JP2008230151A - 金属調化粧板 - Google Patents

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JP2008230151A
JP2008230151A JP2007075718A JP2007075718A JP2008230151A JP 2008230151 A JP2008230151 A JP 2008230151A JP 2007075718 A JP2007075718 A JP 2007075718A JP 2007075718 A JP2007075718 A JP 2007075718A JP 2008230151 A JP2008230151 A JP 2008230151A
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Kenji Miyaki
健治 宮木
Hirokazu Imai
広和 今井
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Abstract

【課題】 金属光沢を呈する化粧板を提供する。
【解決手段】 アクリレートとメタクリレートを必須成分とする紫外線硬化型樹脂の固形分100重量部に対して金属光沢付与物質を0.1〜20重量部配合した樹脂組成物を樹脂含浸紙に塗布し、紫外線を照射した後、コア基材とともに積層し、熱圧一体化する。該アクリレートと該メタクリレートの配合割合は重量比で3:2〜1:4とし、該紫外線硬化型樹脂の固形分100重量部に対して粉末シリカを1〜10重量部配合する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧板に関し、より詳しくは紫外線硬化型樹脂を用いた金属調化粧板に関するものである。
従来のメタル化粧板は金属箔とフェノール樹脂含浸紙を、接着層としてフェノールブチラール樹脂含浸紙を用い、積層、熱圧プレスすることで得られていた。また、メタル調の印刷紙にメラミン樹脂を含浸し、フェノール樹脂含浸紙と積層することでメタル調の化粧板もつくられている。
特開平8−72205号公報 特開平9−216308号公報 特開昭63−57232号公報
しかしながら、メタル化粧板は表面に金属箔を使用しているので、切削性が悪く、美しく加工できない、刃物を痛めてしまうといった不具合が発生していた。また、メタル調の化粧板は、金属感に乏しく、意匠性に劣っていた。紫外線硬化型樹脂は、無溶剤で省エネルギー生産に優れた生産方式であるが、紫外線硬化樹脂へ金属粉を混入すると、紫外線が遮蔽され、深部まで樹脂が硬化せず、紫外線硬化のみでメタル調化粧板を作製することは不可能であった。
本発明者らは、鋭意、検討した結果、アクリレートとメタクリレートを必須成分とする紫外線硬化型樹脂の固形分100重量部に対して金属光沢付与物質が0.1〜20重量部配合された樹脂組成物を樹脂含浸紙に塗布し、紫外線を照射した後、コア基材とともに積層し、熱圧成形することにより前記の課題を解決できることを見出した。
本発明の金属光沢付与物質を添加した紫外線硬化型樹脂を樹脂含浸紙にコーティングし、紫外線照射することでBステージ化を行い(完全硬化はさせない)、作製したプリプレグをコア基材と積層して熱圧成型すると、得られた金属調化粧板は切削性が良く、金属感がある。また、熱圧成型時にエンボスの付いた当板を使用することにより、複雑なエンボス加工を金属化粧板に容易に付与することができる。無溶剤のUV硬化樹脂を使用することで環境にやさしいものづくりが可能である。
紫外線硬化型樹脂に係わるアクリレートモノマーとしては、単官能アクリレートモノマー、多官能アクリレートモノマーなどが挙げられる。単官能アクリレートモノマーとしては、例えば、n−ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレートなどが挙げられる。2または3官能アクリレートモノマーとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、トレメチロールプロパン、テトラメチロールプロパン、ペンタエリストール、ジペンタエリスリトール等のポリオール類に2または3個のアクリル酸がエステル化したものやビスフェノールF型エポキシアクレートが挙げられる。4官能以上のアクリレートモノマーとしては、例えば、テトラメチロールプロパン、ペンタエリストール、ジペンタエリスリトール等のポリオール類に、4個以上、好ましくは4〜8個のアクリル酸がエステル化したものが挙げられる。
その他、長鎖脂肪族単官能アクリレートモノマーや脂環式単官能アクリレートモノマーが挙げられる。長鎖脂肪族単官能アクリレートモノマーとしては、具体的には、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレートなどが例示される。脂環式単官能アクリレートモノマーとしては、具体的には、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、その水素添加物、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどが例示される。更に樹脂含浸化粧紙や化粧紙との接着性をよくするため、脂環式2官能アクリレートを用いることが好ましい。脂環式2官能アクリレートモノマーとしては、具体的には、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、その水素添加物、イソボニルジアクリレート、シクロヘキシルジアクリレートなどが例示される。官能基数の多いアクリレートほど表面硬度が高くなり、好ましい。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
メタクリレートは、アクリレートの硬化遅延剤として作用する。これは、メタクリレート中のメチル基の共役電子依存性によるものと考えられる。本発明に用いられるメタクリレートは単官能メタクリレートや多官能メタクリレート、エポキシメタクリレート、ウレタンメタクリレート等が挙げられる。単官能メタクリレートとしては、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。2官能メタクリレートとしては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。3官能メタクリレートとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。
エポキシメタクリレートはエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とを反応して得られ、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールAとエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂などが挙げられる。
不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、ソルビン酸あるいはモノ(2−エチルヘキシル)マレートなどが挙げられ、不飽和一塩基酸と併用される多塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,12−ドデカン二酸の他ダイマー酸などが挙げられる。ニ塩基酸無水物として無水マレイン酸、無水フタル酸などが挙げられる。三塩基酸無水物として無水トリメリット酸を使用した変性品も使用可能である。
エポキシメタクリレートは、通常粘度調整の為、重合性の不飽和モノマーを含有しており、この重合性不飽和モノマーは、重合して硬化物の骨格を構成するものであり、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノマー類、アクリロニトリル等のモノマーが挙げられる。これらのモノマーに加え、必要に応じてジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋構造形成に寄与するモノマー、或いは不飽和ポリエステル樹脂などの共重合可能な樹脂を併せて使用することができる。
ウレタンメタクリレートは2官能以上のイソシアネート化合物、ポリオール化合物、ヒドロキシル基含有メタクリレート等を、混合して反応させることによって得ることができる。
2官能以上のイソシアネート化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、1,2−ジイソシアナトエタン、1,2−ジイソシアナトプロパン、1,3−ジイソシアナトプロパン、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトエチル)シクロヘキサン、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼンおよびこれらの付加物であるオリゴマー等をあげることができる。ポリオール化合物の具体例としては、アルキルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール等を挙げることができる。
アルキルジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−エチルブタン−1,4−ジオール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,9−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、3−メチルペンタン−1,4−ジオール、2,2−ジエチルブタン−1,3−ジオール、4,5−ノナンジオール、および2−ブテン−1,4−ジオール等が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、通常公知の方法によりアルデヒド、アルキレンオキサイド、またはグリコールの重合により合成されるものを用いることができ、例えば、ホルムアルデヒド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラメチレンオキサイド、エピクロルヒドリンなどを適当な条件でアルキルジオールに付加重合させて得られるポリエーテルジオールを挙げることができる。
官能基数の多いメタクリレートほど表面硬度、耐薬品性に優れる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
アクリレートとメタクリレートの配合割合は、重量比で3:2〜1:4とするのが好ましく、アクリレートが少なくなるとプリプレグが充分にタックフリーとならず取り扱い性が悪くなり、アクリレートが多くなるとプリプレグが硬化し、熱圧成形時、コア材との密着性が劣りやすく、且つ、エンボスが十分に転写されずに外観不良となる。
樹脂組成物に配合される金属光沢付与物質としては、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛粉、ステンレス粉、ニッケル粉等の金属粉、魚鱗粉、塩基性炭酸鉛、砒酸水素鉛、酸化塩化ビスマス、真珠片、貝ガラ片、雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母等の真珠光沢粉が挙げられる。金属粉の粒径は10〜100μmが好ましく、10μ未満だと輝度に乏しく、また樹脂の増粘もあり使用しにくい。粒径が大きいほど輝度が高いが100μmを越えると、ラメが散りばめられた状態になり、金属箔の様にならない。また、樹脂状態での分散性が悪く、金属光沢付与物質の沈降が起こる。金属光沢付与物質の添加量は紫外線硬化型樹脂の固形分100重量部に対して0.1〜20重量部とするのが好ましく、下限に満たないと隠蔽性がなく、下地が露出する。上限を超えると、成型品の耐汚染性等の物性が悪くなる。
樹脂組成物には光開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4’−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が配合される。市販の光開始剤としてはチバ・スペシャルティーケミカルズ社製、商品名Darocure1116、Darocure1173、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE500、IRGACURE651、IRGACURE754、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE1300、IRGACURE1800、IRGACURE1870、IRGACURE2959、IRGACURE4265、IRGACURE TPO、UCB社製、商品名ユベクリルP36、などを用いることが出来る。
