JP2008231772A - シールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法 - Google Patents

シールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】掘進と並行して道路の施工が行えることから施工効率を向上させることができ、工期短縮を図ることができる。
【解決手段】シールドトンネル10の掘進に伴って、シールドトンネル10の内周壁にセグメント12を設置し、シールドトンネル10の掘進と並行して、設置したセグメント12の内周面に円弧板状をなすアーチ型プレキャスト版1を、シールドトンネル10の内部空間を上下に分割させるように、アーチ型プレキャスト版1の外周面1aを上方に向けた状態で掘進方向に順次配置する。アーチ型プレキャスト版1の下方のアーチ内空間Tは、シールドトンネル10の掘進に伴う搬送用通路をなしている。シールドトンネル10の掘進と並行して、アーチ型プレキャスト版1の上部のアーチ上空間Sに道路を構築するようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、シールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法に関する。
従来、橋梁や道路などの施工では、工期短縮、現場の作業効率の向上といった利点があることから、工場などでプレキャスト化した鉄筋コンクリート製のプレキャスト床版を設置する工法が採用されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1及び特許文献2は、プレキャスト床版同士の接合構造に、互いの接合端面から突出させてなる円弧状のループ鉄筋を使用したループ継手について開示されたものである。
ところで、近年では、都市部において地下に道路トンネルを構築するケースが増えている。このような道路トンネルの施工では、先ずシールド掘削機によって地山に掘削穴を掘削しつつ、その内面に円弧板状のセグメントを周方向および軸方向に複数連結して筒状壁体を構築することによりシールドトンネルを形成するシールド工法が採用されている。このときの掘削した坑内には、掘進に必要なセグメント、電線、給気管、排水管等の資材の搬送に必要な軌条設備などの仮設備が設置されている。
そして、シールドトンネルの掘進完了後に、仮設備を撤去し、プレキャスト床版をトンネル内部空間の所定高さとなるようにトンネル軸方向に順次連結させて配置し、プレキャスト床版の上部に路盤や舗装を施工するとともに、プレキャスト床版の下部に換気ダクトや待避所等の設備を配置するための空間を施工する施工手順となっている。
特開平10−159227号公報 特開2001−159101号公報
しかしながら、従来のシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法では、以下のような問題があった。
すなわち、シールドトンネルの掘進中はセグメント等の資材の搬入等の作業があることから、プレキャスト床版を設置してその床版上に道路の舗装を施工したりプレキャスト床版の下方に換気ダクト等を設置するための空間を構築するといった作業は、シールドトンネルの掘進が完了して軌条設備等の仮設備を撤去した後に行うことになっている。そのため、工期が長くなるという欠点があり、さらなる施工の効率化が図れる好適な施工方法が必要とされていた。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、掘進と並行して道路の施工が行えることから施工効率を向上させることができ、工期短縮を図ることができるシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法では、シールドトンネルの内部空間を上下に分割させ、その上方の空間を道路として利用するシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法であって、シールドトンネルの掘進に伴って、シールドトンネルの内周壁にセグメントを設置する工程と、シールドトンネルの掘進と並行して、設置したセグメントの内周面に円弧板状をなすアーチ型プレキャスト版を、内部空間を上下に分割させるように、アーチ型プレキャスト版の外周面を上方に向けた状態で掘進方向に順次配置する工程とを備え、アーチ型プレキャスト版の下方の空間は、シールドトンネルの掘進に伴う搬送用通路をなしていることを特徴としている。
