JP2008239899A - 放熱性樹脂組成物及びそれを含む成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性、耐熱変形性、調色性、光沢性、耐衝撃性、曲げ歪み特性及び耐光性に優れる放熱性樹脂組成物、並びに、それを含む成形品を提供する。
【解決手段】本発明の放熱性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラーと、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、5〜95質量%及び95〜5質量%であり、熱伝導率が2.0W/(m・K)以上であり、熱放射率が0.7以上であり、且つ、白色度が30%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、放熱性、耐熱変形性、調色性、光沢性、耐衝撃性、曲げ歪み特性及び耐光性に優れる放熱性樹脂組成物、並びに、それを含む成形品に関する。
LSI等の半導体素子の集積密度の増大と動作の高速化、そして、電子部品の高密度実装に伴い、発熱部品を備えた製品の放熱対策が大きな課題となっている。例えば、電子部品のハウジングには、熱伝導率の高い金属やセラミックスが用いられてきたが、近年、形状選択の自由度が高く、軽量化及び小型化の容易な放熱性樹脂組成物が用いられている。また、その用途が広い分野に展開された結果、高い意匠性を有し、表面における光沢性、調色性等に優れたものが望まれている。そして、高い耐熱変形性及び耐光性も求められている。
放熱性樹脂組成物としては、特許文献1には、黒鉛粒子を含有する導電樹脂組成物が、特許文献2には、窒化ホウ素等からなる無機繊維を含有する熱伝導性樹脂組成物が、それぞれ、開示されている。
特開2001−60413号公報 特開平8−283456号公報
特許文献1の導電樹脂組成物は、黒鉛粒子を含むことから、その成形品は、黒色を呈しており、着色剤を添加しても黒色以外に調色することができず、また、光線反射率(光沢)が低く、電気絶縁性に劣る。
一方、特許文献2の熱伝導性樹脂組成物を用いて成る成形品は、白色であり、着色剤の添加により、白色系の色又は他の色に調色することができる。また、光線反射率(光沢)に優れる。そして、熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂を用いると、耐熱変形性に優れる。このように、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂を用いた、窒化ホウ素系の放熱性樹脂組成物は、耐熱変形性、意匠性及び電気絶縁性に優れる。しかしながら、耐衝撃性、曲げ歪み特性等の機械的強度が十分ではなく、また、太陽光等の光が長時間照射されると、色調の退化、光線反射率の低下等の問題があった。
本発明の目的は、放熱性、耐熱変形性、調色性、光沢性、耐衝撃性、曲げ歪み特性及び耐光性に優れる放熱性樹脂組成物、並びに、それを含む成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究した結果、熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラーと、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有し、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤が所定の割合で含有される組成物が、放熱性、耐熱変形性、調色性、光沢性、耐衝撃性、曲げ歪み特性及び耐光性に優れていたことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示される。
1.熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラーと、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する放熱性樹脂組成物であって、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、5〜95質量%及び5〜95質量%であり、熱伝導率が2.0W/(m・K)以上であり、熱放射率が0.7以上であり、且つ、白色度が30%以上であることを特徴とする放熱性樹脂組成物。
2.上記熱伝導性フィラーの含有割合は、上記熱可塑性樹脂及び上記熱伝導性フィラーの合計を100質量%とした場合に、20〜90質量%である上記1に記載の放熱性樹脂組成物。
3.上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有量の合計は、上記熱可塑性樹脂を100質量部とした場合に、0.05〜10質量部である上記1又は2に記載の放熱性樹脂組成物。
4.上記熱伝導性フィラーが、鱗片状である上記1乃至3のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
5.上記熱伝導性フィラーが、窒化ホウ素である上記1乃至4のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
6.上記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系重合体及びゴム強化樹脂から選ばれた少なくとも1種である上記1乃至5のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
7.上記ポリエステル樹脂が、共重合ポリエステルを含む上記6に記載の放熱性樹脂組成物。
8.更に、難燃剤を含有する上記1乃至7のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
9.更に、着色剤を含有し、該着色剤の含有量が、上記熱可塑性樹脂、上記熱伝導性フィラー、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の合計を100質量部とした場合に、0.05〜30質量部である上記1乃至8のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
10.光線反射率が20%以上である上記1乃至9のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
11.上記1乃至10のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
本発明の放熱性樹脂組成物は、放熱性、耐熱変形性、調色性、光沢性、耐衝撃性、曲げ歪み特性及び耐光性に優れる。
本発明の成形品は、放熱性、耐熱変形性、調色性、光沢性、耐衝撃性、曲げ歪み特性及び耐光性に優れることから、電話機(携帯電話機、ファクシミリ)、複写機、プリンター、コンピュータ、電子辞書等のOA機器;ドライヤー等の美容機器;(デジタル)カメラ、(デジタル)ビデオカメラ、プロジェクター、液晶テレビ、プラズマテレビ等の画像表示・記録機器;音響機器;室内照明具;パチンコ等の遊戯機;ランプ、カーステレオ、カーナビゲーション等の車載電子機器;各種電源装置;ステッピングモータ等の駆動装置;家庭用ゲーム機等の玩具等の筐体、基板等の放熱部品等に好適である。特に、調色性及び光沢性に優れることから、上記筐体に好適であり、また、高熱伝導率が必要とされる放熱部品にも好適である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において、「(共)重合」とは、単独重合及び共重合を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味する。
1.放熱性樹脂組成物
本発明の放熱性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラーと、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する放熱性樹脂組成物であって、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、5〜95質量%及び95〜5質量%であり、熱伝導率が2.0W/(m・K)以上であり、熱放射率が0.7以上であり、且つ、白色度が30%以上であることを特徴とする。
1−1.熱可塑性樹脂
この熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する重合体を含むものであれば、特に限定されず、ポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂等のゴム強化樹脂;ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体等のスチレン系(共)重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリアミド系重合体;ポリアセタール樹脂;ポリ塩化ビニル、エチレン・塩化ビニル重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル酸エステルの1種以上を用いた(共)重合体等のアクリル系樹脂;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンサルファイド;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;液晶ポリマー;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン系樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル;ポリビニルブチラール;フェノキシ樹脂;感光性樹脂;生分解性プラスチック等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系重合体及びゴム強化樹脂が好ましい。
1−1−1.ポリエステル樹脂
このポリエステル樹脂は、分子の主鎖中にエステル結合を有する樹脂であれば、特に限定されず、飽和ポリエステル樹脂であってよいし、不飽和ポリエステル樹脂であってもよい。これらのうち、飽和ポリエステル樹脂が好ましい。また、ホモ型ポリエステルであってよいし、共重合ポリエステルであってもよい。本発明においては、曲げ歪み特性が優れることから、共重合ポリエステルを含むことが好ましく、その結果、本発明の放熱性樹脂組成物を含む成形品である各種部材を組み付け、組み込み等の作業を行う場合に、部材の破損等を抑制することができ、作業性及び作業効率に優れる。
更に、上記ポリエステル樹脂は、結晶性樹脂であってよいし、非晶性樹脂であってもよい。
