JP2008239713A - アクリルゴム組成物および架橋物 - Google Patents

アクリルゴム組成物および架橋物 Download PDF

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義幸 小田川
Hirofumi Masuda
浩文 増田
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Abstract

【課題】耐圧縮永久歪性に優れる架橋物を与える、貯蔵安定性に優れたアクリルゴム組成物を提供すること。
【解決手段】カルボキシ基含有アクリルゴム、シリカ、エポキシ基含有シランカップリング剤、脂肪族ジアミン化合物およびグアニジン化合物を含有し、前記脂肪族ジアミン化合物に対する、前記グアニジン化合物の比率が、重量比で、5〜10の範囲であるアクリルゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリルゴム組成物およびその架橋物に関し、さらに詳しくは、耐圧縮永久歪性に優れる架橋物を与える、貯蔵安定性に優れたアクリルゴム組成物、及び、このアクリルゴム組成物を架橋することにより得られる架橋物に関する。
アクリルゴムは、耐熱性、耐油性に優れているため、自動車関連の分野などで広く用いられている。しかし、最近ではシール材、ホース材、防振材、チューブ材、ベルト材またはブーツ材といった各部材において、耐圧縮永久歪み特性にさらに一層優れたアクリルゴムが強く要望されるようになっている。
このようなアクリルゴムは、自動車関連の各部材に用いられる際には、ゴムに強度を持たせる等の理由より、一般的にカーボンブラックなどの炭素系の充填剤を添加した状態で用いられている。しかし、その一方で、アクリルゴムにカーボンブラックなどの炭素系の充填剤を添加して用いると、電気抵抗が低くなってしまうため、組み付け部の金属が腐食してしまうという電蝕の問題が発生することがあった。そのため、炭素系の充填剤に代えて、合成シリカ等の導電性の低い充填剤を用いることが検討されている。また、着色して使用する用途に用いるためにも、合成シリカ等の充填剤の使用が望まれている。
充填剤としてシリカを用いたアクリルゴムを、自動車関連部材に適用した例として、たとえば、特許文献1には、内層および/または外層に、エチレン・アクリル系ゴム層またはアクリル系ゴム層を含んで加硫成形された積層ゴムホースにおいて、エチレン・アクリル系ゴム層またはアクリル系ゴム層に、所定量のシリカと、所定量のアミノ系シランカップリング剤と、を配合してなるゴムホースが開示されている。しかしながら、この文献記載の積層ゴムホースは、耐圧縮永久歪み性に劣るという問題があった。
また、特許文献2,3には、シリカ含有アクリルゴム組成物において、シランカップリング剤として、エポキシ系のシランカップリング剤を用いた例が開示されている。しかしながら、これらの文献においては、貯蔵後のアクリルゴム組成物のスコーチ安定性や成形加工性に劣るという貯蔵安定性に問題があった。
特開2000−283342号公報 特開2004−59667号公報 特開2006−249237号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、耐圧縮永久歪性に優れる架橋物を与える、貯蔵安定性に優れたアクリルゴム組成物、及び、このアクリルゴム組成物を架橋することにより得られる架橋物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために、鋭意検討したところ、充填剤としてシリカを含有するアクリルゴム組成物において、アクリルゴム組成物中にシリカを良好に分散するために用いられるシランカップリング剤として、エポキシ基含有シランカップリング剤を用いることで、得られる架橋物の耐圧縮永久歪み性を改善できることを見出した。
しかし、その一方で、エポキシ基含有シランカップリング剤を用いると、アクリルゴム組成物を貯蔵した場合にスコーチ安定性や成形性が劣化する等の貯蔵安定性に劣ってしまうことがあることもわかった。これに対して、さらに検討を進めたところ、アクリルゴム組成物に、脂肪族ジアミン化合物およびグアニジン化合物を含有させ、さらにこれらの比率を所定の範囲に制御することで、エポキシ基含有シランカップリング剤を用いることにより、耐圧縮永久歪性に優れる架橋物を与える、貯蔵安定性に優れたアクリルゴム組成物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、カルボキシ基含有アクリルゴム、シリカ、エポキシ基含有シランカップリング剤、脂肪族ジアミン化合物およびグアニジン化合物を含有し、前記脂肪族ジアミン化合物に対する、前記グアニジン化合物の比率が、重量比で、5〜10の範囲であるアクリルゴム組成物が提供される。
好ましくは、前記エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量が、前記カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、0.2〜5重量部である。
