JP2008233176A - 免震作用体験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置場所の制約や設置の労力の軽減が可能な、分解、移動、組み立てが容易な免震作用体験装置を提供する。
【解決手段】起振器5を備える可搬ベース2に、横方向へ移動可能に支持される下層プレート3と、体験ゾーンEを有し、上下方向に変位されて復元力を発生するローラー8を含む免震装置6を介して下層プレート上に横方向に相対変位可能に支持された上層プレート4と、上層プレートと下層プレートとの間に設けられるダンパ9と、上層プレートと下層プレートの相対変位を抑制する制御手段10とからなる免震作用体験装置1であって、ダンパのロッド9bを、下層プレートまたは上層プレートの一方に連結して、ダンパを振動方向に沿って当該プレートに略平行に設け、シリンダーを、他方のプレートに設けられてシリンダーの当該プレートに対する上下動を許容させながら、横方向への移動を拘束するシリンダー保持部材13で保持した。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震時の振動と免震装置作動時の振動を比較しながら体験できる小型の免震作用体験装置に関する。
近年、免震装置を取り付けることにより地震時の振動を抑制した構造物が普及しつつある。この免震装置の効果を実際に体験することは、免震装置が取り付けられた構造物の付加価値を使用者等に理解してもらうために有効である。このため、地震時の振動と免震装置作動時の振動を使用者等が比較しながら体験することができる、コンパクトで移動可能な体験装置が提案されている。例えば特許文献1の免震体験装置は、床上に置かれるベース台と、このベース台上に可動に設けられた第1の可動台と、前記第1の可動台上に免震装置を介して載置され、体験者が乗ることとなる第2の可動台とから成り、第1の可動台の下面には、コロや車輪やベアリング等が設けられ、これによって移動できるようになっている。
また、特許文献2においては、起震装置(起震車)にユニット化された起震機構が搭載され、この起震機構は起震室を所定の振動パターンで揺り動かし、起震室に被験者が入って防災行動の訓練を行える。起震機構には、シャシーフレームに固定されるサブプレートと、サブプレートの内側にX軸方向移動プレートが配置され,X軸方向移動プレートの内側にY軸方向移動プレートが配置される。このため、各プレートが互いに積み重ねられる構造に比べて、起震機構の高さを低くできる起震装置が示されている。
特開2003−114604号公報 特開2004−101784号公報
しかしながら、特許文献1の装置は、設置場所において体験装置全体を組み立て解体するため、移動には大きな労力が必要とされる。また特許文献2の装置にあっては、組み上がった体験装置全体をそのまま移動するため運搬等が制限される。このため、移動経路や設置場所が制限され、免震装置の効果を体験する機会が限定的になるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、設置場所の制約や設置の労力の軽減が可能な、分解、移動、組み立てが容易な免震作用体験装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる免震作用体験装置は、横方向の振動を生成する起振器を備える可搬ベースと、該起振器に連結され、横方向へ移動可能に該可搬ベースより支持される下層プレートと、体験ゾーンを有し、上下方向に変位されて復元力を発生するローラーを含む免震装置を介して該下層プレート上に横方向に相対変位可能に支持された上層プレートと、該上層プレートと上記下層プレートとの間に設けられ、該上層プレートの振動を減衰させるダンパと、免震作用を調整するために該上プレートと該下層プレートの相対変位を抑制する制御手段とからなる免震作用体験装置であって、上記ダンパのシリンダーから挿抜自在に延出するロッドを、上記上層プレートまたは上記下層プレートのいずれか一方に連結して、該ダンパを振動方向に沿って当該プレートに略平行に設けるとともに、上記シリンダーを、他方のプレートに設けられて該シリンダーの当該プレートに対する上下動を許容させながら、横方向への移動を拘束する左右一対のシリンダー保持部材で保持したことを特徴とする。
前記免震装置が、前記ローラーとそれを支承し転がりを案内するローラーレールで構成され、前記上層プレートと前記下層プレートが、該下層プレートに上向きに設けられた第1ローラー挿通部材と該上層プレートから下向きに設けられた第2ローラー挿通部材に、上記ローラーを挿通して、横方向へ相対変位可能に連結されることを特徴とする。
隣接する前記第1ローラー挿通部材と前記第2ローラー挿通部材を一組として、前記ローラーレール間に前記ローラーの長さ方向に適宜間隔を有して、2組以上設けられることを特徴とする。
前記下層プレートの前後方向の中央から該下層プレート前後方向へ向けて順次、前記第1ローラー挿通部材、前記第2ローラー挿通部材、前記ローラーレール、前記ダンパが配置されることを特徴とする。
前記下層プレートが、前記可搬ベースに設けた支持ローラーにより移動自在に支持されることを特徴とする。
本発明にかかる免震作用体験装置にあっては、分解、移動、組み立てが容易となり、設置場所の制約や設置の労力が軽減できる。
以下に、本発明にかかる免震作用体験装置の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる免震作用体験装置1は基本的には、図1から図10に示すように、横方向の振動を生成する起振器5を備える可搬ベース2と、起振器5に連結され、横方向へ移動可能に可搬ベース2より支持される下層プレート3と、体験ゾーンEを有し、上下方向に変位されて復元力を発生するローラー8を含む免震装置6を介して下層プレート3上に横方向に相対変位可能に支持された上層プレート4と、上層プレート4と下層プレート3との間に設けられ、上層プレート4の振動を減衰させるダンパ9と、免震作用を調整するために、上層プレート4と下層プレート3の相対変位を抑制する制御手段10とから構成され、ダンパ9は、そのシリンダー9aから挿抜自在に延出するロッド9bを、下層プレート3に連結して、ダンパ9を振動方向に沿って下層プレート3に略平行に設けるとともに、シリンダー9aを、上層プレート4に設けられてシリンダー9aの上層プレート4に対する上下動を許容させながら、横方向への移動を拘束する左右一対のシリンダー保持部材13で保持し、免震装置6はローラー8とそれを支承し転がりを案内するローラーレール7で構成され、上層プレート4と下層プレート3は、下層プレート3に上向きに設けられた第1ローラー挿通部材11と上層プレート4から下向きに設けられた第2ローラー挿通部材12に、ローラー8を挿通して、横方向へ相対変位可能に連結されている。
