JP2008242187A - 車載用カメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】CCDカメラ4を収容するカメラ筐体部3と、このCCDカメラ4の前面側に配置されるレンズカバー5とを備え、このレンズカバー5の内側に、当該レンズカバー5よりも熱伝導性の高い材質で形成された結露板21を配置するとともに、この結露板21の一部である放熱部21Cをレンズカバー5の外側に延在させた。
【選択図】図1
Description
また、筐体内に乾燥剤を入れて乾燥状態を保つことにより、レンズカバー内側の結露を防止する技術も知られている。しかし、この技術でも、結露が一旦生じた場合には、この結露水を取り除くことはできない。
また、送風機等で筐体内の空気を循環させて結露を解消する場合には、筐体内に送風機及び空気の循環経路を設ける必要があり、装置の大型化及びコストアップの原因となる。さらに、長期的には送風に伴い筐体内に塵埃が進入することにより、カメラ本体のレンズ及び光学系への障害を生じる恐れがあった。
本発明によれば、レンズカバーの内側に結露部を配置するとともに、この結露部の一部をレンズカバーの外側に延在させたため、結露部の一部は、常時、外気に晒されて冷却されることにより、結露部を筐体内よりも数段低い温度に維持することができる。このため、筐体内の空気に含まれる水蒸気が結露部で結露して水滴を生じるため、この筐体内の水蒸気気量が大幅に減少する。従って、レンズカバーの内側の結露及び曇りが防止されることにより、カメラの視界を良好に保持することができる。
また、結露部は、カメラ本体が貫通する貫通孔部を備え、この貫通孔部の縁部に返しを設けた構成としても良い。この構成によれば、結露部を流下した結露水は、貫通孔部の縁部に形成された返しによって、この貫通孔部内に浸入することが防止されるため、カメラ本体に結露水が付着することが防止される。
このレンズカバー5は、ホルダ6を介して、当該レンズカバー5を保持するカバー本体7の開口部に嵌め込まれている。このカバー本体7は、カメラ筐体部3の前端部に断熱パッキン8を介してねじ止めされている。
CCDカメラ4は、カメラ筐体部3の略中央部に配置され、レンズカバー5の略中央部の位置に向けられている。また、このCCDカメラ4のレンズカバー5側の先端には、レンズ4aが設けられている。これにより、CCDカメラ4は、レンズ4a及びレンズカバー5を通して、車両外部の情報を撮像できるようになっている。
ここで、車載用カメラ1の内部に微少な結露水や、吸湿性のある素材(例えば、基板、緩衝材、接着剤等)が存在すると、これらから空間10Bに水蒸気が供給されることになる。そして、水蒸気は、その温度で飽和可能な状態まで蒸発し、空間10Bを漂うことになる。
上記したカメラ筐体部3の前方の空間10Bには、図1に示すように、レンズカバー5の内側に、このレンズカバー5と同等の温度に維持される結露板21(結露部)が配置されている。この結露板21は、空間10Bを漂う水蒸気を当該結露板21にて積極的に結露させることにより、相対的にレンズカバー5での結露の発生を抑制するものである。
また、結露板本体21Aと仕切板9との間には遮熱板22が介装されている。この遮熱板22は、結露板本体21Aをカメラ筐体部3から熱的に遮断し、このカメラ筐体部3からの輻射熱により結露板本体21Aが温められるのを防止する。
上述したように、車載用カメラ1における主な熱源は、図3の右方向に位置するカメラ1の駆動電源と外部のエンジンルームからの輻射熱である。これらの熱源によって暖められた空間10A内の空気は、熱膨張するとともに、この空間10A内で対流し、例えば、CCDカメラ4と仕切板9の貫通孔との隙間を通じて空間10Bに流入する。
この時、従来の構成であれば、レンズカバー5に接した段階で、空気中に含まれる水蒸気が冷却され、このレンズカバー5上に微小な水滴を生じる。しかしながら、本実施形態では、レンズカバー5と仕切板9との間に結露板21を配置しているため、この結露板21の結露板本体21Aで空気が露点以下に冷却される。これによれば、空気中に含まれる水蒸気25は、結露板本体21Aの表面で結露して水滴26を生じるため、空間10B内の空気に含まれる水蒸気量は大幅に減少する事になる。
従って、この空気がレンズカバー5の内面に至ったとしても、この空気は結露板本体21A上で既に飽和水蒸気量に達しているため、レンズカバー5での結露はほとんど無く、結果として車載用カメラ1の視界を良好に保持することができる。なお、結露板本体21Aに生じた水滴26は、この結露板本体21Aを流下して、水平部21B(貯留部)に貯留される。このため、結露した水が空間10A内に流入することはなく、CCD基板11への悪影響を低減することができる。
