JP2008231769A - 地盤改良工法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 静置しておけばゲル化するシリカ系注入材を用い、ゲル化後に機械的にゲル化を遅延させてコロイド状シリカを形成して浸透性のあるシリカコロイド注入液を開発し、さらに糖と微生物を加えることで耐久性にすぐれ反応生成物が少ない為、地下水の水質保全に優れた上述の公知技術に存する欠点を改良した広範囲の地盤を改良する方法を提供する。
【解決手段】 本発明は機械的にゲル化を遅延して得られたゾル、あるいは、地盤中にゲルを破砕して得られたゾルを注入し、ゲル化することにより地盤を固結させる地盤改良工法に係り、粒径の異なるゾルを使用することにより、大掛かりな装置や有害な薬品を必要とせず、液状化対策工事、構造物基礎下の耐震補強等に適した地盤改良工法に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明はゲルを破砕して得られたゾルを地盤中に注入し、ゲル化することにより地盤を固結させる地盤改良工法である。更に得られたゲルを破砕して得られたゾルに糖を加え、再ゲル化を遅らせ、微生物の代謝作用によりこれを地盤中で固結させる地盤改良工法に係り、粒径の異なるゾルを使用することにより、大掛かりな装置や有害な薬品を必要とせず、液状化対策工事、構造物基礎下の耐震補強等に適した地盤改良工法に関する。
水ガラスを用いた地盤固結材の技術分野では、従来、アルカリ領域でしかも長いゲル化時間で安定なゲルを形成することは困難であった。この理由は水ガラスを長いゲル化時間でゲル化するには、水ガラス溶液に含まれるアルカリの当量に対して過少の当量の反応剤を用いざるを得ないことにある。
本発明者らは、一度ゲル化したものを破砕し得られたゾルが再びゲル化することから、反応剤を用いなくても、或いは酸や反応剤の使用量を少なくしても、ゲル化時間の長い、安定したゲルを得ることを見出した。また、得られたゾルは中性付近でも流動性を示すことから、微生物の代謝を利用することで、地盤中で地盤改良効果が高く、環境に悪影響を与えないグラウトを開発して本発明を完成するに至った。
特開平10−3104715号公報
本発明の課題は、静置しておけばゲル化するシリカ系注入材を用い、一度ゲル化したものを破砕し得られたゾルがゲル化後コロイド状シリカを形成して浸透性のあるシリカコロイド注入液を開発し、耐久性にすぐれ反応生成物が少ない為、地下水の水質保全に優れた上述の公知技術に存する欠点を改良した広範囲の地盤を改良する方法を提供することにある。
従来の地盤改良に用いられている水ガラス、コロイダルシリカ、活性シリカ溶液はpHが中性付近で短いゲルタイムでゲル化する(図1)。ゲル化は脱水によるシロキサン結合により起こる。本発明者らは得られたゲルを高速混合、超音波、振動攪拌等により機械的に攪拌することにより、一度形成したゲルを破砕することでシロキサン結合を切断し、シリカの小さい粒子をつくり(ゾル)、地盤中に注入することで切断されたシロキサン結合が再度結合することでゲル化することにより地盤を改良する方法を発明した。
さらに、ゾルに水ガラス、コロイダルシリカ、活性シリカ溶液を加えることで、粒径の違うシリカが混在することにより高い強度を得ることも出来る。また、硬化剤、pH調整剤、スラグ、セメント、炭酸カルシウム等を配合することで再ゲル化時間、強度を調節することも出来る。
さらに、本発明者らは二酸化炭素が水に溶解してpHを下げることから、シリカ化合物を硬化しゲル化させる方法において、微生物の代謝により栄養源がエタノールと二酸化炭素に分解することにより二酸化炭素を発生させることで、大掛かりな装置や、薬品を使うことなく地盤を改良することができ、また地盤改良領域周辺の環境への影響も少ないことを見出した。
本発明の原理を以下に説明する。
