次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機について)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて、遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11を備えている。また、パチンコ機10には、後述する遊技盤40(図4参照)が着脱可能に保持される本体枠としての中枠12が、外枠11の開口前面側に開閉および着脱可能に組み付けられている。更に、パチンコ機10は、遊技盤40の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が着脱し得るよう配設されている(図2参照)。中枠12の前面側には、遊技盤40を透視保護するガラス板14aを備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、前枠14の下方にパチンコ球(遊技球)を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる(図1参照)。なお、実施例では、前枠14の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。図柄表示装置13としては、液晶表示装置やドラム式の表示装置、ベルト式の表示装置等の各種図柄を変動表示可能な従来公知の表示装置を用いることができる。
(中枠について)
図3に示すように、前記中枠12は、上縁をなす上枠部材17と、下縁をなし、スピーカ33や打球発射装置34、操作ハンドル35等が設置された下枠部材18と、左側縁をなす左枠部材19と、右側縁をなす右枠部材20とから構成されている。中枠12は、上下左右の枠部材17,18,19,20を組付けた際に、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材を組付けた際に前後に開口する開口部分が、遊技盤40を設置する遊技盤保持部22として機能する。ここで、中枠12は、外枠11の左上端部および左下端部に設けられた支軸(図示せず)を介して枢支され、左側端部を中心として中枠12を回転させることで、外枠11に対して中枠12を開閉し得るようになっている。
図3に示すように、左枠部材19の開口内側(遊技盤保持部22側)には、上下に離間する位置に、遊技盤40の左側端部を回転および着脱可能に保持する回転保持具23,23が複数設けられている。また、上下の枠部材における右端部(右枠部材20側)には、固定位置および固定解除位置に回転可能な固定具24,24が夫々設けられており、該固定具24,24により遊技盤40の右側上下端部を中枠12に固定し得るようになっている。パチンコ機10では、遊技盤40の左側端部を回転保持具23,23で保持した状態で、遊技盤40の右側端部を押し込んで遊技盤40の左側端部(回転保持具23,23)を中心に回動させて遊技盤40の全体を遊技盤保持部22に臨ませて、固定具24,24を固定位置に回転変位させて遊技盤40の右側上下端部が支持固定される。このように、遊技盤40は、その周縁部の裏面が前記上下および左の各枠部材17,18,19,20に当接支持された状態で、回転保持具23,23および固定具24,24で対応箇所の前面が当接支持されて、前後方向の移動が規制される。そして、この状態の遊技盤40の前面(後述する板部材42の前面)は、中枠12に組付けられている前枠14のガラス板14aに対して予め設定された距離だけ離間する位置に臨むよう構成されている。
図3に示すように、前記上枠部材17の裏側には、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク25が、上枠部材17の左右幅の略全幅に亘って設けられている。この球タンク25は、遊技盤保持部22に配設された遊技盤40の裏側上部に重なるよう形成されており、遊技盤40の上下寸法を最大限大きくし得るようになっている。また、下枠部材18の裏側には、上下の球受け皿15,16に連通する球供給路および設置枠台に設けた球回収樋に連通する球排出路(何れも図示せず)が夫々形成されたセット部材26が配設されている(図2参照)。なお、球タンク25とセット部材26とは、両部材間に架設された球通路ユニット27を介して連通接続されており、該球通路ユニット27に配設された球払出し装置27aの駆動により球タンク25に供給されたパチンコ球を上下の球受け皿15,16へ給出するよう構成されている。
前記セット部材26には、図2に示すように、パチンコ機10の電源制御を行なう電源装置28、球通路ユニット27に配設した球払出し装置27aを駆動制御する払出し制御装置29、前記打球発射装置34を駆動制御する発射制御装置30、外部端末に接続されるインターフェース基板31等が配設されている。なお、これらの各装置28,29,30,31は、遊技盤40の裏側に配設される主制御装置32に配線接続され、該主制御装置32からの制御信号に基づいて所定の制御を実行するようになっている。
(遊技盤)
図4〜図13に示すように、前記遊技盤40は、略矩形状に形成されたベニヤ等の合板からなる板部材42と、この板部材42の後側に取り付けられる裏ユニット50とから基本的に構成される。また、遊技盤40には、裏ユニット50の後面に図柄表示装置13が着脱可能に配設されて(図2参照)、該遊技盤40の中央部に画成された表示部41に該図柄表示装置13の表示面が臨んでいる。そして、遊技盤40では、該遊技盤40の前面に画成される遊技領域40aに打ち出されて流下するパチンコ球による入賞に合わせてあるいは独立して、表示部41から前側(遊技者側)に臨む図柄表示装置13の表示面において図柄変動ゲームや所定の表示演出が行われるようになっている。
(板部材)
図4または図5に示すように、板部材42は、平板状の部材であって、略矩形を基本として四隅が前述した中枠12への取り付け構造に合わせて切り欠き等されて適宜形状とされている。板部材42は、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール43と、この外レール43の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール44とが前面に配設されている(図4参照)。また、板部材42の前面右側には、第1盤面飾り部材45aが配設され、外レール43の右上部から内レール44の下部までの間に、第1盤面飾り部材45aの右方に凹む湾曲形状の内側縁が延在している。そして、板部材42の前面には、外レール43、内レール44および第1盤面飾り部材45aによって略円形の遊技領域40aが画成されている。また、板部材42の前面には、外レール43の左方(遊技領域40aの外側)の上下位置に第2盤面飾り部材45bが夫々配設されている。
前記遊技盤40では、中枠12に配設された打球発射装置34から発射されたパチンコ球が遊技領域40aに対して打ち出されて、該遊技領域40a内をパチンコ球が流下して遊技が行われるようになっている。なお、打球発射装置34から発射されたパチンコ球は、外レール43と内レール44との間を通って遊技領域40aの左上部に打ち出される。ここで、板部材42の前面には、遊技領域40aに位置して多数の遊技釘や風車等が配設されており、これらの部品によって遊技領域40aを流下するパチンコ球の流下方向が不規則に変更される(図4参照)。
図14に示すように、前記板部材42には、装飾枠部材(装飾部材)100、各種入賞装置60,62、遊技領域40aに設けられる飾り部材66やゲート70等に合わせて前後に貫通する貫通口42a,42b,42c,42dが複数開設されている。板部材42は、遊技領域40aの中央部に大きく開設された表示貫通口42aと、この表示貫通口42aの下側に開設され、後述する入賞装置60,62が配設される入賞装置貫通口42bと、この入賞装置貫通口42bの左側に開設された飾り貫通口42cとを備えている。また、板部材42には、表示貫通口42aと内レール44との間に、ゲート70が配設されるゲート貫通口42dが開設されている。表示貫通口42aは、図柄表示装置13の表示面の前側に形成されており、この表示貫通口42aの内側に表示部41が設けられる。そして、板部材42では、表示貫通口42aに対して後述する装飾枠部材100が配設される(図4参照)。
前記板部材42には、表示貫通口42a(表示貫通口42aに嵌め合わせた装飾枠部材100)の下方位置に、遊技領域40aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置60が入賞装置貫通口42bの上部に嵌め合わせて配設されている(図4参照)。また、板部材42には、始動入賞装置60の下方に、遊技領域40aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞装置62が入賞装置貫通口42bの下部に嵌め合わせて配設されている。板部材42には、遊技領域40aの左下縁に沿って形成された飾り貫通口42cに嵌め合わせて下部飾り部材66が配設されている。各下部飾り部材66には、普通入賞装置64の遊技領域40aに臨む普通入賞口64aが設けられている(図4参照)。更に、板部材42には、ゲート貫通口42dに嵌め合わせて、ゲート飾り部材72がパチンコ球の通過を許容するゲート口76aを遊技領域40aに臨ませて配設されている。
(裏ユニット)
図15〜図29に示すように、裏ユニット50は、合成樹脂の成形品であって、板部材42の後面から離間して該板部材42に対向する設置板部(後壁)53と、この設置板部53の外周縁から前方へ突出する壁部54とを有する前側に開放するよう形成された箱枠状の箱状本体52を備えている。裏ユニット50には、設置板部53の略中央部に位置して前後に貫通する裏ユニット開口50aが開設され、設置板部53における裏ユニット開口50aの両脇に後側に突出するように装置支持部52a,52aが形成されている(図6,図28または図29参照)。また、裏ユニット50には、設置板部53における裏ユニット開口50aの下側に後側に突出するように装置支持板52bが形成されている。図5に示すように、遊技盤40は、略矩形状の図柄表示装置13の下面を装置支持板52bの上面で支持すると共に、図柄表示装置13の一側部(実施例では左)に突設された係止突片(図示せず)を左側の装置支持部52aの係止凹部(図示せず)に差し込んで、図柄表示装置13の他側部(右)を右側の装置支持部52aで支持される。そして、遊技盤40は、ナイラッチ等の着脱可能な係合手段(図示せず)で図柄表示装置13の他側部側を固定することで、設置板部53の後側に図柄表示装置13が表示面を裏ユニット開口50aに臨ませた状態で配設される。すなわち、遊技盤40では、裏ユニット開口50aの内側に表示部41が設けられる。
図28または図29に示すように、前記箱状本体52には、壁部54の前端から外方または内方に向けて板部材42と平行に延在する複数の取付フランジ部54aが夫々形成されている。裏ユニット50は、箱状本体52の取付フランジ部54aを板部材42の後面に当接させて、該取付フランジ部54aを介して板部材42に対してネジ止め固定される(例えば図10参照)。すなわち、遊技盤40では、箱状本体52の設置板部53が板部材42から後側に離間し、板部材42の後面と箱状本体52の設置板部53の前面との間に、装置または部材を設置し得る収容空間57,58が画成されるようになっている。
前記裏ユニット50は、箱状本体52の下側に通路形成部56を備えている(図28または図29参照)。通路形成部56は、パチンコ球の通過を検知し得る普通入賞センサ65(図84参照)が取り付けられると共に、普通入賞口64aから入賞したパチンコ球を普通入賞センサ65に案内する球通路56aが形成されている。通路形成部56は、箱状本体52と別体に形成された合成樹脂の成形品であって、各種装置が配設されて剛性が要求される箱状本体52より軟らかい素材で形成され、球通路56aを流下するパチンコ球の流下勢を緩衝するようになっている。また、通路形成部56の後面には、中継基板39の設置部56cが設けられている(図29参照)。
図15に示すように、前記裏ユニット50には、箱状本体52に可動演出装置200,400、装飾ユニット300、発光装置600,620,640,650および発光演出部を構成する発光部430,500,510,520,540,550が配設されている。これらの装置が前記収容空間57,58に収容されたり、板部材42の表示貫通口42a(表示貫通口42aに取り付けられる装飾枠部材100の窓口100a)を介して遊技盤40の前面に臨むようになっている(図4参照)。実施例の裏ユニット50には、設置板部53における裏ユニット開口50aの上側に延在する上辺部53a(図26〜図28参照)および裏ユニット開口50aの左側に延在する左辺部53b(図26〜図28参照)にかけて上部可動演出装置200が配設され、上部可動演出装置200の前側に位置して設置板部53の上辺部53aに上部装飾ユニット300が配設されている(図15または図17参照)。また、裏ユニット50には、設置板部53における裏ユニット開口50aの右側に延在する右辺部53c(図26〜図28参照)と裏ユニット開口50aの下側に延在する下辺部53d(図26〜図28参照)とが交差する部位から右辺部53cにかけて下部可動演出装置400が配設されている。更に、裏ユニット50には、設置板部53の下辺部53dに下部発光装置600が配設され、設置板部53の右辺部53cに右側部発光装置620が配設されると共に、右辺部53cの上部に上部発光装置640が配設され、設置板部53の左辺部53bに左側部発光装置650が配設されている(図22参照)。このように、遊技盤40には、表示部41を囲んで上部可動演出装置200、上部装飾ユニット300、下部可動演出装置400、左右の側部発光装置620,650、下部発光装置600および上部発光装置640、後述する発光演出部が設置され、これらの装置によって所要の演出を行い得るように構成される。
(入賞装置)
図4に示す如く、始動入賞装置60は、板部材42の前面にネジ固定される第1取付ベース板60aの前面側に、遊技領域40aを流下するパチンコ球が入賞可能な上下の始動入賞口(入賞口)60b,60cが設けられる。始動入賞装置60は、第1取付ベース板60aの後側に突出する装置本体部が入賞装置貫通口42bの上部を介して板部材42の後側に突出すると共に、第1取付ベース板60aによって入賞装置貫通口42bの上部を塞いでいる。パチンコ機10では、始動入賞装置60の始動入賞口60b,60cへ入賞したパチンコ球が始動入賞センサ61(図84参照)で検出されることで、図柄表示装置13の表示面で図柄変動が開始されると共に、所定数(例えば5個)のパチンコ球が賞球として上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。また、下側の始動入賞口60cを挟む左右位置には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の羽根部材(図示せず)が設けられている。そして、始動入賞装置60は、第1取付ベース板60aの後面側に設けられた装置本体部に設けた図示しないソレノイドにより羽根部材を揺動することで、下側の始動入賞口60cが開閉される。
図4に示す如く、前記特別入賞装置62は、板部材42の前面にネジ固定される第2取付ベース板62aに、前後に開口する横長の特別入賞口62bが開設されると共に、該第2取付ベース板62aの後面側に、該特別入賞口62bを介してパチンコ球が入賞可能な入賞空間が形成された装置本体部が設けられている。また、特別入賞装置62は、特別入賞口62bを開閉自在に閉成する開閉扉62cを備え、この開閉扉62cを装置本体部に設けた図示しないソレノイドにより開閉することで、特別入賞口62bが開閉されるようになっている。パチンコ機10では、図柄表示装置13で行なわれる図柄変動演出の結果、該図柄表示装置13に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生する。これにより、パチンコ機10では、特別入賞装置62の特別入賞口62bが開放され、特別入賞口62bに入賞したパチンコ球が特別入賞センサ63(図84参照)で検出されることで、多数の賞球が上下の球受け皿15,16に払い出されるよう構成される。なお、始動入賞装置60の装置本体部および特別入賞装置62の装置本体部は、板部材42に穿設された入賞装置貫通口42bを介して板部材42の後方に突出し、両装置本体部が、裏ユニット50の通路形成部56に該装置本体部に対応して形成された入賞装置収容部56b(図15参照)に収容されるようになっている。
(普通入賞装置)
前記板部材42には、装飾枠部材100の下方位置に位置して、特別入賞装置62の特別入賞口62bを挟む左右両側に普通入賞装置64の普通入賞口64aが夫々設けられている(図4参照)。実施例では、図4に示す如く、特別入賞装置62の左側に飾り貫通口42cを塞いで設けられた下部飾り部材66に、遊技領域40aに臨む普通入賞口64aが設けられ、特別入賞装置62における特別入賞口62bより右側に延出する第2取付ベース板62aにも、遊技領域40aに臨む普通入賞口64aが設けられている。下部飾り部材66には、3つの普通入賞口64a,64aが、左から中央に向かうにつれて下がる階段状となるよう上下および左右に離間して設けられている。これに対して、特別入賞口62bの右側には、1つの普通入賞口64aが配置されている。そして、パチンコ機10では、普通入賞口64aに入賞したパチンコ球を、裏ユニット50における通路形成部56と板部材42との間または通路形成部56に形成された球通路56aで案内するようになっている(図15参照)。そして、パチンコ機10では、球通路56aの下流側に設けた普通入賞センサ65(図84参照)でパチンコ球を検出することで、所定数(例えば10個)の賞球が上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。
図4に示すように、前記遊技盤40には、遊技領域40aの最下部、すなわち特別入賞装置62の下側には、始動入賞口60b,60c、特別入賞口62bおよび各普通入賞口64aに入賞することなく流下したパチンコ球を機裏側に排出するアウト口46が形成されている。
(ゲート)
前記板部材42の前面には、遊技領域40aにおける装飾枠部材100の左側に位置して、該遊技領域40aを流下するパチンコ球が通過可能なゲート口76aを有するゲート70が配設されている(図4参照)。ゲート70は、ゲートセンサ71と、このゲートセンサ71を保持するゲート飾り部材72から構成されている。ゲート70は、ゲート口76aを通過するパチンコ球をゲートセンサ71で検出した際に、図示しない普通図柄表示装置における普通図柄の変動表示の契機となる入球検知信号を出力するようになっている。ゲートセンサ71は、主制御装置32に電気的に接続され(図84参照)、実施例の主制御装置32は、ゲート70を通過するパチンコ球をゲートセンサ71が検出したことを条件として、始動入賞装置60の羽根部材を開放するか否かの抽選を行なうよう設定されている。なお、ゲート70の具体的な構成については後述する。
(制御装置)
前記遊技盤40(裏ユニット50)の後面に着脱可能に配設される図柄表示装置13の裏面には、図2に示す如く、該図柄表示装置13の表示を制御する演出表示制御装置36が配設されている。また、図柄表示装置13の後面には、可動演出装置200,400および装飾ユニット300を動作または発光制御したり、各種発光装置600,620,640,650および発光演出部を発光制御したり、スピーカ33の効果音出力制御等を行なう統括制御装置37が、演出表示制御装置36に隣接して配設されている。パチンコ機10では、制御装置同士または制御装置と遊技部品である可動演出装置200,400、装飾ユニット300、発光装置600,620,640,650、発光演出部、図柄表示装置13、スピーカ33、始動入賞センサ61、特別入賞センサ63、普通入賞センサ65およびゲートセンサ71等が配線または中継基板39(図5参照)を介して電気的に接続される(図84参照)。
前記主制御装置32には、始動入賞口60b,60cに入賞したパチンコ球を検出した始動入賞センサ61からの検出信号や、特別入賞口60bに入賞したパチンコ球を検出した特別入賞センサ63からの検出信号や、普通入賞口64aに入賞したパチンコ球を検出した普通入賞センサ65からの検出信号や、ゲート70を通過したパチンコ球を検出したゲートセンサ71からの信号が入力される。主制御装置32は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU、主制御用CPUの制御プログラムを格納する主制御用ROMおよび必要なデータの書き込みおよび読み出しができる主制御用RAM等の電子部品(何れも図示せず)を備えている。
