JP2008233654A - 光学補償フィルム、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示装置の視野角特性の改善に寄与する光学補償フィルムを提供する。
【解決手段】ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む第1の光学異方性層(12)を有し、光学的に二軸性であり、及び可視光域において、面内レターデーションReが、逆分散波長依存性を示すことを特徴とする光学補償フィルム(10)である。
【選択図】図1
【解決手段】ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む第1の光学異方性層(12)を有し、光学的に二軸性であり、及び可視光域において、面内レターデーションReが、逆分散波長依存性を示すことを特徴とする光学補償フィルム(10)である。
【選択図】図1
Description
本発明は、光学補償フィルム、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
垂直配向(VA)モードの液晶表示装置が提案され、現在、実際に種々利用されている。また、このVAモード液晶表示装置の斜視方向からのコントラスト低下や、斜めから観察した場合の黒表示部におけるカラーシフトを軽減し得る光学補償フィルムも提案されている(特許文献1)。また、種々のモードの液晶表示装置の光学補償に利用可能な位相差フィルムの製造方法が提案され、その一例として、VAモードの液晶表示装置に用いることについても提案されている(特許文献2)。
特許第3813631号公報
特許第3746050号公報
しかし、液晶表示装置については、さらなる画質の向上が求められている。
本発明は、液晶表示装置(特にVAモードの液晶表示装置)の視野角特性の改善に寄与する光学補償フィルム及び偏光板を提供することを課題とする。
また、本発明は、視野角特性が改善された液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置、を提供することを課題とする。
本発明は、液晶表示装置(特にVAモードの液晶表示装置)の視野角特性の改善に寄与する光学補償フィルム及び偏光板を提供することを課題とする。
また、本発明は、視野角特性が改善された液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置、を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む第1の光学異方性層を有し、光学的に二軸性であり、及び可視光域において、面内レターデーションReが、逆分散波長依存性を示すことを特徴とする光学補償フィルム。
[2] 下記式(I)〜(III)の全てを満足することを特徴とする[1]の光学補償フィルム:
(I):3 <(nx−nz)/(nx−ny)<6
(II): 100nm ≦Rth(550nm) ≦400nm
(III): nx >ny >nz
式中、nxは、フィルムの面内の最大屈折率、nyは最大の屈折率を示す方向に対して面内において直交する方向の屈折率、nzはフィルム面の法線方向の屈折率を示し;Rth(λ)は、測定波長λにおける厚み方向のレターデーションを示す。
[3] 下記式(IV)及び(V)を満足することを特徴とする[1]又は[2]の光学補償フィルム:
(IV): 1.0 >Re(450nm)/Re(550nm) >0.6
(V): 1.3 >Re(630nm)/Re(550nm) >1.0
式中、Re(λ)は測定波長λにおける面内レターデーションを示す。
[4] 延伸フィルムからなる第2の光学異方性層をさらに有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの光学補償フィルム。
[5] ポリマーフィルムからなる第2の光学異方性層をさらに有し、前記第1の光学異方性層を前記第2の光学異方性層の表面上に配置した後に、前記第1及び第2の光学異方性層の積層体を延伸して製造されたことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの光学補償フィルム。
[1] ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む第1の光学異方性層を有し、光学的に二軸性であり、及び可視光域において、面内レターデーションReが、逆分散波長依存性を示すことを特徴とする光学補償フィルム。
[2] 下記式(I)〜(III)の全てを満足することを特徴とする[1]の光学補償フィルム:
(I):3 <(nx−nz)/(nx−ny)<6
(II): 100nm ≦Rth(550nm) ≦400nm
(III): nx >ny >nz
式中、nxは、フィルムの面内の最大屈折率、nyは最大の屈折率を示す方向に対して面内において直交する方向の屈折率、nzはフィルム面の法線方向の屈折率を示し;Rth(λ)は、測定波長λにおける厚み方向のレターデーションを示す。
[3] 下記式(IV)及び(V)を満足することを特徴とする[1]又は[2]の光学補償フィルム:
(IV): 1.0 >Re(450nm)/Re(550nm) >0.6
(V): 1.3 >Re(630nm)/Re(550nm) >1.0
式中、Re(λ)は測定波長λにおける面内レターデーションを示す。
[4] 延伸フィルムからなる第2の光学異方性層をさらに有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの光学補償フィルム。
[5] ポリマーフィルムからなる第2の光学異方性層をさらに有し、前記第1の光学異方性層を前記第2の光学異方性層の表面上に配置した後に、前記第1及び第2の光学異方性層の積層体を延伸して製造されたことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの光学補償フィルム。
[6] 前記第2の光学異方性層が、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの光学補償フィルム:
式中、L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表し;A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基を表す)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表し;R1、R2及びR3は各々独立に置換基を表し;Xは第14〜16族の非金属原子を表し(ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい);nは0〜2までのいずれかの整数を表す。
[7] 前記第2の光学異方性層が、セルローストリアセテートを含む延伸フィルムであることを特徴とする[4]〜[6]のいずれかの光学補償フィルム。
[8] 前記第2の光学異方性層が、セルロースアセテートプロピオネートを含む延伸フィルムであることを特徴とする[4]〜[7]のいずれかの光学補償フィルム。
[9] 前記第2の光学異方性層が、セルロースアセテートブチレートを含むフィルムであることを特徴とする[4]〜[8]のいずれかの光学補償フィルム。
[10] [1]〜[9]のいずれかの光学補償フィルムと、偏光膜とを少なくとも有する偏光板。
[11] [10]の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
[12] VA(垂直配向)モードであることを特徴とする[11]の液晶表示装置。
[8] 前記第2の光学異方性層が、セルロースアセテートプロピオネートを含む延伸フィルムであることを特徴とする[4]〜[7]のいずれかの光学補償フィルム。
[9] 前記第2の光学異方性層が、セルロースアセテートブチレートを含むフィルムであることを特徴とする[4]〜[8]のいずれかの光学補償フィルム。
[10] [1]〜[9]のいずれかの光学補償フィルムと、偏光膜とを少なくとも有する偏光板。
[11] [10]の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
[12] VA(垂直配向)モードであることを特徴とする[11]の液晶表示装置。
本発明によれば、液晶表示装置(特にVAモードの液晶表示装置)の視野角特性の改善に寄与する光学補償フィルム及び偏光板を提供することができる。
また、本発明によれば、視野角特性が改善された液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置、を提供することができる。
また、本発明によれば、視野角特性が改善された液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置、を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
また、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(10)及び式(11)よりRthを算出することもできる。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(10)及び式(11)よりRthを算出することもできる。
また式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚(μm)を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
また、本明細書において、測定波長を特に付記しない場合は、波長550nmにおけるRe及びRthであるとする。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
また、本明細書において、測定波長を特に付記しない場合は、波長550nmにおけるRe及びRthであるとする。
図1に本発明の光学補償フィルムの一例の断面模式図を示す。
図1に示す光学補償フィルム10は、第1の光学異方性層12、及び第2の光学異方性層14を有する。第1の光学異方性層12は、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む光学異方性層である。第2の光学異方性層14は、延伸ポリマーフィルムからなる。光学補償フィルム10は、全体として光学的に二軸性を示し、及び可視光域において、面内レターデーションReが、逆分散波長依存性、即ち、長波長になる程Reが大きくなる性質、を有する。
図1に示す光学補償フィルム10は、第1の光学異方性層12、及び第2の光学異方性層14を有する。第1の光学異方性層12は、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む光学異方性層である。第2の光学異方性層14は、延伸ポリマーフィルムからなる。光学補償フィルム10は、全体として光学的に二軸性を示し、及び可視光域において、面内レターデーションReが、逆分散波長依存性、即ち、長波長になる程Reが大きくなる性質、を有する。
本態様の光学補償フィルム10を、VAモードの液晶表示装置の光学補償に利用する場合は、下記式(I)〜(III)を満足しているのが好ましい。
(I):3 <(nx−nz)/(nx−ny)<6
(II): 100nm ≦Rth(550nm) ≦400nm
(III): nx >ny >nz
式中、nxは、フィルムの面内の最大屈折率、nyは最大の屈折率を示す方向に対して面内において直交する方向の屈折率、nzはフィルム面の法線方向の屈折率を示す。
この態様の詳細については、前記特許文献1に記載があり、より好ましい態様についても同様である。本発明の光学補償フィルムは、上記式(I)〜(III)を満足するのみならず、可視光域において、面内レターデーションReが、逆分散波長依存性、即ち、長波長になる程Reが大きくなる性質を示しているので、VAモードの液晶表示装置の斜め方向から観察した際に生じるカラーシフトをより軽減し、且つ高コントラストの画像を表示可能な視野角をより拡大することができる、即ち、視野角特性をより改善することができる。
(I):3 <(nx−nz)/(nx−ny)<6
(II): 100nm ≦Rth(550nm) ≦400nm
(III): nx >ny >nz
式中、nxは、フィルムの面内の最大屈折率、nyは最大の屈折率を示す方向に対して面内において直交する方向の屈折率、nzはフィルム面の法線方向の屈折率を示す。
この態様の詳細については、前記特許文献1に記載があり、より好ましい態様についても同様である。本発明の光学補償フィルムは、上記式(I)〜(III)を満足するのみならず、可視光域において、面内レターデーションReが、逆分散波長依存性、即ち、長波長になる程Reが大きくなる性質を示しているので、VAモードの液晶表示装置の斜め方向から観察した際に生じるカラーシフトをより軽減し、且つ高コントラストの画像を表示可能な視野角をより拡大することができる、即ち、視野角特性をより改善することができる。
VAモードの液晶セルに対する光学補償能を損なうことなく、Reが適切な逆分散波長依存性を示すためには、光学補償フィルム10は、下記式(IV)及び(V)を満足しているのが好ましい。
(IV): 1.0 >Re(450nm)/Re(550nm) >0.6
(V): 1.3 >Re(630nm)/Re(550nm) >1.0
なお、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む光学異方性層12は、Reが順分散波長依存性、即ち、短波長になる程、Reが大きくなる性質、を有するため、本態様では、Reの逆分散波長依存性は、第2の光学異方性層14からもたらされる性質である。第2の光学異方性層14のReに、逆分散波長依存性を持たせるためには、後述する様に、所定のRe発現剤を用いる方法、ポリマー材料を選択する方法、波長分散性調整剤を添加する方法などがある。また、これらの方法を2以上組み合せてもよい。
(IV): 1.0 >Re(450nm)/Re(550nm) >0.6
