JP2008239774A - クロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性及び高温清浄性に優れ、さらには高温時の耐焼付き性にも優れるクロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の組成物は、潤滑油基油と、該基油に配合する、金属系清浄剤と、モリブデンジアルキルジチオカーバメート及び亜鉛ジアルキルジチオカーバメートから選ばれる少なくとも1種の金属ジチオカーバメートとを含み、また、潤滑油基油と、該基油に配合する、金属系清浄剤と、モリブデンジアルキルジチオカーバメートと、セカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジチオホスフェートとを含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物に関し、詳しくは耐熱性及び高温清浄性、さらには高温時の耐焼付き性にも優れたクロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物に関する。
クロスヘッド型ディーゼル機関には、シリンダーとピストン間を潤滑するシリンダー油と、その他の部位の潤滑と冷却を司るシステム油が使用されている。シリンダー油は、シリンダーとピストン(ピストンリング)間の潤滑のために必要な適正な粘度と、ピストン、ピストンリングの運動が適正に行われるために必要な清浄性を保つ機能が求められる。さらにこの機関は、その経済性から高硫黄燃料が通常使用されるため、燃焼により生成した硫酸等の酸性成分によるシリンダー腐食の問題を抱えている。この問題を防ぐため、シリンダー油には生成する硫酸等の酸性成分を中和し、腐食を防止する機能も必要である。
一方、近年のクロスヘッド型ディーゼル機関は更なる性能の向上のため、例えば、ボアサイズ70cm以上のシリンダー径の大型化、平均ピストン速度で8m/s以上となるような超ロングストローク化等のピストンストロークの増大、正味有効圧力(BMEP)1.8MPa以上等の燃焼圧力の増大が進められる傾向にあり、燃焼圧力の増大は硫酸の滴点上昇を招くため、シリンダーの硫酸腐食が発生しやすい状況になってきた。さらに、この硫酸腐食防止のための方策として、例えば、シリンダー壁温250℃以上にシリンダー壁温を上昇させる場合があり、しかも経済性から、シリンダーに注油される潤滑油量をも削減されつつあるため、シリンダーの潤滑環境は一段と厳しさを増してきた。
従来の舶用ディーゼルエンジン油は、基油に過塩基性の金属系清浄剤を主成分として含有させて摩耗防止性を維持する低コストのものが多かったが、近年ではさらに極圧剤や分散剤を含有する船用ディーゼルエンジン油が開発されている(特許文献1〜5)。しかし、上記のような近年のクロスヘッド型ディーゼル機関に対しては、低コストでありながら、さらに摩耗防止性、耐焼付き性を一段と発揮させることが求められている。このような観点からホウ素濃度の高い無灰分散剤やプライマリーアルキル型のジチオリン酸亜鉛及び/又はポリサルファイドを併用して極圧性を高めることが提案されている(特許文献6)が、耐熱性及び高温清浄性、さらには高温時の耐焼付性において未だ改善の余地があり、これらをさらに高めるには添加剤量の増量等の大幅なコストアップは避けられない状況にある。特に、耐熱性を320℃以上に高めるためには清浄分散剤や酸化防止剤の大幅増量が必要な状況にある。
特開2002−275491号公報 特表2002−515933号公報 特表2002−501974号公報 特表2002−500262号公報 特開2002−241780号公報 特開2005−281614号公報
本発明の課題は、低コストでありながら、従来の性能に加え、耐熱性及び高温清浄性、さらには高温時の耐焼付き性も改善されたクロスヘッド機関用シリンダー潤滑油を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の金属ジチオカーバメートを少量添加することで、経済性の点で不利である、ホウ素濃度の高い無灰分散剤等の清浄分散剤や酸化防止剤を増量しなくても、あるいはこれらを使用しなくても、クロスヘッド機関用シリンダー潤滑油における、耐熱性及び高温清浄性、さらには高温時の耐焼付き性も改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、潤滑油基油と、該基油に配合する、金属系清浄剤と、モリブデンジアルキルジチオカーバメート及び亜鉛ジアルキルジチオカーバメートから選ばれる少なくとも1種の金属ジチオカーバメートとを含むことを特徴とするクロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物(以下、組成物(A)と略すことがある)が提供される。
また本発明によれば、潤滑油基油と、該基油に配合する、金属系清浄剤と、モリブデンジアルキルジチオカーバメートと、セカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジチオホスフェートとを含むことを特徴とするクロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物(以下、組成物(B)と略すことがあり、組成物(A)と組成物(B)とをまとめて本発明の組成物と略すことがある)が提供される。
