JP2008236843A - モータ駆動回路、駆動方法ならびにそれらを用いたディスク装置 - Google Patents

モータ駆動回路、駆動方法ならびにそれらを用いたディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ゼロクロス点を精度よく検出する。
【解決手段】パルス生成部60は、モータの目標トルクに応じてデューティ比が変化するPWM信号Spwmを生成する。逆起検出回路20は、多相モータの少なくとも1つのコイルに発生する逆起電圧Vuを、コイルの中点電圧Vcomと比較してゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングでハイレベルとなる逆起検出信号を出力する。パルス調節部80は、逆起検出信号BEMF_EDGEと、所定のタイミングでハイレベルとなる基準信号REFの位相誤差Δφが最小となり、かつ、PWM信号Spwmの周波数が逆起検出信号BEMF_EDGEの周波数の整数倍となるように、PWM信号Spwmの周波数および位相を調節する。
【選択図】図4

Description

本発明は、センサレスモータを制御するモータ駆動回路に関する。
ポータブルCD(Compact Disc)装置や、DVD(Digital Versatile Disc)など、ディスク型メディアを使用した電子機器において、そのディスクを回転させるためにブラシレス直流モータが用いられる。ブラシレス直流モータは、一般に、永久磁石を備えたロータと、スター結線された複数の相のコイルを備えたステータとを備えており、コイルに供給する電流を制御することによりコイルを励磁し、ロータをステータに対して相対回転させて駆動する。ブラシレスDCモータは、ロータの回転位置を検出するために、一般に、ホール素子や光学エンコーダなどのセンサを備えており、センサにより検出された位置に応じて、各相のコイルに供給する電流を切り換えて、ロータに適切なトルクを与える。
モータをより小型化するために、ホール素子などのセンサを利用せずにロータの回転位置を検出するセンサレスモータも提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)。センサレスモータは、たとえばモータの中点配線の電位(以下、中点電圧という)と、コイルの一端に発生する逆起電圧(誘導電圧)をモニタし、中点電圧と等しくなるゼロクロス点を検出することにより位置情報を得る。
特開平3−207250号公報 特開平10−243685号公報 特開平11−75388号公報
図1(a)〜(c)は、パルス変調駆動する場合のゼロクロス点の検出の様子を示すタイムチャートである。図1(a)は、パルス変調された信号PWMを、同図(b)は、ゼロクロス点の検出対象となるコイルに発生する相電圧(以下、逆起電圧Vuともいう)および中点電圧Vcomを、同図(c)は、逆起検出信号BEMF_EDGEの波形図を示す。図1(a)〜(c)は、モータのコイルに流れる電流を、正弦波状、あるいはアーチ状に連続的に変化させる目的で、モータのコイルに印加する電圧を、パルス変調により制御している。
図1(b)に示すように、ゼロクロス点の検出対象となるコイルに発生する逆起電圧Vuには、同図(a)に示すパルス変調された信号のオフからオンへの遷移のタイミング、あるいはオンからオフのタイミングでノイズ成分が現れる。このノイズ成分によって、相電圧Vuと中点電圧Vcomを比較して得られる逆起検出信号がハイレベルとローレベルを繰り返し、ゼロクロス点が誤検出されてしまう。ゼロクロス点の誤検出は、ロータの位置の誤検出に他ならないため、回転精度の悪化や、回転不良などの問題を引き起こす。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その包括的な目的は、モータをパルス変調して駆動する際の、ゼロクロス点の正確な検出技術の提供にある。
本発明のある態様は、多相モータに駆動電流を供給して駆動するモータ駆動回路に関する。このモータ駆動回路は、多相モータのコイルごとに設けられ、接続されたコイルの一端に、ハイレベルまたはローレベルの電圧を印加する複数のスイッチング回路と、多相モータの目標トルクに応じてデューティ比が変化するパルス変調信号を生成するパルス変調信号生成部と、多相モータの少なくとも1つのコイルに発生する逆起電圧を、コイルの中点電圧と比較してゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングで所定レベルとなる逆起検出信号を出力する逆起検出回路と、パルス変調信号生成部からのパルス変調信号と、逆起検出回路からの逆起検出信号と、を受け、逆起検出信号にもとづいて駆動する相を切り替えるシーケンス制御を行うとともに、パルス変調信号にもとづいて、駆動対象のスイッチング回路に含まれるハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの少なくとも一方をスイッチング制御するスイッチング制御部と、逆起検出信号が所定レベルになるタイミングと、所定の基準タイミングを比較し、2つのタイミングの位相誤差が最小となり、かつ、パルス変調信号の周波数が逆起検出信号の周波数の整数倍となるように、パルス変調信号の周波数および位相を調節するパルス調節部と、を備える。
「パルス変調」とは、パルス幅変調(PWM)、パルス周波数変調(PFM)、パルス位置変調(PPM)など、パルスのハイレベルとローレベルの期間の比率、すなわちデューティ比が変化する信号を利用した変調をいう。
この態様によると、逆起検出信号の周波数とパルス変調信号の周波数が整数倍となり、かつ、逆起検出信号が示すゼロクロス点のタイミングが基準信号のタイミングと一致するようにフィードバックがかかり、パルス変調信号の周波数および位相が調節される。したがって、ゼロクロス点を検出するタイミングを、基準信号のタイミング付近に設定することにより、ゼロクロス点を少ない遅延で精度よく検出することができる。
パルス調節部は、逆起検出信号の毎回の周波数を検出し、その誤差に応じた周波数誤差データを生成する周波数誤差検出部と、逆起検出信号が所定レベルとなるタイミングと、所定の基準タイミングの位相誤差を検出し、位相誤差に応じた位相誤差データを生成する位相誤差検出部と、を含み、周波数誤差データと位相誤差データにもとづいて、パルス変調信号の周波数および位相を調節してもよい。
パルス変調信号生成部は、逆起検出信号の周期より短い所定の周期でカウントアップまたはカウントダウン動作を繰り返す変調カウンタを含み、変調カウンタによるカウント値と目標トルクを示すトルク信号の値の大小関係に応じてレベルが遷移するパルス変調信号を生成してもよい。パルス調節部は、周波数誤差データと位相誤差データにもとづくタイミングで、変調カウンタをセットするカウンタセット部を含んでもよい。
「カウンタをセットする」とは、カウント値を初期値に設定することをいう。
この場合、カウント値はのこぎり波状の波形となるため、トルク信号の値でスライスすることによりパルス幅変調されたパルス変調信号を生成することができる。のこぎり波の頂点の個数は、パルス変調信号の周波数に対応するから、逆起検出信号の1周期に、整数個ののこぎり波が含まれるように変調カウンタをセットすることにより、パルス変調信号の周波数および位相を調節することができる。
パルス調節部は、変調カウンタと同じ周期で動作するフリーランカウンタをさらに含んでもよい。周波数誤差検出部は、i(iは任意の自然数)回目に逆起検出信号が所定レベルとなる時刻におけるフリーランカウンタのカウント値P[i]をモニタし、その前の(i−1)回目に逆起検出信号が所定レベルとなる時刻におけるフリーランカウンタのカウント値P[i−1]との差分ΔP[i]=P[i]−P[i−1]を毎回演算し、今回の差分ΔP[i]と、前回の差分ΔP[i−1]=P[i−1]−P[i−2]で示される周波数誤差δF[i]=ΔP[i]−ΔP[i−1]を、周波数誤差データとして出力してもよい。