微生物は好気性条件下、嫌気性条件下において以下のような代謝反応を行う。
好気性条件: n 2n n (栄養源)+ nO2nCO 2 + nH2
嫌気性条件: 3 n 2n n (栄養源) → nCO 2 nC 2 5 OH
微生物は栄養源の代謝により好気性条件下においては二酸化炭素と水を、嫌気性条件下においては二酸化炭素とアルコールを生成する。
この微生物の代謝を利用し、発生した二酸化炭素やアルコールがシリカ化合物と反応し地盤固結することができる。
このとき、シリカ化合物としてゲルを破砕することにより得られたゾルを使用することで、中性付近のゾルはアルカリ性〜酸性に自在に調節することが出来ることから微生物の代謝しやすいpHに調整することができる。
また、あらかじめ破砕して得られたゾルに糖を加えることによりゲル化が妨げられ長時間の流動性を保つ。その後、微生物を添加し、或いは地盤中の微生物によりゾル中の糖が代謝に使用されることにより微生物の代謝生成物と、ゾル中の糖量の減少からゾルをゲル化することができる。
さらに、微生物と有機物を同時に注入することで、あるいは微生物を多く含む地盤においては有機物を地盤中に注入することで、微生物の代謝を調節し、二酸化炭素の発生量を調節し、シリカ化合物のゲル化時間を調節する。
また、二酸化炭素や酸素等の気体を同時に注入することで代謝を調整し、ゲルタイムを調整することが可能である。
シリカ化合物のゲル化調整剤として、微生物に影響の少ないものを添加することでゲル化時間を調節することもできる。例としては塩化カリウム、塩化ナトリウム等の無機塩や微量の酸、有機塩が挙げられる。また、カルシウム化合物やマグネシウム化合物を添加することで、微生物の代謝で放出した炭酸ガスと多価金属化合物が反応して不溶性の多価金属炭酸塩を形成してゲル化時間を調整できるのみならず、注入材の強度を上げることもできる。
上述の本発明により、一度ゲル化したものを破砕することで、地盤中への浸透性を高めることができる。
さらに、pHが中性付近のゲルを使うことで止水性の向上や地盤の固結に際して有害物質を発生せず、このため環境への悪影響を与えることがなく、しかも大掛かりな装置や有害な薬品を必要とせず、液状化対策工事、構造物基礎下の耐震補強等に適した地盤改良工法である。
本発明に用いられるゲルは水ガラス、活性シリカ、コロイダルシリカをゲル化したものを用いる。本発明に使用するシリカグラウトとは、水ガラスを素材とするグラウトであって水ガラスと酸を混合して脱アルカリした酸性水ガラス溶液、水ガラスと少量の酸を混合して、水ガラスの一部を脱アルカリしたアルカリ性水ガラス溶液、或は、水ガラスを脱アルカリ処理して得られる活性珪酸、或はこれを濃縮増粒したコロイダルシリカをベースにしたシリカを有効成分としたシリカグラウトであって、これに更に酸を加えて酸性シリカ溶液とし、或は、水ガラスやアルカリを加えてpHを調整してアルカリに安定化し、更に酸を加えた酸性シリカグラウト、或はコロイダルシリカや活性シリカと酸性水ガラスを混合した酸性シリカグラウト等である。
更に、詳しく云えば、イオン交換樹脂またはイオン交換膜によって水ガラス中のアルカリの全部または一部を除去し、または、水ガラスを酸と混合して水ガラス中のアルカリを中和し酸性水ガラスを作製する。得られた酸性水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜によって酸性水ガラス中の酸または塩の全部または一部を除去し、酸性活性シリカとする。或はこれを濃縮重合して弱アルカリで安定化したコロイダルシリカ、活性またはコロイダルシリカに水ガラスを加えたシリカ溶液に酸を加えた酸性シリカグラウトとする。或は上記シリカの混合物、或はこれらと水ガラスやアルカリを加えて調整して現場に搬入し現場でpH調整を行って酸性シリカ溶液を素材とするシリカグラウト等が挙げられる。
