JP2008238375A - Cmp装置のプラテン - Google Patents
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Abstract
【課題】プラテンのメンテナンス作業等を容易にし、且つ、剥離性及び耐腐食性の双方を両立させる。
【解決手段】回転駆動されるプラテン11(11a)に貼り付けられた研磨パッド13にスラリーを供給しながら、研磨パッド13にウェハを押し付けて研磨するCMP装置10において、プラテン11はアルミニウム合金製の本体部17と、該本体部17の表面に被覆されたニッケル層18と、該ニッケル層18の上に形成された剥離調整層19とから構成され、該剥離調整層19は、前記研磨パッド13に対して適度な剥離性能を有している。又、剥離調整層19は例えばフッ素樹脂により形成され、研磨パッド13に対する剥離性、及び、スラリー等の薬液Lに対する耐腐食性の双方を兼ね備えている。
【選択図】図2
【解決手段】回転駆動されるプラテン11(11a)に貼り付けられた研磨パッド13にスラリーを供給しながら、研磨パッド13にウェハを押し付けて研磨するCMP装置10において、プラテン11はアルミニウム合金製の本体部17と、該本体部17の表面に被覆されたニッケル層18と、該ニッケル層18の上に形成された剥離調整層19とから構成され、該剥離調整層19は、前記研磨パッド13に対して適度な剥離性能を有している。又、剥離調整層19は例えばフッ素樹脂により形成され、研磨パッド13に対する剥離性、及び、スラリー等の薬液Lに対する耐腐食性の双方を兼ね備えている。
【選択図】図2
Description
本発明はCMP装置のプラテンに関するものであり、特に、回転する研磨パッドにウェハを押し付けて化学的機械的に研磨するCMP装置のプラテンに関するものである。
従来、此種CMP装置では、研磨パッドが貼り付けられたプラテン(研磨定盤)をモータで回転駆動すると共に、該研磨パッド上面にスラリー(研磨剤)を供給しながらウェハを押し付けることにより、該ウェハを化学的機械的に研磨している。
図3に示すように、上記研磨パッド1が貼り付けられるプラテン2としては、ステンレス鋼により形成したものがある。このステンレス鋼製のプラテン2は薬液Lに対する耐腐食性に優れているが、ステンレス鋼の表面硬度(200Hv)が低いため、プラテン2のメンテナンス(交換)時に、ハンマー等の工具がプラテン2に落下した際に、プラテン2表面に打痕が入り易いという欠点があった。
又、ステンレス鋼製のプラテン2は重量が重いために、プラテン2のメンテナンス時に、プラテン2のメンテナンス作業が行い難いという欠点もあった。また、ステンレス鋼では、非常に重量が大きくなるために、プラテンを回転させるモータも非常に大きい駆動力を要するオーバースペックのモータを使用しなければならず、装置全体の重量が重たくなる最も大きな要因となっていた。
また、平面度が劣化した際に、プラテンを交換するという作業においても、非常に重量が大きいため、クリーンルーム内で、簡易にプラテンを取り外して交換する作業ができず、一度研磨モジュールを装置から外して、研磨部位をある程度分解してから研磨定盤をクレーンにて持ち上げ、交換するという非常に交換に手間を要していた。
そこで、図4に示すように、プラテン3の本体部4を軽量なアルミニウム合金製により形成し、且つ、該本体部4に陽極酸化処理にて表面処理を施し、更に、必要に応じて陽極酸化層5をフッ素樹脂6でコーティングしたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2004−148464号公報
特開平10−264013号公報
上記特許文献1記載の従来技術のように、陽極酸化層で表面処理されたアルミニウム合金製のプラテンは、アルミニウム合金の重量が軽いため、プラテンのメンテナンス作業又は交換作業が容易になる。しかし、ステンレス鋼製のプラテンよりも硬度(400〜450Hv)が大きいとはいえ、やはりプラテンの表面硬度が不足するため、プラテン表面に打痕が入りやすい。
