以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明を適用した遊技機の一例としてパチンコ機PMの正面図を図1に示しており、まずこの図を参照してパチンコ機PMの全体構成について概要説明する。
パチンコ機PMは、外郭方形の所定枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成された開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設された枠ヒンジ機構3a,3bにより前方に横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉止状態に保持される。
前枠2の前面側では、前側面域に合わせた方形状のガラス扉5および球皿ユニット6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cにより横開き開閉および着脱が可能に組付けられ、常には施錠装置4を利用して閉鎖状態に保持される。球皿ユニット6の右側下部には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル8が設けられている。前枠2の上部には、遊技盤10を着脱可能に収容保持する収容枠が設けられており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤10が着脱可能に取り付けられ、常には閉鎖保持されるガラス扉5のガラス窓を通して前面の遊技領域PAを遊技者に臨ませるようになっている。
遊技盤10は、一般的には、積層合板の表面にセルが粘付された化粧板11を基板とし、その前面側に内外の案内レールに囲まれて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが形成される。遊技領域PAには、図示省略する多数本の遊技釘や風車とともに、固定入賞具や可動入賞具等の各種の入賞具13、中央に表示開口を有して額縁状に形成され化粧板11を表裏貫通する装飾枠装着孔に取り付けられた中央飾り30、中央飾り30の裏面側に取り付けられ遊技展開に応じた画像を表示する液晶表示パネル15などが設けられ、遊技領域PAの下端部には、入賞具13に落入せずに落下した遊技球を遊技盤10の裏面に排出させるアウト口16が設けられている。ガラス扉5および遊技盤10の各部には、LEDやランプ等を用いた種々の電飾装置18,18…が設けられている。
遊技盤10の後方に位置する前枠2の裏面側には、詳細図示を省略するが、裏セット盤と称される機構セット盤が取り付けられており、ここに、球貯留タンクや球払出装置などの賞球の払出機構、遊技盤10から排出されたセーフ球やアウト球等の遊技済み球を遊技施設の回収装置に導く遊技済み球排通路などの球処理機構が設けられている。また、裏セット盤の後面各部には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板、主制御基板における遊技展開状況に応じて液晶表示パネル15、電飾装置18、スピーカ、後に詳述するシャンデリア装置100等の作動を制御し遊技展開を視覚的・聴覚的に演出する演出制御基板、主制御基板からの指令信号に基づいて球払出装置の作動を制御する払出制御基板、発射ハンドル8からの操作信号に応じて遊技球発射装置の作動を制御する発射制御基板などの種々の回路基板が取り付けられ、これらがコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成される。
このように概要構成されるパチンコ機PMにあって、図2〜図4に中央飾り単体の図面を示すように、中央飾り30は、上下左右の枠部31,32,33,34からなる枠フレーム30Fを有して前後に奥行きのある額縁状に形成される。中央飾り30の中央部には、各枠部の内壁面である枠壁41,42,43,44に囲まれて前後に連通する表示開口35が形成され、枠フレーム30Fの後面側に取り付けられる液晶表示パネル15の表示画像を、表示開口35を通して遊技者に視認させるように構成される。なお、図2は中央飾り30の正面図、図3は右斜め前方から見た斜視図、図4は図2中のIV−IV矢視方向に見た中央飾り30の側断面図である。