フリーランカウンタは、セットされることなく同じ周期でカウントアップまたはカウントダウンを繰り返す。モータが一定の回転数で回転するとき、逆起検出信号の所定レベルとなる時間間隔(つまり周波数)は一定である。したがって、モータの回転数が一定のとき、カウント値の差分ΔPは一定となる。逆に言えば、モータの回転数が変化すると、モニタされる差分ΔPが変化することになる。
この態様によれば、逆起検出信号の周波数(モータの回転数)の変動をモニタすることができ、その変動に応じて変調カウンタをセットするタイミングを調節することにより、パルス変調信号の周波数を逆起検出信号の周波数の整数倍に設定することができる。
ある態様のモータ駆動回路は、パルス変調信号が、スイッチング回路に含まれるハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの少なくとも一方のオン状態を示すレベルとなるオン期間中の検出期間の間、所定レベルとなって逆起検出回路によるゼロクロス点の検出を有効化するマスク信号を生成するマスク信号生成部と、マスク信号によりゼロクロス点の検出が有効化される検出期間中に所定レベルとなり、基準タイミングを規定する基準信号を生成する基準信号生成部と、をさらに備えてもよい。パルス調節部は、逆起検出信号と基準信号の位相誤差を検出し、位相誤差に応じた位相誤差データを生成してもよい。
本発明の別の態様も、多相モータに駆動電流を供給して駆動するモータ駆動回路に関する。このモータ駆動回路は、多相モータのコイルごとに設けられ、接続されたコイルの一端に、ハイレベルまたはローレベルの電圧を印加する複数のスイッチング回路と、多相モータの目標トルクに応じてデューティ比が変化するパルス変調信号を生成するパルス変調信号生成部と、多相モータの少なくとも1つのコイルに発生する逆起電圧を、コイルの中点電圧と比較してゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングで所定レベルとなる逆起検出信号を出力する逆起検出回路と、パルス変調信号生成部からのパルス変調信号と、逆起検出回路からの逆起検出信号と、を受け、逆起検出信号にもとづいて駆動する相を切り替えるシーケンス制御を行うとともに、パルス変調信号にもとづいて、駆動対象の前記スイッチング回路に含まれるハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの少なくとも一方をスイッチング制御するスイッチング制御部と、逆起検出回路からの逆起検出信号を受け、逆起検出信号が所定レベルとなるタイミングに応じて、パルス変調信号の位相を変化させるパルス調節部と、を備える。
この態様によれば、ゼロクロスのタイミングが、所定の基準タイミングと一致するように帰還がかかる。したがって、ゼロクロス点を検出するタイミングを、基準信号のタイミング付近に設定することにより、ゼロクロス点のタイミングを少ない遅延で精度よく検出することができる。
パルス変調信号生成部は、所定の周波数の周期信号を、多相モータの目標トルクに応じた値でスライスして、デューティ比が変化するパルス変調信号を生成し、パルス調節部は、逆起検出信号が所定レベルとなるタイミングに応じて、周期信号の位相を変化させてもよい。
パルス変調信号生成部は、逆起検出信号の周期より短い所定の周期でカウントアップまたはカウントダウン動作を繰り返す変調カウンタを含み、当該変調カウンタによるカウント値を目標トルクを示すトルク信号の値でスライスしてもよい。パルス調節部は、逆起検出信号が所定レベルとなるタイミングに応じて、変調カウンタをセットするカウンタセット部を含んでもよい。
パルス調節部は、逆起検出信号が所定レベルとなるタイミングごとにセットされ、カウントを開始する第2カウンタと、第2カウンタを監視し、逆起検出信号が所定レベルとなってから、次に逆起検出信号が所定レベルとなるまでの間の当該第2カウンタのカウント値の変化量を取得し、取得した値を第2カウンタの次のセット時の初期値に設定する初期値設定部と、をさらに含んでもよい。カウンタセット部は、第2カウンタのカウント値が所定の値となるごとに、変調カウンタをセットしてもよい。
ある態様のモータ駆動回路は、1つの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。モータ駆動回路を、1つのLSIとして集積化することにより、回路面積を削減することができる。
本発明の別の態様は、ディスク装置である。この装置は、ディスクを回転させるスピンドルモータと、スピンドルモータを駆動する上述のモータ駆動回路と、を備える。
この態様によると、モータ駆動回路によるゼロクロス点を精度よく検出できるため、スピンドルモータを安定に回転させることができる。
本発明のさらに別の態様は、多相モータに駆動電流を供給して駆動するモータ駆動方法に関する。この方法は、多相モータの目標トルクに応じてデューティ比が変化するパルス変調信号を生成するステップと、多相モータの少なくとも1つのコイルに発生する逆起電圧を、コイルの中点電圧と比較してゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングで所定レベルとなる逆起検出信号を生成するステップと、逆起検出信号にもとづいて駆動する相を切り替えるシーケンス制御を行うとともに、パルス変調信号にもとづいて、コイルに接続されるハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの少なくとも一方をスイッチング制御するステップと、逆起検出信号の1周期内の所定のタイミングで所定レベルとなる基準信号を生成するステップと、逆起検出信号と基準信号の位相誤差が最小となり、かつ、パルス変調信号の周波数が逆起検出信号の周波数の整数倍となるように、パルス変調信号の周波数および位相を調節するステップと、を備える。
本発明によれば、モータをパルス変調して駆動する際に、ゼロクロス点を正確に検出することができる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aと部材Bが接続」された状態とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Aと部材Bの間に部材Cが設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
(第1の実施の形態)
図2は、実施の形態に係るモータ駆動回路100の構成を示すブロック図である。モータ駆動回路100は、センサレスブラシレスDCモータ(以下、単に「モータ110」という)に駆動電流を供給して回転を制御する。本実施の形態において、駆動対象となるモータ110は、U相、V相、W相のコイルLu、Lv、Lwを含む3相DCモータである。
モータ駆動回路100は、スイッチング回路10と総称されるスイッチング回路10u、10v、10wと、逆起検出回路20と、スイッチング制御部30と、パルス幅変調信号生成部(以下、PWM信号生成部という)50を備える。モータ駆動回路100は、1つの半導体基板上に機能ICとして一体集積化される。たとえば、モータ駆動回路100は、所望のトルクが得られるように、多相のモータ110をPWM駆動する。さらに、180度通電方式により、各相のコイルに流れる電流が、アーチ状あるいは正弦波状となるようにPWM駆動のデューティ比を変化させてもよい。