又、該フッ素樹脂は、スリットとよばれる細い溝が形成されることが多く、そのスリットを通って、毛細管現象により、内部の陽極酸化層を通ってスリット境目(スリット)にアルカリ性のスラリー等の薬液がしみ込んで、該薬液Lが陽極酸化層(アルマイト層等)と化学反応してプラテンを腐食させるという問題がある。
また、フッ素樹脂を使用する場合、パッドをはがす際に、剥がしやすいという利点がある反面、接着強度が非常に小さくなることから、研磨中にパッドが剥がれてしまうというトラブルが発生することがある。表面粗さを多少大きくすることでパッドが剥がれてしまうことを回避することは多少可能ではある。しかし、パッドとフッ素樹脂をコーティングした研磨定盤の間に気泡が入った場合に、その気泡が大きくなって、部分的に剥がれが大きくなる問題があり、そのため、研磨の均一性が非常に悪化するというトラブルがあった。
さらに、フッ素樹脂などの樹脂材料をコーティングした場合、研磨定盤が研磨によって発生する熱が研磨定盤に蓄積し、その熱によって熱膨張する場合がある。樹脂材料は熱膨張が非常に大きいため、研磨定盤の平面度が悪化し、その結果、研磨の圧力分布が悪くなり、研磨均一性が悪化するという問題があった。
また、こうした熱膨張を低減することや、研磨定盤の耐食性を向上させるために、セラミックスで研磨定盤を被覆する事例もある。(特許文献2)
しかし、セラミックスを表面に被覆する場合は、非常にコストが高くなるほか、セラミックスは気孔が形成されやすく、緻密な材料とすることは難しい。この気孔部分からスラリーが毛細管現象で浸透すると内部の母材が腐食する事態に進展し、セラミックスで被覆した意味をなさない。そのため、特許文献2においても封孔処理を施す必要性が記載されており、有機材料などを使用してセラミックスに存在する気孔を埋める処理を施すことが記載されている。
しかし、セラミックスを表面に被覆する場合は、非常にコストが高くなるほか、セラミックスは気孔が形成されやすく、緻密な材料とすることは難しい。この気孔部分からスラリーが毛細管現象で浸透すると内部の母材が腐食する事態に進展し、セラミックスで被覆した意味をなさない。そのため、特許文献2においても封孔処理を施す必要性が記載されており、有機材料などを使用してセラミックスに存在する気孔を埋める処理を施すことが記載されている。
しかし、このような処理を施す場合、被覆するだけで非常にコストが高くなる。また、研磨パッドの貼り付け、取り剥がしを幾度となく繰り返す中で、封孔処理をした有機材料が研磨パッドの両面テープに貼りつく問題なども考えられる。
また、研磨パッドを貼り付ける両面テープが、研磨定盤上に残った際に、それをアルコールによってふき取る作業を行うが、その作業によって封孔処理を施した有機材料などもともに剥がれ落ちることが考えられる。
このように、CMP装置用のプラテンにおいては、以下の課題を解決することが必要となる。
課題 (1)プラテンの交換においても、簡易に行うことができる程度の重量でないといけない。(2)研磨に使用するスラリーに対して、プラテン表面は耐腐食性がないといけない。(3)研磨定盤に被覆する層は、緻密な膜であり、腐食性の強いスラリーを使用しても内部にスラリーが浸透するようなことがあってはならない。(4)研磨パッドを剥がしやすく、また研磨パッドを貼り付け強度も十分確保できなければいけない。
(5)幾度となく研磨パッドを貼り付け・剥がすといった繰り返し作業に対しても、表面が荒れることや剥がれることなどがあってはならない。(6)研磨パッドを剥がした際に、研磨定盤側に残った両面テープを、適切なアルコールなどの溶剤を使用して、簡易にきれいにふき取ることが要求される。(7)研磨中の温度上昇においても、熱膨張によって表面の平面度が悪化することがない熱膨張および熱伝導・熱伝達を考慮した材料でなければならない。(8)高価なものではなく、簡便に安価な材料構成でなければならない。