本実施形態における免震作用体験装置1は、横方向(X方向)のみの振動を発生させ、その振動に対する免震作用を体験できるよう、可搬ベース2、下層プレート3、上層プレート4の3層から構成されている。本実施形態における可搬ベース2は、免震作用体験装置1の転倒を防止するアウトリーガー2a、移動用のキャスター2b、起振器用ベース20、支持ローラー用ベース21および起振器5から構成されている。本実施形態における可搬ベース2は、H型鋼を組み合わせて溶接した、横方向に長い矩形フレームを基本として構成されている。可搬ベース2は、床などの支持盤上に設置固定されて起振器5を支持し、起振器5が作動する際の反力を確保する機能と、その上部に位置する上、下層プレート3、4および体験者等の荷重を支え、支持盤へ伝達する機能を有している。可搬ベース2の長辺の各端部には、免震作用体験装置1が振動した際に転倒することを防止するためのアウトリーガー2aがボルト等により着脱自在に取り付けられている。アウトリーガー2aは、長辺のH型鋼を延長し長辺と一体に構成してもよい。
可搬ベース2の角部には移動用のキャスター2bが取り付けられている。キャスター2bは、H型鋼の上フランジに設けた取り付けプレート2cに、キャスター2bのボルトを貫通させて、取り付けプレート2cに溶接したナットにより固定されている。移動時にはボルト長さを調節して可搬ベース2の底面より下方へキャスター2bを突出させて移動可能とし、所定位置では、ボルト長さを元に戻してキャスターを可搬ベース2の底面より上方に移動させて、可搬ベース2を基盤面に着底させて設置する。これにより、免震作用体験装置1を水平方向で移動させて設置位置の微調整等を行うことが可能となっている。可搬ベース2には、起振器5を固定するための起振器用ベース20が、その長辺に沿って、その両短辺の中央部間に設けられている。起振器用ベース20は、H型鋼で構成され、上下フランジ面を可搬ベース2の上面、底面と面一にし、端部を可搬ベース2の両短辺の中央部に連結して設けられている。起振器用ベース20の上面には起振器5が設けられている。
起振器5は、その振動方向を可搬ベース2の長辺方向と一致させて、起振器用ベース20へボルト等により固定されている。起振器5は地震動を横方向の往復運動として再現し、その運動を下層プレート3に伝達する機能を有している。本実施形態における起振器5は、サーボモータ5aと、サーボモータ5aに接続されたボールネジ付リニアガイド5bにより構成されている。ボールネジ付リニアガイド5bには、サーボモータ5aの駆動により横方向に運動して、地震動を再現するスライダー部5cが設けられている。
本実施形態において、スライダー部5cと下層プレート3がボルトにより固定され、起振器5が下層プレート3に着脱自在に連結されている。また、下層プレート3の上面からボルト固定しているためボルトの着脱が容易となっている。さらに、下層プレート3を支持ローラー14に載置した状態で下層プレート3の上面から、起振器5への連結作業を行えるため、下層プレート3の位置調節、組み立て、解体作業が容易となる。
起振器5は、免震作用体験装置1の操作盤からの信号に基づいてサーボモータ5aを制御し、スライダー部5cを往復運動させて地震動を再現できるようになっている。スライダー部5cの運動方向が免震作用体験装置1の振動方向となり、振動方向は可搬ベース2の長辺方向(X方向)と一致している。
可搬ベース2の各隅部の内方側には支持ローラー14を固定支持するための、支持ローラー用ベース21が設けられている。支持ローラー用ベース21は、H型鋼で構成され、その上下フランジ面を可搬ベース2の上面、底面と面一にし、可搬ベース2の内側の各角部に固定されている。各支持ローラー用ベース21の上面には支持ローラー14が設けられている。支持ローラー14は、可搬ベース2より上方に位置する上、下層プレート4、3および体験者等の荷重を支持しつつ、下層プレート3を移動自在、すなわち横方向への動き(振動)を許容する機能を有している。支持ローラー14は、支持ローラー用ベース21の上面に設けられた車輪であり、その回転軸を可搬ベース2の短辺方向と平行にして取り付けられている。
可搬ベース2の長辺側の上面には、ストッパー2dが左右に設けられている。ストッパー2dは、下層プレート3の横移動(振動)の幅を規制し安全を確保する機能を有している。
可搬ベース2の上部には、起振器5に接続され、支持ローラー14で支持されて下層プレート3が設けられている。下層プレート3は起振器5のスライダー部5cの横運動を、面としての横移動すなわち横振動に変えるとともに、その横振動をローラー8とローラーレール7、又は制動手段10を介して上層プレート4に伝える機能を有している。本実施形態における下層プレート3は、長方形の板状部材として形成され、その平面形状は可搬ベース2の平面外形とほぼ同一である。下層プレート3は、鋼製の枠組みの上面に鋼板を取り付けて構成されている。下層プレート3は、上部の荷重を支持し、横振動時に変形しない十分な強度と剛性を有している。下層プレート3は、下層プレート3と可搬ベース2の各短辺方向の中央と長辺方向の中央が重なる位置(以下「下層プレート基準位置」という)で、可搬ベース2の上部に設置される。本実施形態の「下層プレート基準位置」は、起振器5のスライダー部5cの右方向へ移動距離と左方向への移動距離が等しくなり、可搬ベース2と下層プレート3の重心がほぼ一致する位置を意味する。以下、下層プレート3が「下層プレート基準位置」にある場合について説明する。下層プレート3は、その下面で起振器5のスライダー部5cと連結されている。接続する際のスライダー部5cは横方向の往復運動の中央、すなわち振幅の中心で下層プレート3と接続される。このことにより、下層プレート3が可搬ベース2に対し左右均等の振幅で横振動し、振動時の可搬ベース2のバランスが保持されやすくなる。