上記ポリエステル樹脂は、例えば、ジカルボン酸成分とジヒドロキシ成分との重縮合、オキシカルボン酸成分又はラクトン成分の重縮合等により得られたものを用いることができる。
上記ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸等)、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等の炭素数8〜16程度の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体等、シクロヘキサンジカルボン酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸等の炭素数8〜12程度の脂環式ジカルボン酸又はその誘導体等、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸等の炭素数2〜40程度の脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体等が挙げられる。
尚、上記誘導体には、エステル形成可能な誘導体、例えば、ジメチルエステル等の低級アルキルエステル、酸無水物、酸クロライド等の酸ハライド等が含まれる。
これらジカルボン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ジヒドロキシ成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、デカンジオール等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜12程度のアルキレングリコール等の脂肪族アルキレングリコール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、水素化ビスフェノールA等の脂環族ジオール;ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシビフェニル、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールAに対してエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加した付加体(ジエトキシ化ビスフェノールA等)等の芳香族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ジテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
尚、上記ジヒドロキシ成分は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン等の置換基を有してもよい。
上記ジヒドロキシ成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記オキシカルボン酸成分としては、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレンオキシカルボン酸等のオキシカルボン酸及びその誘導体等が挙げられる。
上記オキシカルボン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ラクトン成分としては、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
上記ラクトン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリエステル樹脂がホモ型ポリエステルである場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン−1,4−ジメチルテレフタレート、ポリネオペンチルテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリヘキサメチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート等が挙げられる。上記ホモ型ポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ましい。また、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ポリエステル樹脂が共重合ポリエステルである場合、その形成に用いられる一般的なジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。また、ジヒドロキシ成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の直鎖状アルキレングリコール等の脂肪族アルキレングリコール;ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ(オキシ−アルキレン)単位を含み、繰り返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
更に、上記化合物以外に、必要に応じて、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分又はそのエステル誘導体;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;没食子酸等の3官能以上の多官能成分又はそのエステル誘導体の1種あるいは2種以上を、重縮合用成分として用いてもよい。
本発明において、好ましい共重合ポリエステルは、テレフタル酸及び/又はその誘導体(ジメチルエステル等の低級アルキルエステル、酸無水物、酸クロライド等の酸ハライド等)を主として含むジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールを含むジヒドロキシ成分との重縮合等により得られた重合体であって、ガラス転移温度が、好ましくは0〜75℃の範囲にある共重合型ポリブチレンテレフタレート;テレフタル酸及び/又はその誘導体(ジメチルエステル等の低級アルキルエステル、酸無水物、酸クロライド等の酸ハライド等)を主として含むジカルボン酸成分と、エチレングリコールを含むジヒドロキシ成分との重縮合等により得られた共重合型ポリエチレンテレフタレート等である。これらのうち、共重合ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。尚、共重合型ポリブチレンテレフタレートは、上記のポリブチレンテレフタレート(PBT)に比し、実質的に、柔軟性があることが知られており、「ソフトPBT」とも呼ばれている。
上記共重合型ポリエチレンテレフタレートの製造に用いられるジカルボン酸成分は、その全量に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上のテレフタル酸及び/又はその誘導体を含む。テレフタル酸及びその誘導体以外の、他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸等上記の通りである。この他のジカルボン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記共重合型ポリエチレンテレフタレートの製造に用いられるジヒドロキシ成分は、その全量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上の1,4−ブタンジオールを含む。1,4−ブタンジオール以外の、他のジヒドロキシ成分としては、エチレングリコール等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜12程度のアルキレングリコール等の脂肪族アルキレングリコール;芳香族ジオール;ポリオキシアルキレングリコール等上記の通りである。この他のジヒドロキシ成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、好ましい共重合型ポリブチレンテレフタレートは、以下に例示されるが、テレフタル酸及び/又はその誘導体を50質量%以上含むジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体であり、上記他のジヒドロキシ成分としては、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ(オキシ−アルキレン)単位を含み、繰り返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール等が好ましい。
(1)テレフタル酸及び/又はその誘導体からなるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体。
(2)好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上のテレフタル酸及び/又はその誘導体と、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下のイソフタル酸及び/又はその誘導体からなるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体。
上記共重合型ポリブチレンテレフタレートのガラス転移温度は、好ましくは0〜75℃である。下限温度は、より好ましくは0℃超えである。また、上限温度は、より好ましくは70℃未満、更に好ましくは65℃未満、特に好ましくは60℃未満、最も好ましくは50℃未満である。このガラス転移温度が低すぎると、本発明の組成物を含む成形品の機械的強度及び耐熱性が十分ではなく、一方、高すぎると、柔軟性が劣る。尚、上記ガラス転移温度は、動的粘弾性測定法により得ることができる。
上記共重合型ポリブチレンテレフタレートの溶融粘度は、成形加工性の観点から、250℃、せん断速度91.2(1/秒)、ノズル口径1mmφ、ノズル流路長30mm(L/D=30)の条件で測定した場合、好ましくは400〜2500Pa・s、より好ましくは600〜1300Pa・sである。
上記共重合型ポリブチレンテレフタレートの製造方法としては、テレフタル酸及び/又はその誘導体を含むジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオールを含むジヒドロキシ成分等の原料成分を、単数若しくは複数のエステル化反応槽内で、エステル化反応触媒の存在下に、通常、150〜280℃、好ましくは180〜265℃の温度、及び、通常、50〜1000Torr(6666〜133322Pa)、好ましくは70〜760Torr(9333〜101325Pa)の圧力、の条件で、攪拌しながら2〜5時間エステル化反応させ、得られたエステル化反応生成物(オリゴマー)を重縮合反応槽に移送し、単数若しくは複数の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下に、通常、210〜280℃、好ましくは220〜265℃の温度、及び、通常、200Torr(26664Pa)以下、好ましくは150Torr(19998Pa)以下の圧力、の条件で、攪拌しながら2〜5時間重縮合反応させることができる。反応形式は、連続式、半連続式あるいは回分式のいずれであってもよい。