中央飾り30は、図1にも示されるように、遊技盤10の中央に設けられて遊技者が対面する、いわばパチンコ機PMの顔であり、当該パチンコ機のテーマに合わせて趣向を凝らしたデザインが施される。例えば、本実施形態に示すパチンコ機PMは、博物館ないし美術館をイメージして構成されており、上方枠部31には後に詳述するシャンデリア型の電気装飾装置(以下、シャンデリア装置という)100が設けられ、下方枠部32には鎧を身にまとった騎士のフィギュアを配した振り分け機構45が設けられている。
下方枠部32は、枠壁42が前後3段に分割されて階段状に形成されるとともに、各段に遊技球が左右に転動可能なステージ46a,46b,46cが形成されている。右方枠部34には、所定条件下において開閉される可動入賞装置55が設けられており、可動入賞装置55に入賞した遊技球が右方枠部34に設けられたワープ通路を通って枠内に導入され上段ステージ46aに導かれる。
上段ステージ46aに導かれた遊技球は、この上段ステージ46aを左右に転動し、左右側部に設けられたいずれかの転落口から導出口47a,47bを通って中段ステージ46bに導出され、この中段ステージ46bを左右に転動する間に下方枠部の中央に設けられた振り分け機構45により下段ステージ46cへの誘導と入賞口48への誘導とに振り分けられる。下段ステージ46cに誘導された遊技球はこの下段ステージ46cを左右に転動し、ステージ中央部に形成された導出開口49から遊技盤の盤面に落下する。一方、中央ステージ46bの中央後方に設けられた入賞口48に誘導された遊技球は、中央飾り内部に設けられた入賞検出器に検出された後遊技盤裏面に排出され、他の入賞球やアウト球とともに裏セット盤の遊技済み球排出通路を介して遊技島の回収樋に排出される。
左方枠部33には、神殿の柱をモチーフとした半円柱状のレンズ部材51を有する上下2段の透過照明型の柱状装飾装置52、及び上下のレンズ部材51,51の間から前方に突出す小判状柱状部の前端に宝石をモチーフとしたダイヤカットのレンズ部材53が設けられた透過照明型の小判状装飾装置54が設けられている。一方、右方枠部34には、前述した可動入賞装置55が設けられており、可動入賞装置55に入球した遊技球が右方枠部34の内部に形成されたワープ通路を通って枠内に導入され上段ステージ46aに導かれる。
また、図3及び図4に示されるように、左右の枠部33,34には、それぞれ柱状装飾装置52及び可動入賞装置55の後方に位置して枠内照明装置60,60が設けられている。図2中に付記したV−V矢視の断面図を図5に示し、左方枠部33に設けられた枠内照明装置60の部分拡大図を図6に示す。なお、枠内照明装置60は左右の枠部33,34に略左右対称に設けられており、本実施形態においては、図6に示す左方枠部側の枠内照明装置について説明し重複説明を省略する。
枠内照明装置60は、光源61と、枠壁43(44)に設けられて光源61から出射された照明光を透過させる透光窓65とを主体として構成される。各図には光源61として表面実装型のLED(発光ダイオード)を用いた構成例を示し、例えば単色又は多色のLEDを透光窓65,65…の形成位置に合わせてプリント配線基板に実装して電飾基板62を形成し、この電飾基板62を枠部33(34)の基板支持ボス67に支持固定して左右の枠部33,34に配設される。
枠壁43,44は、電飾基板62の前方及び枠内方を覆う透明樹脂材料製の側枠部材63と、アーチ状の透光窓65,65…が複数形成されて側枠部材63の前方及び枠内方を覆う遮光性樹脂材料製の窓枠部材64とからなり、左右の枠壁43,44が、ともに表示開口35の前方に向けてわずかに開く浅い傾斜角を有して形成される。そして、この枠内照明装置60では、照明光源61が枠壁41,42,43,44に囲まれた表示開口35の内部を照明し、パチンコ機PMの前方に着席した遊技者に光源61が視認されないように構成される。
すなわち、図5及び図6中に、光源61から出射してパチンコ機PMの前方に向かう直接光Ldの軌跡と、後方に位置する液晶表示パネル15に反射された反射光Lrの軌跡とを付記するように、枠内照明装置60は、光源61から出射された光のうち出射角度が小さい光が窓枠部材64により遮光されて透光窓65を透過せず、パチンコ機PMの前方に設けられた遊技席に着席する遊技者を直接照明しないように、換言すれば、遊技席に着席した遊技者から光源61の像が直接視認されないように設定される。このため、液晶パネル15の表示画面を注視しつつ遊技を行う遊技者の視野内に、目障りな輝点(光源61の像)を生じることがない。