前記主制御装置32は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAMの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、主制御装置32では、始動入賞センサ61から検出信号が入力されると、主制御用CPUが主制御用RAMから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数と主制御用ROMの大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行なう。また主制御装置32では、前記大当り判定の結果が大当りの場合には、大当り演出のみが含まれる変動パターンテーブルから大当り演出を決定する。これに対して、前記大当り判定の結果がはずれの場合には、はずれ演出のみが含まれる変動パターンテーブルからはずれ演出を決定する。大当り演出およびはずれ演出の決定は、前記大当り判定と同様に、主制御用CPUが主制御用RAMから取得した乱数により行なう。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動ゲームの変動時間および演出内容を特定するものである。
前記パチンコ機10では、主制御装置32の抽選結果に応じて出力された統括制御装置37の制御信号に基づいて、演出表示制御装置36が図柄表示装置13に所定の演出表示を行なわせると共に、主制御装置32の制御により出力された払出し制御装置29の制御信号に基づいて、球払出し装置27aによって所定数の賞球が払い出される。また、パチンコ機10では、統括制御装置37の制御信号に基づいて、可動演出装置200,400および装飾ユニット300を作動させたり、各発光装置600,620,640,650および発光演出部を発光させたり、スピーカ33から効果音を出力するようになっている。
前記パチンコ機10では、各所に発光体を設けて発光演出を行っているが、発光体としてLED、EL、電球やその他の発光手段を用いることができる。なお、実施例では、発光体としてLEDが採用されている。
ここで、本願で云う光拡散処理とは、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する例えばドット加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工や、透過する光を乱反射させる加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工、ローレット加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
(装飾枠部材)
図4,図7または図12に示すように、前記板部材42には、センター役物とも称される大型の装飾枠部材(装飾部材)100が、表示貫通口(貫通口)42aに対して配設されている。装飾枠部材100は、表示貫通口42aの開口縁を縁取るように枠状に形成された部材であって、前後に開口する窓口100aが内側に画成されている(図30参照)。遊技盤40では、装飾枠部材100の窓口100aの内側に表示部41が設けられて、表示部41を囲う装飾枠部材100により表示部41の周囲を装飾すると共に、装飾枠部材100によって遊技領域40aと表示部41とを区画している。遊技盤40は、装飾枠部材100が右側に偏倚して配設されて、遊技領域40aの右側部が左側部に比べて狭く設定されており、実施例では装飾枠部材100の上部略中央から右側部にかけて外レール43または第1盤面飾り部材45aの内縁との離間間隔がパチンコ球1〜2個分程度になっている(図4参照)。また、実施例では、板部材42の表示貫通口42aの右側部位が遊技領域40aの下側まで大きく切り込まれており(図14参照)、これに対応して装飾枠部材100の窓口100aの右側部位が下側まで大きく開口している(図4参照)。そして、窓口100aの右側部位には、後述する下部可動演出装置400が臨んでいる(図7参照)。
図30〜図34に示すように、前記装飾枠部材100は、板部材42の前面に当接して該板部材42へのねじ止め部位を有する基枠部102と、この基枠部102の後面に後方に突出形成されて、表示貫通口42aの開口縁に並行して延在する枠延出部(延出部)104と、基枠部102の前面から前方に突出するよう設けられた庇状部106と、基枠部102の前面を覆う板状の枠飾り108とを備えている。基枠部102は、閉じた環を形成する板状部分であって、この板状部分の板面が遊技盤40の遊技盤面に沿う方向に延在している(図33または図34参照)。基枠部102は、外周側が板部材42における表示貫通口42aの開口縁前面に当接すると共に、内周側が表示貫通口42aの内側に臨む前段部位と、この前段部位より枠飾り108の厚み分凹ませて形成され、前面に枠飾り108が取り付けられる後段部位とを備えている。ここで、基枠部102の後段部位は、表示貫通口42aの開口縁から外周縁を離間させて該表示貫通口42aの内側に収容される。
なお、基枠部102は、板部材42に当接する前段部位後面に位置決めピンが突設され(図31参照)、この位置決めピンを板部材42の表示貫通口42aの外側に設けられたピン孔(図示せず)に嵌め合わせることで、装飾枠部材100が板部材42(表示貫通口42a)に対して位置決めされる。
前記枠延出部104は、基枠部102の板面と交差する方向(遊技盤面と交差する方向)に板面が延在する板状部分であって、基枠部102の後面に突出形成されると共に基枠部102の内周側に配置されている(図31または図34参照)。枠延出部104は、基枠部102の全周に亘って表示貫通口42aの開口縁に沿って連設され、表示貫通口42aの開口縁から離間配置されている(図14参照)。すなわち、装飾枠部材100は、板部材42の表示貫通口42aに枠延出部104を挿入して板部材42に取り付けた際に、枠延出部104が板部材42に接触せず、枠延出部104と表示貫通口42aの開口縁との間に空間部100bが画成されるようになっている。なお、枠延出部104は、装飾枠部材100を板部材42に取り付けた際に、表示貫通口42a内に収容される延出寸法に設定され、表示貫通口42aを介して板部材42の後側に突出しないように構成される(図8参照)。
前記基枠部102の後面には、枠延出部104の内側に設けられて、後側に開口するねじ孔を有する庇固定部(ジョイント部)103aと、枠延出部104の外側および枠延出部104の延在ライン上に設けられて、後側に開口するねじ孔を有する枠飾り固定部(ジョイント部)103bとが形成されている(図14または図34参照)。装飾枠部材100は、庇固定部103aを介して基枠部102の後側から庇状部106に対してねじを螺合することで、庇状部106が基枠部102に固定され、枠飾り固定部103bを介して基枠部102の後側から枠飾り108に対してねじを螺合することで、枠飾り108が基枠部102に固定される。すなわち、枠延出部104の外側に設けられた枠飾り固定部103bは、装飾枠部材100を板部材42に取り付けた際に空間部100bに配置されて、空間部100bを介して該枠飾り固定部103bのねじ孔に対してねじが螺合される。
このように、装飾枠部材100では、基枠部102に取り付けられる庇状部106および枠飾り108の固定部103a,103bを枠延出部104を挟んで内外に振り分けて設けてあるので(図14参照)、庇状部106および枠飾り108の固定部103a,103bが互いに干渉し難く、両部材106,108の取り付け作業も行い易くなる。なお、実施例では、庇固定部103aを枠延出部104の内側に設置したが、庇固定部103aも枠延出部104の外側に設置してもよい。この場合は、空間部100bを有効利用することで、枠延出部104の内側に延出する基枠部102の寸法を抑えることができるので、窓口100aを広く確保することが可能である。
前記庇状部106は、基枠部102の前面から前方に突出するよう設けられ、装飾枠部材100の内側の窓口100aと外側の遊技領域40aとの間を仕切って遊技領域40aから窓口100a側へのパチンコ球の転入を規制するようになっている(図4参照)。庇状部106は、前面が板部材42に植設される遊技釘の前端とおおよそ揃えた位置になるよう形成されている。庇状部106は、装飾枠部材100における表示部41の左側上部分(後述するワープ通路150の球通入口151の上側)から表示部41の上側に亘って設けられ、更に上側から右側部下部に亘り、右側部下部から表示部41の下側におけるステージ120の右側部分までにかけて設けられている(図32参照)。
前記枠飾り108は、板部材42の前面に当接するように基枠部102に取り付けられる(図8参照)。具体的には、枠飾り108は、薄板状の部材であって、基枠部102における後段部分の前面に取り付けられ、該基枠部102の外周縁より外側に延出する部位が板部材42の前面に当接するようになっている。装飾枠部材100は、基枠部102において板部材42の前面に当接する前段部分および枠飾り108において基枠部102の外周縁より外側に延出して板部材42の前面に当接する部分の前側が、少なくともパチンコ球が流下可能に構成されている。ここで、実施例の装飾枠部材100では、基枠部102の上側から右側部にかけて枠飾り108が設けられると共に、基枠部102の下側中央部に枠飾り108が設けられている(図33または図34参照)。
図32に示すように、前記装飾枠部材100は、表示部41の上側に延在する庇状部106によって遊技領域40aの上部に打ち出されたパチンコ球を案内して遊技領域40aの左右に振り分けている。装飾枠部材100は、庇状部106によって表示部41の左側略中央から上側、上側から右側下部にかけてパチンコ球の窓口100a側への移動を阻んでいるが、左側略中央(球通入口151の下)から下側にかけての部位が基枠部102の前段部分または枠飾り108で前面が構成されて、板部材42の前面に対してパチンコ球が転動可能な略同一に揃った面を形成している。すなわち、装飾枠部材100では、表示部41の左辺下側から下辺にかけて基枠部102の前段部分および枠飾り108が遊技領域40aの一部を構成し、遊技領域40aから装飾枠部材100の内側に設けられるステージ120側へのパチンコ球の飛び込みまたはステージ120側から遊技領域40aへの流下をパチンコ球の転動を許容する取入部110となっている。
実施例の装飾枠部材100は、基枠部102と枠延出部104とが一体形成されており、基枠部102と直交する後方に突出形成されている枠延出部104が装飾枠部材100の剛性を担保するリブとして機能している(図31参照)。装飾枠部材100は、枠延出部104を表示貫通口42aに挿入すると共に、基枠部102の位置決めピンをピン孔に嵌め合わせ、基枠部102を介して板部材42に対してねじ止めすることで固定される。また、装飾枠部材100は、庇状部106および枠飾り108が基枠部102と別体に構成されており、基枠部102の前面に組み付けた枠飾り108に対して枠飾り固定部103bを介して後側からねじ止めすることで、枠飾り108が基枠部102に固定される(図33または図34参照)。枠飾り108は、基枠部102に対してだけでなく、基枠部102の外周縁より外側に延出する部位が板部材42に対してねじ止め固定される。装飾枠部材100は、基枠部102の前面または該基枠部102の取り付けた枠飾り108の前面に組み付けた庇状部106に対して庇固定部103aを介して後側からねじ止めすることで、庇状部106が基枠部102に固定される。このように、装飾枠部材100は、基枠部102だけでなく、枠飾り108についても板部材42の前面に当接する構成であるので、板部材42に対してよりがたつきなく取り付けることができる。しかも、枠飾り108は、取入部110を構成するものを除いて基枠部102と庇状部106との間に挟んで保持されるので、強固に固定される。
前記装飾枠部材100は、枠延出部104の後縁から延長して後方へ突出するよう形成された位置決めボス112を複数有している(図14、図31または図34参照)。各位置決めボス112は、装飾枠部材100を板部材42に取り付けた際に、表示貫通口42a内に収容される延出寸法または板部材42から後方へ僅かに突出する延出寸法(実施例)に設定されている。各位置決めボス112は、板部材42の後側に配置されて、裏ユニット50の箱状本体52に取り付けられる上部装飾ユニット300のユニット本体302または箱状本体52自体に設けられた位置決め孔52aに夫々嵌合するように構成され、装飾枠部材100と裏ユニット50側との位置決めがなされる(図15参照)。ここで、位置決め孔52aは、箱状本体52に取り付けられるユニット本体302または箱状本体52において、表示貫通口42aの内側に臨む部位に設けられている。実施例では、位置決めボス112が基枠部102の上部に左右に離間して一対設けられると共に、基枠部102の右下部に1つ設けられている(図14参照)。一方、裏ユニット50には、箱状本体52において表示部41の上側に配設される上部装飾ユニット300におけるユニット本体302の上縁に、上側の対をなす位置決めボス112,112に対応して左右に離間して位置決め孔52a,52aが設けられている(図15または図69参照)。また、裏ユニット50の箱状本体52には、表示部41の右下部(下部可動演出装置400の下側)に位置して、右下部の位置決めボス112に対応する位置決め孔52aが設けられている(図15または図28参照)。
このように、装飾枠部材100は、板部材42の表示貫通口42aに挿入される枠延出部104と表示貫通口42aの開口縁との間に空間部100bを画成する構成であるので(図14参照)、枠延出部104や表示貫通口42aの寸法誤差を空間部100bで吸収することができる。すなわち、装飾枠部材100の枠延出部104が表示貫通口42aに干渉することを回避して、装飾枠部材100を歪みなく適切に取り付けることができる。また、装飾枠部材100は、枠延出部104が板部材42の表示貫通口42aに干渉しないので取り付け易く、取り付け作業性を向上することができる。より具体的に説明すると、装飾枠部材100は、単純な円形や四角形等ではなく、様々な意匠形状を達成するために複雑な形状とすることが多く、これに伴って枠延出部104および表示貫通口42aの形状も複雑になる。表示貫通口42aの形状が複雑になると、表示貫通口42aの形成誤差が大きくなるが、前述の如く装飾枠部材100の枠延出部104は、表示貫通口42aから離間するよう設定されているので、板部材42への取り付け時に表示貫通口42aと枠延出部104とが接触することを回避でき、枠延出部104との離間間隔(空間部100b)の範囲内で表示貫通口42aの形状を単純化するのも可能である。ここで、表示貫通口42aを装飾枠部材100の形状と関係なく大きく形成することも考えられるが、板部材42の前面に遊技領域40aが設けられる都合上、表示貫通口42aを大きくすると遊技領域40aを狭めてしまう不都合がある。従って、実施例の如く表示貫通口42aを装飾枠部材100と相似形とするのが、遊技領域40aを確保する観点から好ましく、遊技領域40aを最大限に確保しつつ装飾枠部材を適切に取り付けることができる。
前記装飾枠部材100は、枠延出部104に設けた位置決めボス112が裏ユニット50側に設けた位置決め孔52aに嵌合する構成であるので、板部材42の後側に配設される裏ユニット50との間で装飾枠部材100を位置決めすることができる。すなわち、装飾枠部材100は、裏ユニット50が設置された板部材42に対して取り付ける場合に、枠延出部104と表示貫通口42aとの間に空間部100bがあるが、位置決めボス112と位置決め孔52aとの嵌合により板部材42に対する位置合わせが補助される。また、装飾枠部材100を取り付けた板部材42を裏ユニット50に取り付ける場合は、位置決めボス112と位置決め孔52aとの嵌合により板部材42と裏ユニット50とを位置合わせすることができる。そして、遊技盤40では、裏ユニット50に配設される可動演出装置200,400、上部装飾ユニット300や発光装置600,620等の演出用の装置が装飾枠部材100の窓口100aの内側に臨む構成であるが、位置決めボス112と位置決め孔52aとの嵌合により当該装置および窓口100aを適切に整合させることができる。
特に、上部装飾ユニット300には、ユニット本体302の前側に設けられる動作体320が裏ユニット50の壁部54前端より前側に突出して(図16参照)、装飾枠部材100の窓口100aの内側に位置しており、位置ずれにより装飾枠部材100とが干渉するおそれがある。しかしながら、ユニット本体302には、位置決め孔52aが設けられているので、位置決めボス112と位置決め孔52aとの嵌合による装飾枠部材100への位置合わせ作用を好適に享受できる。
前記遊技盤40は、パチンコ球を案内するステージ120および遊技領域40aからパチンコ球を取り込んでステージ120にパチンコ球を導くワープ通路150を装飾枠部材100に備えている(図4または図30参照)。ステージ120は、表示貫通口42aの内側に位置させて装飾枠部材100における窓口100aの下部中央に設けられ、窓口100aの下縁をなす下縁部上面が遊技領域40aから取り込んだパチンコ球を左右の転動させる転動面として構成される。また、装飾枠部材100は、ステージ120の後側に設けられて、ステージ120の転動面を転動するパチンコ球の裏ユニット50側への落下を阻むカバー部材170を備えている(図4または図30参照)。ワープ通路150は、装飾枠部材100の左側部略中央に位置して遊技領域40aの左側部に臨ませて開口する球通入口151と、ステージ120の左側部に臨ませて開口する球通出口152とを有し(図39参照)、装飾枠部材100における窓口100aの左側縁に沿って設けられている(図30参照)。
(ステージ)
前記ステージ120は、後側から前側に向かうにつれて下がるように形成された段部122,128,138を複数備えており、実施例では3段の段部122,128,138を有している(図36または図37参照)。ステージ120は、最下段(最前列)に位置する第1段部(段部)122の前縁を装飾枠部材100の下辺前面を構成する枠飾り108の上端に突き合わせて、該前縁が遊技領域40aに臨むように設定されている。ステージ120は、第3段部138の後縁が表示貫通口42aを介して板部材42の後側に突出しており、板部材42の前面から裏ユニット50の下辺部54cに前側に設けた下部発光装置600との間の前後の奥行きスペースを用いて設置されている(図8または図86参照)。実施例のステージ120は、透明な合成樹脂製の成型品であって、後側に設置される下部発光装置600を該ステージ120を介して視認可能になっている。そして、遊技盤40では、ステージ120の後側に位置する下部発光装置600によってステージ120の周りを発光演出し得るようになっている。
前記ステージ120は、ワープ通路150を介して遊技領域40aから取り込んだパチンコ球が、最上段に位置する第3段部138に到来するよう構成され、第1段部122と第3段部138との間に位置する第2段部(段部)128を介して第3段部138から第1段部122へパチンコ球が流下するようになっている(図38参照)。なお、実施例では、ワープ通路150の球通出口152がステージ120における第3段部138の左縁部に開口している(図37参照)。各段部122,128,138は、上面がパチンコ球の転動面123,129,139となり、転動面129,139の前縁に連設されて上下に延在する前壁部分が下側(前側)に隣り合う段部122,128の転動面123,129の後縁に繋がり、下側の転動面123,129の後側への移動を阻む壁となっている。なお、第3段部138の後側は、カバー部材170で塞がれている。各転動面123,129,139は、左右方向に長手が延在すると共に、前後方向の短手の幅が少なくともパチンコ球1個分以上に設定されている。実施例では、第2段部128における上面の前後幅が第1段部122および第3段部138の上面と比べて広く設定されている(図44参照)。また、各転動面123,129,139は、前後方向において後側から前側に向けて僅かに傾けて形成されて、パチンコ球が下側の段部122,128に向けて最終的に流下するようになっている(図36参照)。
前記ステージ120は、第1段部122の前面を枠延出部104の内側において基枠部102の後面に当接させると共に、第2段部128(最上段の段部より前側に位置する段部)の後縁下面に下方に向けて延出形成されたステージ固定片(ステージ取付部)121の夫々を(図34,図42,図43または図45参照)、基枠部102の後面に突設されたステージ固定ボス113に突き合わせて、ステージ固定片121を介してステージ固定ボス113にねじ止めすることで固定される(図36参照)。ステージ固定ボス113は、基枠部102の後面に枠延出部104の内側に位置して設けられ、枠延出部104より後方へ突出するよう形成されている(図33または図34参照)。また、ステージ固定ボス113は、基枠部102の下辺部分に左右に離間して複数(実施例では3つ)設けられ、夫々のステージ固定ボス113は後方へ開口するねじ孔を有している。なお、基枠部102の後面には、中央部に位置するステージ固定ボス113の横側に隣り合って、後端にピンを有するステージ位置決めボス114が設けられている(図33または図34参照)。そして、ステージ120は、中央部のステージ固定ボス113に対応して設けたステージ固定片121に開口するピン孔に、ステージ位置決めボス114のピンを嵌合することで、ねじ止めに先立って装飾枠部材100に対して位置決めを行うことができる。
