JP2008232697A - 加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 支持部材の微小振動によるノイズの発生を抑制することができる加速度センサを提供する。
【解決手段】 支持部材21と、矩形平板状の複数の圧電基板11が厚み方向に積層されてなり、少なくとも一方の主面が支持部材21によって支持された支持領域31および支持部材21によって支持されていない自由振動領域35を長手方向に有し、自由振動領域35のみにおいて圧電基板11を介して厚み方向に互いに対向する電荷検出電極15a,15bが両主面および複数の圧電基板11の層間に配置された圧電振動素子10とを備える加速度センサである。支持部材21の微小振動により圧電振動素子10の支持部材21に接触する部分に発生した電荷が電荷検出電極15a,15bによって取り出されにくいので、支持部材21の微小振動によるノイズの発生を抑制することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 支持部材21と、矩形平板状の複数の圧電基板11が厚み方向に積層されてなり、少なくとも一方の主面が支持部材21によって支持された支持領域31および支持部材21によって支持されていない自由振動領域35を長手方向に有し、自由振動領域35のみにおいて圧電基板11を介して厚み方向に互いに対向する電荷検出電極15a,15bが両主面および複数の圧電基板11の層間に配置された圧電振動素子10とを備える加速度センサである。支持部材21の微小振動により圧電振動素子10の支持部材21に接触する部分に発生した電荷が電荷検出電極15a,15bによって取り出されにくいので、支持部材21の微小振動によるノイズの発生を抑制することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は加速度センサに関し、特に支持部材の微小振動によるノイズの発生を抑制することができる加速度センサに関するものである。
従来からハードディスクドライブ等の電子機器に外部から加わる衝撃の検出等の用途に加速度センサが用いられている。このような加速度センサとしては、両主面の全面に電荷検出電極が配置された短冊状の一対の圧電基板が厚み方向に積層されてなる圧電振動素子の長手方向における一方の端部を支持部材で支持した構造のものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
このような構造を有した加速度センサによれば、作用した加速度によって圧電振動素子が撓むことにより圧電基板に歪みが生じて圧電効果によって圧電基板の両主面に発生した電荷を、圧電基板を介して互いに対向するように圧電基板の両主面に配置された電荷検出電極で取り出すことによって加速度を検出することができる。
特開平7−181201号公報
しかしながら、前述した従来の加速度センサにおいては、圧電振動素子における支持部材によって支持された領域である支持領域においても、電荷検出電極が圧電基板を介して互いに対向するように配置されていることから、外的要因によって支持部材に微小振動が生じた場合に、支持部材の微小振動によって圧電振動素子の支持部材と接触している部分に生じた歪みにより発生した電荷が電荷検出電極によって取り出されることによるノイズが発生し、それによって加速度センサを利用した衝撃感知システムが誤作動する場合があるという問題があった。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、支持部材の微小振動によるノイズの発生を抑制することができる加速度センサを提供することにある。
本発明の加速度センサは、支持部材と、矩形平板状の複数の圧電基板が厚み方向に積層されてなり、少なくとも一方の主面が前記支持部材によって支持された支持領域および前記支持部材によって支持されていない自由振動領域を長手方向に有し、前記自由振動領域のみにおいて前記圧電基板を介して厚み方向に互いに対向する電荷検出電極が両主面および複数の前記圧電基板の層間に配置された圧電振動素子とを備えることを特徴とするものである。
本発明の加速度センサによれば、圧電振動素子の支持部材によって支持されていない自由振動領域のみにおいて圧電基板を介して厚み方向に互いに対向するように電荷検出電極が配置されていることから、外的要因によって支持部材に微小振動が生じて、支持部材の微小振動によって圧電振動素子の支持領域における支持部材に接触する部分に歪みが生じて電荷が発生した場合においても、支持領域内には圧電基板を介して対向する電荷検出電極が存在しないため、発生した電荷が電荷検出電極によって取り出されてノイズとして出力されることは殆どないので、支持部材の微小振動によるノイズの発生を抑制することができる。これにより、加速度センサを利用した衝撃感知システムの誤作動を防止することができる。
以下、本発明の加速度センサについて、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態の第1の例)
