JP2008240323A - 水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の水洗大便器は、加圧した洗浄水によって洗浄される水洗大便器1であって、ボウル部12と、このボウル部上縁のリム部に設けられ洗浄水を吐出するリム吐水口18,18a,18bと、サイホン作用により汚物を排出する排水トラップ管路14とを備えた便器本体2と、洗浄水を貯水する貯水タンク32と、この貯水タンクに貯水された洗浄水を加圧してディストリビュータ16を介してリム吐水口18に供給する加圧ポンプ34と、サイホン作用によりボウル部12の溜水面Sが低下するとき、ボウル部の溜水面の位置が所定レベルS1以下に低下しないように、加圧ポンプを制御して必要な流量の洗浄水を供給するコントローラ40と、を有する。
【選択図】図3
Description
また、特許文献2の簡易水洗便器では、200cc程度の少ない洗浄水を用いてボウル面に付着した汚物等を流せば良いだけの構造となっており、サイホン作用を用いた汚物の排出搬送を考慮した水洗便器ではないので、汚物の排出搬送に関し、問題がある。
このように構成された本発明の水洗大便器においては、先ず、貯水タンクに貯水された洗浄水を加圧ポンプにより加圧してリム吐水口に供給し、このリム吐水口からボウル部へ洗浄水を吐出するようにしているので、水道水の圧力に影響を受けず、さらに、ゼット導水路を設ける必要がないので、構成部品も少なくなり、シンプルな構造の水洗大便器となる。また、リム吐水口のみから洗浄水によりボウル部を洗浄して汚物を排出するようにしているので、節水効果が大きい。次に、ポンプ制御手段が、サイホン作用によりボウル部の溜水面が低下するとき、ボウル部の溜水面の位置が所定レベル以下に低下しないように、加圧ポンプを制御して必要な流量の洗浄水を供給するようにしているので、サイホン作用が継続して維持され、これにより、ボウル部に浮遊している汚物を排水トラップ管路から速やかに排出することが出来る等の汚物の排出性能が向上する。
このように構成された本発明においては、サイホン作用発生後は比較的小流量の第2の流量の洗浄水を供給するように加圧ポンプを制御することにより、サイホン作用を継続して維持するようにしているので、節水の要請を満たし、さらに、サイホン作用終了時に発生するサイホン切れ音を低減できる。
このように構成された本発明によれば、第1リム吐水口から吐水される洗浄水がボウル部で旋回流となり、第2リム吐水口から吐水される洗浄水が排水トラップ管路の入口へ向かって流下するようになっているので、旋回流が、ボウル部の全面を洗浄しながら、排水トラップ管路に向かって流入するので、ボウル部全面を効果的に洗浄することができる。
このように構成された本発明によれば、切替弁により、第1リム吐水口と第2リム吐水口へ供給する洗浄水の量を適当に分配することにより、サイホン作用の継続を維持することができる。
このように構成された本発明においては、リム導水路及びリム吐水口がディストリビュータとして、便器本体にその一部として組み込まれているので、便器本体の製造が容易となる。
先ず、図1乃至図3により、本発明の第1実施形態による水洗大便器の構造を説明する。ここで、図1は、本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す側面図であり、図2は図1に示す水洗大便器の内部構造を示す平面図であり、図3は本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す全体構成図である。
この排水トラップ管路14は、入口部14aと、この入口部14aから上昇するトラップ上昇管14bと、このトラップ上昇管14bから下降するトラップ下降管14cとからなり、トラップ上昇管14bとトラップ下降管14cとの間が頂部14dとなっている。このトラップ管路14のトラップ下降管14cの下端には、排水管Dが接続されている。
図3に示すように、機能部10は、給水路19を備え、この給水路19には、上流側から、止水栓42a、ストレーナ42b、分岐金具42、定流量弁20、電磁弁22、が設けられている。この定流量弁20は、止水栓42a、ストレーナ42b、及び分岐金具42cを介して入水口20aから流入した洗浄水を、所定の流量以下に絞るためのものである。本実施形態においては、この定流量弁20は、洗浄水の流量を15リットル/分以下に制限するようになっている。また、定流量弁20を通過した洗浄水は、電磁弁22を開操作することにより、電磁弁22を通過して、貯水タンク32に供給され、また、電磁弁22を閉操作することにより、洗浄水の貯留タンク32への流入を停止するようになっている。ここで、貯水タンク32は、約4.6リットルの内容積を有する。
また、貯水タンク32の壁面32gは、蓋体32dよりも上方まで延びており、貯水タンク32の筒体32eから溢れた洗浄水は、蓋体32dの上に溜まるようになっている。
なお、加圧ポンプ34の下方には、水受けトレイ2aが配置されており、結露した水滴や漏水を受けるようになっている。
図2に示すように、ディストリビュータ16は、樹脂製のフレキシブルなチューブであり、便器本体2のボウル部12の上縁に形成された空間内に便器本体2の一部として組み込まれている。