前記ステージ120において、最下段に位置する第1段部122は、パチンコ球が転がる第1転動面123が左右の縁部より中央部が低くなるように形成されている(図32または図38参照)。実施例の第1転動面123は、各縁部から中央部に向けて急勾配で傾斜する外縁傾斜面123aと、この外縁傾斜面123aの内側に接続して該外縁傾斜面123aより緩い勾配で中央部に向けて傾斜する内縁傾斜面123bと、この内縁傾斜面123bの内側に接続して該内縁傾斜面123bより急な勾配で中央部に向けて傾斜する中傾斜面123cと、この中傾斜面123cの内側に接続して該中傾斜面123cより緩い勾配で中央部に向けて傾斜するまたは水平な中央面123dとに区分される(図44参照)。すなわち、第1転動面123は、パチンコ球が左右の縁部に近い部位から落下する程、中央部においてスピードがつくようになっている。なお、第1段部122は、第1転動面123における球通出口152側の左縁部と比べて右縁部が高くなるように形成されている(図42参照)。
前記第1段部122は、第1転動面123の中央部にパチンコ球1個分以上の間隔で左右に離間するよう配置されると共に前後方向に延在するように設けられた一対の第1突起124,124を備えている(図42または図44参照)。各第1突起124は、第1転動面123の中央面123dから上方へ突出して、前面視で略三角形状の山形に形成されている(図42参照)。各第1突起124は、頂部が第1転動面123を前後方向に横切るように形成され、該第1突起124の外側の傾斜面(右側に配置された第1突起124であれば右側の面)が第1転動面123における対応(右側)の中央面124dに接続されている。各第1突起124は、第1転動面123の左右の縁部より該第1突起124の上端が低くなるよう形成されている。第1突起124は、左右の縁部側から第1転動面123に沿って流下するパチンコ球が、その流下する勢いがよい場合(例えば、第1転動面123の外縁傾斜面123aから中央部に向けてパチンコ球が流下する場合)に乗り越え可能で、流下する勢いがない場合(例えば、第1転動面123の中央面123dから中央部に向けてパチンコ球が流下する場合)にパチンコ球の転動を阻む壁となるよう構成される。なお、第1突起124は、中央面123dの接続端よりの突出寸法を、パチンコ球の半径以下に設定するのが望ましい。
前記第1段部122には、一対の第1突起124,124の間に第1ルート125が画成されている(図38または図44参照)。ここで、一対の第1突起124,124は、パチンコ球が2つ並ばない間隔で配置されており、実施例ではパチンコ球1個分の形状に合わせて、該第1突起124における互いに対向する内側の傾斜面が円弧状に形成されている(図42参照)。また、第1ルート125は、後側から前側に向かうにつれて僅かに傾斜しており、実施例では、第1ルート125に到来したパチンコ球を左右の第1突起124,124で挟んで1個ずつ前側に案内するようになっている(図38参照)。更に、第1ルート125は、遊技領域40aへの放出端(前端)が該遊技領域40aに設けられる上側の始動入賞口(入賞口)60bの直上に配置されている。
前記第1段部122には、第1突起124における第1ルート125と反対の横側に、遊技領域40aに向かうパチンコ球の流下を許容する第1流下部126が設けられている(図38,図42または図44参照)。すなわち、第1段部122には、右側の第1突起124の右横側および左側の第1突起124の左横側の夫々に第1流下部126が設けられる。また、第1段部122には、第1流下部126および第1ルート125の放出端を除く該第1転動面123の前縁に第1規制壁127が設けられている(図44参照)。実施例の第1段部122では、第1転動面123における外縁傾斜面123aおよび内縁傾斜面123bにかけて前縁に第1規制壁127が設けられて、第1規制壁127によって外縁傾斜面123aおよび内縁傾斜面123bから遊技領域40aにパチンコ球が流下し難くなっている(図38参照)。一方、第1段部122は、第1転動面123における中傾斜面123cおよび中央面123dにかけて開放されて、中傾斜面123cと第1突起124との間の中央面123dが第1流下部126となっている。ここで、実施例では、装飾枠部材100において基枠部102の下辺より内側に突出する枠飾り108が第1転動面123における左右の外縁傾斜面123aの前端に臨み、当該枠飾り108が第1規制壁127となり、内縁傾斜面123bの第1規制壁127が第1転動面123に一体形成されている(図38参照)。
前記第1段部122の後側に位置する第2段部128は、第1段部122と同様に、パチンコ球が転がる第2転動面129が左右の縁部より中央部が低くなるように形成されている(図38参照)。実施例の第2転動面129は、各縁部から中央部に向けて急勾配で傾斜する外縁傾斜面129aと、この外縁傾斜面129aの内側に接続して該外縁傾斜面129aより緩い勾配で中央部に向けて傾斜する内縁傾斜面129bと、この内縁傾斜面129bの内側に接続して該内縁傾斜面129bより急な勾配で中央部に向けて傾斜する中傾斜面129cと、この中傾斜面129cの内側に接続して該中傾斜面129cより緩い勾配で中央部に向けて傾斜するまたは水平な中央面129dとに区分される(図44参照)。ステージ120は、第2転動面129の外縁傾斜面129aと第1転動面123の外縁傾斜面123aとが面一になっているのを除き、第2転動面129が第1転動面123より基本的に高くなるよう設定されている(図38参照)。また、第2転動面129は、パチンコ球が左右の縁部に近い部位から落下する程、中央部においてスピードがつくように構成される。なお、第2段部128は、第2転動面129における球通出口152側の左縁部と比べて右縁部が高くなるように形成されている。
前記第2段部128は、第2転動面129の中央部に第1突起124の夫々の後側に連続して形成されて前後方向に延在する一対の第2突起130,130を備えている(図44参照)。すなわち、一対の第2突起130は、第2転動面129の中央部にパチンコ球1個分以上の間隔で左右に離間するよう配置されている。実施例において、一対の第2突起130,130は、パチンコ球が2つ並ばない間隔で配置されている。各第2突起130は、第2転動面129から上方へ突出して、前面視で略三角形状の山形に形成されている。各第2突起130は、頂部が第2転動面129を前後方向に横切るように形成され、該第2突起130の外側の傾斜面(右側に配置された第2突起であれば右側の面)が第2転動面129における対応(右側)の中央面129dに接続されている。各第2突起130は、第2転動面129の左右の縁部より該第2突起130の上端が低くなるよう形成されている。各第2突起130は、第2転動面129からの突出高さが後側から前側に向かうにつれて大きくなるように形成されており、実施例の第2段部128では、第2転動面129が後側から前側に向かうにつれて下方傾斜しているので、第2突起130の頂部の位置が略水平になっている(図36参照)。第1突起124は、第1転動面123からの突出高さが第2突起130の第2転動面129からの突出高さより高く設定されており、実施例では、第1突起124が第2突起130の接続端(後端)から前側に向かうにつれて上方傾斜するように高くなっている(図36参照)。なお、第2突起130は、中央面129dの接続端よりの突出寸法を、パチンコ球の半径より小さく設定するのが望ましい。
前記第2突起130は、左右の縁部側から第2転動面129に沿って流下するパチンコ球が、その流下する勢いによって(例えば、第2転動面129の外縁傾斜面129aから中央部に向けてパチンコ球が流下する場合)に乗り越え可能で、流下する勢いがない場合(例えば、第2転動面129の中央面129dから中央部に向けてパチンコ球が流下する場合)にパチンコ球の転動を阻む壁となるよう構成される。ここで、第2突起130は、第2転動面129からの突出高さを第1突起124における第1転動面123からの突出高さより低く形成して、第1突起124よりパチンコ球が乗り越える確率が高くなるよう設定される(図36参照)。また、第2突起130は、第2転動面129からの突出高さが後側から前側に向かうにつれて大きくなっているので、第2転動面129の前後方向に何れの領域をパチンコ球が通るかによっても、第2突起130を乗り越える確率が変わるように構成される。すなわち、第2転動面129では、後側の領域になる程、第2突起130を乗り越えやすくなっている。
前記第2段部128には、一対の第2突起130,130の間に第2ルート131が画成され、この第2ルート131の放出端(前端)は第1ルート125の後端に接続している(図44参照)。また、第2ルート131は、後側から前側に向かうにつれて僅かに傾斜しており、実施例では、第2ルート131に到来したパチンコ球を左右の第2突起130,130で挟んで1個ずつ前側に案内するようになっている。
前記第2段部128は、第2転動面129における左右の縁部の夫々に設けられ、前側の第1段部122に向かうパチンコ球の流下を許容する第2横流下部132と、第2転動面129の中央部において第2突起130における第2ルート131と反対の横側に設けられ、前側の第1段部122に向かうパチンコ球の流下を許容する第2中流下部133とを有している(図38または図44参照)。第2段部128では、第2転動面129における外縁傾斜面129aと内縁傾斜面129bとの間に第2横流下部132が設けられている。第2横流下部132は、第2転動面129における外縁傾斜面129aと内縁傾斜面129bとの間の部位を該第2転動面129の前後に亘って凹ませて形成されている(図38参照)。実施例の第2横流下部132は、その左右の幅がパチンコ球1個分以上で、かつパチンコ球が2つ並ばない寸法に設定されている。
前記第2段部128には、第1転動面123の外縁傾斜面123aと面一な外縁傾斜面129a、第2中流下部133、第2ルート131の放出端および第2横流下部132を除く該第2転動面129の前部に第2規制壁134が設けられている(図38または図44参照)。実施例の第2段部128では、第2転動面129における内縁傾斜面129bおよび中傾斜面129cにかけて前部に第2規制壁134が設けられて、第2規制壁134によって内縁傾斜面129bおよび中傾斜面129cから第1段部122にパチンコ球が流下し難くなっている。一方、第2段部128は、第2転動面129における第2突起130の横側に位置する中央面129dの前側が開放されて、中傾斜面129cと第2突起130との間の中央面129dが第2中流下部133となっている。第2段部128は、第2転動面129における内縁傾斜面129bの第2規制壁134を、該内縁傾斜面129bの前縁より後側に離間した部位に立設して、該第2規制壁134により内縁傾斜面129bの前後幅が狭くなるように形成してある(図44参照)。これに対して、第2段部128は、第2転動面129における中傾斜面129cの第2規制壁134を、該中傾斜面129cの前端に立設しており、中傾斜面129cの前後幅全体をパチンコ球の転動スペースとして用いることが可能である。なお、第1規制壁127および第2規制壁134は、対応の転動面123,129からの突出寸法がパチンコ球の半径より小さく設定されており、パチンコ球の勢いによっては当該規制壁127,134を乗り越えることができるようになっている。
前記第2転動面129には、凹設された第2横流下部132における中央部側の側縁に第2規制壁134より低く形成された転動規制片(規制片)135が設けられている(図44参照)。転動規制片135は、第2転動面129の内縁傾斜面129bにおける第2横流下部132との接続部位に、前後方向に亘って突出形成され、転動規制片135により第2転動面129の左右の縁部から中央側へのパチンコ球の移動確率を調節している。
前記第2転動面129には、左右方向に延在する転動案内片(案内片)136が前後方向に並べて複数(実施例では3本)突設されている(図44参照)。実施例の第2転動面129では、転動案内片136が第2転動面129における中傾斜面129cから中央面129dの一部にかけて設けられ、各転動案内片136が該中傾斜面129cの前縁に設けた第2規制壁134より低く(中傾斜面129cからの突出寸法が小さく)なるよう形成される。実施例では、最前列に位置する案内片136が、内縁傾斜面129bの前端部に設けられる第2規制壁134に連なっており、第3段部138との離間幅がパチンコ球1個分に設定された内縁傾斜面129bの第2規制壁134によって案内されたパチンコ球が案内片136に受け渡されるようになっている。前後に離間して並列する複数の転動案内片136は、中傾斜面129c側の端縁が前側より後側に配置された転動案内片136ほど外側(第2転動面129の右側に設けられる転動案内片136であれば右側)に位置し、中央面129d側の端縁が前側より後側に配置された転動案内片136ほど外側(第2転動面129の右側に設けられる転動案内片136であれば左側)に位置するよう形成される(図44参照)。
前記第2段部128の後側に位置する第3段部138は、パチンコ球が転がる第3転動面139が左右の縁部より内側に向かうにつれて下方傾斜してから、更に中央部に向かうにつれて凸になるよう湾曲形成されている(図38参照)。第3転動面139は、中央部の凸面の頂部が左右の縁部上端より低く設定されており、左縁部の上端に後側に向けて開口するワープ通路150の球通出口152からパチンコ球を受け取るようになっている。第3段部138には、第2ルート131、第2中流下部133および第2横流下部132の後側から外れた位置に、該第2段部128へのパチンコ球の流下を許容する第3流下部140が設けられ、該第3流下部140を除く該第3転動面139の前縁に第3規制壁141が設けられている。実施例の第3段部138は、第3転動面139における左右の縁部の傾斜面が凸面に変曲する部位の夫々に第3流下部140が設けられ、第2転動面129における第2横流下部132と中傾斜面129cとの間に位置する内縁傾斜面129bに第3流下部140の放出端が臨んでいる。また、第3規制壁141は、第3転動面139における左右の縁部の傾斜面および凸面の前端に突出形成されている。なお、第3規制壁141は、第3転動面139からの突出寸法がパチンコ球の半径より小さく設定されており、パチンコ球の勢いによっては当該規制壁141を乗り越えることができるようになっている。
このように、ステージ120には、装飾枠部材100の左側部に開口する球通入口151からワープ通路150を介して、または装飾枠部材100の取入部110を介して、遊技領域40aからパチンコ球が導入されるようになっている。ワープ通路150で案内されたパチンコ球は、ステージ120における第3転動面139の左縁部に後側に開口する球通出口152から放出され、下球ガイド片179によって第3転動面を右方に転動するように案内される(図39参照)。第3転動面139で左右に転動するパチンコ球は、当該第3転動面139で低くなっている部位である第3流下部140を介して第2段部128の第2転動面129における内縁傾斜面129bに流下する(図38参照)。なお、第3転動面139には、第3流下部140を除く前縁に第3規制壁141が立設されているので、第3流下部140以外からパチンコ球が流下し難く、パチンコ球を第3転動面139で長く転動させることができる。また、第3段部138は、第3流下部140を第2ルート131、第2中流下部133や第2横流下部132とずらして配置してあるので、第3流下部140から流下するパチンコ球が第2段部128の第2転動面129を左右に転動することなく、第2ルート131、第2中流下部133や第2横流下部132から下段へ流下するのを抑制することができる。
前記第2転動面129の内縁傾斜面129bは、前部に第2規制壁134が立設されており、また比較的緩勾配に設定してあるので、パチンコ球は中央部側または外側の何れかに振り分けて転動される(図38参照)。パチンコ球は、第2転動面129の内縁傾斜面129bで中央部側に振り分けられた場合、比較的急勾配の中傾斜面129cで付勢されて該第2転動面129を左右に転動する。ここで、第2転動面129は、中央部に立設した第2突起130が低く設定されているので、第2転動面129を左右に転動するパチンコ球が第2突起130を乗り越える可能性が高く、一対の第2突起130,130の間で左右方向への移動力を失った場合にパチンコ球が第2ルート131を介して第1ルート125に案内される。また、第2転動面129の中央面129dで第2突起130を乗り越えることができなかったパチンコ球は、第2突起130の横側の第2中流下部133から第1転動面123の中央面123dに流下する。このように、第2転動面129は、第1転動面123に流下するパチンコ球の道筋として、第2横流下部132、第2中流下部133または第2ルート131に代表される複数の経路を有してるので、第2転動面129におけるパチンコ球の動きに長く興味を引くことができる。また、第2段部128では、第2規制壁134によって第2ルート131、第2中流下部133や第2横流下部132以外の部分からパチンコ球が流下するのを抑制でき、第2転動面129でパチンコ球をより長く転動させることができる。
前記第2転動面129の中傾斜面129cでは、前後に並列配置した転動案内片136の間にパチンコ球の一部が嵌ることによって左右方向に案内しているので、パチンコ球の前後方向への移動が抑えられ、第2転動面129でパチンコ球を比較的長く保持することができる。また、第2転動面129の内縁傾斜面129bおよび中傾斜面129cに設けられる第2規制壁134は、第2転動面129の後壁をなす第3段部138の前面からパチンコ球略1個分の離間間隔に設定されているので、パチンコ球を第2転動面129の中央面129dの後側領域に偏倚して転動するように案内している。しかも、複数の転動案内片136は、前側に位置するもの程、中央部側に長く延びているので、中傾斜面129cを転動するパチンコ球は複数の転動案内片136によって後側へ向けて案内される。そして、第2突起130は、前側から後側に向かうにつれて低くなるように設定されているので、第2転動面129の後側領域を転動するパチンコ球は第2突起130を乗り越え易く、パチンコ球をより長い時間に亘って第2転動面129で転動させることが可能になる。このように、第2転動面129は、始動入賞口60bへの入賞確率が高い第1ルート125に導く第2ルート131を設けて入賞への期待感を保持しつつ、パチンコ球を左右に比較的長く転動させることができ、パチンコ球の動きによる興趣を長く保つことができる。
一方、パチンコ球は、第2転動面129の内縁傾斜面129bで外側に振り分けられた場合、第2横流下部132から第1転動面123の内縁傾斜面123bに流下したり、第2横流下部132を越えて外縁傾斜面129aに転動する(図38参照)。ここで、第2転動面129では、第2横流下部132の側縁に設けた転動規制片135によって第2横流下部132で案内するパチンコ球の割合を調整している。すなわち、第2転動面129の内縁傾斜面129b側から外側へパチンコ球が転動する場合は、転動規制片135を乗り越える必要があるので、転動規制片135に阻まれて中央部側に向けて案内されるパチンコ球の割合が大きくなる。これに対して、第2転動面129の外縁傾斜面129a側から中央部側へパチンコ球が転動する場合は、凹状の第2横流下部132を通過して更に転動規制片135を乗り越える必要があるので、パチンコ球が第2横流下部132に案内される割合が大きくなる。
前記第2横流下部132から第1転動面123の内縁傾斜面123bに到来したパチンコ球は、該内縁傾斜面123bの傾斜に沿って中央部側に案内されて比較的急勾配の中傾斜面123cで付勢される(図38参照)。第1突起124は、第2突起130より高く設定されていて第2突起130より乗り越える可能性が低いが、パチンコ球の勢いによっては乗り越え可能に設定してあり、第2突起130より高く設定されているが故に一対の第1突起124,124の間に画成される第1ルート125に入ったパチンコ球を、第2ルート131より高い確率で放出端に向けて案内することができる。そして、ステージ120を転動したパチンコ球が第1ルート125に入れば、図柄変動ゲームの契機になる始動入賞口60bの直上からパチンコ球を放出し得るようになっている。
