JP5082113B2 - 被研磨物保持用キャリアおよびその製造方法 - Google Patents
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(1)キャリア本体表面の鏡面仕上げには、多くの作業時間を要し、コストアップとなる。特に0.1μm厚さのDLC薄膜を形成する際、僅かな研磨疵が存在しても、その箇所がDLC薄膜の欠陥原因となることが多い。
(2)DLC薄膜は、炭化水素系のガスから生成する炭素と水素を主成分とするアモルファス状の固形物であるから、成膜時に大きな残留応力を内蔵しており、剥離しやすいという問題がある。とくに、板厚の薄いキャリア本体の表面が鏡面だと、該キャリア本体が大きな変形応力を受けるので、この本体表面に被覆したDLC薄膜の場合、よけいに剥離しやすくなる。この点、特許文献3では、DLC薄膜の残留応力を0.5MPa以下に制限することを提案しているが、このような低残留応力のDLC薄膜の形成、それにはプラズマCVD法の適用が条件となることを明らかにしている。
(3)なお、図2は、本発明に係る加工ブラスト処理を施したSUS304鋼製キャリア本体の表面と電解研磨、ポリッシング(バフ研磨)などの鏡面研磨したキャリア本体の表面を電子顕微鏡で観察した結果を示したものである。本発明に適合する加工ブラスト処理面(a)は、微細な凹凸が視野の全域にわたって均等に発生している。これに対し、電解研磨面(b)は平滑であり、また、ポリッシング面(c)は、平滑な面に僅かなバフ研磨跡が見られる。
これらの拡大写真から明らかなように、本発明に従い加工ブラスト処理をした面、即ち、粗面化・加工層は、微細な凹凸の存在によって、この表面に形成されるDLC膜との接合面積が飛躍的に増大しているので、キャリア本体の取扱時に、多少の変形や引張り、圧縮などの負荷が加味されてもDLC膜が剥離しにくくなることがわかる。
(4)DLC薄膜のみを再成させる場合、残存するDLC薄膜の除去が困難な上に、さらに鏡面仕上げをしていくために長時間を要し、作業能率の低下を招いて、製品のコストアップを招く。
(5)また、従来のDLC薄膜は、水に濡れにくい疎水性を示すため、水スラリー状の研磨剤(例えば、コロイダルシリカを分散させた水)が膜表面に均等に分散されず、シリコンウエハ表面に対しても不均等に接触するため、研磨面の仕上げ精度が落ちることが指摘されている。即ち、研磨面が局所的となって、均等な鏡面が得られず、研磨面の平行度(平坦度)が低下するので、所定の研磨面に仕上げるのに長時間を要するという問題がある。
(6)このように、最近のキャリアは大型化している上、薄い金属で製作されており、さらに大小さまざまな孔を多数配設しているため、その取扱い時に大きく変形することが避けられず、DLC薄膜に割れや局部剥離が発生しやすいという問題があった。
(1)キャリア本体の表面を鏡面仕上げせず、逆に、研削粒子を吹き付けて何らかの表面改質を行う処理(以下、「加工ブラスト処理」という)を施すことにより、該表面を粗面化すると同時に該表面の応力付加や加工硬化を施し、その表面を粗面化・加工層に改質した上で、DLC薄膜を被覆形成すると、膜の付着力を向上させることができる。
(2)キャリア本体表面は、上記加工ブラスト処理によって、キャリア本体に圧縮残留応力を付加もしくは加工硬化させることができ、このことによってキャリア本体の剛性を高めることができ、キャリア本体の変形度を小さくすることができる。
(3)粗面化・加工層を有するキャリア本体上に形成したDLC薄膜は、その粗面化・加工層の影響を受けて、ミクロ的には緩やかな凹凸が形成されることから、シリコンウエハ研磨時には研磨材粒子が凹部に滞留することになって研磨効率が向上する。
(4)金属酸化物微粒子を含むDLC薄膜では、その表面が親水性に変化するため、水スラリー研磨剤の濡れ性能が向上し、シリコンウエハの研磨効率が向上する。
(5)アモルファス状の固形膜からなるDLC薄膜は、水素含有量を12〜30at%(原子%)に制御することによって、DLC薄膜自体に耐磨耗性とともに柔軟性を付与され、キャリア本体の変形に追随可能な膜質となる。
(1)前記粗面化・加工層は、粒径が3〜80μmの研削粒子を吹き付けることによって形成されたものであること、