図1(a)は本発明の加速度センサの実施の形態の一例を模式的に示す外観斜視図であり、図1(b)は(a)に示す加速度センサから封止樹脂81を取り除いた状態を模式的に示す外観斜視図である。図2は図1(b)のA−A’線断面図である。なお、端子電極71a,71bの図示は省略している。図3は図1(a),(b)に示す加速度センサに用いられる圧電振動素子10および支持部材21を模式的に示す外観斜視図であり、支持部材21を破線で示して透視した状態を示している。図4は図3に示す圧電振動素子10の分解斜視図である。図5は図3に示す圧電振動素子10に用いられる圧電基板11およびその両主面に配置された電荷検出電極15a,15bを模式的に示す上から見た透視図である。
図1(a)は本発明の加速度センサの実施の形態の一例を模式的に示す外観斜視図であり、図1(b)は(a)に示す加速度センサから封止樹脂81を取り除いた状態を模式的に示す外観斜視図である。図2は図1(b)のA−A’線断面図である。なお、端子電極71a,71bの図示は省略している。図3は図1(a),(b)に示す加速度センサに用いられる圧電振動素子10および支持部材21を模式的に示す外観斜視図であり、支持部材21を破線で示して透視した状態を示している。図4は図3に示す圧電振動素子10の分解斜視図である。図5は図3に示す圧電振動素子10に用いられる圧電基板11およびその両主面に配置された電荷検出電極15a,15bを模式的に示す上から見た透視図である。
本例の加速度センサに用いられる圧電振動素子10は、図4に示すように、両主面に電荷検出電極15a,15bが配置された一対の圧電基板11・11が絶縁性接着材19を介して厚み方向に積層されて構成されており、図3に示すように、長手方向における一方端の両主面が一対の支持部材21・21によって挟持されて支持されている。そして、図5に示すように、それぞれの圧電基板11において、支持部材21によって支持されていない自由振動領域35のみにおいて電荷検出電極15a,15bが圧電基板11を介して厚み方向に互いに対向するように配置されている。なお、一対の圧電基板11・11はそれぞれ厚み方向に分極されており、分極の向きは互いに逆向きになっている。また、電荷検出電極15a,15bは、支持領域31において圧電振動素子10の互いに逆側の側面に露出している。
また、本例の加速度センサは、図1(b)および図2に示すように、長手方向における一方端の両主面が一対の支持部材21・21によって挟持されて支持された圧電振動素子10が、1つの面が開口した箱状のケース41の開口部に設置された固定枠45に形成された貫通孔に挿入されて固定された構造を有している。圧電振動素子10は、一対の支持部材21・21によって挟持された部分が固定枠45の貫通孔に圧入されて固定されている。また、図1(b)に示すように、圧電振動素子10の両側面に露出した電荷検出電極15a,15bは、固定枠45に形成された一対の凹部47a,47bの底面から圧電振動素子10の側面にかけて各々設けられた導電性樹脂61a,61bにそれぞれ接続されており、さらに、ケース41の内部に形成された一対の内部配線(図示せず)を介して、ケース41の下面から側面にかけて形成された一対の端子電極71a,71bにそれぞれ接続されている。またさらに、固定枠45から露出した一対の支持部材21・21のそれぞれの主面の中央部から固定枠45の表面にかけて、それぞれ絶縁性樹脂51が設けられており、一対の導電性樹脂61a,61b同士が流動して接触することを防止している。さらにまた、図1(a)に示すように、圧電振動素子10,固定枠45,絶縁性樹脂51および導電性樹脂61a,61bを被覆する封止樹脂81がケース41の開口部を塞いでいる。
そして、本例の加速度センサは、作用した加速度によって圧電振動素子10が厚み方向に撓んで圧電基板11に歪みが生じ、圧電効果によって圧電基板11の両主面に発生した電荷を電荷検出電極15a,15bによって取り出して、一対の導電性樹脂61a,61bおよび一対の内部配線(図示せず)を介して一対の端子電極71a,71bから外部に出力することができるので、加速度センサとして機能する。
本例の加速度センサによれば、圧電振動素子10の支持部材21によって支持されていない自由振動領域35のみにおいて圧電基板11を介して厚み方向に互いに対向するように電荷検出電極15a,15bが配置されていることから、外的要因によって支持部材21に微小振動が生じて、支持部材21の微小振動によって圧電振動素子10の支持領域31における支持部材21に接触する部分に歪みが生じて電荷が発生した場合においても、支持領域31内には圧電基板11を介して対向する電荷検出電極15a,15bが存在しないため、発生した電荷が電荷検出電極15a,15bによって取り出されてノイズとして出力されることは殆どないので、支持部材21の微小振動によるノイズの発生を抑制することができる。これによって、加速度センサを利用した衝撃感知システムの支持部材21の微小振動に起因するノイズによる誤作動を防止することができる。
