JP2008230664A - プラスチックフィルムのコロナ放電処理方法および滑り止めシート - Google Patents
プラスチックフィルムのコロナ放電処理方法および滑り止めシート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008230664A JP2008230664A JP2007073766A JP2007073766A JP2008230664A JP 2008230664 A JP2008230664 A JP 2008230664A JP 2007073766 A JP2007073766 A JP 2007073766A JP 2007073766 A JP2007073766 A JP 2007073766A JP 2008230664 A JP2008230664 A JP 2008230664A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- corona discharge
- plastic film
- film
- discharge treatment
- slip sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
Abstract
【課題】トレー上の食器類を滑り難くし、かつ食材がこぼれて付着しても、汚れを洗浄で容易に取り除くことができ、付着跡が残らないようにできる合成樹脂トレーに使用される滑り止めシート、およびプラスチックフィルムのコロナ放電処理方法を提供する。
【解決手段】プラスチックフィルム表面にコロナ放電をする処理方法であって、上記プラスチックフィルム表面1aの裏面1bに保護フィルム2を積層する積層工程と、上記プラスチックフィルム表面側からコロナ放電する放電処理工程と、上記保護フィルムを剥離する剥離工程とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】プラスチックフィルム表面にコロナ放電をする処理方法であって、上記プラスチックフィルム表面1aの裏面1bに保護フィルム2を積層する積層工程と、上記プラスチックフィルム表面側からコロナ放電する放電処理工程と、上記保護フィルムを剥離する剥離工程とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明はプラスチックフィルムのコロナ放電処理方法およびこの方法を用いて製造されるプラスチックフィルム、特に滑り止めシートに関する。
FRPを含む合成樹脂で浅い底の容器状に成形された合成樹脂トレーは、給仕用、食品の貯蔵・搬送用、ベッドテーブル等に使用されているが、その底板表面が平滑で硬いため、特に給仕用として食器類を載せて運ぶ際に食器類が滑って落下したり、料理がこぼれたりする等の問題があった。このトレーに対する食器類の滑りを防ぐため、ポリメチルペンテンコポリマーなどのポリオレフィンの含量が40重量%以上の高分子組成物からなり、温度200℃以下で溶融しない熱特性を備え、その表面硬度がJIS硬度の50A〜70Dである合成樹脂トレーが知られている(特許文献1、特許文献2)。
この合成樹脂トレーは、その上に載せた食器類が滑り難いためトレーを少々傾けても落下することがなく、また食器から食材がこぼれて付着し長時間放置しても、また付着した食品残菜を軟化させ落ち易くするために漬けた予備洗浄槽の汚濁した湯液が付着しても、これらの汚れを本洗浄で容易に取り除くことができ、かつ付着跡が残ることがない。しかも、滑り止めシートをトレー本体の成形時に高温で熱接着しても、滑り止めシートの縁部が流れて外観不良となることはなく、そのため上記の成形作業を高温で短時間で行うことが可能であり、生産性が向上する、という効果がある。
この合成樹脂トレーは、その上に載せた食器類が滑り難いためトレーを少々傾けても落下することがなく、また食器から食材がこぼれて付着し長時間放置しても、また付着した食品残菜を軟化させ落ち易くするために漬けた予備洗浄槽の汚濁した湯液が付着しても、これらの汚れを本洗浄で容易に取り除くことができ、かつ付着跡が残ることがない。しかも、滑り止めシートをトレー本体の成形時に高温で熱接着しても、滑り止めシートの縁部が流れて外観不良となることはなく、そのため上記の成形作業を高温で短時間で行うことが可能であり、生産性が向上する、という効果がある。