一方、光源61から出射され、液晶表示パネル15に反射された反射光Lrは、枠内照明装置60が設けられた左方枠部33(右方枠部34)と表示開口35を挟んで対峙する右方枠部34(左方枠部33)及び隣接する上下の枠部31,32の内面に照射され、遊技席に着席する遊技者を直接照明しないように、すなわち、表示パネルに反射した光源61の反射像が視認されないように構成されている。このため、液晶表示パネル15の表示画面に光源61の反射像が映り込んで表示画面が見づらくなることがない。
また、枠内照明装置60が枠壁43,44に設けられているため、光源61を点灯させると各光源61から出射された直接光Ld及び反射光Lrが、それぞれ対向する枠部34,33及び隣接する上下の枠部31,32を照明して、上下左右の枠壁41〜44に囲まれた枠内全体を明るく照明するが、表示開口35の外側かつ前方に位置する中央飾り30の前面側は照明されない。このため、光源61を点灯または点滅作動させることにより前後に奥行きのある立体的な遊技演出を行うことができ、液晶表示パネル15の視認性を確保したうえで演出効果を向上させることができる。
枠内照明装置60が設けられた左右枠部と繋がる上方枠部31に、シャンデリア装置100が設けられている。シャンデリア装置100は、大別的には、シャンデリア本体101と、シャンデリア本体101の後方に位置する上方枠部31に設けられてシャンデリア本体101を後方から照明するシャンデリア照明装置105と、上方枠部31の後面側に設けられてシャンデリア本体101を左右に揺動させるシャンデリア揺動機構107とを主体として構成される。シャンデリア装置100近傍の拡大図を図7、シャンデリア本体101の斜視図を図8、シャンデリア本体101の背面図を図9、図9中に付記したX−X矢視の側断面図を図10に示す。
シャンデリア本体101は、第1シャンデリア構成部材110、第2シャンデリア構成部材120、及び第3シャンデリア構成部材130からなり、これらを連結した上下3段の連結構成になっている。各段のシャンデリア構成部材110,120,130は、それぞれフレーム部材110F,120F,130Fと、各フレーム部材の盤面を上方から覆う遮光性の化粧部材110T,120T,130Tとを主体とし、第3シャンデリア構成部材130については、フレーム部材130Fの下側に化粧部材130Bが装着されて構成される。
各段のフレーム部材及び化粧部材は、シャンデリア構成部材110,120,130が上段から下段に向けて段階的に広がるように設定され、大きさや装飾部材の数量及び配置が相違するが、各要素の基本構成は同様である。そこで図11及び図12に第3シャンデリア構成部材130における上面側の斜視図及び下面側の斜視図を例示し、この第3シャンデリア構成部材130のフレーム部材130Fを例として説明すると、半円盤状ないし多角形盆状の基盤部131と、この基盤部131から半径方向外方に突出して放射状に延びる複数のアーム部132、及び光拡散性を有して各アーム部132の先端に設けられ周方向に並んで扇状に配設された複数の装飾体133などから構成される。フレーム部材110F,120F,130Fは、例えばポリカーボネート(PC)やアクリル樹脂(POM)、ABS樹脂等の透明な樹脂材料を用い、射出成型等の成形手段により各段ごとに一体に形成される。
各フレーム部材の基盤部111,121,131は、その半径寸法が下段に向かうにつれて大きく設定され、アーム部112,122,132の本数及びその先端に設けられた装飾体113,123,133の個数も下段に向かうにつれて多くなるように、すなわちシャンデリア構成部材の外形が下段に向けて段階的に広がるように構成される。本実施形態では、第1シャンデリア構成部材110から順に5個、8個、11個の装飾体を設けた構成例を示す。
第2シャンデリア構成部材120のフレーム部材120F(以下、第2フレーム部材という、他のフレーム部材についても同様に称呼する)には、基盤部121から上方に突出して側面視クランク状に曲折された舌片状の連結アーム124が設けられ、第1フレーム部材110Fの基盤部111には、軸受ブッシュ126を介して連結アーム124を相対揺動自在に連結支持する短円筒状の第1節点115が形成されている。また第3フレーム部材130Fには、基盤部131から上方に突出して舌片状の連結アーム134が設けられ、第2フレーム部材120Fの基盤部121には、軸受ブッシュ136を介して連結アーム134を相対揺動自在に連結支持する短円筒状の第2節点125が形成されている。また第3フレーム部材130Fには、基盤部131から後方に突出して円柱状の被動突起135が設けられている。
