散化を図ることができる。
これにより、凝集体中における樹脂母粒子間に適度な隙間を形成することができる。そのため、凝集体を所望時(具体的には感光ドラムと現像ローラとの間にあるとき)に解砕されやすいものとすることができる。
ジメチルシリコーンオイルは、潤滑性、化学的安定性、熱的安定性に優れるとともに、人体に対し無害であるため、トナーの添加剤として安定性と安全性に優れる。
本発明の現像装置では、前記ジメチルシリコーンオイルの25℃における動粘度が50〜300mm2/sであることが好ましい。
これにより、優れた現像特性を安定して発揮することができる。
前記潜像担持体にトナーを付与することにより、前記潜像をトナー像として可視化する現像装置とを有し、
前記現像装置は、トナーを収容するトナー収容部と、
前記潜像担持体に近接して対向し、外周面に前記トナーを担持する凹凸部を備えた現像ローラとを有し、
前記トナーは、着色剤および結着樹脂を含んで構成された樹脂母粒子に、シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルが添加されて構成され、前記樹脂母粒子の体積平均粒径が2〜4μmであり、前記樹脂母粒子に対する前記シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルの添加量が0.05〜2質量%であり、
前記凹凸部は、規則的かつ均一に配列された凹部および/または凸部で構成されていることを特徴とする。
これにより、小粒径トナーの諸問題を解決しつつ、印刷画像の高解像度化を図り、高品位な印刷画像を得ることができる。
<画像形成装置>
図1は、本発明にかかる画像形成装置の1実施形態を示す全体構成の模式的断面図である。
図1に示す本実施形態の画像形成装置10は、主として露光・現像・転写・定着を含む一連の画像形成プロセスによって画像を記録媒体に記録するものである。このような画像形成装置10は、図1に示すように、静電的な潜像を担持し図示矢印方向に回転する感光ドラム20を有し、その回転方向に沿って順次、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像ユニット50、中間転写体61、クリーニングユニット75が配設されている。また、画像形成装置10は、図1にて下部に、紙などの記録媒体Pを収容する給紙トレイ82が設けられ、その給紙トレイ82に対して記録媒体Pの搬送方向下流に、中間転写体61、定着装置90が記録媒体Pの搬送方向に沿って順次配設されている。また、画像形成装置10には、記録媒体の両面に画像を形成する場合に、定着装置90によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを表裏反転させて、後述する二次転写位置へ帰還させるための搬送部88が設けられている。
帯電ユニット30は、コロナ帯電などにより感光ドラム20の表面を一様に帯電するための装置である。
露光ユニット40は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータから画像情報を受けこれに応じて、一様に帯電された感光ドラム20上に、レーザを照射することによって、静電的な潜像を形成する装置である。
一次転写ローラ60は、感光ドラム20に形成された単色のトナー像を中間転写ベルト70に転写するための装置である。
定着装置90は、前記トナー像の転写を受けた記録媒体Pを加熱および加圧することにより、前記トナー像を記録媒体Pに融着させて永久像として定着させるための装置である。
クリーニングユニット75は、一次転写ローラ60と帯電ユニット30との間で感光ドラム20の表面に当接するゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ローラ60によって中間転写ベルト70上にトナー像が転写された後に、感光ドラム20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
まず、図示しないホストコンピュータからの指令により、感光ドラム20、現像ユニット50に設けられた現像ローラ(図示せず)、および中間転写ベルト70が回転を開始する。そして、感光ドラム20は、回転しながら、帯電ユニット30により順次帯電される。
感光ドラム20上に形成された潜像は、感光ドラム20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光ドラム20上にイエロートナー像が形成される。このとき、YMCK現像ユニット50は、イエロー現像装置54が、前記現像位置にて感光ドラム20と対向している。
一方、記録媒体Pは、給紙トレイ82から、給紙ローラ84、レジローラ86によって二次転写ローラ80へ搬送される。
一方、感光ドラム20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75のクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75内の残存トナー回収部に回収される。
