JP2008229360A - Mri傾斜磁場発生用コイル - Google Patents

Mri傾斜磁場発生用コイル Download PDF

Info

Publication number
JP2008229360A
JP2008229360A JP2008109941A JP2008109941A JP2008229360A JP 2008229360 A JP2008229360 A JP 2008229360A JP 2008109941 A JP2008109941 A JP 2008109941A JP 2008109941 A JP2008109941 A JP 2008109941A JP 2008229360 A JP2008229360 A JP 2008229360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
magnetic field
winding
gradient magnetic
bobbin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008109941A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4551946B2 (ja
Inventor
Yoshitomo Sakakura
良知 坂倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2008109941A priority Critical patent/JP4551946B2/ja
Publication of JP2008229360A publication Critical patent/JP2008229360A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4551946B2 publication Critical patent/JP4551946B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】導体をボビンに螺旋状に巻装するときの製造作業を容易化させ、かつ、発生磁場分布についても解析的に定めた設計値からのずれも減らすことができる磁場発生用コイルを提供する。
【解決手段】本発明のMRI傾斜磁場発生用コイルは、コイル導体Cを巻装する円筒状のボビンBと、このボビンBにコイル導体Cを螺旋状に複数ターン巻き回した巻線部とを有する。このMRI傾斜磁場発生用コイルにおいては、前記巻線部は、前記ボビンBの軸方向に求まる離散的な複数の解析値Z,Z,…それぞれに対して、前記コイル導体Cの1ターンの巻始めおよび巻終わりを前記解析値Z,Z,…を挟む2つの巻線位置Z01,Z12,Z23,…に合わせ、かつ、その1ターンの180度巻いた前記ボビンBの軸方向のコイル導体位置がその2つの巻線位置の間にある解析値Z,Z,…にそれぞれ一致するように前記コイル導体Cを螺旋状に巻装したターン部分を備えたものである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、導体をボビンに螺旋状に巻装した巻線部を備えたMRI傾斜磁場発生用コイルに関する。とくに、円筒状のボビンの外表面にその軸方向に沿って定めた導体巻線位置の改善に関するもので、磁気共鳴イメージング(MRI)装置の傾斜磁場コイルのZチャンネルのコイルアセンブリなどに好適なMRI傾斜磁場発生用コイルに関する。
一般に、コイル導体を円筒状ボビンに螺旋状に巻く螺旋状コイル(“zonal”コイル)が各種の機器で使用されている。医用の磁気共鳴イメージング(MRI)装置にも、この螺旋状コイルが搭載されている。磁気共鳴イメージング装置は通常、静磁場を発生する静磁場コイル、静磁場の均一度を補正するシムコイル、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル、高周波信号の送受用のRFコイルなどを使用している。この内、螺旋状コイルは、傾斜磁場コイルのZチャンネルのコイルやシムコイルのZ,Z,Z,Z,Zチャンネルなどに使用されている。
この螺旋状コイルを形成する場合、コイル導体の巻装方法としては2通りの方法が知られている。その一つの巻装方法は、図8に示すように、実際には螺旋状に巻かずに、解析的に求めたボビン軸方向の離散的な巻線位置毎にレーンチェンジをしながら巻く方法である。すなわち、コイル導体をある巻線位置で略1ターン(略360度)巻き終わると、次のターンに入るときにその巻始めの近傍位置で隣の巻線位置にレーンチェンジするものである。