各フレーム部材において基盤部111,121,131から半径方向外方に突出して放射状に延び、基盤部と装飾体113,123,133とを結ぶアーム部112,122,132は、側断面視において滑らかなS字状に形成される。上述したように、シャンデリア装置100では、基盤部、アーム部及び装飾体を、透明な樹脂材料により一体のフレーム部材として形成しており、基盤部〜アーム部〜装飾体が境界無く連続して繋がっている。また樹脂材料の屈折率は空気の屈折率より大きいため、アーム部に入射した光は空気との境界面(内表面)で反射しアーム内部を伝播する。このため、アーム部112,122,132は、単に装飾体113,123,133を基板部から離隔して扇状に配設させる支持構造としての機能のみならず、基盤部と装飾体とを光学的に繋いで光を導くライトガイドとしても機能し、後方の照明光源150から出射された照明光が、アーム部112,122,132を通って装飾体113,123,133の内部に導かれるようになっている。
装飾体113,123,133は、宝石をモチーフとした多面体(多面カット粒状体)であり、例えば、高さ×幅×奥行きが20×15×10mm程度の大きさの立体形状に形成される。ここで、上記のような立体形状を射出成型により中実の立体に構成しようとすると、溶融樹脂の凝固過程における収縮により肉厚の厚い中央部分が窪んで形状が歪む「ひけ」の問題生じる。一方、「ひけ」を回避するため装飾体の内部に矩形の空洞部を形成すると、装飾体が透明であるがゆえに内部が透けて見え、空洞部の存在が違和感をもって認識される。
そこで、シャンデリア装置100では、図13(a)(b)に装飾体単体での正面図(a)、及び装飾体を前後中央で切断した断面図(b)を示すように、装飾体113,123,133の内部に形成されるひけ防止用の空洞部113a,123a,133aの上部形状を、装飾体の輪郭形状に合わせるとともに、カット面が接する稜線に合わせて形成している。このため、パチンコ機前方の遊技席に着席した遊技者には、たとえ空洞部113a,123a,133aが視認されても、その境界線が多面体の輪郭形状の一部、あるいはカット模様の一部と認識され、違和感を生じさせることがない。なお、空洞部の形状は、装飾体の輪郭形状と完全な相似形状でなくてもよく、遊技者の目につきやすい部分(例えば比較的急峻な傾斜線の部分等)について、装飾体の外形輪郭線に概略沿ったものであれば上記効果を得ることができる。
第1,第2,第3フレーム部材110F,120F,130Fの盤面を上方から覆う化粧部材110T,120T,130Tも各段の基本構成は同様であり、例えば図11及び図12に示した第3シャンデリア構成部材130の化粧部材130Tを例に説明すると、基盤部131の盤面を上方から覆う蓋部137と、基盤部131の外周側に配設される周壁部138とからなり、例えばABS樹脂のナチュラル材を用いて射出成型等により形成され、表面に金色又は銀色の反射膜が蒸着されて構成される。周壁部138には、光を透過させるアーチ状の透光部138aが複数設けられており、化粧部材130Tの後方から照射された照明光が各透光部138aを通って前方の装飾体133に照射されるように構成される。蓋部137の上面は、山谷の稜線が放射状に広がる鋸歯状に形成されており、光を散乱させる反射面が形成される。
また、第3フレーム部材130Fの下面側に設けられた化粧部材130Bは、基盤部131の盤面を下方から覆う蓋部147、基盤部131の外周側に配設される周壁部148を有して下方に凸の半円盤状ないしドーム状に形成され、化粧部材130T等と同様の樹脂材料を用い同様の反射膜を蒸着して構成される。周壁部148には、光を透過させるアーチ状の透光部148aが複数設けられており、化粧部材130Bの後方から照射された照明光が各透光部148aを通って前方の装飾体133に照射されるように構成される。蓋部147の下面は山谷の稜線が放射状に広がる鋸歯状に形成されている。これにより、基盤部131の上下の盤面が化粧部材130T,130Bに覆われて遊技者に視認されることがなく、良好な美観と装飾体133の効率的な照明とを両立させることができる。