ここで、図に基づき、本発明の現像装置の一例たる現像装置54を詳細に説明する。なお、現像装置51、52、53については、用いるトナーの色が異なる以外は現像装置54と同様であるため、その説明を省略する。
図2は、図1に示す画像形成装置に備えられた現像装置を示す斜視図、図3は、図2に示す現像装置の概略構成を示す模式的断面図である。
ハウジング2は、その内部空間として形成されたトナー収容部21内にトナーTを収容する。
この規制ブレード5は、現像ローラ3の軸線方向に沿って当接される弾性体56と、この弾性体56を支持する支持部材57とを有している。弾性体56は、例えばシリコンゴム、ウレタンゴム等を主材料として構成されている。また、支持部材57は、例えばリン青銅、ステンレス等のバネ性(弾性)を有するシート状の薄板が用いられ、弾性体56を現像ローラ3に付勢する機能を有する。
本実施形態では、規制ブレード5は、その先端(自由端)が現像ローラ3の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。また、本実施形態の現像装置54は、現像ローラ3上の余剰トナーを規制ブレード5により下方に落下させトナー収容部21に帰還させるようになっている。
ここで、図4ないし図6に基づき、本発明の現像装置に備えられる現像ローラの一例として現像ローラ3を詳細に説明する。
図4は、図2および図3に示す現像装置に備えられた現像ローラの概略構成を示す平面図、図5は、図4に示す現像ローラの外周面を示す拡大図、図6は、図5におけるA−A線断面図である。
図4に示す現像ローラ3は、円筒状または円柱状の本体31と、この本体31の両端のそれぞれから突出する1対の軸受部32とを有している。
この凹凸部33は、図5に示すように、互いにほぼ平行な複数の第1の溝34と、この第1の溝34に交差するとともに、互いにほぼ平行な複数の第2の溝35とで構成されている。このように構成された凹凸部33にあっては、互いに隣接する2つの第1の溝34(凹部)と、互いに隣接する2つの第2の溝35(凹部)とで囲まれた領域に凸部38が形成されている。
より具体的に説明すると、図4に示すように、各第1の溝34は、本体31の外周面に沿って螺旋状をなすように形成されている。言い換えすれば、図5に示すように、各第1の溝34は、本体31の外周面における軸線Xに平行な線分に対して傾斜する方向に延在している。
一方、各第2の溝35は、本体31の外周面に沿って、前述した各第1の溝34と反対方向に周回する螺旋状をなすように形成されている。言い換えすれば、各第2の溝35は、本体31の外周面における軸線Xに平行な線分に対して傾斜する方向に延在している。なお、第2の溝35の構成は、前述したように延在方向が異なる以外は、第1の溝34の構成と同様である。
また、第1の溝34と第2の溝35とで本体31の外周面における軸線Xに平行な線分に対する傾斜の程度が同じである。すなわち、図5に示すように、本体31の外周面における軸線Xに平行な線分に対する各第1の溝34の傾斜角θ1と、本体31の外周面における軸線Xに平行な線分に対する各第2の溝35の傾斜角θ2とが同じである。
また、このような凹凸部33は規則的かつ均一であるため、現像ローラ3上に均一かつ最適な量のトナーTを担持させることができ、また、現像ローラ3の外周面でのトナーTの転動性(転がりやすさ)も均一なものとすることができる。その結果、トナーTの局所的な帯電不良や搬送不良を防止して、優れた現像特性を発揮させることができる。
なお、本体31の外周面には、必要に応じて、ニッケルメッキ、クロムメッキ等が施されていてもよい。
また、第1の溝34同士のピッチP(P1)および第2の溝35同士のピッチP(P2)は、それぞれ、弾性多孔質体層の空孔の平均径よりも小さいのが好ましい。これにより、トナー供給ローラ4の弾性多孔質体層42空孔内の樹脂母粒子の凝集体を凹凸部33との接触によりほぐすことができる。そのため、トナーT中におけるシリコーンオイルやフッ素オイルをより均一に分散させることができる。
また、第1の溝34同士間および/または第2の溝35同士間のピッチをp(p1、p2)としたとき、pは、用いられる解像度(画像の解像度)のピッチよりも小さいのが好ましく、より具体的には、例えば、pは、前記解像度が150dpiである場合には、169μmよりも小さいのが好ましく、前記解像度が200dpiである場合には、127μmよりも小さいのが好ましく、前記解像度が300dpiである場合には、85μmよりも小さいのが好ましい。これにより、現像によって得られるトナー像のムラを防止することができる。
また、各第1の溝34および/または各第2の溝35の深さは、トナーTの樹脂母粒子の体積平均粒径の2倍以下であるのが好ましい。これにより、凝集体の粒径の最適化を図って、トナー飛散を防止しつつ、トナーの帯電特性を向上させることができる。
なお、第1の溝34の幅と第2の溝35の幅は、同じであっても異なっていてもよい。
前述した画像形成装置10に用いるトナーTは、結着樹脂および着色剤を含んで構成された樹脂母粒子に、シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルが添加(外添)されている。