(V): 1.3 >Re(630nm)/Re(550nm) >1.0
なお、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む光学異方性層12は、Reが順分散波長依存性、即ち、短波長になる程、Reが大きくなる性質、を有するため、本態様では、Reの逆分散波長依存性は、第2の光学異方性層14からもたらされる性質である。第2の光学異方性層14のReに、逆分散波長依存性を持たせるためには、後述する様に、所定のRe発現剤を用いる方法、ポリマー材料を選択する方法、波長分散性調整剤を添加する方法などがある。また、これらの方法を2以上組み合せてもよい。
以下、本態様において、第1及び第2の光学異方性層の形成に用いられる方法、及び材料について、詳細に説明する。
[第1の光学異方性層]
本発明の光学補償フィルムは、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む第1の光学異方性層を有する。該光学異方性層は、前記群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含有するポリマー組成物を塗布液として調製し、該塗布液を、第2の光学異方性層であるポリマーフィルムの表面に塗布・乾燥して形成するのが好ましい。前記ポリマー材料の分子量は、特に制限されないが、その重量平均分子量が、例えば、1,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは、2,000〜500,000の範囲である。重量平均分子量が、これらの範囲内であれば、十分な強度が得られ、フィルム化した場合に、伸縮、歪み等によるクラックが生じにくく、またゲル化することなく、溶剤に対する良好な溶解性が得られる。
[第1の光学異方性層]
本発明の光学補償フィルムは、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む第1の光学異方性層を有する。該光学異方性層は、前記群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含有するポリマー組成物を塗布液として調製し、該塗布液を、第2の光学異方性層であるポリマーフィルムの表面に塗布・乾燥して形成するのが好ましい。前記ポリマー材料の分子量は、特に制限されないが、その重量平均分子量が、例えば、1,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは、2,000〜500,000の範囲である。重量平均分子量が、これらの範囲内であれば、十分な強度が得られ、フィルム化した場合に、伸縮、歪み等によるクラックが生じにくく、またゲル化することなく、溶剤に対する良好な溶解性が得られる。
前記第1の光学異方性層の形成に利用可能なポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドの例には、特許文献1に記載の各ポリマーの例が含まれる。具体的には、以下のポリマーが利用可能である。
ポリイミドとしては、例えば、下記構造式(1)で表される繰り返し単位を含むポリイミドが挙げられる。
ポリイミドとしては、例えば、下記構造式(1)で表される繰り返し単位を含むポリイミドが挙げられる。
上記構造式(1)中、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子もしくはC1-10アルキル基で置換されたフェニル基またはC1-10アルキル基である。
上記構造式(1)で表される繰り返し単位の中でも、前記R1およびR3がメチル基であり、前記R2およびR4が水素である場合が好ましく、具体的には、下記構造式(2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
その他のポリイミドとしては、例えば、特表2000-511296号公報に開示された、9,9-ビス(アミノアリール)フルオレンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との縮合重合生成物を含み、下記構造式(3)に示す繰り返し単位を1つ以上含むポリマーが使用できる。
上記構造式(3)中、R5〜R8は、水素、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC1-10アルキル基で置換されたフェニル基、およびC1-10アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。好ましくは、R5〜R8は、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC1-10アルキル基で置換されたフェニル基、およびC1-10アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。
上記構造式(3)中、Zは、例えば、C6-20の4価芳香族基であり、好ましくは、ピロメリット基、多環式芳香族基、多環式芳香族基の誘導体、または、下記構造式(4)で表される基である。
上記構造式(4)中、Z'は、例えば、共有結合、C(R7)2基、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(C2H5)2基、または、NR8基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。また、wは、1〜10までの整数を表す。R7は、それぞれ独立に、水素またはC(R9)3である。R8は、水素、炭素原子数1〜約20のアルキル基、またはC6-20アリール基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。R9は、それぞれ独立に、水素、フッ素、または塩素である。
前記多環式芳香族基としては、例えば、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレンまたはアントラセンから誘導される4価の基が挙げられる。また、前記多環式芳香族基の置換誘導体としては、例えば、C1-10のアルキル基、そのフッ素化誘導体、およびFやCl等のハロゲンからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換された前記多環式芳香族基が挙げられる。
その他のポリイミドとしては、例えば、特表平8-511812号公報に記載された、繰り返し単位が下記構造式(5)または(6)で示されるホモポリマーや、繰り返し単位が下記構造式(7)で示されるポリイミド等が挙げられる。なお、下記構造式(7)のポリイミドは、下記構造式(5)のホモポリマーの好ましい形態である。
上記構造式(5)〜(7)中、GおよびG'は、例えば、共有結合、CH2基、C(CH3)2基、C(CF3)2基、C(CX3)2基(ここで、Xは、ハロゲンである。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH2CH3)2基、および、N(CH3)基からなる群から、それぞれ独立して選択される基を表し、それぞれ同一でも異なってもよい。
前記構造式(5)および(7)中、Lは、置換基であり、dおよびeは、その置換数を表す。Lは、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、およびC1-3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基が挙げられる。また、前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。dは、0〜2までの整数であり、eは、0〜3までの整数である。
前記構造式(5)〜(7)中、Qは置換基であり、fはその置換数を表す。Qとしては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、および置換アルキルエステル基からなる群から選択される原子または基であって、Qが複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。前記置換アルキル基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基が挙げられる。また前記置換アリール基としては、例えば、ハロゲン化アリール基が挙げられる。fは、0〜4までの整数であり、gおよびhは、それぞれ0〜3および1〜3までの整数である。また、gおよびhは、1より大きいことが好ましい。
前記構造式(6)中、R10およびR11は、水素、ハロゲン、フェニル基、置換フェニル基、アルキル基、および置換アルキル基からなる群から、それぞれ独立に選択される基である。その中でも、R10およびR11は、それぞれ独立に、ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
前記構造式(7)中、M1およびM2は、同一であるかまたは異なり、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基である。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。また、前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、およびC1-3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基が挙げられる。
前記構造式(5)に示すポリイミドの具体例としては、例えば、下記一般式(8)で表されるもの等が挙げられる。
その他のポリイミドとしては、例えば、前述のような骨格(繰り返し単位)以外の酸二無水物やジアミンを、適宜共重合させたコポリマーが挙げられる。
前記酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物、2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
前記ピロメリト酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、3,6-ジフェニルピロメリト酸二無水物、3,6-ビス(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物、3,6-ジブロモピロメリト酸二無水物、3,6-ジクロロピロメリト酸二無水物等が挙げられる。前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。前記ナフタレンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,6,7-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロ-ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。前記複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピリジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。前記2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,2'-ジブロモ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物のその他の例としては、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,5,6-トリフルオロ-3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-2,2-ジフェニルプロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-[4,4'-イソプロピリデン-ジ(p-フェニレンオキシ)]ビス(フタル酸無水物)、N,N-(3,4-ジカルボキシフェニル)-N-メチルアミン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジエチルシラン二無水物等が挙げられる。
これらの中でも、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、より好ましくは、2,2'-ビス(トリハロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミンがあげられ、具体例としては、ベンゼンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、ナフタレンジアミン、複素環式芳香族ジアミン、およびその他の芳香族ジアミンが挙げられる。
前記ベンゼンジアミンとしては、例えば、o-、m-およびp-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノ-2-メトキシベンゼン、1,4-ジアミノ-2-フェニルベンゼンおよび1,3-ジアミノ-4-クロロベンゼンのようなベンゼンジアミンから成る群から選択されるジアミン等が挙げられる。前記ジアミノベンゾフェノンの例としては、2,2'-ジアミノベンゾフェノン、および3,3'-ジアミノベンゾフェノン等が挙げられる。前記ナフタレンジアミンとしては、例えば、1,8-ジアミノナフタレン、および1,5-ジアミノナフタレン等が挙げられる。前記複素環式芳香族ジアミンの例としては、2,6-ジアミノピリジン、2,4-ジアミノピリジン、および2,4-ジアミノ-S-トリアジン等が挙げられる。
また、前記芳香族ジアミンとしては、これらの他に、4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-(9-フルオレニリデン)-ジアニリン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,2'-ジクロロ-4,4'-ジアミノビフェニル、2,2',5,5'-テトラクロロベンジジン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