このように各部が構成されるシャンデリア本体101において、第1,第2,第3の各フレーム部材110F,120F,130Fにそれぞれ化粧部材110T,120T,130T及び130Bを装着固定することで、第1,第2,第3シャンデリア構成部材110,120,130が形成される。そして、第1フレーム部材の第1節点115に軸受ブッシュ126を介して座金付止めネジ等により第2フレーム部材の連結アーム124を枢結することで、第1シャンデリア構成部材110に対して第2シャンデリア構成部材120が相対揺動自在に吊り下げ支持され、第2フレーム部材の第2節点125に軸受ブッシュ136を介して座金付止めネジ等により第3フレーム部材の連結アーム134を枢結することで第2シャンデリア構成部材120に対して第3シャンデリア構成部材130が相対揺動自在に吊り下げ支持される。
そして、第1シャンデリア構成部材110の化粧部材110Tに後方に突出成型された円筒状の固定ボス114,114を上方枠部31のレンズ壁155にネジ固定し、このレンズ壁155を上方枠部31に取り付けることでシャンデリア本体101が上方枠部31に取り付けられる。
シャンデリア本体101が取り付けられる上方枠部31の枠壁41は、シャンデリア本体101の上方に位置する中央枠壁41a,41aと、その左右に形成される側部枠壁41b,41bとからなり、中央枠壁41a,41aが上段の装飾体113の上部を左右から挟み込んでシャンデリア本体101の上方を覆う屋根状に構成される。中央枠壁41a及び側部枠壁41bの枠壁内面には、凹凸が形成されるとともに金色または銀色の反射膜が蒸着され、光を乱反射する反射鏡が形成される。中央枠壁41a,41aは、下方に広がって分散配置される装飾体113,123,133の広がりに合わせて形成され、中央上部で交わる左右の中央枠壁41a,41aの交差角度が鋭角に設定されている。シャンデリア本体101の後方に、シャンデリア照明装置105が設けられている。
シャンデリア照明装置105は、上方枠部31の枠内に設けられた照明光源150と、照明光源150の前方を覆って配設されるレンズ壁155とを主体として構成される。レンズ壁155は、シャンデリア本体101の後方に位置する第1照明レンズ部156と、第1照明レンズ部156の左右に設けられた第2照明レンズ部157,157とからなり、薄い乳白透明の樹脂材料により形成される。第1照明レンズ部156は、比較的粗めのダイヤカットレンズであり、シャンデリア本体101の配設位置及び広がり形状並びに中央枠壁41の屋根形状に合わせたアーチ状に形成される。第2照明レンズ部157は、第1照明レンズ部156よりも目の細かいダイヤカットレンズであり、第1照明レンズ部156よりも小型のアーチ状に形成される。レンズ壁155の前面側には、第1照明レンズ部及び第2照明レンズ部のアーチ形状に合わせた枠状のレンズ枠158が装着固定され、各照明レンズ部157,156,157がこのレンズ枠158により仕切られている。
照明光源150は、その外観斜視図を図14に示すように、複数の第1光源151a及び第2光源151bが設けられた第1電飾基板152と、複数の第2光源151cが設けられた第2電飾基板153とからなり、第1電飾基板152が第1照明レンズ部156の後方、第2電飾基板153,153が左右の第2照明レンズ部157の後方に位置する上方枠部31に取り付けられて構成される。第1,第2光源は、ランプやLED等種々の発光体を用いることができるが、本実施形態では、第1光源151aとしてフルカラーのLED、第2光源151b,151cとして単色のLEDを用い、各LEDを各電飾基板に表面実装して構成している。
これらの光源151(151a,151b,151c)は、図14中に二点鎖線で付記付記するように、第1照明レンズ部156及び第2照明レンズ部157のアーチ形状に合わせて各照明レンズ部を後方から照明するように配置される。また第1電飾基板152の光源151a,151bは、第1,第2,第3シャンデリア構成部材110,120,130の配設位置に合わせて配置される。
具体的には、第1光源151aが、連結アーム124,134を挟む左右の側部後方に位置し、上下方向では各段の基板部と蓋部の間(111と117、121と127、131と137の各間)、すなわち、後方に開く第1,第2,第3シャンデリア構成部材110,120,130の内部を後方から照明するように構成される。また第2光源151bが、連結アーム124,134を挟む左右の側部後方に位置し、上下方向では下段の蓋部材と上段の基板部との間(137と121、127と111の各間)及び蓋部材117の上方、すなわち、第1,第2,第3シャンデリア構成部材110,120,130の間及び第1シャンデリア構成部材110の上方を後から照明するように構成される。