一般に、シリカ源として水ガラスを用いるアルカリ性シリカグラウトはゲルの収縮が大きくなり、未反応水ガラスが溶出して耐久性は低下する。一方、酸性水ガラスグラウトはシリカの溶出は少ないが収縮が大きい。これに対して水ガラスをイオン交換して得られる酸性活性シリカは低濃度であっても強度が高く収縮も少なく安定している。
また、活性シリカを増粒したコロイダルシリカグラウトはシリカ粒子が大きく、ゲル自体は安定しているものの、シリカ濃度の高い割には固結強度が低く、かつ強度発現が遅いが、シリカの溶出量が殆ど無視できるほど小さい為に収縮が少なく、ゲルが構造的にも化学的にも安定しており長期耐久性に優れている。これらを、単独または、用途に合わせて混合し使用するのが好ましい。
本発明で用いられる水ガラスはいかなるモル比のものでもよいが、実用的にはJIS3号水ガラスからモル比5までの水ガラスである。また、メタ珪酸ナトリウムを水に溶き使用してもよい。なお、この水ガラスの代わりに珪酸カリ、珪酸アルミニウム等の水溶性珪酸塩を用いることもできる。
ゲル化に用いられる硬化剤としては、リン酸、硫酸等の鉱酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等、水に溶解して比較的強酸性を呈する塩類、その他の無機塩類、金属有機酸等を挙げることができる。
この中で特に、リン酸、リン酸系化合物をはじめとする金属イオン封鎖剤、キレート剤、或は更に硫酸等を併用して主成分とする硬化剤はシリカと共にマスキング作用によって地中のコンクリート構造物の上に被覆膜を形成するため、コンクリートを保護する効果があるので好ましい。これは、リン酸イオンが土中の微量金属や貝殻などのカルシウム分と反応して不溶性あるいは難溶性の化合物をつくるためと推測される。
なお、硬化剤としての上述無機塩類には水溶性の塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の鉱酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属化合物、あるいは硫酸バンド、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、明ばん等のアルミニウム塩等があり、これらを少量添加して緩衝能を高め、ゲル化時間調整剤としての機能を保持せしめることもできる。
さらに、本発明において、リン酸化合物以外の金属イオン封鎖剤を使用し、金属イオンのマスキングを期待せしめることもできる。このような金属封鎖剤としてテトラポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩(特にナトリウム塩が良い)、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、酸性ヘキサメタリン酸塩、酸性ピロリン酸塩等の縮合リン酸塩類、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、グルコン酸、酒石酸またはこれらの塩類等を挙げることができる。
本発明に硬化剤として炭酸ガスを用いてもよい。炭酸ガスまたは炭酸ガスを圧力下で水に溶解させた炭酸水であり、炭酸ガスをシリカ化合物と微生物および/または栄養源に吹き込んで注入しても良いし、また、炭酸ガスをあとから地盤中に注入して初期における炭酸カルシウムの析出による固結を加速して、長期的には微生物代謝による炭酸ガスの反応により炭酸カルシウムを形成しても良い。
本発明における配合液の攪拌またはゲルの破砕方法としては、高圧ホモジナイザーを用いる方法が知られている(特許文献1:特開平10−3104715号公報参照)。また、ビーズミル、ジェットミル、超音波攪拌機、振動攪拌機、高速攪拌機、ミキサーなどを用いてもよい。ミキサー、攪拌機は回転数が200rpm以上の高速回転が好ましく、回転数を上げることでゾルの粘度を調整することが出来る。破砕により得られたゾルは粒径が10-1〜10-7mmに破砕されたものが良い。