また、本例の加速度センサによれば、圧電振動素子10の支持部材21によって支持されていない自由振動領域35が、ケース41および固定枠45によって囲まれた空間の中に封入されていることから、加速度センサが設置された場所に、例えば冷却用のファン等による空気の流れが存在する場合においても、空気の流れが圧電振動素子10の自由振動領域35に直接当たることがないので、空気の流れが直接当たることによって圧電振動素子10の自由振動領域35が振動してノイズが発生することを防止することができる。これによって、加速度センサを利用した衝撃感知システムの誤作動を防止することができる。
本例の加速度センサにおいて、圧電基板11は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸鉛等の圧電セラミック材料から成る。その形状は、例えば、長さが0.5mm〜5mm程度、幅が0.2mm〜1mm程度、厚みが0.1mm〜1mm程度の短冊状とされ、それぞれ厚み方向に分極されている。このような圧電基板11は、原料粉末にバインダを加えてプレスする方法、あるいは、原料粉末を水や分散剤と共にボールミルを用いて混合した後に乾燥し、バインダ,溶剤,可塑剤等を加えてドクターブレードにより成型する方法等によってシート状とし、それを必要に応じて積層しプレスした後に、例えば1100℃〜1400℃程度のピーク温度で焼成することによって基板を形成し、その厚み方向に、例えば60℃〜150℃程度の温度にて3kV/mm〜15kV/mm程度の電圧をかけて分極処理を施すことによって作製することができる。
電荷検出電極15a,15bは、圧電振動素子10の自由振動領域35において圧電基板11を介して厚み方向に互いに対向するように配置されて、作用した加速度によって圧電振動素子10が撓んで圧電基板11に生じた歪みにより圧電基板11の両主面に発生した電荷を取り出す機能を有する。圧電振動素子10は支持領域31と自由振動領域35との境界付近を支点として厚み方向に撓むことから、その付近で圧電基板11の歪みが最も大きくなり、発生する電荷も多いので、自由振動領域35において、圧電振動素子10の幅方向の全体に渡ってなるべく支持領域31に近接するように形成するのが望ましい。また、支持領域31においては、電荷検出電極15a,15bの面積を極力小さくして、異なる電位となる電荷検出電極15a,15b同士をできるだけ遠ざけるように、それぞれ圧電振動素子10の幅方向における逆側の端部に配置するのが望ましい。
このような電荷検出電極15a,15bの材質としては、例えば金,銀,銅,クロム,ニッケル,錫,鉛,アルミニウム等の良導電性の金属を使用できる。その厚みは、例えば0.1μm〜3μm程度とされ、例えば、金属材料を真空蒸着やスパッタリング等の手法によって圧電基板11の両主面に被着させるか、あるいは、前述した金属材料を含む所定の導体ペーストをスクリーン印刷等の手法によって所定パターンに塗布して、高温で焼き付けることによって形成することができる。
絶縁性接着材19としては、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂,無機質ガラス,エポキシ樹脂等の絶縁材料を用いることができる。例えば、ガラス繊維の間にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグであるガラス布基材エポキシ樹脂を用いる場合には、両主面に電荷検出電極15a,15bが形成された一対の圧電基板11・11の間にガラス布基材エポキシ樹脂を挟み、加圧しながら加熱することによってエポキシ樹脂を所定の厚みに圧縮して硬化させるとよい。
支持部材21は、圧電振動素子10の両主面を挟持して支持する機能を有し、例えば、圧電振動素子10の長手方向の一方端から0.5mm〜1.5mmの範囲の両主面全体に20〜100μm程度の厚みで形成される。支持部材21の材質としては、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等を好適に用いることができ、例えば、スクリーン印刷等の手法によりペースト状の樹脂を塗布した後に、100℃〜200℃程度の温度で1時間〜2時間程度保持して硬化させることにより形成することができる。
固定枠45は、圧電振動素子10の両主面を支持部材21を介して挟持することによって支持して、圧電振動素子10をケース41に固定する機能を有する。また、ケース41の開口部を塞ぐことによって、圧電振動素子10の自由振動領域35を収容する閉鎖空間をケース41とともに形成する機能も有する。このような固定枠45の材質としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の高強度のプラスチック材料が好適に用いられ、例えば、中央に貫通孔を有した0.5mm〜1.5mm程度の厚みの平板状とされる。固定枠45をケース41と同一材料を用いてケース41の一部として一体的に形成すると、製造が容易である。また、貫通孔の周囲に凹部47a,47bが形成されており、ケース41の表面に配置された一対の端子電極71a,71bにそれぞれ接続された一対の内部配線(図示せず)の先端が凹部47a,47b内にそれぞれ露出している。