また、樹脂組成物にはラジカル型重合開始剤が配合されるが、ラジカル型重合開始剤としては特に制限はなく各種公知のものを使用することができる。ラジカル型重合開始剤としては、ベンゾフェノン及び他のアセトフェノン、ベンジル、ベンズアルデヒド及びo−クロロベンズアルデヒド、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、9,10−フェナントレンキノン、9,10−アントラキノン、メチルベンゾインエーテル、エチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、α,α−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシアセトフェノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオール−2−o−ベンゾイルオキシム及びα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル、ジアセチルパーオキサイド、ジプロピルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ジカプリルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、p,p’−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、p,p’−ジメトキシベンゾイルパーオキサイド、p,p’−ジメチルベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。添加量はアクリレートとメタクリレートの合計100重量部に対して1〜10重量部である。
また、貯蔵中硬化剤の作用を停止する目的で重合禁止剤を配合してもよい。重合禁止剤としては、p−ターシャリブチルカテコール、p−ベンゾキノン、ナフチキノン、フェナンスキラノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、パラキシロキノン、パラトルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノンなどのキノン類、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、2,5−ジ―t−ブチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類、アセトアミジンアセテート、アセトアミジンサルフェートなどのアミジン類、ジ−t−ブチル・パラクレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどのフェノール類、フェニルヒドラジン塩酸塩、ヒドラジン塩酸塩などのヒドラジン塩類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、ラウリルピリジニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩類、キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、フェノチアジンなどの硫黄化合物などが挙げられ、樹脂液の保存性、硬化時間などを考慮して適宜選択して用いることができる。これらは単独、あるいは2種以上の併用が可能である。
樹脂組成物にはプリプレグのタックをより少なくするために粉末シリカを配合することができる。樹脂の透明性を維持する為、その粒子径は平均一次粒子径で5nm〜50nmのものを配合するのが好ましい。粉末シリカの添加量は紫外線硬化型樹脂の固形分100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは3〜7重量部の範囲が好ましい。1重量部未満では、塗布後、タックが残り、中間製品としての取扱いができなくなり、また10重量部を超えると成型品の外観が白濁し意匠性が損なわれる。
この他に有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素系、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、イソホロンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが挙げられる。
本発明で用いる樹脂含浸紙は、化粧板用の原紙にアミノ−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはこれらの混合物などの熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂液を含浸し、乾燥したものである。アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としてはアミノ化合物、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどとホルムアルデヒドを反応させた初期縮合物のほか、メチルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコ−ルによるエ−テル化、パラトルエンスルホンアミドなどの可塑化を促す反応性変性剤で変性されたものが適用できる。フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とをフェノール性水酸基1モルに対してアルデヒド類を1〜3モルの割合で塩基性触媒下或いは酸性触媒下にて反応させて得られるもので、フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどが挙げられ、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザール、トリオキザールなどが挙げられる。また、必要に応じてパラトルエンスルフォンアミド、桐油、燐酸エステル類、グリコール類などの可塑化を促す変性剤で変性されたものも適用でき、塩基性触媒としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、及びトリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、アンモニアが挙げられ、酸性触媒としては、パラトルエンスルフォン酸、塩酸などが挙げられる。
