JP2008238625A - ストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法 - Google Patents
ストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008238625A JP2008238625A JP2007083584A JP2007083584A JP2008238625A JP 2008238625 A JP2008238625 A JP 2008238625A JP 2007083584 A JP2007083584 A JP 2007083584A JP 2007083584 A JP2007083584 A JP 2007083584A JP 2008238625 A JP2008238625 A JP 2008238625A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- die
- strand
- height
- extrusion die
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
【課題】炭化物の発生を低減し、ストランド切れの発生を低減できる、ストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法を提供する。
【解決手段】ダイ入口部1から、ダイスに設けられた1列または複数列のノズル穴に至る溶融樹脂流路が、ダイ入口部1に連なり、ダイ入口部1から溶融樹脂の流れ方向に沿って上下方向の高さが一定である定高部2と、上下対称に高さが徐々に縮小する縮高部3とを有するストランド製造用押出ダイにおいて、ダイ入口部1の左右方向の長径をDWin、縮高部の出口部4の左右方向の長径をDWout、とした場合、0.9≦DWout/DWin≦1.1の範囲にある。
【選択図】図3
【解決手段】ダイ入口部1から、ダイスに設けられた1列または複数列のノズル穴に至る溶融樹脂流路が、ダイ入口部1に連なり、ダイ入口部1から溶融樹脂の流れ方向に沿って上下方向の高さが一定である定高部2と、上下対称に高さが徐々に縮小する縮高部3とを有するストランド製造用押出ダイにおいて、ダイ入口部1の左右方向の長径をDWin、縮高部の出口部4の左右方向の長径をDWout、とした場合、0.9≦DWout/DWin≦1.1の範囲にある。
【選択図】図3
Description
本発明は、熱可塑性樹脂のストランドを製造するのに適したストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法に関するものである。特に、液晶性樹脂のストランドを製造するのに適したストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法に関するものである。
液晶性樹脂は、優れた流動性、耐熱性、剛性および機械的性質の特徴を生かして、近年急速に薄く、かつ小さくなりつつある高機能製品の部品として使用される傾向にあり、薄肉部品に使用されるため、小さな炭化物でも絶縁不良の原因となる。また、ミスカットペレットが混入すると、成形可塑化時の計量が不安定となり、成形品の充填不具合が発生し、炭化物、ミスカットペレット混入の制御が十分でないのが実情である。
このような現状から、ダイ入口部から溶融樹脂の流れ方向に沿って左右方向の幅が徐々に拡大する押出が知られているが、左右方向の幅が徐々に拡大したダイ形状の場合、その左右方向の幅が徐々に拡大した部位に樹脂が溜まり、壁面に滞留劣化した樹脂が溜まり、その劣化した樹脂(炭化物)が混入するため好ましくなかった(例えば特許文献1参照)。
ダイ入口部から溶融樹脂の流れ方向に沿って上下対称に高さが徐々に縮小し、その先端に上下方向の高さが一定のダイ構成が知られているが、溶融樹脂の流れ方向に沿って上下対称に高さが縮小、その先端に上下方向の高さが一定のダイ構成の場合、上下対称に高さが縮小する縮高部で樹脂温度の上昇により樹脂が劣化し、劣化した樹脂が、上下方向の高さが一定の定高部で滞留によってさらに劣化するため好ましくなかった(例えば特許文献1参照)。
かかる樹脂劣化を防止するために、ノズル穴の内壁面にセラミック層を設けた押出用ストランドダイズ(例えば特許文献2参照)が知られているが、例えば、上記特許文献1のような、左右方向の幅が徐々に拡大したダイの先端にノズル穴の内壁面にセラミック層を設けたダイスを設置しても、炭化物およびストランド切れの問題を解決するには不十分であった。
特開2006−1015号公報
実開平7−4020号公報
本発明は、上述した従来技術の背景に鑑み、炭化物の発生を低減し、ミスカットペレット混入の原因となるストランド切れの発生を低減することができる、優れたストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法を提供せんとするものである。本発明は、特に、液晶性樹脂のストランド製造用押出ダイとして最適である。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明のストランド製造用押出ダイは、ダイ入口部(1)から、ダイス(6)に設けられた1列または複数列のノズル穴に至る溶融樹脂流路が、ダイ入口部(1)に連なり、ダイ入口部(1)から溶融樹脂の流れ方向に沿って上下方向の高さが一定である定高部(2)と、上下対称に高さが徐々に縮小する縮高部(3)とを有するストランド製造用押出ダイにおいて、ダイ入口部(1)の左右方向の長径をDWin、縮高部の出口部(4)の左右方向の長径をDWout、とした場合、0.9≦DWout/DWin≦1.1の範囲にあることを特徴とするものである。
かかるストランド製造用押出ダイの好ましい態様は、
(1) 該縮高部(3)の入口部(5)の上下方向の長径をDHin、該縮高部(3)の出口部(4)の上下方向の長径をDHout、(DHin−DHout)/2=Δdとし、該縮高部(3)の長さをL1、縮高傾斜角度をα、Δd/L1=tanαとした場合、0.55≦tanα≦2.75の範囲にあること、
