JP2014088509A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線板 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】固形分100質量部に対して充填剤が260質量部以上含有されていても、基材に含浸でき、タック性がなく取り扱い性が良好で、成形しやすいプリプレグを得られるエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤を含有し、かつ固形分100質量部に対して充填剤が260質量部以上含有されているエポキシ樹脂組成物に関する。エポキシ樹脂として、非液状エポキシ樹脂が用いられる。非液状エポキシ樹脂が固形分全量に対して50質量%以上含有される。充填剤として、平均粒子径が0.1μm以上1.0μm未満の球状シリカ粒子である第一シリカ粒子と、平均粒子径が1.0μm以上5.0μm以下の球状シリカ粒子である第二シリカ粒子と、平均粒子径が20nm以上200nm以下の球状シリカナノ粒子である第三シリカ粒子とが用いられる。第三シリカ粒子が固形分100質量部に対して30質量部以上90質量部未満含有される。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、これを用いて製造されるプリプレグ、これを用いて製造される金属張積層板、これを用いて製造され、特にプラスチックパッケージ用に好適に用いられるプリント配線板に関するものである。
デジタルカメラや携帯電話等のモバイル機器を代表とする最近の電子機器では小型化、薄型化、高性能化のニーズがますます高まっている。これに伴い、搭載される半導体パッケージにもさらなる薄型化や微細配線化が要求されている。
このような背景において、LSI等の半導体パッケージは挿入実装から表面実装へ、周辺端子からエリア端子へ、そして単独チップから複数チップ積層へと発展し、高密度実装を可能とするFBGA(Fine Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に移行してきている。
このような表面実装型の半導体パッケージは、例えば、電子回路を構成するインターポーザの片面に半導体チップを搭載し、その反対側の面に半田ボールを接続して構成される。インターポーザにはガラスエポキシ樹脂等のリジッド基板やポリイミド樹脂等のフレキシブル基板等が用いられている。
近年では、上記のような半導体パッケージの薄型化に伴い、インターポーザの厚みも薄くなってきており、そのため剛性が低下して半導体パッケージの反りが問題となっている。半導体パッケージの反りは、マザーボード等の回路基板への実装時に接続不良が発生する要因となる。
この半導体パッケージの反りを低減するために、基材の低熱膨張化が検討されている。
基材の低熱膨張化の手法は様々検討されているが、主なものとして無機充填材の使用が挙げられる。しかし、無機充填材を多量に含有した樹脂ワニスは粘度が高くなるため、ガラスクロスへの樹脂組成物の含浸及び無機充填材の均一な含浸やプリプレグの成形が困難となる。
特許第4903989号公報 特開2011−202140号公報
特許文献1には、平均粒子径0.1μm以上5μm以下の球状シリカ粒子と、平均粒子径1nm以上50nm以下のシリカナノ粒子とを有機溶媒に分散させたスラリー組成物は、球状シリカ粒子とシリカナノ粒子との粒子径の違いにより、シリカフィラーの最密充填状態を形成し、前記スラリー組成物にエポキシ樹脂を配合して作製したワニス組成物は、均一且つ高配合割合でシリカフィラーを含有することが開示されている。
しかしながら、特許文献1では、実施例で使用されているエポキシ樹脂は無溶剤の状態であり、液状のエポキシ樹脂のみであるため、無機充填材の高充填化は容易となるが、この樹脂ワニスを用いて作製したプリプレグは、タック性(粘着性)が大きく、べたつき、取り扱いが難しいという問題点がある。
一方、特許文献2には、上記の問題点を解決するため、固形のエポキシ樹脂を用い、平均粒子径が1nm以上100nm以下であるシリカナノ粒子と、平均粒子径が前記シリカナノ粒子の平均粒子径よりも大きく、且つ0.1μm以上5.0μm以下であるシリカ粒子を用いることにより、プリプレグのタック性を改善しながら、無機充填材の高充填化が達成できることが開示されている。
しかしながら、特許文献2では、実施例で使用されている無機充填材の割合は、エポキシ樹脂組成物100重量部に対して157〜259重量部で、昨今の更なる低膨張化を達成するためには、より高充填化することが求められている。