プリプレグは、樹脂含浸紙はアクリレートとメタクリレートを必須成分とする紫外線硬化型樹脂を塗布し、紫外線を照射することにより得られる。この紫外線硬化樹脂はBステージでの硬化度を調整するためアクリレートとメタクリレート以外の不飽和化合物、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等を添加することもできる。これらの樹脂を配合することによりプリプレグのカールがなくなり取り扱い易くなる。これらの樹脂の配合割合は紫外線硬化型樹脂の固形分100重量部に対して、5〜100重量部とするのが好ましく、下限に満たないと、プリプレグのカール抑制に効果がなく、上限を超えると樹脂粘度が高くなり、樹脂塗工が困難となる。
樹脂組成物の塗布方法は、公知の方法、例えばスプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法などを用いることができ、塗工後の塗膜の厚みを150μm以下となるように塗布する。150μmを越えると作製したプリプレグが反るなど取扱上の問題がある。より好ましくは、30〜120μmである。
紫外線を照射する場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用い、100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域で、100〜800mJ/cmのエネルギーを有する紫外線を照射する。また、必要に応じて窒素雰囲気下にて硬化してもよい。
コア材としては熱硬化性樹脂含浸コア紙、熱可塑性樹脂含浸コア紙、合板、パーティクルボード、MDFなどの木質系基材、珪酸カルシウム板、石膏ボードなどの無機質系基材などが挙げられる。
本発明の金属調化粧板は、樹脂含浸紙に樹脂組成物を塗布したプリプレグとコア基材とを積層し、加熱加圧プレスを用いて、加熱温度110〜180℃、加圧条件50〜100kg/mの成形条件で加熱加圧することにより得ることができる。また未含浸紙に紫外線硬化型樹脂を塗布したプリプレグを用いる場合はコア材との密着性を向上させるためアンダーレイ紙を介在させる。アンダーレイ紙は18〜40g/mのメラミン化粧板用原紙にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を含浸し、乾燥したものを用いる。
フェノール樹脂含浸紙の作成
フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比が1.3のレゾールタイプのフェノール樹脂を、水酸化ナトリウム触媒で反応し、メタノールを添加して樹脂分50重量%の未変性のフェノール樹脂液を得、次いで、フェノール含浸樹脂液に、坪量200g/mのクラフト紙に数1で示す含浸率が150%となるように含浸、乾燥して、フェノール樹脂含浸紙を作製した。
フェノール樹脂含浸紙に下記の紫外線硬化型樹脂(A)を塗布厚みが70μmとなるようにロールコート法により塗布し、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製、可変出力UVランプシステムVPS/I600)を用いて紫外線を積算光量約200mJ/cm照射してプリプレグ(A)を得た。尚、積算光量は米国EIT社製、マイクロキュア紫外線測定器を用いて測定した。
紫外線硬化型樹脂(A)
ビスフェノールA系エポキシメタクリレート 50重量部
(商品名 リポキシRF−313 昭和高分子株式会社製)
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート 50重量部
(商品名 ライトアクリレートDCP−A 共栄社化学株式会社製)
光開始剤 5重量部
(商品名 IRUGACURE184 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)
紫外線吸収剤 0.5重量部
(商品名 TINUVIN152 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)
熱開始剤(過酸化ベイゾイル) 5重量部
重合禁止剤 0.3重量部
(商品名 IRUGANOX1010 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)
粉末シリカ(平均粒子径10nm) 3重量部
(商品名 レオロシールDM−30 株式会社トクヤマ製)
離型剤 1重量部
(商品名 セパール326 中京油脂株式会社製)
平均粒子径15〜25μmのアルミニウム粉末 8重量部
(アルミニウム粉標準タイプNo.900 大和金属粉工業株式会社製造)
平均粒子径59.1μmのアルミニウム粉末 5重量部
(高輝性アルミニウム粉No.2650X 大和金属粉工業株式会社製造)
次に、フェノール樹脂含浸紙5枚と、プリプレグ(A)1枚とを重ねて、平板プレス機の熱盤間に挿入し、130℃、70kg/cm、60分間の加熱加圧条件にて成形して、厚み1.2mmの金属調化粧板を製造した。
実施例1において、平均粒子径15〜25μmのアルミニウム粉末を0.06重量部、平均粒子径59.1μmのアルミニウム粉末を0.04重量部とした以外は同様に実施した。
実施例1において、平均粒子径15〜25μmのアルミニウム粉末を12重量部、平均粒子径59.1μmのアルミニウム粉末を8重量部とした以外は同様に実施した。
実施例1において、アクリレートを60重量部、メタクリレートを40重量部とした以外は同様に実施した。