本発明では、シールドトンネルの掘進とともに、トンネル断面の内部空間を上下に分割させるようにしてアーチ型プレキャスト版を設置させることで、アーチ型プレキャスト版の下方の空間(アーチ内空間)、つまりアーチ型プレキャスト版の内周面とセグメントとの間の空間をシールドトンネルの掘進に伴う搬送用通路として使用できるとともに、掘進に必要な給水管、排水管、電線などの仮設備を配置することができる。具体的には、シールドトンネルの掘進時に使用されるセグメントやアーチ型プレキャスト版の形状が円弧板状であるので、例えばそれらの長手方向をトンネル軸方向に向けることで、前記アーチ内空間を通過させることができる。したがって、アーチ型プレキャスト版の上方の空間では、掘進作業とは別の作業を行うことが可能となり、アーチ型プレキャスト版の上方に構築される道路の基盤や舗装などの施工を掘進と並行して行うことができる。そのため、従来のように掘進後に掘進に必要な仮設備を撤去してから道路の施工を行う場合と比べて、効率よく施工を行うことができる。しかも、設置するアーチ型プレキャスト版は、掘進後にアーチ内空間に設置されている軌条や配管等の仮設備を撤去することで、道路トンネルとして利用される換気ダクト等の設備を配置することができる。
また、本発明に係るシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法では、シールドトンネルの掘進と並行して、シールドトンネルの掘削によって発生した掘削土砂を、設置したアーチ型プレキャスト版の上部に埋め戻すことが好ましい。
本発明では、掘進中によって発生する掘削土砂を、道路の路盤として利用し、掘進と並行して設置させたアーチ型プレキャスト版の上部に所定高さまで埋め戻すことで、掘削土砂を搬出する手間が省けるうえ、処分場へ運搬するダンプトラックの台数を削減することができるため、処分費の低減を図ることができる。
また、本発明に係るシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法では、シールドトンネルの掘進と並行して、設置したアーチ型プレキャスト版の上部に道路を構築することが好ましい。
本発明では、掘進後に行う道路の構築作業を少なくすることができることから、大幅な工期短縮を図ることができる。
本発明のシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法によれば、シールドトンネルの掘進時において、セグメントの内周面に設置されるアーチ型プレキャスト版の下方の空間を搬送用通路として使用することができることから、アーチ型プレキャスト版の上方の空間では、掘進作業とは別の作業を行うことが可能となり、アーチ型プレキャスト版の上方に構築される道路の路盤や舗装等の施工を掘進と並行して行うことができるため、施工効率を向上させて工期短縮を図ることができる。
以下、本発明のシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法の実施の形態について、図1乃至図9に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態による道路トンネルの縦断面図、図2は道路トンネルを構築する状態の概要を示す側面図、図3は図1に示すアーチ型プレキャスト版の拡大図、図4は図3に示すアーチ型プレキャスト版を上から見た図、図5はアーチ型プレキャスト版をセグメントに固定させるための構造を示す図、図6は図5に示すアーチ型プレキャスト版のA−A線断面図、図7は図5に示すアーチ型プレキャスト版の端部の固定状態を示す要部拡大図、図8はアーチ型プレキャスト版の設置工程を説明するための側面図、図9は同じく縦断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態による道路トンネルの構築方法は、周知のシールド工法によってシールド掘削機11(図2参照)を用いて切羽の地山を掘削される円形断面の道路トンネルに採用され、シールドトンネル10の掘削に伴ってシールドトンネル10の内周壁に設置されるセグメント12の内周面に、円弧板状をなすアーチ型プレキャスト版1を配置させるようにした構築方法である。そして、本実施の形態によるシールドトンネル10は、その内部空間がアーチ型プレキャスト版1によって上下に二分割され、その上方の空間が道路として利用され、下方の空間(後述するアーチ内空間T)が例えば坑内における換気用ダクトや待避所等として利用される構造をなしている。
先ず、アーチ型プレキャスト版1の構成について説明する。
図3及び図4に示すように、アーチ型プレキャスト版1は、鉄筋コンクリートから形成され、例えば工場などでプレキャスト化させて製造されてなり、所定厚みの略長方形板状のものが略円弧板状に湾曲されてなり、その円弧方向にわたって同一の厚みで形成されている。さらにアーチ型プレキャスト版1の具体的な形状は、円弧方向の中央部を形成する第1円弧と、第1円弧より小さい半径で円弧方向の両端部1c、1cを形成する第2円弧とからなる2芯円の扁平円弧板状をなしている。