スイッチング回路10u、10v、10wは、モータ110のコイルLu、Lv、Lwごとに設けられる。スイッチング回路10uは、たとえば電源電圧と接地電位間に直列に接続されたハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチ(不図示)を含んで構成され、2つのスイッチの接続点がコイルLuの一端に接続される。ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御端子(ゲート)には、駆動信号DRV_H(U)および駆動信号DRV_L(U)がそれぞれ入力される。スイッチング回路10uは、接続されたコイルLuの一端に、ハイサイドスイッチがオンの状態でハイレベルの電圧(Vdd)を印加し、ローサイドスイッチがオンの状態でローレベルの電圧(0V)を印加する。また、ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチが同時にオフすることで、ハイインピーダンス状態に設定される。V相、W相についても同様である。
逆起検出回路20は、モータ110の少なくとも1つのコイルに発生する逆起電圧を、コイルの中点電圧と比較してゼロクロス点を検出し、2つの電圧が交差するゼロクロス点のタイミングで所定レベル(以下、ハイレベルとする)となる逆起検出信号BEMF_EDGEを出力する。本実施の形態において、逆起検出回路20は、U相のコイルLuに発生する逆起電圧Vuおよび中点電圧Vcomをモニタして逆起検出信号BEMF_EDGEを生成する。生成された逆起検出信号BEMF_EDGEは、駆動タイミング生成部32、ウィンドウ生成部40、PWM信号生成部50へと出力される。逆起検出回路20の詳細については後述する。
PWM信号生成部50は、少なくともモータ110の目標トルクに応じてデューティ比が変化するパルス幅変調信号(以下、PWM信号Spwmという)を生成する。PWM信号生成部50は、三角波やのこぎり波状の周期信号Soscと、トルクを指示する信号(以下、トルク信号という)TRQのレベルを比較し、大小関係に応じてPWM信号Spwmのハイレベルとローレベルの期間を変化させる。なお、PWM信号生成部50は、デジタル回路、アナログ回路のいずれで構成されてもよい。以下、デジタル回路による構成を例に説明するが、同等の機能を有するアナログ回路による置換は可能である。
PWM信号生成部50は、コイルLu、Lv、Lwに流れるコイル電流を、緩やかに変化させるために、目標トルクと、正弦波状あるいはアーチ状の制御波形を合成して、PWM信号Spwmを生成してもよい。
スイッチング制御部30は、PWM信号生成部50からのPWM信号Spwmと、逆起検出回路20からの逆起検出信号BEMF_EDGEと、を受ける。スイッチング制御部30は、逆起検出信号BEMF_EDGEにもとづいて駆動する相(U,V,W)を切り替えるシーケンス制御を行う。また、PWM信号Spwmにもとづいて、スイッチング回路10に含まれるハイサイドスイッチMHおよびローサイドスイッチMLの少なくとも一方をスイッチング制御する。
この機能を実現するために、スイッチング制御部30は、駆動タイミング生成部32、駆動信号合成回路34、ウィンドウ生成部40を含む。
駆動タイミング生成部32は、逆起検出信号BEMF_EDGEを受け、複数のスイッチング回路10u、10v、10wのオンオフ状態のシーケンスを制御するための駆動信号DRVを生成する。たとえば、駆動信号DRVは、逆起検出信号BEMF_EDGEの周期Tp1の1/6の周期を有する信号である。駆動信号DRVは、180度通電、120度通電などの方式に応じて生成すればよい。
駆動信号合成回路34は、駆動信号DRVと、PWM信号Spwmを合成して、駆動信号DRV_H(U、V、W)、DRV_L(U、V、W)を出力し、スイッチング回路10u、10v、10wの状態を制御する。具体的には、駆動信号合成回路34は、PWM信号Spwmにもとづいて、複数のスイッチング回路10u、10v、10wに含まれるハイサイドスイッチMHおよびローサイドスイッチMLの少なくとも一方をPWM方式によりスイッチング制御する。
ウィンドウ生成部40は、逆起検出回路20によるゼロクロス点の検出に先立ち、逆起検出の対象となるコイルLuに接続されるスイッチング回路10uのスイッチングを停止してハイインピーダンスに設定するためのウィンドウ信号WINDOWを生成する。本実施の形態において、所定レベルはハイレベルである。120度通電を行う場合などにおいて、逆起検出の対象となるコイルLuに、電流が流れない期間が存在する場合には、ウィンドウ生成部40は省略することができる。
ウィンドウ信号WINDOWは、駆動信号合成回路34へと出力される。駆動信号合成回路34は、ウィンドウ信号WINDOWがハイレベルである期間、ゼロクロス点の検出のためにモニタすべき逆起電圧Vuが発生する端子に接続されたスイッチング回路10uのスイッチングを停止し、ハイインピーダンス状態に設定する。すなわち、ウィンドウ信号WINDOWがハイレベルとなる期間は、ゼロクロス点の検出のために、故意に駆動しない相が設定される。本実施の形態では、非駆動期間Tp3において、U相が駆動しない相に設定される。
以上のように構成されたモータ駆動回路100の全体動作を説明する。図3(a)〜(l)は、図2のモータ駆動回路100の動作を示すタイムチャートである。同図(a)〜(l)の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。同図(a)〜(c)は、スイッチング回路10u、10v、10wにより、U相、V相、W相のコイルLu、Lv、Lwの駆動状態を示す波形である。同図(d)は、逆起検出回路20により検出される逆起検出信号BEMF_EDGEを、同図(e)は、駆動タイミング生成部32により生成される駆動信号DRVを、同図(f)は、ウィンドウ生成部40により生成されるウィンドウ信号WINDOWを、示す。さらに、同図(g)〜(l)は、スイッチング回路10u〜10wの、ハイサイドスイッチMHおよびローサイドスイッチMLの駆動信号DRV_H、DRV_Lを示す。
図3(a)〜(c)に示すように、本実施の形態では、駆動電流がアーチ波形となるように駆動される。もっとも、本発明はこれに限定されるものではなく、正弦波であってもよいことは上述した通りである。さらには、駆動電流が一定となるように駆動してもよい。本実施の形態において、逆起検出信号BEMF_EDGEは、同図(d)に示すように逆起電圧Vuが中点電圧Vcomと交差するゼロクロス点ごとに生成される。駆動タイミング生成部32は、逆起検出信号BEMF_EDGEの周期Tp1を1/6倍した同図(e)に示す駆動信号DRVを生成する。駆動信号DRVは、図示のごとく、逆起検出信号BEMF_EDGEに対してある遅延Tdが与えられてもよい。この遅延Tdを調節することにより、モータ駆動が最適化される。
駆動信号合成回路34は、駆動タイミング生成部32により生成された駆動信号DRVにもとづき、スイッチング回路10u〜10wのオンオフを制御するための駆動信号DRV_H(U、V、W)、DRV_L(U、V、W)を生成する。この駆動シーケンスは、通電角などに応じて適宜設定される。
図3(g)に示す駆動信号DRV_HUは、ハイレベルがスイッチング回路10uのハイサイドスイッチのオン状態に、ローレベルがオフ状態に対応する。同図(h)〜(l)に示す駆動信号DRV_H(V、W)、DRV_L(U、V、W)についても同様である。さらに、ハイサイドスイッチ、あるいはローサイドスイッチの少なくとも一方のオン状態は、同図(a)〜(c)に示す駆動波形が得られるように、パルス幅変調されており、スイッチング回路10u〜10wのハイサイドスイッチもしくはローサイドスイッチは、PWM信号にもとづいて高い周波数でオンオフを交互に繰り返す。
駆動信号合成回路34は、逆起検出信号BEMF_EDGEが出力されるたびに、所定の駆動シーケンスにしたがって、スイッチング回路10u〜10wの駆動信号DRV_H、DRV_Lのオンオフ状態を遷移させる。