しかし、無機充填材の割合が増加するとプリプレグの成形性が難しくなるという問題点がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、固形分100質量部に対して充填剤が260質量部以上含有されていても、基材に含浸させることができ、タック性がなく取り扱い性が良好で、成形しやすいプリプレグを得ることができるエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線板を提供することを目的とするものである。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤を含有し、かつ前記充填剤を除く固形分100質量部に対して前記充填剤が260質量部以上含有されているエポキシ樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂として、常温で液体ではない非液状エポキシ樹脂が用いられ、前記非液状エポキシ樹脂が前記固形分全量に対して50質量%以上含有され、前記充填剤として、平均粒子径が0.1μm以上1.0μm未満の球状シリカ粒子である第一シリカ粒子と、平均粒子径が1.0μm以上5.0μm以下の球状シリカ粒子である第二シリカ粒子と、平均粒子径が20nm以上200nm以下の球状シリカナノ粒子である第三シリカ粒子とが用いられ、前記第三シリカ粒子が前記固形分100質量部に対して30質量部以上90質量部未満含有されていることを特徴とするものである。
前記エポキシ樹脂組成物において、前記固形分100質量部に対して前記充填剤が260質量部以上400質量部以下含有されていることが好ましい。
前記エポキシ樹脂組成物において、前記充填剤が表面処理されていることが好ましい。
前記エポキシ樹脂組成物において、前記非液状エポキシ樹脂が、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、メチレン結合以外の結合でベンゼン環が連結されている多官能エポキシ樹脂の群から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂組成物において、前記硬化剤が、ナフタレン骨格変性フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の群から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
本発明に係るプリプレグは、前記エポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、半硬化して形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係るプリプレグは、前記エポキシ樹脂組成物に黒色顔料又は黒色染料を添加し、この黒色化したエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、半硬化して形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る金属張積層板は、前記プリプレグの片面又は両面に金属箔を積層して形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係るプリント配線板は、回路パターンが表面に形成された内層用基板に前記プリプレグを積層して形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、固形分100質量部に対して充填剤が260質量部以上含有されていても、基材に含浸させることができ、タック性がなく取り扱い性が良好で、成形しやすいプリプレグを得ることができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤を含有し、必要に応じて硬化促進剤、黒色顔料、黒色染料、改質剤等を含有してもよい。
エポキシ樹脂としては、常温(20〜30℃)で液体ではない非液状エポキシ樹脂を用いる。さらにこの非液状エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物中の充填剤を除く固形分全量に対して50質量%以上(上限は96質量%程度)含有されている。ここで、非液状エポキシ樹脂が50質量%未満、又は常温で液体である液状エポキシ樹脂が50質量%以上含有されていると、プリプレグにタック性が発現して取り扱いにくくなる。
具体的にはエポキシ樹脂としては、上記の条件を満たすものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂や、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂や、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラル型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタンノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル類、3官能又は4官能のグリシジルアミン類、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、メトキシナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、メトキシナフタレンジメチレン型エポキシ樹脂等のナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、上記エポキシ樹脂をハロゲン化した難燃化エポキシ樹脂等を用いることができる。これらのエポキシ樹脂の1種類を単独で用いたり、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したりすることもできる。