また、重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部からポリマー抜き出しダイに移送されてストランド状に抜き出され、水冷されながら、あるいは、水冷後、カッターで切断されてペレット状、チップ状等の粒状体とされる。
尚、上記エステル化反応触媒としては、チタン化合物、錫化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、ジルコニウム化合物等が挙げられる。
1−1−2.ポリカーボネート樹脂
このポリカーボネート樹脂は、主鎖にカーボネート結合を有するものであれば、特に限定されず、芳香族ポリカーボネートでよいし、脂肪族ポリカーボネートでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。本発明においては、耐衝撃性、耐熱性等の観点から、芳香族ポリカーボネートが好ましい。尚、このポリカーボネート樹脂は、末端が、R−CO−基、R’−O−CO−基(R及びR’は、いずれも有機基を示す。)に変性されたものであってもよい。このポリカーボネート樹脂は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記芳香族ポリカーボネートとしては、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを溶融によりエステル交換(エステル交換反応)して得られたもの、ホスゲンを用いた界面重縮合法により得られたもの、ピリジンとホスゲンとの反応生成物を用いたピリジン法により得られたもの等を用いることができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、分子内にヒドロキシル基を2つ有する化合物であればよく、ヒドロキノン、レゾルシノール等のジヒドロキシベンゼン、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」という。)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3、5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(p−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(p−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、ビス(p−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(p−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物のうち、2つのベンゼン環の間に炭化水素基を有する化合物が好ましい。尚、この化合物において、炭化水素基は、ハロゲン置換された炭化水素基であってもよい。また、ベンゼン環は、そのベンゼン環に含まれる水素原子がハロゲン原子に置換されたものであってもよい。従って、上記化合物としては、ビスフェノールA、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3、5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン等が挙げられる。これらのうち、特に、ビスフェノールAが好ましい。
芳香族ポリカーボネートをエステル交換反応により得るために用いる炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、溶媒として塩化メチレンを用い、温度20℃で測定された溶液粘度より換算した場合、好ましくは12,000〜40,000、より好ましくは14,000〜30,000、特に好ましくは16,000〜26,000である。この粘度平均分子量が高すぎると、流動性が十分でなく、成形加工性が低下する場合がある。一方、低すぎると、耐衝撃性、靭性及び耐薬品性が十分でない場合がある。
上記ポリカーボネート樹脂は、全体としての粘度平均分子量が上記範囲に入るものであれば、異なる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂の2種以上を混合して用いてもよい。
上記ポリカーボネート樹脂は、ポリエステル樹脂及び/又はゴム強化樹脂と組み合わせて、アロイとして用いることもできる。
1−1−3.ポリアミド系重合体
このポリアミド系重合体としては、主鎖に酸アミド結合(−CO−NH−)を有するものであれば、特に限定されず、ポリアミド系樹脂及びポリアミド系エラストマーのいずれでもよい。これらを組み合わせてもよい。
上記ポリアミド系樹脂としては、ナイロン4、6、7、8、11、12、4.6、6.6、6.9、6.10、6.11、6.12、6T、6/6.6、6/12、6/6T、6T/6I等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、ポリアミド系樹脂の末端は、カルボン酸、アミン等で封止されていてもよい。カルボン酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。また、アミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等の脂肪族第1級アミン等が挙げられる。
上記ポリアミド系エラストマーとしては、ハードセグメントとして、炭素数が6以上のアミノカルボン酸もしくはラクタム、又は、m+n≧12のナイロンmn塩(X)と、ソフトセグメントとして、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール等のポリオール(Y)とを含み、且つ、エラストマー中に占める成分(X)の比率が、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%、特に好ましくは30〜80重量%のものである。
1−1−4.ゴム強化樹脂
このゴム強化樹脂は、ゴム質重合体(以下、「ゴム質重合体(a)」という。)の存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル系単量体(以下、「ビニル系単量体(b)」という。)を重合して得られるゴム強化ビニル系樹脂(以下、「ゴム強化ビニル系樹脂(A1)」という。)、又は、該ゴム強化ビニル系樹脂(A1)及びビニル系単量体の(共)重合体(以下、「(共)重合体(A2)」という。)の混合物、からなるものである。
上記ゴム質重合体(a)は、単独重合体であってよいし、共重合体であってもよいが、ジエン系重合体及び非ジエン系重合体が挙げられる。また、これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。更に、このゴム質重合体(a)は、非架橋重合体であってよいし、架橋重合体であってもよい。
上記ジエン系重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の単独重合体;スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体等のスチレン・ブタジエン系共重合体;スチレン・イソプレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・イソプレン共重合体等のスチレン・イソプレン系共重合体;上記各(共)重合体の水素化物等が挙げられる。
また、上記非ジエン系重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体;エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・ブテン−1・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体;ウレタン系ゴム;アクリル系ゴム;シリコーンゴム;シリコーン・アクリル系IPNゴム等が挙げられる。
尚、上記各共重合体は、ブロック共重合体でもよいし、ランダム共重合体でもよい。
上記ゴム質重合体(a)の大きさ及び形状は、特に限定されないが、粒子状であることが好ましく、その重量平均粒子径は、好ましくは30〜2000nmであり、より好ましくは100〜1500nm、更に好ましくは200〜1000nmである。重量平均粒子径が30nm未満では、成形品の耐衝撃性が劣る傾向にあり、2000nmを超えると、成形加工性、及び、成形品の表面外観性が劣る傾向にある。上記重量平均粒子径は、レーザー回折散乱法、動的光散乱法等により測定することができる。
上記ゴム質重合体(a)は、その重量平均粒子径が上記範囲内にあるものであれば、例えば、特開昭61−233010号公報、特開昭59−93701号公報、特開昭56−167704号公報等に記載されている方法等の公知の方法により肥大化したものを用いることもできる。
上記ゴム質重合体(a)を製造する方法としては、乳化重合、溶液重合等が挙げられる。これらのうち、平均粒子径の調整等が容易であることから、乳化重合が好ましい。この場合、平均粒子径は、乳化剤の種類及びその使用量、開始剤の種類及びその使用量、重合時間、重合温度、攪拌条件等の製造条件を選択することにより調整することができる。上記平均粒子径(粒子径分布)の他の調整方法としては、異なる粒子径を有するゴム質重合体(a)の2種類以上をブレンドする方法でもよい。乳化重合により製造して得られたゴム質重合体(a)は、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を乳化重合により製造するのに好適である。
また、溶液重合等によりゴム質重合体(a)を製造した場合には、再乳化等の方法により、所定の平均粒子径を有する重合体とさせることができる。再乳化により得られたゴム質重合体(a)の分散液も、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を乳化重合により製造するのに好適である。