この合成樹脂トレーに使用される滑り止めシートは、その片面に熱硬化型接着材層を介してポリエチレンテレフタレートフィルムを接着し2層構造の易接着材層を形成しているが、滑り止めシートと熱硬化型接着材層との間の接着性を改善するために、滑り止めシートの上記片面にコロナ放電処理を行なっている。コロナ放電処理面が熱硬化型接着材層を介してトレー本体の底板表面に貼り付ける接着面となり、反対側の面が底板表面となる。
しかしながら、コロナ放電処理により製造された滑り止めシートを貼り付けた合成樹脂トレーは、食材がこぼれて底板表面に付着した場合、洗浄しても付着した食材が局部的にきれいにとれず色や跡が残って汚れた状態になり易いという問題がある。
特許第3507413号公報
特許第3073736号公報
しかしながら、コロナ放電処理により製造された滑り止めシートを貼り付けた合成樹脂トレーは、食材がこぼれて底板表面に付着した場合、洗浄しても付着した食材が局部的にきれいにとれず色や跡が残って汚れた状態になり易いという問題がある。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、トレー上の食器類を滑り難くし、かつ食材がこぼれて付着しても、汚れを洗浄で容易に取り除くことができ、付着跡が残らないようにできる合成樹脂トレーに使用される滑り止めシート、およびプラスチックフィルムのコロナ放電処理方法の提供を目的とする。
滑り止めシートの接合面をコロナ放電処理することで接着性を向上させて、該処理面を合成樹脂製トレー本体の底板に接合した合成樹脂トレーにおいて、こぼれて底板表面に付着した食材が洗浄しても局部的にきれいにならないで色や跡が残って汚れた状態になり易い問題について研究した。その結果、コロナ放電処理することで接合面での接着性は向上するが、処理面とは反対側になる裏面にコロナ放電処理時の「裏抜け」現象が局部的に生じることが判明した。本発明はこのような知見に基づきなされたもので、「裏抜け」現象を防ぎ、プラスチックフィルムの片面のみにコロナ放電処理をする方法である。
すなわち、本発明のコロナ放電処理方法は、プラスチックフィルム表面にコロナ放電処理する方法であって、上記プラスチックフィルム表面の裏面に保護フィルムを積層する積層工程と、上記プラスチックフィルム表面側からコロナ放電処理する放電処理工程と、上記保護フィルムを剥離する剥離工程とを備えることを特徴とする。
すなわち、本発明のコロナ放電処理方法は、プラスチックフィルム表面にコロナ放電処理する方法であって、上記プラスチックフィルム表面の裏面に保護フィルムを積層する積層工程と、上記プラスチックフィルム表面側からコロナ放電処理する放電処理工程と、上記保護フィルムを剥離する剥離工程とを備えることを特徴とする。
本発明の滑り止めシートは、底の浅い容器状に成型された合成樹脂製トレー本体の底板表面に接合される滑り止めシートであって、該滑り止めシートが上記コロナ放電処理方法によりフィルムの一面にコロナ放電処理されていることを特徴とする。
また、上記プラスチックフィルムがポリメチルペンテンフィルムであることを特徴とする。
また、上記プラスチックフィルムがポリメチルペンテンフィルムであることを特徴とする。
本発明のプラスチックフィルムは、上記本発明のコロナ放電処理方法によりフィルムの一面にコロナ放電処理されているプラスチックフィルムであって、該コロナ放電面のぬれ張力が、該コロナ放電面の裏面のぬれ張力より大きいことを特徴とする。
本発明のコロナ放電処理方法は、プラスチックフィルム表面の裏面に保護フィルムを積層して、表面側からコロナ放電をした後に保護フィルムを剥離するので、表面側のみに放電処理がなされ、裏面には放電処理がなされないプラスチックフィルムが得られる。
このプラスチックフィルムを用いた合成樹脂トレーの滑り止めシートは、トレー底面と接合する接合面をコロナ放電処理面として、トレー表面を未処理面とすることで、食材がこぼれて付着しても、汚れを洗浄で容易に取り除くことができ、付着跡が残らないようにできる合成樹脂トレーが得られる。
このプラスチックフィルムを用いた合成樹脂トレーの滑り止めシートは、トレー底面と接合する接合面をコロナ放電処理面として、トレー表面を未処理面とすることで、食材がこぼれて付着しても、汚れを洗浄で容易に取り除くことができ、付着跡が残らないようにできる合成樹脂トレーが得られる。
