JP2008239899A - 放熱性樹脂組成物及びそれを含む成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の放熱性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラーと、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、5〜95質量%及び95〜5質量%であり、熱伝導率が2.0W/(m・K)以上であり、熱放射率が0.7以上であり、且つ、白色度が30%以上である。
【選択図】なし
Description
一方、特許文献2の熱伝導性樹脂組成物を用いて成る成形品は、白色であり、着色剤の添加により、白色系の色又は他の色に調色することができる。また、光線反射率(光沢)に優れる。そして、熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂を用いると、耐熱変形性に優れる。このように、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂を用いた、窒化ホウ素系の放熱性樹脂組成物は、耐熱変形性、意匠性及び電気絶縁性に優れる。しかしながら、耐衝撃性、曲げ歪み特性等の機械的強度が十分ではなく、また、太陽光等の光が長時間照射されると、色調の退化、光線反射率の低下等の問題があった。
本発明の目的は、放熱性、耐熱変形性、調色性、光沢性、耐衝撃性、曲げ歪み特性及び耐光性に優れる放熱性樹脂組成物、並びに、それを含む成形品を提供することにある。
1.熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラーと、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する放熱性樹脂組成物であって、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、5〜95質量%及び5〜95質量%であり、熱伝導率が2.0W/(m・K)以上であり、熱放射率が0.7以上であり、且つ、白色度が30%以上であることを特徴とする放熱性樹脂組成物。
2.上記熱伝導性フィラーの含有割合は、上記熱可塑性樹脂及び上記熱伝導性フィラーの合計を100質量%とした場合に、20〜90質量%である上記1に記載の放熱性樹脂組成物。
3.上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有量の合計は、上記熱可塑性樹脂を100質量部とした場合に、0.05〜10質量部である上記1又は2に記載の放熱性樹脂組成物。
4.上記熱伝導性フィラーが、鱗片状である上記1乃至3のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
5.上記熱伝導性フィラーが、窒化ホウ素である上記1乃至4のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
6.上記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系重合体及びゴム強化樹脂から選ばれた少なくとも1種である上記1乃至5のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
7.上記ポリエステル樹脂が、共重合ポリエステルを含む上記6に記載の放熱性樹脂組成物。
8.更に、難燃剤を含有する上記1乃至7のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
9.更に、着色剤を含有し、該着色剤の含有量が、上記熱可塑性樹脂、上記熱伝導性フィラー、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の合計を100質量部とした場合に、0.05〜30質量部である上記1乃至8のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
10.光線反射率が20%以上である上記1乃至9のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
11.上記1乃至10のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
本発明の成形品は、放熱性、耐熱変形性、調色性、光沢性、耐衝撃性、曲げ歪み特性及び耐光性に優れることから、電話機(携帯電話機、ファクシミリ)、複写機、プリンター、コンピュータ、電子辞書等のOA機器;ドライヤー等の美容機器;(デジタル)カメラ、(デジタル)ビデオカメラ、プロジェクター、液晶テレビ、プラズマテレビ等の画像表示・記録機器;音響機器;室内照明具;パチンコ等の遊戯機;ランプ、カーステレオ、カーナビゲーション等の車載電子機器;各種電源装置;ステッピングモータ等の駆動装置;家庭用ゲーム機等の玩具等の筐体、基板等の放熱部品等に好適である。特に、調色性及び光沢性に優れることから、上記筐体に好適であり、また、高熱伝導率が必要とされる放熱部品にも好適である。
本発明において、「(共)重合」とは、単独重合及び共重合を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味する。
本発明の放熱性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラーと、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する放熱性樹脂組成物であって、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、5〜95質量%及び95〜5質量%であり、熱伝導率が2.0W/(m・K)以上であり、熱放射率が0.7以上であり、且つ、白色度が30%以上であることを特徴とする。
この熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する重合体を含むものであれば、特に限定されず、ポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂等のゴム強化樹脂;ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体等のスチレン系(共)重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリアミド系重合体;ポリアセタール樹脂;ポリ塩化ビニル、エチレン・塩化ビニル重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル酸エステルの1種以上を用いた(共)重合体等のアクリル系樹脂;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンサルファイド;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;液晶ポリマー;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン系樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル;ポリビニルブチラール;フェノキシ樹脂;感光性樹脂;生分解性プラスチック等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系重合体及びゴム強化樹脂が好ましい。
このポリエステル樹脂は、分子の主鎖中にエステル結合を有する樹脂であれば、特に限定されず、飽和ポリエステル樹脂であってよいし、不飽和ポリエステル樹脂であってもよい。これらのうち、飽和ポリエステル樹脂が好ましい。また、ホモ型ポリエステルであってよいし、共重合ポリエステルであってもよい。本発明においては、曲げ歪み特性が優れることから、共重合ポリエステルを含むことが好ましく、その結果、本発明の放熱性樹脂組成物を含む成形品である各種部材を組み付け、組み込み等の作業を行う場合に、部材の破損等を抑制することができ、作業性及び作業効率に優れる。
更に、上記ポリエステル樹脂は、結晶性樹脂であってよいし、非晶性樹脂であってもよい。
上記ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸等)、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等の炭素数8〜16程度の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体等、シクロヘキサンジカルボン酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸等の炭素数8〜12程度の脂環式ジカルボン酸又はその誘導体等、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸等の炭素数2〜40程度の脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体等が挙げられる。
これらジカルボン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ジヒドロキシ成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記オキシカルボン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ラクトン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、上記化合物以外に、必要に応じて、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分又はそのエステル誘導体;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;没食子酸等の3官能以上の多官能成分又はそのエステル誘導体の1種あるいは2種以上を、重縮合用成分として用いてもよい。
(1)テレフタル酸及び/又はその誘導体からなるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体。
(2)好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上のテレフタル酸及び/又はその誘導体と、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下のイソフタル酸及び/又はその誘導体からなるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体。
また、重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部からポリマー抜き出しダイに移送されてストランド状に抜き出され、水冷されながら、あるいは、水冷後、カッターで切断されてペレット状、チップ状等の粒状体とされる。
このポリカーボネート樹脂は、主鎖にカーボネート結合を有するものであれば、特に限定されず、芳香族ポリカーボネートでよいし、脂肪族ポリカーボネートでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。本発明においては、耐衝撃性、耐熱性等の観点から、芳香族ポリカーボネートが好ましい。尚、このポリカーボネート樹脂は、末端が、R−CO−基、R’−O−CO−基(R及びR’は、いずれも有機基を示す。)に変性されたものであってもよい。このポリカーボネート樹脂は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリカーボネート樹脂は、全体としての粘度平均分子量が上記範囲に入るものであれば、異なる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂の2種以上を混合して用いてもよい。
このポリアミド系重合体としては、主鎖に酸アミド結合(−CO−NH−)を有するものであれば、特に限定されず、ポリアミド系樹脂及びポリアミド系エラストマーのいずれでもよい。これらを組み合わせてもよい。
このゴム強化樹脂は、ゴム質重合体(以下、「ゴム質重合体(a)」という。)の存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル系単量体(以下、「ビニル系単量体(b)」という。)を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂(以下、「ゴム強化ビニル系樹脂(A1)」という。)、又は、該ゴム強化ビニル系樹脂(A1)及びビニル系単量体の(共)重合体(以下、「(共)重合体(A2)」という。)の混合物、からなるものである。
また、上記非ジエン系重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体;エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・ブテン−1・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体;ウレタン系ゴム;アクリル系ゴム;シリコーンゴム;シリコーン・アクリル系IPNゴム等が挙げられる。