(2) 該ダイス(6)に設けられたダイスノズル(7)のランド部の長さWが5mm〜30mmであること、
(3) 該ダイス(6)に設けられたダイスノズル(7)の出口部(8)の傾斜角度γが、押出機のスクリュウ(12)軸方向に対し、10度以内であること、
である。
(1) 該縮高部(3)の入口部(5)の上下方向の長径をDHin、該縮高部(3)の出口部(4)の上下方向の長径をDHout、(DHin−DHout)/2=Δdとし、該縮高部(3)の長さをL1、縮高傾斜角度をα、Δd/L1=tanαとした場合、0.55≦tanα≦2.75の範囲にあること、
(2) 該ダイス(6)に設けられたダイスノズル(7)のランド部の長さWが5mm〜30mmであること、
(3) 該ダイス(6)に設けられたダイスノズル(7)の出口部(8)の傾斜角度γが、押出機のスクリュウ(12)軸方向に対し、10度以内であること、
である。
また、本発明のストランドの製造方法は、上述の特定なストランド製造用押出ダイを用い、熱可塑性樹脂を溶融状態で押出することを特徴とするものである。
本発明のストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法によれば、炭化物の発生を低減し、ミスカットペレット混入の原因となるストランド切れの発生を低減することができるので、特に、液晶性樹脂のストランド製造用として最適な押出ダイを提供することができる。
本発明は、上記課題、つまり炭化物の発生を低減し、ミスカットペレット混入の原因となるストランド切れの発生を低減することができるストランド製造用押出ダイについて、鋭意検討した結果、ダイ入口部から溶融樹脂の流れ方向に沿って左右方向の幅を特定範囲内において平行とし、さらに、ダイ入口部から溶融樹脂の流れ方向に沿って上下方向の高さが一定である定高部を設け、その先端に上下対称に高さが徐々に縮小する縮高部を設けてみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
図1は、押出機(11)に本発明に係る押出ダイ(9)および(10)、ダイス(6)を設けた全体図、図2は本発明に係る押出ダイ(9)および(10)の一例を示す左右方向の横断面図、図3は本発明に係る押出ダイ(9)および(10)の一例を示す上下方向の縦断面図、図4は図2および図3に示される押出ダイ(10)の正面図、図5は図2および図3に示される押出ダイ(10)に本発明に係るダイス(6)を設けた正面図、図6は図5に示されるダイス(6)の一例を示す左右方向の右側部分の横断面図、図7は図5に示されるダイス(6)の一例を示す上下方向の縦断面図である。
図1〜図5に示されるように、押出ダイ(9)および(10)は、ダイ入口部(1)から、定高部(2)、縮高部(3)、縮高部の出口部(4)、ダイス(6)に至る溶融樹脂流路を有している。なお、図1、図4および図5の図面は押出ダイ(9)および(10)の外形を示すものである。図2〜図3の図面は押出ダイ(9)および(10)の内部を示すものであるが、説明の便宜上、溶融樹脂流路はこの図面に示される内部と同じ形状を示しているものとする。
図6〜図7に示されるように、ダイス(6)は、縮高部の出口部(4)から、ダイスノズル(7)、ダイスノズルの出口部(8)に至る溶融樹脂流路を有している。なお、図6〜図7の図面はダイス(6)の内部を示すものであるが、説明の便宜上、溶融樹脂流路はこの図面に示される内部と同じ形状を示しているものとする。
ダイ入口部(1)は、押出機(11)によって送られてくる溶融樹脂の入口で、ダイ入口部(1)の先端には、溶融樹脂の流れ方向に沿って上下方向の高さが一定である定高部(2)が連なっている。
上記定高部(2)の先端には、上下対称に高さが徐々に縮小する縮高部(3)が連なっている。
上記縮高部(3)の先端部には、図1、および図5〜7に示されるように、ダイスノズル(7)およびダイスノズルの出口部(8)を有するダイス(6)が設けられている。前記ダイ入口部(1)から供給された溶融樹脂は、定高部(2)、縮高部の入口部(5)、縮高部(3)、縮高部の出口部(4)を流れ、ダイス(6)のダイスノズル(7)、ダイスノズルの出口部(8)からストランドとして押し出されるものである。
なお、定高部(2)、および縮高部(3)の両側縁は、それぞれ円弧状に形成されている。
図2に示されるように、ダイ入口部(1)の左右方向の長径をDWin、縮高部の出口部(4)の左右方向の長径をDWout、とした場合、0.9≦DWout/DWin≦1.1であり、好ましくは、0.95≦DWout/DWin≦1.05であり、より好ましくは、0.975≦DWout/DWin≦1.025である。DWout/DWinが0.9未満であると、樹脂温度の上昇により樹脂が劣化し、劣化した樹脂(炭化物)が混入するため好ましくない。また、1.1を超えると、横方向の拡幅部の壁面に滞留劣化した樹脂が溜まり、劣化した樹脂(炭化物)が混入するため好ましくない。
図3に示されるように、縮高部の入口部(5)の上下方向の長径をDHin、縮高部の出口部(4)の上下方向の長径をDHout、(DHin−DHout)/2=Δdとし、縮高部(3)の長さをL1、縮高傾斜角度をα、Δd/L1=tanαとした場合、好ましくは0.55≦tanα≦2.75であり、より好ましくは、0.75≦tanα≦2.15であり、特に好ましくは、0.95≦tanα≦1.85である。0.55未満であると、樹脂温度の上昇により樹脂が劣化し、劣化した樹脂(炭化物)が混入するため好ましくない。また、2.15を超えると、溶融樹脂流路長が長大となり滞留によって、滞留劣化した樹脂(炭化物)が混入するため好ましくない。
図6および図7に示されるように、ダイスノズル(7)のランド部の長さWは、好ましくは5mm〜30mmであり、より好ましくは、8mm〜25mmであり、特に好ましくは、10mm〜20mmである。ダイスノズル(7)のランド部の長さWが上記範囲より小さいと、吐出ムラによるストランド切れの発生頻度が高く、大きいと、ダイスノズル7出口部に発生した剥離樹脂(メヤニ)によるストランド切れの発生頻度が高く好ましくない。