好ましくは、前記脂肪族ジアミン化合物の含有量が、前記カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、0.05〜3重量部である。
好ましくは、前記シリカの含有量が、前記カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、10〜200重量部である。
また、本発明によれば、上記いずれかのアクリルゴム組成物を架橋することにより得られる架橋物が提供される。
本発明によると、貯蔵安定性に良好なアクリルゴム組成物を提供することができる。さらに、このアクリルゴム組成物を架橋することにより、耐圧縮永久歪み性に良好な架橋物を提供することができる。したがって、これらの特性を活かして、成形後に架橋して使用するシール、ホース、防振材、チューブ、ベルト、ブーツなどのゴム部品の材料として広い範囲で好適に使用できる。
アクリルゴム組成物
本発明のアクリルゴム組成物は、少なくとも、カルボキシ基含有アクリルゴム、シリカ、エポキシ基含有シランカップリング剤、脂肪族ジアミン化合物およびグアニジン化合物を含有するものであり、脂肪族ジアミン化合物に対する、グアニジン化合物の比率が、重量比で、5〜10の範囲に制御されたものである。
カルボキシ基含有アクリルゴム
カルボキシ基含有アクリルゴムは、カルボキシ基を架橋点に持つアクリルゴムである。このカルボキシ基含有アクリルゴムは、圧縮永久歪みが低いという特性を有する。
本発明に用いるカルボキシ基含有アクリルゴムは、
(A)カルボキシ基含有単量体単位を共重合単量体単位として有するアクリルゴム、
(B)アクリルゴムに対してラジカル開始剤存在下で、カルボキシ基を有する炭素−炭素不飽和結合含有化合物をグラフト変性させてなるアクリルゴム、または、
(C)アクリルゴム分子中のカルボン酸エステル基、酸アミド基等のカルボン酸誘導基の一部を加水分解によってカルボキシ基へ変換させてなるアクリルゴム、
のいずれの型であってもよい。
本発明に用いるカルボキシ基含有アクリルゴムは、分子中に(メタ)アクリル酸エステル単量体〔アクリル酸エステル単量体および/またはメタクリル酸エステル単量体の意味。以下、(メタ)アクリル酸メチルなど同様。〕単位を好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有する重合体である。
本発明において、カルボキシ基含有アクリルゴム中のカルボキシ基の含有量、すなわち、このアクリルゴム100g当たりのカルボキシ基モル数(ephr)は、好ましくは6×10−4〜6×10−2(ephr)、より好ましくは4×10−4〜4×10−2(ephr)、特に好ましくは2×10−4〜2×10−2(ephr)である。カルボキシ基含有量が少なすぎると、架橋物の架橋密度が不十分となるおそれがあり、そのことで機械的特性が劣るおそれがあり、耐圧縮永久歪性が劣るおそれがある。一方、カルボキシ基含有量が多すぎると、架橋物の伸びが低下する可能性があり、硬度が高くなりすぎる可能性がある。
カルボキシ基含有アクリルゴムを構成する単量体単位の主原料である(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体などが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましく、アクリル酸エチル及びアクリル酸n−ブチルがより好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、炭素数2〜8のアルコキシアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが好ましく、特に、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチルが好ましい。
上記(A)の型のカルボキシ基含有アクリルゴムを構成する単量体単位の原料となるカルボキシ基含有単量体としては、上記(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能なカルボキシ基含有単量体であれば特に限定されない。このようなカルボキシ基含有単量体としては、たとえば、炭素数3〜12のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸、および炭素数4〜11のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステルなどが挙げられる。
上記炭素数3〜12のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが挙げられる。
上記炭素数4〜12のα,β−不飽和ジカルボン酸としては、フマル酸やマレイン酸などのブテンジオン酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられる。