ポリエーテルケトンとしては、例えば、特開2001−49110号公報に記載された、下記一般式(9)で表されるポリアリールエーテルケトンが挙げられる。
上記一般式(9)中、Xは、置換基を表し、qは、その置換数を表す。Xは、例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基、低級アルコキシ基、または、ハロゲン化アルコキシ基であり、Xが複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子およびヨウ素原子があげられ、これらの中でも、フッ素原子が好ましい。前記低級アルキル基としては、例えば、C1-6の直鎖または分岐鎖を有する低級アルキル基が好ましく、より好ましくはC1-4の直鎖または分岐鎖のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、および、tert-ブチル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。前記ハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の前記低級アルキル基のハロゲン化物が挙げられる。前記低級アルコキシ基としては、例えば、C1-6の直鎖または分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはC1-4の直鎖または分岐鎖のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、および、tert-ブトキシ基が、さらに好ましく、特に好ましくはメトキシ基およびエトキシ基である。前記ハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基等の前記低級アルコキシ基のハロゲン化物が挙げられる。
上記一般式(9)中、qは、0〜4までの整数である。上記一般式(9)においては、q=0であり、かつ、ベンゼン環の両端に結合したカルボニル基とエーテルの酸素原子とが互いにパラ位に存在することが好ましい。
また、上記一般式(9)中、R12は、下記構造式(10)で表される基であり、mは、0または1の整数である。
上記構造式(10)中、X'は置換基を表し、例えば、上記一般式(9)におけるXと同様である。上記構造式(10)において、X'が複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。q'は、前記X'の置換数を表し、0〜4までの整数であって、q'=0が好ましい。また、pは、0または1の整数である。
上記構造式(10)中、R13は、2価の芳香族基を表す。この2価の芳香族基としては、例えば、o-、m-もしくはp-フェニレン基、または、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、o-、m-もしくはp-テルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエーテル、もしくは、ビフェニルスルホンから誘導される2価の基等が挙げられる。これらの2価の芳香族基において、芳香族に直接結合している水素が、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基で置換されてもよい。これらの中でも、前記R13としては、下記構造式(11)〜(17)からなる群から選択される芳香族基が好ましい。
上記一般式(9)中、前記R12としては、下記構造式(18)で表される基が好ましく、下記構造式(18)において、R13およびpは上記構造式(10)と同義である。
さらに、上記一般式(9)中、nは重合度を表し、例えば、2〜5000の範囲であり、好ましくは、5〜500の範囲である。また、その重合は、同じ構造の繰り返し単位からなるものであってもよく、異なる構造の繰り返し単位からなるものであってもよい。後者の場合には、繰り返し単位の重合形態は、ブロック重合であってもよいし、ランダム重合でもよい。
さらに、上記一般式(9)で示されるポリアリールエーテルケトンの末端は、p-テトラフルオロベンゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基側が水素原子であることが好ましく、このようなポリアリールエーテルケトンは、例えば、下記一般式(19)で表すことができる。なお、下記式において、nは上記一般式(9)と同様の重合度を表す。
上記一般式(9)で示されるポリアリールエーテルケトンの具体例としては、下記一般式(20)〜(23)で表されるもの等があげられ、下記各式において、nは、上記一般式(9)と同様の重合度を表す。
ポリアミドまたはポリエステルとしては、例えば、特表平10−508048号公報に記載されるポリアミドやポリエステルがあげられ、それらの繰り返し単位は、例えば、下記構造式(24)で表すことができる。
上記構造式(24)中、Yは、OまたはNHである。また、Eは、例えば、共有結合、C2アルキレン基、ハロゲン化C2アルキレン基、CH2基、C(CX3)2基(ここで、Xはハロゲンまたは水素である。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(R)2基、および、N(R)基からなる群から選ばれる少なくとも一種類の基であり、それぞれ同一でもよいし異なってもよい。前記Eにおいて、Rは、C1-3アルキル基およびC1-3ハロゲン化アルキル基の少なくとも一種類であり、カルボニル官能基またはY基に対してメタ位またはパラ位にある。
また、上記構造式(24)中、AおよびA'は、置換基であり、tおよびzは、それぞれの置換数を表す。また、pは、0〜3までの整数であり、qは、1〜3までの整数であり、rは、0〜3までの整数である。
前記Aは、例えば、水素、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、OR(ここで、Rは、前記定義のものである。)で表されるアルコキシ基、アリール基、ハロゲン化等による置換アリール基、C1-9アルコキシカルボニル基、C1-9アルキルカルボニルオキシ基、C1-12アリールオキシカルボニル基、C1-12アリールカルボニルオキシ基およびその置換誘導体、C1-12アリールカルバモイル基、ならびに、C1-12アリールカルボニルアミノ基およびその置換誘導体からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記A'は、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置換フェニル基のフェニル環上の置換基としては、例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基およびこれらの組み合わせが挙げられる。前記tは、0〜4までの整数であり、前記zは、0〜3までの整数である。
上記構造式(24)で表されるポリアミドまたはポリエステルの繰り返し単位の中でも、下記構造式(25)で表されるものが好ましい。
上記構造式(25)中、A、A'およびYは、上記構造式(24)で定義したものであり、vは0〜3の整数、好ましくは、0〜2の整数である。xおよびyは、それぞれ0または1であるが、共に0であることはない。
前記第1の光学異方性層は、発明の効果を損なわない範囲で、構造の異なる他の樹脂をさらに含有していてもよい。このような混合用樹脂としては、例えば、汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
前記汎用樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂、およびAS樹脂等が挙げられる。前記エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、および液晶ポリマー(LCP)等が挙げられる。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。
前記汎用樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂、およびAS樹脂等が挙げられる。前記エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、および液晶ポリマー(LCP)等が挙げられる。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。
これらの混合用材料を前記ポリマー材料に配合する場合、その配合量は、配向性が著しく低下しない範囲であれば特に制限されないが、通常、前記ポリマー材料に対して、例えば、0〜50質量%であり、好ましくは、0〜30質量%である。
前記第1の光学異方性層の形成に用いられる、ポリマー組成物を、塗布液として調製してもよい。塗布液は、ポリマー材料を、溶媒に溶解及び/又は分散させて調製することができる。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
前記第1の光学異方性層の形成に利用される塗布方法について特に制限されず、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)を利用できる。中でも、ワイヤーバーコーティング法を利用して塗布するのが好ましい。また、前記第2の光学異方性層の形成にはダイコーティング法も好ましく用いられ、特に、スライドコーター又はスロットダイコーターを利用した塗布方法も好ましく用いることができる。
前記第1の光学異方性層の厚みについては特に制限はないが、本発明の光学補償フィルムを、VAモードの液晶表示装置に用いる場合は、液晶表示装置の薄型化を図ることができ、且つ位相差が均一で視角補償機能に優れた光学異方性層とするためには、層厚は、2〜10μmであるのが好ましく、4〜8μmであるのがより好ましい。
[第2の光学異方性層]
前記ポリマーフィルムの材料としては、光学性能、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましいが、上述の条件を満たす範囲であればどのような材料を用いてもよい。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーを混合したポリマーも例として挙げられる。
前記ポリマーフィルムの材料としては、光学性能、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましいが、上述の条件を満たす範囲であればどのような材料を用いてもよい。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーを混合したポリマーも例として挙げられる。
また、前記ポリマーフィルムを形成する材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることができる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等が挙げられる。
また、前記ポリマーフィルムを形成する材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきたセルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)を特に好ましく用いることができる。セルロースアシレートの代表例としては、トリアセチルセルロースが挙げられる。セルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、前記セルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
第2の光学異方性層用のセルロースアシレートフィルムのセルロースアシレートのアシル置換基は、例えばアセチル基単独からなるセルロースアシレートであっても、複数のアシル置換基を有するセルロースアシレートを含む組成物を用いても良い。かかるセルロースアシレートの好ましい例は、全アシル化度が2.3〜3.0であり、2.4〜2.95がより好ましく、2.5〜2.93がさらに好ましい。
上記セルロースアシレートのアシル置換基として、混合脂肪酸エステルも好ましく用いることができる。脂肪酸エステル残基において、脂肪族アシル基の炭素原子数が2〜20であることが好ましい。具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられ、好ましくはアセチル、プロピオニル及びブチリルである。
上記セルロースアシレートのアシル置換基として、混合脂肪酸エステルも好ましく用いることができる。脂肪酸エステル残基において、脂肪族アシル基の炭素原子数が2〜20であることが好ましい。具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられ、好ましくはアセチル、プロピオニル及びブチリルである。
前記セルロースアシレートは、脂肪酸アシル基と置換もしくは無置換の芳香族アシル基とを有する混合酸エステルであってもよい。
芳香族アシル基の置換度はセルロース脂肪酸モノエステルの場合、残存する水酸基に対して、好ましくは2.0以下、さらに好ましくは0.1〜2.0である。また、セルロース脂肪酸ジエステル(二酢酸セルロース)の場合、残存する水酸基に対して、好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.1〜1.0である。
芳香族アシル基の置換度はセルロース脂肪酸モノエステルの場合、残存する水酸基に対して、好ましくは2.0以下、さらに好ましくは0.1〜2.0である。また、セルロース脂肪酸ジエステル(二酢酸セルロース)の場合、残存する水酸基に対して、好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.1〜1.0である。