下層プレート3の下面には、下層プレート3の横振動に伴い各支持ローラー14が当接する範囲に、支持補強鋼板3aが設けられている。下層プレート3の長辺側の中央部付近の下面から垂下させて、可搬ベース2のストッパー2dと組み合わされて下層プレート3の横移動の幅を規制する鋼板製のストッパー当接片3dが設けられている。下層プレート3の上面には、ローラーレール7を構成する下部ローラーレール7a、ダンパ9、制動手段10を構成する制動プレート10a、第1ローラー挿通部材11が設けられている。
下部ローラーレール7aは、下層プレート3に対する上層プレート4の横方向の移動長さ、すなわち変位以上の長さを有し、その長さ方向の中心を下層プレート3の各支持ローラー14が当接する位置に重ねて、下層プレート3の長辺と平行に、下層プレート3の上面に設けられている。下部ローラーレール7aは、そこに載置されるローラー8を支承し、その転がりを案内する機能を有している。下部ローラーレール7aの上面は、その長さ方向の中心から両端部へ向かって高くなる左右対称な曲面、例えば円弧やコサインカーブ等で構成されている。下部ローラーレール7aの上面が、曲面で構成されるためローラー8の転がりは滑らかになる。本実施形態における下部ローラーレール7a上面はコサインカーブで形成されている。
ダンパ9は、下層プレート3上面の前方、後方に長辺に沿って設けられている。本実施形態におけるダンパ9は、中央のシリンダー9aと、シリンダー9aから挿抜自在に左右方向に等寸法で延出されたロッド9bで構成される粘性ダンパである。ロッド9bのストロークの長さは、下層プレート3に対する上層プレート4の変位以上に設定されている。本実施形態のダンパ9は、下部ローラーレール7aより外方側に設けられている。ダンパ9は、シリンダー9aの中央部を、下層プレート3の長辺方向の中央部に一致させ、シリンダー9aと下層プレート3とが接触しないように設けられている。ダンパ9は、その左右のロッド9bの端部を、下層プレート3の長辺の端部付近に立設されたロッド連結部材3bにピン接合で連結して、下層プレート3に略平行に設けられている。
制動プレート10aは、下層プレート3の短辺方向の中央部上面に設けられている。制動プレート10aは、上層プレート4に設けられるディスクブレーキ10bと組み合わせて制動手段10を構成する。制動プレート10aは、ディスクブレーキ10bにより挟み込まれることにより、上層プレート4の下層プレート3に対する動きを拘束する機能を有している。本実施形態における、制動プレート10aは、横長の鋼板で構成され、下層プレート3に対する上層プレート4の変位以上の長さを有している。制動プレート10aは、その長さ方向の中心を、下層プレート3の長辺方向の中心に一致させて、下層プレート上面にほぼ垂直に起立させて取り付けられている。制動プレート10aは、長辺(左右)方向で並ぶ下部ローラーレール7aの間に、ローラー8の転がりを阻害しないよう設置されている。
ローラー8は、下層プレート3の短辺(前後)方向で並ぶ下部ローラーレール7a間に架設されている。ローラー8の端部は、下部ローラーレール7aの長さ方向の各中央部に、転がり可能に載置されている。ローラー8は、下層プレート3の短辺方向に沿って配置され、長辺方向の中心に対して対称の位置で2本設けられている。下部ローラーレール7aの上面は、端部へ向かって上昇する曲面で構成される。そのため、ローラー8は下部ローラーレール7a上を転がって端部に移動するにつれて上昇し、その高さ位置は端部ほど高くなる。このローラー8の上方への移動により、振動停止時に、重力により低い位置、すなわち下部ローラーレール7aの中央部へ向かう力が発生し、免震装置6の復元力となる。
第1ローラー挿通部材11は、各下部ローラーレール7aの内方側側面に沿って下層プレート3の上面に設けられている。第1ローラー挿通部材11の内方にはローラー8が挿通されている。第1ローラー挿通部材11は、ローラー8の転がりとそれに伴うローラー8の上下動を許容しつつ、ローラー8が下層プレート3から離脱しないよう保持する機能を有している。本実施形態の第1ローラー挿通部材11は、鋼板製の横長門型部材であり門型部の開口幅は、下部ローラーレール7aの長さにほぼ等しく形成され、門型部の開口高さは、下部ローラーレール7a上のローラー8の上端部より高く形成されている。第1ローラー挿通部材11は、ローラー8を跨いだ状態で、下層プレート3上面から上へ向けてほぼ垂直に設けられている。第1ローラー挿通部材11は、その開口部の中央が、下部ローラーレール7aの長さ方向の中央と短辺方向で並ぶ位置で設けられている。第1ローラー挿通部材11の脚部は下層プレート3の内方へ折り曲げられ、上部からボルト等により着脱自在に下層プレート3に固定されている。
ローラー8に載置して、上層プレート4が設けられる。本実施形態における、上層プレート4は、長方形の板状部材として形成され、鋼製の枠組みの下面に鋼板を取り付けて構成されている。上層プレート4は、上部の荷重を支持し、横振動時に変形しない十分な強度と剛性を有している。本実施形態の上層プレート4は、下層プレート3より短辺がやや長い矩形に形成されている。上層プレート4は、その短辺の中央部と、下層プレート3の短辺の中央部が上下方向で重なる位置(以下「上層プレート基準位置」と言う)で下層プレート3dの上部に設置されている。本実施形態における「上層プレート基準位置」は、上、下部ローラーレール7b、7aの中央部でローラー8を挟んで支承した状態であり、上層プレート4と下層プレート3の左右の変位が等しく、上層プレート4と下層プレート3の重心が上下方向でほぼ一致する位置を意味する。以下、上層プレート4が「上層プレート基準位置」にある場合について説明する。
上層プレート4の下面には、下部ローラーレール7aとで一組を成す上部ローラーレール7b、第1ローラー挿通部材11とで一組をなす第2ローラー挿通部材12、シリンダー保持部材13、および制動手段10を構成するディスクブレーキ10bが設けられている。