上記のエポキシ樹脂の中でも特に、非液状エポキシ樹脂は、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、メチレン結合以外の結合でベンゼン環が連結されている多官能エポキシ樹脂の群から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。このようなエポキシ樹脂を用いると、ガラス転移温度(Tg)の高い硬化物を得ることができるものである。
硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、多官能フェノール系化合物等を用いることができる。これらの硬化剤は、良好な電気的特性を硬化物に付与すると共に、強靭性、可撓性、接着力、加熱時の応力緩和に優れた硬化物を得ることができるものである。硬化剤は、例えばエポキシ樹脂100質量部に対して4〜70質量部程度含有することができる。
特に硬化剤は、ナフタレン骨格変性フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の群から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。このような硬化剤を用いると、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れた硬化物を得ることができるものである。
充填剤としては、次のような第一シリカ粒子と、第二シリカ粒子と、第三シリカ粒子とを用いる。これらの充填剤は、エポキシ樹脂組成物中の充填剤を除く固形分100質量部に対して260質量部以上含有され、好ましくは260質量部以上400質量部以下含有されている。
第一シリカ粒子は、平均粒子径が0.1μm以上1.0μm未満の球状シリカ粒子である。なお、第一シリカ粒子の平均粒子径は、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
第二シリカ粒子は、平均粒子径が1.0μm以上5.0μm以下の球状シリカ粒子である。なお、第二シリカ粒子の平均粒子径も、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
第三シリカ粒子は、平均粒子径が20nm以上200nm以下の球状シリカナノ粒子である。平均粒子径が20nm未満のものでは、エポキシ樹脂組成物のワニスが増粘する傾向が高い。逆に平均粒子径が200nmを超えるものでは、プリプレグの成形性が悪化しやすい。なお、第三シリカ粒子の平均粒子径は、BET法によって求めた粒径を意味する。
特に第三シリカ粒子は、固形分100質量部に対して30質量部以上90質量部未満含有されている。これにより、固形分100質量部に対して260質量部以上の充填剤が含有されていても、エポキシ樹脂組成物のワニスの増粘を抑制することができると共に、プリプレグの成形性も良好となる。すなわち、平均粒子径の異なる3種類の第一シリカ粒子、第二シリカ粒子及び第三シリカ粒子を用いることにより、これらのものが相互に潤滑剤として働き、エポキシ樹脂組成物に流動性を付与するものと推定される。しかし、第三シリカ粒子が固形分100質量部に対して90質量部を超えると、ナノオーダーの第三シリカ粒子自身の増粘により、エポキシ樹脂組成物のワニスの流動性が悪化して、プリプレグを製造する際の基材への含浸性が低下する。逆に第三シリカ粒子が固形分100質量部に対して30質量部未満であっても、エポキシ樹脂組成物のワニスが増粘して流動性が悪化し、プリプレグを製造する際の基材への含浸性が低下する。
特に充填剤は表面処理されていることが好ましい。具体的にはエポキシシラン系、メタクリルシラン系、フェニルシラン系、ビニルシラン系等のカップリング剤を用いて湿式法等により表面処理されていることが好ましい。これにより、エポキシ樹脂等の樹脂成分と充填剤との結合が強固なものとなり、耐熱性の高い硬化物を得ることができるものである。
硬化促進剤としては、例えば、三級アミン類や、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類を用いることができる。
黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック等を用いることができる。
黒色染料としては、例えば、ジスアゾ系染料、アジン系染料等を用いることができる。