(2)前記DLC薄膜は、前記粗面化・加工層の粗さRz(0.09〜1.99μm)を超え20μm以下の膜厚を有すること
(3)前記DLC薄膜は、水素含有量が13〜30原子%で残部が炭素からなり、かつ金属酸化物の微粒子を含有する皮膜であること、
(4)前記DLC薄膜は、内数で、0.1〜15原子%の金属酸化物微粒子を含むものであること、
(5)DLC薄膜中に含まれる前記金属酸化物微粒子は、平均粒径が5Å(5×10 −10 m)未満のSi、Al、YおよびMgのうちから選ばれる1種以上の金属・合金の酸化物であること、
(6)前記金属製キャリア本体は、アルミニウム合金、チタン合金、ステンレス鋼、SK鋼、SKH鋼などの特殊鋼のうちから選ばれるいずれか一種以上の金属・合金からなること、
が好ましい解決手段である。
(1)前記粗面化・加工層は、炭化物、酸化物、窒化物等のセラミックおよび/またはセラミックと金属からなるサーメットの粒径3〜80μmの研削粒子を吹き付けることにより、キャリア本体の表面に、微細な凹凸を有する粗面とするとともに、圧縮残留応力の付加もしくは加工硬化のいずれか少なくとも一方を発現させた層であること、
(2)前記DLC薄膜は、水素含有量が13〜30原子%で残部が炭素からなり、かつ1〜15原子%の金属酸化物の微粒子を含有するものであること、
(3)前記DLC薄膜は、プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法のいずれか一種の方法により、キャリア本体の表面に、被覆形成すること、
(4)前記DLC薄膜は、有機金属化合物ガスを気相析出法により、水素と炭素の他、金属の微粒子を共析させて得られた金属酸化物を含むものであること、
が好ましい実施形態である。
(1)本発明において採用される加工ブラスト処理は、従来技術の鏡面仕上げ処理に比較して容易であり、処理時間が短縮され生産性が向上する。
(2)本発明において、粗面化・加工層上に形成されたDLC薄膜は、接着面積が大きくなるため、鏡面仕上げ面に形成されたDLC薄膜に比べて密着力が大きい。
(3)上記粗面化・加工層は、キャリア本体表面を加工ブラスト処理して形成されるので、少なくともその表面は加工硬化することに加え、圧縮残留応力も発生するため、該キャリア本体の剛性が上昇する。その結果、キャリア本体の取扱い時に、変形するようなことがなくなり、ハンドリング等が容易になる。
(4)本発明のキャリアは、取扱い時の変形が少ないので、その表面に形成したDLC薄膜に大きな残留応力が発生しても剥離することがなくなる。その結果、DLC薄膜の形成方法として、プラズマCVD法だけでなく、イオン化蒸着法、アークイオンプレーティング法、プラズマブースター法、など多くの方法を採用することができる。
(5)本発明によれば、取扱い時の変形が少ないキャリアが得られるので、これに取付けたシリコンウエハは、変形に伴う応力を受けにくくなる。そのため、従来のように、取扱い時にシリコンウエハがキャリアから外れるようなことがなくなる。
(6)本発明において、粗面化・加工層上に形成されたDLC薄膜は、キャリア本体表面の影響を受けて、微視的な凹凸を保ちつつ、シリコンウエハの研磨に必要な平坦度を有する表面となるため、シリコンウエハを研磨する際に、水スラリ研磨剤に含まれているコロイダルシリカなどの超微粒子(0.01〜0.1μm)が凹部に残留しやすくなる。しかも、このような凹部はDLC薄膜表面に均等に存在するため、シリコンウエハの研磨効率が向上するのみならず、研磨自身も均等に行われ品質も改善される。
(7)本発明で用いられるDLC薄膜は、金属酸化物微粒子を含むため親水性を示すから、水スラリ研磨剤全体が該DLC薄膜表面を完全に被覆するように濡れることから、前記(3)の効果が一段と向上する。
(8)上記加工ブラスト処理は、新しいキャリア本体に対するDLC薄膜の形成時のみならず、DLC薄膜の除去法としても極めて有効であるから、これがそのままDLC薄膜の再成用の前処理としても使用することができ、コスト的に有利である。
(1)金属製キャリア本体表面に粗面化・加工層を形成するための処理