前記第1転動面123には、第1流下部126および第1ルート125を除く前縁に第1規制壁127が立設されているので、第1流下部126および第1ルート125以外からパチンコ球が流下し難く、第1転動面123の左右の縁部に到来したパチンコ球を第1規制壁127により第1ルート125に向けて案内でき、パチンコ球を第1転動面123で長く転動させることができる。また、第1転動面123には、第1ルート125だけでなく、第1ルート125の隣に第1流下部126を設けてあるので、第1転動面123から遊技領域40aへ流下するパチンコ球の道筋として、第1流下部126および第1ルート125に代表される複数の経路を有してるので、パチンコ球の動きに変化を与えることができ、第1転動面123におけるパチンコ球の動きに長く興味を引くことができる。しかも、ステージ120は、第1転動面123の外縁傾斜面123aと第2転動面129の外縁傾斜面129aとが面一に形成されているので、外縁傾斜面123a,129aを介して第1転動面123から第2転動面129にパチンコ球が戻ることもあり、ステージ120でより長くパチンコ球を保持することができる。
このように、前記ステージ120は、3つの段部122,128,138で構成されているが、途中の段部128,138(第2および第3段部)に、遊技領域40aに直接繋がる放出口が設けられていないので、ステージ120に到来したパチンコ球は、最下段の第1段部122に基本的に到来させることができる。また、パチンコ球は、各段部122,128,138の転動面123,129,139のどの道筋を通っても、始動入賞口60bから大幅に離れた部位でステージ120から遊技領域40aに放出されることがなく、最下段の第1段部122において中央部に設けられて始動入賞口60bの直上に位置する第1ルート125または第1ルート125の隣に位置して始動入賞口60bの直上から僅かに外れた第1流下部126に向けて案内される。すなわち、ステージ120は、遊技領域40aから取り込んだパチンコ球を長く保持できるので、遊技者の注意を長い間引き付けることができる。また、最下段の第1段部122の第1転動面123のどの位置にパチンコ球が入っても第1ルート125近傍へ向けて案内されるので、パチンコ球の始動入賞口60bへの入賞の期待を長く持続させることができる。ステージ120は、第2段部128の第2転動面129でパチンコ球が中央側でなく側方に転動して第2横流下部132から第1段部122の第1転動面123に流下した場合に、第2横流下部132からパチンコ球を受け取る第1転動面123の内縁傾斜面123bが第1突起124より高く設定されているので、内縁傾斜面123bから流下するパチンコ球が第1突起124を乗り越える確率が高くなっている。よって、ステージ120は、パチンコ球が中央側ではなく側方へ転動したとしても必ずしも不利になる訳ではなく、第1ルート125に入る可能性が高くなる場合もあるので、遊技者の入賞への期待感をより長く持続することができる。
しかも、第2段部128では、第2ルート131を画成する第2突起130,130が低く形成されているので、該第2突起130,130にあまり邪魔されることなく、第2段部128の第2転動面129でパチンコ球を長く転動させることができる。そして、第1ルート125に入ったパチンコ球は、両側の第1突起124,124が高く形成されているので、始動入賞口60bへ向けて適切に案内される。更に、第1ルート125と第2ルート131とでパチンコ球を前側へ案内する確率が異なるように設定してあるので、より遊技者の注意を引き付けることができる。更にまた、ステージ120およびカバー部材170が光を透過するので下部発光装置の発光によりステージ120を転動するパチンコ球を光により演出でき、遊技者が注視するポイントの1つになっているステージ120で転動するパチンコ球の動きを強調し得る。
(カバー部材)
前記カバー部材170は、装飾枠部材100の窓口100aの内側に設けられて、ワープ通路150または取入部110を介してステージ120側に転入するパチンコ球の表示部41側への移動を規制して、パチンコ球が裏ユニット50側に落下しないように区画している(図30または図32参照)。カバー部材170は、装飾枠部材100における窓口100aの下部領域を覆ってステージ120における第3転動面139の後側を塞ぐ区画壁部(後壁部)172と、この区画壁部172の表示部41側の端縁(内縁)に前側へ延出するように設けられた庇壁部174とを備えている(図36または図37参照)。なお、実施例のカバー部材170は、透明な樹脂成型品であって、該カバー部材170の後側に配設される下部発光装置600による発光演出や表示部41で行われる表示演出が該カバー部材170を介して視認可能に構成される。また、実施例のカバー部材170では、区画壁部172と庇壁部174とが一体形成されている。
前記区画壁部172は、窓口100aの下部領域を覆う板状部分であって、ステージ120の上部およびステージの後側に対応する部位に、後側に向けてへ凹むように形成されたカバー凹部173を有している(図40参照)。なお、カバー凹部173は、上面がステージ120の第1ルート125に対応する位置が頂部になる山形に形成されている(図30参照)。
前記庇壁部174は、装飾枠部材100の窓口100a下縁から上方に離間してステージ120の上側に延在する部位と、装飾枠部材100の窓口100a左側縁に沿って設けられたワープ通路150の表示部41側に沿わせて延在する部位とを有している(図30参照)。実施例の庇壁部174は、ステージ120の上側に延在する部位とワープ通路150に沿う部位とが連ねて形成されている。ワープ通路150は、装飾枠部材100の表示部41側に設けられ、前面が取入部110と同じまたは後側に延在するよう構成されて取入部110の一部をなし、球通入口151の下側から遊技領域40aから取り込んだパチンコ球をワープ通路150の前面を介してステージ120側に取り込むことができる。また、庇壁部174は、前縁が装飾枠部材100の庇状部106の前面に合わせて配置して前後方向に延在し、遊技領域40a側と裏ユニット50側とを仕切るよう構成されている。
前記カバー部材170は、ステージ120の第3段部138をカバー凹部173に収容して該第3段部138の後面に該カバー凹部173の前面を当接させると共に、カバー凹部173の前面における第3段部138の第3転動面139より下側に延出した部位を基枠部102の後面に突設されたカバー固定ボス115に突き合わせて、カバー凹部173を介してカバー固定ボス115にねじ止めすることで固定される(図33または図34参照)。カバー固定ボス115は、基枠部102の後面に枠延出部104の内側に位置して設けられ、枠延出部104およびステージ固定ボス113より後方へ突出するよう形成されている(図35参照)。また、カバー固定ボス115は、基枠部102の下辺部分に左右に離間して複数(実施例では3つ)設けられ、夫々のカバー固定ボス115は後方へ開口するねじ孔を有している。なお、ステージ120は、第3段部138の後面に後方へ突出する位置決めピン142が左右に離間して設けられ(図44参照)、カバー部材170を装飾枠部材100に取り付けた際に、カバー部材170のカバー凹部173に設けられたピン孔173a(図46参照)が位置決めピン142に嵌合して両者の位置決めがなされる。そして、カバー部材170は、カバー凹部173の上面が第3段部138の第3転動面139の上側に延在すると共に、第3転動面139より上側に延在するカバー凹部173の縦面が第3転動面139の後側を仕切り、カバー凹部173の右側面が各段部122,128,138の右縁部に当接して第1〜第3転動面123,129,139の右縁部を仕切るようになっている。
(ワープ通路)
前記ワープ通路150は、装飾枠部材100と、通路本体154と、カバー部材170の一部とによってパチンコ球を案内可能な通り道として画成されている(図39参照)。より具体的には、ワープ通路150は、装飾枠部材100における表示部41側に面する内壁と、この内壁に対向する横通路壁部156およびこの横通路壁部156の前縁から該内壁に亘って延在する前通路壁部158とを有する通路本体154と、カバー部材170に設けられ、横通路壁部156の後縁から内壁に亘って塞ぐ後通路壁部176とから構成される(図37,図40または図41参照)。ここで、実施例において、ワープ通路150の左側面を構成する装飾枠部材100の内壁とは、基枠部102の後面から後方に延出する枠延出部104であって、ワープ通路150に対応する左側部下半分は、基枠部102の内縁に沿って枠延出部104が設けられている。
前記通路本体154は、ワープ通路150の右側面を構成する横通路壁部156と、ワープ通路150の前面を構成する前通路壁部158とからなる断面略L字形状を基本として、上端部に装飾枠部材100における基枠部102の前側に設置されて遊技領域40aに臨む球通入口151を画成する入口部160と、下端部にステージ120の左側部に設置されて第3段部138の第3転動面139に臨む球通出口152を画成する出口部162とを備えている(図39または図50〜図53参照)。通路本体154は、横通路壁部156がパチンコ球1個分以上でかつ2個並ばない間隔で枠延出部104より離間し、枠延出部104におおよそ並行して湾曲形成されている。また、通路本体154は、前通路壁部158の左縁を枠延出部104の前端に突き合わせて設置され、前通路壁部158の前面と基枠部102の前面とが面一または略面一になっている。なお、本願において「略」という表現は、パチンコ球が流下する部位にあっては、パチンコ球が引っ掛かることなく流下可能な段差を許容する意味である。
前記通路本体154の入口部160は、横通路壁部156および前通路壁部158とからなる断面L字状の基本部分上端に設けられ、前側に隆起するように形成されて後側に開口する樋状部分である(図52または図53参照)。入口部160は、基本部分から左側に延出する部位が基枠部102の前面に当接することで、左側の開放端に球通入口151が画成されると共に、球通入口151から基枠部102の前側を通って基枠部102の内側において後側に向けてパチンコ球を導く通り道を画成している(図39参照)。ここで、入口部160は、球通入口151の上側に位置して基枠部102の左側部上側に取り付けられる庇状部106から下方に延出して基枠部102より前側に離間する庇挟持片116と基枠部102との間に挟持される(図32または図35参照)。
前記通路本体154の出口部162は、横通路壁部156および前通路壁部158とからなる断面L字状の基本部分下端に設けられ、該下端を塞ぐ閉塞面162aと、前通路壁部158および出口閉塞面162aに連ねて横通路壁部156に対向して設けられ、ステージ120の第3段部138の前面に当接する出口案内面162bとを備えている(図51または図53参照)。出口部162の出口閉塞面162aは、横通路壁部156および出口案内面162bより後側に延出するよう形成されている(図53参照)。出口部162は、出口閉塞面162aがカバー部材170のカバー凹部173に挿入されて、ステージ120における第1段部122および第2段部128の左側面を仕切ると共に、該出口閉塞面162a、出口案内面162b、横通路壁部156およびカバー凹部173の左側面とにより第3段部138における第3転動面139の左側部に臨む球通出口152が画成される(図37または図39参照)。また、出口部162は、基枠部102の前面に取り付けられた枠飾り108とステージ120における第3段部138の前面との間に挟持される。ここで、出口部162には、出口案内面162bの後縁部にピン孔162cが設けられ(図50または図51参照)、該ピン孔162cと第3段部138の前面に突設された位置決めピン143(図42または図44参照)とが嵌合して、互いに位置決めされる。このように、通路本体154は、装飾枠部材100を構成する基枠部102および庇状部106で上部が保持されると共に、基枠部102に取り付けられる枠飾り108とこの基枠部102に取り付けられるステージ120で下部が装飾枠部材100に対して保持される。
前記後通路壁部176は、装飾枠部材100における左側部下半分の内壁に合わせて設けられる庇壁部174の後縁に連ねて、区画壁部172の左側に一体形成されている(図46または図47参照)。後通路壁部176は、横通路壁部156の後端および枠延出部104の後端に当接させて、枠延出部104の外側に位置して基枠部102の後面から突設した通路固定ボス117のねじ孔に対してねじ止め固定される(図33または図34参照)。なお、通路本体154およびカバー部材170は、表示部41の表示演出およびワープ通路150を流下するパチンコ球を透かして視認可能な透明または半透明に形成されており、実施例では透明な合成樹脂の成形品である。
前記カバー部材170は、後通路壁部176の上端前面に立設され、上から下に向かうにつれて後方へ偏倚するように傾斜する上球ガイド片178と、カバー凹部173の左側面に立設され、左から右に向かうにつれて後方へ偏倚するように傾斜する下球ガイド片179とを備えている(図46参照)。上球ガイド片178は、パチンコ球の通路の略中央に位置するように一本設けられ、下球ガイド片179は、上下に離間して複数(実施例では2本)設けられている。上球ガイド片178は、前側の入口部160から後側へ向けて通入するパチンコ球を下側に向けて案内している(図39参照)。これに対して、下球ガイド片179は、球通出口152から後側に向けて第3転動面139に放出されたパチンコ球を右側(ステージ120の中央側)に向けて案内している(図37または図39参照)。
前記遊技盤40は、装飾枠部材100の左側部略中央に位置する球通入口151より下側に庇状部106を設けず、遊技盤面と略同一面となるように設定した取入部110を介して遊技領域40aからステージ120にパチンコ球を取り込むことができるようになっている。また、遊技盤40では、装飾枠部材100の取入部110を構成する面とワープ通路150の前面とが略同一面を構成しており、ワープ通路150の前面も取入部110として機能している。このように、遊技盤40は、ワープ通路150を介しての道筋だけでなく、遊技領域40aに大きく開口した取入部110を介してもステージ120にパチンコ球を導くことができ、より多くのパチンコ球をステージ120で転動させることができる。
前記遊技盤40は、ワープ通路150に沿って庇壁部174で表示部41側と遊技領域40a側とが仕切られているので、ワープ通路150の前側を介してパチンコ球をステージに導入しても、表示部41側にパチンコ球が飛び込むことがない。また、ワープ通路150の側方に位置する庇壁部174にぶつかったパチンコ球は、下方へ案内されることになり、より多くのパチンコ球を下側に位置するステージ120に案内することで、遊技者の期待感を高めることができる。すなわち、遊技盤40は、取入部110を設けてステージ120へのパチンコ球の導入確率を高めても、ワープ通路150の表示部41側に沿って庇壁部174が設けられているので、表示部41側へのパチンコ球の落下を防止できる。更に、遊技盤40は、ステージ120における転動面123,129,139の上方も、該ステージ120の後側を塞ぐ区画壁部172より庇状に張り出した庇壁部174によって塞がれるので、ステージ120に導入した後であっても表示部41側へのパチンコ球の飛び込みをより適切に防止できる。なお、カバー部材170において、ワープ通路150の側方に延在する庇壁部174の部分とステージの上方に延在する庇壁部174の部分とが一体形成されると共に、ステージ120の後側を覆う区画壁部172、ワープ通路150の後面をなす後通路壁部176および庇壁部174を一体形成することで、組み付け手間を軽減することができる。また、カバー部材170は、区画壁部172(後通路壁部176)に交差して延在する庇壁部174がリブとして機能するので、全体として剛性を向上することができる。カバー部材170は、装飾枠部材100の左側辺から該装飾枠部材100の右下部の屈曲部位までの広い範囲に亘って設けられているので、カバー部材170により装飾枠部材100の下辺部分の補強が図られる。
前記ワープ通路150は、簡易な構成の通路本体154と、装飾枠部材100の内壁をなす枠延出部104と、表示部41側のパチンコ球の流入を阻むカバー部材170の一部である後通路壁部176とで構成しているので、ステージ120の周りに必然的に配置される装飾枠部材100およびカバー部材170の一部をワープ通路150として兼用することで、装飾枠部材100の表示部41側に設けられるワープ通路150を省スペース化することができる。ワープ通路150を複数の部材から構成することで、合成樹脂の成型品である通路本体154、基枠部102(枠延出部104)およびカバー部材170におけるワープ通路150を構成する部位の構成が簡単になり、成形が容易で、コストを低減することができる。また、ワープ通路150を構成する通路本体154は、装飾枠部材100およびステージ120で挟持保持される構成であるので、通路本体154を固定するためのねじ止め部分や引っ掛け部分等を最小限に抑えることができ、ワープ通路150をより省スペース化することができる。しかも、遊技領域40aからパチンコ球を取り込む球通入口151を画成する入口部160およびステージ120にパチンコ球を放出する球通出口152を画成する出口部162を挟持保持する構成であるので、遊技領域40aやステージ120に対する位置ずれを抑制でき、パチンコ球を適切に案内することができる。
前記ステージ120は、最下段の第1段部122の前面を基枠部102の後面に当接すると共に、第2段部128の下方に設けられたステージ固定片121を、基枠部102の後面に突設されたステージ固定ボス113に当接させて、該ステージ固定片121を介してステージ固定ボス113にネジ止め固定される。また、カバー部材170は、最上段の第3段部138の後面に当接すると共に、装飾枠部材100の基枠部102の後面に突設されたカバー固定ボス115に当接させて、当該当接部位を介してカバー固定ボスにネジ止め固定される。このように、ステージ120およびカバー部材170は、装飾枠部材110を基準として、適切に位置決めされている。なお、通路本体154およびカバー部材170が、表示部41の表示演出を透かして視認可能な透明(実施例)または半透明に形成されているので、ワープ通路150を流通するパチンコ球の動きを前から視認することができると共に、表示部41での表示演出への影響を抑制することができる。
(上部可動演出装置)
図58〜図68に示すように、前記上部可動演出装置200は、単数または複数の上部可動体(可動体)220と、この上部可動体220を動作させる1基の上部駆動機構(駆動機構)270とを備えている。実施例の上部可動演出装置200は、2基の上部可動体220,220を備えており、これらの上部可動体220,220は、上部駆動機構270が配設される上部ベース体202に支持されている(図58参照)。上部可動演出装置200は、遊技盤40の中央部に略矩形状に画成される表示部41の左上角隅部外側に上部ベース体202が設置され、上部ベース体202に配設された上部駆動機構270が表示部41の左上角隅部外側に配置されると共に、上部ベース体202に支持されて該上部ベース体202から延出する2基の上部可動体220,220が、左上角隅部で交差する表示部41の外側の上辺部および左辺部の夫々に振り分けて、待機位置で配置されるようになっている(図15または図17参照)。すなわち、上部可動演出装置200は、一方の上部可動体220A(以下、第1上部可動体という。)が表示部41の外側に位置する待機位置で裏ユニット50の左辺部53bに配置されると共に、他方の上部可動体220B(以下、第2上部可動体という。)が表示部41の外側に位置する待機位置で裏ユニット50の上辺部53aに配置されている。
前記上部可動演出装置200は、第1上部可動体220Aが表示部41の上外側を軸支点として表示部41の左外側に位置する待機位置と表示部41の前側に位置する動作位置との間を往復動し、第2上部可動体220Bが表示部41の上外側を軸支点として表示部41の上外側に位置する待機位置と表示部41の前側に位置する動作位置との間を往復動するように構成される(図7または図12参照)。そして、上部可動演出装置200は、上部ベース体202を介して2基の上部可動体220,220および上部駆動機構270を一体的に取り扱い可能で、裏ユニット50に対して一体的に着脱できるユニット構造となっている。
前記上部可動演出装置200は、板部材42の後面と裏ユニット50における設置板部53の前面との間の前後範囲に収まるように構成されている。上部可動演出装置200は、上部ベース体202および上部駆動機構270が、表示部41の上外側に設けられる板部材42と設置板部53との間から設置板部53とこの設置板部53の前側に離間させて設置される上部装飾ユニット300との間(以下、上部収容空間58という。)にかけて収容されている(図9参照)。また、上部可動演出装置200は、第1上部可動体220Aが、表示部41の左外側に設けられる板部材42と設置板部53との間(以下、側部収容空間57という。)に収容され(図11参照)、第2上部可動体220Bが、設置板部53と上部装飾ユニット300との間の上部収容空間58に収容されている(図8または図85参照)。