同図(f)に示すウィンドウ信号WINDOWは、ゼロクロス点が発生する時刻に先立ち、ウィンドウ生成部40によりハイレベルとされる。駆動信号合成回路34は、ウィンドウ生成部40がハイレベルの期間、スイッチング回路10uに出力する駆動信号DRV_HU、DRV_LUをローレベルとし、ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチをオフして、ハイインピーダンス状態とする。同図(g)、(j)に、ゼロクロス点の検出のために、ハイインピーダンス状態に設定される期間を斜線で示す。ウィンドウ信号WINDOWがハイレベルとなり、コイルLuの一端がハイインピーダンス状態に設定されると、ゼロクロス点の検出が可能となり、逆起検出信号BEMF_EDGEが生成される。
以上がモータ駆動回路100の全体構成および動作の概略である。次に、逆起検出回路20およびPWM信号生成部50について説明する。
図4は、第1の実施の形態に係る図2の逆起検出回路20およびPWM信号生成部50の構成を示すブロック図である。図5(a)〜(h)は、図4の逆起検出回路20およびPWM信号生成部50により生成される各信号の波形を示すタイムチャートである。
本実施の形態に係る逆起検出回路20には、逆起電圧Vu、中点電圧Vcom、マスク信号MSKが入力される。マスク信号MSKは、ゼロクロス点の検出を有効とする検出期間Tdetを設定する信号であり、ゼロクロス点の検出はマスク信号MSKが所定レベル(ローレベル)の期間のみ有効となる。マスク信号MSKは後述のマスク信号生成部66により生成される。
逆起検出回路20は、コンパレータ22、ANDゲート23、フリップフロップ24を含む。コンパレータ22は逆起電圧Vuと中点電圧Vcomを比較し、大小関係に応じた比較信号Scmpを出力する。ANDゲート23は、比較信号Scmpと、マスク信号MSKの論理反転(*MSK)の論理積を出力する。フリップフロップ24は、ANDゲート23の出力を、システムクロックCKにもとづいてラッチする。このように構成された逆起検出回路20によれば、マスク信号MSKがローレベルの検出期間TdetにVu>Vcomとなると、逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなりゼロクロス点が検出される。検出期間Tdet以外でVu>Vcomとなってもマスクされるため、ゼロクロス点は検出されない。
PWM信号生成部50には、トルクを指示する信号TRQが入力される。PWM信号生成部50は、トルク信号TRQに応じてパルス幅(デューティ比)が変化するPWM信号Spwmを生成する。さらにPWM信号生成部50には、逆起検出回路20により生成された逆起検出信号BEMF_EDGEが入力される。
PWM信号生成部50は、逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなるタイミング、つまりその周波数(周期)を帰還量として、PWM信号Spwmのデューティ比および位相をフィードバックによって調節する。以下、このフィードバックについて説明する。
PWM信号生成部50は、パルス生成部60、パルス調節部80を含む。それぞれのブロックは、以下の機能を有する。
パルス生成部60は、PWM信号Spwm、マスク信号MSK、基準信号REFの3つの信号を生成する。パルス生成部60は、変調カウンタ62、基準信号生成部64、マスク信号生成部66、トルク制御部68を含む。
トルク制御部68は、外部から入力されたトルク信号TRQに応じたデューティ比を有するPWM信号Spwmを生成する。変調カウンタ62にはシステムクロックCKが入力されており、あるタイミングでセットされると、カウントアップ(またはカウントダウン)を開始し、これを所定の周波数(周期)で繰り返す。このように生成されるカウント値CNTは、のこぎり波となる。トルク制御部68は、変調カウンタ62によるカウント値と目標トルク信号TRQの値を比較し、TRQ>CNTのときハイレベル、TRQ<CNTのときローレベルとなるPWM信号Spwmを生成する。PWM信号Spwmがハイレベルの期間、スイッチング回路10によって各コイルLu〜Lwの一端に電源電圧または接地電圧が印加される。以下、PWM信号Spwmがハイレベルの期間をオン期間Tonという。
また、基準信号生成部64は所定のタイミングごとに所定レベル(ハイレベル)となる基準信号REFを生成する。基準信号REFは、逆起検出信号BEMF_EDGEの位相が一致すべきタイミングを規定する。
マスク信号生成部66は、マスク信号MSKを生成する。上述したように、マスク信号MSKは、ゼロクロス点の検出期間Tdetを設定する信号であり、PWM信号Spwmのオン期間Ton中の検出期間Tdetの間、ローレベルとなる。マスク信号MSKを生成するためにマスク信号生成部66は、PWM信号Spwmがハイレベルに遷移したことを契機としてカウントを開始するカウンタ(不図示)を含んでもよい。この場合、カウント値が第1所定値になるとマスク信号MSKをローレベルとし、その後第2所定値となるとマスク信号MSKをハイレベルとすればよい。
パルス調節部80は、逆起検出回路20からの逆起検出信号BEMF_EDGEと、所定のタイミングで所定レベルとなる基準信号REFを受ける。パルス調節部80は2つの信号の位相を比較し、2つの信号の位相誤差Δφが最小となり、かつ、PWM信号Spwmの周波数が逆起検出信号BEMF_EDGEの周波数の整数倍となるように、PWM信号Spwmの周波数および位相を調節する。
この機能を実現するために、パルス調節部80は、位相誤差検出部82、フリーランカウンタ84、周波数誤差検出部86、カウンタセット部88を含む。
位相誤差検出部82は、基準信号REFと逆起検出信号BEMF_EDGEを受ける。位相誤差検出部82は、2つの信号の位相誤差Δφを検出し、位相誤差Δφを示す位相誤差信号PEを出力する。位相誤差信号PEは、位相誤差Δφの時間をシステムクロックCKでカウントした値である。
パルス調節部80は、モータ110の回転数、すなわち逆起検出信号BEMF_EDGEの周波数(周期時間)を検出する機能を有する。逆起検出信号BEMF_EDGEの周波数の検出は、フリーランカウンタ84、周波数誤差検出部86により実行される。
フリーランカウンタ84は、システムクロックCKを受け、変調カウンタ62と同じ周期で動作する。フリーランカウンタ84は、変調カウンタ62と異なり、セットされることなく同じ周期でカウントアップまたはカウントダウンを繰り返す。
周波数誤差検出部86は、逆起検出信号BEMF_EDGEと、フリーランカウンタ84のカウント値FRCNTを受ける。周波数誤差検出部86は、毎回、逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなる時刻におけるフリーランカウンタ84のカウント値をモニタする。i(iは任意の自然数)回目のカウント値をP[i]と書く。
周波数誤差検出部86は、今回のカウント値P[i]と、その前の(i−1)回目に逆起検出信号が所定レベルとなる時刻におけるフリーランカウンタ84のカウント値P[i−1]との差分を、
ΔP[i]=P[i]−P[i−1]
により毎回演算する。カウント値P[i]の差分ΔPは、逆起検出信号BEMF_EDGEの周期時間の変動、すなわち周波数の変動を示すデータとなる。
周波数誤差検出部86は、今回の差分ΔP[i]と、前回の差分ΔP[i−1]=P[i−1]−P[i−2]との差
δF[i]=ΔP[i]−ΔP[i−1]
を演算する。δF[i]は、逆起検出信号BEMF_EDGEの周波数の誤差、言い換えれば周期時間の誤差を示すデータとなる。以下、δF[i]を周波数誤差データとよぶ。周波数誤差データδF[i]は、周波数(周期時間)の誤差を、システムクロックCKのパルス数で示したデータである。