以下は、金属製キャリアとして、ステンレス鋼(SUS304)を用いた例について説明する。金属製キャリアは、一般に、0.5〜1.0mm程度の厚さに仕上げられ、その外観は、図1に示したように、大小幾つもの円形または不定形な孔が配設されているものである。このように金属製キャリアは、薄いため、これを持ち運びする際に、大きく湾曲(変形)するという特性がある。
算術平均粗さRa:0.05〜0.85μm
十点平均粗さRz:0.09〜1.99μm
なお、圧縮空気の圧力が0.2MPaより低い場合には、加工ブラスト処理の時間が長くなるうえ、均等な粗面が得られにくい。一方、0.5MPaより強い圧力の圧縮空気を用いると金属製キャリア本体が変形するので好ましくない。
加工ブラスト処理を施した金属製キャリア本体には、次のような特徴がある。
(a)加工ブラスト処理(研削粒子の吹付け処理)によって、キャリア本体の被処理面は、微細な凹凸を有する粗面となるほか、圧縮残留応力が発生するとともに加工硬化するため、キャリア本体の剛性が高まる。その結果、キャリアを運搬したり、取り扱う時に生じる“撓み”や“ねじれ”などの変形が抑えられるようになる。従って、キャリア本体の表面を鏡面仕上げしたものに比べると、その表面に形成したDLC薄膜に発生する割れや剥離現象による損傷率を低下させることができる。
上述した加工ブラスト処理の効果を上げるためのキャリア本体としては、次のものが考えられる。例えば、SUS304を代表とする各種ステンレス鋼、チタンおよびチタン合金、アルミニウムおよびその合金、SK鋼、SKH鋼、SUJ鋼などの特殊鋼などが特に好適である。
研削粒子を吹き付けて形成したキャリア本体の粗面化・加工層の表面に、DLC薄膜を被覆形成する方法およびその装置について具体的に説明する。本発明では、イオン化蒸着法、アークイオンプレーティング法、プラズマブースター法および高周波・高電圧パルス重畳型プラズマCVD法(以下、単に「プラズマCVD法」という)の何れかの方法によってもDLC薄膜の形成はが可能である。ただし、以下の説明は、プラズマCVD法について説明する。
(b)炭化水素ガスから変化したイオンおよびラジカルは、負の電圧が印加されたキャリア本体42の表面に衝撃的に衝突し、
(c)衝突時のエネルギーによって、結合エネルギーの小さいC−H間が切断され、その後、活性化されたCとHが重合反応を繰り返して高分子化し、炭素と水素を主成分とするアモルファス状の炭素水素固形物を気相析出し、
(d)そして、上記(c)の反応が起こると、キャリア本体42表面には、アモルファス状炭素水素固形物の堆積層からなるDLC薄膜が形成されることになる。
(a)イオン注入を重点的に行う場合:10〜40kV
(b)イオン注入と皮膜形成の両方を行う場合:5〜20kV
(c)皮膜形成のみを行う場合:数百V〜数kV
(d)スパッタリングなどを重点的に行う場合:数百V〜数kV
パルス幅:1μsec〜10msec
パルス数:1〜複数回のパルスを繰り返すことも可能である。
CH4、CH2CH2、C2H2、CH3CH2CH3、CH3CH2CH2CH3
(ロ)常温で液相状態のもの
C6H5CH3、C6H5CH2CH、C6H4(CH3)2、CH3(CH2)4CH3、C6H12、C6H4Cl
(ハ)有機Si化合物(液相)
(C2H5O2)4Si、(CH3O)4Si、[(CH3)4Si]2O
上記のように粗面化・加工層を設けてなるキャリア表面に形成するDLC薄膜は、次に示すような特性を有する。
(a)前記DLC薄膜を構成する炭素と水素含有量の比率
DLC薄膜は、硬く耐摩耗性に優れているものの柔軟性に欠ける特性がある。このため、キャリア本体のように全体が大きくかつ薄い金属等でつくられ、しかも大小さまざまな孔が複数個設けられているものに対し、DLC薄膜を被覆すると、キャリアの持ち運び時に大きく変形したときに、延性に乏しいDLC薄膜にクラックが発生したり、ときには剥離することがある。この対策として、本発明ではDLC薄膜を構成する炭素と水素の割合に注目し、特に、水素含有量を全体の12〜30原子%(at%)に制御することによって、DLC薄膜に耐磨耗性とともに柔軟性を付与することとした。具体的には、このDLC薄膜中に含まれる水素含有量を12〜30原子%(at%)とし、残部を炭素含有量とした。このような組成のDLC薄膜を形成するには、成膜用の炭化水素系ガス中に占める水素含有量が異なる化合物を混合することによって果すことができる。