図4に示すように、待機状態(時刻t0〜t1)において、便器洗浄スイッチ(図示せず)が操作されると、リム吐水が開始される(時刻t1)。即ち、使用者が便器洗浄スイッチ(図示せず)を操作すると、コントローラ40は、加圧ポンプ34に信号を送って加圧ポンプ34を作動させる。これにより、貯水タンク32内の洗浄水は加圧され、ティストリビユータ16を経由して、リム吐水口18(第1リム吐水口18a及び第2リム吐水口18b)からボウル部12内に吐水され、ボウル部12の洗浄が行われる。なお、加圧ポンプ34は、作動直後から流量Q1に至るまで徐々に給水量を増やしていくようにして、ディストリビュータ16、洗浄水供給路44内にある空気を圧縮させることなく排出させリム吐水口から洗浄水が吐水される際に発生する水飛びや異音を防止している。
このように、加圧ポンプ34によりリム吐水口18からボウル部12に供給される洗浄水量(第1リム吐水口18aと第2リム吐水口18bの合計)は、サイホン作用が発生して溜水面Sが低下するとき、溜水面Sが、排水トラップ管路14の入口部14aの上端部14eのレベルS1以下に低下しないような流量Q1に設定されている。
その結果、排水トラップ管路14の入口部14aから空気が流入することがないので、サイホン作用が終了することなく継続するようになっている。このようにサイホン作用をさらに継続させることができるので、ボウル部12に残る浮遊系の汚物を素早く排出することができる。
図5(a)は待機状態を示し(図4の時刻t0〜t1)、ボウル部に水が貯留された状態となっている。次に、図5(b)に示すように、リム吐水口18からのリム吐水が開始され(図4の時刻t1)、その洗浄水により、ボウル部の全面が洗浄される。次に、排水トラップ管路内に洗浄水が流入し始め(図4の時刻t2)、次第に排水トラップ管路内が満水となり、サイホンが発生する(図4の時刻t3)。次に、図5(c)、(d)に示すように、排水トラップ管路の入口部から空気が吸入され、サイホン作用が終わるきっかけとなる(図4の時刻t3〜t5)。
次に、リム吐水が再開され(図4の時刻t5)、図5(g)に示すように、元の待機状態となる(図4の時刻t6)。
この変形例では、時刻t3においてサイホン作用が発生したとき、時刻t9まで、加圧ポンプの回転数を低下させ、リム吐水口18からの洗浄水の量をQ2からQ3に低減させるようにしている。これは、サイホン作用を発生させるためには、比較的大きな流量(=Q2)の洗浄水が必要であるが、一旦、サイホン作用が発生すると、比較的少ない流量(=Q3)の洗浄水を供給することにより、サイホン作用を維持できるからである。
その結果、この変形例においても、排水トラップ管路14の入口部14aから空気が流入することがないので、サイホン作用が終了することなく継続するようになっている。このようにサイホン作用をさらに継続させることができるので、ボウル部12に残る浮遊系の汚物を素早く排出することができる。
即ち、図4の時刻t1〜t3までの時間では、切替弁16fを、図8(a)に示すように、分配割合を50対50(モード1)にして、第1リム吐水口18aと第2リム吐水口18bから吐水される洗浄水の量をほぼ等しくする。これにより、第2リム吐水口18bから流下する洗浄水B(補助流)により、第1リム吐水口18aからの洗浄水A(主流)が、旋回しながら、次第に下方に移動するので、ボウル部12の全面を洗浄することができる。
この結果、第2実施形態においても、サイホン作用をさらに継続させることにより、ボウル部12に残る浮遊系の汚物を素早く排出することができる。
2 便器本体
10 機能部
12 ボウル部
14 排水トラップ管路
14a 入口部
16 ディストリビュータ
16f 切替弁
18 リム吐水口
18a 第1リム吐水口
18b 第2リム吐水口
19 給水路
20 定流量弁
22 電磁弁
32 貯水タンク
34 加圧ポンプ
40 コントローラ
44 洗浄水供給路
Claims (5)
- 加圧した洗浄水によって洗浄される水洗大便器であって、
ボウル部と、このボウル部上縁のリム部に設けられ洗浄水を吐出するリム吐水口と、サイホン作用により汚物を排出する排水トラップ管路とを備えた便器本体と、
洗浄水を貯水する貯水タンクと、
この貯水タンクに貯水された洗浄水を加圧してリム導水路を介して上記リム吐水口に供給する加圧ポンプと、
サイホン作用によりボウル部の溜水面が低下するとき、ボウル部の溜水面の位置が所定レベル以下に低下しないように、上記加圧ポンプを制御して必要な流量の洗浄水を供給するポンプ制御手段と、
を有することを特徴とする水洗大便器。 - 上記ポンプ制御手段は、サイホン作用が発生するまでは比較的大流量の第1の流量の洗浄水を供給し、サイホン作用発生後は比較的小流量の第2の流量の洗浄水を供給するように上記加圧ポンプを制御する請求項1記載の水洗大便器。
- 上記リム吐水口は、上記ボウル部に洗浄水の旋回流を形成するための第1リム吐水口及び上記排水トラップ管路の入口へ向かって洗浄水を流下させるための第2リム吐水口を有する請求項1又は請求項2に記載の水洗大便器。
- 更に、上記第1リム吐水口と第2リム吐水口へ供給する洗浄水の量を分配する上記リム導水路に設けられた切替弁と、を有する請求項3に記載の水洗大便器。
- 上記リム導水路及びリム吐水口は、一体で形成されたディストリビュータであり、このディストリビュータが上記便器本体にその一部として組み込まれている請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
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