ケース41は、圧電振動素子10の自由振動領域35を収容する閉鎖空間を固定枠45とともに形成し、圧電振動素子10を保護する機能を有する。また、下面から側面にかけて一対の端子電極71a,71bが配置されており、加速度センサを実装基板等へ機械的に固定し電気的に接続する機能を有する。このようなケース41の材質としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の高強度のプラスチック材料や、アルミナ等のセラミックス材料が好適に用いられる。また、端子電極71a,71bの材質としては、例えばリン青銅等が用いられ、その厚みは、例えば0.1mm〜0.5mmに設定される。例えば、一対の端子電極71a,71bおよび内部配線(図示せず)を一体的に形成し、インサートモールドによりケース41と一体成型してもよい。
絶縁性樹脂51は、一対の導電性樹脂61a,61b同士が流動して接触することを防止する機能を有する。例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等を好適に用いることができ、例えば、スクリーン印刷等の手法によりペースト状の樹脂を塗布した後に、100℃〜200℃程度の温度で1時間〜2時間程度保持して硬化させることにより形成することができる。
導電性樹脂61a,61bは、一対の端子電極71a,71bにそれぞれ接続された一対の内部配線(図示せず)と電荷検出電極15a,15bとをそれぞれ接続する機能を有する。樹脂材料としては、例えばエポキシ樹脂等が好適に用いられ、樹脂中に含有させる導電性フィラーとしては、銀や銅等の導電性の良い金属を用いることが望ましい。例えば、スクリーン印刷等の手法によりペースト状の導電性樹脂を塗布した後に、100℃〜200℃程度の温度で1時間〜2時間程度保持して硬化させることにより形成することができる。
封止樹脂81は、圧電振動素子10,固定枠45,絶縁性樹脂51および導電性樹脂61a,61bを保護してケース41の開口部を封止する機能を有する。このような封止樹脂81としては、例えばエポキシ樹脂等が好適に用いられ、例えば、ディスペンサーを用いて塗布した後に、100℃〜200℃程度の温度で1〜2時間程度保持して硬化させることにより形成することができる。
(実施の形態の第2の例)
図6は本発明の加速度センサの実施の形態の他の例を模式的に示す断面図である。図7は図6に示す加速度センサに用いられる圧電振動素子10および支持部材21を模式的に示す外観斜視図であり、支持部材21を破線で示して透視した状態を示している。図8は図7に示す圧電振動素子10の分解斜視図である。図9は図7に示す圧電振動素子10に用いられる圧電基板11およびその両主面に形成された電荷検出電極15a,15bを模式的に示す上から見た透視図である。また、本例においては前述した第1の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
図6は本発明の加速度センサの実施の形態の他の例を模式的に示す断面図である。図7は図6に示す加速度センサに用いられる圧電振動素子10および支持部材21を模式的に示す外観斜視図であり、支持部材21を破線で示して透視した状態を示している。図8は図7に示す圧電振動素子10の分解斜視図である。図9は図7に示す圧電振動素子10に用いられる圧電基板11およびその両主面に形成された電荷検出電極15a,15bを模式的に示す上から見た透視図である。また、本例においては前述した第1の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本例の加速度センサにおける特徴的な部分は、図6および図7に示すように、圧電振動素子10の長手方向における両端部の両主面がそれぞれ一対の支持部材21・21によって挟持されて支持されていることである。
しかしながら、図7〜図9に示すように、本例の加速度センサにおいても、圧電振動素子10の支持部材21によって支持されていない自由振動領域35のみにおいて圧電基板11を介して厚み方向に互いに対向するように電荷検出電極15a,15bが配置されていることから、外的要因によって支持部材21に微小振動が生じて、支持部材21の微小振動によって圧電振動素子10の支持領域31における支持部材21に接触する部分に歪みが生じて電荷が発生した場合においても、支持領域31内には圧電基板11を介して対向する電荷検出電極15a,15bが存在しないため、発生した電荷が電荷検出電極15a,15bによって取り出されてノイズとして出力されることは殆どないので、支持部材21の微小振動によるノイズの発生を抑制することができる。これによって、加速度センサを利用した衝撃感知システムの誤作動を防止することができる。
(変形例)
本発明は前述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更または改良が可能である。
本発明は前述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更または改良が可能である。
