JP2008232392A - 変速機の変速位置切換機構 - Google Patents

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賢嗣 山田
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晴久 三浦
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浩之 斉藤
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Abstract

【課題】通常の運転時には変速機の変速をスムーズに行うようにして変速性能が悪化するのを防止しつつ、変速機の故障時等にシフトセレクトシャフトを変速位置からニュートラル位置に強制的に切換えることができる変速機の変速位置切換機構を提供すること。
【解決手段】シフト抜き用の変速位置切換機構90を、操作レバー91と、待機位置から解除位置に移動する際に、アウターレバー56の突出部94に係合することにより、アウターレバー56を介してシフトセレクトシャフト51を変速位置からニュートラル位置に移動させるアーム部材93と、操作レバー91およびアーム部材93の間に介装され、操作レバー91を操作することにより、アーム部材93を待機位置と解除位置の間で回動させるシフト抜きケーブル92とを備え、アーム部材93が待機位置に位置しているときに、アウターレバー56の移動を許容するようにした。
【選択図】図6

Description

本発明は、変速機の変速位置切換機構に関し、特に、セレクトシャフトを回転させるアクチュエータ等の故障時に、シフトセレクトシャフトを変速位置からニュートラル位置に強制的に戻すことができるようにした変速機の変速位置切換機構に関する。
従来より、噛合い式のギヤトレーンからなる変速機において、変速段の変速操作を手動ではなくアクチュエータ等を用いて自動的に行うものがあり、このように変速段の変速操作を自動的に行うものとしては、例えば、変速機の変速動作とクラッチの断続動作とを自動的に実行するシーケンシャル・マニュアル・トランスミッション(Sequential Manual Transmission:以下「SMT」と称す)と呼ばれる半自動変速機が知られている。
このSMTによる一連の制御動作の一例としては、変速機の変速段を変化させるべく、シフトレバーの操作が行われた場合には、まず、アクチュエータの作動によってクラッチを切り離し、アクチュエータの作動によって変速機のシフトセレクトシャフトを作動させることにより、ギヤを所定の変速段に切換えた後、徐々にクラッチをつなぐ動作を実施するようにしているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、このような構成を有するSMTにあっては、アクチュエータによって変速機の変速段の切換えとクラッチの断続を行うようになっているため、アクチュエータやアクチュエータを作動させる電子制御回路の故障等が発生した場合に、変速機が所定の変速段にあるとギヤが噛み合ったままとなってしまうため、車両の移動が困難となってしまう。
このような不具合を解消するものとして、変速機の変速段を所定の変速段からニュートラル位置に強制的に切換える、所謂、シフト抜きを行うようにしたシフト抜き機構を備えたものが知られており、このようなシフト抜き機構としては、図11のように示される(例えば、特許文献2〜5参照)。
図11において、図示しない変速機ケースに収納されたシフトセレクトシャフト1は、回転方向および軸方向に回転自在に設けられており、このシフトセレクトシャフト1にはアウターレバー2が取付けられている。
シフトセレクトシャフト1は図示しない油圧アクチュエータ、あるいは電気モータおよびギヤの組合せ等からなるシフト用およびセレクト用のアクチュエータによってシフトセレクトシャフト1が軸方向および回転方向に操作されるようになっている。
図11において、同図(a)に示すようにアウターレバー2が水平方向と直交する方向に延在する状態にあっては、変速段はニュートラル位置に、同図(b)に示すようにアウターレバー2がニュートラル位置から一方に揺動してシフトセレクトシャフト1が一方向に回動すると、変速段が1速、3速および5速の何れかの変速段に切り換えられ、同図(c)に示すようにアウターレバー2がニュートラル位置から他方に揺動してシフトセレクトシャフト1が他方向に回動すると、変速段が2速、4速およびリバースの何れかの変速段に切換えられる。
また、アウターレバー2にはアーム部材3を介してケーブル4の一端部が取付けられており、このケーブル4の他端部には図示しない操作レバーが取付け可能な取付け部材5が設けられている。
このような構成を有するシフト抜き機構では、クラッチが締結された状態で、かつシフトセレクトシャフト1が変速段に対応した変速位置にある状態でアクチュエータやアクチュエータを駆動させる電子制御回路の故障等が発生した場合には、取付け部材5に操作レバーを取付けた後、操作レバーを一方向または他方向に操作してケーブル4をプル方向(図11(b)参照)またはプッシュ方向(図11(c)参照)に移動させることにより、アウターレバー2を変速位置からニュートラル位置に強制的に切換えるようにしている。
このため、変速機のギヤの噛み合いがなくなり、エンジンから駆動輪までの動力伝達系の係合が解除されるため、故障車両の移動を容易に行うことができる。
特開2004−245293号公報 特開2003−97695号公報 特開2001−141053号公報 特開2003−28293号公報 特公昭63−37729号公報
しかしながら、このような従来の変速機の変速位置切換機構にあっては、アウターレバー2にケーブル4を直接取付けていたため、車両の運転時にアクチュエータによってアウターレバー2を操作するときに、ケーブル4が摺動抵抗となって変速をスムーズに行うことができず、変速性能が悪化してしまうという不具合が発生してしまった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、通常の運転時に変速機の変速をスムーズに行うようにして変速性能が悪化するのを防止しつつ、変速機の故障時等にシフトセレクトシャフトを変速位置からニュートラル位置に強制的に切換えることができる切換機構を備えた変速機の変速位置切換機構を提供することを目的とする。