特に、かかるトナーTでは、樹脂母粒子の体積平均粒径が2〜4μmであり、樹脂母粒子に対する前記シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルの添加量が0.05〜2質量%である。
樹脂母粒子は、着色剤および結着樹脂を含んで構成されている。
結着樹脂としては、特に限定されないが、架橋型ポリエステル樹脂、直鎖型ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂が好適に用いられる。
着色剤としては、特に限定されず、各種顔料、各種染料等を用いることができる。
このような樹脂母粒子には、前述した着色剤および結着樹脂のほかに、ワックスを含んでいるのが好ましい。
なお、樹脂母粒子には、前述した成分以外の成分を含んでいてもよい。
このような樹脂母粒子は、その体積平均粒径が2〜4μmである。
これに対し、樹脂母粒子の体積平均粒径を2μm未満とすると、樹脂母粒子中に20質量%以上の着色剤を含む必要があり、結着樹脂の含有量不足に起因して、定着性を大幅に低下させてしまう。
また、前述したようにDv/Dnが1〜1.1である場合、樹脂母粒子単独では、そのかさ密度は0.25g/cm3を超えないが、樹脂母粒子にシリコーンオイルまたはフッ素オイルを添加することにより、トナーTのかさ密度を0.25g/cm3以上とすることができる。
トナーTに含まれるシリコーンオイルとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルシリコーンオイル、ハイドロジェンシリコーンオイル、フェニルシリコーンオイル、アミノシリコーンオイル、エポキシシリコーンオイル、カルボキシシリコーンオイル、ポリエーテルシリコーンオイル、親水性シリコーンオイル、メタクリルシリコーンオイル、メルカプトシリコーンオイル、片末端反応性シリコーンオイル、高級アルコキシシリコーンオイル、アルキルシリコーンオイル等を用いることができる。
特に、前述したものの中でも、トナーTに含まれるシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルを用いるのが好ましい。ジメチルシリコーンオイルは、潤滑性、化学的安定性、熱的安定性に優れるとともに、人体に対し無害であるため、トナーの添加剤として安定性と安全性に優れる。
これに対し、動粘度が50mm2/s未満であると、ジメチルシリコーンオイルは揮発しやすく、トナー物性が変化(ひいては現像特性が変化)してしまうおそれがある。特に、樹脂母粒子(トナー粒子)上に担持された状態では表面積が大きくなり、また、エンジン機内(現像装置近傍)は温度上昇するため、ジメチルシリコーンオイルは、通常の状態よりもさらに揮発しやすくなる。一方、動粘度が300mm2/sを超えると、ジメチルシリコーンオイルは、トナーに添加したときに、樹脂母粒子を必要以上に凝集させてしまう。必要以上に大きな凝集体は、現像不良を生じさせ、ムラの原因となる。
特に、樹脂母粒子に対するシリコーンオイルまたはフッ素オイルの添加量は、0.05〜2質量%である。これにより、樹脂母粒子を適度に湿潤して、トナーTの飛散を防止するとともに、前述したような非接触ジャンピング現像の際に現像ローラと感光ドラムとの間で往復運動して解砕されやすくすることができる。
また、トナーには、シリカ、チタニア等の微粒子、あるいはそれらを疎水化処理した微粒子を外添剤として添加し、トナーの流動性、静電性等を調製し得る。
かかるトナーの製造方法は、
結着樹脂と着色剤とワックスとを有機溶剤に溶解または分散させて着色樹脂液を得る第1の工程(着色樹脂液調製工程)と、
着色樹脂液に塩基性化合物、水を順次添加することにより、水性媒体中に着色樹脂液を乳化させた乳化懸濁液を得る第2の工程(乳化工程)と、
乳化懸濁液に電解質水溶液を添加することにより、乳化懸濁液中の分散質を合一させて、合一粒子を得る第3の工程(合一工程)と、
有機溶剤を除去した後に、合一粒子を水性媒体中から分離、洗浄し、乾燥させて樹脂母粒子を得る第4の工程(分離・乾燥工程)と、
得られた樹脂母粒子にシリカ微粒子のような外添剤とシリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルを添加して、トナーを得る第5の工程(外添工程)とを有する。
<第1の工程>
本工程(着色樹脂液調製工程)では、最初に有機溶剤中に結着樹脂とワックスと着色剤とを投入して溶解あるいは分散させて、着色樹脂液を得る。
結着樹脂とワックスと着色剤とを有機溶剤中に溶解または分散するに際しては、高速撹拌機を用いるのが好ましい。その際、着色剤を予備分散したマスター混練チップを用いることができる。また、ワックスを予備分散したマスター混練チップや、メディアを用いて湿式分散によりトナー粒径以下に微分散されたワックスマスター溶液を用いることができる。
また、着色樹脂液調整工程での処理温度は、特に限定されないが、20〜60℃の範囲であるのが好ましく、30〜50℃の範囲であるのがより好ましい。
