JP2014088509A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤を含有し、かつ固形分100質量部に対して充填剤が260質量部以上含有されているエポキシ樹脂組成物に関する。エポキシ樹脂として、非液状エポキシ樹脂が用いられる。非液状エポキシ樹脂が固形分全量に対して50質量%以上含有される。充填剤として、平均粒子径が0.1μm以上1.0μm未満の球状シリカ粒子である第一シリカ粒子と、平均粒子径が1.0μm以上5.0μm以下の球状シリカ粒子である第二シリカ粒子と、平均粒子径が20nm以上200nm以下の球状シリカナノ粒子である第三シリカ粒子とが用いられる。第三シリカ粒子が固形分100質量部に対して30質量部以上90質量部未満含有される。
【選択図】なし
Description
エポキシ樹脂2:ジシクロペンタジエン含有2官能エポキシ樹脂(新日化エポキシ製造(株)製「ZX−1257」(エポキシ基平均2.0個、エポキシ当量257))
エポキシ樹脂3:ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂であるナフタレン型2官能エポキシ樹脂(DIC(株)製「EPICLON−HP4032」(エポキシ基平均2.0個、エポキシ当量150))
エポキシ樹脂4:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC−3000P」(エポキシ当量275))
エポキシ樹脂5:常温で液体であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC(株)製「EPICLON840」(エポキシ基平均2.0個、エポキシ当量185))
硬化剤としては、以下の4種類のものを用いた。
硬化剤2:多官能フェノール樹脂(明和化成(株)製「MEH7500H」(フェノール性水酸基当量100))
硬化剤3:多官能フェノール樹脂(DIC(株)製「TD−2093Y」(フェノール性水酸基当量105)フェノールノボラック型フェノール)
硬化剤4:ナフタレン骨格変性フェノール樹脂(DIC(株)製「HPC−9500P」(フェノール性水酸基当量153))
充填剤の第一シリカ粒子としては、以下の4種類のものを用いた。
第一シリカ粒子2:(株)アドマテックス製「SO−C2」(平均粒子径約0.5μm)
第一シリカ粒子3:第一シリカ粒子1(100質量部)をカップリング剤(エポキシシランカップリング剤(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業(株)製「KBM403」(約1.5質量部))で乾式によって表面処理したもの
第一シリカ粒子4:第一シリカ粒子2(100質量部)をカップリング剤(メタクリルシランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業(株)製「KBM503」(約1.5質量部))で乾式によって表面処理したもの
充填剤の第二シリカ粒子としては、以下の4種類のものを用いた。
第二シリカ粒子2:(株)龍森製「キクロスMSR−04」(平均粒子径約4.1μm)
第二シリカ粒子3:第二シリカ粒子1(100質量部)をカップリング剤(エポキシシランカップリング剤(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業(株)製「KBM403」(約1.5質量部))で乾式によって表面処理したもの
第二シリカ粒子4:第二シリカ粒子2(100質量部)をカップリング剤(メタクリルシランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業(株)製「KBM503」(約1.5質量部))で乾式によって表面処理したもの
充填剤の第三シリカ粒子としては、以下の8種類のものを用いた。
第三シリカ粒子2:(株)アドマテックス製「YA050C−MJF」(平均粒子径50nm、表面処理:フェニルシラン、固形分50%)
第三シリカ粒子3:(株)アドマテックス製「YA050C−MJA」(平均粒子径50nm、表面処理:ビニルシラン、固形分50%)
第三シリカ粒子4:(株)アドマテックス製「YA050C−MJE」(平均粒子径50nm、表面処理:メタクリルシラン、固形分50%)
第三シリカ粒子5:(株)アドマテックス製「YA100C−MLC」(平均粒子径100nm、表面処理:エポキシシラン、固形分60%)
第三シリカ粒子6:(株)アドマテックス製「YA010C−MFV」(平均粒子径10nm、表面処理:エポキシシラン、固形分30%)
第三シリカ粒子7:日産化学工業(株)製「MEK−AC−4101」(平均粒子径40−50nm、固形分30%)
第三シリカ粒子8:日産化学工業(株)製「MEK−ST−2040」(平均粒子径200nm、固形分60%)
硬化促進剤としては、以下のものを用いた。
溶媒としては、以下の2種類のものを用いた。
溶媒2:ジメチルホルムアミド(DMF)
次にエポキシ樹脂組成物のワニス、プリプレグ、銅張積層板、多層積層板の製造方法について以下に順に示す。
