JP2008239561A - 常温で固体の生理活性物質のマイクロカプセル組成物の製造方法 - Google Patents

常温で固体の生理活性物質のマイクロカプセル組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、常温で固体の生理活性物質のマイクロカプセル組成物の製造方法およびその製造方法によって製造されることを特徴とするマイクロカプセル組成物を提供する。
【解決手段】(1)分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質と重合開始剤とを生理活性物質の溶解度以上のラジカル重合性モノマーによって溶解させた溶液を加え、混合液を調製する工程、
次いで、
(2)(1)の工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを体積中位径で10μm以下に乳化分散する工程等
を含むことを特徴とするマイクロカプセル組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、常温で固体の生理活性物質のマイクロカプセル組成物の製造方法およびその製造方法によって製造されることを特徴とするマイクロカプセル組成物に関する。
従来より、医薬、農薬分野において、効力増強や毒性軽減、安定性付与等を目的として、生理活性成分のマイクロカプセル化が数多く試みられている。また、印刷、製紙業界においても、顔料や色素等のマイクロカプセル化が数多く実用化されている。(例えば、特許文献1〜2参照)。
特表平9−505074号 特開2004−196718号
例えば、常温で固体の生理活性物質をマイクロカプセル化する方法としては、いくつかの方法が知られており、
界面重合法を用いた場合には、通常、固体物質を特定の溶剤に溶解させる必要があり、また、溶剤の選定等、固体物質の性質にあわせた処方設計も必要となり、
スプレードライ法を用いた場合には、カプセル膜自体の緻密性が低いため、良好な溶出制御を達成することが難しく、また、製造時に凝集物となる場合もあり、粒子設計が容易ではないという欠点があり、
液中硬化被覆法を用いた場合には、製造方法に制限があり、粒径の小さなマイクロカプセルを調製することが容易ではなく、水に懸濁して使用する場合には、懸濁安定性を保つことが困難となる場合があり、
溶融分散冷却法を用いた場合には、使用できる被膜原料の融点に制限があり、得られるマイクロカプセルの特性も限定されるといった課題があった。
そこで、本発明者は、常温で固体の生理活性物質を溶剤に溶解させることなく、所定の膜厚、粒径でマイクロカプセル化が可能な製造方法を目的として鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、本発明は以下の「発明1」〜「発明12」を提供するものである。
「発明1」
以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするマイクロカプセル組成物の製造方法。
(1)分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質と重合開始剤とを溶解させたラジカル重合性モノマーを加え、混合液を調製する工程、
次いで、
(2)(1)の工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを体積中位径で10μm以下に乳化分散する工程、
次いで、
(3)(2)の工程で得られた混合液の温度を昇温しながら攪拌し、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行う工程。
「発明2」
以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするマイクロカプセル組成物の製造方法。
(1)分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質を分散させ、この水相中に、重合開始剤を溶解させたラジカル重合性モノマーを加え、混合液を調整する工程、
(2)(1)の工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを体積中位径で10μm以下に乳化分散させると同時に、乳化分散したラジカル重合性モノマーに常温で固体の生理活性物質を溶解させる工程、
(3)(2)の工程で得られた混合液の温度を昇温しながら攪拌し、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行う工程。
「発明3」
常温で固体の生理活性物質のラジカル重合性モノマーに対する溶解度が15%以上である「発明1」または「発明2」に記載される製造方法。
「発明4」
分散安定剤が、保護コロイド形成能を有する物質である「発明1」〜「発明3」のいずれか1つに記載される製造方法。
「発明5」
常温で固体の生理活性物質が、農薬活性化合物である「発明1」〜「発明4」のいずれか1つに記載される製造方法。
「発明6」
常温で固体の生理活性物質が、トルクロホスメチルである「発明1」〜「発明5」のいずれか1つに記載される製造方法。
「発明7」
以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする製造方法によって得られるマイクロカプセル組成物。
(1)分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質と重合開始剤とを溶解させたラジカル重合性モノマーを加え、混合液を調製する工程、
次いで、
(2)(1)の工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを体積中位径で10μm以下に乳化分散する工程、
次いで、