25℃における水に対する有機溶剤の溶解度は、特に限定されないが、0.1〜30質量%であるのが好ましく、0.1〜25質量%であるのがより好ましい。
後述する合一工程において乳化剤が機能するためには、後から添加する電解質の存在下においても分散安定性を保持できる特性が必要である。そのような特性を有する乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、各種プルロニック系などのノニオン型乳化剤;アルキル硫酸エステル塩型、アルキルスルホン酸塩型のアニオン型乳化剤;第四級アンモニウム塩型のカチオン型乳化剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩型乳化剤、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸型乳化剤等が挙げられる。このような乳化剤は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。すなわち、後述する合一工程において、乳化剤の存在下で電解質を添加することで、不均一な合一を防止することが可能となる。これにより、好ましい粒度分布が得られる。
使用する乳化剤の量が前記下限値未満であると、乳化剤の種類などによっては、目的とする粗大粒子発生に対する防止効果が得られない場合がある。一方、使用する乳化剤の量が前記上限値を超えると、乳化剤の種類などによっては、電解質の量が増加しても乳化懸濁液中の分散質の合一が十分に進行せず、所定粒径の粒子が得られなくなり、結果として、微粒子が残存して収率が低下する場合がある。
ポリエステル樹脂としては、酸価が3〜30KOHmg/gであるポリエステル樹脂を用いるのが好ましく、酸価が5〜20KOHmg/gであるポリエステル樹脂を用いるのがより好ましい。
これに対し、ポリエステル樹脂の酸価が3未満であると、樹脂母粒子を製造することが難しい。一方、ポリエステル樹脂の酸価が30より大きいと、得られるトナーは、トナー使用環境下における帯電量が安定しない。
架橋型ポリエステルは、2価塩基酸またはその誘導体と、2価アルコールと、多価化合物(架橋剤)とを反応させることによって製造することができる。また、直鎖型ポリエステル樹脂は、2価塩基酸類と2価アルコールとを反応させることによって製造することができる。
多価エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリングリセリントリグリシジルエステル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラキス1,1,2,2 (P−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、エポキシ化レゾルシノール−アセトン縮合物、部分エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、半乾性または乾性脂肪酸エステルエポキシ化合物等が挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製エピクロン830、エピクロン520等が挙げられる。
フェノールノボラシク型エポキシ樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN−740、N−770、N−775、N−865等が挙げられる。
エポキシ基を有するビニル化合物の重合体としては、例えば、グリシジル(メタ)アタリレートのホモポリマー、グリシジル(メタ)アタリレート−アクリル共重合体、グリシジル(メタ)アタリレート−スチレン共重合体等が挙げられる。
また、多価エポキシ化合物を用いるに際し、樹脂の変性剤として、モノエポキシ化合物を併せて用いることができる。モノエポキシ化合物を併用することにより、トナーの定着性、高温での耐オフセット性を向上させることができる。
これらの中でも、モノエポキシ化合物としては、アルキルグリシジルエステルを用いるのが好ましい。
アルキルグリシジルエステルとしては、例えば、カージュラE(シェル ケミカルズ ジャパン(株)製ネオデカン酸グリシジルエステル)等が挙げられる。
反応温度および反応時間は、それぞれ特に限定されないが、通常150〜300℃で2〜24時間である。
また、かかる反応には、触媒を用いることができる。その触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。
架橋型ポリエステル樹脂のTgが40℃より低いと、樹脂母粒子が保存、運搬、あるいは現像装置内部で高温下に晒された場合にブロッキング現象(熱凝集)を生じやすい。一方、架橋型ポリエステル樹脂のTgが85℃より高いと、樹脂母粒子の低温定着性が低下する。
直鎖型ポリエステル樹脂のTgが35℃より低いと、樹脂母粒子が保存、運搬、あるいは現像装置内部で高温下に晒された場合にブロッキング現象(熱凝集)が生じやすい。一方、直鎖型ポリエステル樹脂のTgが70℃より高いと、樹脂母粒子の低温定着性が低下する。