本発明に係る変速機の変速位置切換機構は、(1)回転方向および軸方向に移動自在に設けられたシフトセレクトシャフトと、前記シフトセレクトシャフトに取付けられたアウターレバーと、前記シフトセレクトシャフトを回転方向および軸方向に移動させるアクチュエータとを備え、前記シフトセレクトシャフトをニュートラル位置から変速段に対応する変速位置に回転させることにより、変速段に対応するギヤを噛み合わせて変速動作を行うようにした変速機に装着され、前記シフトセレクトシャフトを前記変速位置から前記ニュートラル位置に強制的に切換える変速位置切換機構であって、前記変速位置切換機構は、操作レバーと、前記アウターレバーに設けられ、前記シフトセレクトシャフトの軸方向に突出する突出部と、回動支点を中心にして待機位置から解除位置の間で回動し、前記待機位置から前記解除位置に回動する際に、前記アウターレバーの係合部に係合することにより、前記アウターレバーを介して前記シフトセレクトシャフトを前記変速位置から前記ニュートラル位置に回動させる回動部材と、前記操作レバーおよび前記回動部材の間に介装され、前記操作レバーを操作することにより、前記回動部材を前記待機位置と前記解除位置の間で回動させるケーブル部材とを備え、前記回動部材は、前記待機位置に位置しているときに、前記アウターレバーの移動を許容するものから構成されている。
この構成により、シフトセレクトシャフトが変速段に対応する変速位置にあるときに、何らかの理由でアクチュエータやアクチュエータを制御する電気制御回路等が故障した場合には、操作レバーを操作してケーブル部材を一方向に移動させることにより、回動部材をアウターレバーの突出部に係合させて回動支点を中心にして待機位置から解除位置の間で回動させると、アウターレバーによってシフトセレクトシャフトが回転する。
この結果、シフトセレクトシャフトを各変速段に対応する変速位置からニュートラル位置に容易に復帰させることができ、変速段に対応するギヤの噛み合わせを解除することができる。この結果、エンジンから駆動輪までの動力伝達系の係合を解除することができ、故障車両の移動を容易に行うことができる。
また、回動部材が待機位置に位置しているときに、アウターレバーが移動するのを許容しているので、シフトセレクトシャフトを各変速段に対応する変速位置の間および変速位置とニュートラル位置との間で回動、すなわち、シフトさせることができる。この結果、アウターレバーと回動部材とが干渉しないようにすることができ、通常の運転時には変速機の変速をスムーズに行うようにして変速性能が悪化するのを防止することができる。
また、本発明に係る変速機の変速位置切換機構は、(1)において、(2)前記回動部材は、L字状のアーム部材から構成され、前記アーム部材は、前記ケーブル部材に連結されるとともに、回動支点となる回動軸に回動自在に連結された第1アーム部と、前記第1アーム部から屈曲し、前記第1アーム部の延在方向と略直交する方向に延在する第2アーム部とを備え、前記アウターレバーが第1の変速位置にあるときに、前記回動部材が前記待機位置から前記解除位置に回動するのに伴って前記第1アーム部と第2アーム部の屈曲部分にアウターレバーの突出部に係合することにより、前記アウターレバーを前記変速位置から前記ニュートラル位置に移動させ、前記アウターレバーが第2の変速位置にあるときに、前記回動部材が前記待機位置から前記解除位置に回動するのに伴って前記第2アーム部の先端部にアウターレバーの突出部に係合することにより、前記突出部を前記第2アーム部の先端から前記屈曲部まで移動させて前記アウターレバーを前記変速位置から前記ニュートラル位置に移動させ、前記回動部材が前記待機位置に位置するときに、前記第1アーム部および前記第2アーム部の屈曲部分と前記第2アーム部の先端部の間で前記アウターレバーが前記第2アーム部に対して非接触で移動するものから構成されている。
この構成により、アウターレバーが第1の変速位置である1速、3速、5速等にシフトされたときに、アクチュエータやアクチュエータを制御する電子制御回路等が故障した場合には、回動部材が待機位置から解除位置に回動するのに伴って第1アーム部と第2アーム部の屈曲部分にアウターレバーの突出部が係合することにより、アウターレバーによってシフトセレクトシャフトを回転させることができる。
また、アウターレバーが第2の変速位置である2速、4速、リバース等にシフトされたときに、アクチュエータやアクチュエータを制御する電子制御回路が故障した場合には、回動部材が待機位置から解除位置に回動するのに伴って第2アーム部の先端部にアウターレバーの突出部に係合することにより、アウターレバーによってシフトセレクトシャフトを回転させることができる。
したがって、シフトセレクトシャフトを各変速段に対応する変速位置からニュートラル位置に容易に復帰させることができ、変速段に対応するギヤの噛み合わせを解除することができる。この結果、エンジンから駆動輪までの動力伝達系の係合を解除することができ、故障車両の移動を容易に行うことができる。
また、回動部材が待機位置に位置するときに、第1アーム部および第2アーム部の屈曲部分と第2アーム部の先端部の間でアウターレバーが第2アーム部に対して非接触で移動するようにしたので、シフトセレクトシャフトを各変速段に対応する変速位置の間および変速位置とニュートラル位置との間で回動させることができる。この結果、アウターレバーと回動部材とが干渉しないようにすることができ、通常の運転時には変速機の変速をスムーズに行うようにして、変速性能が悪化するのを防止することができる。
また、回動部材を第1アーム部および第1アーム部の延在方向から略直交する方向に延在する第2アーム部とから構成し、回動部材の回動に伴って第1アーム部および第2アーム部の屈曲部分および第2アーム部の先端部にアウターレバーの突出部を係合させるようにしたので、第1の変速位置および第2の変速位置に位置しているアウターレバーを1つの回動部材で容易にニュートラル位置に復帰させることができる。この結果、切換機構の構成を簡素化することができる。
これに加えて、操作レバーを一方向に操作して回動部材を一方向に回動させることにより、第1の変速位置および第2の変速位置に位置しているアウターレバーを介してシフトセレクトシャフトを回転させることができるため、アウターレバーが第1の変速位置および第2の変速位置が何れの変速位置にある場合であっても、シフトセレクトシャフトを変速位置からニュートラル位置に簡単な操作で確実に復帰させることができる。
また、本発明に係る変速機の変速位置切換機構は、(1)または(2)において、(3)前記突出部の軸方向長さは、前記シフトセレクトシャフトの軸方向への移動許容量よりも長く設定されるものから構成されている。