本発明では、前記DLC薄膜でも、十分な耐食性、耐摩耗性を示すと同時に、柔軟性を付与することができ、シリコンウエハの研磨用キャリアとして十分に実用可能である。しかし、本発明ではこのDLC薄膜について、さらに、金属微粒子を共析させかつこれをさらに酸化させて金属酸化物の微粒子とすることによって、その表面を親水性を示す表面に変化させ、シリコンウエハの研磨効率とその品質の向上を図ることにした。
図5に示した反応容器41内に導入するガスの種類は、炭素と水素とからなる炭化水素およびこれに所定の元素(SiやAl、Y、Mgなどから選ばれる一種類以上の金属もしくはこれらの合金)を結合させた有機金属化合物ガスである。
DLC薄膜中に共析した金属微粒子の酸化方法としては、
(a)酸素ガス中または酸素ガスを含むガス雰囲気中で加熱する、
(b)酸素ガスプラズマによって酸化させる、
のいずれかの方法によって行うことができる。以下これらの方法について説明する。
所定の微粒子(SiやAl、Y、Mgなどから選ばれる一種類以上の金属またはこれらの合金)を含むDLC薄膜を、空気中または酸素ガスを含む雰囲気での環境で加熱すると、このDLC薄膜に含まれている超微粒子は、膜の表面から酸化して酸化物に変化する。具体的には、Si→SiO2、Al→Al2O3、Y→Y2O3など化学的に安定な酸化物に変化して、親水性を発揮することとなる。この場合の加熱温度は、上限が500℃である。この温度を500℃以上に加熱すると、炭素と水素を主成分とするDLC薄膜が劣化するからである。加熱時間はDLC薄膜に含まれている微粒子の酸化物の変化速度に応じて決定されるが、たとえば0.1hr〜10hr程度である。なお、DLC薄膜に含まれている超微粒子がすべて酸化物に変化している場合は、それ以上加熱時間を長くするとDLC薄膜が熱的に劣化するおそれがある。
例えば、図5のプラズマCVD装置を用い、雰囲気ガスとして、酸素ガスまたはAr、Heなどに酸素ガスを含ませたガスを導入し、所定の超微粒子(SiやAl、Y、Mgなどから選ばれる一種類以上の金属もしくはこれらの合金)を含むDLC薄膜を有する基材を負に帯電させてプラズマを発生させるとDLC薄膜に含まれる超微粒子は、励起された酸素イオンの衝撃を受け、表面から次第に酸化物へと変化する。この方法はDLC薄膜の形成後、直ぐに製品に実施できるうえDLC薄膜が加熱されるおそれがないため、加熱酸化法に比較すると品質が安定しており、また生産性の向上につながるので有利である。
金属酸化物を含むDLC薄膜の水滴の接触角:25°〜30°
金属酸化物を含まないDLC薄膜の水滴の接触角:70°〜72°
この実施例では、SK鋼基材の表面を鏡面仕上したものと、加工ブラスト処理によって各種の表面粗さに仕上げられた粗面化・加工層に対して、直接、膜厚の異なる金属酸化物(SiO2)を含むDLC薄膜を形成した。次いで、これらの試験片を塩水噴霧試験に供して、基材の表面粗さとDLC薄膜の耐食性を調査した。
供試基材はSK鋼(SK60の焼きなまし材)とし、この基材から幅50mm×長さ70mm×厚さ2mmの試験片を作成した。その後、その試験片の全面に対して前処理として下記の加工ブラスト処理を実施したものについての表面粗さを示す。
(イ)加工ブラスト処理 Ra:0.05〜0.74μm、Rz:0.10〜5.55μm
(ロ)参考のために、鏡面仕上げに当たる以下の実験も行ったので併記する。
a.電解研磨 Ra:0.01〜0.013μm Rz:0.14〜0.16μm
b.バフ研磨 Ra:0.013〜0.015μm Rz:0.20〜0.29μm
なお、加工ブラスト処理は、研削粒子として粒径範囲5〜80μmのSiCを用い、これを0.3MPaの圧縮空気を用いて吹き付けたものである。
DLC薄膜の形成にはプラズマCVD法を用い、全ての試験片に対して、0.5〜20μm厚のDLC薄膜を形成させたが、DLC薄膜の表面近傍にSiO2酸化物粒子を0.2原子%共析させた。
DLC薄膜を形成させた試験片をJIS Z2371規定の塩水噴霧試験に96時間供し、試験後のDLC薄膜表面に発生する赤さびの有無を調査した。