このアーチ型プレキャスト版1は、セグメント12の内空側下方の位置に、シールドトンネル10の掘進にしたがってトンネル軸方向の切羽側に順次連結されて延設される構成をなしている。そして、アーチ型プレキャスト版1の外周面1aを上方に向け、内周面1bを下方に向けた状態で、アーチ型プレキャスト版1の短辺側(トンネル軸方向に沿う辺側)の側面(接地端面2、2)を、セグメント12を径方向に見て斜め下方の位置(以下、「内周脚部12a、12a」とする)に固定される構成となっている。このとき、アーチ型プレキャスト版1の両端部1c、1cは、セグメント12の内周面に対して垂直に固定された状態となっている。
ここで、図3に示すように、アーチ型プレキャスト版1が道路トンネル10の内部に設置された状態において、アーチ型プレキャスト版1の下方の空間、つまりアーチ型プレキャスト版1の内周面1bとセグメント12との間の空間を、アーチ内空間Tとする。
また、図4に示すアーチ型プレキャスト版1の幅寸法W(アーチ型プレキャスト版1の短辺長さ寸法)は、アーチ型プレキャスト版1の長手方向をトンネル軸方向に向けた状態でアーチ内空間Tを通過させることができる寸法とされる(図1参照)。
ここで、セグメント12の内周脚部12a、12aに設置された状態のアーチ型プレキャスト版1の設置高さは、任意に設定することができるが、上述したようにシールドトンネル10の掘進完了後に、道路トンネルとして利用する換気ダクトや待避所といった設備が収容できるスペースを確保できる大きさとされるとともに、掘進時にアーチ型プレキャスト版1の下方を通過させるセグメント12やアーチ型プレキャスト版1などの資材が運搬可能なスペースを確保した高さ寸法とされる。
また、アーチ型プレキャスト版1の長辺側(トンネル軸方向に略直交する辺側)の側面である接合端面4、4には、トンネル軸方向を連結するためのプレキャスト版間継手5が設けられている。このアーチ型プレキャスト版間継手5は、接合端面4に沿って設けられる継手板5aと、継手板5aの厚さ方向を貫通するボルト孔5bとを備えている。隣接するアーチ型プレキャスト版1、1の接合端面4、4同士が接合したときに、互いのボルト孔5b、5bが連通した状態となり、そこに接続ボルト(図示省略)を挿通して接合させる。
また、図5乃至図7に示すように、アーチ型プレキャスト版1の接地端面2、2のそれぞれには、雌ねじ部2aが形成され、その雌ねじ部2aに高さ調整ボルト3が螺合した状態で設けられている。高さ調整ボルト3は、アーチ型プレキャスト版1をセグメント12の内周脚部12aに設置する際に設置高さを調整するためのものである。すなわち、高さ調整ボルト3は、雌ねじ部2aに螺合可能な棒状の雄ねじ部3aと、雄ねじ部3aの突出先端3c寄りの適宜な位置に同軸に固定されたナット部3bとからなる。
つまり、高さ調整ボルト3がセグメント12に向けて突出しており、ナット部3bを右回転或いは左回転させることで、接地端面2に対する高さ調整ボルト3の突出量を変えることができる構成となっている。すなわち、高さ調整ボルト3の突出先端3cをセグメント12の内周脚部12a(正確には、後述する支圧板9)に当接させ、この高さ調整ボルト3の突出量を調整することで、アーチ型プレキャスト版1を所定の高さに調整して位置決めすることができる。
そして、本実施の形態では高さ調整ボルト3の突出先端3cに支圧板9を備え、その支圧板9をセグメント12に押圧させる構成となっている。そして、支圧板9には、高さ調整ボルト3の突出先端3cを嵌合させるように係止するリング状のボルト受け部材9aが固着されている。
次に、アーチ型プレキャスト版1の接地端面2をセグメント12の内周脚部12a、12aに固定させる構造について説明する。
図5に示すように、アーチ型プレキャスト版1が高さ調整ボルト3によって所定高さに位置決めされた状態で、アーチ型プレキャスト版1の端部1cにおける内周面1b側と、外周面1a側との位置に、断面視略L字状のL型鋼材からなる振れ止め部材6、6の一端面6aがアンカー7によってセグメント12に固定されている。アンカー7は、振れ止め部材6、6の長手方向に所定間隔をもって打ち込まれている。
そして、位置決めされたアーチ型プレキャスト版1の端部1cと振れ止め部材6とを埋設するように型枠等を使用してコンクリート8が打設される構成となっている。コンクリート8は、断面視で略台形状をなし、その台形状の略平行する二辺の長さの長い辺(底辺)がセグメント12の内周面側となるように打設されている。そのため、アーチ型プレキャスト版1の軸力(円弧方向に作用する力)を分散させてセグメント12に伝える作用を有している。
振れ止め部材6は、上述したように一端面6aがアンカー7によってセグメント12に固定され、他端面6bがセグメント12に対して略直交するように立設した状態で配設されている。そして、振れ止め部材6の他端面6bと、位置決めされたアーチ型プレキャスト版1の端部1cとはアーチ型プレキャスト版1の軸方向(長手方向)にオーバーラップした状態とされる。つまり、施工後にアーチ型プレキャスト版1がセグメント12の内周面に沿ってずれが生じた場合に、アーチ型プレキャスト版1の端部1cが振れ止め部材6に当接してずれを規制させることができる構造となっている。このように振れ止め部材6を設けることで、地震時におけるアーチ型プレキャスト版1の移動を抑えることを目的とした耐震設計を行うことができる。