本発明で使用できるプラスチックフィルムは食材に対する耐汚染性に優れるポリオレフィン系フィルムが好ましい。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテン等が例示される。これらのポリオレフィンには、ポリエステル系、ポリアミド系、スチレン系等の任意の樹脂やゴムを所定量以下の範囲で混合することができる。ただし、上記ポリオレフィン含量が40重量%未満では、食材に対する耐汚染性が不足するので、ポリオレフィン含量は40重量%以上、好ましくは60重量%以上であることが好ましい。より好ましいプラスチックフィルムは表面硬度、表面滑り性に優れるポリメチルペンテンフィルムである。このポリメチルペンテンフィルムには、ポリメチルペンテンコポリマーフィルムを含む。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテン等が例示される。これらのポリオレフィンには、ポリエステル系、ポリアミド系、スチレン系等の任意の樹脂やゴムを所定量以下の範囲で混合することができる。ただし、上記ポリオレフィン含量が40重量%未満では、食材に対する耐汚染性が不足するので、ポリオレフィン含量は40重量%以上、好ましくは60重量%以上であることが好ましい。より好ましいプラスチックフィルムは表面硬度、表面滑り性に優れるポリメチルペンテンフィルムである。このポリメチルペンテンフィルムには、ポリメチルペンテンコポリマーフィルムを含む。
プラスチックフィルムの層厚さは、特に制限されないが、0.02〜1.0mm、特に0.5mm以下が好ましく、0.02mm未満では製造が困難になり、反対に1.0mmをこえると滑り止めシートとしての効果が向上しない。
コロナ放電処理前に上記プラスチックフィルム表面の裏面に積層する保護フィルムは、コロナ放電処理を施した後にプラスチックフィルムから剥離するものである。保護フィルムとしては、プラスチックフィルム、例えばポリメチルペンテンフィルムに密接できるものであれば使用することができる。
保護フィルムとしては、特に限定されないが、プラスチックフィルムがポリエチレンまたはポリプロピレンの場合は、保護フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムを、またプラスチックフィルムがポリメチルペンテンの場合は、保護フィルムとしてポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、またはポリエチレンテレフタレートフィルムをそれぞれ用いることができる。上記保護フィルムであれば、コロナ放電処理後の剥離性に優れ、かつ価格的に安く工業的に利用しやすいため好ましい。
保護フィルムとしては、特に限定されないが、プラスチックフィルムがポリエチレンまたはポリプロピレンの場合は、保護フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムを、またプラスチックフィルムがポリメチルペンテンの場合は、保護フィルムとしてポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、またはポリエチレンテレフタレートフィルムをそれぞれ用いることができる。上記保護フィルムであれば、コロナ放電処理後の剥離性に優れ、かつ価格的に安く工業的に利用しやすいため好ましい。
保護フィルムの層厚さは、特に制限されないが、0.01〜0.2mm、特に0.1mm以下が好ましく、0.01mm未満では製造が困難になり、反対に0.2mmをこえても保護フィルムとしての性能が向上しない。
上記プラスチックフィルムおよび保護フィルムを用いるコロナ放電処理方法を図1に示す。図1(a)、(b)、および(d)はコロナ放電処理工程におけるプラスチックフィルムの断面図であり、図1(c)はコロナ放電処理方法の概略構成図である。
コロナ放電処理前のプラスチックフィルム1は、表面1aと裏面1bとを有している(図1(a))。プラスチックフィルムの製造方法としては、インフレーション法またはフラットダイ法などの溶融押出成型法、溶液流延法、カレンダー法等を採用できる。本発明においては、プラスチックフィルム1と保護フィルム2とを同時に多層形成できる方法が好ましく、インフレーション法またはフラットダイ法などを用いた溶融共押出成型法が好ましい。溶融共押出成型法によれば、プラスチックフィルム1の表面1aと保護フィルム2とが空隙部を持たない密接した接合面を有する積層フィルムが得られる(図1(b))。