得られたゾルは静置することで再ゲル化する。これは切断したシロキサン結合が再び結合する為だと考えられる。
地盤への注入の際はゾルのみを用いても良いし、水ガラス、活性シリカ、コロイダルシリカを加えることで、グラウト内に様々な粒径のシリカを存在させて地盤注入後に強固な地盤改良を行うことが出来る。また、さらに硬化剤を加え再ゲル化に際しゲルタイムの調節をすることも出来る。このときに用いられる水ガラス、活性シリカ、コロイダルシリカ、硬化剤は最初のゲル化と同じ物でも良いし、別の種類でもよい。
本発明における栄養源とは微生物の栄養源となるものであり、好ましくは土壌中の微生物によって代謝分解されるものがよい。例えば、グルコースやフラクトースなどの単糖類、スクロース、マルトースあるいはガラクトースなどの2糖類、その他のオリゴ糖、デキストロース、でんぷんやマルトデキストリンなどの多糖類、その他糖類を例示することができる。微生物によって、あるいは有機栄養源によって代謝速度が変化するため、施工地盤によって選択する必要がある。
本発明における微生物とは、細菌、藻類、かび、放線菌、原生動物などである。微生物は人体や環境に影響を与えにくいものならば、使用可能である。特に、乳酸菌やイースト菌、納豆菌、その他の酵母類等、従来食品に利用されているものや、一般の地盤中に多く存在するものも利用できる。例えば圃場の泥土を採取してその混合液あるいはその上澄液を用いても良い。また、アンモニアからの硝化により硝酸カルシウムを析出させることもでき、施工地盤によって微生物の使い分けが可能である。
本発明に用いられる組成物としては、多価金属化合物は例えばアルカリ土類金属化合物であって、具体的には、カルシウムやマグネシウムの酸化物、水酸化物、塩化物等が挙げられ、この中で特に、消石灰、塩化カルシウムや塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物が好ましい。さらに、カルシウム塩、マグネシウム塩やカルシウム、マグネシウムやアルミニウムの水酸化物や炭酸塩、これらを含む微粒子石灰、微粒子セメント等も挙げられる。
またpH調整剤としてアルカリ剤または酸性剤を加え、ゲルタイムを調節しても良い。
さらに、本発明において地盤中の強度増加を図るためスラグ、セメント、炭酸カルシウム、難溶性珪酸化合物として珪藻土、白土、ベントナイト等の粘土鉱物、および珪石粉、火山灰等の天然珪酸鉱物、焼却灰、高炉スラグ等を加えてもよい。
本発明の地盤注入装置を図2〜4に示す。
図2は本発明に係る製造装置の一具体例のフローシートであって、攪拌槽1に一方の導管5からゲルを加え、攪拌機2にて攪拌してゾル化し排出口7から地盤へ注入する。あるいは一方の導管5から水ガラスまたは水ガラスと酸、水、もう一方の導管5から酸又は反応剤、水を加え攪拌槽にてゲル化させた後、攪拌機2にてゾル化させてもよい。
図2では攪拌方法は攪拌機により高速回転、及び超音波による破砕を行っているが、上述したように超音波攪拌機、振動攪拌機等を使用することも出来る。このとき、もう一方の導管から酸又は反応剤を加え薬液中の配合を調整してもよい。また、ゾル化後にさらに水ガラス、酸、反応剤、水を加え、混合した後に地盤に注入することも出来る。
このとき、攪拌槽への投入量及び、地盤への排出量はポンプ3とバルブ4にて調整出来る。
図3は本発明に係る製造装置の一具体例のフローシートであって、図2と同様に作製したゾルを混合槽8に送液し、地盤に注入する方法を示す。
添加物は上述した様なpH調整剤としてアルカリ剤または酸性剤、強度増加を図るためスラグ、セメント、炭酸カルシウム、難溶性珪酸化合物として珪藻土、白土、ベントナイト等の粘土鉱物、および珪石粉、火山灰等の天然珪酸鉱物、焼却灰、高炉スラグ等を用いてもよい。また、混合槽8にて機械的にゾル化し、粘性を調節しても良い。