上記炭素数4〜11のα,β−不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステルとしては、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルおよびマレイン酸モノn−ブチルなどのブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘキセニル、マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシルおよびマレイン酸モノシクロヘキセニルなどの脂環構造を有するブテンジオン酸モノ環状アルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチルおよびイタコン酸モノブチルなどのイタコン酸モノエステル;などが挙げられる。
これらのなかでも、ブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル、およびブテンジオン酸モノ環状アルキルエステルが好ましく、特に、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、およびマレイン酸モノシクロヘキシルが好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
なお、上記単量体のうち、ジカルボン酸を使用して共重合させる場合には、無水物として共重合させても良く、この場合には、架橋の際に加水分解してカルボキシ基を生成させることにより、架橋点を形成することができる。
カルボキシ基含有単量体単位の好ましい含有量は、用いるカルボキシ基含有単量体により異なるが、前記のカルボキシ基含有量になるように適宜調整すればよい。
また、カルボキシ基含有アクリルゴムには、カルボキシ基以外の架橋点を有する単量体が共重合されていてもよい。このような架橋点を有する単量体としては、ハロゲン基含有単量体、エポキシ基含有単量体、水酸基含有単量体などが挙げられる。
上記ハロゲン基含有単量体としては特に限定されないが、たとえば、ハロゲン含有飽和カルボン酸の不飽和アルコールエステル、(メタ)アクリル酸ハロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ハロアシロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ハロアセチルカルバモイルオキシ)アルキルエステル、ハロゲン含有不飽和エーテル、ハロゲン含有不飽和ケトン、ハロメチル基含有芳香族ビニル化合物、ハロゲン含有不飽和アミド、ハロアセチル基含有不飽和単量体などが挙げられる。
上記エポキシ基含有単量体としては特に限定されないが、たとえば、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ基含有(メタ)アクリルエーテル、エポキシ基含有(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
水酸基含有単量体としては特に限定されないが、たとえば、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール等が挙げられる。
これらのカルボキシ基以外の架橋点を有する単量体の中では、上記ハロゲン基含有単量体および上記エポキシ基含有単量体が、好ましい。カルボキシ基以外の架橋点を有する単量体は、1種単独でまたは2種以上を併せて使用することができる。
上記アクリルゴム中のカルボキシ基以外の架橋点を有する単量体単位の含有量は、全単量体単位100重量%に対して、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜3重量%である。
また、カルボキシ基含有アクリルゴムは、上記以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、上述の各単量体と共重合可能な単量体単位を含有していても良い。このような共重合可能な単量体単位としては、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、アクリロイルオキシ基を2個以上有する単量体(多官能アクリル単量体)、その他のオレフィン系単量体などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが例示される。多官能アクリル単量体としては、エチレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル、プロピレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステルなどが挙げられる。その他のオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましい。
このような共重合可能な単量体単位の含有量は、カルボキシ基含有アクリルゴム全体100重量%に対して、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%である。