図4に示されるように、ダイスノズルの出口部(8)の傾斜角度γは、押出機のスクリュウ(12)軸方向に対し、好ましくは10度以内であり、より好ましくは5度以内であり、特に好ましくは3度以内である。ダイスノズルの出口部(8)の傾斜角度γが上記範囲を超えると、ストランドの歪みが大きくなりストランド切れの発生頻度が高く好ましくない。
本発明の押出ダイによるストランドの押し出しは、単軸または二軸押出機により溶融樹脂を供給することができる。
本発明に係る押出ダイで押し出ししてストランドとする樹脂は、熱可塑性樹脂であれば、特に制限はないが、本発明に係る押出ダイは、炭化物の発生を低減することができる。さらに、ストランド切れの発生を抑制することで、ミスカットペレットの混入を低減することができることから、特に薄肉小型部品で炭化物が問題となる用途に用いられる液晶性樹脂のストランドを製造する場合に好ましく適用される。
本発明の押出ダイで押し出ししてストランドとする液晶性樹脂についてさらに説明する。
本発明の液晶性樹脂としては、異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルおよび液晶性ポリエステルアミドなどが挙げられ、その具体例としては、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、および上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミドが挙げられる。
異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルの例としては、好ましくは下記の(I)、(II)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、および、(I)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
(ただし式中のR1 は、
から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は、
から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(III) の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
上記構造単位(I)は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III )は、エチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)は、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を、各々示す。これらのうちR1が
であり、R2が
であるものが特に好ましい。
また、液晶性ポリエステルアミドの例としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、p−アミノフェノールとテレフタル酸から生成した液晶性ポリエステルアミド、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸、p−アミノ安息香酸およびポリエチレンテレフタレートから生成した液晶性ポリエステルアミド(特開昭64−33123号公報参照)などが挙げられる。
本発明に好ましく使用することができる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(I)、(II)および(IV)からなる共重合体、または、(I)、(II)、(III)および(IV)からなる共重合体であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点から次の共重合量であることが好ましい。
すなわち、上記構造単位(III)を含む場合は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から、上記構造単位(I)および(II)の合計は、構造単位(I),(II)および(III)の合計に対して60〜95モル%が好ましく、75〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(III) は、構造単位(I),(II)および(III)の合計に対して40〜5モル%が好ましく、25〜7モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の構造単位(II)に対するモル比[(I)/(II)]は、耐熱性と流動性のバランスの点から、好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III) の合計と実質的に等モルであるのが好ましい。
一方、上記構造単位(III)を含まない場合は、流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(II)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましい。構造単位(IV)は構造単位(II)と実質的に等モルであるのが好ましい。
なお、上記において「実質的に等モル」とは、末端を除くポリマ主鎖を構成するユニットとしては、ジオキシ単位とジカルボニル単位が等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
