JP2008232320A - 一方向クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】一方向クラッチのハウジング5の材料としてナイロン樹脂を使用した場合における吸水による寸法変化を防止し、ハウジング5への外輪1及び蓋部材4の組み込み精度を向上させ、所定の回転強度を有する一方向クラッチを得る。
【解決手段】成形段階においてアニール処理によって所定の寸法に仕上げたナイロン樹脂製のハウジング5を、吸水処理し、吸水した状態のハウジング5に、外輪1、ばね2及びローラ3のクラッチ部品を組み込んで蓋部材4を嵌着し、さらにアニール処理を施すことにより、ハウジング5の寸法をより安定化させ、外輪1及び蓋部材4の組み込みを、ハウジング5を変形させることなく、無理なく行えるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】成形段階においてアニール処理によって所定の寸法に仕上げたナイロン樹脂製のハウジング5を、吸水処理し、吸水した状態のハウジング5に、外輪1、ばね2及びローラ3のクラッチ部品を組み込んで蓋部材4を嵌着し、さらにアニール処理を施すことにより、ハウジング5の寸法をより安定化させ、外輪1及び蓋部材4の組み込みを、ハウジング5を変形させることなく、無理なく行えるようにした。
【選択図】図1
Description
この発明は、プリンターや複写機等の事務機に使用される一方向クラッチに関するものである。
この種の一方向クラッチとして、一端開放のハウジングと、その内部に収納される外輪と、外輪の内周面に設けられた所要数のポケットに挿入されるローラと、上記ハウジングの開放端に嵌着される蓋部材と、上記ポケットに挿入されるばねとからなり、上記ポケットの底面に回転方向の一方に傾斜したカム面を設け、そのカム面と上記外輪に挿通される軸の外径面との間でくさび形空間を形成し、各ポケットに挿入したばねにより上記ローラをくさび形空間の狭小方向に付勢するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。
このような一方向クラッチは、外輪に軸を挿通し、その軸から外輪及びこれと一体のハウジングにトルクを伝達したり、或いはこの逆方向にトルクを伝達したりする場合に用いられる。
即ち、外輪に挿通した軸がポケットのくさび形空間の狭くなる方向に回転すると、ローラがそのくさび形空間に噛み込んでロック状態となり、そのローラを通じて、外輪及びハウジングにトルクが伝達される。
逆に、軸が反対方向に一定以上のトルクで回転すると、ローラがばねの付勢力に打ち勝ってくさび形空間の広い方に移動する。このためトルクの伝達が遮断され、軸が空転する。
特許第3270667号公報
即ち、外輪に挿通した軸がポケットのくさび形空間の狭くなる方向に回転すると、ローラがそのくさび形空間に噛み込んでロック状態となり、そのローラを通じて、外輪及びハウジングにトルクが伝達される。
逆に、軸が反対方向に一定以上のトルクで回転すると、ローラがばねの付勢力に打ち勝ってくさび形空間の広い方に移動する。このためトルクの伝達が遮断され、軸が空転する。
ところで、上記のようなプリンターや複写機等の事務機に使用される一方向クラッチにおいては、外輪を収容するハウジングを樹脂によって形成することが多い。
そして、高温雰囲気で使用するには、ハウジングを耐熱性樹脂によって形成する必要があるが、コスト面からハウジング材料としてナイロン樹脂を使用することが多い。
ところが、ナイロン樹脂は、吸水による寸法変化が大きく、ナイロン樹脂によってハウジングを構成した場合、ハウジングと外輪との間のガタが生じたり、蓋部材の抜けや取付け不良などが生じたりして、所定の要求特性が得られないという問題があった。
そこで、この発明は、吸水による寸法変化の大きいナイロン樹脂をハウジング材料とした場合における上記問題点を解決し、ハウジングと外輪との間のガタや、蓋部材の抜けといった取付け不良のない、所定の要求特性が得られる一方向クラッチを得ようとするものである。
この発明は、上記の課題を解決するために、外輪を収容するハウジングをナイロン樹脂成形品によって構成し、このナイロン樹脂成形品のハウジングは成形段階においてアニール処理によって所定の寸法に仕上げられ、外輪、ばね及びローラのクラッチ部品を組み込む段階で、ハウジングに吸水処理を行い、この吸水した状態のハウジングに、外輪、ばね及びローラのクラッチ部品を組み込んで蓋部材を嵌着し、再度アニール処理を施すようにしたものである。
ここで、アニール処理とは、樹脂成形品を、所定の温度(軟化点直下)に加熱し、予め定められた時間、その温度に保った後、徐冷する処理であって、外形を変えることなく内部歪を取り除き、寸法を安定化させる処理をいう。