架橋型ポリエステル樹脂の軟化点が150℃未満の場合、樹脂母粒子の凝集が生じやすくなり、保存時や印字の際にトラブルが起こりやすくなる。一方、架橋型ポリエステル樹脂の軟化点が220℃を越える場合、樹脂母粒子の定着性が低くなる。
直鎖型ポリエスデル樹脂の軟化点が90℃未満の場合、直鎖型ポリエスデル樹脂のガラス転移温度が低下し、樹脂母粒子の凝集が生じやすくなり、保存時や印字の際にトラブルが起こりやすくなる。一方、直鎖型ポリエスデル樹脂の軟化点が130℃を越える場合、樹脂母粒子の定着性が低くなる。
また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定は、DSC(島津製作所製DSC−60A)を用いて測定される。アルミ製クリンプセルに試料20mgを入れ、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温、180℃から降温速度10℃/minで常温まで冷却し、再度昇温速度10℃/minで180℃まで昇温、セカンドランの値をTgとする。
また、前述したような着色樹脂液は、帯電制御剤を混合して調製され得る。
本工程(乳化工程)では、前述した第1の工程で得られた着色樹脂液に塩基性化合物、水を順次添加して、水性媒体中に着色樹脂液を乳化させる。これにより、結着樹脂および着色剤を含んで構成された分散質が分散(乳化および/または懸濁)した分散液(乳化懸濁液)が得られる。
上昇も大きくなる。
中和に用いる塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンなどの有機塩基等が挙げられる。特に、塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基の水溶液を用いるのが好ましい。
本工程(合一工程)では、電解質を添加することにより、分散質(すなわち、着色樹脂液で構成された微粒子)が塩析または不安定化され、分散質同士が一体化されることにより合一が進行し、合一粒子が製造される。
本工程で用いる電解質としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、酢酸ナトリウム等の水溶性塩等が挙げられ、これらのうち1種類の水溶性塩または2種類以上の水溶性塩の混合物を用いることができる。特に、均一な合一を進める上で、電解質としては、硫酸ナトリウムや硫酸アンモニウムのような1価のカチオンの硫酸塩を用いるのが好ましい。
また、得られる着色樹脂微粒子は溶剤によって膨潤しており、電解質を添加することによって粒子の水和状態が不安定な状態となっているため、好ましくは、着色樹脂微粒子の分裂が起きずに合一のみが進行するような低剪断力下で合一を進行させる。
均一な合一体を生成させるための攪拌翼の好ましい周速は0.2〜10m/sであり、より好ましい周速は0.2〜8m/sであり、さらに好ましい周速は0.2〜6m/sである。
すなわち、着色樹脂液調製工程および乳化工程では、好ましくは、デスパー等の高速攪拌機により攪拌を行い、合一工程では、好ましくは、マックスブレンド翼等の低速で均一混合可能な大型翼により攪拌を行う。したがって、好ましくは、乳化工程で得られた乳化懸濁液を大型翼付属の別の容器に移送して合一工程を実施する。
かかる電解質の量が0.5質量%よりも少ないと、合一が十分に進行しない。一方、15質量%より多いと、後工程の停止水が多量に必要になったり、洗浄、乾燥に時間がかかるなど生産性を低下させる。
かかる濃度が1質量%より少ないと、電解質の効果が十分に発揮されず、塩析や合一させるために多量の電解質が必要となり、合一粒子が生成できない場合がある。一方、かかる濃度が15質量%より高いと、系内にムラが発生しやすく、合一初期の合一粒子の生成時に凝集物が発生して、結果的に粗大粒子が発生しやすくなる。
また、合一工程では、比較的低温の条件で合一粒子の生成が可能であり、温度は、10〜50℃の範囲であるのが好ましく、20〜40℃の範囲であるのがより好ましく、20〜35℃の範囲であるのがさらに好ましい。
かかる温度が10℃よりも低いと、合一が進行しにくくなる。一方、温度が50℃よりも高いと、合一速度が速くなり、凝集物や粗大粒子が発生しやすくなる。
本工程(分離・乾燥工程)では、減圧下で有機溶剤を除去した後に、合一粒子を水性媒体中から分離、洗浄し、乾燥させて樹脂母粒子を得る。
有機溶剤を除去(脱溶剤)する方法としては、低温条件下で速やかに行うため、減圧下で行うのが好ましい。
消泡剤の添加量は、固形分に対し30〜100ppmであるのが好ましい。
乾燥としては、リボコーン型乾燥機((株)大川原製作所)、ナウタミキサー(ホソカワミクロン(株))等の混合真空乾燥機、流動層乾燥装置((株)大川原製作所)、振動流動層乾燥機(中央加工機)等の流動層型乾燥機等を用いて行うことができる。
本工程(外添工程)では、得られた樹脂母粒子に、シリカ微粒子のような外添剤とシリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルを外添して、トナーを得る。
樹脂母粒子に対するシリコーンオイルまたはフッ素オイルの添加量は、0.05〜2質量%である。