上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)の形成に用いられるビニル系単量体(b)は、芳香族ビニル化合物(以下、「芳香族ビニル化合物(b1)」ともいう。)のみでもよいし、該芳香族ビニル化合物(b1)と、例えば、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド系化合物、酸無水物等の該芳香族ビニル化合物と共重合可能な化合物とを、それぞれ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
従って、上記ビニル系単量体(b)としては、芳香族ビニル化合物(b1)の1種以上、あるいは、芳香族ビニル化合物の1種以上と、該芳香族ビニル化合物と共重合可能な化合物の1種以上とを組み合わせた単量体を用いることができる。
上記芳香族ビニル化合物(b1)としては、少なくとも1つのビニル結合と、少なくとも1つの芳香族環とを有する化合物であれば、特に限定されることなく用いることができる。その例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、β−メチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。
上記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、アクリロニトリルが好ましい。また、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記マレイミド系化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、マレイミド系化合物からなる単位を導入する他の方法としては、例えば、無水マレイン酸を共重合し、その後イミド化する方法でもよい。
上記酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記化合物以外に、必要に応じて、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、アミド基、カルボキシル基、オキサゾリン基等の官能基を有するビニル系化合物を用いることができる。例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ヒドロキシスチレン、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4−オキシシクロヘキシル、アクリル酸3,4−オキシシクロヘキシル、ビニルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルアミド、アクリルアミド、メタクリル酸、アクリル酸、ビニルオキサゾリン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)の形成に用いるビニル系単量体(b)としては、下記の組み合わせで用いることが好ましい。シアン化ビニル化合物を用いることにより、耐薬品性及び耐変色性の物性バランスが向上する。
(1)芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物。
(2)芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び他の化合物。
上記ビニル系単量体(b)として、芳香族ビニル化合物(b1)と他のビニル系単量体(以下、「ビニル系単量体(b2)」ともいう。)とを併用する場合、芳香族ビニル化合物(b1)と、ビニル系単量体(b2)との重合割合(b1)/(b2)は、これらの合計を100質量%とした場合、好ましくは(2〜95)質量%/(98〜5)質量%、より好ましくは(10〜90)質量%/(90〜10)質量%である。芳香族ビニル化合物(b1)の使用量が少なすぎると、成形加工性が劣る傾向にあり、多すぎると、本発明の放熱性樹脂組成物及びそれを含む成形品の耐薬品性、耐熱性等が十分でない場合がある。
尚、前述のように、上記熱可塑性樹脂としてゴム強化樹脂を用いる場合には、該ゴム強化樹脂が、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)のみであってもよく、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)と、ビニル系単量体の重合によって得られた(共)重合体(A2)とからなる混合物であってもよい。このビニル系単量体としては、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)の形成に用いた化合物、即ち、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド系化合物、酸無水物及び官能基を有する化合物から選ばれる1種以上を用いることができる。従って、上記(共)重合体(A2)は、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)の形成に用いたビニル系単量体(b)と全く同じ組成の成分を重合して得られる重合体であってもよいし、異なる組成で同じ種類の単量体を重合して得られる重合体であってもよいし、更には、異なる組成で異なる種類の単量体を重合して得られる重合体であってもよい。これらの各重合体が2種以上含まれるものであってもよい。
上記(共)重合体(A2)としては、芳香族ビニル化合物からなる単位と、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物及びマレイミド系化合物から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体からなる単位、とよりなる共重合体が好ましい。これらの構成割合は、合計を100質量%とした場合、それぞれ、好ましくは2〜95質量%及び5〜98質量%、より好ましくは10〜90質量%及び10〜90質量%である。
従って、上記(共)重合体(A2)の具体例としては、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・メタクリル酸メチル共重合体、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル・スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体等が挙げられる。
次に、上記のゴム強化ビニル系樹脂(A1)及び(共)重合体(A2)の製造方法について説明する。
上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)は、ゴム質重合体(a)の存在下に、ビニル系単量体(b)を、好ましくは乳化重合、溶液重合、塊状重合することにより、製造することができる。
尚、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)の製造の際には、ゴム質重合体(a)及びビニル系単量体(b)は、反応系において、ゴム質重合体(a)全量の存在下に、ビニル系単量体(b)を一括添加してもよいし、分割又は連続添加してもよい。また、これらを組み合わせた方法でもよい。更に、ゴム質重合体(a)の全量又は一部を、重合途中で添加して重合してもよい。
ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を100質量部製造する場合、ゴム質重合体(a)の使用量は、好ましくは5〜80質量部、より好ましくは10〜70質量部、更に好ましくは15〜60質量部である。
乳化重合によりゴム強化ビニル系樹脂(A1)を製造する場合には、重合開始剤、連鎖移動剤(分子量調節剤)、乳化剤、水等が用いられる。
上記重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物と、含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方等の還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤;過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレイト、tert−ブチルパーオキシモノカーボネート等の過酸化物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、上記重合開始剤は、反応系に一括して又は連続的に添加することができる。また、上記重合開始剤の使用量は、上記ビニル系単量体(b)全量に対し、通常、0.1〜1.5質量%である。
上記連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、tert−テトラデシルメルカプタン等のメルカプタン類;ターピノーレン、α−メチルスチレンのダイマー等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記連鎖移動剤の使用量は、上記ビニル系単量体(b)全量に対して、通常、0.05〜2.0質量%である。
乳化重合の場合に使用する乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、高級脂肪族カルボン酸塩、リン酸系等のアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型等のノニオン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記乳化剤の使用量は、上記ビニル系単量体(b)全量に対して、通常、0.3〜5.0質量%である。
乳化重合により得られたラテックスは、通常、凝固剤により凝固させ、重合体成分を粉末状とし、その後、これを水洗、乾燥することによって精製される。この凝固剤としては、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム等の無機塩;硫酸、塩酸等の無機酸;酢酸、乳酸等の有機酸等が用いられる。
尚、複数のゴム強化ビニル系樹脂(A1)を併用する場合には、単離した後、混合してもよいが、他の方法として、各樹脂を各々含むラテックスを製造してから混合し、その後、凝固する等により、混合されたゴム強化ビニル系樹脂(A1)とすることができる。
溶液重合及び塊状重合によるゴム強化ビニル系樹脂(A1)の製造方法は、公知の方法を適用することができる。溶液重合及び塊状重合によりゴム強化ビニル系樹脂(A1)を製造する場合には、どの方法により得られたゴム質重合体(a)を用いてもよい。即ち、乳化重合により得られたラテックス(ゴム質重合体(a)の粒子を含む)をそのまま用いてよいし、その媒体を除去してなるゴム質重合体(a)を用いてもよい。また、溶液重合により得られたゴム質重合体(a)をそのまま用いてよいし、その再乳化液を用いてもよい。