もう一つの巻線方法は、図9に示す如く、実際に螺旋状に巻くものである。つまり、解析的に求めたボビン軸方向の離散的な巻線位置に対して、ある巻線位置に巻始め端を合わせて1ターンすると、その巻き終わり端が次の巻線位置で次のターンの巻き始め端となる螺旋状に順次巻いていく。
しかしながら、上述したように巻いた従来の螺旋状コイルには、種々の問題があった。図8のレーンチェンジの巻線手法を用いた螺旋状コイルの場合、そのコイル巻装自体が技術的に非常に難しく且つ複雑な作業となり、螺旋状コイルの製造工程が著しく増加して、製造コスト上昇の一原因になる一方、その巻装作業の困難さから設計した通りの磁場分布が得られないことも多いという問題があった。
この状況を詳述する。巻線のレーンチェンジは、通常、ボビン円周方向の比較的狭い範囲(例えば10cm程度)で行う必要があるため、ボビンの軸方向中心寄りの撮影領域付近のレーンチェンジはとくに巻線が混んで作業が困難化していた。巻線の密度が高くなると、十分なレーンチェンジのスペースが取りにくくなる。また、実際の巻装作業は導体にテンションを掛けながら行われるので、コイル導体を曲げることが難しく、レーンチェンジの曲げ位置で、より大きな弧を描く傾向にある。このため、とうしてもレーンチェンジに要する円周方向の範囲が拡大化する傾向にあり、所望の磁場分布にも影響するという不都合もあった。
一方、図9のように、解析的に求めた巻線位置から次の巻線位置に掛けて巻き始めおよび巻き終わりを合わせながら螺旋状に巻くコイル巻装方法の場合には、巻装作業自体は図8の方法よりは簡単であるが、磁場発生の性能面で問題がある。すなわち、コイル導体を離散化して巻装する場合、理想的には解析的に求めた巻線位置それぞれに1ターンずつ巻くことである。しかし、図9のように、求めた巻線位置から隣の巻線位置に掛けて螺旋状に巻いてしまうと、1ターンのコイルに拠る等価的な磁場発生位置が、螺旋状コイルの軸(中心軸)方向において、解析的な巻線位置からずれてしまう。このため、螺旋状コイル全体が発生する空間磁場分布も設計値から大きくずれたり、漏れ磁場が大きくなるなど、磁場を発生させる上で性能不足が目立っていた。
本発明は、上述した従来技術に伴う様々な困難を打破すべくなされたもので、コイル導体をボビンに螺旋状に巻装するときの製造作業を容易化させることができ、かつ、発生する磁場分布についても解析的に定めた設計値からのずれも減らすことができるMRI傾斜磁場発生用コイルを提供することを、その目的とする。
本発明のMRI傾斜磁場発生用コイルは、上述した課題を解決するために、コイル導体を巻装する円筒状のボビンと、このボビンに前記コイル導体を螺旋状に複数ターン巻き回した巻線部とを有するMRI傾斜磁場発生用コイルにおいて、前記巻線部は、前記ボビンの軸方向に求まる離散的な複数の解析値それぞれに対して、前記コイル導体の1ターンの巻始めおよび巻終わりを前記解析値を挟む2つの巻線位置に合わせ、かつ、その1ターンの180度巻いた前記ボビンの軸方向のコイル導体位置がその2つの巻線位置の間にある解析値にそれぞれ一致するように前記コイル導体を螺旋状に巻装したターン部分を備えたことを特徴とするものである。
また、このMRI傾斜磁場発生用コイルは、好適には、前記巻線位置は、当該巻線位置の両側に位置する2つの解析値の間の前記ボビンの軸方向の離間距離を等分した中点の位置であり、さらに、前記解析値は、所望の磁場分布の流線関数およびコイル電流値に基づき定められることを特徴とするものである。
一方、このMRI傾斜磁場発生用コイルは、好適には、前記解析値の最も外側の巻線位置は、前記ボビンの軸方向の最も外側に位置する最外側解析値とこの最外側解析値に隣り合う次の解析値の中間に位置する巻線位置との間の前記ボビンの軸方向離間距離に等しい距離だけ前記最外側解析値よりも前記ボビンの軸方向外側に位置することを特徴とするものである。
また、このMRI傾斜磁場発生用コイルは、磁場共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルのZチャンネルのコイルアセンブリとして形成されているものであり、さらに、前記傾斜磁場コイルは能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記コイルアセンブリはZチャンネルのメインコイルおよびシールドコイルの両方であるものである。
また、例えば、MRI傾斜磁場発生用コイルは、前記ボビン上に形成された螺旋状のコイルパターンを有し、前記ターン部分は、前記コイルパターンに従って前記コイル導体を巻装したものであることを特徴とするものである。
本発明のMRI傾斜磁場発生用コイルにおいては、コイル導体をレーンチェンジ巻きすることなく、レーンチェンジ巻きと同等のコイル特性を有し、さらに、コイル導体をボビンの軸方向に螺旋状に巻装するとき、解析的に求めた離散的な解析位置を通るようにコイル導体を1ターンずつ巻装したので、コイル導体が解析的な解析位置や巻線位置からのずれを防止し、コイルの巻線作業を簡素化して製造作業が容易になり、発生する空間磁場分布についても解析的に定めた設計値からのずれを減少させ、傾斜磁場発生性能を向上させることができる。