なお、密接した接合面を有する積層フィルムが得られる方法であれば、溶融押出されたフィルム上に他のフィルム上に直接押し出してから冷却する押出しラミネート法などを用いることができる。
また、プラスチックフィルム1と保護フィルム2との接合面は、コロナ放電処理後剥離するため、接着材層を介在させることなく接合することが好ましい。
コロナ放電処理前のプラスチックフィルム1は、表面1aと裏面1bとを有している(図1(a))。プラスチックフィルムの製造方法としては、インフレーション法またはフラットダイ法などの溶融押出成型法、溶液流延法、カレンダー法等を採用できる。本発明においては、プラスチックフィルム1と保護フィルム2とを同時に多層形成できる方法が好ましく、インフレーション法またはフラットダイ法などを用いた溶融共押出成型法が好ましい。溶融共押出成型法によれば、プラスチックフィルム1の表面1aと保護フィルム2とが空隙部を持たない密接した接合面を有する積層フィルムが得られる(図1(b))。
なお、密接した接合面を有する積層フィルムが得られる方法であれば、溶融押出されたフィルム上に他のフィルム上に直接押し出してから冷却する押出しラミネート法などを用いることができる。
また、プラスチックフィルム1と保護フィルム2との接合面は、コロナ放電処理後剥離するため、接着材層を介在させることなく接合することが好ましい。
コロナ放電処理を行なうコロナ放電処理装置は、放電電極3、接地された対極ロール4、および高周波高圧電源5を備えて構成される。コロナ放電処理装置は放電電極3と対極ロール4との間に高周波電圧を印加することにより放電電極3と対極ロール4との間にコロナ放電を発生させる。保護フィルム2を積層したプラスチックフィルム1を対極ロール4上に沿って移動させることによりコロナ放電雰囲気中を通過させる。長尺プラスチックフィルム1の裏面1bが放電電極3側に、表面1aに積層された保護フィルム2が対極ロール4側になるように通過させることで、長尺プラスチックフィルム1の裏面1bに対して連続的にコロナ放電処理を行なうことができる(図1(c))。
本発明においては、対極ロール4のロール表面と、このロール表面に接する保護フィルム2の表面との間に、フィルムの張り状態、巻き取り速度、ロール表面の状態等により空隙が発生し、コロナ放電による「裏抜け」が生じたとしても、保護フィルム2との接合面となっているプラスチックフィルムの表面1aがコロナ放電雰囲気に曝されることがない。
コロナ放電処理の有無はコロナ放電処理後のプラスチックフィルム1表面のぬれ張力を測定することで判定できる。コロナ放電処理することにより、放電処理しない面よりもぬれ張力の値が高くなる。このぬれ張力測定することにより、コロナ放電処理条件を定めることができる。
コロナ放電処理条件は使用する処理装置により異なるが、コロナ放電処理後のプラスチックフィルム1表面のぬれ張力を測定し、ぬれ張力が36mN/m以上、好ましくは40mN/m以上、さらに好ましくは45mN/m以上であれば、接着性に優れるため好ましいコロナ放電処理条件となる。ぬれ張力が55mN/m以上では、接着性に差は見られない。
なお、ぬれ張力はJISK6768で測定できる。
コロナ放電処理条件は使用する処理装置により異なるが、コロナ放電処理後のプラスチックフィルム1表面のぬれ張力を測定し、ぬれ張力が36mN/m以上、好ましくは40mN/m以上、さらに好ましくは45mN/m以上であれば、接着性に優れるため好ましいコロナ放電処理条件となる。ぬれ張力が55mN/m以上では、接着性に差は見られない。
なお、ぬれ張力はJISK6768で測定できる。
コロナ放電処理後、プラスチックフィルム1から保護フィルム2を剥離することにより、コロナ放電雰囲気に暴露されたプラスチックフィルム1の裏面1bがコロナ放電処理された処理面1cになる。一方、プラスチックフィルム1の表面1aは、フィルム未処理面を維持できる。このプラスチックフィルムを1’とする(図1(d))。
コロナ放電処理面1cと未処理面1aとは、表面のぬれ張力を測定することで判定できる。例えばポリメチルペンテンフィルムの場合、ぬれ張力が30mN/m未満であるとコロナ放電未処理面1aと判断できる。
コロナ放電処理面1cと未処理面1aとは、表面のぬれ張力を測定することで判定できる。例えばポリメチルペンテンフィルムの場合、ぬれ張力が30mN/m未満であるとコロナ放電未処理面1aと判断できる。