また、本工程において、樹脂母粒子に対し、シリカ微粒子のような外添剤やシリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルのほかに、他の成分を外添することができる。
以上のように構成された現像装置54によれば、樹脂母粒子が小粒径であるにもかかわらず、樹脂母粒子の凝集体がトナー収容部21内や現像ローラ3上では擬似的に大粒径の樹脂母粒子のように振る舞うとともに、感光ドラム20上では小粒径トナーのように振る舞うことができる。しかも、規則的かつ均一に配列された凹部および/または凸部で構成された凹凸部33に凝集体が接触することで、凝集体の粒径の均一化と、トナーT中におけるシリコーンオイルやフッ素オイルの均一分散化とを図ることができる。したがって。小粒径トナーの諸問題を解決しつつ、印刷画像の高解像度化を図り、高品位な印刷画像を得ることができる。
例えば、現像ローラの外周面に形成される凹凸部の形状は、前述した実施形態のものに限定されず、互いに隣接する2つの第1の溝と、互いに隣接する2つの第2の溝とが交差する4つの交差部が現像ローラの軸線方向において異なる位置となっていてもよく、前述したものに限定されず、任意である。
(実施例1)
《トナーの製造》
<結着樹脂(架橋型ポリエステル樹脂)の合成>
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、その軟化点が160℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 9.06質量部
エチレングリコール 2.54質量部
ネオペンチルグリコール 4.26質量部
テトラブチルチタネート 0.1 質量部
エピクロン830 0.3 質量部
(大日本インキ化学工業製ビスフェノールF型エポキシ樹脂エポキシ当量170(g/eq)
カージュラE 0.1 質量部
(シェルジャパン製アルキルグリシジルエステル)エポキシ当量250(g/eq)
また、重量平均分子量をGPC測定装置(東ソー製HLC−8120GPC)によって、分離カラムとして東ソー製TSK−GEL G5000HXL・G4000HXL・G3000HXL・G2000HXLを組み合わせて使用し、カラム温度:40℃、溶媒:テトラヒドロフラン、溶媒濃度0.5質量%、フィルター:0.2μm、流量:1ml/minにて測定し標準ポリスチレンを用いて換算して分子量を求めたところ、重量平均分子量は250000であった。
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて210℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が87℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 7.97質量部
エチレングリコール 2.6 質量部
ネオペンチルグリコール 4.37質量部
テトラブチルチタネート 0.1 質量部
得られた重合体、すなわち直鎖型ポリエステル樹脂は、無色の固体であり、酸価10.0、ガラス転移温度(Tg)46℃、軟化点(T1/2)が95℃であった。
また、得られた直鎖型ポリエステル樹脂の分子量の測定と同様にして分子量を測定したところ、重量平均分子量5200であった。
カルナウバワックス(東亜化成製)30質量部と先に作製した直鎖型ポリエステル樹脂の70質量部とメチルエチルケトン150質量部とをデスパーで予備混合した後、スターミルLMZ−10(アシザワファインテック製)で微細化を行い、固形分含有量40質量%のワックスマスター分散体1を調製した。なお、この組成は、直鎖型ポリエステル樹脂/ワックス/メチルエチルケトン=28/12/60である。
シアン顔料(大日本インキ化学工業製シアン顔料:Ket Blue111 C.I.Pigment B-15:3)を2000質量部と直鎖型ポリエステル樹脂を2000質量部とを、ST/AO撹拌羽根を取り付けた20Lヘンシェルミキサー(三井鉱山製)へ投入し、698min-1で2分間撹拌し混合物を得た。その混合物を、オープンロール連続押し出し混練機(三井鉱山製ニーデックスMOS140−800)を用いて、溶融混練し着色剤マスターチップを調製した。
また、得られたマスターチップを直鎖型ポリエステル樹脂およびメチルエチルケトンで希釈し、400倍の光学顕微鏡で着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子がなく、均一に微分散していた。マスターチップの組成は、質量比で着色剤/樹脂=50/50であった。
ワックスマスター分散液10.8質量部、着色剤マスターチップ10.4質量部、架橋型ポリエステル樹脂12質量部、直鎖型ポリエステル樹脂10質量部、メチルエチルケトン8.65質量部を加え、温度を40〜45℃に保持して撹拌機(アサダ鉄工所製デスパー翼径230mm)によって777min-1の撹拌速度で2時間の間混合し、溶解・分散を行った。