(3)(2)の工程で得られた混合液の温度を昇温しながら攪拌し、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行う工程。
「発明8」
以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする製造方法によって得られるマイクロカプセル組成物。
(1)分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質を分散させ、この水相中に、重合開始剤を溶解させたラジカル重合性モノマーを加え、混合液を調整する工程、
(2)(1)の工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを体積中位径で10μm以下に乳化分散させると同時に、乳化分散したラジカル重合性モノマーに常温で固体の生理活性物質を溶解させる工程、
(3)(2)の工程で得られた混合液の温度を昇温しながら攪拌し、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行う工程。
「発明9」
常温で固体の生理活性物質が、農薬活性化合物である「発明7」または「発明8」に記載されるマイクロカプセル組成物。
「発明10」
常温で固体の生理活性物質が、トルクロホスメチルである「発明7」〜「発明9」のいずれか1つに記載されるマイクロカプセル組成物。
「発明11」
「発明7」〜「発明11」のいずれか1つに記載されるマイクロカプセルが、水相に懸濁している水性懸濁状マイクロカプセル組成物。
「発明12」
「発明7」〜「発明11」のいずれか1つに記載されるマイクロカプセルが、粒剤中に分散している粒状マイクロカプセル組成物。
本発明の製造方法によれば、常温で固体の生理活性物質を溶剤に溶解させることなく、所定の膜厚、粒径でマイクロカプセル化することができるため、目標の粒子設計が容易となり、効力増強や毒性軽減、安定性付与、揮散性抑制等を目的とした生理活性物質のマイクロカプセル組成物を製造することができる。
本発明は、常温で固体の生理活性物質が、ラジカル重合性モノマーの重合体で被覆されてなることを特徴とする常温で固体の生理活性物質のマイクロカプセル組成物(以下、本マイクロカプセル組成物と記す。)の製造方法およびその製造方法によって製造されることを特徴とする本マイクロカプセル組成物に関するものである。
本発明において、「常温」とは、5〜35℃を意味するものである。
本発明において、常温で固体の生理活性物質としては、常温で固体であり、使用するラジカル重合性モノマーに溶解するものであれば、有機、無機物質のいずれでもよく、例えば、アスピリン、塩酸テトラサイクリン、フルオロウラシル、インシュリン等の医薬、後述する農薬等が挙げられ、好ましくは、医薬、農薬等の生理活性物質が挙げられ、特に好ましくは、農薬が挙げられる。
農薬の生理活性物質としては、農薬活性化合物が挙げられ、農薬活性化合物としては、例えば、殺虫活性化合物、殺菌活性化合物、除草活性化合物、植物成長活性化合物、昆虫忌避活性化合物、キチン合成阻害活性化合物、昆虫成長制御活性化合物等が挙げられ、常温で固体の形態を取り、後述のラジカル重合性モノマーに可溶なものである。
具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。
殺虫活性化合物としては、アクリナトリン、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホスメチル、アジンホスエチル、アセタミプリド、アセフェート、アゾシクロチン、アバメクチン、アミトラズ、アラニカルブ、イソプロカルブ、イミダクロプリド、インドキサカーブ、エスフェンバレレート、エトキサゾ−ル、エンドスルファン、オキサミル、カルタップ、カルバリル、カルボフラン、キシリルカルブ、キナルホス、クマホス、クロチアニジン、クロフェンテゼン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルフェンソン、サリチオン、酸化フェンブタチン、ジアクロデン、ジアフェンチウロン、ジアフェンチウロン、ジコホル、シフルトリン、β−シフルトリン、ジフルベンズロン、シペルメトリン、α−シペルメトリン、θ−シペルメトリン、ジメチルビンホス、ジメトエート、シロマジン、スピノサド、スルフルラミド、チオジカルブ、チオシクラム、テトラクロルビンホス、テトラジホン、テトラメトリン、テブフェノジド、テブピリムホス、テブフェンピラド、テフルベンズロンデルタメトリン、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、ニテンピラム、ノバルロン、バミドチオン、パラジクロロベンゼン、ハロフェノジド、ヒドラメチルノン、ビフェントリン、ピメトロジン、ピリプロキシフェン、ピリミジフェン、ピリダフェンチオン、ピリダベン、ピリミカルブ、フィプロニル、ブプロフェジン、フェナザキン、フェノキシカルブ、フェルモチオン、フェントエート、フェンピロキシメート、フェンプロパトリン、プロポキサー、ブロモプロピレート、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、へキシチアゾクス、ベンスルタップ、ベンタイオカルブ、ペンタクロロフェノール、ホウ酸、ホサロン、ミルベメクチン、メソミル、メタミドホス、メチオカルブ、メチダチオン、メトキサジアゾン、メトキシクロル、メトルカルブ、モノクロトホス、ルフェヌロン、レスメトリン、ロテノン、XMC、4−クロロ−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−(6−ヨード−3−ピリジルメトキシ)ピリダジン−3(2H)−オン、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]ウレア、2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,3,5−チアジアゾン−4−オン、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]ウレア、5−アミノ−4−ジクロロフルオロメチルスルフェニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール、5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロメチルスルフェニルピラゾール等を挙げられる。