本発明の組成物は、上記組成を有するので、耐熱性及び高温清浄性に優れ、さらに高温における耐焼付き性に優れる。従って、クロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物として好適である。特に、最新型の、ボアサイズが70cm以上に大型化され、平均ピストン速度で8m/s以上、さらには8.5m/s以上となるような超ロングストローク、燃焼圧力が正味有効圧力(BMEP)で1.8MPa以上、さらには1.9MPa以上、シリンダー壁温250℃以上、さらには260℃以上、特に270℃以上となるような条件のいずれかあるいは全てを満たす条件で運転されるクロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物、特にクロスヘッド型2ストロークサイクルディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物として特に優れた効果を発揮する。
本発明の組成物は、耐摩耗性と極圧性を要求されるような潤滑油、具体的にはクロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油として好ましく用いられるが、その他、舶用ディーゼルエンジン用、コジェネレーションディーゼルエンジン用等の潤滑油としての用途にも好適に使用できる。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いる潤滑油基油は特に制限はなく、通常の潤滑油に使用される鉱油系基油及び/又は合成系基油が使用できる。
鉱油系基油としては、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、フィッシャートロプシュプロセス等により製造されるGTL WAX(ガストゥリキッドワックス)を異性化する手法で製造される潤滑油基油が例示できる。
鉱油系基油の全芳香族分は特に制限はないが、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。全芳香族分は0質量%でも良いが、添加剤の溶解性の点で1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。基油の全芳香族分が40質量%を越える場合は、酸化安定性が劣る恐れがある。
なお、上記全芳香族分とは、ASTM D2549に準拠して測定した芳香族留分(aromatic fraction)含有量を意味する。通常この芳香族留分には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンの他、アントラセン、フェナントレン、これらのアルキル化物、ベンゼン環が四環以上縮合した化合物、及びピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ芳香族を有する化合物等が含まれる。
鉱油系基油中の硫黄分は特に制限はないが、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。硫黄分は0質量%でも良いが、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。鉱油系基油が、硫黄分をある程度含むことにより、添加剤の溶解性を十分に高めることができる。
合成系基油としては、ポリブテン又はその水素化物;1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリα−オレフィン又はその水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のジエステル;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル;マレイン酸ジブチル等のジカルボン酸類と炭素数2〜30のα−オレフィンとの共重合体;アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物が例示できる。
本発明では、潤滑油基油として、鉱油系基油、合成系基油、油脂又はこれらの中から選ばれる2種以上の潤滑油の任意混合物等が使用できる。例えば、1種以上の鉱油系基油、1種以上の合成系基油、1種以上の鉱油系基油と1種以上の合成系基油との混合油が挙げられる。
潤滑油基油の動粘度は特に制限はないが、その100℃での動粘度は4〜50mm2/sが好ましく、より好ましくは6〜40mm2/s、特に好ましくは8〜35mm2/sである。潤滑油基油の100℃での動粘度が50mm2/sを越える場合は、低温粘度特性が悪化し、一方、その動粘度が4mm2/s未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油基油の蒸発損失が大きくなる恐れがある。
本発明に用いる潤滑油基油としては、100℃での動粘度が4mm2/s以上17mm2/s未満の潤滑油基油及び/又は100℃での動粘度が17〜50mm2/sの潤滑油基油を含有することが好ましい。100℃における動粘度が4mm2/s以上17mm2/s未満の潤滑油基油としては、例えば、SAE10〜40等の鉱油系基油や合成系基油が挙げられ、その動粘度は5.6mm2/s以上、より好ましくは9.3mm2/s以上であり、好ましくは14mm2/s以下、より好ましくは12.5mm2/s以下である。また、100℃における動粘度が17〜50mm2/sの潤滑油基油としては、例えば、SAE50、ブライトストック等の鉱油系基油や合成系基油が挙げられ、その動粘度は、好ましくは20mm2/s以上、より好ましくは25mm2/s以上であり、好ましくは40mm2/s以下、より好ましくは35mm2/s以下である。