尚、上記各共重合体は、ブロック共重合体でもよいし、ランダム共重合体でもよい。
また、溶液重合等によりゴム質重合体(a)を製造した場合には、再乳化等の方法により、所定の平均粒子径を有する重合体とさせることができる。再乳化により得られたゴム質重合体(a)の分散液も、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を乳化重合により製造するのに好適である。
従って、上記ビニル系単量体(b)としては、芳香族ビニル化合物(b1)の1種以上、あるいは、芳香族ビニル化合物の1種以上と、該芳香族ビニル化合物と共重合可能な化合物の1種以上とを組み合わせた単量体を用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(1)芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物。
(2)芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び他の化合物。
上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)は、ゴム質重合体(a)の存在下に、ビニル系単量体(b)を、好ましくは乳化重合、溶液重合、塊状重合することにより、製造することができる。
尚、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)の製造の際には、ゴム質重合体(a)及びビニル系単量体(b)は、反応系において、ゴム質重合体(a)全量の存在下に、ビニル系単量体(b)を一括添加してもよいし、分割又は連続添加してもよい。また、これらを組み合わせた方法でもよい。更に、ゴム質重合体(a)の全量又は一部を、重合途中で添加して重合してもよい。
ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を100質量部製造する場合、ゴム質重合体(a)の使用量は、好ましくは5〜80質量部、より好ましくは10〜70質量部、更に好ましくは15〜60質量部である。
上記重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物と、含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方等の還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤;過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレイト、tert−ブチルパーオキシモノカーボネート等の過酸化物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、上記重合開始剤は、反応系に一括して又は連続的に添加することができる。また、上記重合開始剤の使用量は、上記ビニル系単量体(b)全量に対し、通常、0.1〜1.5質量%である。
尚、複数のゴム強化ビニル系樹脂(A1)を併用する場合には、単離した後、混合してもよいが、他の方法として、各樹脂を各々含むラテックスを製造してから混合し、その後、凝固する等により、混合されたゴム強化ビニル系樹脂(A1)とすることができる。
ここで、グラフト率とは、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)1グラム中のゴム成分をxグラム、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)1グラムをアセトン(但し、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムである場合には、アセトニトリルを使用。)に溶解させた際の不溶分をyグラムとしたときに、次式により求められる値である。
グラフト率(質量%)={(y−x)/x}×100
尚、上記グラフト率及び極限粘度[η]は、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を製造するときの、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、溶剤等の種類や量、更には重合時間、重合温度等を変えることにより、容易に制御することができる。
この熱伝導性フィラーとしては、25℃における熱伝導率が、好ましくは30W/(m・K)以上、より好ましくは80W/(m・K)以上、更に好ましくは100W/(m・K)以上、特に好ましくは150W/(m・K)以上である物質からなるものである。本発明に係る熱伝導性フィラーとしては、絶縁性に優れることから、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。また、上記以外の物質からなる無機系粒子又は有機系粒子をコアとして、上記化合物を被覆させてシェルを形成してなる複合型フィラーを用いることもできる。また、絶縁性の熱伝導性フィラーを用いることにより、絶縁性を有する放熱性樹脂組成物を得ることができ、この組成物を含む成形品の表面固有抵抗(絶縁性の指標、値が高いほど絶縁性に優れる)は、好ましくは1×1013Ω以上、更に好ましくは1×1014Ω以上である。この範囲にあると、絶縁性に優れる。
更に、上記熱伝導性フィラーは、光に対する反射性の点から、白色系物質であることが好ましく、上記のうち、窒化ホウ素及び酸化亜鉛が好ましく、窒化ホウ素が特に好ましい。上記熱伝導性フィラーとして、窒化ホウ素からなるものを用いると、放熱性、耐熱性及び反射特性の物性バランスが高水準である放熱性樹脂組成物を得ることができる。
六方晶構造の窒化ホウ素は、層状の結晶構造を有しており、その形状は、平板状(鱗片状)である。この層状構造を有する窒化ホウ素において、層に平行な方向(a軸方向)の熱伝導性は、層に垂直な方向(c軸方向)のそれの約30倍程度といわれている。
本発明の組成物は、更に、紫外線吸収剤及び光安定剤を所定の割合で含有する。これらの紫外線吸収剤及び光安定剤を併用することにより、耐光性に優れ、太陽光等からの光を受光した際における変色等を抑制することができる。
本発明の組成物は、目的、用途等に応じて、更に添加剤を含有したものとすることができる。この添加剤としては、難燃剤、着色剤、エステル交換抑制剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、離型剤、抗菌剤、結晶核剤、流動改質剤、衝撃改質剤等が挙げられる。