カルボキシ基含有アクリルゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜90、より好ましくは15〜80、特に好ましくは20〜70である。ムーニー粘度が小さすぎると、ゴム組成物の賦形後の形状保持性が悪くなる場合があったり、架橋物の機械的特性が劣る場合がある。一方、大きすぎると、流動性が悪くなる場合があり、そのことによって、成形加工性が劣る場合があったり、成形が困難となる場合がある。
カルボキシ基含有アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸エステル単量体、カルボキシ基含有単量体、必要に応じて用いられるカルボキシ基以外の架橋点を有する単量体およびこれらと共重合可能な単量体などの単量体混合物を、重合することにより製造することができる。重合法としては、公知の乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法および溶液重合法のいずれをも用いることができるが、重合反応の制御の容易性等から、常圧下での乳化重合法が好ましい。
上記(B)の型のカルボキシ基含有アクリルゴムにおける、アクリルゴムをグラフト変性するためのカルボキシ基を有する炭素−炭素不飽和結合含有化合物としては、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステルなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸などが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステルとしては、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチルなどが挙げられる。
上記(B)の型のカルボキシ基含有アクリルゴムは、有機溶剤に溶解しているアクリルゴムに、ラジカル開始剤存在下で上記のカルボキシ基を有する炭素−炭素不飽和結合含有化合物を反応させることによりカルボキシ基含有アクリルゴムが得られる。
上記(C)の型のカルボキシ基含有アクリルゴムにおけるアクリルゴム分子中のカルボン酸誘導基としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が有するカルボン酸エステル基が好適に挙げられる。たとえば、有機溶剤に溶解しているアクリルゴムのカルボン酸エステル基の一部を、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム等の存在下で加水分解することによりカルボキシ基含有アクリルゴムが得られる。
シリカ
本発明のアクリルゴム組成物に含有されるシリカとしては、特に限定されないが、湿式法シリカや、湿式法シリカを焼成することにより得られる焼成シリカなどが挙げられる。
湿式法シリカは含水ケイ酸とも呼ばれ、一般的にはケイ酸ナトリウムと鉱酸および塩類とを水中で反応させて製造されるシリカである。また、焼成シリカは、湿式法シリカを、500〜1000℃で焼成することにより得られるものであり、粒子表面のシラノール基濃度が、好ましくは3個/nm以下のものである。
本発明のアクリルゴム組成物に含有されるシリカは、pHが好ましくは7.0〜10の範囲、特に7.5〜9の範囲に制御されているものが好ましい。シリカのpHが高すぎても低すぎても、アクリルゴム組成物のスコーチ安定性が劣るおそれがある。
本発明のアクリルゴム組成物中における、シリカの含有量は、カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部であり、より好ましくは20〜100重量部である。シリカの含有量が少なすぎると、架橋物の機械的強度が不足する場合がある。一方、含有量が多すぎると、アクリルゴム組成物の溶融粘度が高くなる場合があり、そのことで成形加工性に劣る場合がある。
なお、本発明においては、シリカに加えて、カーボンブラックを併用しても良い。この場合における、カーボンブラックの含有量は、カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、好ましくは2〜100重量部であり、より好ましくは10〜70重量部である。カーボンブラックの量が少なすぎると機械的強度が不足するおそれがあり、多すぎると架橋物が硬くなりすぎる可能性があり、そのことで架橋ゴムとしての弾性が損なわれる可能性がある。
カーボンブラックとしては、特に制限はなく、一般的にゴムの配合用に用いられているものであれば良いが、たとえば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどを用いることができる。
エポキシ基含有シランカップリング剤
エポキシ基含有シランカップリング剤としては、分子中にエポキシ基を少なくとも有する有機珪素化合物であれば良く、特に限定されないが、一般式X−Si(OR、または、X−SiR(ORで表されるものが挙げられる。