上記のエポキシ樹脂、充填剤、硬化剤、溶媒を表1に示す配合量(質量部)で特殊機化工業(株)製「ホモミキサー」に投入して約1000rpmで約120分間混合した。さらに硬化促進剤を表1に示す配合量で配合して再度30分間撹拌した後、浅田鉄工(株)製「ナノミル」で充填剤の分散を行うことによって、エポキシ樹脂組成物のワニスを製造した。
上記のエポキシ樹脂組成物のワニスをガラスクロス(日東紡績(株)製「WEA116E」、厚さ0.1mm)に含浸させ、これを乾燥機中で120℃〜190℃の範囲で5〜10分間程度、加熱して乾燥させることによって、半硬化状態のプリプレグを製造した。
上記のプリプレグの1枚の両面に銅箔(古河サーキットフォイル(株)製「GT」(厚さ0.012mm))を重ね、これを170〜220℃、0.98〜4.9MPaの条件で加熱加圧することによって、厚さ約0.1mmの銅張積層板を製造した。ここで、加熱時間は、プリプレグ全体が190℃以上となる時間が少なくとも120分間以上となるように設定した。またこの際、プレス内が133hPa以下の減圧状態となるようにした。こうすることによって、プリプレグの吸着水を効率よく除去することができ、成形後に空隙(ボイド)が残存することを抑制することができるからである。
上記のようにプリプレグを製造するにあたって、ワニスがガラスクロスに含浸するか否かを目視により確認し、次のように判定した。
「×」:増粘等により、ワニスがガラスクロスの表面に塗布されるだけで、ガラスクロスの中まで含浸しなかったもの
<プリプレグのタック性>
上記のプリプレグの表面を指で触り、触感によりタック性を確認し、次のように判定した。
「×」:ベトベトしていて粘着性が感じられたもの
<多層成形性>
まず上記の銅張積層板の両面に回路パターンを形成すると共に、各回路パターンに内層酸化処理を施すことによって、内層用基板を製造した。
製品温度:190℃以上となる時間が少なくとも120分間
圧力:5.9MPa
真空度:133hPa以下
そして、上記の多層積層板を厚さ方向に切断し、切断面を目視により確認し、次のように判定した。
「×」:ボイド又はカスレがあるもの
上記のガラスクロスへの含浸性、プリプレグのタック性、多層成形性の結果を表1に示す。
Claims (9)
- エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤を含有し、かつ前記充填剤を除く固形分100質量部に対して前記充填剤が260質量部以上含有されているエポキシ樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂として、常温で液体ではない非液状エポキシ樹脂が用いられ、前記非液状エポキシ樹脂が前記固形分全量に対して50質量%以上含有され、前記充填剤として、平均粒子径が0.1μm以上1.0μm未満の球状シリカ粒子である第一シリカ粒子と、平均粒子径が1.0μm以上5.0μm以下の球状シリカ粒子である第二シリカ粒子と、平均粒子径が20nm以上200nm以下の球状シリカナノ粒子である第三シリカ粒子とが用いられ、前記第三シリカ粒子が前記固形分100質量部に対して30質量部以上90質量部未満含有されていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 前記固形分100質量部に対して前記充填剤が260質量部以上400質量部以下含有されていることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記充填剤が表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記非液状エポキシ樹脂が、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、メチレン結合以外の結合でベンゼン環が連結されている多官能エポキシ樹脂の群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記硬化剤が、ナフタレン骨格変性フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、半硬化して形成されていることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物に黒色顔料又は黒色染料を添加し、この黒色化したエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、半硬化して形成されていることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項6又は7に記載のプリプレグの片面又は両面に金属箔を積層して形成されていることを特徴とする金属張積層板。
- 回路パターンが表面に形成された内層用基板に請求項6又は7に記載のプリプレグを積層して形成されていることを特徴とするプリント配線板。
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