前記上部ベース体202は、裏ユニット50の設置板部53に取り付けられる後半体204と、この後半体204の前側を覆って該後半体204に取り付けられる前半体210とから構成される箱状体であって、実施例では後半体204および前半体210の何れも透明な合成樹脂の成形品である(図60〜図62参照)。上部ベース体202は、左右方向に長手が延在する略矩形状に構成されて、裏ユニット50の上辺部53aの左隅から該上辺部53aの略中央部に亘って配置されている(図17参照)。上部ベース体202には、左側の領域に上部駆動機構270が配設されると共に、右側の領域に左右に並んで第1上部可動体220Aおよび第2上部可動体220Bが軸支されている(図21参照)。なお、実施例では、第1上部可動体220Aが第2上部可動体220Bの左側に軸支されている。
前記上部ベース体202の後半体204は、裏ユニット50の設置板部53に対向する板部分前面の上縁および左縁に前出突片205が立設されて、該板部分後面の外縁に後出突片206が立設されている(図61または図62参照)。前半体210は、板部材42の後面に対向する板部分後面の外縁に亘って突出片211が立設されたトレー形状に形成されている(図62参照)。上部ベース体202は、後半体204の前出突片205に前半体210の突出片211を突き合わせてネジ止め固定され、右側面から下面に亘って、第1上部可動体220Aおよび第2上部可動体220Bが挿通するアーム挿通口202aが開設されている(図60参照)。また、上部ベース体202は、裏ユニット50の上辺部53a前面に後半体204の後出突片206を突き合わせてネジ止め固定することで、裏ユニット50の設置板部53と後半体204の板部分との間に、各上部可動体220の装飾体240,250に設けられる装飾体発光基板248,258に接続する配線の配設スペースが画成されている(図9参照)。
前記第1上部可動体220Aおよび第2上部可動体220Bは、基本的な構成が同一であるので、先ず共通する部分について説明する。
前記上部可動体220は、表示部41の外側に設けられた上部駆動機構270により直接または間接的に往復動作されるアーム222と、このアーム222に設けられ、上部駆動機構270によるアーム222の動作につれて表示部41の前側に位置する動作位置と表示部の外側に位置する待機位置との間で動作する複数(実施例では3基)の装飾体240,250,250とを有している(図58または図59参照)。上部可動体220は、複数の装飾体240,250,250のうちの少なくとも1つの装飾体250がアーム222の動作に連動して動作するように、アーム222に対して変位可能に設けられている。そして、上部可動体220は、動作可能な装飾体250がアーム222における一方の動作に連動して動作することで、複数の装飾体240,250,250が互いに集合して動作位置または待機位置で意匠部DHを形成し(図59参照)、該動作可能な装飾体250が該アーム222における他方の動作に連動して動作することで、複数の装飾体240,250,250が互いに離間して分離するよう構成される。上部可動演出装置200では、複数の装飾体240,250,250が、2基の上部可動体220,220の間で対をなすアーム222,222における互いに対向する側に設けられると共に、対をなすアーム222,222および向かい合う装飾体240,250,250が対称な関係で動作される。
実施例の上部可動体220は、アーム222の一端部が上部ベース体202に支持されて、上部ベース体202から延出するアーム222の他端部側に、3基の装飾体240,250,250が該アーム222の延在方向に並べて配置されている(図58または図59参照)。上部可動体220は、中央に位置する装飾体240(以下、固定装飾体という。)を挟んで配置された両端の装飾体250,250(以下、可動装飾体という。)が、アーム222に対して揺動可能に支持されて、アーム222の動作に連動するようになっている(図65,図66,図88または図89参照)。そして、上部可動体220は、対をなす可動装飾体250,250がアーム222の待機位置から動作位置への動作に連動して、固定装飾体240に近接するように夫々変位して、3基の装飾体240,250,250が動作位置で集合して意匠部DHを形成するようになっている(図58参照)。
前記上部可動体220は、対をなす可動装飾体250,250がアーム222の動作位置から待機位置への動作に連動して、固定装飾体240から離間するように夫々変位して、3基の装飾体240,250,250が分離するようになっている(図59参照)。そして、上部可動演出装置200では、2基の上部可動体220,220における夫々のアーム222に設けられた複数の装飾体240,250,250の集合により形成される意匠部DH同士が、動作位置(実施例)または待機位置で集合して1つの意匠体DRを構成するようになっている(図59参照)。実施例の上部可動演出装置200は、各装飾体240,250,250が、アーム222側から離間するにつれて先細りになる扇状に形成されて、各上部可動体220の3基の装飾体240,250,250が集合することで半円状の意匠部DHを形成し、2基の上部可動体220,220の意匠部DHが動作位置で合わさることで、円形の意匠体DRを構成している。なお、実施例の意匠体DRは、銅鑼の如き意匠形状に形成されている。
図65および図66を参照して、可動装飾体250の動作構造について説明する。上部可動体220は、表示部41の上外側において上部ベース体202に一端部が軸支されたアーム222の他端部に揺動可能に設けられた可動アーム226と、この可動アーム226と並べてアーム222の他端部に揺動可能に設けられた補助可動アーム230とを備えている。上部可動体220は、アーム222の他端部に固定装飾体240が設けられ、この固定装飾体240の脇に延出する可動アーム226に一方の可動装飾体250が配設され、可動アーム226と反対側の固定装飾体240の脇に延出する補助可動アーム230に他方の可動装飾体250が配設されている。また、上部可動体220は、一端部が表示部41の上外側において上部ベース体202に軸支されると共に、他端部が可動アーム226におけるアーム222への支持部位から外れた位置に揺動可能に連結された補助アーム234を備えている。そして、上部可動体220には、アーム222、補助アーム234および可動アーム226によって、アーム222が上部駆動機構270で動作されるのに伴って、補助アーム234が変位して可動アーム226を揺動させるリンク構造が構成されている(図65参照)。なお、補助可動アーム230は、可動アーム226に連結されて該可動アーム226の揺動につれて揺動するようになっている。
前記アーム222は、上部ベース体202に軸支される一端部とアーム挿通口202aを介して上部ベース体202から延出する他端部との離間方向に長手が延在する長尺な部材であって、表示部41側が凹になる円弧状に湾曲形成されている(図59,図61または図62参照)。アーム222には、前面外縁に通路壁片222aが立設されており、該アーム222の長手に沿う対向する側縁に夫々立設された対向する通路壁片222a,222aによって他端部から上部ベース体202の内部に収容される一端部に繋がる可動体配線通路(配線通路)223が画成される(図61参照)。可動体配線通路223には、装飾体240,250,250に設けられる装飾体発光基板248,258に接続する配線が収容される。また、アーム222には、上部ベース体202から突出した部位から固定装飾体240の間に亘って前面に通路カバー224が取り付けられ、この通路カバー224により可動体配線通路223の前側を覆っている。
前記アーム222は、前半体210に設けられた軸ボス部212に固定された支軸213によって上部ベース体202に対して揺動可能に支持されている(図61または図62参照)。上部可動演出装置200は、アーム222の後面から後側に突き出た支軸213の後端を後半体204に設けた軸保持孔207で保持すると共に、アーム222の後面から後側に突き出た支軸213に外挿して、アーム222の後面と後半体204との間に摺動性がよい合成樹脂からなる介挿部材214を介在させることで、軸ボス部212と介挿部材214との間でアーム222を前後から挟持している。
前記可動アーム226は、アーム222において該アーム222の長手と交差する横側(表示部41側)に突出するよう形成された他端部の後側に位置して該他端部に対して軸支され、他端部から一端部に向けて突出するように設けられている(図65または図66参照)。可動アーム226は、アーム222の他端部から突出する長手辺がアーム222に沿って延在する第1位置と(図65の実線参照)、該長手辺がアーム222から表示部41側に離間してアーム222から横方向に延出する第2位置(図65の2点鎖線または図66参照)との間で他端部への連結支点を中心に変位するようになっている。ここで、実施例では、可動アーム226が上部可動体220の待機位置で第1位置にあり、上部可動体220の動作位置で可動アーム226が第2位置にあるよう構成される。上部可動体220は、待機位置で第1位置にある可動アーム226に設けた可動装飾体250が、アーム222の他端部に設けた固定装飾体240から離間し、動作位置で第2位置にある可動アーム226の可動装飾体250が、固定装飾体240に近接するようになっている。
前記補助可動アーム230は、アーム222の他端部の後側に位置して該他端部に対して軸支され、該アーム222の他端部から一端部と反対側に向けて突出するように設けられている(図65または図66参照)。すなわち、補助可動アーム230は、可動アーム226と反対側にアーム222の他端部から延出している。補助可動アーム230は、アーム222の他端部から突出する長手辺がアーム222の延在方向に沿って該アーム222を延長するように延在する第1位置と(図65の実線参照)、該長手辺がアーム222の延在方向に対して表示部41側に傾いた第2位置(図65の2点鎖線または図66参照)との間で該アーム222の他端部への支持点を中心に変位するようになっている。ここで、実施例では、補助可動アーム230が上部可動体220の待機位置で第1位置にあり、上部可動体220の動作位置で補助可動アーム230が第2位置にあるよう構成される。上部可動体220は、待機位置で第1位置にある補助可動アーム230に設けた可動装飾体250が、アーム222の他端部に設けた固定装飾体240から離間し、動作位置で第2位置にある補助可動アーム230の可動装飾体250が、固定装飾体240に近接するようになっている。
すなわち、上部可動体220は、アーム222の他端部を挟んで互いに反対側に延出する可動アーム226と補助可動アーム230とが接離するように変位するよう構成されている。上部可動体220は、待機位置で可動アームと226補助可動アーム230とが互いに離間するよう変位してアーム222の延在方向に沿って直線的に連なり(図65の実線参照)、動作位置で可動アーム226と補助可動アーム230とが互いに近接するように変位して表示部41側が凹になる略V字状に延在するようになっている(図65の2点鎖線または図66参照)。このように、上部可動体220は、補助可動アーム230が可動アーム226の揺動動作に対して、アーム222の他端部を挟んで対称な関係で揺動動作するよう構成される。上部可動体220は、待機位置で第1位置にある可動アーム226および補助可動アーム230の可動装飾体250,250が互いに離れて固定装飾体240から離間し、動作位置で第2位置にある可動アーム226および補助可動アーム230の可動装飾体250,250が、互いに近づいて固定装飾体240に夫々近接するようになっている。
前記補助アーム234は、一端部が上部ケース体202の内部で後半体204に軸支されると共に、上部ベース体202のアーム挿通口202aから外方へ延出する他端部が可動アーム226に揺動可能に軸支されている(図65または図66参照)。補助アーム234は、一端部がアーム222の上部ベース体202への軸支点から外れた部位(以下、補助軸支点という。)に軸支される。また、補助アーム234における可動アーム226への軸支部位(以下、補助連結支点という。)は、可動アーム226がアーム222の他端部に軸支される連結支点から外れた位置に設定されている。更に、補助アーム234は、アーム222の後側に該アーム222の後面に沿わせて配置され、他端部がアーム222と可動アーム226との間に位置して可動アーム226に前側から連結されている。そして、補助アーム234は、長手辺の長さがアーム222の長手辺より短く、短手辺の幅がアーム222の短手辺より狭小に設定され、補助アーム234は、アーム222の湾曲形状に合わせて屈曲形成されている。
図65または図66に示すように、上部可動体220は、アーム222の他端部側にある可動アーム226の連結支点と補助アーム234の他端部側にある可動アーム226への補助連結支点とが、アーム222の延在方向に交差する横方向に並べて配置されている。ここで、可動アーム226の連結支点が、アーム222の他端部において補助アーム234の補助連結支点より待機位置から動作位置への動作方向前側(待機位置での表示部41側)に配置されている。また、上部可動体220は、待機位置において、補助アーム234の一端部側の補助軸支点がアーム222の一端部側の軸支点よりアーム222の他端部側に配置されている。更に、補助軸支点は、軸支点と連結支点とを結んだラインに対して、上部可動体220の待機位置から動作位置への動作方向と反対側に位置している。すなわち、上部可動体220は、アーム222の一端部側の軸支点と可動アーム226のアーム222への連結支点とを結んだラインより補助アーム234の一端部側の補助軸支点と補助アーム234の他端部側の補助連結支点とを結んだラインが、上部可動体220の待機位置で表示部41から離間する側に延在するように、各軸支部分が配置されている。
このように設定したアーム222、可動アーム226および補助アーム234からなるリンク構造は、アーム222の軸支点と可動アーム226の連結支点との間の距離より補助アーム234の補助軸支点と可動アーム226への補助連結支点との間の距離が短く設定されている。上部可動体220のリンク構造は、上部可動体220が待機位置から動作位置に変位する際に、アーム222の変位に伴う可動アーム226の連結支点の移動軌跡に対して補助連結支点の移動軌跡が内側(軸支点側)に位置するように変位するので、補助アーム234によって可動アーム226が引っ張られて、可動アーム226がアーム222から離間するように第1位置から第2位置へ向けて変位する。また、上部可動体220のリンク構造は、上部可動体220が動作位置から待機位置に変位する際に、アーム222の変位に伴う可動アーム226の連結支点の移動軌跡に対して補助連結支点の移動軌跡が外側(軸支点から離間する側)に位置するように変位するので、補助アーム234によって可動アーム226が押されて、可動アーム226がアーム222に沿うように第2位置から第1位置に向けて変位する。
前記上部可動体220のリンク構造は、上部駆動機構270によりアーム222が動作されるのに伴って、補助アーム234がアーム222の延在方向に沿って変位して可動アーム226を揺動させるよう構成されている(図65または図66参照)。すなわち、リンク構造は、補助アーム234がアーム222の延在方向と交差する横方向へ変位する量が最小限に抑えるように各軸支部分の位置が設定されて、アーム222の動作につれて補助アーム234が該アーム222の後側に重なる領域で変位するようになっている。
前記上部可動体220は、可動アーム226および補助可動アーム230においてアーム222の他端部から延出する部分に可動装飾体250が夫々設けられている。上部可動体220は、可動アーム226および補助可動アーム230においてアーム222の他端部への軸支部分を挟んで前記延出部分と反対側の部分が、アーム222の他端部の後側において互いに端部を向かい合わせて配置されている。可動アーム226は、アーム222の他端部から延出する端部と連結支点を挟んで反対側の端部(補助可動アーム230側の端部)に、凹凸を連結支点を中心とする円弧状に連ねて形成された正噛合部227を備えている。これに対して、補助可動アーム230は、アーム222の他端部から可動アーム226と反対側に延出する端部と該アーム222の他端部への軸支部分を挟んで反対側の端部(可動アーム226側の端部)に、正噛合部227の凹凸に合わせた凹凸を当該軸支部分を中心とする円弧状に連ねて形成された副噛合部231を備えている。
前記上部可動体220は、正噛合部227と副噛合部231とをかみ合わせて可動アーム226および補助可動アーム230が配設されており、補助アーム234により可動アーム226が揺動されることで、正噛合部227と副噛合部231とのかみ合いを介して補助可動アーム230が揺動される(図65または図66参照)。上部可動体220では、正噛合部227と副噛合部231とがアーム222の他端部の後側でかみ合わせられ、この噛み合わせ部分を挟んで可動アーム226および補助可動アーム230が対称な動作を行うようになっている。すなわち、可動アーム226がアーム222の本体部分に沿う第1位置では、補助可動アーム230がアーム222の本体部分の延在方向に沿って延在する第1位置にあり、可動アーム226および補助可動アーム230が略直線状に並んでいる。これに対して、可動アーム226がアーム222の本体部分から離間する第2位置では、補助可動アーム230がアーム222の本体部分の延在方向から傾いて延在する第2位置にあり、可動アーム226および補助可動アーム230が互いに近づいて略V字状に並んでいる。これにより、上部可動体220は、アーム222に固定された1つの固定装飾体240を基準として、この固定装飾体240の横側に並べて動作可能に設けられた可動装飾体250,250が該固定装飾体240に対して近接または離間するよう動作し、隣り合う装飾体240,250の側縁を沿わせて意匠部DHを構成するようになっている。
前記上部可動演出装置200は、上部駆動機構270が第1上部可動体220Aに接続され、この第1上部可動体220Aを介して第2上部可動体220Bを動作させる構成になっている。上部駆動機構270は、上部モータ(第1のモータ)272と、この上部モータ272に連繋して回転する上部ギヤ部(第1のギヤ部)と、この上部ギヤ部とアーム222との間に設けられ、上部ギヤ部の回転をアーム222の往復動作に変換する上部変換部(第1の変換部)とを備えている(図61〜図64参照)。上部モータ272は、後半体204の左側部において前側に向けて凹設されたモータ設置部204aの後面に、出力軸273を前側に向けて取り付けられ、上部ベース体202の内部に臨む出力軸273の先端に上部ピニオン274が固定されている。上部ピニオン274は、上部ベース体202の内部において前半体210の後面に近接して配置されている。なお、上部モータ272は、正逆回転可能なステッピングモータ等が採用される。
実施例の上部ギヤ部は、前半体210に回転可能に軸支されると共に前半体210の後面に近接して配置された上部回転板(回転板)276で構成されている。上部回転板276は、外周面に歯を有する歯車であって、上部ピニオン274にかみ合わせて上部ピニオン274の右側に配置されて、上部モータ272の正逆駆動に伴って正逆回転するようになっている。上部回転板276は、回転中心より半径方向外側に偏倚して、後面から突出するように設けられた上部連結軸278を備えており、この上部連結軸278が第1上部可動体220Aのアーム222に形成された連結孔237に連繋するようになっている(図65または図66参照)。すなわち、上部駆動機構270では、上部回転板276の回転につれて回転変位する上部連結軸278と第1上部可動体220Aのアーム222に設けた連結孔237とから上部変換部が構成される。
前記連結孔237は、第1上部可動体220Aのアーム222の一端部から分岐して該アーム222の本体部分と略V字状をなすように延出形成されたリンク部236に開設されている(図65または図66参照)。リンク部236および第1上部可動体220Aのアーム222は、上部ベース体202の内部において上部回転板276と後半体204との間に配置され、リンク部236は上部ベース体202の内部で変位するようになっている。第1上部可動体220Aのアーム222は、上部ベース体202への軸支点が上部回転板276の右側に配置され、上部回転板276の後側に配置された上部連結軸278がリンク部236の連結孔237に前側から挿入されている(図63または図64参照)。ここで、連結孔237は、短手の幅が上部連結軸278の外径に合わせて設定され、長手の長さが上部回転板276の回転に伴う上部連結軸278の回転変位軌跡の直径以上に設定されている。上部駆動機構270は、上部回転板276の回転により回転変位する上部連結軸278が、連結孔237の長手に沿って変位しつつ連結孔237の長手辺開口縁を押すことで、アーム222が軸支点を中心に揺動するようになっている。