殺菌活性化合物としては、アゾキシストロビン、硫黄、イソバレジオン、イソプロチオラン、イプロジオン、イポコナゾール、イミベンコナゾール、エポキシコナゾール、塩基性塩化銅、オキサジキル、オキシン銅、オキソリニック酸、カスガマイシン、カルプロパミド、カルベンダジム、キノメチオネート、キャプタホール、キャプタン、銀ゼオライト、キントゼン、クレソキシムメチル、クロゾリナート、クロベンチアゾン、クロロタロニル、ジエトフェンカルブ、ジクロシメット、ジクロフェン、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジチアノン、ジニコナゾール、ジネブ、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、シプロジニルジメトモルフ、シモキサニル、ジメチリモール、ジラム、シリカゲル銀、ソルビン酸カリウム、ダゾメット、チアベンダゾール、チオフタルイミドオキシビスフェノキシアルシン、チオフェネートメチル、チフルザミド、チラム、テトラクロオロイソフタロニトリル、テクロフタラム、デヒドロ酢酸ナトリウム、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリアジン、トリシクラゾール、トリチコナゾール、トリフルザミド、トリホリン、トリルフルアニド、トルクロホスメチル、ナラキシル、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、ヌアリモル、パラヒドロキシ安息香酸エステル、バリダマイシン、ビテルタノール、ヒドロキシイソキザール、ピラゾホス、ピリメサニル、ピロキロン、ビンクロゾリン、ファモキサドン、フェナリモル、フェリムゾン、フェンチン、フェンピクロニル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フォセチルアルミニウム、フォルペット、フサライド、フタリド、ブラストサイジンS、フラメトピル、フルアジナム、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルジオキソニル、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、プロシミドン、プロピネブ、プロベナゾール、ブロムコナゾール、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ベノミル、ベプロシミドン、ポリオキシン、ホルペット、マンゼブ、マンネブ、ミルディオマイシン、メタラキシル、メチラムペンシクロン、メトコナゾール、メトミノストロビン、メパニピリム、メプロニル、リン酸ジルコニウム銀塩、PCNB、S−メチルベンゾ[1.2.3]チアジアゾール−7−カルボチオエート、3−アイオド−2−プロピルブチルカーバメイト等が挙げられる。
除草活性化合物としては、アイオキシニル、アクロニフェン、アザフェニジン、アシフルオルフェンNa塩、アトラジン、イソキサフルトール、イソキサピリホップ、イソキサベン、イソプロチュロン、イマザキン、イマザピル、イマゼタピルイマゾスルフロン、エタメトスルフロンメチル、エトベンザニド、オキサジアゾロン、オキサジアゾン、オキサジクロメフォン、オキシフルオルフェン、オリザリン、カフェンストロール、キザロホップエチル、キンクロラック、グリフォセート、グルフォシネートアンムニウム塩、クロメトキシフェン、クロメプロップ、クロリムロンエチル、クロルタールジメチル、クロルニトロフェン、クロロトルロン、1−(2−クロロ−6−プロピルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−3−イルスルフォニル)−3−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)ウレア、サルフェントラゾン、ジウロン、ジカンバ、シクロスルファムロン、ジクロベニル、シデュロン、ジニトラミン、シハロホップブチル、ジフルフェニカン、シマジン、シメトリン、ジメフロン、スエップ、スルフェントラゾン、ダイムロン、チアゾピル、2,4−D、デスメジフアム、テルブチラジン、テルブトリン、トラコキシジム、トリエタジントリフルスルフロンメチル、トリフルラリン、ナプロアニリド、ニコスルフロン、ネブロン、ノルフルラゾン、パラコート、ビスチオバックNa塩、ビスピリバックNa塩、ビフェノックス、ピラクロニル、ピラゾスルフロンエチル、ピラゾリネート、ピラゾレート、ピラフルフェンエチル、ピリフタリド、ピリブチカルブ、フェノキサプロツプエチル、フェントラザミド、フェンメディファム、フラザスルフロン、フラムプロップメチル、プリミスルフロンメチル、フルオメツロン、フルチアセットメチル、フルチアミド、フルポキサム、フルミオキサジン、フルミクロラックペンチル、フルメツラム、フルリドン、フルルタモン、フルロキシピル、プロジアミン、プロパジン、プロパニル、プロピザミド、プロメトリン、ブロモキシニル、ブロモフェノキシム、ブロモブチド、ベンスルフロンメチル、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンタゾン、ベンチオカーブ、ペンディメサリン、ペントキサゾン、メコプロップ、メタベンズチアズロン、メツルフロンメチル、メトベンズロン、メトリブジン、メフェナセット、ラクトフェン、リニュロン、リムスルフロン、レナシル等が挙げられる。