上記式において、官能基Xは、エポキシ基を含有する官能基であれば良く、特に限定されないが、炭素数1〜8のエポキシ基を含有する官能基であることが好ましい。また、上記式において、ORはアルコキシ基であり、なかでも炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基などが挙げられる。一方、Rはアルキル基であり、なかでも炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
このようなエポキシ基含有シランカップリング剤の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。これらのなかでも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
本発明のアクリルゴム組成物中における、エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量は、カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.2〜5重量部であり、より好ましくは0.3〜4重量部、特に好ましくは0.4〜3重量部である。エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量が少なすぎると、シリカの分散性が低下する場合があり、そのことで架橋物の機械的強度が不足する場合がある。一方、多すぎると、貯蔵安定性が低下する場合がある。
脂肪族ジアミン化合物
本発明のアクリルゴム組成物に含有される脂肪族ジアミン化合物は、架橋剤として作用するものである。
脂肪族ジアミン化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。これらのなかでも、ヘキサメチレンジアミンカルバメートが好ましい。
本発明のアクリルゴム組成物中における、脂肪族ジアミン化合物の含有量は、後述するグアニジン化合物の含有量との関係で決定されれば良く、特に限定されないが、カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.05〜3重量部、より好ましくは0.1〜2.6重量部、特に好ましくは0.2〜2.4重量部である。脂肪族ジアミン化合物の含有量が少なすぎると架橋が不十分となるおそれがあり、そのことで架橋物の形状維持が困難になるおそれがある。一方、多すぎると架橋物が硬くなりすぎる可能性があり、そのことで架橋ゴムとしての弾性が損なわれる可能性がある。
グアニジン化合物
本発明のアクリルゴム組成物に含有されるグアニジン化合物は、架橋促進剤として作用するものである。
グアニジン化合物の具体例としては、グアニジン、テトラメチルグアニジン、ジブチルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジンなどが挙げられる。これらのなかでも、1,3−ジ−o−トリルグアニジンが好ましい。
なお、グアニジン化合物は、各種アニオンとの塩の形態で用いても良い。その具体例としては、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン等が挙げられる。
本発明のアクリルゴム組成物中における、グアニジン化合物の含有量は、上述の脂肪族アミン化合物の含有量との関係で決定されれば良く、特に限定されないが、カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.25〜30重量部であり、より好ましくは0.5〜15重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。グアニジン化合物の含有量が少なすぎると、架橋物の引張強度が著しく低下する可能性があり、また、耐圧縮永久歪性が劣る可能性がある。一方、多すぎても、耐圧縮永久歪性が低下する可能性がある。
本発明においては、アクリルゴム組成物中に含有される脂肪族ジアミン化合物に対するグアニジン化合物の比率が、「グアニジン化合物/脂肪族ジアミン化合物」とした場合に、重量比で、5〜10の範囲、好ましくは5〜8の範囲、より好ましくは5〜7の範囲である。脂肪族ジアミン化合物とグアニジン化合物との比率を、上記範囲に制御することにより、貯蔵安定性に優れるアクリルゴム組成物が得られ、耐圧縮永久歪み性に優れた架橋物を与える。上記比率が小さすぎると、貯蔵後のスコーチ安定性や成形加工性に劣り、貯蔵安定性が悪化してしまう。一方、上記比率が高すぎると、得られる架橋物の耐圧縮永久歪み性が悪化してしまう。
その他の添加剤
本発明のアクリルゴム組成物は、その他必要に応じて、上記以外の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、たとえば、補強剤、加工助剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤などが挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲において、脂肪族ジアミン化合物以外の架橋剤、グアニジン化合物以外の架橋促進剤等を用いても良い。