このため、第1及び第2電飾基板152,153の第2光源151b,151cを点灯させると、シャンデリア本体101の後方において各第1照明レンズ部156及び第2照明レンズ部157が照明され、シャンデリア本体101の背景として3箇所のレンズ部157,156,157全体がアーチ状に発光される。また、各照明レンズ部を透過した光が、上方枠部31の中央枠壁41aおよび側部枠壁41bの反射鏡面により多方向に乱反射され枠内全体が照明される。
一方、第1電飾基板152の第1光源151aを点灯させると、各光源151aから出射され第1照明レンズ部156を透過した照明光が、第1シャンデリア構成部材110,第2シャンデリア構成部材120,第3シャンデリア構成部材130の内部を後方から照明する。ここで、各段のシャンデリア構成部材110,120,130には、光を透過するアーチ状の透光部118a,128a,138aが形成されており、透光部を通った照明光(直接光)が、周方向に並んで扇状に配設された多数の装飾体113,123,133に照射される。また、基板部111,121,131の後端面及びアーム部近傍の立設壁面から入射してフレーム部材110F,120F,130Fの内部を伝播する照明光(内部伝播光)が、基盤部から各アーム部112,122,132を通って各装飾体113,123,133に導かれ各装飾体を内部から照明する。また、各光源151aから斜め前方に出射され、蓋部127,137の表面で多方向に反射された照明光(反射光)が、各装飾体113,123,133に照射される。
このため、第1光源151aが点灯されると、各シャンデリア構成部材に設けられた多数の装飾体113,123,133が、透光部を通った直接光により照明され、透明材料で形成された多面体による透過光及び拡散光により装飾体を立体的に発光させることができる。また、各アーム部112,122,132を通って導かれた内部伝播光によって各装飾体113,123,133が内部からも照明されるため、照明効率を向上させることができるとともに、装飾体内部での多重反射により装飾体全体を明るく発光させることができる。さらに、蓋部127,137の表面で多方向に反射された反射光によって各装飾体が照明されるため、複数段のシャンデリア構成部材の各装飾体を直接光や内部伝播光と異なる角度から照明することができ、照明効率を向上させるとともに装飾体の立体感を向上させた演出効果を発揮させることができる。
また、上方枠部31の中央枠壁41a,41bに凹凸を有して奥行きのある反射鏡が形成され、左右の中央枠壁41a,41aが装飾体113の上部を左右から挟み込んでシャンデリア本体101の上方を覆う屋根状に構成されている。このため、装飾体113,123,133により拡散された散乱光が、反射鏡面に反射されて多方向に拡散され、奥行きのある立体的な光の場を演出することができる。また、第1,第2,第3シャンデリア構成部材の各段に扇状に配設された装飾体が下方に向けて広がって配設され、その上方を覆う中央枠壁41a,41bが装飾体の広がりに合わせて形成されているため、中央枠壁からほぼ全ての装飾体を見ることができる。換言すれば、多数の装飾体により上方に拡散された拡散光のほぼ全てが左右の中央枠壁41a,41aに到達して反射される。従って、より複雑かつ立体的な光の場を演出することができ、立体的かつ変化に富んだ演出表現を行うことができる。また、左右の中央枠壁41a,41aのなす角度が鋭角に形成されているため、装飾体からの拡散光が左右の枠壁間で多重反射され、中央枠壁41a,41aの上端まで枠内全体を明るく照明することができる。
さらに、シャンデリア装置100では、第1電飾基板152に第1光源151aと第2光源151bの2種類の光源を設け、第1光源151aにフルカラーのLEDを用いている。このため、背景照明とシャンデリア本体照明を個別に行うことができ、シャンデリア本体照明では、各装飾体を任意の色彩で発光させることができる。また、第1及び第2光源151a,151bを同時点灯させると、各装飾体113,123,133では、シャンデリア構成部材の後方からの直接光、内部伝播光等による第1光源151aの発光色と、各段のシャンデリア構成部材の間を通って照明される第2照明光源151bの発光色とが混合され、第1光源151aの発光色とも第2照明光源151bの発光色とも異なる色彩で、見る場所に応じて色彩が変化するグラデーションを有した発光が視認される。中央枠壁41a,41aにおいても同様であり、第1電飾基板152の上方に設けられた第2光源151bの発光色と、多数の装飾体により拡散された第1光源151aの発光色とが混合され、場所に応じた色彩のグラデーションを感得することができる。