植物成長活性化合物としては、マレイックヒドラジド、クロルメカット、エテフォン、ジベレリン、メピカットクロライド、チジアズロン、イナベンファイド、パクロブトラゾール 、ウニコナゾール等を挙げることができる。
昆虫忌避活性化合物としては、1S,3R,4R,6R−カラン−3、4−ジオール、ジプロピル 2,5−ピリジンジカルボキシレート等を挙げることができる。
本発明において、常温で固体の生理活性物質の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般には、マイクロカプセル組成物合計100重量%に対して、0.01〜70重量%であり、好ましくは、0.1〜50重量%である。
本発明において、分散安定剤としては、例えば、保護コロイド形成能を有する物質が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、ポリビニルピロリドン、デンプン等、および、これらの混合物が挙げられる。
本発明において、分散安定剤の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般には、マイクロカプセル組成物合計100重量%に対して、0.001〜10重量%であり、好ましくは、0.005〜5重量%である。
本発明において、重合開始剤としては、後述のラジカル重合性モノマーに可溶な熱重合開始剤が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などのアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の無機過酸化物等が挙げられる。また、熱重合開始剤と還元剤を併用したレドックス系開始剤等も重合開始剤として使用し得る。
本発明において、重合開始剤の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般には、マイクロカプセル組成物合計100重量%に対して、0.01〜5重量%であり、好ましくは、0.1〜2重量%である。
本発明において、ラジカル重合性モノマーとしては、アクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸γ−アミノプロピル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルエキシル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸シアノエチル、アクリル酸γ−N,N−ジエチルアミノプロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸−2−ニトロブチル、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸γ−ヒドロキシブチル、アクリル酸δ−ヒドロキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸フェニル、アクリル酸フェロセニルメチル、アクリル酸−2−ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘプタフルオロブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸メチル、アクリル酸メチルトリグリコール、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸ラウリル、アクリロニトリル、アクロレイン、アセチレン、α−アセトキシアクリル酸エチル、アリルアルコール、アリルグリシジルエーテル、アリル酢酸、N−アリルステアリルアミド、アリルベンゼン、安息香酸ビニル、イソプレン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、インデン、エチレン、エチレングリコールジメタクリレート、塩化ビニリデン、塩化ビニル、N−オクタデシルアクリルアミド、ギ酸ビニル、クロトンアルデヒド、クロトン酸、α−クロロアクリル酸エチル、α−クロロアクリル酸メチル、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、酢酸ビニル、ジアセトンアクリルアミド、α−シアノアクリル酸メチル、ジアリルフタレート、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチルアクリルアミド、スチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テトラフルオロエチレン、トリアリルシアヌレート、トリフルオロアクリル酸メチル、ニトロエチレン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、ビニリデンシアニド、ビニルイソブチルエーテル、1−ビニルイミダゾール、ビニルエチルエーテル、ビニルエチルスルホキシド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルカルバミン酸エチル、2−ビニルキノリン、ビニルシクロヘキシルエーテル、ビニルドデシルエーテル、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、ビニルビフェニル、メチル基、エチル基等の低級アルキル基で置換されたビニルビフェニル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、メチル基、エチル基等の低級アルキル基で置換されたビニルナフタレン、2−ビニルピリジン、ビニルフェニルエーテル、ビニルn−ブチルエーテル、ビニルメチルエーテル、α−フェニルアクリル酸メチル、フェニルアセチレン、ブタジエン、1−ブテン、2−ブテン、フマル酸ジエチル、プロピオン酸ビニル、プロピレン、α−ブロモアクリル酸、o−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、1−ヘキセン、1−ペンテン、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、マレイミド、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸、メタアクリロキシエチルホスフェート、メタクリルアミド、メタクリル酸、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸フェロセニルメチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリロイルアセトン、メタクリロニトリル、メチルアクロレイン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、メチルビニルケトン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、N−メチロールアクリルアミド、α−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、ラウリン酸ビニル等が挙げられ、これらは、上記の常温で固体の生理活性物質および重合開始剤を溶解することができるものであり、単独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
本発明において、ラジカル重合性モノマーの使用量は、常温で固体の生理活性物質を溶解する量の広い範囲から選択できるが、一般には、マイクロカプセル組成物合計100重量%に対して、0.01〜70重量%であり、好ましくは、0.1〜50重量%である。
本発明のマイクロカプセル組成物において、マイクロカプセルを形成する被膜は、上記のラジカル重合性モノマーがラジカル重合した重合体、もしくは共重合体からなる被膜が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明において、マイクロカプセルの体積中位径とは、ミー散乱理論に基づくレーザー光回折散乱法により測定される多数の粒子の画像を解析することによって算出される値であり、具体的な測定機としては、マスターサイザー2000(マルバーン社)、SALD-2200(島津製作所)、マイクロトラックMT3000(日機装)等が挙げられる。
装置によって測定された粒子粒度分布は、測定された粒子を球形と仮定した時の体積基準の粒子サイズ分布のことであり、従って、本発明おける体積中位粒子径(Volume Median Diameter=VMD)とは、この値より小さい粒子の体積合計と、この値より大きい粒子の体積合計が、全体の体積合計の各々50%づつである値を示すものである。
次に、本発明のマイクロカプセル組成物の製造方法について説明する。
本発明のマイクロカプセル組成物は、
分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質と重合開始剤とを生理活性物質の溶解度以上のラジカル重合性モノマーによって溶解させた溶解液を加え、混合液を調製する工程(混合工程)、
次いで、
混合工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを、ホモジナイザーを用いて攪拌することによって、体積中位径で10μm以下に乳化分散する工程(乳化分散工程)、
次いで、
乳化分散工程で得られた混合液の温度をラジカル重合性モノマーの重合反応の反応温度に昇温しながら緩やかに攪拌し、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行い、被膜を形成させる(被膜形成工程)
ことによって製造することができる。
また、
分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質を分散させ、この水相中に、重合開始剤を溶解させたラジカル重合性モノマーを加え、混合液を調整する工程(混合工程)、
次いで、
混合工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを、ホモジナイザーを用いて攪拌することによって、体積中位径で10μm以下に乳化分散させると同時に乳化分散したラジカル重合性モノマーに常温で固体の生理活性物質を溶解させる工程(乳化分散溶解工程)、
次いで、
乳化分散溶解工程で得られた混合液の温度をラジカル重合性モノマーの重合反応の反応温度に昇温し、緩やかに攪拌することによって、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行い、被膜を形成させる(被膜形成工程)
ことによっても製造することができる。
乳化分散工程において乳化分散させる方法としては、例えば、機械的なエネルギーによって強制的に分散させる機械的分散法が考えられる
機械的分散法としては、常温で固体の生理活性物質と重合開始剤を溶解させたラジカル重合性モノマー溶液を、ホモジナイザーを用いて、高い機械的せん断力によって強制的に水中に乳化分散させる方法が挙げられる。
この方法に用いる高い機械的せん断力を与えるホモジナイザーとしては、例えば、常温で固体の生理活性物質と重合開始剤を溶解させたラジカル重合性モノマー溶解液を高速度で攪拌する機械(例:プラネット攪拌機、ホモミキサー)、細孔から高速度で水中に噴射して板に衝突させる機械(例:Gaulin homogenizer、マイクロフルイダイザー)、狭い隙間を強制的に通過させ、その際に生じるせん断力によって分散させる機械(例:コロイドミル)、あるいは超音波を利用したホモジナイザー等を用いることができる。本発明に使用するホモジナイザーとしては、該混合物の分散のしやすさ、系の粘度、全工程との適応性、製造量等の点を総合的に考慮して選択できる。