本発明の滑り止めシート1’は、図2に示すように、コロナ放電処理された裏面全域に接着材層7を形成することができる。図2において、滑り止めシート1’は接着材層7を介して、例えばポリエステル樹脂製のFRPからなる給仕用合成樹脂トレー本体6の底板6b表面に熱接着により接合されている。なお、6aは上記トレー本体6の縁である。
接着材層7としては、合成樹脂トレーの成型と同時に滑り止めシートを熱接着することができる材料が好ましい。例えば、上記合成樹脂トレーがポリプロピレン等のポリオレフィン製の場合は、滑り止めシートの片面に接着性ポリオレフィンからなる接着材層7を設けることが好ましい。また、合成樹脂トレーがポリオレフィン以外の樹脂、例えばポリエステルやメラミン樹脂等で成形される場合は、接着材層7として、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムや紙を介在させることが好ましい。
この接着材層7は、上記のポリエチレンテレフタレートフィルムや紙、または接着材層のみの一層構造でもよく、また上記のフィルムや紙に接着材が塗布された二層以上の複数層構造でもよい。そして、上記の易接着材層は、滑り止めシートのプレス成形と同時に熱接着を行なう場合に補強層としても有用である。特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、補強層として優れているので、その片面に接着性ポリオレフィンを積層してポリプロピレン製の合成樹脂トレーに対する複数層構造の接着材層7とすることができる。
接着材層7としては、合成樹脂トレーの成型と同時に滑り止めシートを熱接着することができる材料が好ましい。例えば、上記合成樹脂トレーがポリプロピレン等のポリオレフィン製の場合は、滑り止めシートの片面に接着性ポリオレフィンからなる接着材層7を設けることが好ましい。また、合成樹脂トレーがポリオレフィン以外の樹脂、例えばポリエステルやメラミン樹脂等で成形される場合は、接着材層7として、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムや紙を介在させることが好ましい。
この接着材層7は、上記のポリエチレンテレフタレートフィルムや紙、または接着材層のみの一層構造でもよく、また上記のフィルムや紙に接着材が塗布された二層以上の複数層構造でもよい。そして、上記の易接着材層は、滑り止めシートのプレス成形と同時に熱接着を行なう場合に補強層としても有用である。特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、補強層として優れているので、その片面に接着性ポリオレフィンを積層してポリプロピレン製の合成樹脂トレーに対する複数層構造の接着材層7とすることができる。
実施例1
ポリメチルペンテンコポリマー(三井化学社製「TPX MX002」)を準備して、フラットダイ押出機に供給し、押出し直後にポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製「E5000」、75μm)とラミネートし、厚さ100μmのポリメチルペンテンフィルムに厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが積層された積層フィルムを得て、この積層フィルムを所定の大きさに裁断してプラスチックフィルムを作製した。
次いで、コロナ表面処理機(春日電機製「AGI−023 HT−023」)を用いて、処理速度 20m、放電量 50W・min/m2の条件で、ポリメチルペンテンフィルム側からコロナ放電処理を行ない、ロール状に巻き取る。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して片面にコロナ放電処理され、他方の片面にはコロナ放電処理されないプラスチックフィルムを得た。
このプラスチックフィルムのコロナ放電処理面のぬれ張力は50〜55mN/mであり、ポリエチレンテレフタレートフィルムが剥離された面のぬれ張力は30mN/m未満であった。ぬれ張力はJIS K6768の方法で測定した。
ポリメチルペンテンコポリマー(三井化学社製「TPX MX002」)を準備して、フラットダイ押出機に供給し、押出し直後にポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製「E5000」、75μm)とラミネートし、厚さ100μmのポリメチルペンテンフィルムに厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが積層された積層フィルムを得て、この積層フィルムを所定の大きさに裁断してプラスチックフィルムを作製した。