本発明のアクリルゴム組成物を調製する方法としては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法が採用できる。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分、たとえば架橋剤、架橋促進剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間で混合すればよい。
架橋物
本発明の架橋物は、上述した本発明のアクリルゴム組成物を架橋することにより得られる。成形法としては、押出成形、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形などの成形法が採用できる。アクリルゴム組成物の架橋は、成形後に行っても、成形とほぼ同時に行ってもよい。
押出成形には、ゴムの加工で一般的な手順を採用することができる。すなわち、ロール混合などによって調製したアクリルゴム組成物を、押出機のフィード口に供給し、スクリューでヘッド部に送る過程でバレルからの加熱により軟化させ、ヘッド部に設けた所定形状のダイスに通すことにより、目的の断面形状を有する長尺の押出成形品(板、棒、パイプ、ホース、異形品など)を得る。
バレル温度は、好ましくは40℃〜120℃、より好ましくは50℃〜100℃である。ヘッド温度は、好ましくは50℃〜130℃、より好ましくは50℃〜110℃である。ダイス温度は、好ましくは60℃〜130℃、より好ましくは70℃〜100℃である。上記のように押出成形した成形品を電気、熱風、蒸気などを熱源とするオーブンで130℃〜220℃、より好ましくは140℃〜200℃に加熱して架橋(一次架橋)させ、アクリルゴム架橋物(一次架橋物)を得る。
射出成形、トランスファー成形および圧縮成形では、製品1個分のまたは数個分の形状を有する金型を、好ましくは130℃〜220℃、より好ましくは140℃〜200℃に加熱し、その形状のキャビティ内に本発明のアクリルゴム組成物を充填して賦形し、同時に架橋(一次架橋)させて、架橋物(一次架橋物)を得る。
さらに、必要により、一次架橋させて得られた架橋物を電気、熱風、蒸気などを熱源とするオーブンなどで130℃〜220℃、より好ましくは140℃〜200℃で1〜48時間加熱して架橋(二次架橋)させ、二次架橋物とすることもできる。
本発明の架橋物は、引張強さ、伸び、硬さなどのゴムとしての基本特性を維持しつつ、高い耐熱性および優れた耐圧縮永久歪み性を有している。そのため本発明の架橋物は、たとえば、自動車等の輸送機械、一般機器、電気機器等の幅広い分野において、O−リング、ガスケット、オイルシール、ベアリングシール等のシール材;緩衝材、防振材;電線被覆材;工業用ベルト類;チューブ・ホース類;シート類;等として好適に用いられる。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。これらの例中の〔部〕および〔%〕は、特に断わりのない限り重量基準である。ただし本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、カルボキシ基含有アクリルゴム、アクリルゴム組成物およびその架橋物は、以下の方法により評価した。
ムーニー粘度
JIS K6300の未架橋ゴム物理試験法のムーニー粘度試験に従って、測定温度100℃におけるカルボキシ基含有アクリルゴムのムーニー粘度(ML1+4)を測定した。
カルボキシ基含有量
アクリルムゴムを溶解したアセトン溶液を、水酸化カリウムの0.01Nエタノール溶液を用いて電位差滴定装置COMTITE−101(平沼産業社製)で滴定し、ゴム100gに対するカルボキシ基の数(モル数、単位はephr)を求めた。
共重合体組成
プロトン−NMRを用いて組成比を求めた。
ムーニースコーチ
貯蔵安定性は、所定条件下に放置したアクリルゴム組成物のムーニースコーチ時間t5の変化で評価した。具体的には、混練翌日(混練してから24〜36時間内)のアクリルゴム組成物のムーニースコーチ時間t5と、温度23℃、相対湿度50%の条件下、14日間放置したアクリルゴム組成物のムーニースコーチ時間t5を測定して、その差が近いほど、貯蔵安定性に優れることとなる。
なお、ムーニースコーチは、JIS K6300−1に準じて、温度125℃にて、L形ローターを用いて測定した。
14日後の成形加工性
温度23℃、相対湿度50%の条件下、14日間放置した後のアクリルゴム組成物を、先端にガーベダイを付けた押出機(単軸バレル径20mm、回転数30rpm、バレル温度60℃、ヘッド温度80℃)を用いて押出成形した。そして、ASTM D2230―77 A法(ガーベダイ押出試験、採点法A)に従い、得られた押出成形品の状態を評価した。具体的には、押出成形品の表面肌の平滑性、30°エッジの連続性と鋭さについて評価した。評価は、以下の基準で行った。