混合工程、乳化分散工程の温度条件は、使用する重合開始剤の種類によって異なるが、その重合開始剤の分解に影響しない温度であれば、限定されるものではなく、好ましくは、0〜80℃程度である。
被膜形成工程において、ラジカル重合性モノマーの重合反応の反応温度は、通常20〜85℃の範囲であり、反応に必要な攪拌時間は、通常1〜90時間の範囲である。
本マイクロカプセル組成物は、上述のようにして得られたマイクロカプセルが分散されてなる水性懸濁組成物そのものでもよいが、該懸濁組成物に、更に、イオン性界面活性剤、増粘剤、防腐剤、凍結防止剤、比重調節剤を添加してなる水性懸濁組成物としてもよく、本マイクロカプセル組成物を鉱物質キャリアーと練り込んで造粒、あるいは、あらかじめ、バインダーを添加した粒状担体に被覆することによって造粒し、粒状組成物としてもよい。
水性懸濁組成物に含有していてもよいイオン性界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩型アニオン性界面活性剤、スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、カルボン酸塩型アニオン性界面活性剤、リン酸エステル塩型アニオン性界面活性剤が挙げられる。
硫酸エステル塩型アニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンベンジル化フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリル化フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンベンジル化フェニルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリル化フェニルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン硫酸エステル塩等が挙げられる。
スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、パラフィンスルホン酸塩、スルホこはく酸ジアルキルエステル塩、スルホこはく酸アルキルエステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、アリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルケニルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホこはく酸ハーフエステル塩等が挙げられる。
カルボン酸型アニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、高級脂肪酸塩、N−メチル−脂肪酸サルトシネーチ塩、メタアクリル酸重合物塩、アクリル酸とメタアクリル酸との共重合物塩、アクリル酸とメタアクリル酸ポリオキシエチレンエステルとの共重合物塩、アクリル酸とアクリル酸メチルエステルとの共重合物塩、アクリル酸と酢酸ビニルとの共重合物塩、アクリル酸とマレイン酸の共重合物塩、マレイン酸とイソブチレンの共重合物塩、およびスチレンとマレイン酸の共重合物塩等が挙げられる。
リン酸エステル塩型アニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンモノアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンベンジル化フェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンベンジル化フェニルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンスチリル化フェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンスチリル化フェニルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられ、上記の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアミン塩酸塩などのアルキルアミン塩酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩などのアルキル四級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニルピリジニウム塩等が挙げられ、塩としては、塩化物塩、臭化物塩、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩等が挙げられる。
両イオン性界面活性剤としては、例えば、N−ラウリルアラニン、N,N,N−トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、1−(2−カルボキシエチル)ピリミジニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。
本発明において、イオン性界面活性剤の濃度は、そのイオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度以下である必要があり、イオン性界面活性剤の使用量としては、臨界ミセル濃度以下である使用量であればよい。
臨界ミセル濃度とは、界面活性剤の分子が集合して水溶液中でミセルと呼ばれるコロイド大の会合体を形成し始める濃度であり、界面活性剤に固有な値である。