試験結果を表2に要約した。この結果から明らかなように、鏡面加工である参考例の電解研磨面(No.10、11)およびバフ研磨面(No.12)の表面に形成したDLC薄膜試験片は0.5μmの膜でも赤さびの発生は認められなかった。
一方、本発明適合例である加工ブラスト処理によって粗面化した基材上に、DLC薄膜を形成した試験片では、表面粗さの影響を受け、Ra値またはRz値より薄いDLC薄膜(No.6、7、8、9)では耐食性が十分でなく、赤さびの発生がみられた。ただ、加工ブラスト処理面上のDLC薄膜も表面粗さのRz値よりも厚く成膜したもの(No.1〜8)では赤さびの発生はなく、十分な耐食性を発揮することが確認できた。
これに対し、参考例として示す鏡面に等しい電解研磨面(No.10、11)やバフ研磨面(No.12)の表面に形成したDLC薄膜試験片は、0.5μmの膜でも赤さびの発生はなかった。
この実施例ではステンレス鋼(SUS304)基材の表面に、水素含有量を変化させたDLC薄膜を形成し、SiO2を0.2原子%含む水素含有量と基材の曲げ変形に対する抵抗およびその後の耐食性の変化について調査した。
供試試験片はステンレス鋼(SUS304)とし、この基材から寸法幅15mm×長さ70mm×厚さ1.8mmの試験片を作成した。その後、この供試基材の全面に対し、加工ブラスト処理を施してRa:0.05〜0.21μm、Rz:0.1〜0.99μmの粗面化処理を行い、その粗面化・加工層における水素含有量が5〜50原子%で、残部が炭素成分である試験片を、1.5μm厚に形成した。
(2)試験方法およびその条件
DLC薄膜を形成させた試験片を中から180°に曲げ変形を与え(Uベンド形状)曲げ部のDLCの外観状況を20倍の拡大鏡で観察した。またその観察後の曲げ試験片を10%HCl水溶液中に浸漬し、室温21℃で48時間放置し、HCl水溶液の中に溶出するイオンによる色調の変化を調べた。
(3)試験結果
表3に試験結果を要約した。この試験結果から明らかなように、水素含有量の少なくないDLC皮膜は(試験片No.1、2、3)は180°の変形を与えるとクラックを発生したり、微小な面積であるが局所的に膜の脱落が見受けられた。これらのDLC薄膜は柔軟性に乏しいことが確認された。一方、曲げ試験後の試験片を10%HCl中に浸潰すると、クラックを発生したDLC薄膜(No.3)は、基材質のステンレス鋼から金属イオン(鉄を主成分とし、少量のCrとNiを含む)が溶出し、HCl水溶液は無色透明から黄緑色に変化した。これに対して水素含有量を1.5〜59原子%含むDLC薄膜(No.4〜8)を浸漬したHCl水溶液は、無色透明を維持しており、90°の変形を与えても柔軟性を有する膜は形成初期の状態を保っていることがわかった。
ただDLC薄膜中の水素含有量が多くなるほど軟質化するとともに、品質管理が困難となるので、本発明では水素含有量13〜30原子%の範囲を採用することとした。
この実施例では、SK鋼製基材の表面を鏡面仕上げしたものと、本発明にかかる加工ブラスト処理を施した粗面化・加工層を有する試験片の全面に対して各種の方法によってDLC薄膜を形成した。次いで、この試験片180°曲げ試験および塩水噴霧試験を行い、DLC薄膜の曲げ変形に対する抵抗性と耐食性を調査した。
供試基材はSK鋼(SK60焼きなまし材)とし、この基材から幅15mm×長さ70mm×厚さ1.8mmの試験片を作成した。その後この試験片の全面に対し、バフ研磨と加工ブラスト処理を行った。それぞれの処理後の粗さは下記の通りであった。
(イ)バフ研磨面の表面粗さ Ra:0.02〜0.08 Rz:0.66〜0.81
(ロ)加工ブラスト処理面の表面粗さ Ra:0.05〜0.81 Rz:0.72〜0.88
(2)DLC薄膜の形成方法
DLC薄膜を形成させる試験片を、中央を基点として180°に曲げ(Uベンド形状)、その曲げ部のDLC薄膜の外観状況を20倍の拡大鏡で観察した。また観察後の試験片をそのままの状態でJIS Z2371規定の塩水噴霧試験に96hr暴露して、DLC薄膜の変化を調べた。
(4)試験結果
表4に試験結果を要約した。この試験結果から明らかなように、試験片の表面をバフ研磨し、その上にDLC薄膜を形成したもの(No.1、3、5、7)はいずれもクラックを発生したり、微小ながらDLC薄膜の剥離も認められた。ただNo.7のプラズマCVD法で形成されたDLC薄膜のみクラックの発生は非常に少なく、基材との密着性は良好であった。