上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)のグラフト率は、好ましくは10〜200質量%、より好ましくは15〜150質量%、更に好ましくは20〜150質量%である。上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)のグラフト率が10質量%未満では、本発明の放熱性樹脂組成物及びそれを含む成形品の表面外観性及び耐衝撃性が低下することがある。また、200%を超えると、成形加工性が劣る。
ここで、グラフト率とは、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)1グラム中のゴム成分をxグラム、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)1グラムをアセトン(但し、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムである場合には、アセトニトリルを使用。)に溶解させた際の不溶分をyグラムとしたときに、次式により求められる値である。
グラフト率(質量%)={(y−x)/x}×100
また、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)のアセトン(但し、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムである場合には、アセトニトリルを使用。)による可溶成分の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、好ましくは0.1〜1.0dl/g、より好ましくは0.2〜0.9dl/g、更に好ましくは0.3〜0.8dl/gである。この範囲とすることにより、本発明の放熱性樹脂組成物の成形加工性に優れ、本発明の放熱性樹脂組成物及びそれを含む成形品の耐衝撃性にも優れる。
尚、上記グラフト率及び極限粘度[η]は、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)を製造するときの、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、溶剤等の種類や量、更には重合時間、重合温度等を変えることにより、容易に制御することができる。
上記(共)重合体(A2)は、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)の製造に適用される重合開始剤等を用いて、単量体成分を、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等で重合することにより、あるいは、重合開始剤を用いない熱重合により、製造することができる。また、これらの重合方法を組み合わせてもよい。
上記(共)重合体(A2)の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、好ましくは0.1〜1.0dl/g、より好ましくは0.15〜0.8dl/gである。極限粘度[η]が上記範囲内であると、成形加工性及び耐衝撃性の物性バランスに優れる。尚、この(共)重合体(A2)の極限粘度[η]は、上記ゴム強化ビニル系樹脂(A1)の場合と同様、製造条件を調整することにより制御することができる。
上記ゴム強化樹脂のアセトン(但し、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムである場合には、アセトニトリルを使用。)による可溶成分の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、好ましくは0.2〜0.8dl/g、より好ましくは0.25〜0.7dl/gである。極限粘度[η]が上記範囲内であると、成形加工性と耐衝撃性との物性バランスに優れる。
ここで、上記ゴム強化樹脂が、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)である場合、及び、ゴム強化ビニル系樹脂(A1)と、ビニル系単量体の重合によって得られた(共)重合体(A2)とよりなる混合物である場合のいずれにおいても、本発明の放熱性樹脂組成物中のゴム質重合体(a)の含有量は、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜35質量%、更に好ましくは5〜30質量%である。上記ゴム質重合体(a)の含有量が少なすぎると、本発明の放熱性樹脂組成物及びそれを含む成形品の耐衝撃性が劣る傾向にあり、多すぎると、成形加工性、成形品の表面外観性、剛性、耐熱性等が劣る傾向にある。
1−2.熱伝導性フィラー
この熱伝導性フィラーとしては、25℃における熱伝導率が、好ましくは30W/(m・K)以上、より好ましくは80W/(m・K)以上、更に好ましくは100W/(m・K)以上、特に好ましくは150W/(m・K)以上である物質からなるものである。本発明に係る熱伝導性フィラーとしては、絶縁性に優れることから、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。また、上記以外の物質からなる無機系粒子又は有機系粒子をコアとして、上記化合物を被覆させてシェルを形成してなる複合型フィラーを用いることもできる。また、絶縁性の熱伝導性フィラーを用いることにより、絶縁性を有する放熱性樹脂組成物を得ることができ、この組成物を含む成形品の表面固有抵抗(絶縁性の指標、値が高いほど絶縁性に優れる)は、好ましくは1×1013Ω以上、更に好ましくは1×1014Ω以上である。この範囲にあると、絶縁性に優れる。
更に、上記熱伝導性フィラーは、光に対する反射性の点から、白色系物質であることが好ましく、上記のうち、窒化ホウ素及び酸化亜鉛が好ましく、窒化ホウ素が特に好ましい。上記熱伝導性フィラーとして、窒化ホウ素からなるものを用いると、放熱性、耐熱性及び反射特性の物性バランスが高水準である放熱性樹脂組成物を得ることができる。
窒化ホウ素としては、c−BN(閃亜鉛鉱構造)、w−BN(ウルツ鉱構造)、h−BN(六方晶構造)、r−BN(菱面体晶構造)等の複数の安定構造が知られている。本発明においては、いずれの窒化ホウ素も用いることができるが、六方晶構造の窒化ホウ素が好ましい。六方晶構造の窒化ホウ素を用いることにより、成形品を得る際に用いる成形機、及び、金型の摩耗が低減できる。
六方晶構造の窒化ホウ素は、層状の結晶構造を有しており、その形状は、平板状(鱗片状)である。この層状構造を有する窒化ホウ素において、層に平行な方向(a軸方向)の熱伝導性は、層に垂直な方向(c軸方向)のそれの約30倍程度といわれている。
また、酸化亜鉛としては、公知のものを用いることができ、その形状は特に限定されず、球状、不定形状のいずれでもよい。上記酸化亜鉛は、シリコーン系樹脂で被覆されたもの、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤により処理されたものを用いてもよい。
上記熱伝導性フィラーの形状は、特に限定されず、球状、線状(繊維状)、平板状(鱗片状)、曲板状、針状等とすることができ、単粒タイプでも、顆粒タイプ(単粒の凝集品)でもよい。鱗片状のものを用いると、熱伝導性に優れた成形品が得られるとともに、機械的特性が良好となるので好ましい。また、この熱伝導性フィラーが鱗片状であって且つ白色系の色であれば、本発明の組成物は、光に対する反射特性に優れる。
上記熱伝導性フィラーの平均粒径(又は最大長さの平均値)は、好ましくは1〜350μm、より好ましくは2〜200μmである。また、アスペクト比は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは6〜20である。更に、純度は、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。上記の範囲とすることにより、放熱性及び白色性に優れる。また、嵩密度は、好ましくは0.8g/cm以下、より好ましくは0.7g/cm以下である。上記の各範囲とすることにより、放熱性に優れた樹脂組成物を得ることができる。尚、比表面積は、特に限定されない。
上記熱伝導性フィラー中の酸化鉄の含有量は、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下である。この含有量が多すぎると、成形品の白色性が劣る傾向にある。
上記熱伝導性フィラーが、鱗片状の窒化ホウ素を含む場合には、窒化ホウ素自体白色性に優れることから、本発明の組成物により白色度の高い成形品を得やすく、光に対する反射特性に優れる。また、本発明の組成物とする場合に用いる窒化ホウ素の平均粒径が、好ましくは1〜350μm、より好ましくは2〜200μmの範囲であれば、放熱性、絶縁性、及び、光に対する反射特性に優れた成形品を得ることができる。上記範囲の平均粒径であれば、異なる粒径の窒化ホウ素を組み合わせて用いてもよい。
また、上記熱伝導性フィラーが、酸化亜鉛を含む場合も、白色性に優れることから、本発明の組成物により白色度の高い成形品を得やすく、光に対する反射特性に優れる。また、本発明の組成物とする場合に用いる酸化亜鉛の平均粒径が、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜30μmの範囲であれば、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れた成形品を得ることができる。
本発明の放熱性樹脂組成物中の熱伝導性フィラーの含有割合は、上記熱可塑性樹脂及び上記熱伝導性フィラーの合計量を100質量%とした場合、好ましくは20〜90質量%であり、より好ましくは25〜90質量%、更に好ましくは30〜70質量%、特に好ましくは31〜60質量%である。上記熱伝導性フィラーの含有量が多すぎると、成形加工性、耐衝撃性及び曲げ歪み特性が劣る傾向にあり、一方、少なすぎると、放熱性が劣る傾向にある。
1−3.紫外線吸収剤及び光安定剤
本発明の組成物は、更に、紫外線吸収剤及び光安定剤を所定の割合で含有する。これらの紫外線吸収剤及び光安定剤を併用することにより、耐光性に優れ、太陽光等からの光を受光した際における変色等を抑制することができる。