○:押出し肌が平滑、30°エッジの連続性と鋭さ有り
×:押出し肌が凹凸、30°エッジの連続性と鋭さ無し
常態物性
アクリルゴム組成物を170℃、20分間のプレスによって成形・架橋し、一次架橋を行い、縦15cm、横15cm、厚さ2mmのシートを作製し、さらに二次架橋のために、温度を170℃としたオーブンに4時間放置することにより、シート状の架橋物とした。次いで、このシート状の架橋物を3号形ダンベルで打ち抜き、試験片を得た。そして、得られた試験片を用いて、常温で、引張強度、破断伸び(伸び)、100%引張応力および硬さを測定することにより、常態物性を評価した。引張強度、破断伸び、および100%引張応力は、JIS K6251の引張試験に従って測定した。また、硬さは、JIS K6253(デュロメータ タイプA)の硬さ試験に従って測定した。
圧縮永久歪み性(一次架橋物および二次架橋物)
まず、アクリルゴム組成物を170℃、25分間、のプレスによって成形・架橋することにより、直径29mm、高さ12.5mmの円柱型の一次架橋物の試験片を作製した。次いで、得られた一次架橋物の試験片を用いて、JIS K 6262に従い、得られた試験片を25%圧縮させた状態で、150℃の環境下に72時間置いた後、圧縮を解放して圧縮永久歪み率を測定することにより、一次架橋物の耐圧縮永久歪み性を評価した。
さらに、上記と同様の条件で作製した一次架橋物について、さらに二次架橋のために、温度を170℃としたオーブンに4時間放置することにより、直径29mm、高さ12.5mmの円柱型の二次架橋物の試験片を作製した。次いで、得られた二次架橋物の試験片を用いて、上記と同様の条件で圧縮永久歪み率を測定することにより、二次架橋物の耐圧縮永久歪み性を評価した。
圧縮永久歪み率の数値が小さいほど、変形しにくい材料となり優れる。
実施例1
カルボキシ基含有アクリルゴムの製造
温度計、攪拌装置を備えた重合反応器に、水200部、ラウリル硫酸ナトリウム3部、アクリル酸エチル49部、アクリル酸n−ブチル49部およびフマル酸モノ−n−ブチル2部を仕込んだ。その後、減圧脱気および窒素置換を2度行って酸素を十分除去した後、クメンハイドロパーオキシド0.005部およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.002部を加えて常圧下、温度30℃で乳化重合を開始し、重合転化率が95%に達するまで反応させた。得られた乳化重合液を塩化カルシウム水溶液で凝固し、水洗、乾燥してカルボキシ基含有アクリルゴムを得た。
得られたカルボキシ基含有アクリルゴムのカルボキシ基含有量は、1.15×10−2ephrであり、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は35であった。
なお、上記得られたアクリルゴムの組成は、アクリル酸エチル単位49重量%、アクリル酸n−ブチル単位49重量%、及びフマル酸モノ−n−ブチル単位2重量%であった。
アクリルゴム組成物の製造
上記にて製造したカルボキシ基含有アクリルゴム:100部、シリカ(ニプシルER、東ソー・シリカ株式会社製、pH=7.5〜8.5):40部、カーボンブラック(FEFカーボン、シーストSO、東海カーボン(株)製):30部、ジブチルジグリコールアジペート(可塑剤、アデカサイザーRS−107、(株)ADEKA製):10部、ステアリン酸:2部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシ基含有シランカップリング剤):1.5部、4,4’−ジ−(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(老化防止剤、ナウガード445、Crompton Corporation社):2部、および、ステアリルアミン:1部を、バンバリーミキサに入れて50℃で混練した。その後、得られた混練物を、オープンロールに移して、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(脂肪族ジアミン化合物、Diak#1、デュポンダウエラストマー社製):0.6部、および1,3−ジ−o−トリルグアニジン(グアニジン化合物、ノクセラーDT、大内新興化学工業(株)製):3部を加えて、40℃で混練してアクリルゴム組成物を調製した。
なお、本実施例では、1,3−ジ−o−トリルグアニジン(グアニジン化合物)/ヘキサメチレンジアミンカルバメート(脂肪族ジアミン化合物)=5(重量比)とした。
得られたアクリルゴム組成物を用いて、上記方法によりスコーチ安定性、貯蔵安定性および成形加工性を、また、アクリルゴム組成物を上記条件で架橋することにより得られた架橋物を用いて、上記方法により常態物性を、さらに、一次架橋物および二次架橋物を用いて、上記方法により圧縮永久歪み性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例2