前記上部駆動機構270は、第1上部可動体220Aの待機位置で上部連結軸278が上部回転板276の頂部に位置して、リンク部236を軸支点から該リンク部236の先端に向かうにつれて僅かに上方傾斜する姿勢に引き上げて(図63または図65参照)、第1上部可動体220Aにおけるアーム222の他端部側を板部材42と裏ユニット50の左辺部53bとの間の側部収容空間57に収容された待機位置に位置させている(図21参照)。上部駆動機構270は、第1上部可動体220Aの待機位置から動作位置への動作に際して、上部回転板276を反時計回りに回転して上部連結軸278を下方へ変位することで、リング部236を軸支点から該リンク部の先端に向かうにつれて下方傾斜する姿勢に押し下げて、第1上部可動体220Aにおけるアーム222の他端部側を側部収容空間57から右方へ変位させる。上部駆動機構270は、第1上部可動体の動作位置から待機位置への動作に際して、上部回転板276を時計回りに回転して上部連結軸278を上方へ変位することで、リンク部236を下方傾斜する姿勢から押し上げて、第1上部可動体220Aにおけるアーム222の他端部側を動作位置から側部収容空間57へ向けて左方へ変位させる。
前記上部可動演出装置200は、上部駆動機構270で第1上部可動体220Aを動かすことで、この第1上部可動体220Aに連動して第2上部可動体220Bを動作し得るようになっている。具体的には、図61または図62に示すように、第1上部可動体220Aのアーム222(1つのアーム)の一端部には、第2上部可動体220Bのアーム222の一端部に隣り合う右側面に軸支点を中心とする円弧状に並ぶ凹凸を有する第1連結歯部280が設けられている。一方、第2上部可動体220Bのアーム222(他のアーム)の一端部には、第1上部可動体220Aのアーム222の一端部に隣り合う左側面に軸支点を中心とする円弧状に並ぶ凹凸を有する第2連結歯部281が設けられ、この第2連結歯部281が第1連結歯部280にかみ合わせて連繋されている(図62または図64参照)。上部可動演出装置200は、上部駆動機構270にリンク部236を介して直接連結する第1上部可動体220Aのアーム222を該上部駆動機構270によって揺動することで、第1連結歯部280と第2連結歯部281との連繋下に、第2上部可動体220Bのアーム222が揺動されるようになっている(図65または図66参照)。
ここで、上部可動演出装置200は、第1連結歯部280と第2連結歯部281との連繋下に、第1上部可動体220Aと第2上部可動体220Bとが反対方向に動作し、第1上部可動体220Aを反時計回り(待機位置から動作位置へ向かう動作方向)に変位すると第2上部可動体220Bが時計回り(待機位置から動作位置へ向かう動作方向)に変位して、互いに近接するように動作するよう構成される(図63〜図66参照)。また、上部可動演出装置200は、第1上部可動体220Aを時計回り(動作位置から待機位置へ向かう動作方向)に変位すると第2上部可動体220Bが反時計回り(動作位置から待機位置へ向かう動作方向)に変位して、互いに離間するように動作するようになっている。すなわち、上部可動演出装置200では、第1上部可動体220Aが表示部41の左外側に位置して側部収容空間57に収容される待機位置にある場合に、第2上部可動体220Bが表示部41の上外側に位置して上部収容空間58に収容される待機位置にあり、第1上部可動体220Aが動作位置にある場合に、第2上部可動体220Bが動作位置に動作している。
前記上部可動体220は、アーム222における上部ベース体202への軸支点より半径方向外側に離間して該アーム222に設けられ、該上部ベース体202に当接する後当接部(当接部)238を少なくとも備えている(図65または図66参照)。後当接部238は、アーム222の一端部後面に後方へ突出するよう形成されて、上部ベース体202の後半体204の前面に当接するよう構成されている。また、後当接部238は、アーム222の一端部に設けられる連結歯部280,281の歯の根元部分に設けられて、該連結歯部280,281の歯の並びに沿ってアーム222の軸支点を中心とすつ円弧状に延在するよう形成されている。実施例では、連結歯部280,281は、アーム222の本体部分と別体に形成されており、アームの本体部分に後側から取り付けられる連結歯部280,281に後当接部238が設けられている。
前記第2上部可動体220Bは、上部ベース体202の後半体204に当接する後当接部238だけでなく、上部ベース体202の前半体210に当接する前当接部239を備えている(図62または図63参照)。前当接部239は、第2上部可動体220Bのアーム222における上部ベース体202への軸支点より半径方向外側に離間して、アーム222の一端部前面に軸支点を中心とする円弧状に延在するよう形成されている。また、前半体210の後面には、前当接部239に合わせて円弧状に延在すると共に後方へ突出するよう形成された当て片210aが設けられ(図62参照)、この当て片210aの後端が前当接部239の前端に当接するようになっている。このように、第2上部可動体220Bのアーム222は、前後の当接部238,239を介して上部ベース体202により前後から挟持されている。なお、第2上部可動体220Bのアーム222の前後に当接部238,239を設ける例を説明したが、第1上部可動体220Aのアーム222にも前後に当接部を設けてもよい。
前記上部可動体220は、アーム222と上部ベース体202との間に弾性部材282を介挿して、この弾性部材282によりアーム222を動作位置に向かう方向または待機位置に向かう方向の何れかに付勢してもよい(図63または図64参照)。ここで、弾性部材282は、上部駆動機構270に直接接続していない上部可動体220(他方の可動体)に設けるのがよく、上部可動体220を持ち上げる動作方向に付勢するのがよい。すなわち、実施例の上部可動演出装置200では、第2上部可動体220Bに弾性部材282が設けられ、該第2上部可動体220Bのアーム222を動作位置から待機位置に向かう方向へ弾性部材282が付勢するようになっている。実施例では、弾性部材282としては、捻りばねが採用されており、コイル部分で軸支点を囲んでアーム222と前半体210との間に弾性部材282を配置し、コイル部分から突出した一方の線条がアーム222に保持される一方(図21参照)、コイル部分から突出した他方の線条が前半体210に保持されている。なお、第1上部可動体220Aのアーム222に弾性部材を設けて、弾性部材の付勢力によってアーム222の動作を補助してもよい。このように、弾性部材によってアーム222の動作を補助することで、上部可動体220をより円滑かつ安定して動作させることができる。
前記上部可動演出装置200は、第1上部可動体220Aの待機位置および動作位置において、上部駆動機構270によらない第1上部可動体220Aの変位を規制するロック構造を有している。上部駆動機構270は、第1上部可動体220Aの待機位置および動作位置において、アーム222に対して揺動方向にかかる力が連結孔237の開口縁から上部連結軸278に対して上部回転板276の半径方向に加わるように構成されている(図63または図64の一点鎖線矢印参照)。すなわち、上部駆動機構270は、第1上部可動体220Aの待機位置および動作位置において、リンク部236における連結孔237の長手辺が上部連結軸278と上部回転板276の回転中心とを結んだラインに対して直交する関係になるよう構成されている。上部駆動機構270は、第1上部可動体220Aの待機位置および動作位置において、第1上部可動体220Aのアーム222に対して軸支点を中心とする揺動方向に力を加えると、リンク部236における連結孔237の開口縁が上部連結軸278に対して上部回転板276の回転方向と直交する横方向に当接する。この際、上部駆動機構270は、上部連結軸278に対して上部回転板276の半径方向に力が加わっても上部回転板276が回転せずに上部連結軸278が変位しないので、上部連結軸278でリンク部236の変位が規制されてアーム222を動かすことができない。
これに対して、上部駆動機構270は、上部モータ272で上部回転板276を回転した際に、アーム222が上部ベース体202に対して回転可能に軸支されてアーム222の揺動方向の変位が規制されていないので、上部連結軸278がリンク部236を押して変位することができる。上部可動演出装置200は、前述の如く、第1連結歯部280および第2連結歯部281の連繋により第1上部可動体220Aのアーム222の動作に連動して第2上部可動体220Bが動作する構成であるので、第1上部可動体220Aが前記ロック構造によって待機位置および動作位置でロックされれば、第2上部可動体220Bについても待機位置および動作位置でロックした第1上部可動体220Aによって上部駆動機構270によらない動作がロックされる。
このように、上部可動演出装置200は、上部回転板276を回転しなければ上部可動体220のアーム222を動かすことができないように構成され、上部可動体220に力が直接かかってもアーム222が動かないようになっている。上部可動演出装置200は、各アーム222の動作端となる他端部に複数の装飾体240,250,250が設けられて重くなっても、待機位置および動作位置で上部可動体220を適切に保持することができる。例えば、第2上部可動体220Bは、待機位置で軸支点から略水平に延在するように上部収容空間58に収容されるので、待機位置で自重により下方へ力が加わるが、磁石や爪等の引っ掛けによる別の保持手段を設けることなく、前記ロック構造により待機位置で保持できる。しかも、ロック構造は、リンク部236における連結孔237と上部連結軸278との位置関係によって構成されるので、上部連結軸278や上部回転板276を特定の位置で係止するための他の部材を必要とせず、簡易な構成で上部可動体220の保持を達成できる。従って、上部可動演出装置200は、遊技盤40の振動等あるいは上部可動体220を大型化して重量が嵩んでも、上部可動体220を待機位置および動作位置で安定して保持できる。なお、ロック機構は、上部可動体220の待機位置または動作位置の何れか一方で機能する構成であってもよい。
前記上部ベース体202の前半体210には、上部回転板276の前側に位置して2条の長孔210b,210bが該上部回転板276の回転方向に離間して設けられている(図58または図59参照)。また、上部回転板276には、2条の長孔の後側に回転軌跡が重なるように配置された操作孔277が4箇所設けられ(図63または図64参照)、第1上部可動体220Aの待機位置で2箇所の操作孔277が下側の長孔210bに臨むようになっている(図58参照)。また、第1上部可動体220Aの動作位置で別の2箇所の操作孔277が上側の長孔210bに臨むようになっている(図59参照)。上部可動演出装置200では、第1上部可動体220Aの待機位置または動作位置において、長孔210bを介して上部回転板276の操作孔277にアクセスすることができ、この操作孔277にピン等を引っ掛けて長孔210bに沿って上部回転板276を回転させることができる。このように、上部回転板276を回転して上部連結軸278の位置をずらせば、連結孔237の開口縁が上部連結軸278を変位させない当接関係が崩れ、上部可動体220を揺動方向に手動により動作させることができる。上部可動演出装置200は、ロック構造を備えているので、製造時や停電時等の上部モータ272を動かすことができない状態で上部可動体220を待機位置または動作位置から動かすことができない不都合がある。しかし、上部可動演出装置200は、上部ベース体202の長孔210bを介して該上部ベース体202の内部に収容された上部回転板276を手動操作することが可能なロック解除構造を有しているので、上部ベース体202を分解することなく上部可動体220のロックを解除して適宜に動作させることができる。
前記上部可動演出装置200では、後半体204に設けた上部検知手段(原位置検知手段)216による第1上部可動体220Aのアーム222に設けられた上部検知片222bの有無の検知に基づいて第1上部可動体220Aの位置が判定されるようになっている(図65〜図67参照)。なお、上部検知手段216としては、フォトセンサ等の近接スイッチが採用されている。上部検知手段216は、上部モータ272の右側でかつ上部回転板276の後側に配置され、前後に離間するセンサ部を上部ベース体202の内部に臨ませた状態で後半体204に固定されている。上部検知片222bは、第1上部可動体220Aのアーム222において本体部分とリンク部236との間に設けられ、前側から後側に向けて延出する部位の後端に形成された左方へ突出する片部が上部検知手段216の前後のセンサ部の間を通過するようになっている(図67参照)。上部可動演出装置200は、第1上部可動体220Aが待機位置にある姿勢で上部検知片222bが上部検知手段216の前後のセンサ部の間に位置するように構成され、前後のセンサ部の間を上部検知片222bで塞ぐことで該上部検知片222bの到来が検知される。そして、上部可動演出装置200は、上部回転板276の時計回りの回転時に上部検知片222bを上部検知手段216で検知した際に、直ちにまたは所定のステップ数だけ上部モータ272の駆動を継続してから停止するよう構成され、上部モータ272の停止時に第1上部可動体220Aおよび第2上部可動体220Bが待機位置で停止される。
次に、固定装飾体240および可動装飾体250の具体的な構成を説明する。上部可動体220では、3基の装飾体240,250,250が待機位置でアーム222の延在方向に並べて設置され、中央に位置してアーム222の他端部に固定される固定装飾体240が、アーム222の他端部から互いに反対側に延出する可動アーム226および補助可動アーム230の夫々に設けられた一対の可動装飾体250,250で挟まれている(図58,図63,図65,図88または図89参照)。なお、第1上部可動体220Aの装飾体240,250と第2上部可動体220Bの装飾体240,250は、対応のアーム222に対して対称な位置関係で配置されているのを除いて構成が同一である。
各装飾体240,250は、内部に基板収納空間(収容空間)241a,251aが画成された装飾体基部(基部)241,251と、この装飾体基部241,251から遊技盤面に沿う方向に延出するよう設けられ、透明な樹脂板からなる光輝部247,257と、基板収容空間241a,251aに収納された装飾体発光基板248,258とを備えている(図61,図62,図68,図88または図89参照)。すなわち、各装飾体240,250は、装飾体発光基板248,258に設けられた発光体248a,248b,258a,258bによって発光演出可能に構成されている。各装飾体240,250は、アーム222側から表示部41側に向かうにつれて先細りになる扇形に形成されて、アーム222側の円弧部分に装飾体基部241,251が設けられ、この装飾体基部241,251から略三角形状の光輝部247,257が表示部41側に突出している。装飾体発光基板248,258は、装飾体基部241,251の基板収納空間241aに臨む光輝部247,257の端面に指向するように設けられて、光輝部247,257を照らす側方発光体(第1の発光体)248a,258aと、装飾体基部241,251の前面に設けられた装飾体光透過部(光透過部)242a,252aに指向するように設けられ、装飾体光透過部242a,252aを照らす前方発光体(第2の発光体)248b,258bとを備えている(図58参照)。
前記装飾体発光基板248,258は、遊技盤面に対して板面を立てた姿勢で装飾体基部241,251の基板収容空間241a,251aに設置されている(図68参照)。また、装飾体発光基板248,258は、装飾体基部241,251において基板収容空間241a,251aの前面を画成する前板部242,252と該基板収納空間241a,251aの後面を画成する後板部253(アーム222の他端部)との間に挟持されている。これにより、装飾体240,250は、該装飾体240,250自体またはアーム222につれて動作するが、装飾体発光基板248,258をがたつきなく適切に保持することができる。装飾体発光基板248,258には、光輝部247,257の端面に臨む一方の板面に側方発光体248a,258aが設けられ、該装飾体発光基板248,258における前記一方の板面および他方の板面の何れかにまとめてまたは両方に分けて前方発光体248b,258bが複数設けられている。前方発光体248b,258bの配置は、装飾体発光基板248,258におけるソケット248c,258cの位置や回路パターンを避けて設定される。側方発光体248aと異なる他方の板面にソケット248cが設けられる固定装飾体240の固定装飾体発光基板248では、複数の前方発光体248bが他方の板面上部に互いに離間して設置される。また、側方発光体248aと同じ一方の板面にソケット258cが設けられる可動装飾体250の可動装飾体発光基板258では、該可動装飾体発光基板258においてソケット258cと同一側部に位置する前方発光体258bが少なくとも他方の板面上部に設置され、他の前方発光体258bが、両方の板面に交互に振り分けて配置される。
前記装飾体基部241,251は、複数の装飾体240,250の並び方向に離間して複数(実施例では3つ)の装飾体光透過部242a,252aが前板部242,252に設けられ、実施例では中央部に位置する装飾体光透過部242a,252aを挟んで一対の装飾体光透過部242a,252aが対称な位置関係で配置されている(図58または図59参照)。装飾体光透過部242a,252aは、基部収容空間241a,251aに設置される装飾体発光基板248,258の前方発光体248b,258bから照射した光により発光する部分であって、周辺部位より隆起したレンズ加工が施されている。ここで、装飾体光透過部242a,252aと前方発光体248b,258bとは対応する関係で設けられ、装飾体光透過部242a,252aの後側の夫々に前方発光体248b,258bが配置されている。
前記光輝部247,257は、装飾体基部241,251の基部収容空間241a,251aに臨む端面が装飾体発光基板248,258の側方発光体248a,258aと前後方向の位置関係が同じになるように配置されて、側方発光体248a,258aから照射した光が端面から入射するようになっている。光輝部247,257は、側方発光体248a,258aから入射する光を拡散する光拡散処理が施されており、実施例では、該光輝部247,257の後面に形成された微細なシボ加工によって光を前側へ乱反射するように構成される。このように、光輝部247,257は、端面から入射した光を後面に施された光拡散処理によって拡散することで面発光させる所謂エッジライト構造になっている。
前記アーム222の他端部に設けられる固定装飾体では、固定装飾体基部(装飾体基部)241が、アーム222の他端部を固定後板部(後板部)243として、このアーム222の他端部の前面に固定前板部(前板部)242を取り付けて構成されている(図61または図62参照)。固定後板部243は、前記可動体配線通路223が設けられたアーム222の本体部分に対してアーム222の延在方向と交差する横方向に延出し、可動体配線通路223より後側に位置するように凹設されている。固定後板部243には、一対の略コ字形状の保持片244,244が、互いの開放端を向き合わせてアーム222の延在方向に離間して配置されており、これらの保持片244,244の間に固定装飾体発光基板248の後端を挿入して位置決めしている。固定後板部243の外周縁には、前方へ立ち上がった壁が設けられており、表示部41側の縁部および可動装飾体250に隣り合う側縁部の一部の壁が低く形成されている。
固定前板部242は、後面に固定後板部243の前面に当接して固定後板部243の後側からネジ止め固定される前板固定ボス242bを有する板状体である(図62参照)。固定前板部242は、固定後板部243の壁の前端に当接して該固定後板部243から離間して配設され、固定前板部242と固定後板部243との表示部41側の縁部の隙間に、固定光輝部(光輝部)247を挟んで保持するようになっている。すなわち、固定装飾体240では、固定後板部243および固定前板部242と別体に形成された略三角形状の固定光輝部247が、基部収容空間241aに端面を臨ませた状態で固定装飾体基部241に取り付けられる。なお、固定装飾体240では、複数の装飾体240,250の並び方向に離間する一対の前板固定ボス242b,242bの間に、固定光輝部の基板収容空間241aに臨む端部が挟まれて当該並び方向の位置決めがなされる。また、固定装飾体基部241は、隣り合う可動装飾体250の可動装飾体基部251に面する側面の夫々に、基部収容空間241aに連通する配線通口245が設けられている(図68参照)。