そして、本実施の形態では、アーチ型プレキャスト版1の端部1cには、前記コンクリート8の打設時の空気抜き用の貫通孔1dが形成されている。
次に、本実施の形態による道路トンネルの構築方法について図面に基づいて説明する。
図2に示すように、シールドトンネル10の掘進は、シールド掘削機11によって地山を掘削するとともに、シールド掘削機11の後端部で掘削したトンネル内壁に沿うようにしてセグメント12をリング状に組み立てる。そして、セグメント12の組立位置R2より後方(切羽と反対側)に所定距離(例えば資材搬入スペース等を確保した距離)だけ離れた位置(プレキャスト版組立位置R1)に、アーチ型プレキャスト版1が設置される。
ここで、設置されたアーチ型プレキャスト版1の下方のアーチ内空間Tは、上述したようにセグメント12、アーチ型プレキャスト版1等の掘進に必要とされる資材を搬送させたり、掘削によって生じた掘削土砂を搬出したりするための搬送用通路として使用される。図1、図8、及び図9では、搬送ロコ23と、アーチ型プレキャスト版1を搭載した搬送台車24とが示されている。なお、本実施の形態では、掘削した土砂は、セグメント側壁部にトンネル軸方向に沿って延設されたベルトコンベア25(図9参照)によって搬出されるようになっている。
図8及び図9に示すように、シールドトンネルの掘進時には、例えばアーチ型プレキャスト版1の上方の所定位置から図2に示すセグメント12の組立位置R2までの所定範囲にわたって移動可能な移動式クレーン20が設けられている。この移動式クレーン20は、トンネルの両側壁部の所定位置にトンネル軸方向に敷設されたレール21、21上を走行可能に設けられている。レール21、21は、アーチ型プレキャスト版1の設置範囲では接地端面2、2を固定させたコンクリート8上に敷設され、アーチ型プレキャスト版1が設置されていない範囲ではセグメント12の所定位置に固定された受け台22、22上に敷設されている。
次に、アーチ型プレキャスト版1の組立て手順について説明する。図8及び図9に示すように、アーチ型プレキャスト版1は、搬送台車24上に接合端面2、2を上下方向に向けた状態で載置され、アーチ内空間Tを坑外からプレキャスト版組立位置R1まで搬送される。そして、移動式クレーン20を使用して、アーチ型プレキャスト版1の外周面1aを上方に向けた状態で吊り上げつつ、先行して設置されたアーチ型プレキャスト版1の接合端面4に対してプレキャスト版間継手5によって連結するとともに、高さ調整ボルト3を用いて所定の高さとなるように位置決めを行う。そして、位置決め完了後、コンクリート8によってアーチ型プレキャスト版1の端部1cを固定する。
図5に示すように、さらに具体的に接地端面2をセグメント12の内周脚部12aに固定させる方法は、先ず、セグメント12に振れ止め部材6をアンカー7によって固定させ、左右両側の接地端面2、2において支圧板9を介して高さ調整ボルト3の突出先端3cをセグメント12に当接させる。そして、高さ調整ボルト3のナット部3bを適宜回転させて突出先端3cの突出量を調整することで、アーチ型プレキャスト版1の高さを所定の高さに位置決めする。その後、アーチ型プレキャスト版1の端部1cと振れ止め部材6とが埋め込まれるように型枠などを用いてコンクリート8を打設する。なお、コンクリート8の打設による固定は、アーチ型プレキャスト版1毎、或いは複数のアーチ型プレキャスト版1、1、…毎に行うようにしてもかまわない。
さらに、アーチ型プレキャスト版1を設けることで、上述したようにアーチ内空間Tを使用して資材の搬送が可能であるうえ、掘進に必要な給水管、排水管、電線などの仮設備を配置することができる。そのため、図1及び図2に示すように、本実施の形態では、アーチ型プレキャスト版1の上方の空間(アーチ上空間S)において、掘進作業とは別の作業、すなわちアーチ型プレキャスト版1の上方に道路13の路盤(路盤面13A)や舗装(舗装面13B)などがシールドトンネル10の掘進と並行して施工されている。
具体的には、掘進によって発生する掘削土砂をベルトコンベア25(図9参照)で坑外に向けて搬送するが、その搬送途中の掘削土砂の一部を取り出し、例えばセメント等と混合して道路13の路盤として利用し、掘進と並行して設置させたアーチ型プレキャスト版1の上部に所定高さ(路盤面13A)まで埋め戻すようにしている。これにより、掘進後に行う道路13の構築作業を少なくすることができ、大幅な工期短縮を図ることができる。しかも、掘削土砂を搬出する手間が省けるうえ、処分場へ運搬するダンプトラックの台数を削減することができるため、処分費の低減を図ることができる。
このように、アーチ型プレキャスト版1の上部に道路13を構築する作業をシールドトンネル10の掘進と並行して行うことで、従来のように掘進後に掘進に必要な仮設備を撤去してから道路13の施工を行う場合と比べて、効率よく施工を行うことができる。しかも、設置するアーチ型プレキャスト版1は、掘進後にアーチ内空間Tに設置されている軌条や配管等の仮設備を撤去することで、道路トンネルとして利用される換気ダクトや退避所等の設備を配置することができる。