本発明の組成物においては、100℃での動粘度が4mm2/s以上17mm2/s未満の潤滑油基油を主成分、例えば、基油全量基準で50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有させ、必要に応じて100℃での動粘度が17〜50mm2/sの潤滑油基油を配合することができる。
潤滑油基油の粘度指数は特に制限はないが、低温から高温まで優れた粘度特性が得られるようにその値は好ましくは80以上、より好ましくは90以上、更に好ましくは100以上である。粘度指数の上限については特に制限はなく、ノルマルパラフィン、スラックワックス、GTLワックス等、あるいはこれらを異性化したイソパラフィン系鉱油のような135〜180程度、コンプレックスエステル系基油、HVI−PAO系基油のような150〜250程度であるが、添加剤の溶解性や貯蔵安定性の点で120以下が好ましく、110以下が特に望ましい。
本発明の組成物は、金属系清浄剤を含む。
金属系清浄剤としては特に制限はなく、公知のアルカリ金属又はアルカリ土類金属スルホネート系清浄剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属フェネート系清浄剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属サリシレート系清浄剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属ナフテネート系清浄剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属ホスホネート系清浄剤及びこれらの2種以上の混合物(コンプレックスタイプも含む)等が挙げられる。
ここでいうアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、バリウム等が挙げられる。これらの中でアルカリ土類金属が好ましく、特に、カルシウム又はマグネシウムが好ましい。
金属系清浄剤の塩基価は特に制限はないが、通常0〜500mgKOH/gが好ましく、より好ましくは150〜450mgKOH/g、特に好ましくは250〜450mgKOH/gである。なお、ここでいう塩基価とは、JIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による塩基価を意味する。
本発明においては、塩基価100〜450mgKOH/gの過塩基性スルホネート系清浄剤及び/又は過塩基性フェネート系清浄剤を使用することが好ましく、塩基価250〜450mgKOH/gの過塩基性スルホネート系清浄剤及び/又は塩基価100〜300mgKOH/gの過塩基性フェネート系清浄剤を使用することがより好ましく、塩基価350〜450mgKOH/gの過塩基性スルホネート系清浄剤と塩基価100〜200mgKOH/gの過塩基性フェネート系清浄剤を併用することが特に好ましい。
本発明において、金属系清浄剤の配合割合は特に制限はないが、組成物全量基準で、通常、1〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜25質量%、さらに好ましくは15〜25質量%である。
また、金属系清浄剤に起因する組成物の塩基価は、好ましくは5〜100mgKOH/g、より好ましくは10〜90mgKOH/g、さらに好ましくは30〜80mgKOH/gである。
本発明においては、後述する構成により、耐熱性、高温清浄性を高めることができるため、高温清浄性に優れるものの、経済性の点で不利な過塩基性フェネート系清浄剤の配合比率あるいは塩基価負担率を低減することができる。
本発明において、過塩基性スルホネート系清浄剤と過塩基性フェネート系清浄剤の配合比率(質量比)は、通常0〜100:100〜0であるが、経済性の点で好ましくは50〜95:50〜5、さらに好ましくは60〜90:40〜10、特に好ましくは70〜80:30〜20である。また、組成物中の過塩基性スルホネート系清浄剤及び/又は過塩基性フェネート系清浄剤の塩基価負担率は、通常0〜100:100〜0であるが、経済性の点で好ましくは50〜95:50〜5、さらに好ましくは70〜95:30〜5、特に好ましくは80〜95:20〜5である。
本発明において、過塩基性スルホネート系清浄剤を使用する場合の配合割合は特に制限はないが、組成物全量基準で、通常、1〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
本発明において、過塩基性フェネート系清浄剤を使用する場合の配合割合は特に制限はないが、組成物全量基準で、通常、1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、より好ましくは3〜10質量%、さらに好ましくは4〜8質量%である。
本発明の組成物(A)は、モリブデンジアルキルジチオカーバメート及び亜鉛ジアルキルジチオカーバメートから選ばれる少なくとも1種の金属ジチオカーバメートを含む。
モリブデンジアルキルジチオカーバメートとしては特に制限はなく、公知のものを好適に使用することができる。モリブデンジアルキルジチオカーバメートを使用することで耐熱性及び高温清浄性を向上させることができる。
ここでモリブデンジアルキルジチオカーバメートにおけるアルキル基は、通常炭素数3〜24、好ましくは炭素数6〜18、さらに好ましくは炭素数8〜13のアルキル基、例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、これらアルキル基は直鎖状でも分枝状であっても良く、第1級でも、第2級でも、第3級であっても良い。