実施例1において、アクリレートを20重量部、メタクリレートを80重量部とした以外は同様に実施した。
(不飽和ポリエステル樹脂を添加した場合)
実施例1において、紫外線硬化樹脂に紫外線硬化樹脂(B)を用いた以外は同様に実施した。
紫外線硬化型樹脂(B)
ビスフェノールA系エポキシメタクリレート 50重量部
(商品名 リポキシRF−313 昭和高分子株式会社製)
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート 25重量部
(商品名 ライトアクリレートDCP−A 共栄社化学株式会社製)
不飽和ポリエステル樹脂 25重量部
(商品名 アクラライトXO−KC−108−7 ディーエイチ・マテリアル株式会社製)
光開始剤 5重量部
(商品名 IRUGACURE184 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)
紫外線吸収剤 0.5重量部
(商品名 TINUVIN152 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)
熱開始剤(過酸化ベイゾイル) 5重量部
重合禁止剤 0.3重量部
(商品名 IRUGANOX1010 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)
粉末シリカ(平均粒子径10nm) 3重量部
(商品名 レオロシールDM−30 株式会社トクヤマ製)
離型剤 1重量部
(商品名 セパール326 中京油脂株式会社製)
平均粒子径15〜25μmのアルミニウム粉末 8重量部
(アルミニウム粉標準タイプNo.900 大和金属粉工業株式会社製造)
平均粒子径59.1μmのアルミニウム粉末 5重量部
(高輝性アルミニウム粉No.2650X 大和金属粉工業株式会社製造)
(ダッププレポリマーを添加した場合)
実施例1において、紫外線硬化樹脂に紫外線硬化樹脂(C)を用いた以外は同様に実施した。
紫外線硬化型樹脂(C)
ビスフェノールA系エポキシアクリレート 50重量部
(商品名 リポキシRF−313 昭和高分子株式会社製)
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート 25重量部
(商品名 ライトアクリレートDCP−A 共栄社化学株式会社製)
ジアリルフタレートプレポリマー 25重量部
(商品名 ダイソーダップK ダイソー株式会社製)
光開始剤 5重量部
(商品名 IRUGACURE184 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)
紫外線吸収剤 0.5重量部
(商品名 TINUVIN152 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)
熱開始剤(過酸化ベイゾイル) 5重量部
重合禁止剤 0.3重量部
(商品名 IRUGANOX1010 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)
粉末シリカ(平均粒子径10nm) 3重量部
(商品名 レオロシールDM−30 株式会社トクヤマ製)
離型剤 1重量部
(商品名 セパール326 中京油脂株式会社製)
平均粒子径15〜25μmのアルミニウム粉末 8重量部
(アルミニウム粉標準タイプNo.900 大和金属粉工業株式会社製造)
平均粒子径59.1μmのアルミニウム粉末 5重量部
(高輝性アルミニウム粉No.2650X 大和金属粉工業株式会社製造)
実施例1において梨地のエンボス板を用いて熱圧成形した以外は同様に実施した。
比較例1(アクリレートとメタクリレートの配合割合が下限未満の場合)
実施例2において、アクリレート70重量部、メタクリレートを30重量部とした以外は同様に実施した。
比較例2(アクリレートとメタクリレートの配合割合が上限を越える場合)
実施例2において、アクリレートを10重量部、メタクリレートを90重量部とした以外は同様に実施した。
比較例3(金属粉の配合割合が下限未満の場合)
実施例1において、金属粉の配合割合を0.05重量部とした以外は同様に実施した。
比較例4(金属粉の配合割合が上限を越える場合)
実施例1において、金属粉の配合割合を25重量部とした以外は同様に実施した。
試験方法は以下の通りとした。
塗工性;混合樹脂塗工後の表面外観を目視にて観察した。
プリプレグのカール;◎カールが無く取扱いやすい。〇ややカールあるが取扱い可能。×カールがひどく取扱い不可能。
プリプレグの保存性;300mm角のプリプレグをOPPフィルムで覆い、その上から300mm角、20kgの重しをのせ、40℃で2日間放置したあと、OPPフィルムとの離型具合を確認した。
成型後の表面外観;プレス成型後、プリプレグを積層した表面に、樹脂の欠落部分や艶落ち部分等の外観異常がないか、また下地が露出していないか観察した。
耐汚染性;油性マーカーで印をつけふき取り。
切削加工性;丸のこ盤で切断し木口面を確認した。
注1:樹脂粘度が高い為、塗工外観に大きなスジが見られる。
注2:OPPフィルムとの離型が悪く、べたつく。
注3:プリプレグでの樹脂硬化が進み過ぎており、当板のエンボスが十分に転写されなかった。
注4:樹脂に隠蔽性が無く下地が露出している。
注5:成型後もプリプレグの塗工スジの跡がみられる。
注6:油性マーカーの跡が残る。

Claims (3)

  1. アクリレートとメタクリレートを必須成分とする紫外線硬化型樹脂の固形分100重量部に対して金属光沢付与物質が0.1〜20重量部配合された樹脂組成物が樹脂含浸紙に塗布され、紫外線が照射されてなるプリプレグが、コア基材とともに積層され、熱圧一体化されてなることを特徴とする金属調化粧板。
  2. 該アクリレートと該メタクリレートの配合割合が重量比で3:2〜1:4であることを特徴とする請求項1記載の金属調化粧板。
  3. 該紫外線硬化型樹脂の固形分100重量部に対して粉末シリカが1〜10重量部含まれてなることを特徴とする請求項1又は2記載の金属調化粧板。
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