上部ローラーレール7bは、各下部ローラーレール7aに対し上下方向で重なる位置に下向きに、上層プレート4の下面に設けられる。本実施形態の上部ローラーレール7bは、上層プレート4からの鉛直荷重をローラー8を介して下層プレート3へ伝達するとともに、そこに当接されるローラー8の転がりを案内し支承する機能を有している。本実施形態における上部ローラーレール7bは下部ローラーレール7aと同様の形状で形成され、上部ローラーレール7bの下面(取り付け状態における下面)は曲面で構成されている。本実施形態の上部ローラーレール7bの下面は下部ローラーレール7aの上面と同様にコサインカーブで構成されている。これら、上下一組の上部ローラーレール7bと下部ローラーレール7aによりローラーレール7が構成されている。ローラー8は下部ローラーレール7aと上部ローラーレール7bの各中央部で挟まれ、転がりが案内されながら支承される形態となる。これらの上部ローラーレール7b、下部ローラーレール7aおよびローラー8により、上下方向に変位されて復元力を発生するローラー8を含む免震装置6が構成される。下層プレート3が横移動すると、ローラー8が転がり上層プレート4は相対的に反対方向へ移動し、下部ローラーレール7aの一方側の端部と上部ローラーレール7bの他方側の端部同士でローラー8を挟んで支承することとなる。下層プレート3が可搬ベース2に対して横方向に大きく移動した場合でも、上層プレート4に対する下層プレート3の動きはローラー8の転がりにより吸収されるため、上層プレート4の可搬ベース2に対する変位は小さくなり、上層プレート4は免震される。さらに、上部ローラーレール7b下面も、下部ローラーレール7a上面もコサインカーブで構成されているため、下部ローラーレール7aによるローラー8自身の上昇分に加え、上部ローラーレール7bによる上層プレート4の上昇が加わり上層プレート4はより高い位置まで上昇する。このため、振動停止時に、上層プレート4が低い位置、すなわち下部ローラーレール7aの中央部へ戻ろうとする復元力のエネルギーは、上部ローラーレール7bの下面が平坦である場合に比べ大きくなる。
第2ローラー挿通部材12は、上部ローラーレール7bの内方側側面に沿って上層プレート4の下面に設けられている。第2ローラー挿通部材12は、その長さ方向の中心と第1ローラー挿通部材11の長さ方向の中心が短辺方向で重なるように設けられている。第2ローラー挿通部材12の内方にはローラー8が挿通されている。第2ローラー挿通部材12は、上層プレート4が下層プレート3に対し変位する際のローラー8の横移動とそれに伴う上下動を許容しつつ、ローラー8が上層プレート4から離脱しないよう保持する機能を有している。したがって、ローラー8が第1ローラー挿通部材11および第2ローラー挿通部材12に挿通されることにより、上層プレート4と下層プレート3が、ローラー8の横方向、上下方向の移動を許容しつつローラー8により連結される。本実施形態の第2ローラー挿通部材12は、第1ローラー挿通部材11と同様の鋼製門型部材である。両部材の取り付け面からの高寸法は、上、下層プレート4、3間の間隔より小さく設定されている。
第2ローラー挿通部材12は、ローラー8を跨いだ状態で、上層プレート4から第1ローラー挿通部材11の外方側の側面に沿って垂下させて設けられている。第2ローラー挿通部材12の脚部は上層プレート4の外方側へ折り曲げられて、上層プレート4の上面から貫通させたボルトにより上層プレート4の下面に着脱自在に固定されている。この隣接する第1ローラー挿通部材11と第2ローラー挿通部材12の配置により、下層プレート3の上面には、隣接する第1ローラー挿通部材11と第2ローラー挿通部材12を一組として、短辺方向に並ぶローラーレール7間すなわち、短辺方向に並ぶにローラーレール7の相互間に、ローラー8の長さ方向に適宜間隔を有して2組設けられた形態となる。
シリンダー保持部材13は、シリンダー9aの両端部の上方の上層プレート4の下面に設けられている。シリンダー保持部材13は、シリンダー9aの上層プレート4に対する上下動を許容させながら、横方向への移動を拘束する機能を有している。本実施形態におけるシリンダー保持部材13は、シリンダー9aの両端面に沿って、上層プレート4から垂下させた左右一対金属片で構成される。シリンダー保持部材13のシリンダー9aの両端面に掛かる部分の長さ(掛かり代)は、上層プレート4の下層プレート3に対する横移動(振動)に伴う上下移動の幅より長く形成されている。シリンダー保持部材13の下方端面に凹部を設けてU字型に加工し、凹部でロッド9bを跨いで掛かり代を確保できるようにも良い。シリンダー保持部材13によりシリンダー9aの上層プレート4に対する横移動が拘束されることで、ダンパ9が設けられている下層プレート3に対し上層プレート4が横移動した場合でも、シリンダー9aの上層プレート4に対する横方向の位置は保持される。一方ダンパ9はロッド9bの端部で下層プレート3に固定されているため、上層プレート4と下層プレート3の変位は、シリンダー9aへのロッド9bの挿抜より吸収され、このロッド9bの挿抜により横方向への移動のエネルギーすなわち振動エネルギーが吸収され振動が減衰される。シリンダー保持部材13は、シリンダー9aの上下動を許容するため、ダンパー9は常に下層プレート3に対し水平状態で機能し、横方向の振動を効率的に吸収することができる。また、シリンダー9aをシリンダー保持部材13の上方から挿入するだけで、上層プレート4との連結等を行わないため、下層プレート3と上層プレート4との組み立て、解体が容易になる。このように、本実施形態において、下層プレート3の短辺方向すなわち前後方向の中央から、前後方向へ向けて順次、第1ローラー挿通部材11、第2ローラー挿通部材12、ローラーレール7、ダンパ9の順に、これらが下層プレート3に対して左右対称に配置される。