上記紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンと他の4置換ベンゾフェノンとの混合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン3水和物、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、ベンゾフェノン化合物等のベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3",4",5",6"−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、ベンゾトリアゾール誘導体等のベンゾトリアゾール類;サリチル酸フェニル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル等のサリチル酸エステル類;ニッケルビス−オクチルフェニルサルファミド、[2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)]−n−ブチルアミンニッケル、[2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、エチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ハイドロオキシベンジルリン酸のニッケル塩、ニッケルチオビスフェノール複合体等の金属錯塩類;2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エチルシュウ酸ビスアニリド、2−エトキシ−2−エチルシュウ酸ビスアニリド等のシュウ酸アニリド誘導体;o−ベンゾイル安息香酸メチル、レゾルシノール−モノベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等の安息香酸誘導体;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、1,3−ビス−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−2−プロピルアクリレート、1,3−ビス−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−2−プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−〔2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−4−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2‐ビス(3‐オキソ‐2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)エタン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ペンタン、ポリ〔1−オキシエチレン(2,2,6,6−テトラメチル−1,4−ピペリジル)オキシスクシニル〕、ポリ〔2−(1,1,4−トリメチルブチルイミノ)−4,6−トリアジンジイル−(2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)イミノヘキサメチレン−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物及びそのN−メチル化合物等のヒンダードアミン類;(1,6−ヘキサメチレンビス−(N,N−ジメチルセミカルバジド))、(1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレンジ−p−フェニレン)ジセミカルバジド)等のセミカルバゾン類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の紫外線吸収剤及び光安定剤の含有割合は、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、好ましくは5〜95質量%及び95〜5質量%、より好ましくは10〜90質量%及び90〜10質量%、更に好ましくは15〜85質量%及び85〜15質量%、特に好ましくは40〜60質量%及び60〜40質量%である。含有割合が上記範囲にあれば、特に耐光性に優れる。尚、上記の紫外線吸収剤及び光安定剤の含有量の合計は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部としたときに、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.2〜5質量部である。
1−4.添加剤
本発明の組成物は、目的、用途等に応じて、更に添加剤を含有したものとすることができる。この添加剤としては、難燃剤、着色剤、エステル交換抑制剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、離型剤、抗菌剤、結晶核剤、流動改質剤、衝撃改質剤等が挙げられる。
上記難燃剤としては、有機系難燃剤、無機系難燃剤、反応系難燃剤等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機系難燃剤としては、臭素化エポキシ系化合物、臭素化アルキルトリアジン化合物、臭素化ビスフェノール系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、臭素化ビスフェノール系ポリカーボネート樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化架橋ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールシアヌレート樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールA及びそのオリゴマー等のハロゲン系難燃剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トキヘキシルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート等のリン酸エステルやこれらを各種置換基で変性した化合物、各種の縮合型のリン酸エステル化合物、リン元素及び窒素元素を含むホスファゼン誘導体等のリン系難燃剤;ポリテトラフルオロエチレン、グアニジン塩、シリコーン系化合物、ホスファゼン系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、ジルコニウム系化合物、モリブデン系化合物、スズ酸亜鉛等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、ジブロモフェノールグリシジルエーテル、臭素化芳香族トリアジン、トリブロモフェノール、テトラブロモフタレート、テトラクロロ無水フタル酸、ジブロモネオペンチルグリコール、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、クロレンド酸(ヘット酸)、無水クロレンド酸(無水ヘット酸)、臭素化フェノールグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記難燃剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、5〜30質量部、好ましくは5〜20質量部である。
尚、本発明の組成物に難燃剤を含有させる場合には、難燃助剤を用いることが好ましい。この難燃助剤としては、三酸化二アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、酒石酸アンチモン等のアンチモン化合物や、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水和アルミナ、酸化ジルコニウム、ポリリン酸アンモニウム、酸化スズ等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記着色剤としては、染料、無機顔料及び有機顔料のいずれを用いてもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。また、着色剤の色は、特に限定されず、白色系や、赤色系、黄色系、青色系、緑色系等の有彩色とすることができる。
染料としては、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン/ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン/インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン/オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料等が挙げられる。
無機顔料としては、白色系無機顔料、赤色系無機顔料、黄色系無機顔料、緑色系無機顔料、青色系無機顔料等が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記白色系無機顔料としては、TiO、Al・nHO、〔ZnS+BaSO〕、CaSO・2HO、BaSO、CaCO、2PbCO・Pb(OH)等が挙げられる。
上記赤色系無機顔料としては、CdS・nCdSe、PbCrO・mPbMoO・nPbSO、TiO・Sb・NiO、Zn−Fe系複合酸化物(ZnO・Fe等)、Zn−Fe−Cr系複合酸化物(ZnO・Fe・Cr等)等が挙げられる。
上記黄色系無機顔料としては、TiO・BaO・NiO、TiO・NiO・Sb、Fe・HO、PbCrO、Pb(SbO、Pb(SbO、Ti−Sb−Ni系複合酸化物、Ti−Sb−Cr系複合酸化物等が挙げられる。
上記緑色系無機顔料としては、Cu(C、Cu(AsO、CoO・nZnO、BaMnO、Cu(OH)(CO)、Ti−Co−Ni−Zn系複合酸化物等が挙げられる。
上記青色系無機顔料としては、CoO・nAl、CoO・nSnO・mMgO、NaAl(SiO・2NaSO等が挙げられる。
また、有機顔料としては、アゾレーキ顔料、ベンゾイミダゾロン顔料、ジアリリド顔料、縮合アゾ系顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料等が挙げられる。
上記の有彩色着色剤が、単独で濃色系着色剤である場合には、目標の白色度とする等のために、白色系着色剤により淡色化させて用いることができる。
上記着色剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、好ましくは0.05〜30質量部、より好ましくは0.1〜15質量部、更に好ましくは0.1〜10質量部である。
上記エステル交換抑制剤は、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂が用いられる場合に含有させることができる。このエステル交換抑制剤としては、特に限定されないが、P−O結合を有するリン酸系化合物が好ましく用いられる。その具体例としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸及びピロリン酸並びにこれらの誘導体、シリルホスフェート等が挙げられる。
