JP2008238603A - 積層板とそれを用いたプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の積層板は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール基を有する硬化剤、(C)エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の全量に対して16〜40質量%の、エポキシ樹脂(A)と相溶しゴム弾性を有するエラストマー微粒子、および、(D)エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の全量に対して30〜70質量%の無機充填剤、を含有するエポキシ樹脂組成物を基材に含浸した後、加熱乾燥して得たプリプレグを金属箔と共に積層成形して成り、バーコール硬度が60以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
以下の実施例および比較例において、エポキシ樹脂、硬化剤、エラストマー微粒子、および無機充填剤として次のものを用いた。
(A)エポキシ樹脂
(a-1)大日本インキ株式会社製「エピクロン153」 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ当量390〜410g/eq 臭素含有率46〜50%)
(a-2)ジャパンエポキシレジン株式会社製「EPON1031」 テトラファンクショナルエポキシ樹脂 エポキシ当量195〜230g/eq
(a-3)ダウケミカル株式会社製「DER593」 エポキシ当量330〜390g/eq 臭素含有率17〜18wt% 分子内平均エポキシ基含有量約2個 分子内に窒素と臭素を共に含有するエポキシ樹脂(オキサゾリドン環含有)
(a-4)大日本インキ株式会社製「N690」 クレゾールノボラックエポキシ樹脂 エポキシ当量190〜240g/eq 分子内平均エポキシ基含有量4〜6個 樹脂軟化点約95℃
(B)硬化剤
(b-1)大日本インキ株式会社製「VH4170」 ビスフェノールAノボラック樹脂 水酸基当量118g/eq 樹脂軟化点105℃ 2官能ビスフェノールAの含有量約25%
(B’)硬化促進剤
(b’-1)株式会社日鉱マテリアルズ社製 「IM1000」 2級水酸基を含有しないトリアルコキシシリルタイプイミダゾールシラン
(b’-2)四国化成工業株式会社製 シアノ化−2−エチル−4−メチルイミダゾール
(C)エラストマー微粒子
(c-1)ガンツ化成株式会社製「スタフィロイドAC−3355」 シェル相がポリメタクリル酸メチルでありコア相が架橋アクリル重合体であるコアシェル型微粒子
(c-2)ガンツ化成株式会社製「スタフィロイドAC−3816N」 シェル相がポリメタクリル酸メチルでありコア相が架橋アクリル重合体であるコアシェル型微粒子
(c-3)ガンツ化成株式会社製「スタフィロイドAC−3832」 シェル相がポリメタクリル酸メチルでありコア相が架橋アクリル重合体であるコアシェル型微粒子
(c-4)東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製「トレフィルE−600」 シリコーンゴム微粒子
なお、(c-1)ないし(c-3)において、コア相の架橋密度は(c-1)>(c-3)>(c-2)であり、エラストマー微粒子の弾性率の大きさもこの順に大きくなる。
(D)無機充填剤
(d-1)株式会社アドマテックス社製 「SC2500−SEJ」 表面処理シリカ 平均粒子径0.4〜0.6μm(球状)
(d-2)住友化学工業株式会社製 「C−303」 水酸化アルミニウム 平均粒子径約4μm
(2)樹脂ワニスの調製
樹脂ワニスは次のようにして調製した。表1に示すエポキシ樹脂や硬化剤等と、溶媒とを所定の配合量計量し、ディスパー等で攪拌、均一化した。このときエポキシ樹脂や硬化剤等の固形分(非溶媒成分)が60〜75質量%となるように溶媒の量を調整し、樹脂ワニスを得た。なお、無機充填剤を配合する際には、所定配合量を投入し、さらにディスパーにて1時間攪拌後、ナノミルにて分散することにより樹脂ワニスを得た。
(3)プリプレグの製造
基材として、ガラスクロス(日東紡績株式会社製「7628タイプクロス」)を使用し、このガラスクロスに、溶媒を加えて調製した樹脂ワニスを室温にて含浸させ、その後、非接触タイプの加熱ユニットにより、約130〜170℃で加熱することによって、ワニス中の溶媒を乾燥除去し、樹脂組成物を半硬化させることでプリプレグを作製した。プリプレグにおける樹脂量は、ガラスクロス106質量部に対し、樹脂100質量部(樹脂47WT%)となるように調整した。
(4)銅張り積層板の製造
上記のようにして作製したプリプレグ8枚(340mm×510mm)を2枚の銅箔(厚み35μm、JTC箔、日鉱グールド・フォイル株式会社製)の粗化面の間に挟んで180℃、30kgf/cm2で90分間積層成形することにより、銅張り積層板を得た。
(5)熱膨張係数
JIS C 6481に基づいて、上記のようにして製造した銅張り積層板について、TMA法(Thermo-mechanical analysis)によりTg前の厚み方向の熱膨張係数αZおよび面方向の熱膨張係数αYを測定した(Yはクロスの縦方向を表す)。
(6)バーコール硬度
JIS K 7060に基づいて、上記のようにして製造した銅張り積層板をエッチングし、バーコール硬度を測定した(適用機種:GYZJ 934−1)
(7)金型加工性評価
上記の銅張り積層板の銅箔に、一定の間隔をおいて複数の円形開口パターンを形成し、その後、ソルダーレジストを塗布して金型加工用基板を作製した。この金型加工用基板に、上記開口の位置に5φの穴をパンチングにて作製し(当該穴と、円形開口パターン周縁部との間隔:1.0mm)、断面を観察し以下の基準に従ってバリを評価した。
打ち抜き性○・・・クリアランス50μmでOK
打ち抜き性△・・・クリアランス50μmではNGであるが10μmではOK
打ち抜き性×・・・クリアランス10μmでNG
打ち抜き性××・・・クリアランス10μmでNGであり、10mm以上のバリが発生
<実施例1〜3>
上記(1)〜(4)に従って実施例1〜3の銅張り積層板を作製した。これらの銅張り積層板について、厚み方向の熱膨張係数αZおよび面方向の熱膨張係数αYと、バーコール硬度を測定し、さらに金型加工性を評価した。その結果を表1に示す。なお、表1に示す実施例および比較例の各成分の配合量は質量部を表す。
<比較例1〜8>
上記(1)〜(4)に従って比較例1〜8の銅張り積層板を作製した。これらの銅張り積層板について、厚み方向の熱膨張係数αZおよび面方向の熱膨張係数αYと、バーコール硬度を測定し、さらに金型加工性を評価した。その結果を表1に示す。
Claims (3)
- (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール基を有する硬化剤、(C)エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の全量に対して16〜40質量%の、エポキシ樹脂(A)と相溶しゴム弾性を有するエラストマー微粒子、および、(D)エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の全量に対して30〜70質量%の無機充填剤、を含有するエポキシ樹脂組成物を基材に含浸した後、加熱乾燥して得たプリプレグを金属箔と共に積層成形して成り、バーコール硬度が60以上であることを特徴とする積層板。
- エラストマー微粒子(C)がコアシェル構造を有することを特徴とする請求項1に記載の積層板。
- 請求項1または2に記載の積層板を用いて形成されていることを特徴とするプリント配線板。
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