ナイロン樹脂は、吸湿性があるため、成形したナイロン樹脂成形品を吸水させ、その後、再度アニール処理を行うと、寸法安定性、衝撃強度が向上する。
したがって、成形段階で所定の寸法に仕上げられたナイロン樹脂製のハウジングを、外輪、ばね及びローラのクラッチ部品を組み込む段階で吸水処理し、その後、蓋部材を嵌着して、再度アニール処理を施すと、寸法安定性に優れたハウジングが得られ、ハウジングへの外輪、蓋部材の組み込みも無理なく精度良く行える。
以上のように、この発明によれば、吸水による寸法変化の少ない寸法安定性に優れたナイロン樹脂製のハウジングを使用するので、回転強度の高く、要求特性を満足した一方向クラッチを得ることができる。
図1に示すように、この発明の一方向クラッチは、外輪1、ばね2、ローラ3、蓋部材4及びハウジング5により構成される。
外輪1は焼結金属製であり、図2に示すように、その内径面に一定の間隔をおいてポケット6が両端面間にわたり形成される。このポケット6の底面は、回転方向の一方向に傾斜するカム面に形成され、軸7との間で所定の角度を有するくさび形空間8を形成している。
上記くさび形空間8にローラ3が挿入され、そのくさび空間8の広い部分に連通した凹所9にばね2のばね片10が挿入される。このばね片10を上記ローラ3に押し当て(図3参照)、そのローラ3をくさび形空間8の狭い方向に付勢している。
上記ポケット6の開口の幅W(図2参照)は、ローラ3の直径よりも小さく形成されている。該ローラ3はその一部が開口から部分的に露出して軸7に接触する。軸7に挿入される以前の状態で、ローラ3が内方へ抜け出すことはない。
ばね2は、図1に示すように、環部11と、各ポケット6に対応した数のばね片10とにより構成される。このばね2は、1枚の弾力性のある金属板を打抜いて形成され、環部11は外輪1の内径とほぼ等しい内径を有し、その環部11の外周部に周方向に等間隔をおいてばね片10が立上がるように形成されている。
前記の各ばね片10は、その先端部が折り曲げられ、ローラ3に付与する付勢力が設定されている。
ハウジング5は、ナイロン樹脂製であり、図1に示すように、筒部12と筒部12の一端に形成された内向きのフランジ部13とを有し、外輪1が筒部12内に嵌め合わされ、筒部12の他端に、環状の蓋部材4を圧入することによって、外輪1の筒部12からの抜け止めを図っている。
蓋部材4は、合成樹脂、例えば、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)製であり、蓋部材4の外周には、周方向に延びる係合突条14が形成されている。係合突条14は、筒部12の内周に形成された周方向に延びる係合溝15に係合し、その係合によって、蓋部材4がハウジング5に対して軸方向に位置決めされている。
ハウジング5の内周には、図2に示すように、周方向に間隔をおいて複数の凸部16が形成されている。凸部16は、外輪1の外周に形成された凹部17に係合し、その係合によって、外輪1をハウジング5に対して回り止めしている。
上記蓋部材4及びハウジング5にはそれぞれ軸穴18、19を設けている。
ところで、この発明のハウジング5は、上記のように、ナイロン樹脂製であり、例えば、ナイロン46、ナイロン66などのナイロン樹脂を射出成形することによって製作されている。射出成形されたハウジング5は、この成形段階で、アニール処理によって成形の際の内部歪が取り除かれ、所定の寸法に仕上げられている。この成形段階のアニール処理は、例えば、160℃で、約1時間である。
次に、この所定の寸法に仕上げられたナイロン樹脂製のハウジング5は、外輪、ばね及びローラのクラッチ部品を組み込む段階で、吸水処理が行われる。その際の、吸水率は、2〜4%程度である。そして、この後、吸水した状態のハウジング5に、外輪1、ばね2及びローラ3のクラッチ部品を組み込んで蓋部材4を嵌着し、その状態で、再度アニール処理が行われる。この再度のアニール処理は、例えば、140℃で1時間である。
上記吸水処理は、湯浴、あるいは高温多湿の空気で行う方法のいずれの方法でも良い。
上記吸水処理は、湯浴、あるいは高温多湿の空気で行う方法のいずれの方法でも良い。
以上のように、吸水状態のハウジング5に対して外輪1、蓋部材4を組み込むので、組み込みが無理なく精度良く行える。
そして、吸水したナイロン樹脂製のハウジング5を再度アニール処理することにより、寸法安定性に優れたナイロン樹脂製のハウジング5にすることができる。
以上のようにして組み立てられた一方向クラッチは、軸7を挿入し、その軸7から外輪1及びこれと一体のハウジング5にトルクを伝達したり、或いはこの逆方向にトルクを伝達する場合に用いられる。