図4は本発明において製造装置の一具体例のフローシートであって、図2と同様に作製したゾルを混合槽8に送液し糖を加え攪拌した後、地盤に注入し地盤中の微生物によりゲル化する方法を示す。また、混合層8に送られたゾルに糖の他、微生物や添加物を加えることで、地盤中のゲル化時間および強度を調整することが出来る。また、混合層8内に炭酸ガスボンベ10から連結管にて炭酸ガスを吹き込むことにより、あるいは地盤中に注入液とともに、あるいは注入後の地盤に炭酸ガスを吹き込むことによりゲル化時間および強度を調整することが出来る。
水ガラスを用いたゲルを破砕し得られたゾルのゲル化確認を行った。
〔試験材料〕
水ガラス:比重(20℃)1.32、SiO2濃度25.5%、Na2O濃度7.23%、モル比3.75、pH11.5のものを使用。
〔試験方法〕
水ガラスを75%硫酸を用いてpH8程度に調整し、ゲル化させる。このときのシリカ濃度は6%となるよう水で希釈した。ホモジナイザー(20kHz)を用い、ゲルを破砕し、流動性がでるまで攪拌する。
ホモジナイザーは周波数20〜40kHzのものが一般に販売されており、周波数は目的に沿って選択でき、一般的に高い周波数ほど分散効果が高く、ゲルを流動化させやすい。
〔試験結果〕
破砕したゲルを静置し、24時間後再度ゲル化するか確認した結果、すべてゲル化した。
実施例より、地盤改良において、少量の硬化剤にて水ガラスをゲル化させる場合、pHが中性付近の配合となりゲル化時間が短く、配合後地盤に注入させるまでに固結してしまう。
しかし、ゲルを破砕することによりpHが中性付近の流動性のあるゾルを得ることが出来、また24時間後にゲル化することが出来る。
また、破砕により得られた中性付近のゾルに対して、さらに、水ガラス、コロイダルシリカ、活性シリカ等のシリカ溶液やpH調整剤を加えることにより、粘度やゲル化時間を調整することが出来る。
水ガラス、コロイダルシリカ、活性シリカ等のシリカ溶液を加えることで配合中のシリカ濃度を高め、さらに配合液のpHを高めることで、静置後ゲル化を早くすることが出来、数秒から数分のゲル化時間を得ることが出来る。
このとき、シリカ溶液をコロイダルシリカや活性シリカを用いることで、ゲル化時間を調整し、さらにゲル化後の耐久性や強度を調整することもできる。
また、pH調整剤により、アルカリ或いは酸性にpHを変化させることでゲル化時間を延ばすことが出来る。
さらに、スラグ、セメントや、炭酸カルシウム、ベントナイト等を加えることで強度を高めることも出来る。
これより注入現場においてシリカ溶液を配合し、ゲル化後破砕することで地盤に注入することが出来る。また、工場等の注入現場以外の場所にてゲル化したものを破砕し攪拌することで再ゲル化を遅延させることにより注入現場まで運搬し注入することも出来る。
実施例1で得られたゾル100mlと、ゾル100mlにグルコース5gを加えたもののゲル化を観察した。実施例1で得られたゾルは24時間放置後ゲル化したのに対し、ゾルにグルコースを加えたものは2週間放置後もゲル化しなかった。
また、ゾル100mlにグルコース5gを加え、24時間放置したものに、さらにイースト菌(日清フーズ株式会社製 日清スーパーカメリア)5gを加えたものは24時間後ゲル化した。
これより、ゲルを破砕して得られたゾルに糖を加えることでゲル化が阻害され、長時間流動性を保つことがわかった。また、糖を加えたゾルにさらに微生物を加えることで、糖が代謝され、ゲル化することが確認出来た。
豊浦砂供試体を用いた一軸圧縮強度試験
破砕したゲルを用い、表1の配合にて豊浦砂の供試体を作製し、1週間後の一軸圧縮強度を測定した。
このとき用いた破砕したゲルは実施例1において水ガラスと75%硫酸を用いてゲル化させたものを、ホモジナイザーを用いゾル化させたものである。