翼径230mmの撹拌翼を有する撹拌機(アサダ鉄工所製 デスパー)を備えた円筒型の容器に着色樹脂溶液を46.37質量部(固形分30質量部)仕込み、次いで塩基性化合物として、1規定アンモニア水5質量部を加えて、777min-1にて充分に撹拌した後、温度を35℃に調整した。
次いで、撹拌速度を1100min-1に変更して37.25質量部の水を1.0質量部/minの速度で滴下した。この時の撹拌翼の周速は13.2m/sであった。水を添加して行くにつれ、系の粘度は上昇していったが、水は滴下と同時に系内に取り込まれ、撹拌混合を均一に行うことができた。
翼径340mmのマックスブレンド翼(登録商標)を設けた円筒容器に、乳化工程で得られた乳化懸濁液を移送した後、撹拌速度を85min-1に保持した状態で温度を25℃に調整した。その後撹拌速度を120min-1に上昇させ、電解質水溶液として3.5質量%の硫酸ナトリウム水溶液の12質量部を、1kg/minの速度で滴下した。滴下終了5分後に撹拌速度を85min-1に低下させて5分間の撹拌を行った後に、撹拌速度を65min-1に低下させて5分間の撹拌を行った。次いで、撹拌速度を47min-1に低下させて30分間の撹拌を継続した。このとき着色樹脂で構成された微粒子の体積平均粒径Dvは3μmであった。ここで、体積平均粒径Dvは、フロー式粒子像分析装置(シスメックス製PFIA−2100)で測定した。
固液分離の後に水洗、乾燥して樹脂母粒子を作製した。得られた樹脂母粒子の体積平均粒径Dvは2.9μmであり、個数平均粒径Dnは2.66μmであり、Dv/Dnは1.09であった。
<外添工程>
得られた樹脂母粒子100gに負帯電性シリカシリカ微粒子RX200(日本アエロジル製 平均粒径12nm、ヘキサメチルジシラザン処理)を2質量部(重量部)、負帯電性シリカシリカ微粒子RX50(日本アエロジル製 平均粒径40nm、ヘキサメチルジシラザン処理)を1.5質量部(重量部)加え、COMMERCIAL社製7012Sの1リットルの撹拌機で10000rpmで3分間撹拌した後に、シリコーンオイルとして25℃における動粘度が200mm2/sのジメチルシリコーンオイル(信越化学工業(株)製KF−96−200CS)を0.5質量%(重量%)添加して同様に10000rpmで1分間攪拌して、トナーを調製した。
次のようにして現像ローラを作成した。
まず、STKM製の円筒状の基材を用意した。ここで、基材として、長さ300mm、外径18mm、厚さ3mmのものを用いた。
そして、基材の軸線方向での端部における内周部を、切削加工により厚さ1mm程度除去して薄肉化し、基材の両端部のそれぞれにSTKM製の円柱状部材を圧入した。ここで、円柱状部材として、長さ50mm、外径14mmのものを用い、基材の端面から30mm程度露出するように円柱状部材を基材の各端部に圧入した。
その後、基材の軸線と円柱部材の軸線とを一致させるように、基材および1対の円柱状部材とからなる構造体をセンタレス研磨により研削した。
前述したようにして得られたトナーをカラープリンタ用カートリッジに入れ、このカラープリンタ用カートリッジと、作成した現像ローラとをそれぞれカラープリンタ(セイコーエプソン製LP9000C)に組み込んだ。
ここで、かかるカラープリンタに備えられたトナー供給ローラのスポンジ層(弾性多孔質層)のセル径(空孔の平均径)は、150μmであった。ここで、セル径は、キーエンスのレーザー顕微鏡VK−9500を用い、スポンジ層の表面をJIS B0601−1994に準拠して測定して得られた平均間隔Smである。
また、現像ギャップ調整スペーサとして、厚さ50μmのものを用い、現像バイアス電圧として、直流電圧−300Vに、ピーク−ピーク電圧1000V、周波数6000Hzの矩形波電流を重畳したものを用いた。なお、その他の条件はLP9000Cのものを用いた。
(実施例2〜5)
シリコーンオイルの添加量を表1に示すようにした以外は、前述した実施例1と同様にして画像形成装置を作成した。
樹脂母粒子の体積平均粒径を表1に示すようにした以外は、前述した実施例1と同様にして画像形成装置を作成した。
ここで、本実施例では、合一工程において、3.5質量%の硫酸ナトリウム水溶液(電解質溶液)の滴下量を13質量部とすることで、表1に示すような樹脂母粒子の体積平均粒径とした。
現像ローラの凹凸部の凹部の深さを表1に示すようにした以外は、前述した実施例1と同様にして画像形成装置を作成した。
(実施例9〜12)
現像ローラの凹凸部の凹部または凸部のピッチを表1に示すようにした以外は、前述した実施例1と同様にして画像形成装置を作成した。
シリコーンオイルの25℃における動粘度を表1に示すようにした以外は、前述した実施例1と同様にして画像形成装置を作成した。
ここで、実施例13では、シリコーンオイルとして、25℃における動粘度が20mm2/sのジメチルシリコーンオイル(信越化学工業(株)製KF−96−20CS)を用いた。また、実施例14では、シリコーンオイルとして、25℃における動粘度が350mm2/sのジメチルシリコーンオイル(信越化学工業(株)製KF−96−350CS)を用いた。
シリコーンオイルの添加量を表1に示すようにした以外は、前述した実施例1と同様にして画像形成装置を作成した。
(比較例3、4)