ディスクブレーキ10bは、上層プレート4の中央部に、下層プレート3の制動プレート10aの中央部を臨む位置に設けた矩形の貫通孔4aに挿通して設けられる。ディスクブレーキ10bは、制動プレート10aと共に制動手段10を構成する。ディスクブレーキ10bは制動プレート10aを挟み込で、上層プレート4と下層プレート3を一体にして変位を拘束する機能を有している。本実施形態におけるディスクブレーキ10bは、下部に1対のブレーキパッドが配置された角柱型の電磁ディスクブレーキで構成され、ブレーキパッドで制動プレート10aを挟み込んで、上層プレート4の横移動への拘束力を発生させる。ディスクブレーキ10bをONとした場合、上層プレート4と下層プレート3は制動手段10により一体となり、下層プレート3の移動(振動)がそのまま上層プレート4へ伝わる。また、ディスクブレーキ10bをOFFとした場合、上層プレート4は免震装置6のローラー8のみで下層プレート3と接するため、下層プレート3の移動(振動)は上層プレート4では免震される。本実施形態のディスクブレーキ10bは、上層プレート4の上方より貫通孔4aに挿通させ、ブレーキパッドが制動プレート10aを挟み込んだ状態で、ディスクブレーキ10b側面に設けたブラケットにより、上層プレート4の上面に、ボルトにより着脱自在に固定されている。ディスクブレーキ10bは制御線により免震作用体験装置1の操作盤に接続され、操作盤からのON、OFFおよび非常停止の信号に基づいて作動する。
上層プレート4の上面には、体験ゾーンEが設けられている。体験ゾーンEには、上層プレート4の上面に脚部が固定された、体験者用の椅子が設けられている。椅子は体験者が着座した状態の重心位置が、上層プレート4の中央部(重心)に位置するよう配置される。本実施形態の椅子は上層プレート4のディスクブレーキ10bの上方に配置されている。本実施形態の椅子は1脚であるが、体験ゾーンEの広さに応じて複数脚設けても良い。また、体験者への安全対策として椅子に安全ベルトを設けたり、体験ゾーンEの周囲に落下防止のための手すり等を設けても良い。
本実施形態の免震作用体験装置1は、可搬ベース2の支持ローラー用ベース21と支持ローラー14、下部ローラーレール7aとローラー8、および上部ローラーレール7bが短辺方向からみて前方側と後方側の2箇所で、上下方向に同一直線状に配置されている。さらに、下層プレート3および上層プレート4の重心位置が上下方向で一直線上に重なり且つ、上、下層プレート4、3上の各部材の配列も前後左右方向でほぼ対称となるため、重量バランスが取れ、安定した形態となっている。このため、免震作用体験装置1の上部加重を鉛直方向で支持盤まで効率的に伝達できる構造となり、免震作用体験装置1を構成する各部材への補強が簡略化でき、装置の軽量化が図られている。
以上説明した本実施形態にかかる免震作用体験装置1の作用について説明する。免震作用体験装置1の組み立ては、可搬ベース2部、下層プレート3部、および上層プレート4部の3パーツに分けて組み立てを行う。まず、各パーツの組み立てを行う。第1に可搬ベース2部を組み立てる。H型鋼により、矩形フレーム、起振器用ベース20、および支持ローラ用ベース21が一体に形成された下部ベースを構築する。この下部ベース2にボルト等を用いて起振器5、支持ローラー14、キャスター2b、ストッパー2dを着脱自在に取りつけて、可搬ベース2部を形成する。本実施形態において、上記起振器5等が取り付けられた可搬ベース2部の重量は120kg程度となる。転倒防止するための各アウトリーガー2aは設置位置が確定した段階で可搬ベース2に取り付ける。本実施形態のアウトリーガー2aの全重量は30kg程度である。
次に下層プレート3部を組み立てる。等辺山形鋼等の鋼材で外枠フレームを形成し、そのフレームへ、起振器5のスライダー部5cとの接続部、制動プレート10a取り付け部等の補強を施してシャーシ部を製作し、その上部に鋼板等を設けて剛性と強度が確保された下層プレート3を製作する。下層プレート3上面に、ロッド連結部材3b、下部ローラーレール7a、制動プレート10aおよび第1ローラー挿通部材11を、下層プレート3上面側からボルトで着脱自在に取り付ける。次に、下部ローラーレール7a上に、第1ローラー挿通部材11に挿通して、ローラー8を載置する。その際、第2ローラー挿通部材12も、下部ローラーレール7aと第1ローラー挿通部材11の間に、その脚部を上側に向けて載置し、その脚部の間にローラー8を通過させておく。次いで、ロッド9bをロッド連結部材3bへボルトでピン接合してダンパ9を取り付けて、下層プレート3部を形成する。この段階のローラー8は、第1ローラー挿通部材11に挿通しただけで、下層プレート3に固定されていないが、ダンパ9が抜け防止材となり、下層プレート3と一体的に運搬等を行うことが可能となる。また第2ローラー挿通部材12も、ローラー8と下層プレート3に挟まれて下層プレート3から脱落しなくなり、下層プレート3と一体的に運搬等を行うことが可能となる。本実施形態の下層プレート3部は100kg程度の重量となる。
次いで上層プレート4部を組み立てる。下層プレート3と同じ要領で、等辺山形鋼等の鋼材で外枠フレームを形成し、そのフレームへ、貫通孔4a周囲や体験ゾーンE部等の補強を施してシャーシ部を製作し、その下面に鋼板等を設けて剛性と強度が確保された上層プレート4を製作する。上層プレート4の下面に、上部ローラーレール7b、シリンダー保持部材13をボルトで着脱自在に固定する。次いで、ディスクブレーキ10bを上層プレート4の上面側から貫通孔4aに挿通して、ディスクブレーキ10bの側面に設けたブラケットにより、上層プレート4にボルトで着脱自在に固定し、上層プレート4部を形成する。上記の可搬ベース2部、下層プレート3部、および上層プレート4部の各パーツは予め組み立てておき、組上がった3パーツを設置場所に搬入して免震作用体験装置1を組み立てる。
組み上がった可搬ベース2部をそのキャスターを2bを利用して、据え付け位置へ移動させて設置し、アウトリーガー2aをボルト等で可搬ベース2へ取り付ける。次に、下層プレート3部を可搬ベース2の支持ローラー14に載せ、「下層プレート基準位置」に合わせる。その後、下層プレート3の上面から起振器5のスライダー部5cの各ねじ孔へボルトを螺合させて、起振器5と下層プレート3を固定する。ボルトによる連結作業は下層プレート3の上面から行うため作業が容易である。