モリブデンジアルキルジチオカーバメートとしては、より具体的には、硫化モリブデンジアルキルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジアルキルジチオカーバメート、オキシモリブデンジアルキルジチオカーバメート又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。中でも硫化モリブデンジアルキルジチオカーバメート及び硫化オキシモリブデンジアルキルジチオカーバメートから選ばれる少なくとも1種の使用が好ましく、炭素数8〜13のアルキル基から選ばれる1種又は2種以上を有する硫化オキシモリブデンジアルキルジチオカーバメートの使用が特に好ましい。
亜鉛ジアルキルジチオカーバメートとしては特に制限はなく、公知のものを好適に使用することができる。亜鉛ジアルキルジチオカーバメートを使用することで耐熱性及び高温清浄性だけでなく、高温時の耐焼付性の全てを同時に向上させることができる。
ここで、亜鉛ジアルキルジチオカーバメートにおけるアルキル基は、通常炭素数3〜24、好ましくは炭素数3〜12、さらに好ましくは炭素数3〜6のアルキル基、例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、これらアルキル基は直鎖状でも分枝状であっても良く、第1級でも、第2級でも、第3級であっても良い。
亜鉛ジアルキルジチオカーバメートのより好ましい例としては、炭素数3〜6のアルキル基から選ばれる1種又は2種以上を有する亜鉛ジアルキルジチオカーバメート、特に、亜鉛ジアミルジチオカーバメートが好ましく挙げられる。
本発明の組成物(A)において、モリブデンジチオカーバメート及び亜鉛ジアルキルジチオカーバメートから選ばれる少なくとも1種の金属ジチオカーバメートの配合割合は特に制限はなく、通常、組成物全量基準で0.01〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
本発明の組成物(A)において、モリブデンジチオカーバメートを配合する場合の割合は特に制限はなく、組成物全量基準で、モリブデン元素換算量で通常0.001〜0.2質量%であるが、耐熱性及び高温清浄性向上効果と経済性の関係から、モリブデン元素換算量で好ましくは0.005〜0.05質量%、より好ましくは0.01〜0.03質量%である。
本発明の組成物(A)において、亜鉛ジアルキルジチオカーバメートを配合する場合の割合は特に制限はなく、組成物全量基準で、亜鉛元素換算量で通常0.001〜0.2質量%であるが、耐熱性及び高温清浄性向上効果並びに高温時の耐焼付き性向上効果と経済性の関係から、亜鉛元素換算量で好ましくは0.005〜0.05質量%、より好ましくは0.01〜0.03質量%である。
これらモリブデンジアルキルジチオカーバメート及び/又は亜鉛ジアルキルジチオカーバメートは、組成物(A)の耐熱性及び高温清浄性を高め、高温時の耐焼付性を高めることができる点でいずれも好ましく使用することができるが、少量かつ単独でこれらの全ての性能を大幅に高めることができる点で、亜鉛ジアルキルジチオカーバメートが特に好ましい。
本発明においては、上記モリブデンジチオカーバメートを必須に含有させる組成物(B)の場合、セカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートを併用することで、耐熱性、高温清浄性を維持しながら耐焼付性を大幅に高めることができる。この場合、プライマリーアルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートを併用した組成物よりもその耐焼付性向上効果が大幅に向上する。
本発明の組成物(B)において、モリブデンジチオカーバメートの配合割合は特に制限はなく、組成物(B)全量基準で、モリブデン元素換算量で通常0.001〜0.2質量%であるが、耐熱性及び高温清浄性向上効果と経済性の関係から、モリブデン元素換算量で好ましくは0.005〜0.05質量%、より好ましくは0.01〜0.03質量%である。
組成物(B)に用いるセカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートは特に制限はなく、公知のものが好適に使用できる。
セカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートにおけるセカンダリーアルキル基としては、通常炭素数3〜24、好ましくは3〜12、さらに好ましくは3〜6のセカンダリーアルキル基、例えば、セカンダリープロピル基、セカンダリーブチル基、セカンダリーペンチル基、セカンダリーヘキシル基、セカンダリーヘプチル基、セカンダリーオクチル基、セカンダリーノニル基、セカンダリーデシル基、セカンダリーウンデシル基、セカンダリードデシル基、セカンダリートリデシル基、セカンダリーテトラデシル基、セカンダリーペンタデシル基、セカンダリーヘキサデシル基、セカンダリーヘプタデシル基、セカンダリーオクタデシル基、セカンダリーノナデシル基、セカンダリーエイコシル基、セカンダリーヘンエイコシル基、セカンダリードコシル基、セカンダリートリコシル基、セカンダリーテトラコシル基又はこれら2種以上が挙げられる。
セカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートのより好ましい例としては、炭素数3〜6のセカンダリーアルキル基から選ばれる1種又は2種以上を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートが好ましく、炭素数3〜6のセカンダリーアルキル基から選ばれる2種以上を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートがより好ましい。なお、炭素数3〜6のセカンダリーアルキル基から選ばれる2種以上を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートには、同一分子内に炭素数3〜6のセカンダリーアルキル基から選ばれる2種以上を有するものであっても、同一分子内に同一の炭素数3〜6のセカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートを2種以上有する混合物であっても良く、さらにこれらの混合物であっても良い。
セカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートの具体例としては、亜鉛ジ(セカンダリープロピル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ(セカンダリーブチル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ(セカンダリーペンチル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ(セカンダリーヘキシル)ジチオホスフェート、亜鉛(セカンダリープロピル)(セカンダリーヘキシル)ジチオホスフェート、亜鉛(セカンダリーブチル)(セカンダリーヘキシル)ジチオホスフェート等から選ばれる1種又は2種以上の混合物が特に好ましく挙げられる。
組成物(B)において、セカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートの配合割合は特に制限はなく、組成物(B)全量基準で、通常0.01〜2質量%、亜鉛元素換算量では、通常0.001〜0.2質量%であるが、耐熱性、高温清浄性を維持しながら耐焼付性を大幅に高めることができる点及び経済性の関係から、亜鉛元素換算量で好ましくは0.01〜0.08質量%、より好ましくは0.04〜0.06質量%である。
組成物(B)において、上記モリブデンジチオカーバメートのモリブデン換算量での配合割合(Mo:質量%)と上記セカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェートの亜鉛換算量での配合割合(Zn:質量%)との比率(Mo/Zn)は特に制限はないが、好ましくは1/5〜1/1、より好ましくは1/4〜1/2である。
本発明の組成物は、上記構成により耐熱性及び高温清浄性、さらには高温における耐焼付性を高めることができるが、更にその性能を向上させるために、又は、その他の目的に応じて、本発明の組成物には、潤滑油に一般的に使用される任意の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、無灰分散剤、酸化防止剤、上記以外の摩耗防止剤又は極圧剤、摩擦調整剤、粘度指数向上剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤、及び着色剤等の添加剤が挙げられる。
無灰分散剤としては、潤滑油に用いられる任意の無灰分散剤を用いることができ、例えば、炭素数40〜400の直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物又はその誘導体が挙げられる。
該含窒素化合物としては、例えば、コハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアミン、マンニッヒ塩基が挙げられ、その誘導体としては、これら含窒素化合物にホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素化合物、(チオ)リン酸、(チオ)リン酸塩等のリン化合物、有機酸、ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等を作用させた誘導体が挙げられる。本発明においては、これらの中から任意に選ばれる1種又は2種類以上を配合することができる。
前記アルキル基又はアルケニル基の炭素数は40〜400、好ましくは60〜350である。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の潤滑油基油に対する溶解性が低下し、一方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が400を越える場合は、本発明の組成物の低温流動性が悪化する恐れがある。このアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分枝状でもよいが、好ましいものとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーやエチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基や分枝状アルケニル基等が挙げられる。
無灰分散剤としては、高温清浄性の点からモノタイプ及び/又はビスタイプのコハク酸イミド系無灰分散剤、特にビスタイプのコハク酸イミド系無灰分散剤が好ましく、また、コハク酸イミド系無灰分散剤としては、ホウ素を含有していても、含有していなくても良いが、耐焼付き性の点でホウ素を含有しているものであることが特に好ましい。