上記エステル交換抑制剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.02〜3質量部、更に好ましくは0.03〜1質量部である。エステル交換抑制剤をこの範囲で用いると、成形加工時の熱による劣化が抑制され、耐衝撃性、白色度及び光沢性に優れた成形品を得ることができる。
上記充填剤としては、タルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、アラミド繊維、ポリアリレート繊維等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記充填剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、3〜30質量部である。
上記熱安定剤としては、ホスファイト類、ヒンダードフェノール類、チオエーテル類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記熱安定剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記酸化防止剤としては、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類、硫黄含有化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸化防止剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記老化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、キノリン系化合物、ヒドロキノン誘導体系化合物、モノフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、トリスフェノール系化合物、ポリフェノール系化合物、チオビスフェノール系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物、イミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系化合物、リン酸系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記老化防止剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類;トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸n−オクチルエステル、トリメリット酸系イソノニルエステル等のトリメリット酸エステル類;ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジエチレングリコールモノオレート、グリセリルモノリシノレート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エポキシ化大豆油、ポリエーテルエステル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記可塑剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜15質量部である。
上記滑剤としては、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフィン、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、金属石鹸、シリコーン、変性シリコーン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記滑剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記抗菌剤としては、銀系ゼオライト、銀−亜鉛系ゼオライト等のゼオライト系抗菌剤、錯体化銀−シリカゲル等のシリカゲル系抗菌剤、ガラス系抗菌剤、リン酸カルシウム系抗菌剤、リン酸ジルコニウム系抗菌剤、銀−ケイ酸アルミン酸マグネシウム等のケイ酸塩系抗菌剤、酸化チタン系抗菌剤、セラミック系抗菌剤、ウィスカー系抗菌剤等の無機系抗菌剤;ホルムアルデヒド放出剤、ハロゲン化芳香族化合物、ロードプロパルギル誘導体、チオシアナト化合物、イソチアゾリノン誘導体、トリハロメチルチオ化合物、第四アンモニウム塩、ビグアニド化合物、アルデヒド類、フェノール類、ピリジンオキシド、カルバニリド、ジフェニルエーテル、カルボン酸、有機金属化合物等の有機系抗菌剤;無機・有機ハイブリッド抗菌剤;天然抗菌剤等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記抗菌剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、通常、0.05〜5質量部である。
上記衝撃改質剤としては、グラフトゴム等が挙げられる。
1−5.組成物の製造方法
本発明の組成物は、上記所定の含有量となるように秤量した原料成分を、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダールーダー等に供給し、混練することにより製造することができる。原料成分の供給方法は特に限定されず、各々の成分を一括配合して混練してもよく、多段、分割配合して混練してもよい。
尚、混練温度は、上記熱可塑性樹脂の種類、及び、上記熱伝導性フィラーの含有量により選択されるが、通常、200〜300℃である。
1−5.組成物の性質
本発明の組成物は、上記熱可塑性樹脂をマトリックスとして、上記熱伝導性フィラーが均一に分散している。従って、本発明の組成物を含む成形品は、放熱性、耐熱性及び耐光性に優れる。尚、上記熱伝導性フィラーが窒化ホウ素からなるものである場合には、絶縁性及び光に対する反射特性にも優れる。
本発明の組成物において、25℃における熱伝導率は、2.0W/(m・K)以上であり、好ましくは3.0〜10.0W/(m・K)、より好ましくは4.0〜5.0W/(m・K)である。上記熱伝導率が、上記範囲であれば、放熱性及び機械的強度の物性バランスに優れる。この熱伝導率が2.0W/(m・K)未満であると、放熱性が劣る傾向にある。尚、上記熱伝導率は、成形品を製造したときの組成物の流動方向に対して測定した値であり、測定方法は、後述の〔実施例〕において説明する。
この熱伝導率は、熱伝導性フィラーの種類、形状及びその含有量等を、適宜、選択することにより調整することができる。
また、熱放射率は、0.7以上であり、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.8以上である。この熱放射率が0.7未満であると、放熱性が十分でない。尚、熱放射率の測定方法は、後述の〔実施例〕において説明する。
この熱放射率は、熱伝導性フィラーの種類及びその含有量等を、適宜、選択することにより調整することができる。
更に、白色度は、30%以上であり、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上である。この白色度が高いほど、光に対する反射特性に特に優れるが、成形品が着色されている場合であっても、30%以上であれば、光に対する反射特性に優れる。尚、白色度は、ハンター式測色色差計により測定することができる。
この白色度は、熱可塑性樹脂の種類及びその含有量、熱伝導性フィラーの種類及びその含有量、並びに、着色剤の種類及びその含有量を、適宜、選択することにより調整することができる。
また、本発明の組成物において、光線反射率は、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上である。この光線反射率が高いほど、光反射特性に優れる。尚、光線反射率の測定方法は、後述の〔実施例〕において説明する。
更に、ISO75(荷重1.80MPa)に準ずる熱変形温度は、好ましくは120℃以上であり、より好ましくは130〜300℃、更に好ましくは130〜280℃である。この熱変形温度が上記範囲にあると、耐熱変形性に優れる。
この熱変形温度は、熱可塑性樹脂の種類及びその含有量、熱伝導性フィラーの種類、形状及びその含有量等を、適宜、選択することにより調整することができる。
また、ISO178に準ずる曲げ歪みは、好ましくは1.0%以上であり、より好ましくは1.2〜8%、更に好ましくは1.5〜8%である。上記曲げ歪みが、上記範囲であれば、曲げ歪み特性及び剛性の物性バランスが高水準にあり、好ましい。この曲げ歪みが1.0%未満であると、本発明の組成物を含む成形品である各種部材を組み付け、組み込み等の作業を行う場合に、割れが発生する傾向にある。
この曲げ歪みは、熱可塑性樹脂の種類及びその含有量、熱伝導性フィラーの種類、形状及びその含有量等を、適宜、選択することにより調整することができる。
組成物の絶縁性について、本発明の組成物を含む成形品の表面固有抵抗(絶縁性の指標、値が高いほど絶縁性に優れる)は、好ましくは1×1013Ω以上、更に好ましくは1×1014Ω以上である。この範囲にあると、絶縁性に優れる。
2.成形品
本発明の成形品は、上記本発明の組成物を含むことを特徴とする。
上記本発明の組成物は、以上のような優れた性質を有することから、本発明の成形品としては、電話機(携帯電話機、ファクシミリ)、複写機、プリンター、コンピュータ、電子辞書等のOA機器;ドライヤー等の美容機器;音響機器;室内照明具;パチンコ等の遊戯機;ランプ、カーステレオ、カーナビゲーション等の車載電子機器;各種電源装置;ステッピングモータ等の駆動装置;家庭用ゲーム機等の玩具等の筐体、基板等の放熱部品等に好適である。特に、調色性及び光沢性に優れることから、上記筐体に好適であり、また、高熱伝導率が必要とされる放熱部品にも好適である。尚、LED実装用基板、このLED実装用基板に配設されるリフレクター等のLED関連部材には適用しないものである。
以下に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない、尚、下記において、部及び%は、特に断らない限り、質量基準である。
以下の実施例及び比較例で用いた組成物の原料成分を示す。
1.熱可塑性樹脂
(1)A1;共重合型ポリブチレンテレフタレート(可撓性を付与した変性PBT;ジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチレングリコールの共重合体)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVADURAN 5505S」(商品名)を用いた。ガラス転移温度は27℃である。
(2)A2;ホモ型ポリブチレンテレフタレート
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVADURAN 5007」(商品名)を用いた。ガラス転移温度は30℃である。