具体的には、図1に示すように、カバー本体7の下部には、このカバー本体7とカメラ筐体部3の底面との間に、レンズカバー5の内側の空間10Bと、このレンズカバー5の外側の空間30(すなわち外気)とを連通する連通路31が形成され、この連通路31には、水分を遮断しつつ湿気のみを通す透湿性防水素材32が配置されている。この透湿性防水素材32は、孔径が0.3〜10μm程度に形成された多孔質素材であり、100μm程度の大きさを有する水滴の浸入を阻止するとともに、0.0004μm程度の大きさを有する水蒸気を通すという特性を有する。
これによれば、水滴や塵埃の進入を阻止しつつも、透湿性防水素材32を通じて水蒸気を外側の空間30に排出することができ、空間10B内の水蒸気の総量を低減することができる。
このため、本実施形態では、車載用カメラ1は、カメラ筐体部3の温度に応じて、上記連通路31を開閉するシャッタ機構33(開閉機構)を備える。このシャッタ機構33は、図4に示すように、それぞれスリット状に形成された複数の開口34A、35Aを有する第1シャッタ部34及び第2シャッタ部35を備え、これら第1シャッタ部34及び第2シャッタ部35を重ね合わせて構成されている。
本実施形態では、第1シャッタ部34はカメラ筐体部3の下面に一体に形成され、第2シャッタ部35は、カバー本体7の下面に一体に形成されているが、それぞれカメラ筐体部3、カバー本体7と別部材で形成して連結する構成としても良い。
車両のエンジンが停止している場合など、カメラ筐体部3の温度が低温(例えば、30℃程度)の場合には、図4に示すように、第1シャッタ部34の開口34Aと第2シャッタ部35の開口35Aとがずれて配置されることにより、カメラ筐体部3の気密性が確保される。この場合、空間10B内の水蒸気は透湿性防水素材32を通過しても、シャッタ機構33が開放されていないため、外側の空間30に排出されることはない。しかしながら、カメラ筐体部3の温度が低温のときには結露の問題自体が発生しないので、シャッタ機構33を開放しなくても問題が生じるおそれは低い。
一方、エンジン始動時など、カメラ筐体部3の温度が高温(例えば、50℃程度)の場合には、図5に示すように、第1シャッタ部34が熱膨張して、前方(図中X方向)に延び、第1シャッタ部34の開口34Aと第2シャッタ部35の開口35Aとが重なる。これにより、空間10B内の水蒸気25は透湿性防水素材32を通過するともに、上記開口34A、35Aを通過して、外側の空間30に排出される。
また、上記結露板21で結露した結露水の一部は、結露板21の下方に位置する蒸発皿としての受け部36上に貯留される。この受け部36は、カメラ筐体部3上に形成されているため、このカメラ筐体部3の温度によって、当該受け部36に溜まった水を再度蒸発することができる。そして、この再度蒸発した水蒸気も透湿性防水素材32及び上記開口34A、35Aを通過して、外側の空間30に排出される。
これによれば、空間10B内の空気に含まれる水蒸気の総量を低減することができるため、レンズカバー5での結露の発生を抑制することができる。
このため、本実施形態では、結露板21及び透湿性防水素材32に加えて、レンズカバー5の内面に結露水が付着した場合であっても、この結露水による光の散乱を防止する構成を備えている。
親水性膜41は、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)や塩酸ポリアリルアミン酸等に代表される高分子系材料で形成されているため、レンズカバー5の内側に親水性膜41を簡単に形成することができる。また、親水性膜41は、無色透明であるため、この親水性膜41を形成することによって、レンズカバー5の視界が悪化することはない。
空間10B内の空気に含まれる水蒸気25は、レンズカバー5により冷却されて球状の水滴26となる。この水滴26は、当初はレンズカバー5の内面に形成された親水性膜41の内部に取り込まれ親和状態となる。そして、結露が進行すると、水滴26は親水性膜41上に広がり、略一定の厚みを有する水膜27が形成される。
このため、レンズカバー5の内面に結露水が付着した場合であっても、この結露水を親水性膜41が水膜27として保持するため、光学的な散乱現象が発生せず、結露で問題となるカメラ映像の視界悪化を防ぐことができる。
しかし、レンズカバー5を通して目視できるほど多量の水分が存在しているならばともかく、本実施形態では、上述のように、結露を防止する様々な構成を有することにより、レンズカバー5に結露が生じにくくなっているため、ユーザが分解修理の必要性を認識できない。