即ち、軸7からトルクを伝達する場合について説明すると、軸7がポケット6のくさび形空所8の狭くなる方向(図2において時計回りの方向)に回転すると、ローラ3がそのくさび形空所に噛み込んでロック状態となり、そのローラ3を通じて、外輪1及びハウジング5にトルクが伝達される。
逆に、軸7が反対方向に一定以上のトルクで回転すると、ローラ3がばね片10の付勢力に打ち勝ってくさび形空所8の広い方に移動する。このためトルクの伝達が遮断され、軸7が空転する。
即ち、軸7からトルクを伝達する場合について説明すると、軸7がポケット6のくさび形空所8の狭くなる方向(図2において時計回りの方向)に回転すると、ローラ3がそのくさび形空所に噛み込んでロック状態となり、そのローラ3を通じて、外輪1及びハウジング5にトルクが伝達される。
逆に、軸7が反対方向に一定以上のトルクで回転すると、ローラ3がばね片10の付勢力に打ち勝ってくさび形空所8の広い方に移動する。このためトルクの伝達が遮断され、軸7が空転する。
1 外輪
2 ばね
3 ローラ
4 蓋部材
5 ハウジング
6 ポケット
7 軸
8 くさび形空所
9 凹所
10 ばね片
11 環部
12 筒部
13 フランジ部
14 係合突条
15 係合溝
16 凸部
17 凹部
18,19 軸穴
2 ばね
3 ローラ
4 蓋部材
5 ハウジング
6 ポケット
7 軸
8 くさび形空所
9 凹所
10 ばね片
11 環部
12 筒部
13 フランジ部
14 係合突条
15 係合溝
16 凸部
17 凹部
18,19 軸穴
Claims (2)
- 一端開放のハウジング(5)と、その内部に収納される外輪(1)と、外輪(1)の内周面に設けられた所要数のポケット(6)に挿入されるローラ(3)と、上記ハウジング(5)の開放端に嵌着される蓋部材(4)と、上記ポケット(6)に挿入するばね(2)とからなり、上記ポケット(6)の底面に回転方向の一方に傾斜したカム面を設け、そのカム面と上記外輪(1)に挿通される軸(7)の外径面との間でくさび形空間(8)を形成し、各ポケット(6)に挿入したばね(2)により上記ローラ(3)をくさび形空間(8)の狭小方向に付勢するようにした一方向クラッチにおいて、上記ハウジング(5)をナイロン樹脂成形品によって構成し、このナイロン樹脂成形品のハウジング(5)は、外輪(1)、ばね(2)及びローラ(3)のクラッチ部品を組み込む前の状態においてアニール処理によって所定の寸法に仕上げられており、この所定寸法のハウジング(5)に上記クラッチ部品を組み込む段階でハウジング(5)を吸水処理し、この吸水処理した状態のハウジング(5)に、外輪(1)、ばね(2)及びローラ(3)のクラッチ部品を組み込んで蓋部材(4)を嵌着し、さらにアニール処理を施したことを特徴とする一方向クラッチ。
- 上記吸水処理したナイロン樹脂成形品の吸水率が2〜4%である請求項1記載の一方向クラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007074001A JP2008232320A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 一方向クラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011027218A (ja) * | 2009-07-28 | 2011-02-10 | Toyota Motor Corp | 圧力容器の製造方法および圧力容器 |
JP2017071003A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 株式会社オグラ | 油圧作動装置 |
-
2007
- 2007-03-22 JP JP2007074001A patent/JP2008232320A/ja active Pending
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JP2017071003A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 株式会社オグラ | 油圧作動装置 |
WO2017061425A1 (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 株式会社 オグラ | 油圧作動装置 |
KR20180020950A (ko) * | 2015-10-05 | 2018-02-28 | 가부시끼가이샤 오구라 | 유압작동장치 |
US20180215030A1 (en) * | 2015-10-05 | 2018-08-02 | Kabushiki Kaisha Ogura | Hydraulically-actuated device |
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