前記セルロースアシレートは、350〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、370〜600の質量平均重合度を有することがさらに好ましい。また本発明で用いられるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することがよりさらに好ましい。
前記セルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。工業的に最も一般的な合成方法では、綿花リンタや木材パルプなどから得たセルロースをアセチル基及び他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)又はそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。
前記セルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造されるのが好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、 米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の記載を参考にすることができる。また、前記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されていてもよい。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号 等に記載の例を参考にすることができる。
上記した通り、本発明の光学補償フィルムが全体として、可視光域において、Reが逆分散波長依存性を示すためには、前記第2の光学異方性層として用いるポリマーフィルムが、可視光域において、第1の光学異方性層が発現する順分散性を打ち消すことができるくらい大きなRe逆分散波長依存性を示しているのが好ましい。かかる性質のポリマーフィルムを作製するためには、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースアセテートブチレートフィルムを、第1の光学異方性層を設ける前に予め延伸処理を施すのが好ましい。また、セルロースアシレート(好ましくはセルローストリアセテート)と、下記の式(I)で表されるRe発現剤とを含有する組成物を、ソルベントキャスト法にて製膜し、所望により延伸処理して作製するのも好ましい。
(Re発現剤)
第2の光学異方性層として用いるセルロースアシレートフィルム中に、Re発現剤を添加するのが好ましい。ここで、「Re発現剤」とはフィルム面内の複屈折を発現する性質を有する化合物である。Re発現剤としては、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種が好ましい。
第2の光学異方性層として用いるセルロースアシレートフィルム中に、Re発現剤を添加するのが好ましい。ここで、「Re発現剤」とはフィルム面内の複屈折を発現する性質を有する化合物である。Re発現剤としては、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種が好ましい。
式中、L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表し;A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基を表す)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表し;R1、R2及びR3は各々独立に置換基を表し;Xは第14〜16族の非金属原子を表し(ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい);nは0〜2までのいずれかの整数を表す。
前記一般式(I)で表される化合物の中でも、Re発現剤としては、下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
一般式(II)中、L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表す。A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基を表す。)、−S−及びCO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2、R3、R4及びR5は各々独立に置換基を表す。nは0〜2の整数を表す。
一般式(I)又は(II)において、L1及びL2が表す二価の連結基としては、好ましくは下記の例が挙げられる。
さらに好ましくは−O−、−COO−、−OCO−である。
一般式(I)又は(II)において、R1は置換基であり、複数存在する場合は同じでも異なっていてもよく、環を形成してもよい。置換基の例としては下記のものが適用できる。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
R1は好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基、アミノ基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基である。
R2、R3は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例が挙げられる。好ましくは置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のシクロヘキサン環である。より好ましくは置換基を有するベンゼン環、置換基を有するシクロヘキサン環であり、さらに好ましくは4位に置換基を有するベンゼン環、4位に置換基を有するシクロヘキサン環である。
R4、R5は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例が挙げられる。好ましくは、ハメットの置換基定数σp値が0より大きい電子吸引性の置換基であることが好ましく、σp値が0〜1.5の電子吸引性の置換基を有していることがさらに好ましい。このような置換基としてはトリフルオロメチル基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。また、R4とR5とが結合して環を形成してもよい。
なお、ハメットの置換基定数のσp、σmに関しては、例えば、稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、日本化学会編「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V」2605頁(丸善)、仲谷忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、ケミカル レビュー,91巻,165〜195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。
なお、ハメットの置換基定数のσp、σmに関しては、例えば、稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、日本化学会編「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V」2605頁(丸善)、仲谷忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、ケミカル レビュー,91巻,165〜195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。
A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子又は置換基)、−S−及びCO−からなる群から選ばれる基を表す。好ましくは−O−、−NR−(Rは置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられる)又はS−である。
Xは第14〜16族の非金属原子を表す。ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい。Xは=O、=S、=NR、=C(R)Rが好ましい(ここでRは置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられる)。
nは0〜2の整数を表し、好ましくは0、1である。
nは0〜2の整数を表し、好ましくは0、1である。
以下に、一般式(I)又は(II)で表される化合物の具体例を示すが、前記Re発現剤の例は以下の具体例に限定されるものではない。下記化合物に関しては、指定のない限り括弧( )内の数字にて例示化合物(X)と示す。
前記一般式(I)又は(II)で表される化合物の合成は、既知の方法を参照して行うことができる。例えば、例示化合物(1)は、下記スキームに従って合成することができる。
前記スキーム中、化合物(1−A)〜化合物(1−D)までの合成は、“Journal of Chemical Crystallography”(1997)
;27(9);p.515−526.に記載の方法を参照して行うことができる。
さらに、前記スキームに示したように、化合物(1−E)のテトラヒドロフラン溶液に、メタンスルホン酸クロライドを加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを滴下し攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、化合物(1−D)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、その後、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)のテトラヒドロフラン溶液を滴下することで、例示化合物(1)を得ることができる。
;27(9);p.515−526.に記載の方法を参照して行うことができる。
さらに、前記スキームに示したように、化合物(1−E)のテトラヒドロフラン溶液に、メタンスルホン酸クロライドを加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを滴下し攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、化合物(1−D)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、その後、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)のテトラヒドロフラン溶液を滴下することで、例示化合物(1)を得ることができる。
また、特開2004−50516号公報の11〜14頁に記載の棒状芳香族化合物を、前記Re発現剤として用いてもよい。
また、Re発現剤として、一種の化合物を単独で、又は二種類以上の化合物を混合して用いることができる。Re発現剤として互いに異なる二種類以上の化合物を用いると、レターデーションの調整範囲が広がり、容易に所望の範囲に調整できるので好ましい。
前記Re発現剤の添加量はセルロースアシレート100質量部に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がさらに好ましい。前記セルロースアシレートフィルムをソルベントキャスト法で作製する場合は、前記Re発現剤を、ドープ中に添加してもよい。添加はいずれのタイミングで行ってもよく、例えば、アルコール、メチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶媒にRe発現剤を溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加してもよいし、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
また、Re発現剤として、一種の化合物を単独で、又は二種類以上の化合物を混合して用いることができる。Re発現剤として互いに異なる二種類以上の化合物を用いると、レターデーションの調整範囲が広がり、容易に所望の範囲に調整できるので好ましい。
前記Re発現剤の添加量はセルロースアシレート100質量部に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がさらに好ましい。前記セルロースアシレートフィルムをソルベントキャスト法で作製する場合は、前記Re発現剤を、ドープ中に添加してもよい。添加はいずれのタイミングで行ってもよく、例えば、アルコール、メチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶媒にRe発現剤を溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加してもよいし、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
(Rth発現剤)
また、第2の光学異方性層として用いるセルロースアシレートフィルム中に、Rth発現剤を添加してもよい。ここで、「Rth発現剤」とはフィルムの厚み方向に複屈折を発現する性質を有する化合物である。
また、第2の光学異方性層として用いるセルロースアシレートフィルム中に、Rth発現剤を添加してもよい。ここで、「Rth発現剤」とはフィルムの厚み方向に複屈折を発現する性質を有する化合物である。
前記Rth発現剤としては、250nm〜380nmの波長範囲に吸収極大を有する分極率異方性の大きい化合物が好ましい。前記Rth発現剤としては、下記一般式(I)で表される化合物を特に好ましく使用できる。
式中、X1は、単結合、−NR4−、−O−又はS−であり;X2は、単結合、−NR5−、−O−又はS−であり;X3は、単結合、−NR6−、−O−又はS−である。また、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、芳香族環基又は複素環基であり;R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基である。