この構成により、シフトセレクトシャフトが軸方向に移動される、すなわち、シフトされるときのシフトセレクトシャフトの移動量よりも突出部の軸方向長さを長くしているため、どの変速段でシフトセレクトシャフトが固定された場合であっても、回動部材を突出部を介してアウターレバーに確実に係合させることができ、アウターレバーを確実にニュートラル位置に復帰させることができる。
また、本発明に係る変速機の変速位置切換機構は、(2)または(3)において、(4)前記第1アーム部と前記第2アーム部の屈曲部分の内周面が円弧形状に形成され、前記突出部の外形形状が円状に形成されるものから構成されている。
この構成により、アーム部材が回動して屈曲部分の内周面に突出部が係合したときに、突出部が屈曲部分の内周面に沿って滑らかに摺接するため、アーム部材によってアウターレバーをスムーズにニュートラル位置に復帰させることができる。
本発明は、通常の運転時には変速機の変速をスムーズに行うようにして変速性能が悪化するのを防止しつつ、変速機の故障時等にシフトセレクトシャフトを変速位置からニュートラル位置に強制的に切換えることができる変速機の変速位置切換機構を提供することができる。
以下、本発明に係る変速機の変速位置切換機構の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図10は本発明に係る変速機の変速位置切換機構の一実施の形態を示す図であり、本発明の変速位置切換機構を動力伝達装置に搭載した例を示している。
また、本発明の変速位置切換機構が装着される変速機は、変速段の変速操作に応じて変速機の変速動作とクラッチの断続動作とを自動的に実行するSMT(Sequential Manual Transmission)を搭載している。
まず、構成を説明する。図1は動力伝達装置10の概略構成図であり、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のものである。動力伝達装置10は、走行用駆動源としてのエンジン11、自動クラッチ12、変速機13および差動歯車装置14を備えている。
自動クラッチ12は、乾式単板式の摩擦クラッチから構成されており、図2に示すように、エンジン11のクランクシャフト15に取付けられたフライホイール16と、クラッチ出力軸17に配設されたクラッチディスク18と、クラッチカバー19に配設されたプレッシャプレート20と、プレッシャプレート20をフライホイール16側に付勢することによりクラッチディスク18を挟圧して動力伝達するダイヤフラムスプリング21と、クラッチレリーズシリンダ22によりレリーズフォーク23を介して図2中、左方向に移動させられることにより、ダイヤフラムスプリング21の内端部を図2中、左方向に変位させてクラッチを遮断(開放)するレリーズベアリング24とを備えている。
クラッチレリーズシリンダ22は、図示しない油圧回路(HPU:Hydraulic Power Unit) に設けられたクラッチソレノイドバルブ25によって作動油の供給、排出が切換えられるようになっている。
このクラッチソレノイドバルブ25はSMT制御回路100(図1参照)からの信号によって制御されるようになっており、クラッチソレノイドバルブ25からクラッチレリーズシリンダ22に作動油が供給されると、自動クラッチ12が遮断され、クラッチレリーズシリンダ22の作動油の流出が許容されると、自動クラッチ12のダイヤフラムスプリング21の付勢力に従ってクラッチレリーズシリンダ22のピストンが押し返されるとともに、自動クラッチ12が接続(係合)状態になる。
図1において、変速機13は、差動歯車装置14と共に共通の変速機ケース26内に配設されてトランスアクスルを構成しており、変速機ケース26内に所定量だけ充填された潤滑油に浸漬され、差動歯車装置14と共に潤滑されるようになっている。
変速機13は、入力軸27および入力軸27と平行に配設された出力軸28を備えており、入力軸27と出力軸28との間にギヤ比が異なる複数の変速ギヤ対29a〜29eが配設されるとともに、変速ギヤ対29a〜29eに対応して複数の噛合クラッチ30a〜30eが設けられた2軸噛合式の変速機構を備えている。
また、噛合クラッチ30a〜30eの3つのクラッチハブスリーブ31a、31b、31cには3本のフォークシャフト32a、32b、32c(図3参照)がそれぞれ係合されており、フォークシャフト32a、32b、32cはクラッチハブスリーブ31a、31b、31cを移動させることにより、何れかの変速段を成立させるようになっている。
具体的には、変速機ケース26には図3に示すシフトセレクトシャフト51が貫通して設けられており、このシフトセレクトシャフト51が軸方向であるセレクト方向に移動されることにより、複数のフォークシャフト32a、32b、32cの任意の一つに選択的に係合させられるようになっている。
また、シフトセレクトシャフト51がそのセレクト方向と略直角な回転方向、すなわち、シフト方向に回転されることにより、フォークシャフト32a、32b、32cが軸方向に移動され、所定の変速段が成立されるようになっている。本実施の形態では、後述するように前進5段の変速段が成立されるようになっている。
また、入力軸27および出力軸28には後進ギヤ対33が配設されており、この後進ギヤ対33は図示しないカウンタシャフトに配設された後進用アイドル歯車と噛み合わされることにより、後進変速段が成立させられるようになっている。
なお、入力軸27は、スプライン嵌合34によって自動クラッチ12のクラッチ出力軸35に連結されているとともに、出力軸28には出力歯車36が配設されて差動歯車装置14のリングギヤ37と噛み合わされている。
また、差動歯車装置14は傘歯車式のもので、一対のサイドギヤ38L、38Rにはそれぞれドライブシャフト39L、39Rがスプライン嵌合等によって連結されており、左右の前輪(駆動輪)40L、40Rを回転駆動するようになっている。
図3はシフトセレクトシャフト51を備えた変速機13のシフトセレクト装置50を示す図である。
図3において、シフトセレクトシャフト51は変速機ケース26および変速機ケース26を閉塞するコントロールカバー52に保持されて変速機ケース26内に収納されており、シフトセレクトシャフト51はスライドボールベアリング53によりコントロールカバー52に保持され、かつスライドボールベアリング54によって変速機ケース26に保持されている。