水性懸濁組成物に含有していてもよい増粘剤としては、例えば、ザンサンガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェランガム等の天然多糖類、ポリアクリル酸ソーダ等の合成高分子類、カルボキシメチルセルロース等の半合成多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、スメクタイト、ベントナイト、ヘクトライト、乾式法シリカ等の鉱物質微粉末、アルミナゾル等が挙げられ、該増粘剤の含有量は、本水性懸濁組成物中に、通常0〜10重量%含有される。
水性懸濁組成物に含有していてもよい防腐剤としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、サリチル酸誘導体、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン−3−オン誘導体等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
防腐剤を使用する場合、その含有量は、本水性懸濁組成物中、通常0.01〜5重量%、好ましくは、0.05〜3重量%、さらに好ましくは、0.1〜1重量%程度である。
水性懸濁組成物に含有していてもよい凍結防止剤としては、例えば、プロピレングリコール等のアルコール類が挙げられ、該凍結防止剤は本水性懸濁組成物中に、通常0〜20重量%含有される。
水性懸濁組成物に含有していてもよい比重調節剤としては、例えば、硫酸ナトリウム等の水溶性塩類、尿素等の水溶性有機化合物が挙げられる。
粒状組成物に含有してもよい鉱物質キャリアーとしては、例えば、カオリナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、クリソタイル、リザータイト、アンチコライト、アメサイト等の蛇紋石、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ハイデライト等のスメクタイト、パイロフィライト、タルク、蝋石、白雲母、フェンジャイト、セリサイト、イライト等の雲母、クリストバライト、クォーツ等のシリカ、アタパルジャイト、セピオライト等の含水珪酸マグネシウム、ドロマイト、炭酸カルシウム微粉末等の炭酸カルシウム、ギプサム、石膏等の硫酸塩鉱物、ゼオライト、沸石、凝灰石、バーミキュライト、ラポナイト、軽石、珪藻土、酸性白土、活性白土等が挙げられる。
粒状組成物に含有してもよいバインダーとしては、例えば、アクリル系高分子、ビニル系高分子、ポリオキシアルキレン等の合成高分子、セルロース誘導体、加工澱粉、リグニン誘導体等の半合成高分子、天然高分子等が挙げられる。
アクリル系高分子としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等が挙げられ、
ビニル系高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、
ポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン等が挙げられ、
セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、
加工澱粉としては、変性澱粉、カルボキシメチルデンプン、可溶性澱粉等が挙げられ、
リグニン誘導体としては、リグニンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、
天然高分子としては、アラビアガム、ザンサンガム、トラガントガム、グアーガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム等の多糖類、カゼイン、カゼイン石灰、ゼラチン、コラーゲン等の蛋白質類等が挙げられる。
バインダーの量は、粒状組成物の各々の含有粒状物に対し、通常0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%である。
粒状組成物に含有してもよい粒状担体としては、ベントナイト、アタパルジャイト、ゼオライト、軽石等の天然鉱物を粉砕し、篩い分けした粉砕物、並びに、各種粉末を造粒機等で造粒した造粒物や肥料、あるいは、石灰石および珪石等の天然鉱物を粉砕し、篩い分けた破砕物が挙げられる。
以下、製造例、試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
製剤例1
ポリビニルアルコール(分散安定剤、商品名:Gohsenol GH-17R、日本合成化学株式会社製)1.4重量部をイオン交換水80.41重量部に均一に溶解させた水相に、常温で固体の農薬活性化合物であるトルクロホスメチル3.0重量部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)(重合開始剤、商品名:V−70、和光純薬株式会社製)0.30重量部とを溶解させたスチレン(ラジカル重合性モノマー、和光純薬株式会社製)14.9重量部を加え、混合液を調製した。
次いで、この混合液を5℃に冷却しながら、LSCホモジナイザー(ヤマト科学株式会社製)を用いて、OUT PUT値2で10分間超音波照射した。
次いで、この混合液を30℃に昇温し、緩やかに24時間攪拌して、マイクロカプセル組成物を得た。得られたマイクロカプセル組成物のマイクロカプセルの体積中位径は、2.0μmであった。
製剤例2
製剤例1において、スチレンの代わりに、メタクリル酸エチルを用いた以外は、製剤例1と同様の操作を行い、体積中位径1.4μmのマイクロカプセル組成物を得た。
比較例1
ポリビニルアルコール(分散安定剤、商品名:Gohsenol GH-17R、日本合成化学株式会社製)1.4重量部とラウリル硫酸ナトリウム(イオン性界面活性剤、商品名:エマール10パウダー、花王株式会社製)とをイオン交換水95.6重量部に均一に溶解した水相に、常温で固体の農薬活性化合物であるトルクロホスメチル(体積中位径5.6μm)2.9重量部分散させて、懸濁組成物を得た。