しかし、未だ以上の要請を満足させるCMP装置用のプラテンは提案されていない。
そこで、以上の課題を克服するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、回転駆動されるプラテンに貼り付けられた研磨パッドにスラリーを供給しながら、研磨パッドにウェハを押し付けて研磨するCMP装置において、前記プラテンは、アルミニウム合金製の本体部と、該本体部の表面に被覆されたニッケル層とより形成されて成るCMP装置のプラテンを提供する。
この構成によれば、前記プラテンはアルミニウム合金製の本体部表面がニッケル層にて被覆されているので、プラテン自体の重量が軽いだけでなく、ニッケル層によりプラテンが緻密な膜で覆われる。ニッケル層によって、耐腐食性は十分確保されているが、さらにコーティング膜が緻密であるため、隙間からスラリーが染み込んで内部のアルミニウム合金が腐食することはない。さらに、プラテン表面の硬度も高くなる。そのため、プラテン表面に衝撃が加わったときに、打痕の形成は非常に小さく抑えることができる。
さらに、Niで被覆した表面は非常に緻密であるため、幾度となくパッドの交換を行っても表面が荒れたり剥がれたりといったことはない。また、ニッケル面に対して両面テープは非常に貼り付けやすく、また鏡面処理をしていれば、剥がすことも容易である。また、パッドを剥がした際に両面テープが残っていた場合も、アルコールを使用して簡便に表面についた両面テープを剥がすことが可能である。
さらに、貼り付けた後に気泡が入りにくく、気泡が入った場合でも、その気泡が過度に大きくなって一部剥がれるようなことは起こらない。さらに又、Niは熱膨張の点においても、テフロン(登録商標)などと比較すると熱膨張率は低く、研磨定盤の熱変形を抑えることが可能になる。
また、熱伝導もテフロン(登録商標)と比べるとよい。そのため、パッド表面に発生した熱がニッケルで被覆した層を介して、その下にあるアルミニウム合金にすぐさま拡散し、熱がこもることはない。また、母材はアルミニウム合金であるため重量が重たくないため、比較的プラテンを交換することは容易である。
請求項2記載の発明は、回転駆動されるプラテンに貼り付けられた研磨パッドにスラリーを供給しながら、研磨パッドにウェハを押し付けて研磨するCMP装置において、前記プラテンはアルミニウム合金製の本体部と、該本体部の表面に被覆されたニッケル層とより形成され、更に、前記ニッケル層の上には、前記研磨パッドに対して所要の剥離性能を有する剥離調整層が形成されているCMP装置のプラテンを提供する。
この構成によれば、上記請求項1記載の発明と同様に、前記プラテン自体の重量が軽くなるうえに、プラテン表面が高い耐腐食性を有し表面硬度も大きくなる。更に、前記ニッケル層に樹脂材料(非金属)等から成る剥離調整層を形成したので、前記研磨パッドの密着力と対応する材質の剥離調整層を選択することにより、研磨パッドの種類に応じた剥離性能の調整が可能になる。
請求項3記載の発明は、上記剥離調整層がフッ素樹脂により形成されている請求項2記載のCMP装置のプラテンを提供する。
この構成によれば、プラテンの表面はフッ素樹脂によりコーティングされるので、該フッ素樹脂の密着力に応じた剥離性能が付与され、特に、フッ素樹脂表面に酸素プラズマ処理を施すことにより、該フッ素樹脂の密着性の調整が可能になる。又、フッ素樹脂は耐薬品性が大きいので、スラリー等の薬液に対するプラテンの耐腐食性が高くなる。
請求項1記載の発明は、プラテンは軽量であるのでメンテナンス等の作業性が向上し、且つ、緻密なニッケル層で被覆されたプラテンは高い表面硬度を有し、プラテンにハンマー等が落下しても打痕が生じ難くなる。