本発明の組成物は、ホウ素を含有する無灰分散剤を使用しない場合であっても上述の諸性能が改善できるため、経済性により優れる。
本発明において、無灰分散剤を配合する場合の配合割合は特に制限はないが、通常組成物全量基準で0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜4質量%、さらに好ましくは1〜3質量%である。無灰分散剤の配合割合が上記未満の場合硫酸中和速度が十分でない傾向にあり、また、上記範囲を超える場合、配合割合に見合う効果が得られないばかりか、ピストンリング溝の清浄性が悪化する傾向にある。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤あるいは金属系酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤を配合する場合の割合は、組成物全量基準で、通常0.1〜5質量%である。
なお、本発明の構成を有しない場合、上記無灰酸化防止剤を多量に配合することが必要となるが、本発明においては、これらを使用しない場合であっても上述の諸性能を改善することができるため、経済性により優れる。
上記以外の摩耗防止剤又は極圧剤としては、潤滑油に用いられる任意の摩耗防止剤又は極圧剤が使用できる。例えば、硫黄系、リン系、硫黄−リン系の極圧剤等が使用でき、具体的には、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、ジチオカーバメート、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等が挙げられる。
本発明の組成物において、摩耗防止剤又は極圧剤を使用する場合の配合割合は特に制限はないが、組成物全量基準で、通常0.01〜5質量%である。
摩擦調整剤としては、例えば、脂肪酸エステル系、脂肪族アミン系、脂肪酸アミド系等の無灰摩擦調整剤、モリブデンジチオカーバメート、モリブデンジチオホスフェート等の金属系摩擦調整剤が挙げられる。摩擦調整剤を使用する場合の配合割合は、組成物全量基準で、通常0.01〜5質量%である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート系粘度指数向上剤、オレフィン共重合体系粘度指数向上剤、スチレン−ジエン共重合体系粘度指数向上剤、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体系粘度指数向上剤又はポリアルキルスチレン系粘度指数向上剤等が挙げられる。粘度指数向上剤の重量平均分子量は、通常800〜1000000、好ましくは100000〜900000である。また、粘度指数向上剤を使用する場合の配合割合は、組成物全量基準で通常0.1〜20質量%である。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、又はイミダゾール系化合物等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、又は多価アルコールエステルが挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、又はβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリルが挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリシレートとo−ヒドロキシベンジルアルコール、アルミニウムステアレート、オレイン酸カリウム、N−ジアルキル−アリルアミンニトロアミノアルカノール、イソアミルオクチルホスフェートの芳香族アミン塩、アルキルアルキレンジホスフェート、チオエーテルの金属誘導体、ジスルフィドの金属誘導体、脂肪族炭化水素のフッ素化合物、トリエチルシラン、ジクロロシラン、アルキルフェニルポリエチレングリコールエーテルスルフィド、フルオロアルキルエーテルが挙げられる。
これらの添加剤を本発明の組成物に含有させる場合には、その含有量は組成物全量基準で、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤ではそれぞれ通常0.005〜5質量%、金属不活性化剤では通常0.005〜1質量%、消泡剤では通常0.0005〜1質量%の範囲から選ばれる。
本発明の組成物の100℃における動粘度は特に制限はないが、好ましくは6〜50mm2/s、より好ましくは9.3〜30mm2/s、特に好ましくは12.5〜21.9mm2/sである。ここでいう100℃における動粘度とは、ASTM D−445に規定される100℃での動粘度を示す。
本発明の組成物の塩基価は特に制限はないが、アスファルテンを含有する高硫黄燃料を使用する場合に対しても優れた高温清浄性と酸中和性能を付加するためには、好ましくは5〜100mgKOH/g、より好ましくは10mgKOH/g以上、さらに好ましくは20mgKOH/g以上であり、より好ましくは80mgKOH/g以下、さらに好ましくは70mgKOH/g以下である。ここで塩基価とは、ASTM D−2896により測定される塩基価を示す。
本発明の組成物の硫酸灰分量は特に制限はないが、好ましくは1.2質量%以上、より好ましくは2質量%以上、特に好ましくは3質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。ここでいう硫酸灰分とは、JIS K2272の5.「硫酸灰分の試験方法」に規定される方法により測定される値を示し、主として金属含有添加剤に起因するものである。