試験例
まず、製剤例1により得られた本発明組成物、および比較例1で得た懸濁組成物を水で希釈(化合物濃度462ppmに調製)し、各々の試験用液を調整した。
次に、孔径0.1μm、直径7cmの濾紙上に、この試験液2mLを均一になるように置き、水をろ過吸引したあとに、濾紙を9cmのシャーレ上に置き、蓋をしない、あるいは蓋をして密封した状態で40℃および5℃で3日間放置し、化合物を揮散させた。
3日後、それぞれの濾紙上に残っている化合物の残存量を液体クロマトグラフィーにより測定し、以下の式により残存率を計算した。計算結果を表1に示した。

化合物残存率(%)=放置後の濾紙上の化合物残存量/濾紙上に置いた化合物量×100(%)
Figure 2008239561
本発明の製造方法によれば、常温で固体の生理活性物質を溶剤に溶解させることなく、所定の膜厚、粒径でマイクロカプセル化することができるため、目標の粒子設計が容易であり、効力増強や毒性軽減、安定性付与等を目的とした生理活性成分のマイクロカプセル組成物を製造することができる。

Claims (12)

  1. 以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするマイクロカプセル組成物の製造方法。
    (1)分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質と重合開始剤とを溶解させたラジカル重合性モノマーを加え、混合液を調製する工程、
    次いで、
    (2)(1)の工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを体積中位径で10μm以下に乳化分散する工程、
    次いで、
    (3)(2)の工程で得られた混合液の温度を昇温しながら攪拌し、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行う工程。
  2. 以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするマイクロカプセル組成物の製造方法。
    (1)分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質を分散させ、この水相中に、重合開始剤を溶解させたラジカル重合性モノマーを加え、混合液を調整する工程、
    (2)(1)の工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを体積中位径で10μm以下に乳化分散させると同時に、乳化分散したラジカル重合性モノマーに常温で固体の生理活性物質を溶解させる工程、
    (3)(2)の工程で得られた混合液の温度を昇温しながら攪拌し、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行う工程。
  3. 常温で固体の生理活性物質のラジカル重合性モノマーに対する溶解度が15%以上である請求項1または2に記載される製造方法。
  4. 分散安定剤が、保護コロイド形成能を有する物質である請求項1〜3のいずれか1項に記載される製造方法。
  5. 常温で固体の生理活性物質が、農薬活性化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載される製造方法。
  6. 常温で固体の生理活性物質が、トルクロホスメチルである請求項1〜5のいずれか1項に記載される製造方法。
  7. 以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする製造方法によって得られるマイクロカプセル組成物。
    (1)分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質と重合開始剤とを溶解させたラジカル重合性モノマーを加え、混合液を調製する工程、
    次いで、
    (2)(1)の工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを体積中位径で10μm以下に乳化分散する工程、
    次いで、
    (3)(2)の工程で得られた混合液の温度を昇温しながら攪拌し、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行う工程。
  8. 以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする製造方法によって得られるマイクロカプセル組成物。
    (1)分散安定剤を均一に溶解させた水相に、常温で固体の生理活性物質を分散させ、この水相中に、重合開始剤を溶解させたラジカル重合性モノマーを加え、混合液を調整する工程、
    (2)(1)の工程で得られた混合液中のラジカル重合性モノマーを体積中位径で10μm以下に乳化分散させると同時に、乳化分散したラジカル重合性モノマーに常温で固体の生理活性物質を溶解させる工程、
    (3)(2)の工程で得られた混合液の温度を昇温しながら攪拌し、ラジカル重合性モノマーの重合反応を行う工程。
  9. 常温で固体の生理活性物質が、農薬活性化合物である請求項7または8に記載されるマイクロカプセル組成物。
  10. 常温で固体の生理活性物質が、トルクロホスメチルである請求項7〜9のいずれか1項に記載されるマイクロカプセル組成物。
  11. 請求項7〜11のいずれか1項に記載されるマイクロカプセルが、水相に懸濁している水性懸濁状マイクロカプセル組成物。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載されるマイクロカプセルが、粒剤中に分散している粒状マイクロカプセル組成物。
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