前記固定装飾体240の固定装飾体発光基板(装飾体発光基板)248は、固定光輝部247の端面に臨む一方の板面に3つの側方発光体248aが複数の装飾体240,250の並び方向に離間して設置されると共に、該基板248における他方の板面上部に、3つの前方発光体248bが複数の装飾体240,250の並び方向に離間して設置されている(図68参照)。また、固定装飾体発光基板248には、配線が接続されるソケット248cが、該発光基板248における可動体配線通路223に面する他方の板面に、その接続口を該可動体配線通路223側に指向させて設けられている。なお、固定装飾体発光基板248のソケット248cは、該基板248においてアーム222の一端部側に偏倚して配設されている。
前記可動装飾体250は、可動アーム226に設けられるものと補助可動アーム230に設けられるものがあるが、構成要素の配置が固定装飾体240を挟んで対称な点を除いて同一である。可動装飾体250は、可動後板部(後板部)253が可動アーム226(補助可動アーム230)と別体に形成されて、可動後板部253と可動光輝部(光輝部)257とが一体形成されている(図61または図62参照)。可動後板部253は、前方に開口する略トレイ形状に形成され、表示部41側の縁部に延在する壁の前端に可動光輝部247が連設されている。また、可動後板部253は、隣り合う固定装飾体240の固定装飾体基部241に対向する側縁の壁が低く形成されており、可動装飾体基部251の固定装飾体基部241に向かい合う側面に配線通口255が設けられている(図68参照)。可動前板部252は、可動後板部253の基部構成部分の外形に合わせて形成された板状体であって、後面に複数の装飾体240,250の並び方向に離間して一対の前板固定ボス252b,252bを有している。可動前板部252は、可動後板部253の前側を覆って可動後板部253の壁の前端に突き合わせて取り付けられ、可動後板部253と可動前板部252との間に基部収容空間251aが画成される。そして、可動装飾体250は、可動後板部253に前板部252を取り付けた際に、可動後板部253のボス孔を介して後側に突出した前板固定ボス252bを可動アーム226(補助可動アーム230)に突き合わせて、該可動アーム226(補助可動アーム230)の後側から前板固定ボス252bにネジ止めすることで固定される。
前記可動装飾体250の可動装飾体発光基板(装飾体発光基板)258は、可動光輝部257の端面に臨む一方の板面に3つの側方発光体258aが複数の装飾体240,250の並び方向に離間して設置されている(図68参照)。可動体装飾発光基板258は、該発光基板258における一方の板面上部中央に位置して1つの前方発光体258bが設置されると共に、他方の板面上部に、2つの前方発光体258bが複数の装飾体240,250の並び方向に離間して設置されている。可動装飾体発光基板258は、配線が接続されるソケット258cが、該発光基板258の一方の板面における隣り合う固定装飾体240側に偏倚して、その接続口を該固定装飾体240側の配線通口255に指向させて設けられている。
前記上部可動演出装置200の配線構造について説明する。上部可動体220には、各装飾体240,250の装飾体発光基板248,258に接続する配線を収容する可動体配線通路223が、アーム222の後面を構成する後面板部(壁部壁)の前側に設けられている。また、上部可動体220は、アーム222の一端部側の軸支部位に隣接すると共に、補助アーム234の一端部側の補助軸支部位から外れた位置に、該アーム222における後面板部を前後に貫通して可動体配線通路223に開口するように形成された配線開口225を有している(図63または図64参照)。アーム222の後面には、配線開口225を跨いで後方へ突出する門型に形成された整線片222cが設けられている(図65または図66参照)。整線片222cは、配線開口225におけるアーム222の軸支点側に延在するように設けられ、配線開口225を通る配線を整線片222cによって軸支点から離れる方向に誘導している。更に、上部ベース体202の後半体204には、アーム222の動作に伴う配線開口225の変位軌跡に合わせて開口するように形成された配線通過口208が設けられている(図62参照)。
前記上部可動演出装置200では、装飾体発光基板248,258に接続する配線をアーム222の可動体配線通路223に通して、アーム222の他端部と一端部との間で取り回し、アーム222の一端部側に開設された配線開口225およびこの配線開口225の後側に設けられた配線通過口208を介して配線が上部ベース体202の後側に引き出される。そして、配線は、上部ベース体202の後半体204と裏ユニット50の上辺部53aとの間の隙間を通って左方に引き回され、裏ユニット50の左辺部53bに設けられる左側部発光装置の反射部材の後側を通って下方に配設されて、裏ユニット50の下部後面に設置された中継基板39に接続される。
前記固定装飾体発光基板248に接続する配線は、可動体配線通路223におけるアーム222の他端部側から該可動体配線通路223に臨むソケット248cに接続される。また、可動装飾体発光基板248に接続する配線は、可動体配線通路223におけるアーム222の他端部側から該配線通路223に連通する固定装飾体基部241の基板収容空間241aを介して、該固定装飾体基部241の側面に開口する固定配線通口245と、この固定配線通口245に向かい合って可動装飾体基部251の側面に開口する可動配線通口255とを通って可動装飾体基部251の基部収容空間251aに入り、可動配線通口255に接続口が指向している可動装飾体発光基板258のソケット258cに接続される。
前記上部可動演出装置200は、通常の状態において第1上部可動体220Aおよび第2上部可動体220Bが待機位置で保持されている(図17,図18または図21参照)。第1上部可動体220Aは、待機位置で板部材42の左側部と裏ユニット50の左辺部53bとの間の側部収納空間57に収容されて、装飾体240,250の先端を除く大部分が遊技者側から隠されている(図7参照)。第2上部可動体220Bは、待機位置で上部装飾ユニット300と裏ユニット50の上辺部53aとの間の上部収容空間58に収容されて、装飾体240,250の先端を除く大部分が遊技者側から隠されている。上部可動体220は、待機位置で補助アーム234に押されて可動アーム226がアーム222に沿う第1位置に保持され、可動アーム226に噛合部227,231を介して連動する補助可動アーム230がアーム222の延在方向に沿う第1位置に保持される。これにより、可動アーム226および補助可動アーム230の夫々に設けられた可動装飾体250,250は、互いに離間すると共に、これらの可動装飾体250,250の間に位置してアーム222の他端部に設けられた固定装飾体240から離間している(図63または図65参照)。すなわち、3基の装飾体240,250,250は、互いに分離した状態で並んでいる。
前記上部可動演出装置200は、図柄変動ゲームの結果等の特定の条件を満たした際に、待機位置にある2基の上部可動体220A,220Bが同期して待機位置から表示部41の前側に位置する動作位置に向けて動作される。すなわち、上部駆動機構270の上部モータ272が駆動されて上部回転板276を反時計回りに回転し、上部回転板276の回転に伴って連結孔237の開口縁に当接しつつ回転変位する上部連結軸278によってリンク部236を介して第1上部可動体220Aのアーム222が反時計回りに変位されて、第1上部可動体220Aが待機位置から動作位置へ向けて右方に動作する(図65または図66参照)。第1上部可動体220Aのアーム222の変位に伴って、連結歯部280,281で連結した第2上部可動体220Bのアーム222が時計回りに変位して、第2上部可動体220Bが待機位置から動作位置へ向けて下方に動作する。両上部可動体220A,220Bのアーム222の変位と同時に、各上部可動体220A,220Bの補助アーム234も補助軸支点を中心として変位し、アーム222の他端部に接続された可動アーム226の連結支点と補助アーム234の可動アーム226への補助連結支点との変位軌跡の差により、補助アーム234が可動アーム226をアーム222の他端部側へ引っ張る。これにより、可動アーム226は、アーム222に沿う第1位置からアーム222から表示部41側に突出する第2位置に向けて変位するので、可動アーム226の可動装飾体250が固定装飾体240に近接するように変位し、これに連動して補助可動アーム230も第1位置から第2位置へ向けて変位するので、補助可動アーム230の可動装飾体250が固定装飾体240に近接するように変位する。
前記上部可動体220A,220Bは、装飾体240,250が表示部41の略中央にある動作位置に到来すると、可動装飾体250と固定装飾体240との隣り合う縁辺が合わさって半円形状の意匠部DHを形成する。また、上部可動演出装置200は、第1上部可動体220Aと第2上部可動体220Bとの夫々の意匠部DHがなす半円形状の直線部分が合わさって、円形の意匠体DRを形成する(図12,図19または図20参照)。なお、両意匠部DH,DHの直線部分は、左から右に向かうにつれて下方傾斜するよう延在し、動作位置にある下部可動演出装置400の下部可動体420が当該直線部分の前側に重なるようになっている。
前記上部可動演出装置200は、所定のステップ数だけ待機位置から上部モータ272を駆動して上部可動体220A,220Bを動作位置に到来させた後、上部モータ272の駆動方向を切り替えて、動作位置にある2基の上部可動体220A,220Bを同期して夫々の収容空間57,58に向けて動作する。すなわち、上部駆動機構270の上部モータ272が逆駆動されて上部回転板276を時計回りに回転し、上部回転板276の回転に伴って連結孔237の開口縁に当接しつつ回転変位する上部連結軸278によってリンク部236を介して第1上部可動体220Aのアーム222が時計回りに変位されて、第1上部可動体220Aが動作位置から待機位置へ向けて左方に動作する。第1上部可動体220Aのアーム222の変位に伴って、連結歯部280,281で連結した第2上部可動体220Bのアーム222が反時計回りに変位して、第2上部可動体220Bが動作位置から待機位置へ向けて上方に動作する。
両上部可動体220A,220Bのアーム222の変位と同時に、各上部可動体220A,220Bの補助アーム234も補助軸支点を中心として変位し、アーム222の他端部に接続された可動アーム226の連結支点と補助アーム234の可動アーム226への補助連結支点との変位軌跡の差により、補助アーム234が可動アーム226をアーム222の他端部から離間する方向へ押す。これにより、可動アーム226は、アーム222から表示部41側へ突出した第2位置からアーム222に沿う第1位置に向けて変位するので、可動アーム226の可動装飾体250が固定装飾体240から離間するように変位し、これに連動して補助可動アーム230も第2位置から第1位置へ向けて変位するので、補助可動アーム230の可動装飾体250が固定装飾体240から離間するように変位する。上部可動体220A,220Bは、待機位置に到来すると、上部検知手段216が上部検知片222bを検知することで上部モータ272が停止され、可動アーム226および補助可動アーム230がアーム222に沿って延在すると共に、3基の装飾体240,250,250は分離して、対応の収容空間57,58に収容される。
このように、上部可動演出装置200は、上部可動体220のアーム222に設けられた複数の装飾体240,250が、アーム222の動作に連動して互いに集合または離間するように動作するので、アーム222の動作に伴う複数の装飾体240,250の変位とアーム222に対する装飾体240,250の動作とが相まって、動作による演出効果を向上できる。しかも、上部可動演出装置200は、アーム222および装飾体240,250を有する上部可動体220A,220Bを2基設けることで、遊技盤40をにぎやかにできる。上部可動体220は、可動アーム226の可動装飾体250とは別に可動装飾体250が設けられ、固定装飾体240と可動装飾体250,250が関連付けられて動作するので、簡単な構成で複数の装飾体240,250によって動作による演出効果を向上し得る。
前記上部可動演出装置200は、各アーム222に設けた複数の装飾体240,250が集合して意匠部DHを形成するだけでなく、2つの意匠部DHが集合して1つの意匠体DRを構成するので、結果として大きな意匠体DRを得ることができ、演出効果を向上し得る。上部可動演出装置200は、2基の上部可動体220A,220Bの対をなすアーム222,222および装飾体240,250の組が対称な関係で配置および連動して動作するよう構成されているので、互いの動作が関連付けられて演出効果を相乗し得る。このように、上部可動演出装置200によれば、上部可動体220A,220Bが装飾体240,250の動作と組み合わせて複雑な動きをするので、上部可動体220A,220Bの動作による演出効果を向上することができる。
前記上部可動演出装置200は、固定装飾体240をアーム222に対して固定的に設け、固定装飾体240の両脇の可動装飾体250,250を固定装飾体240に接離するよう動作させる構成であるので、動作する可動装飾体250,250を少なくして動作にかかる部材を省略しつつ、集合した際に全体として意匠部DHを適切に形成し得る。また、可動アーム226と補助可動アーム230とを噛合部227,231で連繋して可動アーム226の動作に補助可動アーム230を連動する構成であるので、簡単な構成で、一方の可動装飾体250を動かすだけで他方の可動装飾体250を同期して動作させることができる。更に、上部可動演出装置200は、第1上部可動体220Aと第2上部可動体220Bとを連結歯部280,281で連繋して第1上部可動体220Aの動作に第2上部可動体220Bを連動する構成であるので、簡単な構成で、一方の第1上部可動体220Aを上部駆動機構270で動かすだけで他方の上部可動体220Bを同期して動作させることができる。
前記上部可動体220は、可動装飾体250を設けた可動アーム226を揺動する補助アーム234が、可動アーム226を支持するアーム222の後側に設けられ、アーム222、補助アーム234および可動アーム226で、アーム222の動作に伴って補助アーム234がアーム222の延在方向に沿って変位するリンク構造を構成しているので、アーム222の動作に伴う該アーム222の延在方向に交差する方向への補助アーム234の変位量を最小限に抑え、補助アーム234が変位してもアーム222で隠して遊技者側となる前側から見え難くすることができる。なお、補助アーム234は、アーム222より支点間距離が短く設定されているので、アーム222の動作に伴う該アーム222の延在方向への補助アーム234の変位に際して、補助アーム234がアーム222から突き出し難くすることができる。このように、上部可動体220では、可動装飾体250を動かす機構が邪魔にならず、上部可動体220が装飾体240,250の動作と組み合わせて複雑な動きをするので、上部可動体220の動作による演出効果を向上することができる。
前記上部可動体220は、各装飾体240,250に設けた装飾体発光基板248,258の発光体248a,248b,258a,258bによって各装飾体240,250を発光演出することができる。装飾体240,250は、装飾体基部241,251の基板収納空間241a,251aに設置した装飾体発光基板248,258の前方発光体248b,258bにより装飾体基部241,251の前面に設けた装飾体光透過部242a,252aが発光するだけでなく、装飾体基部241,251から延出する光輝部247,257を該光輝部247,257の端面から入射した装飾体発光基板248,258の側方発光体248a,258aの光によって面発光させることができる。このように、装飾体240,250は、装飾体光透過部242a,252aの発光と光輝部247,257の発光との異なる発光態様で光による演出を行うことができる。そして、上部可動体220は、装飾体240,250の発光と該上部可動体220の動きによる演出と合わせて全体的な演出効果を向上できる。
前記装飾体240,250は、装飾体発光基板248,258を遊技盤面に対して立てた姿勢で設置することで、遊技盤面に沿う方向に広い配設スペースを要せず、遊技盤面に沿う方向の狭いスペースに装飾体発光基板248,258を設置することが可能である。そして、前方発光体248b,258bを装飾体発光基板248,258の適宜の板面に振り分けて配設することで、装飾体基部241,251の前面の装飾体光透過部242a,252aに合わせて前方発光体248b,258bを配置する自由度が高くなり、装飾体光透過部242a,252aを適切に照明することができる。ここで、装飾体光透過部242a,252aはレンズ加工が施されているので、装飾体光透過部242a,252aの後側から入射した光を拡散または強調して、装飾体光透過部242a,252a全体を発光させることができる。
前記上部可動演出装置200は、上部可動体220が補助アーム234でアーム222の他端部に設けた可動アーム226を揺動することで、可動アーム226に設けた可動装飾体250を動作させる構成であるが、アーム222を軸支する一端部に設けた配線開口225を介して装飾体240,250に設けた装飾体発光基板248,258に接続する配線を取り回しているので、アーム222の動作に伴う配線の変位量が比較的少なく、配線にかかる負荷が軽減されると共に、アーム222と配線との干渉を回避することができる。また、配線を収納する可動体配線通路223が、補助アーム234とアーム222の後面板部で隔てて設けられているので、補助アーム234と配線とが干渉することがない。そして、上部可動演出装置200は、上部可動体220および上部駆動機構270が配設される上部ベース体202に配線開口225に対応して配線通過口208を設け、配線通過口208から取り出した配線を、上部ベース体202の後側に取り回しているので、上部ベース体202の内部に設けられる上部駆動機構270や上部可動体220に対する配線の干渉をより適切に回避し得る。なお、上部ベース体202において、右側部分に設けられるアーム222の一端部(配線通過口208)に対して、上部駆動機構270の上部モータ272や上部回転板276等の駆動部分が、長手方向に離間した左側部分に設けられるので、配線が干渉する可能性をより低くし得る。
前記可動装飾体250には、固定装飾体240における装飾体基部241の側面に開口する固定配線通口245に対向して、装飾体基部251の側面に可動配線通口255が設けられると共に、この可動配線通口255に指向して装飾体発光基板258にソケット258cが設けられているので、固定装飾体240に対して変位する可動装飾体250からアーム222側に取り回す配線の干渉を回避することができる。
前記上部可動演出装置200は、2基の上部可動体220A,220Bが、該上部可動体220A,220Bのアーム222を上部ベース体202に軸支する一端部に設けた連結歯部280,281同士のかみ合わせにより連結する構成であるので、互いの軸支点で連結部分でのがたつきを抑制することができる。しかも、隣り合う上部可動体220A,220Bの連結歯部280,281のかみ合わせ範囲によってアーム222の揺動範囲が規定されるので、連結歯部280,281を軸支点より離すことなく、アーム222を大きく変位することができる。また、アーム222の一端部は、上部ベース体202に後当接部338が当接することで支持されているので、上部可動体220をより円滑かつ安定して動作させることができる。第2上部可動体220Bは、アーム222が前当接部339および後当接部338を介して上部ベース体202で挟持されるので、より円滑かつ安定して動作させることができる。上部駆動機構270に連結する第1上部可動体220Aのアーム222は、軸支点だけでなく該上部駆動機構270によっても支持されているが、第1上部可動体220Aに連動して動作する第2上部可動体220Bのアーム222に対して前後の当接部338,339を設けることで、全体としてより安定させることができる。更に、当接部338,339を2基の連結部分である連結歯部280,281の歯の並びに沿って設けることで、連結状態の安定化を図り、上部可動体220をより円滑かつ安定して動作させることができる。