以下に前記一般式(I)で表される化合物の好ましい例(I−(1)〜IV−(10))を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
前記Rth発現剤としては下記一般式(III)で表される化合物も好ましい。以下に一般式(III)の化合物に関して詳細に説明する
一般式(III)中、R2、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R11、R13はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、L1、L2はそれぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表す。Ar1はアリーレン基又は芳香族へテロ環を表し、Ar2はアリール基又は芳香族へテロ環を表し、nは3以上の整数を表し、n種存在するL2、Ar1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ただしR11、R13は互いに異なっており、R13で表されるアルキル基はへテロ原子を含まない。
一般式(III)中、R2、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。前記置換基としては後述の置換基Tが適用できる。
一般式(III)におけるR2として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、更に好ましくは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4、より好ましくはメチル基である。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4)である。特に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基であり、最も好ましくは水素原子である。
一般式(III)におけるR4として好ましくは、水素原子又は電子供与性基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基であり、更に好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4)であり、特に好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、最も好ましくは水素原子、メトキシ基である。
一般式(III)におけるR5として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、更に好ましくは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4より好ましくはメチル基である。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜6特に好ましくは炭素数1〜4)である。特に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基である。最も好ましくは水素原子である。
一般式(III)におけるR11、R13はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、R11、R13は互いに異なっており、R13で表されるアルキル基はへテロ原子を含まない。ここでヘテロ原子とは水素原子、炭素原子以外の原子のことを表し、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン、ケイ素、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ホウ素などが挙げられる。
R11、R13で表されるアルキル基としては、直鎖、分岐、又は環状であって、置換もしくは無置換のアルキル基を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基(つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基。)、更に環構造が多いトリシクロ構造などが挙げられる。
R11、R13で表されるアルキル基としては、直鎖、分岐、又は環状であって、置換もしくは無置換のアルキル基を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基(つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基。)、更に環構造が多いトリシクロ構造などが挙げられる。
R11、R13で表されるアルキル基の好ましい例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、2−ヘキシルデシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−ヘキセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等を挙げることができる。また、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル、ビシクロアルキル基としては、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イルなどを挙げることができる。
R11として更に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくはメチル基である。
R13として特に好ましくは、炭素原子2個以上を含むアルキル基であり、より好ましくは炭素原子3個以上を含むアルキル基である。分岐又は環状構造をもったものは特に好ましく用いられる。
R13として特に好ましくは、炭素原子2個以上を含むアルキル基であり、より好ましくは炭素原子3個以上を含むアルキル基である。分岐又は環状構造をもったものは特に好ましく用いられる。
以下にR13で表されるアルキル基の具体例(O−1〜O−20)を挙げて説明するが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。尚、下記具体例中、「#」は酸素原子側を意味する。
一般式(III)におけるAr1はアリーレン基又は芳香族へテロ環を表し、繰り返し単位中のAr1は、すべて同一であっても異なっていてもよい。また、Ar2はアリール基又は芳香族へテロ環を表す。
一般式(III)中、Ar1で表されるアリーレン基として好ましくは炭素数6〜30のアリーレン基であり、単環であってもよいし、さらに他の環と縮合環を形成してもよい。また、可能な場合には置換基を有してもよく、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。Ar1で表されるアリーレン基としてより好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニレン基、p−メチルフェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
一般式(III)中、Ar2で表されるアリール基として好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、単環であってもよいし、さらに他の環と縮合環を形成してもよい。また、可能な場合には置換基を有してもよく、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。Ar2で表されるアリール基としてより好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
一般式(III)中、Ar1で表されるアリーレン基として好ましくは炭素数6〜30のアリーレン基であり、単環であってもよいし、さらに他の環と縮合環を形成してもよい。また、可能な場合には置換基を有してもよく、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。Ar1で表されるアリーレン基としてより好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニレン基、p−メチルフェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
一般式(III)中、Ar2で表されるアリール基として好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、単環であってもよいし、さらに他の環と縮合環を形成してもよい。また、可能な場合には置換基を有してもよく、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。Ar2で表されるアリール基としてより好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
一般式(III)中、Ar1、Ar2で表される芳香族ヘテロ環は、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環であることができ、好ましくは5〜6員環の酸素原子、窒素原子又は硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環である。また、可能な場合にはさらに置換基を有してもよい。置換基としては後述の置換基Tが適用できる。
一般式(III)中、Ar1、Ar2で表される芳香族ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデン、ピロロトリアゾール、ピラゾロトリアゾールなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましいものは、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾールである。
一般式(III)中、L1、L2はそれぞれ独立に単結合、又は2価の連結基を表す。L1、L2は、同じであってもよく異なっていてもよい。また、繰り返し単位中のL2は、すべて同一であっても異なっていてもよい。
前記二価の連結基として好ましいものは、−O−、−NR―(Rは水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基をあらわす)、−CO−、−SO2−、−S−、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基及びこれらの二価の基を2つ以上組み合わせて得られる基であり、その内より好ましいものは−O−、−NR−、−CO−、−SO2NR−、−NRSO2−、−CONR−、−NRCO−、−COO−、及びOCO−、アルキニレン基である。Rは好ましくは水素原子を表す。
前記二価の連結基として好ましいものは、−O−、−NR―(Rは水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基をあらわす)、−CO−、−SO2−、−S−、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基及びこれらの二価の基を2つ以上組み合わせて得られる基であり、その内より好ましいものは−O−、−NR−、−CO−、−SO2NR−、−NRSO2−、−CONR−、−NRCO−、−COO−、及びOCO−、アルキニレン基である。Rは好ましくは水素原子を表す。
本発明における一般式(III)で表される化合物において、Ar1はL1及びL2と結合するが、Ar1がフェニレン基である場合、L1-Ar1−L2、及びL2-Ar1−L2は互いにパラ位(1,4−位)の関係にあることが特に好ましい。
一般式(III)中、nは3以上の整数を表し、好ましくは3〜7であり、より好ましくは3〜6であり、さらに好ましくは3〜5である。
前記一般式(III)で表される化合物としては、下記一般式(IV)及び(V)で表される化合物を特に好ましく用いることができる。
一般式(IV)中、R2、R5は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R11、R13は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、L1、L2は、それぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表す。Ar1はアリーレン基又は芳香族へテロ環を表し、Ar2はアリール基又は芳香族へテロ環を表し、nは3以上の整数を表し、n種存在するL2、Ar1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ただしR11、R13は互いに異なっており、R13で表されるアルキル基はへテロ原子を含まない。
一般式(IV)中、R2、R5、R11、R13は一般式(III)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。また、L1、L2、Ar1、Ar2についても一般式(III)におけるそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(V)中、R2、R5はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R11、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、L1、L2はそれぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表す。Ar1はアリーレン基又は芳香族へテロ環を表し、Ar2はアリール基又は芳香族へテロ環を表し、nは3以上の整数を表し、n種存在するL2、Ar1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ただしR11、R13は互いに異なっており、R13で表されるアルキル基はへテロ原子を含まない。