例えば、第2光源151bとして赤色の単色LEDを用いて赤色発光させ、第1光源151aのフルカラーLEDを青色発光させると、各装飾体113,123,133では、これらの発光色が混合されたピンク色を発色させることができ、中心部で青が強く周縁部で赤が強いグラデーションを形成させることができる。屋根状の中央枠壁41a,41a間においても同様であり、例えば赤色の第2光源に対して第1光源151aを緑色発光させると、全体として黄色を発色させることができ、後方に近い中央枠壁で赤が強く前方で青が強いグラデーションを形成させることができる。従って、既述した各効果に加えて、色彩の混合による発色変化及びグラデーションを伴った立体的な光の場を演出することができる。
さらに、シャンデリア装置100では、シャンデリア本体101がシャンデリア揺動機構107により左右に揺動され、さらに演出効果を高めるように構成されている。シャンデリア揺動機構107は、その概要構成を図15に示すように、上方枠部31の後面側に取り付けられて回転駆動されるモータ171、モータ軸に結合された円盤状のクランクフランジ172、モータ軸とオフセットされてクランクフランジ172の外周部に枢結されたコネクティングアーム173、上方枠部31のスライダ室31s(図7を参照)に左右方向にのみスライド可能に配設され、コネクティングアーム173に枢結されたスライダ174、前後に延びる支軸175に揺動可能に枢支され一端のピン状突部176aがスライダ174のピン受容孔174aに係合された揺動アーム176などからなり、揺動アーム176の他端に形成された円筒状のボス部176bにシャンデリア本体101の被動突起135がブッシュ177を介して係合されて構成される。
このように構成されるシャンデリア揺動機構107では、モータ171が駆動されてクランクフランジ172が回転されると、コネクティングアーム173を介して連結されたスライダ174がスライダ室31sを左右に往復し、このスライダ174に係合された揺動アーム176が支軸175を揺動中心として鉛直面内で左右に揺動される。揺動アーム176の揺動はアーム下端のボス部176bに係合された被動突起135を介して第3シャンデリア構成部材130に伝達され、シャンデリア本体101が揺動される。
ここで、シャンデリア本体101は、第1シャンデリア構成部材110に第2シャンデリア構成部材120、第2シャンデリア構成部材120に第3シャンデリア構成部材130がそれぞれ揺動可能に吊り下げ支持されている。このため、第3シャンデリア構成部材130がシャンデリア揺動機構107により左右方向に移動されたときに、第3シャンデリア構成部材130が第2節点125を中心として相対揺動され、これに伴って第2シャンデリア構成部材120が第1節点115を中心として第1シャンデリア構成部材110に対して相対揺動される。すなわち、シャンデリア装置100では、シャンデリア本体101が一体として左右揺動するのではなく、第1シャンデリア構成部材110に対して第2シャンデリア構成部材120、第2シャンデリア構成部材120に対して第3シャンデリア構成部材130が相対揺動して、シャンデリア本体101が折れ曲がるように屈折しながら揺動する。
この第2,第3シャンデリア構成部材120,130の揺動状態は、各シャンデリア構成部材120,130の質量と第1,第2節点115、125の静摩擦係数との関係により定まり、微視的にはスティック・スリップを繰り返す揺動運動となる。また、一方のシャンデリア構成部材が揺動すると、その影響を受けて他方も揺動することから、両者の動きは一様でなく、作動ごとに変化の態様が異なる複雑な動きをさせることができる。そして両者をどのように揺動させるかを、軸受けブッシュ126,136により設定することができる。