モータ110が一定の回転数で回転するとき、逆起検出信号BEMF_EDGEのハイレベルとなる時間間隔は一定である。したがって、モータ110の回転数が一定のとき、カウント値P[i]は、1回転ごとに所定の幅で増加し(または減少する)、δF[i]=ΔP[i]−ΔP[i−1]は一定値となる。もし、モータ110の回転数が上昇すれば、δF[i]は増加(または減少)し、モータの回転数は低下すれば、δF[i]は減少(または増加)する。
たとえば、連続する4回のカウント値が、P[i−2]=8、P[i−1]=12、P[i]=16、P[i+1]=18、P[i+2]=22であったとする。
このとき、各差分は、
ΔP[i−1]=4
ΔP[i]=4
ΔP[i+1]=2
ΔP[i+2]=4
となり、
δF[i]=0
δF[i+1]=−2
δF[i+2]=2
となる。
カウンタセット部88は、δF[i]が0のとき、前回と同じタイミングで変調カウンタ62をセットし、δF[i]が負のとき、前回よりもセットのタイミングを遅らせ、δF[i]が正のとき、前回よりもセットのタイミングを早める。
より具体的には、δF[i]=0のとき、カウンタセット部88は、前回と同じタイミングでセットする。δF[i+1]=−2の場合、前回のセットのタイミングよりも、システムクロックCKの2クロック分、セットのタイミングを早める。δF[i+1]=2の場合、前回のセットのタイミングよりも、2クロック分、セットのタイミングを遅める。
さらに、カウンタセット部88は、位相誤差データPEに応じて、変調カウンタ62をセットするタイミングを調節する。上述のように、位相誤差データPEが、逆起検出信号BEMF_EDGEと基準信号REFとの位相誤差Δφを、システムクロックCKの個数で示すとする。たとえば、逆起検出信号BEMF_EDGEが基準信号REFよりも、システムクロックCKのm(mは整数)クロック分遅れている場合、変調カウンタ62をセットするタイミングをクロック数m分だけ遅延させる。逆に、逆起検出信号BEMF_EDGEが基準信号REFよりも、システムクロックCKのm(mは整数)クロック分進んでいる場合、変調カウンタ62をセットするタイミングをクロック数m分だけ早める。
つまり、カウンタセット部88は、周波数誤差データδF[i]と、位相誤差データPEを受け、2つの値に応じたタイミングで、変調カウンタ62をセットする。カウンタセット部88は、周波数誤差データδFと位相誤差データPEを加算し、加算結果に応じて変調カウンタ62をセットするタイミングを決定すればよい。
上述したパルス調節部80の処理によって、位相誤差Δφが0に近づき、PWM信号Spwmの周波数が逆起検出信号BEMF_EDGEの周波数の整数倍となるようにフィードバックがかかる。
以下、図5(a)〜(h)を参照しつつ、モータ駆動回路100の動作を詳細に説明する。同図の縦軸や横軸、各波形は、理解を容易とするために簡略化して示しており、実際の波形とは周波数や振幅は異なっている。
時刻t0以前は、非検出期間であり、U相のコイルに電源電圧Vddと接地電圧が交互に印加される。時刻t0に、ウィンドウ生成部40によってゼロクロス点の検出が指示され、U相のコイルLuがハイインピーダンスに設定される。なお、同図のタイムチャートでは、時刻t0、時刻t2が、変調カウンタ62のセットのタイミングとなっており、区間t0〜t2が逆起検出信号BEMF_EDGEの1周期に対応づけられる。
同図(a)、(b)を参照する。変調カウンタ62によるカウント値CNTは、周期Txののこぎり波となる。トルク制御部68は、カウント値CNTと目標トルク信号TRQの値を比較し、TRQ>CNTのときハイレベル、TRQ<CNTのときローレベルとなるPWM信号Spwmを生成する。目標トルク信号TRQが低いほど、PWM信号Spwmのデューティ比(Ton/Tx)は大きくなり、モータ110が高トルクで駆動される。
同図(c)に示すように、マスク信号生成部66により生成されるマスク信号MSKは、PWM信号Spwmのオン時間Tonのうちの検出期間Tdetの間、ローレベルとなる。同図(d)に示すように、基準信号REFは、変調カウンタ62がセットされてカウントアップを開始した後、所定時間τの経過後にハイレベルとなる。同図(e)〜(g)は、位相調節部70による逆起検出信号BEMF_EDGEの生成を示している。逆起検出信号BEMF_EDGEは、時刻t1、時刻t3でハイレベルとなる。
位相誤差検出部82は、同図(g)、(d)に示される逆起検出信号BEMF_EDGEと基準信号REFの位相誤差Δφを検出し、位相誤差Δφに応じた位相誤差信号PEを生成する。
図5(h)はフリーランカウンタ84のカウント値FRCNTを示す。逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなる時刻t1、t3におけるカウント値は、それぞれP[i−1]、P[i]で示される。周波数誤差検出部86は、毎周期、カウント値P[i]をモニタし、前回のカウント値P[i−1]との差分ΔP[i]を算出する。さらに周波数誤差検出部86は、算出した差分ΔP[i]と、前回の差分ΔP[i−1]との差である周波数誤差δFを算出する。
カウンタセット部88は、周波数誤差δF[i]および位相誤差Δφに応じて、次の周期で変調カウンタ62をセットするタイミングを変化させる。その結果、位相誤差Δφに近づき、かつPWM信号Spwmの周波数が逆起検出信号BEMF_EDGEの整数倍となるようにフィードバックがかかり、PWM信号Spwmの位相および周波数が調節される。
パルス調節部80の処理によって、時刻t0〜t2の周期には、整数個ののこぎり波が含まれる。なお、時刻t2の直前ののこぎり波の周期はTxより小さいが、これも一つののこぎり波である。言い換えれば、逆起検出信号BEMF_EDGEの周期を跨いで増加するのこぎり波が存在しない状態を作り出すことにより、PWM信号Spwmの周波数が、逆起検出信号BEMF_EDGEの周波数の整数倍となる状態を実現している。
以上、実施の形態に係るモータ駆動回路100の構成および動作について説明した。本実施の形態に係るモータ駆動回路100によれば、逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなるタイミング、すなわちゼロクロス点の発生するタイミングを所定の基準タイミングと合致させることができる。したがって、基準タイミングを含む時間帯に、検出のタイミング(実施の形態では、検出期間Tdet)を設けることにより、確実かつ少ない遅延で逆起検出を行うことができる。逆起検出を高精度で行うことにより、モータ110の回転を高精度で制御することができる。
別の観点からみれば、本実施の形態に係るモータ駆動回路100は、ゼロクロス点が発生するタイミングに合わせて逆起検出を行うのではなく、検出を行うタイミングに、ゼロクロス点が発生するようにモータを駆動する。その結果、意図しないタイミングでゼロクロス点が発生して、その検出が遅れるなどの問題を解消することができ、高精度な検出が実現できる。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態に係るPWM信号生成部50aの構成を示すブロック図である。図7(a)〜(g)は、図6の逆起検出回路20およびPWM信号生成部50aにより生成される各信号の波形を示すタイムチャートである。
図6のPWM信号生成部50aも、図4のPWM信号生成部50と同様に、逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなるタイミング、つまりその周波数(周期)を帰還量として、PWM信号Spwmのデューティ比および位相をフィードバックによって調節する。以下、このフィードバックについて説明する。