有機系難燃剤としては、臭素化エポキシ系化合物、臭素化アルキルトリアジン化合物、臭素化ビスフェノール系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、臭素化ビスフェノール系ポリカーボネート樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化架橋ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールシアヌレート樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールA及びそのオリゴマー等のハロゲン系難燃剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トキヘキシルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート等のリン酸エステルやこれらを各種置換基で変性した化合物、各種の縮合型のリン酸エステル化合物、リン元素及び窒素元素を含むホスファゼン誘導体等のリン系難燃剤;ポリテトラフルオロエチレン、グアニジン塩、シリコーン系化合物、ホスファゼン系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、ジブロモフェノールグリシジルエーテル、臭素化芳香族トリアジン、トリブロモフェノール、テトラブロモフタレート、テトラクロロ無水フタル酸、ジブロモネオペンチルグリコール、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、クロレンド酸(ヘット酸)、無水クロレンド酸(無水ヘット酸)、臭素化フェノールグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、本発明の組成物に難燃剤を含有させる場合には、難燃助剤を用いることが好ましい。この難燃助剤としては、三酸化二アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、酒石酸アンチモン等のアンチモン化合物や、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水和アルミナ、酸化ジルコニウム、ポリリン酸アンモニウム、酸化スズ等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料としては、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン/ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン/インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン/オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料等が挙げられる。
上記白色系無機顔料としては、TiO2、Al2O3・nH2O、〔ZnS+BaSO4〕、CaSO4・2H2O、BaSO4、CaCO3、2PbCO3・Pb(OH)2等が挙げられる。
上記赤色系無機顔料としては、CdS・nCdSe、PbCrO4・mPbMoO4・nPbSO4、TiO2・Sb2O3・NiO、Zn−Fe系複合酸化物(ZnO・Fe2O3等)、Zn−Fe−Cr系複合酸化物(ZnO・Fe2O3・Cr2O3等)等が挙げられる。
上記黄色系無機顔料としては、TiO2・BaO・NiO、TiO2・NiO・Sb2O3、Fe2O3・H2O、PbCrO4、Pb(SbO3)2、Pb3(SbO4)2、Ti−Sb−Ni系複合酸化物、Ti−Sb−Cr系複合酸化物等が挙げられる。
上記緑色系無機顔料としては、Cu(C2H3O2)3、Cu(AsO2)2、CoO・nZnO、BaMnO2、Cu2(OH)2(CO3)、Ti−Co−Ni−Zn系複合酸化物等が挙げられる。
上記青色系無機顔料としては、CoO・nAl2O3、CoO・nSnO・mMgO、Na6Al6(SiO4)6・2Na3SO4等が挙げられる。
上記エステル交換抑制剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.02〜3質量部、更に好ましくは0.03〜1質量部である。エステル交換抑制剤をこの範囲で用いると、成形加工時の熱による劣化が抑制され、耐衝撃性、白色度及び光沢性に優れた成形品を得ることができる。
上記充填剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、3〜30質量部である。
上記熱安定剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記酸化防止剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記老化防止剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記可塑剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜15質量部である。
上記滑剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記抗菌剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.05〜5質量部である。
本発明の組成物は、上記所定の含有量となるように秤量した原料成分を、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダールーダー等に供給し、混練することにより製造することができる。原料成分の供給方法は特に限定されず、各々の成分を一括配合して混練してもよく、多段、分割配合して混練してもよい。
尚、混練温度は、上記熱可塑性樹脂の種類、及び、上記熱伝導性フィラーの含有量により選択されるが、通常、200〜300℃である。
本発明の組成物は、上記熱可塑性樹脂をマトリックスとして、上記熱伝導性フィラーが均一に分散している。従って、本発明の組成物を含む成形品は、放熱性、耐熱性及び耐光性に優れる。尚、上記熱伝導性フィラーが窒化ホウ素からなるものである場合には、絶縁性及び光に対する反射特性にも優れる。