シフトセレクトシャフト51は棒状部材であり、変速機ケース26を貫通するように配置されており、スライドボールベアリング53、54は、シフトセレクトシャフト51を矢印Aで示す方向にスライド自在、すなわち、軸方向に移動自在で、かつ矢印Bで示す方向に回転自在に保持している。
したがって、変速機ケース26内においてシフトセレクトシャフト51はスライドすることが可能で、かつ回転することが可能であり、シフトセレクトシャフト51が動作すると、この動作に応じてシフトセレクトシャフト51に取付けられた各構成部材も動作する。
また、シフトセレクトシャフト51が変速機ケース26から取出された部分では、シフトセレクトシャフト51はゴム製のブーツ55に覆われており、ブーツ55はシフトセレクトシャフト51の端部を保護して、外部から変速機ケース26内に塵や水分等が混入することを防止している。
また、シフトセレクトシャフト51が矢印Aで示す方向にスライドするため、このスライド量を吸収することができるようにブーツ55は矢印Aで示す方向に伸縮自在な蛇腹形状に形成されている。
また、シフトセレクトシャフト51の端部にはアウターレバー56が取付けられており、このアウターレバー56にはシフトアクチュエータ57およびセレクトアクチュエータ58が接続されている。
シフトアクチュエータ57は、詳細な図示をしないが、モータおよびモータとアウターレバー56との間に介装されたギヤ等から構成されており、シフトアクチュエータ57はアウターレバー56を介してシフトセレクトシャフト51を回転方向に移動させるようになっている。
また、セレクトアクチュエータ58は、詳細な図示をしないが、モータおよびモータとアウターレバー56との間に介装されたギヤ等から構成されており、セレクトアクチュエータ58はアウターレバー56を介してシフトセレクトシャフト51を軸方向にスライドさせるようになっている。
なお、シフトアクチュエータ57およびセレクトアクチュエータ58はギヤやモータではなく、油圧シリンダ等のアクチュエータから構成されていても良く、また、アウターレバー56ではなく、シフトセレクトシャフト51に接続されていても良い。要は、シフトセレクトシャフト51を回転方向および軸方向に自動的に移動させることができれば良いのである。
また、シフトアクチュエータ57はSMT制御回路100からの制御信号に基づいて、アウターレバー56を揺動させて、シフトセレクトシャフト51を回転方向に移動させるようになっており、セレクトアクチュエータ58はSMT制御回路100からの制御信号に基づいて、アウターレバー56をスライド方向に移動させて、シフトセレクトシャフト51をスライド方向に移動させるようになっている。
また、シフトセレクトシャフト51の端部には、シフトアシスト機構であるマスダンパ59が取付けられており、このマスダンパ59は、シフトセレクトシャフト51のシフト(回転)方向の荷重を補助させる機能を備えている。このため、変速機13の内部におけるギヤの噛み合いをスムーズに行うことができるとともに、シフト時の各部で発生する金属接触による振動が室内に伝達されてしまうのを防止することができる。
また、シフトセレクトシャフト51には、第1インナーレバー60が固定されており、第1インナーレバー60はスロテッドピン61によりシフトセレクトシャフト51に固定され、シフトセレクトシャフト51と共に矢印Aで示す方向にスライドし、かつ矢印Bで示す方向に回転するようになっている。
また、第1インナーレバー60は3つのシフトヘッド62a、62b、62cの何れかに係合し、シフトヘッド62a、62b、62cの何れかを所定の方向にスライドさせるようになっている。
図3では、第1インナーレバー60が中央の3速−4速用のシフトヘッド62bに係合しており、第1インナーレバー60はロックボールアッシ63と接触している。このロックボールアッシ63は各変速段における第1インナーレバー60の位置を位置決めするようになっており、ロックボールアッシ63は変速機ケース26に固定されている。
シフトセレクトシャフト51には第1インナーレバー60を覆うようにインターロックプレート64が嵌合されており、インターロックプレート64はシフトセレクトシャフト51に対して回転自在となっている。
インターロックプレート64は第1インナーレバー60に接触しており、第1インナーレバー60はインターロックプレート64のスライド方向の移動を規制するようになっている。このため、シフトセレクトシャフト51が矢印Aで示す方向に移動すれば、この移動に伴い、第1インナーレバー60およびインターロックプレート64も矢印Aで示す方向に移動する。
これに対して、矢印Bで示す回転方向については、インターロックプレート64はシフトセレクトシャフト51の回転に従わず、シフトセレクトシャフト51と別の動作をするようになっている。
また、インターロックプレート64は二重噛み合い防止装置であり、第1インナーレバー60が2つのシフトヘッドを選択することを防止する役割を果たしている。また、図3 では、両端のシフトヘッド62a、62cをインターロックプレート64が押えているため、これらのシフトヘッド62a、62cを第1インナーレバー60が駆動させることを防止できる。
また、インターロックプレート64の左側には第2インナーレバー65がスロテッドピン66によって固定されており、この第2インナーレバー65は中心部に穴の開いたドーナツ形状であり、この穴にシフトセレクトシャフト51が嵌合されている。
第2インナーレバー65はハイ側セレクトスプリング67により付勢されており、このハイ側セレクトスプリング67は一端部が第2インナーレバー65に当接し、他端部がセレクトスプリングシート68に当接することにより、第2インナーレバー65およびシフトセレクトシャフト51をセレクトスプリングシート68から遠ざかる方向に付勢している。なお、ハイ側セレクトスプリング67はコイルばねにより構成されている。
また、インターロックプレート64を挟んで第2インナーレバー65と反対側、すなわち、インターロックプレート64の右側にはロー側セレクトスプリング69が設けられており、このロー側セレクトスプリング69は一端部がインターロックプレート64に当接し、他端部がセレクトスプリングシート70に接触することにより、インターロックプレート64およびシフトセレクトシャフト51を、セレクトスプリングシート70から遠ざかる方向に付勢している。
また、変速機ケース26にはゲートピン71を支持するための支持部72が取付けられており、支持部72は変速機ケース26にねじ込まれている。なお、この支持部72は変速機ケース26に圧入されていても良い。また、支持部72の先端のピン形状部分がゲートピン71である。