図6のPWM信号生成部50aは、パルス生成部60a、パルス調節部80aを含む。
パルス生成部60aは、図4のパルス生成部60に対応する。パルス生成部60aは、所定の周波数を有するのこぎり波状の周期信号を、多相モータの目標トルクTRQに応じた値でスライスする。具体的には、変調カウンタ62は、逆起検出信号BEMF_EDGEの周期より短い所定の周期で、初期値からのカウントアップまたはカウントダウン動作を繰り返す。つまり、変調カウンタ62のカウント値CNTは、のこぎり波状に遷移する周期信号となる。トルク制御部68は、変調カウンタ62によるカウント値と、目標トルクを示すトルク信号TRQの値の大小関係に応じて、ハイレベルとローレベルが遷移するPWM信号Spwmを生成する。
パルス調節部80aは、逆起検出回路20からの逆起検出信号BEMF_EDGEを受け、逆起検出信号BEMF_EDGEが所定レベル(ハイレベル)となるタイミングに応じて、パルス生成部60a内の周期信号であるカウント値CNTの位相を変化させる。
この機能を実現するために、パルス調節部80aは、逆起検出信号BEMF_EDGEが所定レベル(ハイレベル)となるタイミングに応じて、変調カウンタ62を初期値xにセットする。
パルス調節部80aは、第2カウンタ90、初期値設定部92、カウンタセット部88aを含む。
第2カウンタ90は、逆起検出信号BEMF_EDGEが所定レベル(ハイレベル)となるタイミングごとに、初期値設定部92により設定された初期値にセットされ、カウント動作を開始する。第2カウンタ90は、カウントアップであってもカウントダウンであってもよいが、ここではカウントダウン動作として説明する。また、カウンタに代えて、キャパシタの充放電を利用したアナログ回路を利用してもよい。
初期値設定部92は、第2カウンタ90のカウント値CNT2を監視する。初期値設定部92は、逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなってから、次に逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなるまでの間の、カウント値CNT2の変化量ΔCNT2を取得する。初期値設定部92は、取得した変化量ΔCNT2を第2カウンタ90の次のセット時の初期値xに設定する。
カウンタセット部88aは、第2カウンタ90のカウント値CNT2が所定値zとなるごとに、変調カウンタ62をセットする。
以上が図6のPWM信号生成部50aの構成である。この構成によれば、逆起検出信号BEMF_EDGEの周期(周波数)、つまりカウント値CNT2の変化量ΔCNT2が一定値に収束するように帰還がかかる。つまり、第2カウンタ90のセット時の初期値xが一定値に収束する。
帰還によりループが安定した状態では、セット時の初期値xが一定値に収束するため、逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなるタイミング、すなわちゼロクロスのタイミングは、カウント値CNT2が0となるタイミングに収束する。
変調カウンタ62がセットされるタイミングは、第2カウンタ90のカウント値CNT2が所定値zとなるタイミングであるから、変調カウンタ62がセットされるタイミング(CNT2=Z)から、ゼロクロスが発生するタイミング(CNT2=0)の間隔τは、一定値に収束していく。したがって、図6のPWM信号生成部50aによれば、ゼロクロスのタイミングを、変調カウンタ62のセットのタイミングから所定時間τ経過後のタイミングに収束させることができる。
以下、図7(a)〜(g)を参照しつつ、モータ駆動回路100の動作を説明する。同図の縦軸や横軸、各波形は、理解を容易とするために簡略化して示しており、実際の波形とは周波数や振幅は異なっている。
時刻t0以前は、非検出期間であり、U相のコイルに電源電圧Vddと接地電圧が交互に印加される。時刻t0に、ウィンドウ生成部40によってゼロクロス点の検出が指示され、U相のコイルLuがハイインピーダンスに設定される。なお、同図のタイムチャートでは、時刻t0、時刻t2が、変調カウンタ62のセットのタイミングとなっており、区間t0〜t2が逆起検出信号BEMF_EDGEの1周期に対応づけられる。
同図(d)〜(f)は、位相調節部70による逆起検出信号BEMF_EDGEの生成を示している。逆起検出信号BEMF_EDGEは、時刻t1、時刻t3でハイレベルとなる。
図7(g)は、第2カウンタ90のカウント値CNT2を示す。第2カウンタ90はダウンカウンタであり、初期値xからクロックCKごとにカウントダウンを行う。カウンタセット部88aは、カウント値CNT2が所定値zに達する時刻t0および時刻t2に、変調カウンタ62をセットする。第2カウンタ90がアップカウンタの場合、逆の動作を行う。
初期値設定部92は、カウント値CNT2がある時刻t1のセット時から、次に逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなるまでの第2カウンタ90のカウント値CNT2の変化量ΔCNT2(=x1−y1)を取得する。変化量ΔCNT2は、逆起検出信号BEMF_EDGEの周期に対応する。初期値設定部92は、取得した変化量ΔCNT2を、第2カウンタ90の次のセットのタイミングである時刻t3に、第2カウンタ90の初期値x2として設定する。
パルス調節部80aの処理によって、時刻t0〜t2の周期には、整数個ののこぎり波(周期信号)が含まれる。なお、時刻t2の直前ののこぎり波の周期はTxより小さいが、これも一つののこぎり波である。言い換えれば、逆起検出信号BEMF_EDGEの周期を跨いで増加するのこぎり波が存在しない状態を作り出すことにより、PWM信号Spwmの周波数が、逆起検出信号BEMF_EDGEの周波数の整数倍となる状態を実現している。
図6のPWM信号生成部50aによれば、ゼロクロスのタイミング、つまり逆起検出信号BEMF_EDGEのハイレベルのタイミング(時刻t3)は、第2カウンタ90のカウント値CNT2が0となるタイミングに収束する。また、第2カウンタ90がセットされるタイミング(時刻t2)は、カウント値CNT2が所定値zとなるタイミングである。したがって、時刻t2と時刻t3の期間τは、所定値zに応じた一定値(z×Tck)に収束する。ここでTckは、第2カウンタ90に入力されるクロックCKの周期である。
したがって、PWM信号生成部50aによれば、ゼロクロス点のタイミングを、第2カウンタ90のセットのタイミングから所定時間τ経過後の基準タイミングに一致させることができる。したがって、ゼロクロス点を検出するタイミングを、基準タイミング付近に設定することにより、ゼロクロス点を少ない遅延で精度よく検出することができる。
以上、第1、第2の実施の形態に係るモータ駆動回路100の構成および動作について説明した。本実施の形態に係るモータ駆動回路100によれば、逆起検出信号BEMF_EDGEがハイレベルとなるタイミング、すなわちゼロクロス点の発生するタイミングを所定の基準タイミングと合致させることができる。したがって、基準タイミングを含む時間帯に、検出のタイミング(実施の形態では、検出期間Tdet)を設けることにより、確実かつ少ない遅延で逆起検出を行うことができる。逆起検出を高精度で行うことにより、モータ110の回転を高精度で制御することができる。
最後に、モータ駆動回路100のアプリケーションの例について説明する。図8は、図2のモータ駆動回路100を搭載したディスク装置200の構成を示すブロック図である。ディスク装置200は、CDやDVDなどの光ディスクに対して記録、再生処理を行うユニットであり、CDプレイヤやDVDプレイヤ、パーソナルコンピュータなどの電子機器に搭載される。ディスク装置200は、ピックアップ210、信号処理部212、ディスク214、モータ110、モータ駆動回路100を含む。