改質剤としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、SBR、BR、ブチルゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム等のゴム成分等を用いることができる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、必要に応じて硬化促進剤、黒色顔料、黒色染料、改質剤等を配合することによって製造することができ、さらにこれを溶剤で希釈することによってワニスを製造することができる。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド(DMF)等の窒素含有溶剤等を用いることができる。
本発明に係るプリプレグは、次のようにして製造することができる。まず上記のエポキシ樹脂組成物のワニスを基材に含浸させる。このときエポキシ樹脂組成物には、固形分100質量部に対して充填剤が260質量部以上含有されているが、この充填剤は、平均粒子径の異なる3種類のもので構成され、これらのものが相互に潤滑剤として働くので、支障なく基材に含浸させることができる。次にこれを乾燥機中で120〜190℃程度の温度で3〜15分間程度、半硬化状態(Bステージ状態)となるまで加熱乾燥することによって、プリプレグを製造することができる。このように、エポキシ樹脂組成物が半硬化して形成されたプリプレグは、タック性がなく取り扱い性が良好で、成形しやすいものである。なお、基材としては、例えば、ガラスクロス、ガラスペーパー、ガラスマット等のガラス繊維布のほか、天然繊維布、有機合成繊維布等も用いることができる。
本発明に係る金属張積層板は、上記のプリプレグに金属箔を積層して形成されている。この場合、1枚のプリプレグの片面又は両面に金属箔を積層して成形してもよいし、複数枚のプリプレグを重ね、この片面又は両面に金属箔を積層して成形してもよい。金属箔としては、例えば、銅箔、銀箔、アルミニウム箔、ステンレス箔等を用いることができる。上記の積層成形は、例えば多段真空プレス等を用いて、140〜220℃、0.98〜4.9MPaの条件で加熱加圧して行うことができる。
本発明に係るプリント配線板は、回路パターン(導体パターン)が表面に形成された内層用基板の片面又は両面に上記のプリプレグを1枚又は複数枚積層して形成されている。この場合、プリプレグに上記の金属箔を積層して成形してもよい。この積層成形は、上記と同様の条件で行うことができる。これにより回路パターンが3層以上ある多層プリント配線板を容易に得ることができる。上記の内層用基板としては、上記の金属張積層板に回路パターンを形成したものを用いることができる。回路パターンの形成は、例えばサブトラクティブ法等により行うことができる。
特にプリント配線板を製造するにあたっては、エポキシ樹脂組成物に黒色顔料又は黒色染料を添加し、この黒色化したエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、半硬化して形成されたプリプレグを用いることが好ましい。このようなプリプレグを用いて得られたプリント配線板は、内層回路等をAOI(automatic optical inspection)により検査する場合の精度が向上するので有用である。しかも上記のプリント配線板にはUV遮蔽性も付与される。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
まず用いたエポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、硬化促進剤、溶媒について以下に順に示す。
エポキシ樹脂としては、以下の5種類のものを用いた。
エポキシ樹脂1:メチレン結合以外の結合でベンゼン環が連結されている多官能エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「EPPN502H」(エポキシ基平均7.0個、エポキシ当量170))
エポキシ樹脂2:ジシクロペンタジエン含有2官能エポキシ樹脂(新日化エポキシ製造(株)製「ZX−1257」(エポキシ基平均2.0個、エポキシ当量257))
エポキシ樹脂3:ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂であるナフタレン型2官能エポキシ樹脂(DIC(株)製「EPICLON−HP4032」(エポキシ基平均2.0個、エポキシ当量150))
エポキシ樹脂4:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC−3000P」(エポキシ当量275))
エポキシ樹脂5:常温で液体であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC(株)製「EPICLON840」(エポキシ基平均2.0個、エポキシ当量185))
硬化剤としては、以下の4種類のものを用いた。