また、シフトセレクトシャフト51の外周部には複数本(本実施の形態では、3本)のゲート溝73が形成されており、このゲート溝73は変速機13のシフトゲートパターンに従った形状となっている。変速機13が各変速段に変速されると、支持部72のゲートピン71がゲート溝73に嵌合されることにより、シフト後のセレクト方向(矢印Aで示す方向)のシフトセレクトシャフト51のガタが防止される。
また、1速−2速用のシフトヘッド62cは、1速−2速用のフォークシャフト32cを保持しており、3速−4速用のシフトヘッド62bは、3速−4速用のフォークシャフト32bを保持している。また、5速−リバース用のシフトヘッド62aは、5速−リバース用のフォークシャフト32aを保持している。
これらフォークシャフト32a〜32cは互いに平行に延在しており、フォークシャフト32a〜32cの延在方向はシフトセレクトシャフト51の延在方向と略直交する方向であり、かつエンジン11のクランクシャフト15と略平行な方向になっている。
また、フォークシャフト32bは3速−4速用のシフトフォーク77を保持しており、フォークシャフト32cは、1速−2速用のシフトフォーク78を保持している。これらフォークシャフト32b、32cはハブスリーブを保持しており、シフトフォーク77、78がハブスリーブを前後方向に移動させることで変速が行われる。すなわち、本実施の形態の変速機13は、シンクロメッシュ機構を用いた常時噛み合い式のものである。なお、シンクロメッシュ機構として、キータイプ、サーボタイプ、ピンタイプ、コンスタントロード型などの様々機構を採用することが可能である。
図4は、図3中の矢印Yで示す方向から見たゲートプレートの平面図である。図4において、シフトセレクトシャフト51の外周部に形成されたゲートプレート80は複数本のゲート溝73が形成されており、ゲート溝73は1速用溝73a、2速用溝73b、3速用溝73c、4速用溝73d、5速用溝73eおよび後退用溝73fを有する。本実施の形態では、5速の変速機13を示しているが、これに限定されるものではなく、さらに少ない段数(例えば、4速)、または多い段数(例えば、6速)等の変速機に本発明の変速位置切換機構90を適用することが可能である。また、図4ではニュートラル状態を示している。
1速用溝73a 、3速用溝73cおよび5速用溝73eは互いに隣接するように配置されており、2速用溝73b、4速用溝73dおよび後退用溝73fは互いに隣接するように配置されている。
1速用溝73a〜5速用溝73eおよび後退用溝73fは、図4で示すように平行に形成されており、各溝におけるニュートラル側角部は面取りされた形状である。
図5は図3中、X−X線に沿った断面図であり、図5において、インターロックプレート64は、平坦部64aと、平坦部64aに連なる凹部64bとを備えている。また、インターロックプレート64の中央部には切欠きが設けられており、この切欠きに第1インナーレバー60が嵌合している。
第1インナーレバー60はシフトヘッド62a〜62cの何れかに係合し、これらシフトヘッド62a〜62cをフォークシャフト32a〜36cの延出方向にスライドさせることが可能となっている。このシフトヘッド62a〜62cのスライドに伴い、シフトヘッド62a〜62cに連結されたそれぞれのフォークシャフト32a〜32cもスライドする。
図1において、変速操作部81は、例えば運転席の横に配設されており、図示しない操作レバーが「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」および「S(シーケンシャル)」の3つの操作位置に選択操作されて位置決め保持されるとともに、「S」位置では、車両の前後方向に設けられた「(+)」位置および「(−)」位置へ操作されるようになっている。
また、操作レバーの操作位置はレバーポジションセンサ82によって検出されるようになっており、このレバーポジションセンサ82は、例えば各操作位置に配設された複数のON−OFFスイッチ等によってシフトレバーの操作位置(レバーポジション)を検出してポジション信号PLをSMT制御回路100に出力するようになっている。
そして、シフトレバーが「R」位置に操作されると、変速機13は後進変速段に切り換えられ、「N」位置に操作されると動力伝達遮断状態に切り換えられる。また、「S」位置は複数の前進変速段を運転者の変速意思により手動操作で変更するマニュアルシフトモードで、「(+)」位置または「(−)」位置にシフトレバーが操作されると、変速機13の複数の前進変速段がアップダウンされる。
「(+)」位置はアップ位置で、一回の操作毎に変速段はアップ、すなわち、変速比が小さい高速段側に1段ずつ変速される一方、「(−)」位置はダウン位置で、一回の操作毎に変速段はダウン、すなわち、変速比が大きい低速段側に1段ずつ変速される。
また、「R」位置と「N」位置との間および「N」位置と「S」位置との間にはそれぞれ図示しない節度機構が設けられており、この節度機構はスプリング等の付勢装置およびカム等により必要操作力が付与されることにより、シフトレバー操作に節度感が与えられるようになっている。
また、「S」位置の前後に設けられた「(+)」位置、「(−)」位置は何れも不安定であるため、「(+)」位置または「(−)」位置に操作されたシフトレバーはスプリング等の付勢装置により自動的に「S」位置に戻されるようになっている。
SMT制御回路100は、CPU(central processing unit)、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)および入出力インターフェース等から構成されており、CPUがROMに記憶された変速制御プログラムに基づいて自動クラッチ12およびシフトセレクト装置50を制御するようになっている。
SMT制御回路100は、変速操作部81のシフトレバーが「S」位置でマニュアルシフトモードによる走行中は、レバーポジションセンサ82により「(+)」位置または「(−)」位置にシフトレバーが操作されたか否かを判断し、変速出力、すなわち、どの変速段からどの変速段への変速かを表す変速の種類に応じてシフトアクチュエータ57およびセレクトアクチュエータ58に変速段の切換信号を出力し、変速機13が現在の変速段からニュートラル状態を経て新たな変速段に切換えられる。
また、変速機13の変速段の切換えに伴ってクラッチソレノイドバルブ25に切換信号を出力し、クラッチレリーズシリンダ22に対する作動油の供給、排出を切換えることにより、自動クラッチ12の断続動作を行うようにしている。