以下、本発明に係るMRI傾斜磁場発生用コイルの実施形態について添付図面を参照して説明する。
この実施形態では、MRI傾斜磁場発生用コイルとして磁気共鳴イメージング(MRI)装置の能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC:Actively Shielded Gradient Coil)のZチャンネルのコイルアセンブリを例示する。
図1には磁気共鳴イメージング装置のガントリ1の概略断面を示す。このガントリ1はその全体が円筒状に形成されており、中心部のボア2が診断用空間として機能し、診断時にはそのボア2内に被検体Pが挿入可能になっている。
ガントリ1は、略円筒状の静磁場用磁石11、この磁石11のボア2内に配置された略円筒状の傾斜磁場コイル12、この傾斜磁場コイル12の例えば外周面に取り付けられたシムコイル13、および傾斜磁場コイル12のボア2内に配置されたRFコイル14を備える。被検体Pは図示しない寝台天板に載せられて、RFコイル14が形成するボア(診断用空間)2内に遊挿される。
静磁場用磁石11は超伝導磁石で形成されている。つまり、外側の真空容器の中に、複数個の熱輻射シールド容器および単独の液体ヘリウム容器が収められ、液体ヘリウム容器の内部に超伝導コイルが巻装・設置されている。
傾斜磁場コイル12は、ここでは能動遮蔽(アクティブシールド)型に形成されている。このコイル12はX軸方向、Y軸方向、Z軸方向毎にパルス状の傾斜磁場を発生させるため、X,Y,Zチャンネル別々にコイルアセンブリを有し、しかも、そのコイルアセンブリは各チャンネル毎に傾斜磁場を外界に殆ど洩らさないシールド構造になっている。
具体的には、能動遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)12は図2に示すように、X,Y,ZチャンネルのXコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブリ12Y,Zコイルアセンブリ12Zがコイル層毎に絶縁されながら積層され、全体として略円筒状を成している。Xコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブリ12YおよびZコイルアセンブリ12Zの各々は、各軸方向の傾斜磁場を発生する複数の巻線部を有するメインコイルと、このメインコイルの巻線部が発生する傾斜磁場(パルス)を磁気的に外界に洩らさないようにシールドする複数の巻線部を有するシールドコイルとを備える。なお、各コイルアセンブリ12X,12Y,12Zは各チャンネル毎に傾斜磁場電源に接続されている。
この内、Yコイルアセンブリ12Yはメインコイル側およびシールドコイル側ともに、ボビンBに巻装された4個のサドル型巻線部を備える。つまり、各側のコイルは、Z軸方向に並置され且つ直列接続される2つのサドル型の巻線部を有するコイル素子を、2組対向配置させている。これにより、Y軸方向に線形に傾斜した磁場を発生可能になっている。
Xコイルアセンブリ12Xも、Yコイルアセンブリ12YをZ軸に関して90度回転させた状態で同様に配置される。
さらに、ZチャンネルのZコイルアセンブリ12Zは、図3にその概略を示す形状のメインコイル12Zmおよびシールドコイル12Zsを備える。これらのメインコイル12Zmおよびシールドコイル12Zsは、図2に示すように、Z軸方向に互いに所定距離を離して層状に重ねられている。
メインコイル12Zmおよびシールドコイル12Zsのそれぞれは図3に示す如く、中空円筒状のボビンBと、平板状のコイル導体Cとを備える。コイル導体CはボビンB上に螺旋状のコイルパターンに沿って巻装され、Z軸方向の左右両側で対称に巻線部CRa,CRbが形成されている。巻線部CRa,CRbはボビンBのZ軸方向中心部で一方から他方の巻線部に渡すことで、電気的には互いに直列に接続されている。この巻線部CRa,CRbを流れる電流によってZチャンネルの傾斜磁場が形成される。
この巻線部CRa,CRbそれぞれを形成するコイル導体Cの複数回の螺旋状のターンは、本発明に係る巻線位置の設定手法に基づいて形成されている。この設定手法を図4に示す。なお、同図は巻線部CRa,CRbの内の一方の巻線部CRbについて例示しているが、もう一方の巻線部CRaについてはX−Y面に関して対称に巻装される。