本実施の形態によるシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法では、シールドトンネル10の掘進時において、セグメント12の内周面に設置されるアーチ型プレキャスト版1の下方の空間(アーチ内空間T)をセグメント12やアーチ型プレキャスト版1等を運搬する搬送用通路として使用することができることから、アーチ型プレキャスト版の上方の空間(アーチ上空間S)では、掘進作業とは別の作業を行うことが可能となり、アーチ型プレキャスト版1の上方に構築される道路の路盤や舗装等の施工を掘進と並行して行うことができるため、施工効率を向上させて工期短縮を図ることができる。
以上、本発明によるシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態ではシールドトンネル10の掘進と並行して掘削土砂を、道路の路盤材としてアーチ型プレキャスト版1上に埋め戻す施工を行っているが、掘進中におけるアーチ上空間Sの作業はこのような路盤の埋め戻し作業に限定されることはない。例えば、道路の排水設備、照明設備の施工や、歩道(避難用通路)の構築などを行うことができる。
また、アーチ型プレキャスト版1の配置箇所、形状、大きさなどに限定されることはなく、シールドトンネルの外径寸法、セグメントの大きさ等の条件に応じて任意に設定することができる。そして、アーチ型プレキャスト版1は、円弧方向に分割させたものであってもかまわない。
また、アーチ型プレキャスト版1とセグメント12との固定方法、高さ調整方法(高さ調整ボルト3)の形態、構造は本実施の形態に限定されることはない。
さらに、本実施の形態ではアーチ型プレキャスト版1、1同士の接合にプレキャスト版間継手5を使用した継手構造としているが、これに限定されず、例えば互いの接合端面4、4に切欠部を設けてアーチ型プレキャスト版1内の鉄筋を突出させておき、双方の鉄筋同士を連結させた後に切欠部にコンクリートなどを打設するといった接合構造であってもかまわない。
それから、アーチ型プレキャスト版1上への埋め戻し土については、シールド掘削機での掘削土砂を搬送配管等で一度坑外に設けた処理設備まで搬送してから、処理後の粗粒分を埋め戻し土として利用するようにしてもよい。
本発明の実施の形態による道路トンネルの縦断面図である。 道路トンネルを構築する状態の概要を示す側面図である。 図1に示すアーチ型プレキャスト版の拡大図である。 図3に示すアーチ型プレキャスト版を上から見た図である。 アーチ型プレキャスト版をセグメントに固定させるための構造を示す図である。 図5に示すアーチ型プレキャスト版のA−A線である。 図5に示すアーチ型プレキャスト版の端部の固定状態を示す要部拡大図である。 アーチ型プレキャスト版の設置工程を説明するための側面図である。 アーチ型プレキャスト版の設置工程を説明するための縦断面図である。
符号の説明
1 アーチ型プレキャスト版
2 接地端面
3 高さ調整ボルト
10 シールドトンネル
12 セグメント
12a 内周脚部
13 道路
T アーチ内空間

Claims (3)

  1. シールドトンネルの内部空間を上下に分割させ、その上方の空間を道路として利用するシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法であって、
    シールドトンネルの掘進に伴って、前記シールドトンネルの内周壁にセグメントを設置する工程と、
    前記シールドトンネルの掘進と並行して、前記設置したセグメントの内周面に円弧板状をなすアーチ型プレキャスト版を、前記内部空間を上下に分割させるように、前記アーチ型プレキャスト版の外周面を上方に向けた状態で前記掘進方向に順次配置する工程と、
    を備え、
    前記アーチ型プレキャスト版の下方の空間は、前記シールドトンネルの掘進に伴う搬送用通路をなしていることを特徴とするシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法。
  2. 前記シールドトンネルの掘進と並行して、前記シールドトンネルの掘削によって発生した掘削土砂を、前記設置したアーチ型プレキャスト版の上部に埋め戻すようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法。
  3. 前記シールドトンネルの掘進と並行して、前記設置したアーチ型プレキャスト版の上部に道路を構築するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシールドトンネルにおける道路トンネルの構築方法。
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