(3)A3;ホモ型ポリエチレンテレフタレート
三菱化学社製「NOVAPEX GM700Z」(商品名)を用いた。重量平均分子量は18000である。ガラス転移温度は67℃である。
(4)A4;ポリカーボネート
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVAREX 7022PJ−LH1」(商品名)を用いた。重量平均分子量は18000である。
2.熱伝導性フィラー
(1)B1;窒化ホウ素
電気化学工業社製「デンカボロンナイトライド粉末SGP」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、平均粒径は18.0μmであり、酸化鉄量は0%である。
(2)B2;酸化亜鉛
堺化学工業社製「ZINC OXIDE No.2」(商品名)を用いた。平均粒径は3μm(レーザー回折法)であり、酸化鉄量は0.0007%である。
(3)B3;黒鉛粒子
中越黒鉛工業所社製「HF−150A」(商品名)を用いた。形状は鱗片状であり、アスペクト比は16、重量平均粒子径161μm(電子顕微鏡法)である。
3.紫外線吸収剤
(1)C1;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「TINUVIN P」(商品名)を用いた。
(2)C2;2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕
アデカ社製「アデカスタブ LA−31」(商品名)を用いた。
4.光安定剤
(1)D1;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
アデカ社製「アデカスタブ LA−77」(商品名)を用いた。
(2)D2;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「CHIMASSORB 944LD」(商品名)を用いた。
5.無機白色顔料(E1)
酸化チタン(商品名「タイペークPF691」、石原産業社製)を用いた。
6.難燃剤(F1)
ハロゲン系難燃剤(商品名「エピコート5203」、東都化成社製)を用いた。
7.着色剤(G1)
青色顔料(商品名「ダイアレジン・ブルーG」、三菱化学社製)を用いた。
8.放熱性樹脂組成物の製造及び評価
実施例1〜14及び比較例1〜5
(1)放熱性樹脂組成物の製造方法
熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラー等とを、表1〜表3に示す割合でミキサーに投入して5分間混合した後、押出機(「BT−40−S2−30−L型」、プラスチック工学研究所製)を用い、弱練りタイプのスクリューを用い、スクリュー回転数100rpm及びシリンダー温度260℃で溶融混練押出し、ペレット(放熱性樹脂組成物)を得た。
(2)評価方法
上記で得られたペレットを用い、下記評価項目に関する試験を行った。その結果を表1〜表3に併記した。
[1]熱放射率
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形(金型温度;50〜80℃)にて大きさ150×150×3mmの試験片を作製し、サーモスポットセンサー(「TSS−5X型」、ジャパンセンサー社製)を用い、赤外線検出による反射エネルギー測定方式により、雰囲気温度25℃で測定した。
[2]熱伝導率(単位;W/(m・K))
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、その溶融物を、直径10mm及び長さ50mmのキャビティ空間を有する金型(金型温度;50〜80℃)の下方から射出して、直径10mm及び長さ50mmの円柱体を作製した。その後、ほぼ中央部において、厚さが1.5mmの円板となるように切り出し、これを試験片(直径10mm及び厚さ1.5mm)とした。熱伝導率を放熱性樹脂組成物の流動方向に対して測定するために、この試験片における、上面及び下面の各表面にプローブを当て、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(「TR−7000R型」、アルバック理工社製)を用い、25℃で測定した。
[3]熱変形温度(単位;℃)
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形(金型温度;50〜80℃)にて所定の形状及び大きさを有する試験片を作製し、ISO75に準じて、荷重1.80MPaとして、測定した。
[4]曲げ歪み(単位;%)
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形(金型温度;50〜80℃)にて大きさ150×150×3mmの試験片を作製し、ISO178に準じて、精密万能試験機(「オートグラフAG−10KNI型」、島津製作所社製)を用い、3点曲げ強度測定法により測定した。測定条件は、試験片のスパン間隔64mm、曲げ速度1mm/分である。
[5]シャルピー衝撃強度(単位;kJ/m
ISO179に準じて、ノッチ付きのデータを測定した。
[6]表面固有抵抗(単位;Ω)
放熱性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形(金型温度;50〜80℃)にて直径200mm及び厚さ2mmの円形の試験片を作製し、ハイ・レジスタンス・メータ(「4339B型」、Agilent Technologies社製)を用いて測定した。
[7]白色度(単位;%)
上記[2]と同じ試験片について、耐光試験前後の白色度を、ハンター式測定色差計によりLab(L;明度、a;赤色度、b;黄色度)を測定し、次式により算出した。
W=100−√{(100−L)+a+b
耐光試験は、耐候光試験機「サンシャインウェザーメーター」(スガ試験機社製)を用い、雨無し及び温度63℃の条件で1000時間連続点灯した。
[8]光線反射率(単位;%)
上記[2]と同じ試験片について、上記[7]と同じ条件による耐光試験前後の紫外線(波長550nm)に対する反射率を、紫外可視近赤外分光光度計(「V−670型」、日本分光社製)により、入射角60度で測定した。
[9]MFR(単位;g/10分)
放熱性樹脂組成物のMFRを、温度250℃及び荷重2kgの条件で、ISO1133に準じて測定した。
Figure 2008239899
Figure 2008239899
Figure 2008239899
表1〜表3より、実施例1は、比較例1の組成に対して更に紫外線吸収剤及び光安定剤を含有する例であり、特に耐光性に優れることが分かる。比較例2及び3は、それぞれ、紫外線吸収剤のみ、及び、光安定剤のみを含有する例であり、いずれも、比較例1よりも耐光性の改良は見られるが、実施例1相当の耐光性が得られなかった。比較例4は、熱伝導性フィラーの含有量が十分でなく、熱伝導率が1.5W/(m・K)と低い例であり、放熱性が十分ではなかった。比較例5は、熱伝導性フィラーが黒鉛である例であり、調色性に劣る。
また、実施例2〜14は、紫外線吸収剤及び光安定剤を含有する例であり、いずれも、耐光試験後の白色度及び光線反射率に特に優れている。実施例5は、着色剤を含有する例であり、調色性に優れていた。
本発明の放熱性樹脂組成物は、放熱性、耐熱変形性、調色性、光沢性、耐衝撃性、曲げ歪み特性及び耐光性に優れることから、電話機(携帯電話機、ファクシミリ)、複写機、プリンター、コンピュータ、電子辞書等のOA機器;ドライヤー等の美容機器;(デジタル)カメラ、(デジタル)ビデオカメラ、プロジェクター、液晶テレビ、プラズマテレビ等の画像表示・記録機器;音響機器;室内照明具;パチンコ等の遊戯機;ランプ、カーステレオ、カーナビゲーション等の車載電子機器;各種電源装置;ステッピングモータ等の駆動装置;家庭用ゲーム機等の玩具等の筐体、基板等の放熱部品等に好適である。特に、調色性及び光沢性に優れることから、上記筐体に好適であり、また、高熱伝導率が必要とされる放熱部品にも好適である。

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂と、熱伝導性フィラーと、紫外線吸収剤と、光安定剤とを含有する放熱性樹脂組成物であって、
    上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、5〜95質量%及び5〜95質量%であり、
    熱伝導率が2.0W/(m・K)以上であり、熱放射率が0.7以上であり、且つ、白色度が30%以上であることを特徴とする放熱性樹脂組成物。
  2. 上記熱伝導性フィラーの含有割合は、上記熱可塑性樹脂及び上記熱伝導性フィラーの合計を100質量%とした場合に、20〜90質量%である請求項1に記載の放熱性樹脂組成物。
  3. 上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の含有量の合計は、上記熱可塑性樹脂を100質量部とした場合に、0.05〜10質量部である請求項1又は2に記載の放熱性樹脂組成物。
  4. 上記熱伝導性フィラーが、鱗片状である請求項1乃至3のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
  5. 上記熱伝導性フィラーが、窒化ホウ素である請求項1乃至4のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
  6. 上記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系重合体及びゴム強化樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1乃至5のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
  7. 上記ポリエステル樹脂が、共重合ポリエステルを含む請求項6に記載の放熱性樹脂組成物。
  8. 更に、難燃剤を含有する請求項1乃至7のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
  9. 更に、着色剤を含有し、該着色剤の含有量が、上記熱可塑性樹脂、上記熱伝導性フィラー、上記紫外線吸収剤及び上記光安定剤の合計を100質量部とした場合に、0.05〜30質量部である請求項1乃至8のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
  10. 光線反射率が20%以上である請求項1乃至9のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
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