巻線部CRb(CRa)を形成するには、図5に示すように、まずコイル導体Cを離散的に巻くための第1の巻線位置としてのZ軸方向の巻線位置の解析値を求める。この解析値は、例えば、傾斜磁場のZチャンネルに対して所望の磁場分布を決め、この磁場分布を反映させた磁場分布の流線関数を求め、さらに、この流線関数とコイル電流値に基づき離散的な巻線位置を決めることで求められる。このようにして求められた第1の巻線位置の解析値をいま、例えば図4に示す如く、一方の巻線部CRbについて、解析値=z,z,z,z,z,zとする。
次いで、図5に示すように、この解析値から第2、第3の巻線位置としてZ軸方向の巻線位置を求める。
最初に第2の巻線位置としてのZ軸方向の中間値をそれぞれ求める。ここでの中間値の「中間」は、解析値同士の「間に位置する」ことを意図している。
具体的には、解析値相互間にこの場合には5個の中間値=z12,z23,z34,z45,z56(本発明の第2の巻線位置に相当)を演算によりそれぞれ設定する。例えば、解析値z,zのZ軸方向の中間には、それらの解析値z,zのZ軸方向の距離2αを2等分する中点位置を演算し、この中点位置を中間値=z12として設定する。つまり、この中間値=z12は解析値z,zのいずれからも等距離αとなる。同様に、解析値z,zのZ軸方向の中間には、それらの解析値z,zのZ軸方向の距離2αを2等分する中点位置を演算し、この中点位置を中間値=z23として設定する。以下、解析値z,zのZ軸方向の中間、解析値z,zのZ軸方向の中間、および解析値z,zのZ軸方向の中間についても同様にして、それらの中間値=z34,z45,z56をそれぞれ設定する。なお、この中点位置の精度は、製造時におけるコイル巻装の実際の作業に照らした所定の誤差範囲内に収まっていればよいものとする。
さらに、一連の解析値列のZ軸方向の両外側に第3の巻線位置としてのZ軸方向の外側値をそれぞれ求める。一方の解析値=zのZ軸方向外側には、外側値=z10が設定される。本実施形態によれば、その隣の解析値zから中間値=z12までの距離α を利用し、この距離α分だけ解析値zよりも外側に移動させた位置を演算し、この位置を一方の外側値=z10(1つの巻線位置)として設定する。また、もう一方の解析値=zのZ軸方向外側には、外側値=z67が設定される。この場合にも、その隣の解析値zから中間値=z56までの距離αを利用し、この距離α分だけ解析値zよりも原点寄りに移動させた位置を演算して、この位置を、もう一方の外側値=z67(1つの巻線位置)として設定する。
次いで、このように設定した巻線位置(解析値、中間値、外側値)にしたがってコイル導体CをボビンBに巻装する。コイル導体Cはここでは平板状のものを採用しているので、この平板の長手方向に直交する方向の中心位置を巻線位置に一致させて巻装する。
具体的には、最初に、ボビンBの円周面上の基準位置において、1本のコイル導体Cの巻始め端を一方の外側値(第3の巻線位置)=z10に合わせる。この後、そのコイル導体Cを螺旋状に巻いて、円周方向に180度まで達したときのZ軸方向のコイル導体位置を第1の巻線位置の解析値=zに一致させる。ここからさらに180度巻いたときのZ軸方向のコイル導体位置、すなわち1ターンの巻終わり端(かつ、次ターンの巻始め端)が1個目の第2の巻線位置の中間値=z12と一致するように巻装する。これにより、解析値=zを中心とする最初の1ターンが終わる。
このまま連続してコイル導体Cを螺旋状に巻き、第1の巻線位置の解析値=zを中心とする次ターンを巻装する。このターンの場合、その巻始めの巻線位置は最初の中間値=z12、すなわち第2の巻線位置になっているから、180度巻いたときのコイル導体位置を2番目の第1の巻線位置の解析値=zに、さらに180度巻いて1周したときのコイル導体位置を2番目の第2の巻線位置の中間位置=z23にそれぞれ合わせる。以下同様にして、第1の巻線位置の解析値=z,z,zのそれぞれを中心とするターンを順次、連続して巻装する。さらに最後に、第1の巻線位置の解析値=zを中心とするターンを巻装する。この巻装は、最後の中間値=z56と残りの外側値z67に巻始め端と巻終り端をそれぞれ合わせて同様に実施する。
この外側値z67の位置まで巻いてきたコイル導体CはそのままZ軸方向に渡され、もう一方の巻線部CRaの側に送られる。この巻線部CRaでも同様に螺旋状に巻き回される。
このように形成された能動遮蔽型傾斜磁場コイルは通電によって所定の傾斜磁場パルスを生成することができる。とくに、そのZチャンネルのコイルアセンブリ12Zはメインコイル側およびシールドコイル側共に、本発明に係る傾斜磁場発生用コイルの巻装方法を採用して製造されたものであるため、種々の利点がある。
第1に、従来のレーンチェンジを行うコイル巻装方法(図8参照)に比べて、コイル巻装作業が簡単化され、製造コスト低減に寄与可能となる。本実施形態の場合、従来のように、レーンチェンジが不要であるから、前述したレーンチェンジに伴う不都合が無くなり、コイル巻装作業が容易化する。