図6は変速位置切換機構を示す図であり、この変速位置切換機構はシフトセレクトシャフト51が1速〜5速およびリバースの何れかの変速位置に切換えられたときに、シフトセレクトシャフト51を変速位置からニュートラル位置に強制的に切換えるものである。
図6において、変速位置切換機構90は、操作レバー91と、シフト抜きケーブル92と、アーム部材93と、アウターレバー56に設けられた突出部94とを備えている。操作レバー91は、例えば、運転席の床上やエンジンルーム内等に設置されており、基台95を支点にして揺動自在に設けられている。
突出部94はアウターレバー56の先端部に設けられており、シフトセレクトシャフト51の軸方向に突出している。また、突出部94の外形形状は円状に形成されている。アーム部材93は回動部材を構成しており、変速機ケース26の所定の位置に設けられた回動支点である回動軸96に回動自在に連結された第1アーム部97と、第1アーム部97から屈曲し、第1アーム部97の延在方向と略直交する方向に延在する第2アーム部98とを備えたL字形状となっている。また、第1アーム部97と第2アーム部98の屈曲部分99の内周面は円弧形状に形成されている。
また、シフト抜きケーブル92はケーブル部材を構成しており、シフト抜きケーブル92は一端部が操作レバー91に取付けられ、他端部が第1アーム部97の端部に取付けられている。
なお、シフト抜きケーブル92の第1アーム部97に対する取付け位置は、回動軸96の上方に設定されており、操作レバー91を図6中、C方向およびC方向と反対方向に操作したときに、アーム部材93を回動軸96を支点に確実に回動できるようにしている。
本実施の形態では、アーム部材93が待機位置にあるときには第2アーム部98が水平面と平行に位置するようになっており、この状態では、シフトセレクトシャフト51がシフト方向である図3中、矢印B方向に回転すると、アウターレバー56が第1アーム部97と第2アーム部98の屈曲部分99と第2アーム部98の先端部98aの間、すなわち、第2アーム部98の直線的なアーム面98bに非接触で揺動することにより、アウターレバー56の移動を許容するようになっている。
また、アーム部材93は解除位置と待機位置の間で回動するようになっており、シフトセレクトシャフト51が第1の変速位置である1速、3速、5速の変速段に対応する変速位置または第2の変速位置である2速、4速、リバースの変速段に対応する変速位置にある場合には、アーム部材93が待機位置から解除位置に移動すると、第1アーム部97と第2アーム部98の屈曲部分99または第2アーム部98の先端部98aで突出部94を引っ掛けることにより、アウターレバー56をニュートラル位置に強制的に移動させるようになっている。
なお、待機位置とは、第2アーム部98のアーム面98bが水平面と平行となるアーム部材93の回動位置であり、解除位置とは、第1アーム部97と第2アーム部98の屈曲部分99にニュートラル位置にあるアウターレバー56の突出部94が係合するアーム部材93の回動位置である。
また、シフトセレクトシャフト51は、変速時に矢印A方向にスライドするときに、図4に示すように1速、3速、5速の間と2速、4速、リバースとの間でシフト方向にスライドするため、第2アーム部98が突出部94に確実に引っ掛かるようにするために、突出部94の軸方向長さは、少なくともシフトセレクトシャフト51のスライド量以上になるように構成されている。すなわち、突出部94の軸方向長さは、シフトセレクトシャフト51のシフト方向への移動許容量よりも長く設定される。
次に、変速機13の変速動作について図7に基づいて説明する。
まず、変速操作部81のシフトレバーが「S」位置でマニュアルシフトモードによる走行中において、SMT制御回路100は、レバーポジションセンサ82により「(+)」位置または「(−)」位置にシフトレバーが操作されたか否かを判断し、例えば、1速にシフトされたものと判断した場合には、クラッチソレノイドバルブ25に切換信号を出力し、クラッチレリーズシリンダ22に対する作動油を供給して自動クラッチ12を開放した後、シフトアクチュエータ57およびセレクトアクチュエータ58を作動してシフトセレクトシャフト51を矢印A方向および矢印B方向に移動させる。
このとき、インターロックプレート64および第1インナーレバー60が動き、第1インナーレバー60が1速−2速用のシフトヘッド62cに係合し、シフトヘッド62cに係合した第1インナーレバー60は図7の上方向に移動する。
互いに略平行に延びるフォークシャフト32a、32b、32cは、それぞれシフトヘッド62a、62b、62cに接続されており、シフトヘッド62cが移動すると、この移動がフォークシャフト32cに伝達され、フォークシャフト32cがシフトフォーク78によりハブスリーブを移動させる。これにより1速に変速が行われる。このとき、図8で示すように、各変速段におけるシフトセレクトシャフト51の平面図において、ゲートピン71は1速用溝73aに嵌合する。
なお、ニュートラル時には、図8の実線で示す位置にゲートピン71が位置しており、ゲートピン71は何れのゲート溝73にも嵌合していない。また、2速へのシフト時には、ゲートピン71は2速用溝73bに嵌合し、3速へのシフト時にはゲートピン71は3速用溝73cに嵌合する。
また、4速へのシフト時にはゲートピン71は4速用溝73dに嵌合し、5速へのシフト時には、ゲートピン71は5速用溝73eに嵌合する。また、リバースへのシフト時には、ゲートピン71は後退用溝73fに嵌合する。
この各変速段への変速時において、シフトセレクトシャフト51が1速、3速、5速の何れかの変速段に対応する変速位置にある場合には、アウターレバー56は図6に示すように、仮想線で示すように左側に傾いた状態となり、シフトセレクトシャフト51が2速、4速、リバースの何れかの変速段に対応する変速位置にある場合には、アウターレバー56は仮想線で示すように右側に傾いた状態となる。
また、アウターレバー56は突出部94が第2アーム部98の直線的なアーム面98bに沿って非接触で揺動することにより、アウターレバー56の移動がアーム部材93によって妨げられることはなく、シフトセレクトシャフト51はアウターレバー56の揺動に伴って自由に回転する。