供試体の作製は、直径5cm×高さ10cmのアクリルモールドを使用し、各配合と豊浦砂を攪拌し相対密度Dr=60%になるように詰め、固結させた。1日静置後、アクリルモールドから外し、ポリ塩化ビニリデンフィルムにて密封し、恒湿、20℃で保管した。その後、28日目の一軸圧縮強度を測定した。
表1のNo.1において破砕ゲルと水ガラス及び硫酸を攪拌したもの、No.2の破砕ゲルにコロイダルシリカ、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムを配合したものは、それぞれ硬化し、28日後に0.26MN/m2、0.21MN/m2の強度を測定できた。
また、No.3においては破砕ゲルにコロイダルシリカ、炭酸ナトリウム、セメントを用いてもゲル化し、28日強度は1.46MN/m2であった。
これより、破砕ゲルを用いることにより強固にゲル化することが確認出来た。
Figure 2008231769
シリカ溶液のpHと気中ゲル化時間の関係を表した図である。 シリカ溶液をゲル化させゲル化後に破砕して得られたゾルを地盤中に注入する装置の具体例の説明図である。 シリカ溶液をゲル化させゲル化後に破砕して得られたゾルに添加剤を加え地盤中に注入する装置の具体例の説明図である。 シリカ溶液をゲル化させゲル化後に破砕して得られたゾルに糖、微生物を加え地盤中に注入する装置の具体例の説明図である。

Claims (11)

  1. ゲル化後にゲルを破砕し得られたゾルを地盤中に注入することを特徴とする地盤改良工法。
  2. ゲルを破砕し得られたゾルに糖を加え再ゲル化を抑制し、地盤中に注入することで地盤中の微生物により糖を代謝することを特徴とする地盤改良工法。
  3. ゲルを破砕し得られたゾルに糖を加え再ゲル化を抑制し、更にゾルに微生物を混合し地盤中に注入することで微生物により糖を代謝することによりゲル化させることを特徴とする地盤改良工法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、ゾルはアルカリ性であることを特徴とする地盤改良工法。
  5. 請求項1〜3のいずれかにおいて、ゾルは非アルカリ性であることを特徴とする地盤改良工法。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、ゾルは水ガラス、コロイダルシリカ、活性シリカのいずれか又は更に、硬化剤を用いて作製することを特徴とする地盤改良工法。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、得られたゾルに添加剤を加えることにより、ゲル化時間を調整し地盤中に注入することを特徴とする地盤改良工法。
  8. 請求項7において、添加剤が水ガラス、コロイダルシリカ、活性シリカ、硬化剤のいずれか又は複数を用いることを特徴とする地盤改良工法。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、更に、スラグ、セメント、炭酸カルシウム、難溶性珪酸化合物として珪藻土、白土、ベントナイト等の粘土鉱物、および珪石粉、火山灰等の天然珪酸鉱物、焼却灰、高炉スラグ等のいずれか又は複数を加え、地盤中に注入することを特徴とする地盤改良工法。
  10. 請求項1〜9のいずれかにおいて、ゲルを破砕する方法が高速回転、超音波、振動攪拌のいずれか又は複数の方法を用いることを特徴とする地盤改良工法。
  11. 請求項1〜10のいずれかの地盤改良工法に用いる地盤注入装置であって、地盤注入液を地盤中に設置された一本または複数本の注入管路を通して地盤中に注入し、該地盤を固結する地盤注入装置において、注入材槽とゲル粉砕装置からなるシリカコロイド製造機と前記注入管路に送液する導管とからなることを特徴とする地盤注入装置。
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