硬化剤1:ジシアンジアミド(試薬(分子量84、理論活性水素当量21))
硬化剤2:多官能フェノール樹脂(明和化成(株)製「MEH7500H」(フェノール性水酸基当量100))
硬化剤3:多官能フェノール樹脂(DIC(株)製「TD−2093Y」(フェノール性水酸基当量105)フェノールノボラック型フェノール)
硬化剤4:ナフタレン骨格変性フェノール樹脂(DIC(株)製「HPC−9500P」(フェノール性水酸基当量153))
充填剤の第一シリカ粒子としては、以下の4種類のものを用いた。
第一シリカ粒子1:電気化学工業(株)製「SFP−30M」(平均粒子径約0.72μm)
第一シリカ粒子2:(株)アドマテックス製「SO−C2」(平均粒子径約0.5μm)
第一シリカ粒子3:第一シリカ粒子1(100質量部)をカップリング剤(エポキシシランカップリング剤(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業(株)製「KBM403」(約1.5質量部))で乾式によって表面処理したもの
第一シリカ粒子4:第一シリカ粒子2(100質量部)をカップリング剤(メタクリルシランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業(株)製「KBM503」(約1.5質量部))で乾式によって表面処理したもの
充填剤の第二シリカ粒子としては、以下の4種類のものを用いた。
第二シリカ粒子1:電気化学工業(株)製「FB−1SDX」(平均粒子径約1.5μm)
第二シリカ粒子2:(株)龍森製「キクロスMSR−04」(平均粒子径約4.1μm)
第二シリカ粒子3:第二シリカ粒子1(100質量部)をカップリング剤(エポキシシランカップリング剤(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業(株)製「KBM403」(約1.5質量部))で乾式によって表面処理したもの
第二シリカ粒子4:第二シリカ粒子2(100質量部)をカップリング剤(メタクリルシランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業(株)製「KBM503」(約1.5質量部))で乾式によって表面処理したもの
充填剤の第三シリカ粒子としては、以下の8種類のものを用いた。
第三シリカ粒子1:(株)アドマテックス製「YA050C−MJC」(平均粒子径50nm、表面処理:エポキシシラン、固形分50%)
第三シリカ粒子2:(株)アドマテックス製「YA050C−MJF」(平均粒子径50nm、表面処理:フェニルシラン、固形分50%)
第三シリカ粒子3:(株)アドマテックス製「YA050C−MJA」(平均粒子径50nm、表面処理:ビニルシラン、固形分50%)
第三シリカ粒子4:(株)アドマテックス製「YA050C−MJE」(平均粒子径50nm、表面処理:メタクリルシラン、固形分50%)
第三シリカ粒子5:(株)アドマテックス製「YA100C−MLC」(平均粒子径100nm、表面処理:エポキシシラン、固形分60%)
第三シリカ粒子6:(株)アドマテックス製「YA010C−MFV」(平均粒子径10nm、表面処理:エポキシシラン、固形分30%)
第三シリカ粒子7:日産化学工業(株)製「MEK−AC−4101」(平均粒子径40−50nm、固形分30%)
第三シリカ粒子8:日産化学工業(株)製「MEK−ST−2040」(平均粒子径200nm、固形分60%)
硬化促進剤としては、以下のものを用いた。
硬化促進剤:四国化成工業(株)製「2−エチル−4−メチルイミダゾール」
溶媒としては、以下の2種類のものを用いた。
溶媒1:メチルエチルケトン(MEK)
溶媒2:ジメチルホルムアミド(DMF)
次にエポキシ樹脂組成物のワニス、プリプレグ、銅張積層板、多層積層板の製造方法について以下に順に示す。
<エポキシ樹脂組成物のワニスの製造方法>
上記のエポキシ樹脂、充填剤、硬化剤、溶媒を表1に示す配合量(質量部)で特殊機化工業(株)製「ホモミキサー」に投入して約1000rpmで約120分間混合した。さらに硬化促進剤を表1に示す配合量で配合して再度30分間撹拌した後、浅田鉄工(株)製「ナノミル」で充填剤の分散を行うことによって、エポキシ樹脂組成物のワニスを製造した。
<プリプレグの製造方法>
上記のエポキシ樹脂組成物のワニスをガラスクロス(日東紡績(株)製「WEA116E」、厚さ0.1mm)に含浸させ、これを乾燥機中で120℃〜190℃の範囲で5〜10分間程度、加熱して乾燥させることによって、半硬化状態のプリプレグを製造した。
<銅張積層板の製造方法>
上記のプリプレグの1枚の両面に銅箔(古河サーキットフォイル(株)製「GT」(厚さ0.012mm))を重ね、これを170〜220℃、0.98〜4.9MPaの条件で加熱加圧することによって、厚さ約0.1mmの銅張積層板を製造した。ここで、加熱時間は、プリプレグ全体が190℃以上となる時間が少なくとも120分間以上となるように設定した。またこの際、プレス内が133hPa以下の減圧状態となるようにした。こうすることによって、プリプレグの吸着水を効率よく除去することができ、成形後に空隙(ボイド)が残存することを抑制することができるからである。