なお、本発明で好ましく使用することができる上記液晶性ポリエステルを重縮合する際には、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどの芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式ジオール、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸などを、本発明の目的を損なわない程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
また、液晶性ポリエステルアミドとしては、上記好ましい液晶性ポリエステルに、さらにp−アミノフェノールおよび/またはp−アミノ安息香酸を共重合したものも好ましく挙げることができる。
本発明における液晶性樹脂の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造することができる。
例えば、上記の好ましく用いられる液晶性ポリエステルの製造において、上記構造単位(III)を含まない場合は、下記(A)および(B)の製造方法が、構造単位(III)を含む場合は、下記(C)の製造方法が好ましく採用される。
(A)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、4,4’−ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(B)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(C)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で、(A)または(B)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(A)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、4,4’−ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(B)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(C)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で、(A)または(B)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
これらの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいときもある。
本発明における液晶性樹脂は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能なものもあり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定した値で0.5dl/g以上が好ましく、特に上記構造単位(III)を含む場合は1.0〜3.0dl/gが好ましく、上記構造単位(III)を含まない場合は2.0〜10.0dl/gが好ましい。
また、本発明における液晶性樹脂の溶融粘度は、1〜2,000Pa・sが好ましく、特に2〜1,000Pa・sがより好ましい。
なお、上記の溶融粘度は、液晶性樹脂の融点(Tm)+10℃の条件で、ズリ速度1,000/秒の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定によりポリマを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度Tm1 の観測後、Tm1 +20℃の温度でまで昇温し、同温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を指す。
次に、実施例によって、本発明の効果を具体的に説明する。
[実施例1]
図1〜図7に示されるような押出ダイおよびダイスを二軸押出機(日本製鋼所製TEX−54αII)の先端に取り付け、参考例1で得た液晶性ポリエステル樹脂を350℃の樹脂温度で、300kg/時間で押し出してストランドを製造し、ペレタイズした。ストランドおよび得られたペレットを用いて、炭化物、ストランド切れを評価した。使用した押出ダイおよびダイスの各部のディメンション、原料割合、評価結果を表1に示す。
図1〜図7に示されるような押出ダイおよびダイスを二軸押出機(日本製鋼所製TEX−54αII)の先端に取り付け、参考例1で得た液晶性ポリエステル樹脂を350℃の樹脂温度で、300kg/時間で押し出してストランドを製造し、ペレタイズした。ストランドおよび得られたペレットを用いて、炭化物、ストランド切れを評価した。使用した押出ダイおよびダイスの各部のディメンション、原料割合、評価結果を表1に示す。
ストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法は、炭化物およびストランド切れが無く、実用価値の高いものであった。
[実施例で用いた配合材]
[参考例1]
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル168重量部、テレフタル酸150重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート173重量部および無水酢酸1011重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250から335℃まで1.5時間で昇温させた後、335℃、1.5時間で6.5×10−3Paまで減圧し、さらに約0.25時間撹拌を続け重縮合を行った。芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位10モル当量、エチレンジオキシ単位10モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点328℃、溶融粘度18Pa・s(338℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル樹脂を得た。