次いで、コロナ表面処理機(春日電機製「AGI−023 HT−023」)を用いて、処理速度 20m、放電量 50W・min/m2の条件で、ポリメチルペンテンフィルム側からコロナ放電処理を行ない、ロール状に巻き取る。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して片面にコロナ放電処理され、他方の片面にはコロナ放電処理されないプラスチックフィルムを得た。
このプラスチックフィルムのコロナ放電処理面のぬれ張力は50〜55mN/mであり、ポリエチレンテレフタレートフィルムが剥離された面のぬれ張力は30mN/m未満であった。ぬれ張力はJIS K6768の方法で測定した。
実施例2
ポリメチルペンテンコポリマー(三井化学社製「TPX MX002」)およびポリエチレン樹脂(住友化学工業社製「スミカセン G701」)を準備して、フラットダイ押出機に供給し、溶融共押出成型法により厚さ200μmのポリメチルペンテンフィルムに厚さ100μmのポリエチレンフィルムが積層された積層フィルムを得て、この積層フィルムを所定の大きさに裁断してプラスチックフィルムを作製した。
次いで、コロナ表面処理機(春日電機製「AGI−023 HT−023」)を用いて、処理速度 20m、放電量 50W・min/m2の条件で、ポリメチルペンテンフィルム側からコロナ放電処理を行ない、ロール状に巻き取る。その後、ポリエチレンフィルムを剥離して片面にコロナ放電処理がされ、他方の片面にはコロナ放電処理がされないプラスチックフィルムを得た。
このプラスチックフィルムのコロナ放電処理面のぬれ張力は50〜55mN/mであり、ポリエチレンフィルムが剥離された面のぬれ張力は30mN/m未満であった。
ポリメチルペンテンコポリマー(三井化学社製「TPX MX002」)およびポリエチレン樹脂(住友化学工業社製「スミカセン G701」)を準備して、フラットダイ押出機に供給し、溶融共押出成型法により厚さ200μmのポリメチルペンテンフィルムに厚さ100μmのポリエチレンフィルムが積層された積層フィルムを得て、この積層フィルムを所定の大きさに裁断してプラスチックフィルムを作製した。
次いで、コロナ表面処理機(春日電機製「AGI−023 HT−023」)を用いて、処理速度 20m、放電量 50W・min/m2の条件で、ポリメチルペンテンフィルム側からコロナ放電処理を行ない、ロール状に巻き取る。その後、ポリエチレンフィルムを剥離して片面にコロナ放電処理がされ、他方の片面にはコロナ放電処理がされないプラスチックフィルムを得た。
このプラスチックフィルムのコロナ放電処理面のぬれ張力は50〜55mN/mであり、ポリエチレンフィルムが剥離された面のぬれ張力は30mN/m未満であった。
比較例1
ポリメチルペンテンコポリマー(三井化学社製「TPX MX002」)を準備して、フラットダイ押出機に供給し、溶融押出成型法により厚さ200μmのポリメチルペンテンフィルムを得て、このフィルムを所定の大きさに裁断してプラスチックフィルムを作製した。
次いで、コロナ表面処理機(春日電機製「AGI−023 HT−023」)を用いて、処理速度 20m、放電量 50W・min/m2の条件で、ポリメチルペンテンフィルムの一方の側からコロナ放電処理を行ない、ロール状に巻き取りプラスチックフィルムを得た。
このプラスチックフィルムのコロナ放電処理面のぬれ張力は50〜55mN/mであり、裏面のぬれ張力は数箇所に45〜50mN/mのぬれ張力を示す箇所が局部的に認められた。
ポリメチルペンテンコポリマー(三井化学社製「TPX MX002」)を準備して、フラットダイ押出機に供給し、溶融押出成型法により厚さ200μmのポリメチルペンテンフィルムを得て、このフィルムを所定の大きさに裁断してプラスチックフィルムを作製した。
次いで、コロナ表面処理機(春日電機製「AGI−023 HT−023」)を用いて、処理速度 20m、放電量 50W・min/m2の条件で、ポリメチルペンテンフィルムの一方の側からコロナ放電処理を行ない、ロール状に巻き取りプラスチックフィルムを得た。
このプラスチックフィルムのコロナ放電処理面のぬれ張力は50〜55mN/mであり、裏面のぬれ張力は数箇所に45〜50mN/mのぬれ張力を示す箇所が局部的に認められた。