次に下層プレート3部の上部に上層プレート4部を載置して免震装置6を組み立てる。下層プレート3の下部ローラーレール7aの中央部に載置されているローラー8に、上部ローラーレール7bの中央部を当接して、上層プレート4部を、「上層プレート基準位置」に合わせて、下層プレート3上部に載置する。載置する際に併せて、上層プレート4のディスクブレーキ10bのブレーキパッド間に制動プレート10aを挿入し、上層プレート4のシリンダー保持部材13間にシリンダー9aを挿入する。上層プレート4のシリンダー保持部材13は、シリンダー9aの上下動を許容する構造であるため、下方から容易にシリンダー9a挿入することができる。ダンパ9自体は下層プレート3に固定されており、上層プレート4へは上記挿入作業のみであって連結作業は生じない。このため組み立て作業は容易である。その後、第2ローラー挿通部材12の脚部を、上層プレート4下面の所定位置に固定する。この固定は、上層プレートの上面からボルトを貫通させてナットで締め付けて行うため、比較容易に作業を行うことができる。第2ローラー挿通部材12の固定により、下層プレート3部と上層プレート4部が免震機能をもって連結され、制動手段10を有した免震装置6が組み上がる。最後に、上層プレート4上面の体験ゾーンEに、椅子をボルトで着脱自在に固定して完成する。なお組み上がった免震作用体験装置1を移動する際は、免震作用体験装置1を可搬ベース2部、下層プレート3部、および上層プレート4部の各パーツに分解して移動し、再度組み立てればよい。
上記組み立てにおいては、可搬ベース2部、下層プレート3部、および上層プレート4部を予めパーツとして組み立ておくため、設置場所での組み立ての作業量が減る。また各パーツ同士の連結作業も容易であるため、簡単な組み立て作業で免震作用体験装置1を構築できる。さらに、各パーツは、いずれも板状部材を基盤とした100kg前後のパーツであるため、取り扱いが容易で、人力でも搬送や、既存のエレベータを利用した運搬も可能となる。
本実施形態における免震作用体験装置1の操作について説明する。体験者を免震作用体験装置1の前方から踏み台等を用いて体験ゾーンEに移動させ椅子に着席させる。この際、上層プレート4と下層プレート3は、その免震機能を制動手段10により停止させ横方向移動を拘束しておく。また、上層プレート4の前後方向の動きは、ローラー8に挿通された第1ローラー挿通部材11と第2ローラー挿通部材12により規制されているため安定している。従って、体験者乗り込み時の免震作用体験装置1は静止状態に保持される。
免震作用体験装置1を起動させる際は、免震作用体験装置1の操作盤で、予め設定されている振動のパターンの中から1つを選択し、その選択信号に基づいてサーボモータ5aを駆動してスライダー部5cを往復横運動させて地震動を再現する。また、制動手段10は免震作用体験装置1の操作盤からの、免震作用のON、OFF信号に基づいて作動する。ディスクブレーキ10bはON信号で制動プレート10aを挟み込んで免震作用、すなわち上層プレート4と下層プレート3の相対変位を拘束し、OFF信号で解除を行う。これにより免震、非免震を切り換えることができる。非常時においては、免震作用体験装置1の操作盤の非常停止ボタンからの信号に基づき、ディスクブレーキ10bは開放となり体験ゾーンEの振動が制御される。すなわち、起振器5が停止せずに振動が継続する状態では、体験ゾーンE(上層プレート4)の振動が免震され、起振器5が停止すれば免震装置5の復元、減衰機能により、体験ゾーンE(上層プレート4)は自然に元の位置に戻る。
以上説明した本実施形態にかかる免震作用体験装置1にあっては、横方向の振動を生成する起振器5を備える可搬ベース2と、起振器5に連結され、横方向へ移動可能に可搬ベース2より支持される下層プレート3と、体験ゾーンEを有し、上下方向に変位されて復元力を発生するローラー8を含む免震装置6を介して下層プレート3上に横方向に相対変位可能に支持された上層プレート4と、上層プレート4と下層プレート3との間に設けられ、上層プレート4の振動を減衰させるダンパ9と、免震作用を調整するために、上層プレート4と下層プレート3の相対変位を抑制する制御手段10とからなる免震作用体験装置1であって、上記ダンパ9のシリンダー9aから挿抜自在に延出するロッド9bを、下層プレート3に連結して、ダンパ9を振動方向に沿って下層プレート3に略平行に設けるとともに、シリンダー9bを、上層プレート4に設けられてシリンダー9bの上層プレート4に対する上下動を許容させながら、横方向への移動を拘束する左右一対のシリンダー保持部材13で保持したため、シリンダー9を振動方向で駆動させることができ効率的な振動減衰機構とすることができる。また、ダンパ9を上層プレート4に連結する必要がなく、組み立て解体作業が簡略化される。またダンパ9と下層プレート3が一体的となっているため、運搬、組み立て時の取り扱いが容易である。
免震装置6が、ローラー8とそれを支承し転がりを案内するローラーレール7で構成され、上層プレート4と下層プレート3が、下層プレート3に上向きに設けられた第1ローラー挿通部材11と上層プレート4から下向きに設けられた第2ローラー挿通部材12に、ローラー8を挿通して、横方向へ相対変位可能に連結したため、上層プレート4と下層プレート3の連結装置の一部をローラー8が兼用し、免震作用体験装置1を構成する部材数を減らせるとともに、その連結機構も簡単であるため、組み立て解体が容易になる。また、この連結機構は上、下層プレート4、3の外周輪郭から突出することなく、免震作用体験装置1の設置面積内に収まり、また、ローラー8とローラーレール7で構成される上、下層プレート4、3間に収まるため、設置面積や設置高さを抑えたコンパクトな免震作用体験装置1とできる。
隣接する第1ローラー挿通部材11と第2ローラー挿通部材12を一組として、ローラーレール7a間にローラー8の長さ方向に適宜間隔を有して2組設けたことで、上層プレート4の体験ゾーンEに、前方又は後方から人が登る際に、上層プレート4の前方又は後方が浮き上がるのを防止することができる。またローラーレール7の間に第1ローラー挿通部材11と第2ローラー挿通部材12を設置することで、前後方向の支点間隔を長くして上層プレート4を安定的に支持しつつ、前後方向にコンパクトな免震作用体験装置1とすることができる。