樹脂母粒子の体積平均粒径を表1に示すようにした以外は、前述した実施例1と同様にして画像形成装置を作成した。
ここで、合一工程において、3.5質量%の硫酸ナトリウム水溶液(電解質溶液)の滴下量を、比較例3では8質量部とし、比較例4では16質量部とすることで、表1に示すような樹脂母粒子の体積平均粒径とした。
(比較例5)
現像ローラの凹凸部を表1に示すようにブラスト処理で形成した以外は、前述した実施例1と同様にして画像形成装置を作成した。
以下の評価試験方法によって評価を行い、その結果を表1に示す。
<現像効率>
感光ドラムと現像ローラとにそれぞれ粘着テープを貼り付け、各粘着テープに張り付いたトナーの量を測定し、現像効率=(感光体上のトナー量)/(現像ローラ上のトナー量)を求めた。
<現像ムラ>
A3版の電子写真用普通紙にベタ30%濃度の画像形成を行い、任意の20箇所のOD値を測定し、その最大OD値に対するOD値の平均を100分率で表した。
40μmのラインで構成されたネガ画像を電子写真用普通紙に印刷し、そのライン再現性(画像再現性)を顕微鏡により観察し、以下の3段階の基準に従い評価した。
○:40μmのラインが忠実に再現されていた。
×:40μmのラインが忠実に再現されずにラインの途中に途切れや太りが生じていた。
これに対し、各比較例では、各実施例よりも劣っていた。特に、比較例1、4、5では、ライン再現性が悪く、比較例2、3では、現像効率が悪かった。
Claims (13)
- トナーを収容するトナー収容部と、
外周面に前記トナーを担持する凹凸部を備えた現像ローラとを有し、
前記トナーは、着色剤および結着樹脂を含んで構成された樹脂母粒子に、シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルが添加されて構成され、前記樹脂母粒子の体積平均粒径が2〜4μmであり、前記樹脂母粒子に対する前記シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルの添加量が0.05〜2質量%であり、
前記凹凸部は、規則的かつ均一に配列された凹部および/または凸部で構成されていることを特徴とする現像装置。 - 前記凹凸部は、互いに平行に形成された複数の第1の溝と、該各第1の溝に交差するとともに、互いに平行に形成された複数の第2の溝とで構成されている請求項1に記載の現像装置。
- 前記凹凸部は、転造法により形成されたものである請求項2に記載の現像装置。
- 前記各第1の溝および/または前記各第2の溝の深さは、前記樹脂母粒子の体積平均粒径よりも深い請求項2または3に記載の現像装置。
- 前記各第1の溝および/または前記各第2の溝の深さは、前記樹脂母粒子の体積平均粒径の2倍以下である請求項4に記載の現像装置。
- 前記現像ローラに接触するように設けられ、外周面に前記トナーを担持しつつ前記凹凸部へ供給するトナー供給ローラを有する請求項2ないし5のいずれかに記載の現像装置。
- 前記トナー供給ローラは、円筒状または円柱状をなす本体と、該本体上に設けられた弾性多孔質体層とを備えており、前記第1の溝同士のピッチおよび前記第2の溝同士のピッチは、それぞれ、前記弾性多孔質体層の空孔の平均径よりも小さい請求項6に記載の現像装置。
- 前記現像ローラの外周面に当接し、前記凹凸部上のトナー量を所定量に規制する規制ブレードを有する請求項2ないし7のいずれかに記載の現像装置。
- 前記各第1の溝および前記各第2の溝は、それぞれ、前記現像ローラの周方向に対し傾斜する方向に延在している請求項2ないし8のいずれかに記載の現像装置。
- 前記トナーの体積平均粒径をDvとし、前記トナーの個数平均粒径をDnとしたときに、Dv/Dnが1〜1.1である請求項1ないし9のいずれかに記載の現像装置。
- 前記シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイルである請求項1ないし10のいずれかに記載の現像装置。
- 前記ジメチルシリコーンオイルは、25℃における動粘度が50〜300mm2/sである請求項11に記載の現像装置。
- 潜像を担持する潜像担持体と、
前記潜像担持体にトナーを付与することにより、前記潜像をトナー像として可視化する現像装置とを有し、
前記現像装置は、トナーを収容するトナー収容部と、
前記潜像担持体に近接して対向し、外周面に前記トナーを担持する凹凸部を備えた現像ローラとを有し、
前記トナーは、着色剤および結着樹脂を含んで構成された樹脂母粒子に、シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルが添加されて構成され、前記樹脂母粒子の体積平均粒径が2〜4μmであり、前記樹脂母粒子に対する前記シリコーンオイルおよび/またはフッ素オイルの添加量が0.05〜2質量%であり、
前記凹凸部は、規則的かつ均一に配列された凹部および/または凸部で構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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