ピックアップ210は、ディスク214にレーザを照射して所望のデータを書き込み、あるいは、反射した光を読み込むことによりディスク214に書き込まれたデータを読み出す。信号処理部212は、ピックアップ210により読み書きするデータに対して増幅処理、A/D変換あるいはD/A変換など必要な信号処理を行う。モータ110は、ディスク214を回転させるために設けられたスピンドルモータである。図8に示すようなディスク装置200は、特に小型化が要求されるため、モータ110としてホール素子などを用いないセンサレスタイプが用いられる。本実施の形態に係るモータ駆動回路100は、このようなセンサレスのスピンドルモータを安定に駆動するために好適に用いることができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、3相モータを駆動する場合について説明したが、本発明は3相以外のセンサレスモータの駆動にも好適に用いることができる。たとえば、5相モータであってもよい。また、実施の形態では、U相の逆起電圧Vuを中点電圧Vcomと比較してゼロクロス点の検出を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、U相、V相、W相のそれぞれに逆起検出回路20を設け、逆起検出信号BEMF_EDGEを生成してもよい。
また、定常状態におけるモータ110の回転数(トルク)が固定される場合、モータの回転数をモニタする必要がないため、フリーランカウンタ84、周波数誤差検出部86を省略することができる。この場合、カウンタセット部88は、モータ110の回転数を指示するトルク信号TRQの値にもとづいて、変調カウンタ62をセットするタイミングを設定すればよい。
また、実施の形態では、相電圧Vuが上昇する過程において、Vu>Vcomとなる状態を検出することによりゼロクロス点を検出したが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆起検出回路20は、相電圧Vuが下降する過程において、Vu<Vcomとなる状態を検出することにより、ゼロクロス点を検出してもよい。
実施の形態では、マスク信号MSKにより規定される検出期間Tdetを基準信号REFのタイミングと一致させて、ゼロクロス点の検出タイミングを設定した。本発明はこれに限定されない。たとえば、マスク信号MSKを生成せず、図4のANDゲート23を省略してもよい。この場合、図4のフリップフロップ24のクロック端子に入力されるシステムクロックCKを、基準信号REFの付近のみでフリップフロップ24に入力してもよい。
また、実施の形態では、180度通電のPWM方式によりモータを駆動する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、広くパルス変調方式を採用するモータ駆動回路に使用することができる。
実施の形態で説明した信号のハイレベル、ローレベルのロジックの設定は一例であって、論理回路ブロックの構成には様々な変形例が考えられ、こうした変形例も本発明の範囲に含まれる。
実施の形態では、デジタル回路によって本発明を実現する場合を説明したが、その一部または全部を、同等の機能を有するアナログ回路に置換してもよい。
実施の形態にもとづき、本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を離脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
図1(a)〜(c)は、パルス変調駆動する場合のゼロクロス点の検出の様子を示すタイムチャートである。 第1の実施の形態に係るモータ駆動回路の全体構成を示すブロック図である。 図3(a)〜(l)は、図2の実施の形態に係るモータ駆動回路の動作を示すタイムチャートである。 第1の実施の形態に係る逆起検出回路およびPWM信号生成部の構成を示すブロック図である。 図5(a)〜(h)は、図4の逆起検出回路およびPWM信号生成部により生成される各信号の波形を示すタイムチャートである。 第2の実施の形態に係るPWM信号生成部の構成を示すブロック図である。 図7(a)〜(g)は、図6の逆起検出回路およびPWM信号生成部により生成される各信号の波形を示すタイムチャートである。 図2のモータ駆動回路を搭載したディスク装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 モータ駆動回路、 10 スイッチング回路、 20 逆起検出回路、 22 コンパレータ、 23 ANDゲート、 24 フリップフロップ、 30 スイッチング制御部、 32 駆動タイミング生成部、 34 駆動信号合成回路、 40 ウィンドウ生成部、 50 PWM信号生成部、 60 パルス生成部、 62 変調カウンタ、 64 基準信号生成部、 66 マスク信号生成部、 68 トルク制御部、 80 パルス調節部、 82 位相誤差検出部、 84 フリーランカウンタ、 86 周波数誤差検出部、 88 カウンタセット部、 110 モータ、 210 ピックアップ、 212 信号処理部、 214 ディスク。

Claims (13)

  1. 多相モータに駆動電流を供給して駆動するモータ駆動回路であって、
    前記多相モータのコイルごとに設けられ、接続されたコイルの一端に、ハイレベルまたはローレベルの電圧を印加する複数のスイッチング回路と、
    前記多相モータの目標トルクに応じてデューティ比が変化するパルス変調信号を生成するパルス変調信号生成部と、
    前記多相モータの少なくとも1つのコイルに発生する逆起電圧を、コイルの中点電圧と比較してゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングで所定レベルとなる逆起検出信号を出力する逆起検出回路と、
    前記パルス変調信号生成部からの前記パルス変調信号と、前記逆起検出回路からの前記逆起検出信号と、を受け、前記逆起検出信号にもとづいて駆動する相を切り替えるシーケンス制御を行うとともに、前記パルス変調信号にもとづいて、駆動対象の前記スイッチング回路に含まれるハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの少なくとも一方をスイッチング制御するスイッチング制御部と、
    前記逆起検出信号が前記所定レベルになるタイミングと、所定の基準タイミングを比較し、2つのタイミングの位相誤差が最小となり、かつ、前記パルス変調信号の周波数が前記逆起検出信号の周波数の整数倍となるように、前記パルス変調信号の周波数および位相を調節するパルス調節部と、
    を備えることを特徴とするモータ駆動回路。
  2. 前記パルス調節部は、
    前記逆起検出信号の毎回の周波数を検出し、その誤差に応じた周波数誤差データを生成する周波数誤差検出部と、
    前記逆起検出信号が前記所定レベルとなるタイミングと、前記所定の基準タイミングの位相誤差を検出し、位相誤差に応じた位相誤差データを生成する位相誤差検出部と、
    を含み、前記周波数誤差データと前記位相誤差データにもとづいて、前記パルス変調信号の周波数および位相を調節することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動回路。
  3. 前記パルス変調信号生成部は、前記逆起検出信号の周期より短い所定の周期でカウントアップまたはカウントダウン動作を繰り返す変調カウンタを含み、当該変調カウンタによるカウント値を目標トルクを示すトルク信号の値でスライスし、