下層プレート3の前後方向の中央から下層プレート3の前後方向へ向けて順次、第1ローラー挿通部材11、第2ローラー挿通部材12、ローラーレール7、ダンパ9が配置されているため、免震装置6の前後左右のバランスを保持しつつ、ローラーレール7とローラー8による免震支承間の距離を大きく確保でき、安定的でコンパクトな免震装置6とすることが可能となる。
下層プレート3が、可搬ベース2に設けた支持ローラー14により移動自在に支持されることにより、支持ローラー14が移動と鉛直支持の機能を果たし、また、これに当接する下層プレート3が横移動のレールと荷重支持材の機能果たすため、専用のレール等を設ける必要が無くなり簡略化された免震作用体験装置1となる。
上記実施形態における上部ローラーレール7bの下面を曲面で構成したが平坦であっても良い。また本実施形態においては、ローラーレール7は下部ローラーレール7aと上部ローラーレール7bで構成されるが、いずれか一方のみで他方を省略してローラーレール7を構成しても良い。また、偏芯ローラーをローラー8とし、そのローラー8と、ローラー8との当接面が平坦なローラーレール7を組み合わせて免震装置6を構成しても良い。
また、上記実施形態において、ダンパ9を下層プレート3の上面に取り付け、シリンダー保持部材13を上層プレートの下面に取り付けたが、下層プレート3部と上層プレート4部の重量バランスを考慮しながら、ダンパ9を上層プレート4の上面に取り付け、シリンダー保持部材13を下層プレート3の下面に取り付けてもよい。また、各部材の取付は、ボルトによる方法に限定されるものではなく、楔等を利用して着脱自在に取り付けてもよい。
上記実施形態においては、横方向の移動(振動)のみを再現する、一方向免震作用体験
装置1(以下「一方向装置1」という)を説明したが、図11から図15に示すように、横方向(X方向)に加えて前後方向(Y方向)の移動(振動)を再現し、免震する二方向免震作用体験装置1としてもよい。
二方向免震作用体験装置1(以下「二方向装置1」という)は、一方向装置1の下層プレート3と上層プレート4による免震装置6を、X方向用の免震装置6xとY方向用の免震装置6yとして二つ組み合わせて構成される。本実施形態における二方向装置1は、可搬ベース60と下層プレート30と、上層プレート40と、下層プレート30と上層プレート40の間に設けられる中間プレート50の4層から構成される。下層プレート30に対し中間プレート50下面が、一方向装置1における上層プレート4の下面に該当し、上層プレート40に対し中間プレート50上面が、一方向装置1における下層プレート3の上面に該当する。中間プレート50は、ローラー8xを介してX方向の移動可能に下層プレート30に載置され、中間プレート50には、ローラー8yを介してY方向の移動可能に上層プレート40が載置される。本実施形態における下層プレート30、上層プレート40、中間プレート50の平面形状はともに略正方形で同一の大きさに形成されている。
二方向装置1の可搬ベース60には、X方向用起振器5x、Y方向用起振器5yが、互いの動きが緩衝しないように、可搬ベース60にX(左右)方向、およびY(前後)方向で直交させて設けられる。これにより、X、Y方向の移動(振動)を発生することが可能となる。また、支持ローラー14は、車輪ではなく任意方向に回転可能なボールを有する上向きボールローラ140で構成され、下層プレート30をX、Y方向に移動自在に支持する。ストッパー2dやアウトリーガー2aは、X、Y方向にそれぞれ取り付ける。
下層プレート30は、可搬ベース60上に「下層プレート基準位置」に設置した上で、その下面でX方向用起振器5x、Y方向用起振器5yの各スライダー部5cx、5cyと緊結される。なお下層プレート30下面には可搬ベース60の各ストッパー2dに対応させてストッパー当接片3dが設けられる。下層プレート30上面には、一方向措置1の下層プレート3の上面と同様に、下部ローラレール7ax、第1ローラー挿通部材11x、ダンパ9x、およびロッド連結部材3bxが設けられる。また、ローラー8xの配置も同様である。二方向装置1における、下層プレート30上面のローラー8xはX方向の免震機能を有し、ダンパ9xはX方向の振動を減衰させる機能を有する。制動プレート10axは、これを挟んで移動する中間プレート50下面のディスクブレーキ10bxの動きに対応した位置に設けられる。
下層プレート30の、X方向に沿う前後両側面の両端部付近には、中間プレート50と下層プレート30のY方向の変位を拘束して、両プレート30、50を一体にY方向に移動させて、下層プレート30からのY方向の振動を中間プレート50に伝えるための、Y方向変位制限部材15が着脱自在に設けられている。本実施形態における、Y方向変位制限部材15は、下層プレート30の前後側面から鉛直方向に立ち上がり、その内方側に設けた、X方向の変位を許容する鋼製ローラーにより、中間プレート50の前後方向の側面に当接している。
下層プレート30上面のローラー8xに載置して、中間プレート50が設けられる。中間層プレート50は、一方向装置1の上層プレート4と同様の要領で、下層プレート30に対し「上層プレート基準位置」で設置される。中間プレート50の下面には、上部ローラーレール7bx、第2ローラー挿通部材12x、シリンダー保持部材13x、およびX方向の制動手段10xを構成するディスクブレーキ10bxが、一方向装置1の上層プレート4の下面と同様の形態で設けられる。X方向のディスクブレーキ10bxは、中間プレート50の上面に突出するその上部が、上層プレート40のY方向への移動の障害とならない位置に設けられる。
中間プレート50の上面には、一方向装置1の下層プレート3の上面と同様に、下部ローラーレール7ay、第1ローラー挿通部材11y、ダンパ9y、およびロッド連結部材3byが設けられる。これらは、下層プレート3におけるX方向とY方向を入れ替えた向き、すなわち下層プレート3の上面を90度回転させた配置で取り付けられている。また、中間プレート50の上面には、Y方向のディスクブレーキ10byが上向きに設けられている。このY方向のディスクブレーキ10byは中間プレート50下面にボルトで固定され、中間プレート50上面側にブレーキパッド部突出させて設けられている。Y方向のディスクブレーキ10byは、中間プレート50の下面に突出するその上部が、下層プレート30のX方向への移動の障害とならない位置に設けられる。