熱可塑性樹脂 : 参考例1で得た液晶性樹脂
ガラス繊維 : 無アルカリガラス、繊維径10μm、
日本電気硝子(株)製T747GH
エチレングリコールジモンタネート : クライアントジャパン(株)製
Licowax−E
[参考例1]
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル168重量部、テレフタル酸150重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート173重量部および無水酢酸1011重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250から335℃まで1.5時間で昇温させた後、335℃、1.5時間で6.5×10−3Paまで減圧し、さらに約0.25時間撹拌を続け重縮合を行った。芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位10モル当量、エチレンジオキシ単位10モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点328℃、溶融粘度18Pa・s(338℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル樹脂を得た。
熱可塑性樹脂 : 参考例1で得た液晶性樹脂
ガラス繊維 : 無アルカリガラス、繊維径10μm、
日本電気硝子(株)製T747GH
エチレングリコールジモンタネート : クライアントジャパン(株)製
Licowax−E
[炭化物の評価]
ペレット10g、プレス温度320℃、プレス条件(5kN×2分加熱後、10kN×1分加熱する。その後、4kN×4分冷却する)の条件下で、直径160〜180mmφ、厚み0.1〜0.5mmtのプレスシートを作成し、炭化物を評価した。
ペレット10g、プレス温度320℃、プレス条件(5kN×2分加熱後、10kN×1分加熱する。その後、4kN×4分冷却する)の条件下で、直径160〜180mmφ、厚み0.1〜0.5mmtのプレスシートを作成し、炭化物を評価した。
[ストランド切れの評価]
300kg/時間で押し出してストランドを72時間連続して製造し、ストランドが何回切れるか評価した。
300kg/時間で押し出してストランドを72時間連続して製造し、ストランドが何回切れるか評価した。
本発明のストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法は、炭化物の発生を低減できる。さらに、ストランド切れの発生を抑制することで、ミスカットペレットの混入を低減できる。
1.ダイ入口部
2.定高部
3.縮高部
4.縮高部の出口部
5.縮高部の入口部
6.ダイス
7.ダイスノズル
8.ダイスノズルの出口部
9.押出ダイ(内部:定高部)
10.押出ダイ(内部:縮高部)
11.押出機
12.押出機のスクリュウ
2.定高部
3.縮高部
4.縮高部の出口部
5.縮高部の入口部
6.ダイス
7.ダイスノズル
8.ダイスノズルの出口部
9.押出ダイ(内部:定高部)
10.押出ダイ(内部:縮高部)
11.押出機
12.押出機のスクリュウ
Claims (6)
- ダイ入口部(1)から、ダイス(6)に設けられた1列または複数列のノズル穴に至る溶融樹脂流路が、ダイ入口部(1)に連なり、ダイ入口部(1)から溶融樹脂の流れ方向に沿って上下方向の高さが一定である定高部(2)と、上下対称に高さが徐々に縮小する縮高部(3)とを有するストランド製造用押出ダイにおいて、ダイ入口部(1)の左右方向の長径をDWin、縮高部の出口部(4)の左右方向の長径をDWout、とした場合、0.9≦DWout/DWin≦1.1の範囲にあることを特徴とするストランド製造用押出ダイ。
- 該縮高部(3)の入口部(5)の上下方向の長径をDHin、該縮高部(3)の出口部(4)の上下方向の長径をDHout、(DHin−DHout)/2=Δdとし、該縮高部(3)の長さをL1、縮高傾斜角度をα、Δd/L1=tanαとした場合、0.55≦tanα≦2.75の範囲にあることを特徴とする請求項1記載のストランド製造用押出ダイ。
- 該ダイス(6)に設けられたダイスノズル(7)のランド部の長さWが5mm〜30mmである請求項1〜2のいずれかに記載のストランド製造用押出ダイ。
- 該ダイス(6)に設けられたダイスノズル(7)の出口部(8)の傾斜角度γが、押出機のスクリュウ(12)軸方向に対し、10度以内である請求項1〜3のいずれかに記載のストランド製造用押出ダイ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のストランド製造用押出ダイを用い、熱可塑性樹脂を溶融状態で押出することを特徴とするストランドの製造方法。
- 該熱可塑性樹脂が、液晶性樹脂であることを特徴とする請求項5記載のストランドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007083584A JP2008238625A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | ストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007083584A JP2008238625A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | ストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008238625A true JP2008238625A (ja) | 2008-10-09 |
Family