第2に、巻線位置の解析値に基づいた従来のコイル巻装作業方法(図9参照)に比べて、磁場発生性能が向上するという利点がある。これは、定性的には、図4における解析値=z,…,zのそれぞれを中心とする各1ターン(螺旋状)の等価的な巻線位置が、それぞれの解析値の位置に一致することで説明できる。従来の図9の場合、そのような1ターンの等価的なコイル位置は、解析値同士間に在り、解析値自身の位置からはずれていた。しかし、本発明の手法の場合、かかる1ターンの等価的なコイル位置を、コイル位置離散化の手法下では最も理想的として定めた解析値に一致又はより近付けることができ、磁場発生性能を向上させることができる。
図6および図7には、磁場発生性能の向上を説明するグラフを比較して示す。両方の図は共に、能動遮蔽型傾斜磁場コイル12のZチャンネルのコイルアセンブリ(メインコイルおよびシールドコイル)にMRI傾斜磁場発生用コイルの巻装方法を適用した場合の、傾斜磁場コイル12から所定距離:2[cm]だけ外側に離れた位置におけるZチャンネルの漏洩磁場分布をシミュレーションしたものである。図6のグラフは、前述した図9の従来のコイル巻装方法による例を表し、図7のグラフはMRI傾斜磁場発生用コイルの巻装方法による例を表している。横軸はZ軸方向のその中心からの距離[cm]、縦軸は漏れ磁場の強度[ミリテスラ:mT]にとっている。コイルターン数は30〜40、コイル電流値は200[A]にとっている。
図6の曲線は上下に大きく変動し、従来法では漏れ磁場が大きいことが分かる。これに対し、図7の曲線の上下変動は、図6のそれよりも大幅に小さくなっており、MRI傾斜磁場発生用コイルの巻線方法を採用することで、漏れ磁場を大幅に小さくできることが分かる。この漏れ磁場防止の効果が最も大きい位置では約1/3程度に減少している。とくに、Z軸方向の位置が40cm±20cm位の中心部は磁気共鳴イメージング(MRI)の撮影領域に相当するが、本発明によればこの中心部での漏れ磁場も従来の図9のコイル巻装方法に比べて大幅に減少していることが分かる。
なお、本発明に係るMRI傾斜磁場発生用コイルは、能動遮蔽型傾斜磁場コイル12のZチャンネルのメインコイルまたはシールドコイルのいずれか一方だけに実施してもよい。また、本発明のMRI傾斜磁場発生用コイルは、能動遮蔽型ではない傾斜磁場コイルのZチャンネルのコイルアセンブリにも同様に実施できる。さらに、本発明に係るMRI傾斜磁場発生用コイルおよび巻線方法は、螺旋状に巻くコイルに広く適用でき、例えば、磁気共鳴イメージング装置における静磁場補正用のシムコイルのZ,Z,Z,Z,Z,…など、Z以外のチャンネルについても好適に実施でき、同様の作用効果を得ることができる。
また、本発明の第2、第3の巻線位置として上述した実施形態では、解析値(第1の巻線位置)の位置相互間の距離の中点を利用していたが、本発明の第2、第3の巻線位置は必ずしもこれに限定されず、中点から所定距離だけ積極的にずらした位置も取り得るものである。
本発明のMRI傾斜磁場発生用コイルは、ボビンの外表面上にそのボビンの軸方向に沿って離散的な複数の第1の巻線位置を解析的に定め、この第1の巻線位置相互間のそれぞれに第2の巻線位置を定めておき、コイル導体の1ターンの巻始めおよび巻終わりを隣接する2つの第2の巻線位置に合わせ、かつ、その1ターンの180度巻いたコイル導体位置がその2つの第2の巻線位置の間に在る第1の巻線位置にそれぞれ一致するようにコイル導体を巻装するようにしたため、コイル導体をボビンに螺旋状に巻装するときの製造作業を従来よりも格段に容易化させることでき、同時に、発生する傾斜磁場分布についても解析的に定めた設計値からのずれを減らして、シールド性能を高めたり、または、高いシールド性能を保持するなど、傾斜磁場発生性能を向上させることができる。
本発明のMRI傾斜磁場発生用コイルを実施した磁気共鳴イメージング装置のガントリの概略断面図。 能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZ軸方向に直交する面(図1中のII−II線に沿った破断した面)の概略断面図。 能動遮蔽型傾斜磁場コイルのZチャンネルのコイルの巻線状態を説明する模式図。 Zチャンネルのコイルアセンブリの導体の巻装方法を説明する模式図。 巻装方法の工程を示す粗いフローチャート。 従来の螺旋状巻きの巻装方法に係る漏れ磁場分布のシミュレーション結果を示す図。 本発明に係る漏れ磁場分布のシミュレーション結果を示す図。 従来の巻装方法の一例を示す図。 従来の巻装方法の別の例を示す図。
符号の説明
12 能動遮蔽型傾斜磁場コイル
12Z Zチャンネルの傾斜磁場コイル
12Zm メインコイル(磁場発生用コイル)
12Zs シールドコイル(磁場発生用コイル)
CRa,CRb 巻線部
C コイル導体
B ボビン