中間プレート50の、Y方向に沿う左右両側面の前後方向端部付近には、中間プレート50と上層プレート40のX方向の変位を拘束して、両プレート40、50を一体にX方向に移動させて、中間プレート50のX方向の振動を上層プレート40に伝えるための、X方向変位制限部材16が着脱自在に設けられている。X方向変位制限部材16は、Y方向変位制限部材15と同様の部材であり、中間プレート50の左右側面から鉛直方向に立ち上がり、その内方側に設けたY方向の変位を許容する鋼製ローラーにより、上層プレート40の左右両側面に当接している。
中間プレート50上面のローラー8yに載置して、上層プレート40が設けられる。上層プレート40の下面には、一方向装置1の上層プレート4の下面と同様の形態で、上部ローラーレール7by、第2ローラー挿通部材12y、およびシリンダー保持部材13yが設けられている。ただし、これらは、上層プレート4下面におけるX、Y方向を入れ替えた向き、すなわち、上記下部ローラーレール7a等は、上層プレート4の下面を90度回転させた配置で取り付けられている。また、上層プレート40の下面には、中間プレート50の上面に取り付けられたディスクブレーキ10byに挟み込まれて、Y方向の制動手段10を構成するY方向の制動プレート10ay設けられている。Y方向の制動プレート10ayは、中間プレート50のY方向のディスクブレーキ10byの動きに対応した位置に設けられる。
上記変形例においても、先の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、変形例においては、中間プレート50に、上向きと下向きの二つのディスクブレーキ10bを設けることにより、中間プレート50を追加した場合でも高さの増加を少なくできる。また、中間プレート50も、板状部材を基盤としたパーツであるため、取り扱いが容易で、人力でも搬送や、既存のエレベータを利用した運搬も可能となる。
本発明にかかる免震作用体験装置の好適な一実施形態を示す正面図である。 図1に示した免震作用体験装置の側面方向の縦断面図である。 図1に示した免震作用体験装置の平面図である。 図1に示した免震作用体験装置の可搬ベースを示す平面図である。 図1に示した免震作用体験装置の組み立て状況を説明する側面方向の縦断面図である。 図5に示した免震作用体験装置の組み立て状況を説明する正面方向の縦断面図である。 図5に示した免震作用体験装置の可搬ベースを説明する平面図である。 図5に示した免震作用体験装置の下層プレートの上面を説明する平面図である。 図5に示した免震作用体験装置の上層プレートの下面を説明する見上げ図である。 本発明にかかる免震作用体験装置の好適な一実施形態におけるダンパの取り付け状況を説明する立面図である。 本発明にかかる免震作用体験装置の好適な他実施形態における下層プレート上面の状況を示す平面図である。 図11で説明する実施形態における中間プレート下面の状況を示す見上げ図である。 図12で説明した中間プレート上面の状況を示す平面図である。 図11で説明する別実施形態における上層プレートの下面の状況を示す見上げ図である。 図11で説明する別実施形態における可搬ベースを示す平面図である。
符号の説明
1 免震作用体験装置
2 可搬ベース
3 下層プレート
4 上層プレート
5 起振器
6 免震装置
7 ローラーレール
8 ローラー
9 ダンパ
9a シリンダー
9b ロッド
10 制動手段
11 第1ローラー挿通部材
12 第2ローラー挿通部材
13 シリンダー保持部材
14 支持ローラー

Claims (5)

  1. 横方向の振動を生成する起振器を備える可搬ベースと、該起振器に連結され、横方向へ移動可能に該可搬ベースより支持される下層プレートと、体験ゾーンを有し、上下方向に変位されて復元力を発生するローラーを含む免震装置を介して該下層プレート上に横方向に相対変位可能に支持された上層プレートと、該上層プレートと上記下層プレートとの間に設けられ、該上層プレートの振動を減衰させるダンパと、免震作用を調整するために該上プレートと該下層プレートの相対変位を抑制する制御手段とからなる免震作用体験装置であって、
    上記ダンパのシリンダーから挿抜自在に延出するロッドを、上記上層プレートまたは上記下層プレートのいずれか一方に連結して、該ダンパを振動方向に沿って当該プレートに略平行に設けるとともに、上記シリンダーを、他方のプレートに設けられて該シリンダーの当該プレートに対する上下動を許容させながら、横方向への移動を拘束する左右一対のシリンダー保持部材で保持したことを特徴とする免震作用体験装置。
  2. 前記免震装置が、前記ローラーとそれを支承し転がりを案内するローラーレールで構成され、
    前記上層プレートと前記下層プレートが、該下層プレートに上向きに設けられた第1ローラー挿通部材と該上層プレートから下向きに設けられた第2ローラー挿通部材に、上記ローラーを挿通して、横方向へ相対変位可能に連結されることを特徴とする請求項1に記載の免震作用体験装置。
  3. 隣接する前記第1ローラー挿通部材と前記第2ローラー挿通部材を一組として、前記ローラーレール間に前記ローラーの長さ方向に適宜間隔を有して、2組以上設けられることを特徴とする請求項2に記載の免震作用体験装置。
  4. 前記下層プレートの前後方向の中央から該下層プレート前後方向へ向けて順次、前記第1ローラー挿通部材、前記第2ローラー挿通部材、前記ローラーレール、前記ダンパが配置されることを特徴とする請求項3に記載の免震作用体験装置。
  5. 前記下層プレートが、前記可搬ベースに設けた支持ローラーにより移動自在に支持されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の免震作用体験装置。
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