例えば、前述した実施の形態の例においては、圧電振動素子10の長手方向における端部が支持部材21によって支持された例を示したが、圧電振動素子10の長手方向における中央部が支持部材21によって支持されるようにしても構わない。
また、前述した実施の形態の例においては、圧電振動素子10の両主面が一対の支持部材21・21によって挟持されて支持された例を示したが、圧電振動素子10の一方の主面のみが支持部材21に接合されて支持されるようにしても構わない。
さらに、前述した実施の形態の例においては、一対の圧電基板11が厚み方向に積層されて圧電振動素子10が構成された例を示したが、さらに多くの圧電基板11が厚み方向に積層されて圧電振動素子10が構成されるようにしても構わない。
またさらに、前述した実施の形態の例においては、両主面に電荷検出電極15a,15bが形成された圧電基板11が絶縁性接着材19を介して接合されて圧電振動素子10が構成された例を示したが、複数の圧電体層と電荷検出電極とが交互に積層されて一体化された圧電振動素子10としても構わない。
さらにまた、前述した実施の形態の例においては、圧電振動素子10の両主面と複数の圧電基板11の層間とに同一形状の電荷検出電極15a,15bが配置された例を示したが、異なる形状の電荷検出電極が配置されるようにしても構わない。
次に、本発明の加速度センサの具体例について、図1〜図5に示した実施の形態の第1の例の加速度センサを例にとって説明する。
まず、チタン酸ジルコン酸鉛の原料粉末にバインダを加えてプレスし、1200℃のピーク温度で焼成して、圧電体のブロックを得た。
次に、ワイヤーソーを用いてスライスし、さらにラップ機を用いて両面をラップすることによって、分割されて圧電基板11となる複数の素子領域を有する圧電母基板を作製した。圧電母基板の厚みは100μmとした。
次に、パターニングされて電荷検出電極15a,15bとなる金属薄膜をスパッタ装置を用いて圧電母基板の両主面に形成した。それぞれの金属薄膜はクロムと銀との2層構造とし、クロム薄膜を0.3μmの厚みで形成した後に、その上に銀薄膜を0.3μmの厚みで形成した。
次に、両主面に金属薄膜が形成された圧電母基板を分極槽に投入し、300Vの電圧を10秒間印加して、圧電母基板を厚み方向に分極処理した。
次に、スクリーン印刷法を用いて金属薄膜の表面にレジストパターンを形成した後に、エッチング液に浸漬して金属薄膜のパターニングを行ない、その後、トルエンに浸漬してレジストを除去することによって、圧電母基板の各素子領域の両主面に電荷検出電極15a,15bを形成した。
次に、両主面の各素子領域に電荷検出電極15a,15bが形成された2枚の圧電母基板を真空オーブンに投入して、両者の間に絶縁性接着材19となるガラス布基材エポキシ樹脂のプリプレグを介在させて貼り合わせ、荷重を加えながら180℃の温度で2時間保持して接合した。なお、プリプレグの厚みは0.1mm程度になるようにし、2枚の圧電母基板の分極の向きが互いに逆向きになるようにして貼り合わせた。
次に、支持部材21となるエポキシ樹脂を、貼り合わせた圧電母基板の各素子領域の両主面の各素子領域における、電荷検出電極15a,15bが圧電基板11を介して厚み方向に対向しない領域にスクリーン印刷機を用いて塗布し、150℃の温度で2時間保持して硬化させた。
次に、圧電母基板をダイシングソーを用いて各素子領域の境界に沿って切断して個片に分割し、図3に示すような圧電振動素子10を複数個同時に得た。なお、圧電振動素子10の形状は、長さが3mm,幅が0.5mm,厚みが0.3mmの矩形平板状とし、長手方向における一方端の端部から1mmの範囲の両主面に100μmの厚みの支持部材21が形成されるようにした。
次に、液晶ポリマー(LCP)からなる一面が開口した箱状であり、インサートモールドされたリン青銅からなる端子電極71a,71bおよび内部配線を備え、開口部付近に固定枠45が形成されたケース41に、図1(a),(b)および図2に示すように、支持部材21が形成された圧電振動素子10を固定枠45の貫通孔に圧入して固定した。
次に、図1(b)に示すように、露出している支持部材21の両主面の中央部付近から固定枠45の表面にかけてエポキシ樹脂からなる絶縁性樹脂51をディスペンサーを用いて塗布し、さらに、圧電振動素子10の両側面にそれぞれ露出した電荷検出電極15a,15bと、固定枠45に形成された一対の凹部47a,47b内にそれぞれ露出した一対の内部配線(図示せず)とを接続するように、エポキシ樹脂および銀フィラーからなる導電性樹脂61a,61bをディスペンサーを用いて塗布した後に、200℃の温度で30分間保持して硬化させた。
次に、図1(a)に示すように、ケース41の開口部に、圧電振動素子10,支持部材21,固定枠45,絶縁性樹脂51および導電性樹脂61a,61bを被覆するように、封止樹脂81となるエポキシ樹脂をディスペンサーを用いて塗布した後に、150℃の温度で2時間保持して硬化させて加速度センサを完成させた。
次に、このようにして作製した本発明の加速度センサと、比較のために用意した、支持領域31内においても電荷検出電極15a,15bが圧電基板11を介して厚み方向に対向するように配置された従来の加速度センサとを、実装基板に実装してそれぞれ専用のICに接続し、冷却用ファンからの風が当たる以外は何も衝撃が加わらない状態におけるICからの出力電圧を測定した。