一般式(V)中、R2、R5、R11、R13は一般式(III)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。また、L1、L2、Ar1、Ar2は一般式(III)におけるそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(V)において、R14は水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基としてはR11、R13の好ましい例として示したアルキル基が好ましく用いられる。前記R14として好ましくは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。R11とR14とは同一であってもよいし異なっていてもよいが、ともにメチル基であることが特に好ましい。
一般式(V)において、R14は水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基としてはR11、R13の好ましい例として示したアルキル基が好ましく用いられる。前記R14として好ましくは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。R11とR14とは同一であってもよいし異なっていてもよいが、ともにメチル基であることが特に好ましい。
また、前記一般式(V)で表される化合物としては、一般式(V―A)もしくは一般式(V−B)で表される化合物も好ましい。
一般式(V−A)中、R2、R5は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R11、R13は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、L1、L2は、それぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表す。Ar1はアリーレン基又は芳香族へテロ環を表し、nは3以上の整数を表し、n種存在するL2、Ar2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ただしR11、R13は互いに異なっており、R13で表されるアルキル基はへテロ原子を含まない。
一般式(V―A)中、R2、R5、R11、R13、L1、L2、Ar1、nは一般式(III)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(V−B)中、R2、R5は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R11、R13、R14は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、L1、L2は、それぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表す。Ar1はアリーレン基又は芳香族へテロ環を表し、nは3以上の整数を表し、n種存在するL1、Ar2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ただしR11、R13は互いに異なっており、R13で表されるアルキル基はへテロ原子を含まない。
一般式(V―B)中、R2、R5、R11、R13、R14、L1、L2、Ar1、nは一般式(III)及び(V)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
以下に前述の置換基Tについて説明する。
置換基Tとして好ましくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、
置換基Tとして好ましくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、
シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(V−A)で表される化合物として好ましいものは、R11がいずれもメチル基であり、R2、R5がいずれも水素原子であり、R13が炭素原子3個以上をもつアルキル基であり、L1が、単結合、−O−、−CO−、−NR−、−SO2NR−、−NRSO2−、−CONR−、−NRCO−、−COO−、及びOCO−、アルキニレン基(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基を表す。好ましくは水素原子である。)であり、L2が−O−又はNR−(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基を表す。好ましくは水素原子である。)であり、Ar1がアリーレン基であり、nが3〜6であるものを挙げることができる。
以下に一般式(V−A)及び(V−B)で表される化合物に関して具体例をあげて詳細に説明するが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。
一般式(III)で表される化合物はまず置換安息香酸を合成した後に、この置換安息香酸とフェノール誘導体もしくはアニリン誘導体との一般的なエステル反応もしくはアミド化反応によって合成でき、エステル結合、アミド結合形成反応であればどのような反応を用いてもよい。例えば、置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、フェノール誘導体もしくはアニリン誘導体と縮合する方法、縮合剤あるいは触媒を用いて置換安息香酸とフェノール誘導体もしくはアニリン誘導体を脱水縮合する方法などが挙げられる。
一般式(III)で表される化合物の製造方法としては、製造プロセス等を考慮すると置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、フェノール誘導体もしくはアニリン誘導体と縮合する方法が好ましい。
一般式(III)で表される化合物の製造方法としては、製造プロセス等を考慮すると置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、フェノール誘導体もしくはアニリン誘導体と縮合する方法が好ましい。
一般式(III)で表される化合物の製造方法においては、反応溶媒として、炭化水素系溶媒(好ましくはトルエン、キシレンが挙げられる。)、エーテル系溶媒(好ましくはジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる)、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどを用いることができる。これらの溶媒は単独でも数種を混合して用いてもよく、前記溶媒として好ましくはトルエン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドである。
反応温度としては、好ましくは0〜150℃、より好ましくは0〜100℃、更に好ましくは0〜90℃であり、特に好ましくは20℃〜90℃である。
また、本反応には塩基を用いないのが好ましい。塩基を用いる場合には有機塩基、無機塩基のどちらでもよく、好ましくは有機塩基であり、ピリジン、3級アルキルアミン(好ましくはトリエチルアミン、エチルジイソプルピルアミンなどが挙げられる)である。
また、本反応には塩基を用いないのが好ましい。塩基を用いる場合には有機塩基、無機塩基のどちらでもよく、好ましくは有機塩基であり、ピリジン、3級アルキルアミン(好ましくはトリエチルアミン、エチルジイソプルピルアミンなどが挙げられる)である。
一般式(V−A)及び(V−B)で表される化合物は、公知の方法で合成することができ、例えば、n=4である化合物の場合、下記構造Aを有する原料化合物と水酸基、アミノ基等の反応性部位を有する誘導体との反応により得られた下記中間体B 2分子を、下記化合物C 1分子により連結することによって得ることができる。ただし、一般式(V−A)及び(V−B)で表される化合物の合成法はこの例に限定されない。
式中、Aは水酸基、ハロゲン原子等の反応性基を表し、R11、R2、R13、及びR5は先に記載した通りであり、R4は水素原子もしくは前述のOR14で表される置換基である。
式中、A’はカルボキシル基等の反応性基を表し、R11、R2、R13、R4、R5、Ar1、及びL1は先に記載した通りである。
式中、B及びB’は水酸基、アミノ基等の反応性基を表し、Ar2及びL2は先に記載したAr1、L1と同義である。
上記一般式(I)、(III)〜(V)で表される本発明におけるRth発現剤のセルロースアシレート100質量部に対する含有量は0.1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がさらに好ましく、3〜15質量%がよりさらに好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムをソルベントキャスト法により製造する場合は、前記Rth発現剤をドープ中に添加してもよい。前記Rth発現剤を添加するタイミングについて特に制限はなく、アルコール、メチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶媒にRth発現剤を溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
前記セルロースアシレートフィルムをソルベントキャスト法により製造する場合は、前記Rth発現剤をドープ中に添加してもよい。前記Rth発現剤を添加するタイミングについて特に制限はなく、アルコール、メチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶媒にRth発現剤を溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
前記Rth発現剤として、前記一般式(I)、(III)〜(V)で表される化合物の一種を単独で用いてもよいし、2種類以上混合して用いることができる。また、本発明においては、一般式(I)、(III)〜(V)で表されるRth発現剤の併用も好ましい。
前記第2の光学異方性層として使用されるセルロースアシレートフィルムは、紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤は、Rth発現剤としても機能し得る。前記紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報に記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。前記第2の光学異方性層として用いるセルロースアシレートフィルムには、紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、且つ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本発明に有用なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を好ましく使用できる。
Rth発現剤のセルロースアシレート100質量部に対する含有量は0.1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がさらに好ましく、3〜15質量%がよりさらに好ましい。
なお、前記セルロースアシレートフィルムをソルベントキャスト法により製造する場合は、前記Rth発現剤をドープ中に添加してもよい。前記Rth発現剤を添加するタイミングについて特に制限はなく、アルコール、メチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶媒にRth発現剤を溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
なお、前記セルロースアシレートフィルムをソルベントキャスト法により製造する場合は、前記Rth発現剤をドープ中に添加してもよい。前記Rth発現剤を添加するタイミングについて特に制限はなく、アルコール、メチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶媒にRth発現剤を溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
(可塑剤)
前記第2の光学異方性層として用いられるセルロースアシレートフィルム中には、トリフェニルホスフェート、ビフェニルホスフェート等の可塑剤を添加してもよい。
前記第2の光学異方性層として用いられるセルロースアシレートフィルム中には、トリフェニルホスフェート、ビフェニルホスフェート等の可塑剤を添加してもよい。
前記第2の光学異方性層として用いるポリマーフィルムの厚みについては特に制限されないが、一般的には、40〜120μmであるのが好ましく、60〜100μmであるのがより好ましい。
また、第1及び第2の光学異方性層の積層体としては、その厚みは、42〜130μmであるのが好ましく、62〜110μmであるのがより好ましい。
また、第1及び第2の光学異方性層の積層体としては、その厚みは、42〜130μmであるのが好ましく、62〜110μmであるのがより好ましい。
前記第2の光学異方性層として用いるポリマーフィルムは、延伸処理を施されたフィルムであるのが好ましい。延伸処理はRe逆波長分散性が不足する場合には、前記第1の光学異方性層を形成する前に実施し、その後は、前記第1の光学異方性層を形成した後に、第1の光学異方性層との積層体全体に対して実施するのが好ましい。第2のポリマーフィルムが、一般式(I)で表される化合物(Re発現剤)を含有する
場合には、延伸処理は第1の光学異方性層との積層体全体に対してのみ、実施すればよい。延伸処理の条件については特に制限されず、一軸縦・横延伸、二軸延伸等、いずれの条件で行なってもよい。