この実施例では、各種の金属酸化物微粒子を共析させたDLC薄膜の水濡れ状態を調査するとともに90°に曲げた状態におけるDLC薄膜の耐食性を調査した。
供試基材として、SK鋼を用い、寸法:幅30mm×長さ70mm×厚さ1.8mmの試験片を切り出し、その表面を加工ブラスト処理によってRa:0.07〜0.27μm、Rz:0.09〜0.95μmの粗面に仕上げた。
(2)DLC薄膜の性状
供試基材の全面に対して、下記金属をDLC薄膜中に共析させた後、酸素プラズマ処理によって酸化物に変化させた膜を2μm厚に形成させた。
(イ)共析させた酸化物の種類と共析状況
単独酸化物:SiO2、Y2O3、Al2O3、MgO
複合酸化物:SiO2/Y2O3、SiO2/Al2O3、Al2O3/Y2O3
なお、単独酸化物および複合酸化物のDLC薄膜中の含有量は、0.5原子%、複合酸化物における2種類の金属酸化物の含有比はそれぞれ1対1である。
また、DLC薄膜中の水素含有量は20原子%、残部は炭素である。
(3)試験方法
(イ)水漏れ試験:水濡れ試験は水道水を試験片の表面に滴下し、DLC薄膜表面における水濡れ状況を目視した。
(ロ)耐食性試験:試験片を中央部を起点として90°に曲げた後、JIS ZZ2371規定の塩水噴霧試験に96hr曝露し赤さびの発生の有無を調査した。
(4)試験結果
試験結果を表5に要約した。この試験結果から明らかなように、金属酸化物の微粒子を共析させたDLC薄膜に滴下した水は、全面に濡れるのに対し、酸化物を共析させていないDLC薄膜は、接触角の大きい水の塊となって、僅かな傾斜を与えただけで膜から落下した。また、試験片を90°に曲げた後、そのままの状態で塩水噴霧試験に供しても、DLC薄膜には赤さびの発生は認められなかった。この結果から、酸化物微粒子を共析したDLC薄膜は、多少の変形を受けても、膜自体にクラックや剥離現象を発生させず、酸化膜を含まないDLC薄膜と同等の耐食性を有することが確認された。
この実施例では、疎水性と親水性に調整したDLC薄膜を用い、その表面に対するSiウエハの研磨時に使用する水スラリ研磨剤の濡れ状況の相違を調査した。
供試基材として、ステンレス鋼(SUS304)を用い、寸法:幅50mm×長さ100mm×厚さ1.8mmの試験片を切り出し、その表面を加工ブラスト処理によってRa:0.06〜0.07μm、Rz:0.2〜0.9μmの粗面に仕上げた。
(2)DLC薄膜の性状
加工ブラスト処理後の供試基材の全面に対し、DLC薄膜を2.0μm厚に形成したが、その表面に対して下記に示すような処理によって親水性に変化させた。
(イ)疎水性DLC薄膜:水素含有量18原子%残部炭素からなる膜
(ロ)親水性DLC薄膜:上記DLC薄膜表面に金属酸化物の例としてSiO2を1.2原子%に共析させた薄膜
(3)試験方法
供試DLC薄膜試験片の表面にコロイダルシリカを含む水スラリ研磨剤を滴下した後、これを90℃の温風炉中に静置して、水分のみを蒸発させた。その後、DLC薄膜の表面に残留するコロイダルシリカ粒子の分布状況を20倍の拡大鏡により観察して、水漏れの良否を比較した。
(4)試験結果
表6に試験結果を要約した。この結果から明らかなように、疎水性を示すSiO2粒子を含まないDLC薄膜は水スラリ研磨剤を全面に滴下しても、直に大小の水溜状となって分散した。これに対してSiO2を共析させたDLC薄膜では、水スラリ研磨剤が全面に均等に濡れていた。温風炉によって水分を蒸発させた疎水性のDLC薄膜では、固形状の微細なコロイダルシリカ粒子が局所的に残留し、水濡れ面積が小さく、また不規則的分布状況にあることが認められた。これに対して、本発明に適合する親水性を付与したDLC薄膜では、コロイダルシリカが全面にわたって均等に分布しており、Siウエハの研磨時においても、均等な分布でSiウエハ表面に対して水スラリ研磨剤を供給できないことがうかがえる。
この実施例では、ステンレス鋼(SUS304)を基材とし、加工ブラスト処理面と鏡面研磨面とのそれぞれにSiO2酸化物粒子を共析させたDLC薄膜を形成した後、そのDLC薄膜の密着強さを評価した。
供試基材としてステンレス鋼から幅25mm×長さ30mm×厚さ3mmの試験片を切り出した後、下記の前処理を施した。