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されない。
実施例1〜5、比較例1〜3
潤滑油基油に、表1に示す組成の添加剤を処方し、本発明の潤滑油組成物(実施例1〜5)、比較用の潤滑油組成物(比較例1〜3)をそれぞれ調製した。得られた組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。なお、ここで使用した潤滑油基油は、SAE30のグループI基油とブライトストックを組み合わせたものであり、添加剤を処方した状態で、組成物の100℃における動粘度を20mm2/sとなるよう調整した。また、過塩基性スルホネート、過塩基性フェネート及び無灰分散剤により組成物の塩基価が70mgKOH/gになるよう調整した。
(耐熱性、高温清浄性)
ホットチューブ試験(JPI-5S-55-99準拠)を行い、耐熱性及び高温清浄性を評価した。
ここで、耐熱温度は、同試験においてコーキングが発生した温度から5℃低い温度を意味し、HTT評点は同試験法に準拠して評価される320℃における評点を意味する(最低0、最高10)。
(高温における耐焼付き性)
曾田四球試験により、下記に示す試験条件によって200℃における焼付き荷重を測定した。荷重付加後の摺動部の温度は250℃を超えるものと推定される。
<試験条件>
1.鋼球:JIS B 1501に規定される3/4インチ(呼び直径:19.05mm)、等級40
2.供試油温度:200℃
3.回転速度:200rpm
4.荷重:0.05MPa/60sec毎のステップ
5.供試油量:30cc
Figure 2008239774
1)モリブデンジアルキルジチオカーバメート(C8又はC13アルキル基)
(Mo含有量:10質量%)
2)亜鉛ジアミルジチオカーバメート
(Zn含有量:6.3質量%)
3)secC4/C6アルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェート
(Zn含有量:7.9質量%)
4)secC3/C6アルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェート
(Zn含有量:8.3質量%)
5)secC6アルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェート
(Zn含有量:8.2質量%)
6)PriC4/C5/C8アルキル基を有する亜鉛ジアルキルジチオホスフェート
(Zn含有量:8.5質量%)
7)400BN過塩基性Caスルホネート及び150BN過塩基性Caフェネート
(配合比率76:24(質量比)、塩基価負担率90:10)
8)ビスタイプのポリブテニルコハク酸イミド
(PIB基の数平均分子量:1000、窒素含有量:1.1質量%)
表1の結果から明らかなように、本発明の金属ジアルキルジチオカーバメートを含有する潤滑油組成物(実施例1〜5)では、320℃においてもコーキングが発生しない耐熱性及び320℃においても優れた高温清浄性を有するとともに、摺動部の温度が250℃を超える高温・高速摺動条件における耐焼付き性に優れる。特にZnDTCを使用した場合(実施例2)、MoDTCとsecZDTPを併用した場合(実施例3〜5)には、耐熱性及び高温清浄性に優れると共に高温・高速摺動条件における耐焼付き性が大幅に向上することがわかる。特にZnDTCを使用した場合は単独で使用でき、他の実施例に比べ少量の添加量で大幅な効果が認められるため、経済性の点で有利でもある。一方、金属ジアルキルジチオカーバメートを含有しない潤滑油組成物(比較例1〜3)では、耐熱性及び高温清浄性に劣ることがわかる。
このように、本発明の潤滑油組成物は、上記優れた耐熱性及び高温清浄性並びに高温・高速摺動条件における耐焼付き性を有するため、最新型の、ボアサイズが70cm以上に大型化され、平均ピストン速度で8m/s以上、さらには8.5m/s以上となるような超ロングストローク、燃焼圧力が正味有効圧力(BMEP)で1.8MPa以上、さらには1.9MPa以上、シリンダー壁温250℃以上、さらには260℃以上、特に270℃以上となるような条件のいずれかあるいは全てを満たす条件で運転されるクロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物、特にクロスヘッド型2ストロークサイクルディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物として特に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 潤滑油基油と、該基油に配合する、金属系清浄剤と、モリブデンジアルキルジチオカーバメート及び亜鉛ジアルキルジチオカーバメートから選ばれる少なくとも1種の金属ジチオカーバメートとを含むことを特徴とするクロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物。
  2. 潤滑油基油と、該基油に配合する、金属系清浄剤と、モリブデンジアルキルジチオカーバメートと、セカンダリーアルキル基を有する亜鉛ジチオホスフェートとを含むことを特徴とするクロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物。
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