グアニジン化合物として、1,3−ジ−o−トリルグアニジン:3部に代えて、1,3−ジ−o−トリルグアニジン:2部、およびジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩(グアニジン化合物、ノクセラーPR、大内新興化学工業(株)製):2部を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルゴム組成物を製造し、同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、本実施例では、1,3−ジ−o−トリルグアニジンおよびジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩(グアニジン化合物)/ヘキサメチレンジアミンカルバメート(脂肪族ジアミン化合物)=6.7(重量比)とした。その結果を表1に示す。
実施例3
脂肪族ジアミン化合物としてのヘキサメチレンジアミンカルバメートの使用量を、0.6部から0.5部に変更するとともに、グアニジン化合物としての1,3−ジ−o−トリルグアニジンの使用量を3部から4部に変更した以外は、実施例1と同様にして、カルボキシ基含有アクリルゴム組成物を製造し、同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、本実施例では、1,3−ジ−o−トリルグアニジン(グアニジン化合物)/ヘキサメチレンジアミンカルバメート(脂肪族ジアミン化合物)=8(重量比)とした。その結果を表1に示す。
比較例1,2
グアニジン化合物としての1,3−ジ−o−トリルグアニジンの使用量を2部から、それぞれ、1部(比較例1)、8部(比較例2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、アクリルゴム組成物を製造し、同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例3
エポキシ基含有シランカップリング剤としてのγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:1.5部に代えて、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン:1.5部を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルゴム組成物を製造し、同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2008239713
表1に示すように、シリカを含むカルボキシ基含有アクリルゴム組成物に、シランカップリング剤として、エポキシ基含有シランカップリング剤を使用するとともに、脂肪族ジアミン化合物およびグアニジン化合物を所定の比率で添加することにより貯蔵安定性良好なアクリルゴム組成物が得られ、さらにはこれを架橋して得られる架橋物(一次架橋物および二次架橋物)が耐圧縮永久歪み性に良好となり、貯蔵安定性と耐圧縮永久歪み性のバランスに優れることが確認できる(実施例1〜3)。なお、一次架橋物の耐圧縮永久歪み性が向上することにより、二次加硫を短時間で済ませることができる、あるいは不要にできるという利点がある。
一方、脂肪族ジアミン化合物とグアニジン化合物との比率が、低すぎる場合には、貯蔵安定性に劣る結果となる(比較例1)。また、脂肪族ジアミン化合物とグアニジン化合物との比率が、高すぎる場合には、耐圧縮永久歪み性に劣る結果となる(比較例2)。さらに、シランカップリング剤として、アミノ基含有シランカップリング剤を使用した場合には、貯蔵安定性、および耐圧縮永久歪み性(特に、一次架橋物の耐圧縮永久歪み性)に劣る結果となる(比較例3)。

Claims (5)

  1. カルボキシ基含有アクリルゴム、シリカ、エポキシ基含有シランカップリング剤、脂肪族ジアミン化合物およびグアニジン化合物を含有し、
    前記脂肪族ジアミン化合物に対する、前記グアニジン化合物の比率が、重量比で、5〜10の範囲であるアクリルゴム組成物。
  2. 前記エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量が、前記カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、0.2〜5重量部である請求項1に記載のアクリルゴム組成物。
  3. 前記脂肪族ジアミン化合物の含有量が、前記カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、0.05〜3重量部である請求項1または2に記載のアクリルゴム組成物。
  4. 前記シリカの含有量が、前記カルボキシ基含有アクリルゴム100重量部に対して、10〜200重量部である請求項1〜3のいずれかに記載のアクリルゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のアクリルゴム組成物を架橋することにより得られる架橋物。
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