(イ)電解研磨:Ra:0.01〜0.014μm、Rz:0.11〜0.15μm
(ロ)加工ブラスト処理:Ra:0.05〜0.75μm、Rz:0.11〜0.96μm
(2)DLC薄膜の形成方法と膜厚
DLC薄膜の形成には、プラズマCVD法を用い、すべての試験片に対して膜厚2μmのDLC薄膜を形成した。
(3)試験方法
基材に対するDLC薄膜の密着性は、塗膜の密着力性試験として汎用されている描画試験を応用した。すなわち、一定の荷重を負荷したダイヤモンド針でDLC薄膜に直線の切り傷を付け、このときに発生するDLC薄膜の剥離の有無とその程度によって密着力を判定した。
(4)試験結果
試験結果を表7に要約した。この結果から明らかなように、本発明にかかる加工ブラスト処理を施して粗面化・加工層を形成したDLC薄膜(No.1、2)はダイヤモンド針によって引掻き疵は発生するものの、DLC薄膜の剥離はほとんど発生しない。これに対して鏡面仕上げ面に形成したDLC薄膜(No.3、4)では、引掻き傷の周辺に位置するDLC薄膜が大きく剥離した。これらの結果から、加工ブラスト処理による基材表面の粗面化処理はDLC薄膜の密着性向上に効果があることが確認された。なお、図8は、DLC薄膜の密着性試験後の外観状況を示したものである。
この実施例では、加工ブラスト処理面によって粗面化されたキャリア本体の剛性向上を定性的に調査するため実験を行った。
供試基材としてステンレス鋼(SUS304)を用い、これらを幅30mm×長さ200mm×厚さ1mmの試験片を切り出した。
(2)試験片に対する加工ブラスト処理
試験片の片面に対して、次に示すような加工ブラスト処理を行ったが、比較用の試験片として、電解研磨したステンレス鋼(SUS304)を用いた。
(イ)加工ブラスト処理によって、基材表面の粗さRa:0.05〜0.74μm、Rz:0.55〜0.95μmに粗面化されたもの
(ロ)電解研磨によって、Ra:0.013μm、Rz:016μmに鏡面仕上げされたもの
(3)試験方法
供試各種試験片を図9に示すように、試験片の一端を固定し、一方の先端部に1000gの分銅を乗せ、その重みで垂れ下がる試験片先端の変化幅を測定した。
(4)試験結果
試験結果を表8に要約した。この結果から明らかなように、加工ブラスト処理によって粗面化された試験片(No.1〜4)は、鏡面化された比較例の試験片に比べて変位幅が少なく、変形しにくいことが認められた。
この実施例では、実施例5と同じキャリア本体を用いて、直径200m、厚さ0.5mmのSiウエハを研磨して、本発明にかかるDLC薄膜の効果を調査した。キャリア本体の全面に対して下記の前処理とDLC薄膜を形成した。
加工ブラスト処理によって、キャリア本体の表面を、Ra:0.07〜0.10μm、Rz:0.90〜0.95の粗面化させた後、その上に、SiO2微粒子を含むDLC薄膜を5μm厚に形成した。SiO2微粒子の含有量は、0.5原子%、水素含有量は16原子%、残部からなる組成のDLC薄膜である。
(2)比較例の前処理とDLC薄膜の性状
バフ研磨によってキャリア本体の表面をRa:0.02〜0.10μm、Rz:0.11〜0.16の鏡面に仕上げた後、その上にSiO2微粒子を含まないDLC薄膜を5μm厚に形成した。このDLC薄膜中の水素含有量は15原子%、残部は炭素である。
(3)試験結果
コロイダルシリカを研磨剤とする水スラリー研磨剤を用いて、シリコンウエハの研磨を行なった結果、本発明のDLC薄膜を形成したキャリア本体を用いた場合、シリコンウエハの表面をnmに仕上げるのに約23分で終了したのに対し、比較例のDLC薄膜を被覆したキャリア本体では65分を要した。
2 研磨材の供給孔
3 外周歯
4 抜き孔
5 DLC薄膜を形成するキャリアの表面
21 キャリア本体
22 Raで表示される粗さ
23 Rzで表示される粗さ
24 DLC薄膜
25 DLC薄膜で被覆できなかったRzで表示される粗さの凸部
41 反応容器
42 被処理体(キャリア本体)
43 導体
44 高電圧パルス発生源
45 プラズマ発生源
46 重畳装置
47a、48b バルブ
48 アース線
49 高電圧導入端子
61 基材
62 DLC薄膜
63 SiO2粒子を含むDLC薄膜
64 コロイダルシリカを含む水スラリ研磨剤