本発明の組成物において、25℃における熱伝導率は、2.0W/(m・K)以上であり、好ましくは3.0〜10.0W/(m・K)、より好ましくは4.0〜5.0W/(m・K)である。上記熱伝導率が、上記範囲であれば、放熱性及び機械的強度の物性バランスに優れる。この熱伝導率が2.0W/(m・K)未満であると、放熱性が劣る傾向にある。尚、上記熱伝導率は、成形品を製造したときの組成物の流動方向に対して測定した値であり、測定方法は、後述の〔実施例〕において説明する。
この熱伝導率は、熱伝導性フィラーの種類、形状及びその含有量等を、適宜、選択することにより調整することができる。
また、熱放射率は、0.7以上であり、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.8以上である。この熱放射率が0.7未満であると、放熱性が十分でない。尚、熱放射率の測定方法は、後述の〔実施例〕において説明する。
この熱放射率は、熱伝導性フィラーの種類及びその含有量等を、適宜、選択することにより調整することができる。
更に、白色度は、30%以上であり、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上である。この白色度が高いほど、光に対する反射特性に特に優れるが、成形品が着色されている場合であっても、30%以上であれば、光に対する反射特性に優れる。尚、白色度は、ハンター式測色色差計により測定することができる。
この白色度は、熱可塑性樹脂の種類及びその含有量、熱伝導性フィラーの種類及びその含有量、並びに、着色剤の種類及びその含有量を、適宜、選択することにより調整することができる。
更に、ISO75(荷重1.80MPa)に準ずる熱変形温度は、好ましくは120℃以上であり、より好ましくは130〜300℃、更に好ましくは130〜280℃である。この熱変形温度が上記範囲にあると、耐熱変形性に優れる。
この熱変形温度は、熱可塑性樹脂の種類及びその含有量、熱伝導性フィラーの種類、形状及びその含有量等を、適宜、選択することにより調整することができる。
また、ISO178に準ずる曲げ歪みは、好ましくは1.0%以上であり、より好ましくは1.2〜8%、更に好ましくは1.5〜8%である。上記曲げ歪みが、上記範囲であれば、曲げ歪み特性及び剛性の物性バランスが高水準にあり、好ましい。この曲げ歪みが1.0%未満であると、本発明の組成物を含む成形品である各種部材を組み付け、組み込み等の作業を行う場合に、割れが発生する傾向にある。
この曲げ歪みは、熱可塑性樹脂の種類及びその含有量、熱伝導性フィラーの種類、形状及びその含有量等を、適宜、選択することにより調整することができる。
組成物の絶縁性について、本発明の組成物を含む成形品の表面固有抵抗(絶縁性の指標、値が高いほど絶縁性に優れる)は、好ましくは1×1013Ω以上、更に好ましくは1×1014Ω以上である。この範囲にあると、絶縁性に優れる。
本発明の成形品は、上記本発明の組成物を含むことを特徴とする。
上記本発明の組成物は、以上のような優れた性質を有することから、本発明の成形品としては、電話機(携帯電話機、ファクシミリ)、複写機、プリンター、コンピュータ、電子辞書等のOA機器;ドライヤー等の美容機器;音響機器;室内照明具;パチンコ等の遊戯機;ランプ、カーステレオ、カーナビゲーション等の車載電子機器;各種電源装置;ステッピングモータ等の駆動装置;家庭用ゲーム機等の玩具等の筐体、基板等の放熱部品等に好適である。特に、調色性及び光沢性に優れることから、上記筐体に好適であり、また、高熱伝導率が必要とされる放熱部品にも好適である。尚、LED実装用基板、このLED実装用基板に配設されるリフレクター等のLED関連部材には適用しないものである。
1.熱可塑性樹脂
(1)A1;共重合型ポリブチレンテレフタレート(可撓性を付与した変性PBT;ジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチレングリコールの共重合体)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVADURAN 5505S」(商品名)を用いた。ガラス転移温度は27℃である。
(2)A2;ホモ型ポリブチレンテレフタレート
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVADURAN 5007」(商品名)を用いた。ガラス転移温度は30℃である。
(3)A3;ホモ型ポリエチレンテレフタレート
三菱化学社製「NOVAPEX GM700Z」(商品名)を用いた。重量平均分子量は18000である。ガラス転移温度は67℃である。
(4)A4;ポリカーボネート
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVAREX 7022PJ−LH1」(商品名)を用いた。重量平均分子量は18000である。
(1)B1;窒化ホウ素
電気化学工業社製「デンカボロンナイトライド粉末SGP」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、平均粒径は18.0μmであり、酸化鉄量は0%である。
(2)B2;酸化亜鉛
堺化学工業社製「ZINC OXIDE No.2」(商品名)を用いた。平均粒径は3μm(レーザー回折法)であり、酸化鉄量は0.0007%である。
(3)B3;黒鉛粒子
中越黒鉛工業所社製「HF−150A」(商品名)を用いた。形状は鱗片状であり、アスペクト比は16、重量平均粒子径161μm(電子顕微鏡法)である。
(1)C1;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「TINUVIN P」(商品名)を用いた。
(2)C2;2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕
アデカ社製「アデカスタブ LA−31」(商品名)を用いた。
(1)D1;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
アデカ社製「アデカスタブ LA−77」(商品名)を用いた。
(2)D2;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「CHIMASSORB 944LD」(商品名)を用いた。
酸化チタン(商品名「タイペークPF691」、石原産業社製)を用いた。
ハロゲン系難燃剤(商品名「エピコート5203」、東都化成社製)を用いた。
青色顔料(商品名「ダイアレジン・ブルーG」、三菱化学社製)を用いた。
実施例1〜14及び比較例1〜5
(1)放熱性樹脂組成物の製造方法
熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラー等とを、表1〜表3に示す割合でミキサーに投入して5分間混合した後、押出機(「BT−40−S2−30−L型」、プラスチック工学研究所製)を用い、弱練りタイプのスクリューを用い、スクリュー回転数100rpm及びシリンダー温度260℃で溶融混練押出し、ペレット(放熱性樹脂組成物)を得た。
上記で得られたペレットを用い、下記評価項目に関する試験を行った。その結果を表1〜表3に併記した。
[1]熱放射率
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形(金型温度;50〜80℃)にて大きさ150×150×3mmの試験片を作製し、サーモスポットセンサー(「TSS−5X型」、ジャパンセンサー社製)を用い、赤外線検出による反射エネルギー測定方式により、雰囲気温度25℃で測定した。
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、その溶融物を、直径10mm及び長さ50mmのキャビティ空間を有する金型(金型温度;50〜80℃)の下方から射出して、直径10mm及び長さ50mmの円柱体を作製した。その後、ほぼ中央部において、厚さが1.5mmの円板となるように切り出し、これを試験片(直径10mm及び厚さ1.5mm)とした。熱伝導率を放熱性樹脂組成物の流動方向に対して測定するために、この試験片における、上面及び下面の各表面にプローブを当て、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(「TR−7000R型」、アルバック理工社製)を用い、25℃で測定した。
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形(金型温度;50〜80℃)にて所定の形状及び大きさを有する試験片を作製し、ISO75に準じて、荷重1.80MPaとして、測定した。
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形(金型温度;50〜80℃)にて大きさ150×150×3mmの試験片を作製し、ISO178に準じて、精密万能試験機(「オートグラフAG−10KNI型」、島津製作所社製)を用い、3点曲げ強度測定法により測定した。測定条件は、試験片のスパン間隔64mm、曲げ速度1mm/分である。
ISO179に準じて、ノッチ付きのデータを測定した。
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形(金型温度;50〜80℃)にて直径200mm及び厚さ2mmの円形の試験片を作製し、ハイ・レジスタンス・メータ(「4339B型」、Agilent Technologies社製)を用いて測定した。
上記[2]と同じ試験片について、耐光試験前後の白色度を、ハンター式測定色差計によりLab(L;明度、a;赤色度、b;黄色度)を測定し、次式により算出した。
W=100−√{(100−L)2+a2+b2}
耐光試験は、耐候光試験機「サンシャインウェザーメーター」(スガ試験機社製)を用い、雨無し及び温度63℃の条件で1000時間連続点灯した。
上記[2]と同じ試験片について、上記[7]と同じ条件による耐光試験前後の紫外線(波長550nm)に対する反射率を、紫外可視近赤外分光光度計(「V−670型」、日本分光社製)により、入射角60度で測定した。
放熱性樹脂組成物のMFRを、温度250℃及び荷重2kgの条件で、ISO1133に準じて測定した。
また、実施例2〜14は、紫外線吸収剤及び光安定剤を含有する例であり、いずれも、耐光試験後の白色度及び光線反射率に特に優れている。実施例5は、着色剤を含有する例であり、調色性に優れていた。
Claims (11)
- 熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラーと、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する放熱性樹脂組成物であって、
上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、5〜95質量%及び5〜95質量%であり、
熱伝導率が2.0W/(m・K)以上であり、熱放射率が0.7以上であり、且つ、白色度が30%以上であることを特徴とする放熱性樹脂組成物。 - 上記熱伝導性フィラーの含有割合は、上記熱可塑性樹脂及び上記熱伝導性フィラーの合計を100質量%とした場合に、20〜90質量%である請求項1に記載の放熱性樹脂組成物。
- 上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有量の合計は、上記熱可塑性樹脂を100質量部とした場合に、0.05〜10質量部である請求項1又は2に記載の放熱性樹脂組成物。
- 上記熱伝導性フィラーが、鱗片状である請求項1乃至3のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
- 上記熱伝導性フィラーが、窒化ホウ素である請求項1乃至4のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
- 上記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系重合体及びゴム強化樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1乃至5のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
- 上記ポリエステル樹脂が、共重合ポリエステルを含む請求項6に記載の放熱性樹脂組成物。
- 更に、難燃剤を含有する請求項1乃至7のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
- 更に、着色剤を含有し、該着色剤の含有量が、上記熱可塑性樹脂、上記熱伝導性フィラー、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の合計を100質量部とした場合に、0.05〜30質量部である請求項1乃至8のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
- 光線反射率が20%以上である請求項1乃至9のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
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