ID=39910535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007083584A Pending JP2008238625A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | ストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008238625A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011024785A1 (ja) * | 2009-08-25 | 2011-03-03 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴム押出し用口金 |
JP2011207055A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法および押出機 |
JP2015217552A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | 東洋スチレン株式会社 | スチレン系難燃性樹脂組成物の製造方法 |
JP2018158992A (ja) * | 2017-03-23 | 2018-10-11 | 地方独立行政法人山口県産業技術センター | 再生樹脂の原材料およびその製造方法と製造装置 |
-
2007
- 2007-03-28 JP JP2007083584A patent/JP2008238625A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011024785A1 (ja) * | 2009-08-25 | 2011-03-03 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴム押出し用口金 |
EP2366527A1 (en) * | 2009-08-25 | 2011-09-21 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Rubber extrusion nozzle |
EP2366527A4 (en) * | 2009-08-25 | 2014-10-15 | Sumitomo Rubber Ind | RUBBER EXTRUSION NOZZLE |
KR101773620B1 (ko) | 2009-08-25 | 2017-08-31 | 스미토모 고무 고교 가부시키가이샤 | 고무 압출용 구금 |
JP2011207055A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法および押出機 |
JP2015217552A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | 東洋スチレン株式会社 | スチレン系難燃性樹脂組成物の製造方法 |
JP2018158992A (ja) * | 2017-03-23 | 2018-10-11 | 地方独立行政法人山口県産業技術センター | 再生樹脂の原材料およびその製造方法と製造装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN100362036C (zh) | 芳香族液晶聚酯 | |
TWI586750B (zh) | 液晶聚酯組成物及其製造方法 | |
JP5087958B2 (ja) | 液晶性樹脂組成物からなる成形品 | |
US8703011B2 (en) | Liquid crystalline polyester compositions | |
JP2011063699A (ja) | 液晶ポリエステル樹脂組成物の成形方法および成形体 | |
JP5909508B2 (ja) | 液晶ポリエステルアミド、液晶ポリエステルアミド樹脂組成物及び成形体 | |
JP4952064B2 (ja) | 液晶性樹脂組成物、およびそれからなる成形品 | |
JP2009167584A (ja) | 液晶ポリエステル繊維、その製造方法及びその用途 | |
JP2007254716A (ja) | 液晶性樹脂組成物およびそれからなる成形品 | |
JP4701737B2 (ja) | 芳香族液晶ポリエステル及びその用途 | |
JP2007254717A (ja) | 液晶性樹脂組成物およびそれからなる成形品 | |
JP4720306B2 (ja) | 液晶性樹脂繊維およびその製造方法 | |
JP2008238625A (ja) | ストランド製造用押出ダイおよびそれを用いたストランドの製造方法 | |
JP2002220444A (ja) | 芳香族液晶ポリエステル及びその製造方法 | |
JPWO2019142692A1 (ja) | 液晶ポリエステル繊維 | |
KR101757308B1 (ko) | 유동성이 향상된 전방향족 폴리에스테르 수지의 제조방법 및 이에 따라 제조된 전방향족 폴리에스테르 | |
JP2013007004A (ja) | 液晶ポリエステルの製造方法 | |
JP2003321598A (ja) | 液晶性樹脂組成物、それからなる長尺成形品およびその製造方法 | |
JP2001072750A (ja) | 芳香族液晶性ポリエステルおよびその製造方法 | |
TWI522388B (zh) | 液晶性聚酯樹脂之製造方法及液晶性聚酯樹脂之製造裝置 | |
KR101817366B1 (ko) | 방향족 액정 폴리에스테르 수지의 제조방법 및 방향족 액정 폴리에스테르 수지 컴파운드 | |
JP2010220997A (ja) | 人工羽根 | |
JP4887645B2 (ja) | 液晶性樹脂組成物およびそれからなる成形品 | |
JP2000063503A (ja) | 芳香族液晶性ポリエステル樹脂およびその製造方法、並びに、芳香族液晶性ポリエステル樹脂フィルムおよびその製造方法 | |
JPH09300429A (ja) | ポリエステルフィルムの製造方法 |