そこで、本実施形態では、カメラ筐体部3内に水分が浸入した場合に、その旨をユーザに報知する構成を備えている。
水平部21Bには、図1に示すように、この水平部21Bに水が貯留されると、この水に濡れて発色する発色表示板(報知手段)42が配置されている。
なお、発色表示板42は、水平部21Bに貯留された水量に応じて発色させる範囲を変化させても良い。具体的には、図7に示すように、発色表示板42を、縁部R1と中央部R2とに区分けし、これら縁部R1及び中央部R2に異なる水発色インキを含ませる。これによれば、貯留された水が少なければ縁部R1のみが発色し、この貯留された水量が多くなれば中央部R2まで濡れて、この中央部R2が発色するため、ユーザは、車載用カメラ1内に浸入した水量についても視覚を通じて認識することが可能となる。
さらに、ヒータ、温度センサ及び送風機などを使用することなく、結露対策が可能となるため、車載用カメラ1の製造コストを低減させることができる。さらに、車載用カメラ1を強固な気密構造にする必要がなく、生活防水程度の防水構造で十分であるため、安価に車載用カメラ1を製作することができる。さらに、乾燥剤等を車載用カメラ1の内部に設ける必要がなく、製造コストを低減させることができる。
さらに、ヒータ、温度センサ及び送風機などを使用することなく、結露対策が可能となるため、車載用カメラ1の製造コストを低減させることができる。さらに、車載用カメラ1を強固な気密構造にする必要がなく、生活防水程度の防水構造で十分であるため、安価に車載用カメラ1を製作することができる。さらに、乾燥剤等を車載用カメラ1の内部に設ける必要がなく、製造コストを低減させることができる。
さらに、ヒータ、温度センサ及び送風機などを使用することなく、結露対策が可能となるため、車載用カメラ1の製造コストを低減させることができる。さらに、車載用カメラ1を強固な気密構造にする必要がなく、生活防水程度の防水構造で十分であるため、安価に車載用カメラ1を製作することができる。さらに、乾燥剤等を車載用カメラ1の内部に設ける必要がなく、製造コストを低減させることができる。
また、本実施形態では、シャッタ機構33は、第1シャッタ部34及び第2シャッタ部35の熱膨張率の差を利用して開閉するものとしていたが、空間10B内の温度を検知して、この結果に応じて、例えばシリンダを用いて機械的に開閉する機構としても良い。
また、本実施形態では、報知手段として、結露板21の水平部21Bに結露水が貯留された場合に、この水に濡れて発色する発色表示板42が配置されているものとしたが、結露水の有無をセンサによって検知し、この結果をランプやブザーで報知する構成としても良い。
さらに、カメラは使用する場合の上下方向が決まっている事が多いため、結露板121に波型状の流路溝125形成し、この流路溝125に沿った流れに方向性を与え、結露した水滴の排水を促す構造としても良い。
2 フロントバンパー
3 カメラ筐体部(筐体)
4 CCDカメラ(カメラ本体)
5 レンズカバー
7 カバー体
10B 空間
21、121 結露板(結露部)
21A 結露板本体
21B 水平部(貯留部)
21C 放熱部(一部)
22 遮熱板
31 連通路
32 透湿性防水素材
33 シャッタ機構(開閉機構)
34 第1シャッタ部
34A、35A 開口
35 第2シャッタ部
41 親水性膜
42 発色表示板(報知手段)
122 貫通孔部
123 返し部
Claims (4)
- 車両の周囲を撮像する車載用カメラにおいて、
カメラ本体を収容する筐体と、このカメラ本体の前面側に配置されるレンズカバーとを備え、このレンズカバーの内側に、当該レンズカバーよりも熱伝導性の高い材質で形成された結露部を配置するとともに、この結露部の一部を前記レンズカバーの外側に延在させたことを特徴とする車載用カメラ。 - 前記結露部と前記筐体との間に、この筐体から発せられる輻射熱を遮断する遮熱板を配置したことを特徴とする請求項1に記載の車載用カメラ。
- 前記結露部は、前記レンズカバーに対向する面の一部に、エッチング加工もしくは凹凸加工の不連続部分を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の車載用カメラ。
- 前記結露部は、前記カメラ本体が貫通する貫通孔部を備え、この貫通孔部の縁部に返しを設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車載用カメラ。
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