Claims (7)

  1. コイル導体を巻装する円筒状のボビンと、このボビンに前記コイル導体を螺旋状に複数ターン巻き回した巻線部とを有するMRI傾斜磁場発生用コイルにおいて、
    前記巻線部は、前記ボビンの軸方向に求まる離散的な複数の解析値それぞれに対して、前記コイル導体の1ターンの巻始めおよび巻終わりを前記解析値を挟む2つの巻線位置に合わせ、かつ、その1ターンの180度巻いた前記ボビンの軸方向のコイル導体位置がその2つの巻線位置の間にある解析値にそれぞれ一致するように前記コイル導体を螺旋状に巻装したターン部分を備えたことを特徴とするMRI傾斜磁場発生用コイル。
  2. 前記巻線位置は、当該巻線位置の両側に位置する2つの解析値の間の前記ボビンの軸方向の離間距離を等分した中点の位置である請求項1に記載のMRI傾斜磁場発生用コイル。
  3. 前記解析値は、所望の磁場分布の流線関数およびコイル電流値に基づき定められることを特徴とする請求項1または2に記載のMRI傾斜磁場発生用コイル。
  4. 前記解析値の最も外側の巻線位置は、前記ボビンの軸方向の最も外側に位置する最外側解析値とこの最外側解析値に隣り合う次の解析値の中間に位置する巻線位置との間の前記ボビンの軸方向離間距離に等しい距離だけ前記最外側解析値よりも前記ボビンの軸方向外側に位置することを特徴とする請求項1に記載のMRI傾斜磁場発生用コイル。
  5. MRI傾斜磁場発生用コイルは、磁場共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルのZチャンネルのコイルアセンブリとして形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のMRI傾斜磁場発生用コイル。
  6. 前記傾斜磁場コイルは能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記コイルアセンブリはZチャンネルのメインコイルおよびシールドコイルの両方である請求項5に記載のMRI傾斜磁場発生コイル。
  7. 前記ボビン上に形成された螺旋状のコイルパターンを有し、
    前記ターン部分は、前記コイルパターンに従って前記コイル導体を巻装したものであることを特徴とする請求項1に記載のMRI傾斜磁場発生コイル。
JP2008109941A 2008-04-21 2008-04-21 Mri傾斜磁場発生用コイル Expired - Lifetime JP4551946B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008109941A JP4551946B2 (ja) 2008-04-21 2008-04-21 Mri傾斜磁場発生用コイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008109941A JP4551946B2 (ja) 2008-04-21 2008-04-21 Mri傾斜磁場発生用コイル