例えば、第1節点115及び第2節点125に設ける軸受ブッシュ126,136として、硬質ポリウレタンやシリコンゴム等のような摩擦係数が高い材料を用いた場合にはスティック・スリップが明確に現れ、ギクシャクした間欠的な揺動運動をさせることができる。他方、軸受ブッシュ126,136として高分子ポリエチレンやフッ素樹脂等の低摩擦係数の材料を用いた場合には、スティック・スリップを殆ど起こさない滑らかな揺動運動をさせることができる。また第1,第2節点に摩擦係数が異なる軸受ブッシュを組み合わせて用いること、例えば、第1節点115に高摩擦係数、第2節点125に低摩擦係数の軸受ブッシュを用いて構成することも可能である。
また、シャンデリア揺動機構107では、揺動アーム176の揺動中心である支軸175と、第1節点115及び第2節点125とを異なる高さ位置に設定している。具体的には、本実施形態のシャンデリア装置100では、支軸175を第1節点115と第2節点125の間の高さ位置に設けている。この構成による第2シャンデリア構成部材120及び第3シャンデリア構成部材130の揺動の様子を図16(a)に模式的に示すように、被動突起135が支軸175を揺動軸とする揺動アーム176により左方に移動されると、第3シャンデリア構成部材130が第2節点125を中心として左方に揺動され、揺動アーム176の腕の長さが連結アーム134の腕の長さよりも長いため、第2シャンデリア構成部材120も第1節点115を中心として左方に揺動される。このとき、第2シャンデリア構成部材120と第3シャンデリア構成部材130の揺動方向は、ともに左方向で同一であるが、鉛直線Lvに対する揺動角度θは、第2シャンデリア構成部材120の揺動角度θ2と第3シャンデリア構成部材130の揺動角度θ3とが異なった角度となり、シャンデリア本体101が屈折しながら同一方向に揺動する。
一方、揺動アームの支軸175′を第2節点125よりも下側に設けた場合の第2,第3シャンデリア構成部材120,130の揺動の様子を図16(b)に示す。この場合、被動突起135が揺動アーム176′により左方に移動されると、第3シャンデリア構成部材130が第2節点125を中心として左方に揺動される一方、揺動アーム176′の腕の長さが連結アーム134の腕の長さよりも短いため、第2シャンデリア構成部材120は第1節点115を中心として右方に揺動される。すなわち、第2シャンデリア構成部材120と第3シャンデリア構成部材130の揺動方向が逆方向となり、第2シャンデリア構成部材120の揺動角度θ2′と第3シャンデリア構成部材130の揺動角度θ3′とが大きく異なった角度となって、シャンデリア本体101が深く折れ曲がるように屈折しながら逆方向に相対揺動する。
従って、支軸175と、第1及び第2節点115,125とを異なる高さ位置に設けた構成により、第2シャンデリア構成部材120と第3シャンデリア構成部材130とが異なる揺動角度で同一方向または逆方向に揺動させることができ、複雑な動きを確実に行わせることができる。
第1〜第3シャンデリア構成部材110,120,130には、光を拡散させる多数の装飾体113,123,133が設けられており、上記のような複雑な揺動に伴って多面カットが施された多数の装飾体による屈折光や拡散光が複雑に変化するとともに、変動する拡散光が他の装飾体や枠壁41a,41bを照明し反射されて、さらに複雑な光の散乱を形成する。従って、シャンデリア本体101を上記シャンデリア揺動機構107により揺動させることにより、極めて複雑かつ幻想的な演出表現をすることができる。
なお、以上説明した実施形態では、「装飾体」として、ダイヤカットの多面体を用いた構成を例示したが、照明光源150から出射された光を多方向に拡散させる光拡散性を有する部材であれば良く、例えば、短冊状の金属片やチェーン等のような不透明材料製の反射体や、ガラスビーズや多面柱状体等のような透明材料性の透過及び屈折体、透明材料の立体内部に光を反射する微小フレークを多数混入した散乱体などであっても良い。また、本実施形態では、シャンデリア本体101を3段構成とし、第1シャンデリア構成部材110を上方枠部31に固定配設した構成例を示したが、段数は4段以上としてもよく、最上段のシャンデリア構成部材を揺動可能に配設しても良い。さらに、揺動方向は左右方向に限らず、前後を含む2次元または3次元的に揺動させるものであっても良い。
また、以上説明した実施形態では、本発明をパチンコ機に適用した構成例について説明したが、本発明は種別の異なる他の遊技機、例えばアレンジボール機や雀球遊技機、スロットマシン等についても同様に適用し同様の効果を得ることができる。