    前記パルス調節部は、前記周波数誤差データと前記位相誤差データにもとづくタイミングで、前記変調カウンタをセットするカウンタセット部を含むことを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動回路。
  4. 前記パルス調節部は、前記変調カウンタと同じ周期で動作するフリーランカウンタをさらに含み、
    前記周波数誤差検出部は、i(iは任意の自然数)回目に前記逆起検出信号が所定レベルとなる時刻における前記フリーランカウンタのカウント値P[i]をモニタし、その前の(i−1)回目に前記逆起検出信号が所定レベルとなる時刻における前記フリーランカウンタのカウント値P[i−1]との差分ΔP[i]=P[i]−P[i−1]を毎回演算し、今回の差分ΔP[i]と、前回の差分ΔP[i−1]=P[i−1]−P[i−2]で示される周波数誤差δF[i]=ΔP[i]−ΔP[i−1]を、前記周波数誤差データとして出力することを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動回路。
  5. 前記パルス変調信号が、前記スイッチング回路に含まれるハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの少なくとも一方のオン状態を示すレベルとなるオン期間中の検出期間の間、所定レベルとなって逆起検出回路によるゼロクロス点の検出を有効化するマスク信号を生成するマスク信号生成部と、
    前記マスク信号によりゼロクロス点の検出が有効化される検出期間中に所定レベルとなり、前記基準タイミングを規定する基準信号を生成する基準信号生成部と、
    をさらに備え、
    前記パルス調節部は、前記逆起検出信号と前記基準信号の位相誤差を検出し、位相誤差に応じた位相誤差データを生成することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のモータ駆動回路。
  6. 多相モータに駆動電流を供給して駆動するモータ駆動回路であって、
    前記多相モータのコイルごとに設けられ、接続されたコイルの一端に、ハイレベルまたはローレベルの電圧を印加する複数のスイッチング回路と、
    前記多相モータの目標トルクに応じてデューティ比が変化するパルス変調信号を生成するパルス変調信号生成部と、
    前記多相モータの少なくとも1つのコイルに発生する逆起電圧を、コイルの中点電圧と比較してゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングで所定レベルとなる逆起検出信号を出力する逆起検出回路と、
    前記パルス変調信号生成部からの前記パルス変調信号と、前記逆起検出回路からの前記逆起検出信号と、を受け、前記逆起検出信号にもとづいて駆動する相を切り替えるシーケンス制御を行うとともに、前記パルス変調信号にもとづいて、駆動対象の前記スイッチング回路に含まれるハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの少なくとも一方をスイッチング制御するスイッチング制御部と、
    前記逆起検出回路からの前記逆起検出信号を受け、前記逆起検出信号が前記所定レベルとなるタイミングに応じて、前記パルス変調信号の位相を変化させるパルス調節部と、
    を備えることを特徴とするモータ駆動回路。
  7. 前記パルス変調信号生成部は、所定の周波数の周期信号を、前記多相モータの目標トルクに応じた値でスライスして、デューティ比が変化するパルス変調信号を生成し、
    前記パルス調節部は、前記逆起検出信号が前記所定レベルとなるタイミングに応じて、前記周期信号の位相を変化させることを特徴とする請求項6に記載のモータ駆動回路。
  8. 前記パルス変調信号生成部は、前記逆起検出信号の周期より短い所定の周期でカウントアップまたはカウントダウン動作を繰り返す変調カウンタを含み、当該変調カウンタによるカウント値と目標トルクを示すトルク信号の値の大小関係に応じて前記パルス変調信号のレベルを設定し、
    前記パルス調節部は、前記逆起検出信号が前記所定レベルとなるタイミングに応じて、前記変調カウンタをセットするカウンタセット部を含むことを特徴とする請求項7に記載のモータ駆動回路。
  9. 前記パルス調節部は、
    前記逆起検出信号が前記所定レベルとなるタイミングごとにセットされ、カウントを開始する第2カウンタと、
    前記第2カウンタを監視し、前記逆起検出信号が前記所定レベルとなってから、次に前記逆起検出信号が前記所定レベルとなるまでの間の当該第2カウンタのカウント値の変化量を取得し、取得した値を前記第2カウンタの次のセット時の初期値に設定する初期値設定部と、
    をさらに含み、
    前記カウンタセット部は、前記第2カウンタのカウント値が所定の値となるごとに、前記変調カウンタをセットすることを特徴とする請求項8に記載のモータ駆動回路。
  10. 1つの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のモータ駆動回路。
  11. ディスクを回転させるスピンドルモータと、
    前記スピンドルモータを駆動する請求項1から9のいずれかに記載のモータ駆動回路と、
    を備えることを特徴とするディスク装置。
  12. 多相モータに駆動電流を供給して駆動するモータ駆動方法であって、
    前記多相モータの目標トルクに応じてデューティ比が変化するパルス変調信号を生成するステップと、
    前記多相モータの少なくとも1つのコイルに発生する逆起電圧を、コイルの中点電圧と比較してゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングで所定レベルとなる逆起検出信号を生成するステップと、
    前記逆起検出信号にもとづいて駆動する相を切り替えるシーケンス制御を行うとともに、前記パルス変調信号にもとづいて、前記コイルに接続されるハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの少なくとも一方をスイッチング制御するステップと、
    前記逆起検出信号が前記所定レベルとなるタイミングと、所定の基準タイミングを比較し、2つのタイミングの位相誤差が最小となり、かつ、前記パルス変調信号の周波数が前記逆起検出信号の周波数の整数倍となるように、前記パルス変調信号の周波数および位相を調節するステップと、
    を備えることを特徴とするモータ駆動方法。
  13. 多相モータに駆動電流を供給して駆動するモータ駆動方法であって、
    所定の周波数の周期信号を、前記多相モータの目標トルクに応じた値でスライスし、デューティ比が変化するパルス変調信号を生成するステップと、
    前記多相モータの少なくとも1つのコイルに発生する逆起電圧を、コイルの中点電圧と比較してゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングで所定レベルとなる逆起検出信号を生成するステップと、
    前記逆起検出信号にもとづいて駆動する相を切り替えるシーケンス制御を行うとともに、前記パルス変調信号にもとづいて、前記コイルに接続されるハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの少なくとも一方をスイッチング制御するステップと、
    前記逆起検出信号を受け、前記逆起検出信号が前記所定レベルとなるタイミングに応じて、前記周期信号の位相を変化させるステップと、
    を備えることを特徴とするモータ駆動回路。
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