場合には、延伸処理は第1の光学異方性層との積層体全体に対してのみ、実施すればよい。延伸処理の条件については特に制限されず、一軸縦・横延伸、二軸延伸等、いずれの条件で行なってもよい。
本発明の光学補償フィルムは、そのまま単独の部材として、液晶表示装置に用いることができる。また、偏光膜と貼り合わせ、偏光板の一部材として液晶表示装置に用いることもできる。以下、本発明の光学補償フィルムを有する偏光板について説明する。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光膜と、本発明の光学補償フィルムとを少なくとも有する。前記光学補償フィルムを、直接偏光膜の表面に貼り合せ、偏光膜の保護フィルムとして利用してもよい。かかる態様では、第1の光学異方性層には、ポリマーフィルムを用い、該ポリマーフィルムの裏面(第2の光学異方性層が形成されていない側の面)を、偏光膜の表面に貼り合せるのが好ましい。また、偏光膜の他方の面にも、セルロースアシレートフィルム等の保護フィルムが貼り合せられているのが好ましい。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光膜と、本発明の光学補償フィルムとを少なくとも有する。前記光学補償フィルムを、直接偏光膜の表面に貼り合せ、偏光膜の保護フィルムとして利用してもよい。かかる態様では、第1の光学異方性層には、ポリマーフィルムを用い、該ポリマーフィルムの裏面(第2の光学異方性層が形成されていない側の面)を、偏光膜の表面に貼り合せるのが好ましい。また、偏光膜の他方の面にも、セルロースアシレートフィルム等の保護フィルムが貼り合せられているのが好ましい。
(偏光膜)
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜があり、本発明にはいずれを使用してもよい。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
(保護フィルム)
他方の表面に貼合される保護フィルムは、透明なポリマーフィルムが用いることが好ましい。透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。保護フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム、及びポリオレフィンを含むポリオレフィンフィルムが好ましい。セルロースアシレートフィルムの中でも、セルローストリアセテートフィルムが好ましい。また、ポリオレフィンフィルムの中でも、環状ポリオレフィンを含むポリノルボルネンフィルムが好ましい。
保護フィルムの厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜があり、本発明にはいずれを使用してもよい。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
(保護フィルム)
他方の表面に貼合される保護フィルムは、透明なポリマーフィルムが用いることが好ましい。透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。保護フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム、及びポリオレフィンを含むポリオレフィンフィルムが好ましい。セルロースアシレートフィルムの中でも、セルローストリアセテートフィルムが好ましい。また、ポリオレフィンフィルムの中でも、環状ポリオレフィンを含むポリノルボルネンフィルムが好ましい。
保護フィルムの厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の光学補償フィルム及び偏光板は、種々のモードの液晶表示装置に用いることができる。また、透過型、反射型、及び半透過型のいずれの液晶表示装置にも用いることができる。中でも、電界制御複屈折モードの液晶表示装置に用いるのに適していて、さらに、VAモードの液晶表示装置に用いるのにより適している。
本発明の光学補償フィルム及び偏光板は、種々のモードの液晶表示装置に用いることができる。また、透過型、反射型、及び半透過型のいずれの液晶表示装置にも用いることができる。中でも、電界制御複屈折モードの液晶表示装置に用いるのに適していて、さらに、VAモードの液晶表示装置に用いるのにより適している。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
<光学補償フィルム1の作製>
<<ポリマーフィルム1の作製>>
下表に記載の各成分を混合して、セルロースアシレート溶液を調製した。このセルロースアシレート溶液を、金属支持体上に流延し、得られたウェブを支持体から剥離し、140℃、20分間、残留溶剤を乾燥させて巻き取り、膜厚80μmのポリマーフィルム1を作製した。
<光学補償フィルム1の作製>
<<ポリマーフィルム1の作製>>
下表に記載の各成分を混合して、セルロースアシレート溶液を調製した。このセルロースアシレート溶液を、金属支持体上に流延し、得られたウェブを支持体から剥離し、140℃、20分間、残留溶剤を乾燥させて巻き取り、膜厚80μmのポリマーフィルム1を作製した。
<<ポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層1の形成>>
2、2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物と、2、2’−ビス(トリフルオロメチル)−4、4’−ジアミノビフェニルとから合成された重量平均分子量(Mw)120,000のポリイミドを、シクロヘキサノンに溶解して15重量%のポリイミド溶液を調製した。
調製したポリイミド溶液を前記ポリマーフィルム1の表面に塗布した。この塗膜を100℃で10分乾燥させ、膜厚4μmのポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層1を形成した。
2、2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物と、2、2’−ビス(トリフルオロメチル)−4、4’−ジアミノビフェニルとから合成された重量平均分子量(Mw)120,000のポリイミドを、シクロヘキサノンに溶解して15重量%のポリイミド溶液を調製した。
調製したポリイミド溶液を前記ポリマーフィルム1の表面に塗布した。この塗膜を100℃で10分乾燥させ、膜厚4μmのポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層1を形成した。
<<光学補償フィルム1の作製>>
前記で作製した、ポリマーフィルム1上にポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層1が積層された積層体を、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、光学補償フィルム1を作製した。
前記で作製した、ポリマーフィルム1上にポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層1が積層された積層体を、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、光学補償フィルム1を作製した。
<<光学補償フィルム1の評価>>
上記光学補償フィルム1について、KOBRA 21ADHを用いて、波長450nm、550nm、630nmの光で、Re(450)、Re(550)、Re(630)、Rth(450)、Rth(550)、Rth(630)、を測定し、各特性値を算出した。結果を表1に示す。
上記光学補償フィルム1について、KOBRA 21ADHを用いて、波長450nm、550nm、630nmの光で、Re(450)、Re(550)、Re(630)、Rth(450)、Rth(550)、Rth(630)、を測定し、各特性値を算出した。結果を表1に示す。
<偏光板1の作製>
まず、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。
その後、光学補償フィルム1のポリマーフィルム1の裏面(光学異方性層1が形成されていない側の表面)を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、前記偏光膜の一方の面に貼り付け、前記偏光膜の他方の面には、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、鹸化処理を行った市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)を貼り付けた。このようにして、偏光板1を作製した。
まず、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。
その後、光学補償フィルム1のポリマーフィルム1の裏面(光学異方性層1が形成されていない側の表面)を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、前記偏光膜の一方の面に貼り付け、前記偏光膜の他方の面には、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、鹸化処理を行った市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)を貼り付けた。このようにして、偏光板1を作製した。
<対向偏光板の作製>
前記偏光板1で用いた鹸化処理を行った市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)を偏光膜の両面の保護フィルムとして用いて、前記偏光板1と同様にして、対向偏光板を作製した。
前記偏光板1で用いた鹸化処理を行った市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)を偏光膜の両面の保護フィルムとして用いて、前記偏光板1と同様にして、対向偏光板を作製した。
<VAモード液晶表示装置1の作製>
VAモードの液晶TV(LC37−GE2、シャープ(株)製)の表裏の偏光板及び位相差板を剥して、液晶セルとして用いた。剥がした偏光板の代わりに、前記偏光板1を光学補償フィルム1が液晶セル側となるように粘着剤を介してバックライト側に貼り付け、観察者側には、前記対向偏光板を貼り付けた。このとき、観察者側の偏光板(上側偏光板)の透過軸と、バックライト側の偏光板(下側偏光板)の透過軸とが直交するように各偏光板を配置した。
VAモードの液晶TV(LC37−GE2、シャープ(株)製)の表裏の偏光板及び位相差板を剥して、液晶セルとして用いた。剥がした偏光板の代わりに、前記偏光板1を光学補償フィルム1が液晶セル側となるように粘着剤を介してバックライト側に貼り付け、観察者側には、前記対向偏光板を貼り付けた。このとき、観察者側の偏光板(上側偏光板)の透過軸と、バックライト側の偏光板(下側偏光板)の透過軸とが直交するように各偏光板を配置した。
<VAモード液晶表示装置1の評価>
次に、常温常湿(25℃60%RH)の部屋で1週間放置した前記液晶表示装置を測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で色味、コントラスト比(白表示時の透過率/黒表示時の透過率)を評価した。また、前記液晶表示装置を、常温常湿(25℃10%RH)の部屋で1週間放置した後に、同様の測定を行った。評価結果を表1に示す。
なお、表1においてΔCu’v’は、画面表面の法線方向を基準に極角60°、液晶表示画面の方位角方向0〜360°において、黒表示時に正面に対してu’v’ (u’v’:CIELAB空間における色座標)空間で最も距離の離れた地点のu’v’からu’v’(正面)を差し引いた値の絶対値を示す。
コントラストはコントラスト比(白表示時の透過率/黒表示時の透過率)から算出した値である。
次に、常温常湿(25℃60%RH)の部屋で1週間放置した前記液晶表示装置を測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で色味、コントラスト比(白表示時の透過率/黒表示時の透過率)を評価した。また、前記液晶表示装置を、常温常湿(25℃10%RH)の部屋で1週間放置した後に、同様の測定を行った。評価結果を表1に示す。
なお、表1においてΔCu’v’は、画面表面の法線方向を基準に極角60°、液晶表示画面の方位角方向0〜360°において、黒表示時に正面に対してu’v’ (u’v’:CIELAB空間における色座標)空間で最も距離の離れた地点のu’v’からu’v’(正面)を差し引いた値の絶対値を示す。
コントラストはコントラスト比(白表示時の透過率/黒表示時の透過率)から算出した値である。
評価基準を以下に示す。
[ΔCu’v’の評価基準]
◎ ΔCu’v’が、0.02未満
〇 ΔCu’v’が、0.02〜0.04
△ ΔCu’v’が、0.04〜0.06
× ΔCu’v’が、0.06以上
[ΔCu’v’の評価基準]
◎ ΔCu’v’が、0.02未満
〇 ΔCu’v’が、0.02〜0.04
△ ΔCu’v’が、0.04〜0.06
× ΔCu’v’が、0.06以上
[コントラスト視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない極角範囲)の評価基準]
◎ 上下左右で極角80°以上
〇 上下左右の内、3方向で極角80°以上
△ 上下左右の内、2方向で極角80°以上
× 上下左右の内、3方向で極角80°以下
◎ 上下左右で極角80°以上
〇 上下左右の内、3方向で極角80°以上
△ 上下左右の内、2方向で極角80°以上
× 上下左右の内、3方向で極角80°以下
(実施例2)
<光学補償フィルム2の作製>
<<ポリマーフィルム2の作製>>
下表に記載の各成分を混合して、セルロースアシレート溶液を調製した。このセルロースアシレート溶液を、金属支持体上に流延し、得られたウェブを支持体から剥離し、搬送方向に、延伸倍率30%になるようにロール一軸延伸し、140℃、20分間、残留溶剤を乾燥させて巻き取り、膜厚80μmのポリマーフィルム2を作製した。