図10(a)は本発明の加速度センサにおける冷却用ファンからの送風がある場合とない場合とにおけるICからの出力電圧を比較したグラフであり、図10(b)は比較例として用意した従来の加速度センサにおける冷却用ファンからの送風がある場合とない場合とにおけるICからの出力電圧を比較したグラフである。それぞれのグラフにおいて、横軸は周波数であり、縦軸はICからの出力電圧である。
図10(b)に示すグラフによれば、従来の加速度センサでは、送風がある場合(破線で示す)とない場合(実線で示す)とにおいて、ICからの出力電圧に広い周波数範囲に渡る大きなレベルの差が存在することがわかる。これは、冷却用ファンからの風が加速度センサのケース41に当たることによって生じたケース41の微小振動が固定枠45を介して支持部材21に伝わり、支持部材21に生じた微小振動によって、圧電振動素子10の支持領域31における支持部材21に隣接する部分に歪みが生じて電荷が発生し、電荷検出電極15a,15bによって取り出されることによって発生したノイズがICへ出力されたためであると考えられる。
これに対し、図10(a)に示すグラフから明らかなように、本発明の加速度センサでは、送風がある場合(破線で示す)およびない場合(実線で示す)におけるICからの出力電圧が広い周波数範囲に渡って殆ど同レベルになっている。これは、冷却用ファンからの風が加速度センサのケース41に当たることに起因して支持部材21が振動し、それによって圧電振動素子10の支持領域31における支持部材21に隣接する部分に歪みが生じて電荷が発生しても、支持領域内には圧電基板11を介して対向する電荷検出電極15a,15bが存在しないために、発生した電荷が電荷検出電極15a,15bによって取り出されず、ノイズとしてICへ出力されないからであると考えられる。これによって、加速度センサを利用した衝撃感知システムの誤作動を防止することが可能となり、本発明の有効性が確認できた。
10:圧電振動素子
11:圧電基板
15a,15b:電荷検出電極
21:支持部材
31:支持領域
35:自由振動領域
11:圧電基板
15a,15b:電荷検出電極
21:支持部材
31:支持領域
35:自由振動領域
Claims (1)
- 支持部材と、
矩形平板状の複数の圧電基板が厚み方向に積層されてなり、少なくとも一方の主面が前記支持部材によって支持された支持領域および前記支持部材によって支持されていない自由振動領域を長手方向に有し、前記自由振動領域のみにおいて前記圧電基板を介して厚み方向に互いに対向する電荷検出電極が両主面および複数の前記圧電基板の層間に配置された圧電振動素子と
を備えることを特徴とする加速度センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007070041A JP2008232697A (ja) | 2007-03-19 | 2007-03-19 | 加速度センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007070041A JP2008232697A (ja) | 2007-03-19 | 2007-03-19 | 加速度センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008232697A true JP2008232697A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39905687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007070041A Pending JP2008232697A (ja) | 2007-03-19 | 2007-03-19 | 加速度センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008232697A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9404938B2 (en) | 2010-12-24 | 2016-08-02 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Acceleration sensor |
-
2007
- 2007-03-19 JP JP2007070041A patent/JP2008232697A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9404938B2 (en) | 2010-12-24 | 2016-08-02 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Acceleration sensor |
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