次にガラスクロスへの含浸性、プリプレグのタック性、多層成形性について以下に順に示す。
<ガラスクロスへの含浸性>
上記のようにプリプレグを製造するにあたって、ワニスがガラスクロスに含浸するか否かを目視により確認し、次のように判定した。
「○」:ワニスがガラスクロスの中まで含浸したもの
「×」:増粘等により、ワニスがガラスクロスの表面に塗布されるだけで、ガラスクロスの中まで含浸しなかったもの
<プリプレグのタック性>
上記のプリプレグの表面を指で触り、触感によりタック性を確認し、次のように判定した。
「○」:サラサラしていて粘着性が感じられなかったもの
「×」:ベトベトしていて粘着性が感じられたもの
<多層成形性>
まず上記の銅張積層板の両面に回路パターンを形成すると共に、各回路パターンに内層酸化処理を施すことによって、内層用基板を製造した。
次に上記の内層用基板の両面に上記のプリプレグ及び銅箔(古河サーキットフォイル(株)製「GT」(厚さ0.012mm))をこの順に重ね、加熱加圧して成形することによって、多層積層板を製造した。成形条件は以下の通りである。
昇温速度:4.0℃/min
製品温度:190℃以上となる時間が少なくとも120分間
圧力:5.9MPa
真空度:133hPa以下
そして、上記の多層積層板を厚さ方向に切断し、切断面を目視により確認し、次のように判定した。
「○」:ボイド及びカスレがないもの
「×」:ボイド又はカスレがあるもの
上記のガラスクロスへの含浸性、プリプレグのタック性、多層成形性の結果を表1に示す。
Figure 2014088509
表1から明らかなように、実施例1〜8はいずれも、ガラスクロスへの含浸性、プリプレグのタック性、多層成形性が良好であることが確認された。
これに対して、比較例1は、プリプレグのタック性は良好であるものの、ガラスクロスへの含浸性及び多層成形性が不良であることが確認された。
また、比較例2は、ガラスクロスへの含浸性、プリプレグのタック性、多層成形性がいずれも不良であることが確認された。

Claims (9)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤を含有し、かつ前記充填剤を除く固形分100質量部に対して前記充填剤が260質量部以上含有されているエポキシ樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂として、常温で液体ではない非液状エポキシ樹脂が用いられ、前記非液状エポキシ樹脂が前記固形分全量に対して50質量%以上含有され、前記充填剤として、平均粒子径が0.1μm以上1.0μm未満の球状シリカ粒子である第一シリカ粒子と、平均粒子径が1.0μm以上5.0μm以下の球状シリカ粒子である第二シリカ粒子と、平均粒子径が20nm以上200nm以下の球状シリカナノ粒子である第三シリカ粒子とが用いられ、前記第三シリカ粒子が前記固形分100質量部に対して30質量部以上90質量部未満含有されていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記固形分100質量部に対して前記充填剤が260質量部以上400質量部以下含有されていることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記充填剤が表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記非液状エポキシ樹脂が、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、メチレン結合以外の結合でベンゼン環が連結されている多官能エポキシ樹脂の群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記硬化剤が、ナフタレン骨格変性フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、半硬化して形成されていることを特徴とするプリプレグ。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物に黒色顔料又は黒色染料を添加し、この黒色化したエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、半硬化して形成されていることを特徴とするプリプレグ。
  8. 請求項6又は7に記載のプリプレグの片面又は両面に金属箔を積層して形成されていることを特徴とする金属張積層板。
  9. 回路パターンが表面に形成された内層用基板に請求項6又は7に記載のプリプレグを積層して形成されていることを特徴とするプリント配線板。
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