実施例1および比較例1で得られたプラスチックフィルムを接着材でPETフィルムと貼り合せたシートを用いて、図3に示すプレス装置により合成樹脂トレーを製造し滑り止めシートを評価した。使用するPETフィルムは、東洋紡績(株)社製 コスモシャインA4300の厚さが100μmであり、接着材はウレタン系の硬化型接着材を用いた。図3は合成樹脂トレーの製造に使用するプレス装置の断面図である。
図3において、合成樹脂トレーは、上記トレー本体6の底を上にして成形するように構成されている。
プレス装置は、下型9と上型10とから構成され、下型9は、周囲に上記トレー本体6の縁6aに対応する環状溝9aを有し、この環状溝9aの内側に上記トレー本体6の内面形状に対応する頂部の平坦な凸部9bが設けられている。一方、上型10は、上記の環状溝9aに進入する縁部10aを有し、その内側に上記トレー本体6の外面形状に対応する皿形凹部10bが設けられている。
図3において、合成樹脂トレーは、上記トレー本体6の底を上にして成形するように構成されている。
プレス装置は、下型9と上型10とから構成され、下型9は、周囲に上記トレー本体6の縁6aに対応する環状溝9aを有し、この環状溝9aの内側に上記トレー本体6の内面形状に対応する頂部の平坦な凸部9bが設けられている。一方、上型10は、上記の環状溝9aに進入する縁部10aを有し、その内側に上記トレー本体6の外面形状に対応する皿形凹部10bが設けられている。
上記図3の装置において、図示のように下型9および上型10を開いた状態で下型9の凸部9b上に実施例1で得られた滑り止めシート1’を、コロナ放電処理面に接着材層7を介して、該接着材層7が上になるように載せ、その上に不飽和ポリエステルとガラス繊維とからなるFRP成形材料(SMC)を載せ、しかるのち上型および下型を閉じ、160℃で50秒間のプレス成形を行ない、FRP製の給仕用合成樹脂トレー本体を成形し、同時にその底板の表面に滑り止めシート1’を熱接着して実施例1で得られた滑り止めシートを用いた合成樹脂トレーを得た。
また、比較例1で得られた滑り止めシートを用いる以外は、上記と同一の条件で比較例1で得られた滑り止めシートを用いた合成樹脂トレーを得た。
また、比較例1で得られた滑り止めシートを用いる以外は、上記と同一の条件で比較例1で得られた滑り止めシートを用いた合成樹脂トレーを得た。
上記各合成樹脂トレーについて、食材による汚染の程度を試験した。食材による汚染の程度は、テストトレー上に各種の食材(コーヒー、緑茶、ソース、醤油、カレー)を塗布し、50℃で24時間放置して洗浄し、汚れ程度を目視で判断した。
その結果、実施例1で得られた滑り止めシートを用いた合成樹脂トレーの表面は食材による着色は認められなかった。一方、比較例1で得られた滑り止めシートを用いた合成樹脂トレーの表面は局部的に数箇所食材による着色跡が認められた。
その結果、実施例1で得られた滑り止めシートを用いた合成樹脂トレーの表面は食材による着色は認められなかった。一方、比較例1で得られた滑り止めシートを用いた合成樹脂トレーの表面は局部的に数箇所食材による着色跡が認められた。
本発明のプラスチックフィルムのコロナ放電処理方法は、コロナ放電処理時の「裏抜け」を簡易な方法で防ぐことができる。そのため一面には放電処理を他面には未放電処理面を有するプラスチックフィルムが得られる。その結果、合成樹脂トレーの滑り止めシートに適用できる。
1 プラスチックフィルム
2 保護フィルム
3 放電電極
4 対極ロール
5 高周波高圧電源
6 合成樹脂トレー本体
7 接着材層
8 樹脂材
9 下型
10 上型
2 保護フィルム
3 放電電極
4 対極ロール
5 高周波高圧電源
6 合成樹脂トレー本体
7 接着材層
8 樹脂材
9 下型
10 上型
Claims (4)
- プラスチックフィルム表面にコロナ放電を暴露するプラスチックフィルムのコロナ放電処理方法であって、
前記プラスチックフィルム表面の裏面に保護フィルムを積層する積層工程と、
前記プラスチックフィルム表面側からコロナ放電をする放電処理工程と、
前記保護フィルムを剥離する剥離工程とを備えることを特徴とするプラスチックフィルムのコロナ放電処理方法。 - 底の浅い容器状に成型された合成樹脂製トレー本体の底板表面に接合される滑り止めシートであって、
該滑り止めシートが請求項1記載の方法によりフィルムの一面にコロナ放電処理されていることを特徴とする滑り止めシート。 - 前記プラスチックフィルムがポリメチルペンテンフィルムであることを特徴とする請求項2記載の滑り止めシート。