一方、SMTを搭載した車両にあっては、変速機13の変速動作と自動クラッチ12の断続動作とを自動的に実行するようになっているため、何らかの原因により、例えば、自動クラッチ12が締結された状態でシフトアクチュエータ57およびセレクトアクチュエータ58や、シフトアクチュエータ57およびセレクトアクチュエータ58を作動させるSMT制御回路100の故障が発生した場合には、シフトセレクト装置50が1速〜5速またはリバースの変速段に対応する何れかの変速位置にあると、変速機13に搭載される変速ギヤ対29a〜29e等のギヤが噛み合ったままとなってしまうため、車両の移動が困難となってしまう。
そこで、本実施の形態では、変速位置切換機構90によって変速段を変速位置からニュートラル位置に強制的に切換える、所謂、シフト抜きを行う。
以下、シフト抜き方法を説明する。
まず、図9に示すように、シフトセレクトシャフト51が1速、3速または5速側の何れかの変速段に対応する変速位置に固定された場合には、アウターレバー56が図9中、左側に傾いた状態となる。
このとき、操作レバー91を矢印C方向で示す一方向に操作すると、シフト抜きケーブル92がアーム部材93を引っ張るため、アーム部材93が回動軸96を支点にして反時計回りに回動し、第1アーム部97と第2アーム部98の屈曲部分99が突出部94に引っ掛かる。
そして、アーム部材93が待機位置から解除位置に回動するに従ってアウターレバー56が1速、3速または5速側の何れかの変速段に対応する変速位置からニュートラル位置に向かって揺動する。このため、変速機13が固定されていた変速段からニュートラル状態に切換えられる。
一方、図10に示すように、シフトセレクトシャフト51が2速、4速またはリバースの何れかの変速段に対応する変速位置に固定された場合には、アウターレバー56が図10中、右側に傾いた状態となる。
このとき、操作レバー91を矢印C方向で示す一方向に操作すると、シフト抜きケーブル92がアーム部材93を引っ張るため、アーム部材93が回動軸96を支点にして反時計回りに回動し、第2アーム部98の先端部98aが突出部94に引っ掛かる。
そして、アーム部材93が待機位置から解除位置に回動するに従って突出部94が第2アーム部98の先端部98aからアーム面98bに沿って屈曲部分99の内周面に移動することにより、アウターレバー56が2速、4速またはリバースの何れかの変速段に対応する変速位置からニュートラル位置に向かって揺動する。このため、変速機13が固定されていた変速段からニュートラル状態に切換えられる。
このように本実施の形態では、シフトセレクトシャフト51を変速段に対応する変速位置からニュートラル位置に強制的に切換える変速位置切換機構90を設け、この変速位置切換機構90を、操作レバー91と、アウターレバー56に設けられ、シフトセレクトシャフト51の軸方向に突出する突出部94と、回動軸96を中心にして待機位置から解除位置の間で回動し、待機位置から解除位置に移動する際に、アウターレバー56の突出部94に係合することにより、アウターレバー56を介してシフトセレクトシャフト51を変速位置からニュートラル位置に移動させるアーム部材93と、操作レバー91およびアーム部材93の間に介装され、操作レバー91を操作することにより、アーム部材93を待機位置と解除位置の間で回動させるシフト抜きケーブル92とを設け、アーム部材93を、シフト抜きケーブル92に連結されるとともに、回動軸96に回動自在に連結された第1アーム部97と、第1アーム部97の延在方向から略直交する方向に延在する第2アーム部98とから構成した。
このため、自動クラッチ12が締結された状態でシフトセレクトシャフト51が変速段に対応する変速位置にあるときに、シフトアクチュエータ57およびセレクトアクチュエータ58やシフトアクチュエータ57およびセレクトアクチュエータ58を制御するSMT制御回路100等が故障した場合には、操作レバー91を一方向に操作してシフト抜きケーブル92を引っ張ることにより、第1アーム部97および第2アーム部98の屈曲部分99または第2アーム部98の先端部98aを1速、3速、5速または2速、4速、リバースの何れかの変速段に位置するアウターレバー56の突出部94に係合させて回動軸96を中心にしてアーム部材93を待機位置から解除位置の間で回動させることで、アウターレバー56を介してシフトセレクトシャフト51をニュートラル位置に回転させることができる。
この結果、シフトセレクトシャフト51を各変速段に対応する変速位置からニュートラル位置に容易に復帰させることができ、変速段に対応するギヤの噛み合わせを解除することができる。この結果、エンジン11から前輪40L、40Rまでの動力伝達系の係合を解除することができ、故障車両の移動を容易に行うことができる。
また、アーム部材93が待機位置に位置するときに、第1アーム部97および第2アーム部98の屈曲部分99と第2アーム部98の先端部98aの間のアーム面98bにアウターレバー56が非接触となる状態でアウターレバー56を移動させるようにしたので、 シフトセレクトシャフト51を各変速段に対応する変速位置の間および変速位置とニュートラル位置との間で回転、すなわち、シフトさせることができる。この結果、アウターレバー56とアーム部材93とが干渉しないようにすることができ、通常の運転時には変速機13の変速をスムーズに行うようにして、変速性能が悪化するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、アーム部材93を第1アーム部97および第2アーム部98から構成し、第1アーム部97および第2アーム部98の屈曲部分99および第2アーム部98の先端部98aにアウターレバー56の突出部94を係合させるようにしたので、1速、3速、5速および2速、4速、リバースの異なる方向に位置しているアウターレバー56を1つのアーム部材93で容易にニュートラル位置に復帰させることができる。この結果、変速位置切換機構90の構成を簡素化することができる。
また、本実施の形態では、操作レバー91を矢印Cで示す一方向に操作してアーム部材93を一方向に回動させることにより、1速、3速、5速および2速、4速、リバースの異なる方向に位置しているアウターレバー56を介してシフトセレクトシャフト51を回転させることができるため、アウターレバー56がどの変速段で固定されているのか外部から分からない場合であっても、シフトセレクトシャフト51を変速位置からニュートラル位置に簡単な操作で確実に復帰させることができる。
また、本実施の形態では、突出部94の軸方向長さを、シフトセレクトシャフト51のシフト(矢印A方向)方向への移動許容量よりも長く設定したので、どの変速段でシフトセレクトシャフト51が固定された場合であっても、アーム部材93を突出部94を介してアウターレバー56に確実に引っ掛けることができ、アウターレバー56を確実にニュートラル位置に復帰させることができる。