65 残留したコロイダルシリカ粉末
Claims (12)
- 粗面化・加工層を有する金属製キャリア本体の表面に、その粗面化・加工層を介して金属酸化物微粒子を含有するDLC薄膜を被覆形成してなり、
前記粗面化・加工層は、表面粗さが、Ra値で0.05〜0.85μm、Rz値で0.09〜1.99μmの範囲内に調整された微細な凹凸からなる粗面化層であるとともに圧縮残留応力もしくは加工硬化のいずれか少なくとも一方が発現した加工層であり、その高さ方向のゆがみを示す粗さ曲線のスキューネス値Rskが±1未満の範囲にあることを特徴とする被研磨物保持用キャリア。 - 前記粗面化・加工層は、粒径が3〜80μmの研削粒子を吹き付けることによって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の被研磨物保持用キャリア。
- 前記DLC薄膜は、前記粗面化・加工層の粗さRzを超え20μm以下の膜厚を有することを特徴とする請求項1または2に記載の被研磨物保持用キャリア。
- 前記DLC薄膜は、水素含有量が13〜30原子%で残部が炭素からなり、かつ金属酸化物の微粒子を含有する皮膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の被研磨物保持用キャリア。
- 前記DLC薄膜は、内数で、0.1〜15原子%の金属酸化物微粒子を含むものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の被研磨物保持用キャリア。
- 前記金属酸化物微粒子は、平均粒径が5Å未満のSi、Al、YおよびMgのうちから選ばれる1種以上の金属・合金の酸化物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の被研磨物保持用キャリア。
- 前記金属製キャリア本体は、アルミニウム合金、チタン合金、ステンレス鋼、SK鋼、SKH鋼などの特殊鋼のうちから選ばれるいずれか一種以上の金属・合金からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の被研磨物保持用キャリア。
- 0.2〜0.5MPaの圧縮空気を用いて、金属製キャリア本体の表面に対して、60〜90°の角度で研削粒子を吹付けることにより該金属製キャリア本体の表面に粗面化・加工層を形成し、その表面粗さを、Ra値で0.05〜0.85μm、Rz値で0.09〜1.99μmの範囲内に調整するとともに、その高さ方向のゆがみを示す粗さ曲線のスキューネス値Rskを±1未満の範囲にし、その粗面化・加工層の表面に、金属酸化物微粒子を含有するDLC薄膜を被覆形成したことを特徴とする被研磨物保持用キャリアの製造方法。
- 前記粗面化・加工層は、炭化物、酸化物、窒化物等のセラミックおよび/またはサーメットからなる粒径3〜80μmの研削粒子を吹き付けることにより、キャリア本体の表面に、微細な凹凸を有する粗面にするとともに、圧縮残留応力の付加もしくは加工硬化のいずれか少なくとも一方を発現させた層であることを特徴とする請求項8に記載の被研磨物保持用キャリアの製造方法。
- 前記DLC薄膜は、水素含有量が13〜30原子%で残部が炭素からなり、かつ1〜15原子%の金属酸化物の微粒子を含有するものであることを特徴とする請求項8または9に記載の被研磨物保持用キャリアの製造方法。
- 前記DLC薄膜は、プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法のいずれか一種の方法により、キャリア本体の表面に被覆形成することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1に記載の被研磨物保持用キャリアの製造方法。
- 前記DLC薄膜は、有機金属化合物ガスを気相析出法により、水素と炭素の他、金属の微粒子を共析させて得られた金属酸化物を含むものであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1に記載の被研磨物保持用キャリアの製造方法。
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