更に、ニッケル層で表面が被覆されたプラテンは、スラリー等の薬液に対して高い耐腐食性を有するメリットがある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様に、軽量のプラテンはメンテナンス作業等が容易になり、且つ、研磨パッドに対する剥離性、及びスラリー等に対する耐腐食性の双方を両立させることができ、加えて、ニッケル層を所望の剥離調整層で被覆することにより、研磨パッドの種類に応じて剥離性能を容易に調整することができる。
請求項3記載の発明は、適度な剥離性と耐薬品性を有するフッ素樹脂によりプラテン表面の剥離調整層を形成したので、請求項2記載の発明の効果に加えて、プラテンの剥離性と耐腐食性の双方を一層向上させることができる。特に、該フッ素樹脂は酸素プラズマ処理を施すことにより、フッ素樹脂表面の密着性又は剥離性を自由に調整することができる。
本発明は、プラテンのメンテナンス作業性を向上させ、且つ、上記剥離性及び耐腐食性の双方を両立させるという目的を、回転駆動されるプラテンに貼り付けられた研磨パッドにスラリーを供給しながら、研磨パッドにウェハを押し付けて研磨するCMP装置において、前記プラテンはアルミニウム合金製の本体部と、該本体部の表面に被覆されたニッケル層とより形成され、更に、前記ニッケル層の上には、前記研磨パッドに対して所要の剥離性能を有する剥離調整層が形成されていることによって達成した。なお、前記ニッケル層は無電解めっき(化学めっき)又は電解めっきにて形成することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図1及び図2に従って説明する。本実施例は、回転駆動されるプラテンに貼り付けられた研磨パッドにスラリーを供給しながら、該研磨パッドにウェハを押し付けて研磨するCMP装置のプラテンに適用したものである。図1はCMP装置の全体構成を示す斜視図、図2(a),(b)はプラテンの構造を示す一部切欠横断面図である。
図1に示すように、CMP装置10は、プラテン(研磨定盤)11及びウェハ保持ヘッド12等より構成されている。前記プラテン11は円盤状に形成され、該プラテン11の上部には研磨パッド13が両面テープを介して貼り付けられている。
又、プラテン11の下部にはスピンドル14が連結され、該スピンドル14の下端部にはモータ15が連結されている。従って、モータ15によってスピンドル14を回転駆動することにより、前記プラテン11は図1の矢印A方向に回転する。そして、回転するプラテン11上の研磨パッド13には、供給ノズル9からスラリー(メカノケミカル研磨剤)Sが供給されるように構成されている。
前記ウェハ保持ヘッド12は、図示しない昇降装置によって昇降可能に設けられている。又、該ウェハ保持ヘッド12は、図示しない円盤状のヘッド本体、キャリア及びリテーナリンク等により成り、該キャリアにウェハ(図示せず)が着脱可能に保持されるように構成されている。
更に、ウェハ保持ヘッド12の上部には回転軸16が連結され、該回転軸16の上端部には図示しないモータが連結されている。従って、該モータによって回転軸16を回転駆動することにより、前記ウェハ保持ヘッド12は図1の矢印B方向に回転する。
上記CMP装置10によりウェハを研磨する際は、回転する研磨パッド13上面にスラリーSを供給しながら、ウェハ保持ヘッド12で保持されたウェハを研磨パッド13上面に押し付けることにより、ウェハの化学的機械的な研磨が実施される。
次に、本実施例の特徴部分であるプラテン11の具体的構造を図2(a)(b)によって詳述する。図2(a)に於いて、研磨パッド13が貼り付けられるプラテン11は、アルミニウム合金製の本体部17と、該本体部17の表面に被覆したニッケル層18とから成る。又、図2(b)は前記図2(a)に示すプラテン11のニッケル層18の上に剥離調整層19を装着して成るプラテン11aを示す。