また、本実施の形態では、第1アーム部97と第2アーム部98の屈曲部分99の内周面を円弧形状に形成し、突出部94の外形形状を円状に形成したので、アーム部材93が回動して屈曲部分99の内周面に突出部94が係合したときに、突出部94を屈曲部分99に沿って滑らかに摺接させることができ、アーム部材93によってアウターレバー56をスムーズにニュートラル位置に復帰させることができる。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る変速機の変速位置切換機構は、通常の運転時にはアウターレバーと回動部材とが干渉しないようにすることができ、変速機の変速をスムーズに行うようにして変速性能が悪化するのを防止しつつ、変速機の故障時等にシフトセレクトシャフトを変速位置からニュートラル位置に強制的に切換えることができるという効果を有し、セレクトシャフトを回転させるアクチュエータ等の故障時に、シフトセレクトシャフトを変速位置からニュートラル位置に強制的に戻すことができるようにした変速機の変速位置切換機構等として有用である。
本発明に係る変速機の変速位置切換機構の一実施の形態を示す図であり、変速位置切換機構を備えた車両用動力伝達装置の概略構成図である。 本発明に係る変速機の変速位置切換機構の一実施の形態の自動クラッチの概略構成図である。 本発明に係る変速機の変速位置切換機構の一実施の形態のシフトセレクト装置の断面図である。 図3の矢印Yで示す方向から見たシフトセレクトシャフトのゲート溝の構成図である。 図3のX−X方向矢視断面図である。 本発明に係る変速機の変速位置切換機構の一実施の形態の変速位置切換機構の構成図である。 本発明に係る変速機の変速位置切換機構の一実施の形態の1速へのシフト時のインターロックプレートおよび第1インナーレバーの断面図である。 本発明に係る変速機の変速位置切換機構の一実施の形態の各変速段におけるシフトセレクトシャフトの平面図である。 本発明に係る変速機の変速位置切換機構の一実施の形態のアウターレバーを第1の変速位置からニュートラル位置に引き抜く状態を示す図である。 本発明に係る変速機の変速位置切換機構の一実施の形態のアウターレバーを第2の変速位置からニュートラル位置に引き抜く状態を示す図である。 従来の切換機構の概略構成図である。
符号の説明
13 変速機
50 シフトセレクト装置
51 シフトセレクトシャフト
56 アウターレバー
57 シフトアクチュエータ(アクチュエータ)
58 セレクトアクチュエータ(アクチュエータ)
90 変速位置切換機構
91 操作レバー
92 シフト抜きケーブル(ケーブル部材)
93 アーム部材
94 突出部
96 回動軸(回動支点)
97 第1アーム部
98 第2アーム部
98a 先端部
99 屈曲部分

Claims (4)

  1. 回転方向および軸方向に移動自在に設けられたシフトセレクトシャフトと、前記シフトセレクトシャフトに取付けられたアウターレバーと、前記シフトセレクトシャフトを回転方向および軸方向に移動させるアクチュエータとを備え、
    前記シフトセレクトシャフトをニュートラル位置から変速段に対応する変速位置に回転させることにより、変速段に対応するギヤを噛み合わせて変速動作を行うようにした変速機に装着され、前記シフトセレクトシャフトを前記変速位置から前記ニュートラル位置に強制的に切換える変速位置切換機構であって、
    前記変速位置切換機構は、操作レバーと、前記アウターレバーに設けられ、前記シフトセレクトシャフトの軸方向に突出する突出部と、回動支点を中心にして待機位置から解除位置の間で回動し、前記待機位置から前記解除位置に回動する際に、前記アウターレバーの係合部に係合することにより、前記アウターレバーを介して前記シフトセレクトシャフトを前記変速位置から前記ニュートラル位置に回動させる回動部材と、前記操作レバーおよび前記回動部材の間に介装され、前記操作レバーを操作することにより、前記回動部材を前記待機位置と前記解除位置の間で回動させるケーブル部材とを備え、
    前記回動部材は、前記待機位置に位置しているときに、前記アウターレバーの移動を許容することを特徴とする変速機の変速位置切換機構。
  2. 前記回動部材は、L字状のアーム部材から構成され、
    前記アーム部材は、前記ケーブル部材に連結されるとともに、回動支点となる回動軸に回動自在に連結された第1アーム部と、前記第1アーム部から屈曲し、前記第1アーム部の延在方向と略直交する方向に延在する第2アーム部とを備え、
    前記アウターレバーが第1の変速位置にあるときに、前記回動部材が前記待機位置から前記解除位置に回動するのに伴って前記第1アーム部と第2アーム部の屈曲部分にアウターレバーの係合部に係合することにより、前記アウターレバーを前記変速位置から前記ニュートラル位置に移動させ、
    前記アウターレバーが第2の変速位置にあるときに、前記回動部材が前記待機位置から前記解除位置に回動するのに伴って前記第2アーム部の先端部にアウターレバーの係合部に係合することにより、前記係合部を前記第2アーム部の先端から前記屈曲部まで移動させて前記アウターレバーを前記変速位置から前記ニュートラル位置に移動させ、
    前記回動部材が前記待機位置に位置するときに、前記第1アーム部および前記第2アーム部の屈曲部分と前記第2アーム部の先端部との間で前記アウターレバーが前記第2アーム部に対して非接触で移動することを特徴とする請求項1に記載の変速機の変速位置切換機構。
  3. 前記突出部の軸方向長さは、前記シフトセレクトシャフトの軸方向への移動許容量よりも長く設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の変速機の変速位置切換機構。
  4. 前記第1アーム部と前記第2アーム部の屈曲部分の内周面が円弧形状に形成され、前記突出部の外形形状が円状に形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の変速機の変速位置切換機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019108964A (ja) * 2017-12-20 2019-07-04 いすゞ自動車株式会社 アクチュエータ及び、カムプレート

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