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33404296A Division JP4143141B2 (ja) 1996-12-13 1996-12-13 Mri磁場発生用コイルの巻装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008229360A true JP2008229360A (ja) 2008-10-02
JP4551946B2 JP4551946B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=39902809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008109941A Expired - Lifetime JP4551946B2 (ja) 2008-04-21 2008-04-21 Mri傾斜磁場発生用コイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4551946B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014202514A1 (en) * 2013-06-17 2014-12-24 Koninklijke Philips N.V. Magnetic resonance imaging gradient coil

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6094705A (ja) * 1983-09-06 1985-05-27 ゼネラル・エレクトリツク・カンパニイ 円筒形コイル及び磁界発生装置
JPH0884711A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Ge Yokogawa Medical Syst Ltd Mri用勾配コイル

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6094705A (ja) * 1983-09-06 1985-05-27 ゼネラル・エレクトリツク・カンパニイ 円筒形コイル及び磁界発生装置
JPH0884711A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Ge Yokogawa Medical Syst Ltd Mri用勾配コイル

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014202514A1 (en) * 2013-06-17 2014-12-24 Koninklijke Philips N.V. Magnetic resonance imaging gradient coil
CN105308472A (zh) * 2013-06-17 2016-02-03 皇家飞利浦有限公司 磁共振成像梯度线圈
JP2016523620A (ja) * 2013-06-17 2016-08-12 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 磁気共鳴イメージング傾斜コイル
RU2655474C2 (ru) * 2013-06-17 2018-05-28 Конинклейке Филипс Н.В. Градиентная катушка магнитно-резонансной визуализации
US10145914B2 (en) 2013-06-17 2018-12-04 Koninklijke Philips N.V. Magnetic resonance imaging gradient coil

Also Published As

Publication number Publication date
JP4551946B2 (ja) 2010-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2409170B1 (en) A tesseral shim coil for a magnetic resonance system
US7777489B2 (en) Magnetic resonance imaging apparatus, shield coil, manufacturing method of shield coil, and driving method of magnetic resonance imaging apparatus
CN102472830B (zh) 用于使直线性加速器和磁共振成像设备彼此屏蔽的方法和装置
WO2011040157A1 (ja) 傾斜磁場コイル、及び磁気共鳴イメージング装置
JP4421079B2 (ja) Mri用傾斜磁場コイル
EP3011357B1 (en) Magnet assembly for combined magnetic resonance imaging and radiation therapy
JP4551946B2 (ja) Mri傾斜磁場発生用コイル
US7825663B2 (en) Gradient coil, magnetic resonance imaging apparatus and gradient coil manufacturing method
JP2007167143A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4143141B2 (ja) Mri磁場発生用コイルの巻装方法
JP4129330B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置における能動遮蔽型傾斜磁場コイルのzチャンネルのシールド形コイルアセンブリ
CN103327890B (zh) 倾斜磁场线圈装置以及磁共振成像装置
JP5204813B2 (ja) 傾斜磁場コイル、及び、磁気共鳴イメージング装置
US10006977B2 (en) Open magnetic resonance imaging
JP4551522B2 (ja) Mri装置
JP6058319B2 (ja) 磁気共鳴撮像装置用のヘリカル傾斜コイル
JP5199014B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JPH10155760A (ja) 磁場発生用コイルユニット
US5208571A (en) Magnet winding with layer transition compensation
JP2014042685A5 (ja)
JP4839078B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び電磁石装置
JP5298056B2 (ja) 超電導磁石装置及び磁気共鳴イメージング装置
WO2019187465A1 (ja) 傾斜磁場コイル装置および磁気共鳴撮像装置
JPH04141145A (ja) Mr装置の磁場補正装置
Chen et al. Design and fabrication of a 2.5 T superconducting dipole prototype based on tilted solenoids

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100615

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100712

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term