<光学補償フィルム2の作製>
<<ポリマーフィルム2の作製>>
下表に記載の各成分を混合して、セルロースアシレート溶液を調製した。このセルロースアシレート溶液を、金属支持体上に流延し、得られたウェブを支持体から剥離し、搬送方向に、延伸倍率30%になるようにロール一軸延伸し、140℃、20分間、残留溶剤を乾燥させて巻き取り、膜厚80μmのポリマーフィルム2を作製した。
<<ポリマー材料を含む形成材料からなる層2の形成>>
実施例1と同様にして、ポリイミド溶液を前記ポリマーフィルム2の表面に塗布した。この塗膜を100℃で10分乾燥させ、膜厚4μmのポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層2を形成した。
実施例1と同様にして、ポリイミド溶液を前記ポリマーフィルム2の表面に塗布した。この塗膜を100℃で10分乾燥させ、膜厚4μmのポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層2を形成した。
<<光学補償フィルム2の作製>>
前記で作製した、ポリマーフィルム2上にポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層2が積層された積層体を、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、光学補償フィルム2を作製した。
前記で作製した、ポリマーフィルム2上にポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層2が積層された積層体を、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、光学補償フィルム2を作製した。
<偏光板2及びVAモード液晶表示装置2の作製>
光学補償フィルム2を用いた以外は実施例1と同様にして、バックライト側用の偏光板を作製した。実施例1で作製した対向偏光板を同様に作製し、実施例1と同様にしてVAモード液晶表示装置2を作製し、評価した。結果を表1に併記する。
光学補償フィルム2を用いた以外は実施例1と同様にして、バックライト側用の偏光板を作製した。実施例1で作製した対向偏光板を同様に作製し、実施例1と同様にしてVAモード液晶表示装置2を作製し、評価した。結果を表1に併記する。
(実施例3)
<光学補償フィルム3の作製>
<<ポリマーフィルム3の作製>>
下表に記載の各成分を混合して、セルロースアシレートを調製した。これを真空排気付き2軸混練押出し機を用い、スクリュー回転数300rpm、混練時間40秒間、押出し量200kg/hrでダイから押出し60℃の水中で固化した後、裁断し直径2mm、長さ3mmの円柱状のペレットを得た。その後、前記ペレットを用い、特開2007−2216号公報の実施例1に記載と同様の手法で溶融製膜し、140μmのフィルムを得た。このフィルムを下表の条件でフィルム搬送方向に自由一軸延伸し、膜厚70μmのポリマーフィルム3を作製した。
<光学補償フィルム3の作製>
<<ポリマーフィルム3の作製>>
下表に記載の各成分を混合して、セルロースアシレートを調製した。これを真空排気付き2軸混練押出し機を用い、スクリュー回転数300rpm、混練時間40秒間、押出し量200kg/hrでダイから押出し60℃の水中で固化した後、裁断し直径2mm、長さ3mmの円柱状のペレットを得た。その後、前記ペレットを用い、特開2007−2216号公報の実施例1に記載と同様の手法で溶融製膜し、140μmのフィルムを得た。このフィルムを下表の条件でフィルム搬送方向に自由一軸延伸し、膜厚70μmのポリマーフィルム3を作製した。
<<ポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層3の形成>>
実施例1と同様にして、ポリイミド溶液を前記ポリマーフィルム3の表面に塗布した。。この塗膜を100℃で10分乾燥させ、膜厚4μmのポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層3を形成した。
<<光学補償フィルム3の作製>>
前記で作製した、ポリマーフィルム3上にポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層3が積層された積層体を、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、光学補償フィルム3を作製した。
実施例1と同様にして、ポリイミド溶液を前記ポリマーフィルム3の表面に塗布した。。この塗膜を100℃で10分乾燥させ、膜厚4μmのポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層3を形成した。
<<光学補償フィルム3の作製>>
前記で作製した、ポリマーフィルム3上にポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層3が積層された積層体を、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、光学補償フィルム3を作製した。
<偏光板3及びVAモード液晶表示装置3の作製>
光学補償フィルム3を用いた以外は実施例1と同様にして、バックライト側用の偏光板を作製した。実施例1で作製した対向偏光板を同様に作製し、実施例1と同様にしてVAモード液晶表示装置3を作製し、評価した。結果を表1に併記する。
(実施例4)
<光学補償フィルム4の作製>
<<ポリマーフィルム4の作製>>
下表に記載の各成分を混合して、セルロースアシレート溶液を調製した。このセルロースアシレート溶液を、金属支持体上に流延し、得られたウェブを支持体から剥離し、140℃、20分間、残留溶剤を乾燥させた後に、下表の条件でフィルム搬送方向に自由一軸延伸し、巻き取り、膜厚60μmのポリマーフィルム4を作製した。
光学補償フィルム3を用いた以外は実施例1と同様にして、バックライト側用の偏光板を作製した。実施例1で作製した対向偏光板を同様に作製し、実施例1と同様にしてVAモード液晶表示装置3を作製し、評価した。結果を表1に併記する。
(実施例4)
<光学補償フィルム4の作製>
<<ポリマーフィルム4の作製>>
下表に記載の各成分を混合して、セルロースアシレート溶液を調製した。このセルロースアシレート溶液を、金属支持体上に流延し、得られたウェブを支持体から剥離し、140℃、20分間、残留溶剤を乾燥させた後に、下表の条件でフィルム搬送方向に自由一軸延伸し、巻き取り、膜厚60μmのポリマーフィルム4を作製した。
<<ポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層4の形成>>
実施例1と同様にして、ポリイミド溶液を前記ポリマーフィルム4の表面に塗布した。この塗膜を100℃で10分乾燥させ、膜厚4μmのポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層4を形成した。
実施例1と同様にして、ポリイミド溶液を前記ポリマーフィルム4の表面に塗布した。この塗膜を100℃で10分乾燥させ、膜厚4μmのポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層4を形成した。
<<光学補償フィルム4の作製>>
前記で作製した、ポリマーフィルム4上にポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層4が積層された積層体を、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、光学補償フィルム4を作製した。
前記で作製した、ポリマーフィルム4上にポリマー材料を含む形成材料からなる光学異方性層4が積層された積層体を、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、光学補償フィルム4を作製した。
<偏光板4、及びVAモード液晶表示装置4の作製>
光学補償フィルム4を用いた以外は実施例1と同様にして、バックライト側用の偏光板を作製した。実施例1で作製した対向偏光板を同様に作製し、実施例1と同様にしてVAモード液晶表示装置4を作製し、評価した。結果を表1に併記する。
光学補償フィルム4を用いた以外は実施例1と同様にして、バックライト側用の偏光板を作製した。実施例1で作製した対向偏光板を同様に作製し、実施例1と同様にしてVAモード液晶表示装置4を作製し、評価した。結果を表1に併記する。
(比較例1)
<光学補償フィルム5の作製>
市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)の表面に、実施例1と同様にしてポリイミド溶液を塗布した。この塗膜を100℃で5分乾燥させた後に、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、膜厚4.2μmのポリイミド層を有する光学補償フィルム5を作製した。
実施例1と同様にして、光学補償フィルム5を用いて偏光板5、及びVAモード液晶表示装置5を作製、評価した。結果を表1に併記する。
<光学補償フィルム5の作製>
市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)の表面に、実施例1と同様にしてポリイミド溶液を塗布した。この塗膜を100℃で5分乾燥させた後に、膜面温度150℃に加熱した状態で、延伸倍率4%で自由端一軸延伸を行い、膜厚4.2μmのポリイミド層を有する光学補償フィルム5を作製した。
実施例1と同様にして、光学補償フィルム5を用いて偏光板5、及びVAモード液晶表示装置5を作製、評価した。結果を表1に併記する。
(比較例2)
<光学補償フィルム6の作製>
比較例1のポリイミド溶液の塗布における塗布量を変更して、最終的に膜厚3.8μmのポリイミド層を有する光学補償フィルムとした以外は比較例1と同様にして、光学補償フィルム6を作製した。
実施例1と同様にして、光学補償フィルム6を用いた偏光板6、及びVAモード液晶表示装置6を作製、評価した。結果を表1に併記する。
<光学補償フィルム6の作製>
比較例1のポリイミド溶液の塗布における塗布量を変更して、最終的に膜厚3.8μmのポリイミド層を有する光学補償フィルムとした以外は比較例1と同様にして、光学補償フィルム6を作製した。
実施例1と同様にして、光学補償フィルム6を用いた偏光板6、及びVAモード液晶表示装置6を作製、評価した。結果を表1に併記する。
表1の結果から、本発明の実施例である光学補償フィルムは、可視光域において、Reが逆分散波長依存性を示しているので、その条件を満足していない比較例1及び2の光学補償フィルムを用いた場合と比較して、VAモードの液晶表示装置の斜め方向における色味付きを軽減でき、より視野角特性を改善できることが確認できた。
10 光学補償フィルム
12 第1の光学異方性層
14 第2の光学異方性層
12 第1の光学異方性層
14 第2の光学異方性層
Claims (12)
- ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種のポリマー材料を含む第1の光学異方性層を有し、光学的に二軸性であり、及び可視光域において、面内レターデーションReが、逆分散波長依存性を示すことを特徴とする光学補償フィルム。
- 下記式(I)〜(III)の全てを満足することを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム:
(I):3 <(nx−nz)/(nx−ny)<6
(II): 100nm ≦Rth(550nm) ≦400nm
(III): nx >ny >nz
式中、nxは、フィルムの面内の最大屈折率、nyは最大の屈折率を示す方向に対して面内において直交する方向の屈折率、nzはフィルム面の法線方向の屈折率を示し;Rth(λ)は、測定波長λにおける厚み方向のレターデーションを示す。 - 下記式(IV)及び(V)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学補償フィルム:
(IV): 1.0 >Re(450nm)/Re(550nm) >0.6
(V): 1.3 >Re(630nm)/Re(550nm) >1.0
式中、Re(λ)は測定波長λにおける面内レターデーションを示す。 - 延伸フィルムからなる第2の光学異方性層をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- ポリマーフィルムからなる第2の光学異方性層をさらに有し、前記第1の光学異方性層を前記第2の光学異方性層の表面上に配置した後に、前記第1及び第2の光学異方性層の積層体を延伸して製造されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 前記第2の光学異方性層が、セルローストリアセテートを含む延伸フィルムであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 前記第2の光学異方性層が、セルロースアセテートプロピオネートを含む延伸フィルムであることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 前記第2の光学異方性層が、セルロースアセテートブチレートを含むフィルムであることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学補償フィルムと、偏光膜とを少なくとも有する偏光板。
- 請求項10に記載の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
- VA(垂直配向)モードであることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
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