前記剥離調整層19は、研磨パッド13に対して所要の密着力(剥離性能)を有する材料から成る。本実施例では、剥離調整層19はフッ素樹脂から形成されている。このフッ素樹脂としては、必要に応じて四フッ化エチレン樹脂、六フッ化エチレン樹脂又はパーフロロアルキコシ樹脂等を適宜採択することができる。
この場合、従来のアルミニウム合金上に剥離調整層としてフッ素樹脂を設けた場合、密着性が悪い問題があった。そのため、アルミニウム合金表面に、陽極酸化処理を施す必要があったが、その場合でも、尚密着性が多少不足するところもあり、ある程度厚いフッ素樹脂をコーティングする必要があった。しかし、フッ素樹脂が厚いと先に述べたような熱膨張の問題があり、平面度が悪化する。
ここで、剥離調整層としている部分は、非常に薄いフッ素樹脂から形成されたものである。ニッケル表面を微小にブラスト程度で粗し、その上に薄く100μm以下の厚みでフッ素樹脂をコーティングするものである。それによって、表面のコーティング材の熱膨張は問題にならない。
上記構成のプラテン11の製造においては、先ず、アルミニウム合金製の本体部17の表面に洗浄等の前処理を行った後に、該本体部17上面に無電解ニッケル−りんめっきを施すことにより、耐腐食性及び耐磨耗性に優れたニッケル層18を均一に形成することができる。
ここに、無電解ニッケル−りんめっきとは、ニッケル金属のカソード析出と還元剤のアノード酸化が同時に起こる条件で化学的に進行するメッキ方法であって、還元剤の放出する電子をニッケルイオンが受け取ることによって、アルミニウム合金製の本体部17表面にてニッケルの析出が自動的に進行する。尚、ニッケルの一部はアルミニウム合金のピンホールに入って埋め込まれるため、両者の結合強度が増大する。
無電解メッキにより形成されたニッケル層18は緻密な表面を有し、アルミニウム合金に比べて表面硬度が高い(例えば、ビッカース硬度500〜900Hv)。従って、プラテン11(11a)は、アルミニウム合金製の本体部17表面にニッケル層18がコーティングされているので、プラテン11の重量が軽いうえに、高い表面硬度を有し打痕の入りにくい構造となっている。
次に、ニッケル層18の上にはフッ素樹脂から成る剥離調整層19を形成する。この場合、該剥離調整層19は、例えば、電着塗装によりニッケル層18表面に形成することができる。この剥離調整層19はニッケル層18に比べて硬度が小さいが、アルカリ性又は酸性の物質に対して不活性である。従って、ウェハ研磨時に、アルカリ性又は酸性のスラリーが剥離調整層19に長時間接触した場合でも、スラリーによって剥離調整層19が腐食劣化することはない。また、この場合、ニッケル層18に少しサンドブラスト処理などを行っても良い。
フッ素樹脂からなる剥離調整層19は極薄い膜で形成され、ニッケル表面と強固に密着する。この場合、研磨パッド13を幾度となく貼り付け、剥がしを行っても剥離調整層19だけが剥がれることはない。また、表面に研磨パッド13の両面テープが残った場合でも、アルコールでふき取ることにより、容易に表面をきれいに保つことが可能となる。
耐食性自体はニッケルであっても十分ではあるが、フッ素樹脂を薄く形成することによって、多少耐食性も向上する。しかし、剥離調整層19は、ニッケル被覆の場合研磨パッド13の両面テープが強固に密着することを多少和らげる働きをモータすることにある。
薄い剥離調整層19は、ニッケルの強固な接着特を確保しながら、フッ素樹脂により少し剥がしやすくすることを狙ったものである。当然研磨中に研磨パッド13が剥がれることがない程度に、接着強度を緩和するものであり、その接着強度は、フッ素樹脂の被覆厚みを薄くすることによって、調整することができる。
尚、ニッケル層18に剥離調整層19を形成した際、該ニッケル層18表面のピンホールに剥離調整層19の一部が埋まることにより、該剥離調整層19のニッケル層18に対する結合力が大きくなり、両者の一体強度が増大する。