- 請求項1記載の方法によりフィルムの一面にコロナ放電処理されているプラスチックフィルムであって、
前記コロナ放電面のぬれ張力が、該コロナ放電面の裏面のぬれ張力より大きいことを特徴とするプラスチックフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007073766A JP2008230664A (ja) | 2007-03-21 | 2007-03-21 | プラスチックフィルムのコロナ放電処理方法および滑り止めシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007073766A JP2008230664A (ja) | 2007-03-21 | 2007-03-21 | プラスチックフィルムのコロナ放電処理方法および滑り止めシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008230664A true JP2008230664A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39903941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007073766A Pending JP2008230664A (ja) | 2007-03-21 | 2007-03-21 | プラスチックフィルムのコロナ放電処理方法および滑り止めシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008230664A (ja) |
-
2007
- 2007-03-21 JP JP2007073766A patent/JP2008230664A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1134338C (zh) | 易于回收利用的容器 | |
JP2006281518A (ja) | 転写フィルム | |
JP6428138B2 (ja) | トレー成型用共押出無延伸フィルム及び複合シート | |
JP2008230664A (ja) | プラスチックフィルムのコロナ放電処理方法および滑り止めシート | |
JP2008087170A (ja) | 熱成形品の製造方法 | |
EP2441577B1 (en) | In-mold label and method for producing the same | |
JP2014523825A (ja) | ポリオレフィン系延伸フィルムの製造方法および該方法により製造されたポリオレフィン系延伸フィルム | |
US8628711B2 (en) | In-mold label and method for producing the same | |
JP5900814B2 (ja) | インモールドラベルの製造方法及びラベル付き容器の製造方法 | |
JP2009083926A (ja) | 易切開性多層容器 | |
JP4673386B2 (ja) | 包装材料の巻き取り体 | |
JP4240992B2 (ja) | 積層体の製造方法 | |
JP3507413B2 (ja) | 合成樹脂トレー | |
JP4142411B2 (ja) | 包装材料の巻き取り体の製造方法 | |
JP2718774B2 (ja) | 透明ラベル | |
KR100726837B1 (ko) | 필름막이 형성된 펄프몰드의 제조방법 | |
KR101857464B1 (ko) | 투명 필름이 형성된 발포수지 입술 뜯김 방지 원단 제조방법 | |
JP3073736B1 (ja) | 合成樹脂トレ― | |
JP6715623B2 (ja) | 熱収縮性フィルム積層体 | |
JP2001206338A (ja) | 合成樹脂トレー | |
JP2007136827A (ja) | インモールドラベル用シート、インモールドラベル及びインモールドラベル容器 | |
KR20220156255A (ko) | 재활용 및 재사용 가능한 일회용 용기 및 그 제조방법 그리고 그 제조장치 | |
KR101276305B1 (ko) | 인몰드 라벨 및 그 제조 방법 | |
JP2022190385A (ja) | 容器及び袋体 | |
JP2022190283A (ja) | 容器 |