以上説明したように、本実施例によれば、プラテン11はアルミニウム合金製の本体部17を主体とするので、プラテン11自体の重量が軽く、プラテン11のメンテナンス作業又は交換作業を容易に行うことができる。
又、アルミニウム合金製の本体部17表面に緻密なニッケル層18を形成したので、プラテン11自体の硬度が高くなる。従って、例えば、プラテン11又は研磨パッド13の交換作業時に、作業者がハンマー等の工具を誤ってプラテン11上に落とした場合でも、プラテン11表面に打痕が生じ難いという効果を有する。
又、ニッケル層18の上には、非金属から成る剥離調整層19が形成されている。従って、所望の密着性を有する剥離調整層19を選定して形成することにより、研磨パッド13に対する剥離性能を適宜調整することができる。例えば、ウェハ研磨中に研磨パッド13がプラテン11から剥離せず、且つ、該プラテン11に対する研磨パッド13の貼り替えを容易に行える程度の剥離強度に適宜調整することができる。
本実施例では、剥離調整層19を滑らかなフッ素樹脂により形成したので、密着力の高い研磨パッド13の交換作業を容易に実行することができる。この場合、フッ素樹脂は酸素プラズマ処理を施すことにより、フッ素樹脂表面の密着性又は剥離性を自由に調整することができる。又、フッ素樹脂は薬液Lに対して不活性であるので、アルカリ性又は酸性のスラリー等に対するプラテン11の耐腐食性が一層向上する。
尚、剥離調整層19中のピンホールから薬液Lが一部しみ込むことがあるが、プラテン11の本体部17表面がニッケル層18により被覆されているので、前記薬液Lによってプラテン11が腐食する虞はない。
斯くして、本実施例によれば、プラテン11のメンテナンスの容易性、研磨パッド13に対する剥離性、並びに、スラリー等の薬液Lに対する耐腐食性の全てを兼ね備えたCMP装置10のプラテン11を提供することができた。
上記実施例では剥離調整層19をフッ素樹脂により形成したが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂、ウレタン樹脂などにより形成することもできる。
本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
10 CMP装置
11,11a プラテン(研磨定盤)
12 ウェハ保持ヘッド
13 研磨パッド
14 スピンドル
15 モータ
17 アルミニウム合金製の本体部
18 ニッケル層
19 剥離調整層(フッ素樹脂層)
11,11a プラテン(研磨定盤)
12 ウェハ保持ヘッド
13 研磨パッド
14 スピンドル
15 モータ
17 アルミニウム合金製の本体部
18 ニッケル層
19 剥離調整層(フッ素樹脂層)
Claims (3)
- 回転駆動されるプラテンに貼り付けられた研磨パッドにスラリーを供給しながら、該研磨パッドにウェハを押し付けて研磨するCMP装置において、
前記プラテンはアルミニウム合金製の本体部と、該本体部の表面に被覆されたニッケル層とより形成されていることを特徴とするCMP装置のプラテン。 - 回転駆動されるプラテンに貼り付けられた研磨パッドにスラリーを供給しながら、該研磨パッドにウェハを押し付けて研磨するCMP装置において、
前記プラテンはアルミニウム合金製の本体部と、該本体部の表面に被覆されたニッケル層とより形成され、更に、該ニッケル層の上には、前記研磨パッドに対して所要の剥離性能を有する剥離調整層が形成されていることを特徴とするCMP装置のプラテン。 - 上記剥離調整層がフッ素樹脂により形成されていることを特徴とする請求項2記載のCMP装置のプラテン。
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2007
- 2007-03-28 JP JP2007085758A patent/JP2008238375A/ja active Pending
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