前記上部可動体220は、動作位置で可動アーム226および補助可動アーム230がアーム222の延在方向と異なる横方向に突き出て可動装飾体250が表示部41側に突出することで、固定装飾体240と共に比較的大型の意匠部DHを構成している。上部可動体220は、待機位置において可動アーム226が待機位置でアーム222に沿って延在すると共に補助可動アーム230がアーム222を延長するように並んで、アーム222と並行して略直線状に延在するので、可動アーム226および補助可動アーム230に設けた可動装飾体250,250がアーム222の固定装飾体240とアーム222の延在方向に並び、アーム222からの突出寸法が抑えることができる。このように、上部可動演出装置200は、動作位置で意匠部DHを構成する複数の装飾体240,250,250が、待機位置でアーム222に沿って並ぶように分離するので、上部可動体220が待機位置で場所をとらない。
前記遊技盤40では、表示部41の外側において該表示部41の縁辺に沿う方向に比較的長さを取ることができるが、表示部41の縁辺から裏ユニット50の該縁辺に沿う壁部54までにスペースを取ることが難しい。上部可動体220は、待機位置で複数の装飾体240,250における表示部41側の端部が揃うように変位し、アーム222からの突出寸法を抑えることができるので、アーム222の延在方向と交差する方向に配設スペースを取らず、裏ユニット50の辺部53a,53bを用いた狭い収容空間57,58に収容することができる。そして、上部可動演出装置200は、上部可動体220を待機位置で収容空間57,58に隠すことができるので、上部可動体220を動作させた際に、上部可動体220が表示部41の前側に突然現れることになり、上部可動体220の動作の意外性を増すことができる。また、上部可動演出装置200は、2基の上部可動体220,220を備えているが、上部駆動機構270を表示部41の左上角隅部外側に配置すると共に、該角隅部で交差する上辺部53aおよび左辺部53bに上部可動体220を振り分けて配置することで、表示部41の外側の空間を適切に用いてより大きな上部可動体220を配置することができる。
(上部装飾ユニット)
前記遊技盤40には、裏ユニット50の上辺部53aに位置して、上部可動演出装置200の前側に上部装飾ユニット300が設けられている(図4,図7または図15参照)。また、上部装飾ユニット300は、装飾枠部材100の窓口100aの内側に位置して表示部41の上外側に配置されて、表示部41における上側部分を左右に亘って占めている。上部装飾ユニット300は、表示部41の上側部分を構成するユニット本体302と、このユニット本体302の前側に設けられ、ユニット本体302に配設された動作機構350によって上下方向(表示部41に対して進退する方向)へ往復動作する動作体320とを備えており、ユニット本体302および/または動作体320の発光による演出と動作体の動作による演出とを組み合わせてあるいは独立して行い得るよう構成されている。
前記ユニット本体302は、裏ユニット50における設置板部53の左上角隅部に設置される上部可動演出装置200の上部ベース体202の前半体210前面に左側部(一部)が重なっている(図15参照)。ユニット本体302は、左側部を上部ベース体202に取り付けると共に、裏ユニット50の上縁前端に延在する取付フランジ部54aに上部を取り付けることで、裏ユニット50に固定されている。ユニット本体302は、裏ユニット50の設置板部53から前側に離間させて設置されている(図8または図85参照)。上部可動演出装置200は、上部ベース体202の前後寸法を板部材42と裏ユニット50の設置板部53との間と略同一に形成しており、裏ユニット50の設置板部53に取り付けられた上部ベース体202の前面が裏ユニット50の前端(板部材42の後面に当接する端部)と略同一になるよう設定されている。そして、上部装飾ユニット300は、ユニット本体302を、上部ベース体202および裏ユニット50の前端に設けた取付フランジ部54aで支持することで、上部ベース体202の右側におけるユニット本体302と裏ユニット50の設置板部53との間にスペース(上部収納空間58)が画成される。上部可動演出装置200は、裏ユニット50の上辺部53aに待機位置で延在する第2上部可動体220Bが、板部材42と裏ユニット50の設置板部53との間の離間寸法より薄く設定されて、待機位置において第2上部可動体220Bが上部収容空間58に収容される。
前記ユニット本体302は、待機位置で上部収容空間58に位置している第2上部可動体220Bを覆う目隠しとして機能し、待機位置にある第2上部可動体220Bと動作体320とが前後の関係で重ねて配置されている。そして、上部装飾ユニット300は、板部材42の厚み寸法および板部材42の前側に突出する装飾枠部材100の庇状部106の前後寸法を用いて配設されている(図8参照)。上部装飾ユニット300では、動作体320が上下方向に往復動作される一方、上部可動演出装置200では、第2上部可動体220Bが、裏ユニット50の上辺部53a左側を軸支点として、待機位置の略水平な姿勢と動作位置の傾斜した姿勢との間で動作され、上部収容空間58から出没する第2上部可動体220Bの変位方向と動作体320の変位方向とが近似するよう構成されている。
前記ユニット本体302は、裏ユニット50の上辺部53aから前側に離間させて取り付けられた基盤部304と、この基盤部304の後側に取り付けられ、動作体320と重ならない前面に発光体306aを有するユニット発光基板(発光基板)306と、基盤部304の前側に取り付けられた装飾カバー308とを備えている(図71参照)。基盤部304は、上部装飾ユニット300を構成する部材の設置基盤であって、上部装飾ユニット300は、基盤部304を介して一体的に取り扱い可能で、裏ユニット50に対して一体的に着脱することができる。基盤部304は、左右方向に長手が延在する板状部材であって、外周縁後面に後方へ向けて周壁304a(図73参照)を有するトレイ形状に形成されている。基盤部304は、光を透過し得る透光性を有し、実施例では後側に設置されるユニット発光基板306を透かして見えない半透明になっている。
前記ユニット発光基板306は、左上固定発光部500の発光領域の後側に並ぶ発光体群と、右上固定発光部540の発光領域の後側に並ぶ発光体群とを含む複数の発光体306aが前面に設置されている(図71または図72参照)。ユニット発光基板306は、基盤部304の後面から発光体306aを離間させた状態で、基盤部304の後側に周壁304aの内側に嵌め合わせてネジ止め固定されている(図73参照)。
前記装飾カバー308は、光を透過し得る透光性を有し、実施例では透明になっている。 装飾カバー308には、動作体320の左側となる左側部に、左上固定発光部500における下ブロックのカバー部分が設けられている(図72参照)。また、装飾カバー308には、中央より右側部位に位置して、右上固定発光部540における下ブロックのカバー部分が該動作体320と重ならないように設けられている。ここで、前記カバー部分は、左上固定発光部500および右上固定発光部540における下ブロックの発光カバー502a,542aで装飾カバー308に開設された開口を塞ぎ、発光カバー502a,542aの周縁を囲んで額縁部504a,542aを装飾カバー308の前面に取り付けて構成されている。
前記動作体320は、該動作体320の外郭を構成する前枠部322の内部(以下、部品収容空間という。)に、動作体発光基板324や、この動作体発光基板324の前面に設けられた発光体324aの前側を覆う光拡散部材328,329や、動作体発光基板324の後側を保持する後保持板330を収容して(図71参照)、前枠部322の前後寸法内に構成部材が収まるよう構成される(図8または図85参照)。前枠部322は、後側に開放された箱状に形成されて、動作体320の前面および周面を構成している。前枠部322は、前面に光の透過を許容する透明な透過部322aを設け、この透過部322a以外の前面の領域および周面が光を透過しないように構成されている。前枠部322の後面には、凸の先端が先細りになるよう形成されたローレット加工が施されている。そして、前枠部322には、動作体320の前面および周面を構成する壁で囲われて部品収容空間が画成されている。部品収容空間には、所要の光拡散処理が施されたシート状の光拡散部材328,329が、前枠部322の後面に当接するように収容されて、この光拡散部材328,329で透過部322aの後側を覆っている。なお、実施例の動作体320では、2枚の光拡散部材328,329が重ね合せて配設されている(図71参照)。
前記動作体発光基板326は、前枠部322の後面に板面を相対させた状態で部品収容空間に収容され、前面に前枠部322の透過部322aに合わせて発光体326aが複数設けられている。動作体発光基板326は、前枠部322の後面に突設された前突片(図示せず)に前面を当接させて、前枠部322の後面を覆う光拡散部材328,329から発光体326aが後側に離間するように設置されている。
前記後保持板330は、前面に前方へ突設された後突片331を前枠部322の後面に突き合わせて、動作体発光基板326の後側に位置して部品収容空間に収容され、前枠部322に対してねじ止め固定される。後保持板330は、前枠部322に固定した際に、前突片との間に動作体発光基板326を挟持して該動作体発光基板326を保持している。また、後保持板330の後面には、ユニット本体302における装飾カバー308に開設された取付孔310(図72参照)に往復動可能に保持される複数の取付軸332が後側へ向けて突設されている(図75参照)。後保持板330には、上部装飾ユニット300が設置される裏ユニット50の上辺部53aの延在方向(左右)に離間して対をなす取付軸332が上下に並べて2組設けられ(図75参照)、後保持板330における左右の各側部の夫々に上下に離間して取付軸332が配置されている。上部装飾ユニット300は、取付軸332の夫々に対応して上下に長手が延在するように取付孔310が装飾カバー308に開設され(図72参照)、取付孔310に該取付孔310の長手に沿って移動可能に保持された取付軸332を介して、動作体320がユニット本体302の前側に取り付けられている。このように、略矩形状の動作体320は、各隅部に対応する取付軸332によってユニット本体302に対して保持されるので、安定して動作することができる。なお、動作体発光基板326は、後保持板330の前面から僅かに離間し、後面に設けられた抵抗で生じる熱を逃し得るようになっている。
前記動作機構350は、統括制御装置36の制御下に出力軸353を往復動するソレノイド352と、一端部が動作体320の取付軸332に連繋されると共に他端部が出力軸353に連繋されるリンクアーム354とを備え、ソレノイド352の駆動によりリンクアーム354を揺動して動作体320を往復動するよう構成されている(図71または図75参照)。ソレノイド352は、出力軸353を下方へ向けた姿勢で基盤部304と装飾カバー308との間に配設され(図8または図85参照)、左右に離間する取付孔310,310の中央部に位置している。また、ソレノイド352は、動作体320の後側に位置しており、動作体320によって隠されている。ソレノイド352は、非通電時に出力軸353が下方へ突出するように図示しないばねで付勢されて(図77(a)参照)、通電時に出力軸353がばねの付勢に抗して上方へ持ち上げられる(図77(b)参照)。
前記動作機構350は、出力軸353の下端(先端)を挟んで対称な関係で装飾カバー308の後側に配置された一対のリンクアーム354,354を備えており(図70参照)、出力軸353から右方に延在する右側のリンクアーム354が右下側の取付軸332に接続され、出力軸353の左方へ延在する左側のリンクアーム354が左下側の取付軸332に接続されている。各リンクアーム354は、中間部が装飾カバー308の後側に揺動可能に軸支され、一端部が下側の取付孔310から装飾カバー308の後側に突出する下側の取付軸332に連結されている。なお、各リンクアーム354は、中間部が装飾カバー308の下部に軸支され、ユニット本体302の下部領域に設けられている。ここで、ユニット本体302は、一対のリンクアーム354,354の他端部の後側部分に基盤部304が延在する一方、該基盤部340のリンクアーム354の一端部から中間部にかけての後側部分の下縁が装飾カバー308の下縁より上方に位置するように設定され、リンクアーム354の一端部から中間部にかけての後側が開放されている(図70参照)。
一対のリンクアーム354,354は、出力軸353の下側で向かい合う他端部が互いに連結されて、出力軸353の上下動によって互いに同期して揺動するようになっている。実施例では、一方(右側)のリンクアーム354の他端部に接続された出力軸353の上下動に伴って、両リンクアーム354,354が夫々の装飾カバー308への軸支点を中心として連動して動作するよう構成される。各リンクアーム354の他端部には、互いに対向する周面に複数の凹凸からなる連動ギヤ部355が形成されており、一対のリンクアーム354,354が連動ギヤ部355を互いに噛み合わせて設置されている。動作機構350は、ソレノイド352の出力軸353によって右側のリンクアーム354の他端部が下方へ押し下げた状態で保持されることで、連結ギヤ部355を介して他端部が連繋する左側のリンクアーム354の他端部が下方へ押し下げられた状態で保持される(図77(a)参照)。この際、一対のリンクアーム354,354の一端部は、上方に持ち上がり、動作体320を上側位置で保持している。動作機構350は、ソレノイド352の駆動によって出力軸353により右側のリンクアーム354の他端部が上方へ引き上げられることで、連結ギヤ部355を介して左側のリンクアーム354の他端部も上方へ引き上げられる(図77(b)参照)。この際、一対のリンクアーム354,354の他端部は、下方へ変位して、動作体320を下側位置に変位される。このように、動作体320は、ソレノイド352の通電・非通電の切り替えに応じて上下に往復動される。
前記右側のリンクアーム354は、装飾カバー308の後面に沿って延在する一端部および中間部に対して他端部が前側に偏倚するように屈曲形成されて、他端部が出力軸353の延長線上から外れている。右側のリンクアーム354に対応して左側のリンクアーム354についても、他端部が装飾カバー308の後面に沿って延在する一端部および中間部に対して他端部が前側に偏倚するように屈曲形成されている。右側のリンクアーム354は、出力軸353の先端に固定されて該出力軸353の突出方向と交差する方向に延出する係止片353aを、他端部の後面に上下に離間して突設された一対の引っ掛け片354aの間に保持することで出力軸353に追随するようになっている(図75参照)。
前記装飾カバー308は、両リンクアーム354,354の他端部の前側に対応する部位が切り欠かれており、このカバー切欠部311に一端部側より前側に延出する他端部が収容されている(図72参照)。すなわち、リンクアーム354の前側へ突出する他端部を装飾カバー308のカバー切欠部311に収容することで、装飾カバー308の厚みを有効利用して、基盤部304と装飾カバー308との間の前後幅の中にリンクアーム354を収めることができ、ユニット本体302の前後寸法をよりコンパクトにできる。
各リンクアーム354は、中間部に装飾カバー308に固定された支軸を保持する軸保持部356(リンクアーム354における中間部および一端部の間で後側に突設する部位)が後側に突出するように形成されて、支軸を比較的長い範囲に亘って保持することで安定して揺動し得るようになっている。基盤部304は、前述した如く軸保持部356に対応する下側部位が切り欠かれており、この基盤切欠部305に軸保持部356が収容されるようになっている。このように、リンクアーム354の後側へ突出する軸保持部356を基盤部304の基盤切欠部305に収容することで、基盤部304の厚みを有効利用して基盤部304と装飾カバー308との間の前後幅の中にリンクアーム354を収めることができ、ユニット本体302の前後寸法をよりコンパクトにできる。ユニット本体302は、基盤部304の内側にユニット発光基板306が収容されると共に、リンクアーム354の前後への突出部分が装飾カバー308および基盤部304の厚みを用いて収容されているから、前後寸法をコンパクトにできる。
前記動作体発光基板326に接続する配線の配設構造について説明する。動作体発光基板326には、動作体320の後面における上部中央にソケット326bが設けられ、後保持板330と前枠部322との間から後側に臨むソケット326bの後方に指向する接続口に配線が接続されている。装飾カバー308および基盤部304には、ソケット326bの後側に位置して、動作体320の上下動に伴うソケット326bの移動範囲に合わせて通過口312が開設され、この通過口312を介して動作体320から配線が基盤部304の後側に取り回される。ユニット本体302には、基盤部304とこの基盤部304の後側に取り付けられるユニット発光基板306との間に隙間が設けられており、この隙間を介して前記配線が基盤部304の後側を取り回される。なお、基盤部304の後側には、配線の取り回し経路に複数の配線フック304bが設けられ(図73参照)、この配線フック304bで配線を保持することで、ユニット発光基板306やユニット本体302の取り付け時に配線の噛み込みを防止している。
このように、ユニット本体302では、ユニット発光基板306の前側に発光体306aが設けられるので、基盤部304とユニット発光基板306との間に発光体306aを配設するための隙間ができる。この隙間に配線を収容することで、配線がユニット本体の前側または後側に出ず、取り付けや意匠の邪魔にならない。しかも、ユニット本体に設けられる通過口312は、動作体320の上下動に伴うソケット326bの移動範囲に合わせて開設されているので、動作体320とユニット本体302との間を亘る配線への負荷を軽減できる。
前記上部装飾ユニット300は、動作体320が外郭を構成する前枠部322の内部の部品収容空間に、光拡散部材328,329、動作体発光基板326および後保持板330が収容されると共に、動作機構350がソレノイド352とリンクアーム354とからなる簡易な構成であるので、ユニット本体302およびこのユニット本体302の前側に設けられる動作体320の夫々に発光基板306,326を設け、発光演出できるように構成しても、前後方向の寸法をコンパクトにできる。また、ユニット本体302は、上部可動演出装置200の上部ベース体202および裏ユニット50の壁部54前端で支持されて、設置板部53から前側に離間して配設されている。これにより画成された上部収容空間58に、第2上部可動体220Bを収容することで、表示部41の外側の同一の辺に、第2上部可動体220Bと動作体320との2つの可動物を前後に重ねて配置しているから、これらの可動体220B,320によって動作演出効果を相乗することができる。
前記遊技盤40では、第2上部可動体220Bおよび上部装飾ユニット300が前後にコンパクトであるので、裏ユニット50の設置板部53から板部材42の表示貫通口42aから臨む板部材42の前側のスペースに、2つの可動体220B,320および発光演出可能なユニット本体302を前後に重ね合せて配設することができる。また、遊技盤40では、後側に位置する第2上部可動体220Bが前側の上部装飾ユニット300のユニット本体302に隠れる構成であるので、第2上部可動体220Bが隠れた位置から出現することで、動作の意外性が向上する。従って、遊技盤40の前後スペースを最大限に活かして、表示部41の周りを多重に発光演出および動作演出して、演出効果を向上し得る。
前記上部装飾ユニット300は、上部可動演出装置200の上部駆動機構270が配設される上部ベース体202を、ユニット本体302の固定部として用いているので、ユニット本体302を裏ユニット50の設置板部53から離して支持するための部材を省略できる。また、遊技盤40は、遊技領域40aの上側は、配設される他の部材が少なく、パチンコ球の流下にあまり影響を与えないので、上部装飾ユニット300を表示部41の上外側に設けることで、該上部装飾ユニット300の上下寸法または動作体320の動作範囲を大きくすることができる。しかも、上部装飾ユニット300は、装飾枠部材100の窓口100aに臨むが、ユニット本体302の装飾カバー308に設けられた位置決め孔317に対して装飾枠部材100の位置決めボス112が嵌合して、ユニット本体302と装飾枠部材100が互いに位置決めされているので、両者がずれなく一体感のある意匠を構成し得る。
(下部可動演出装置)
図78〜図83に示すように、前記下部可動演出装置(第2の可動演出装置)400は、裏ユニット50の下辺部53dと右辺部53cとが交差する角隅部に設置される下部ベース体(第2のベース体)402と、この下部ベース体402に往復動作可能に設けられた下部可動体(第2の可動体)420と、この下部可動体420を往復動作させる下部駆動機構(第2の駆動機構)450とを備えている。下部可動演出装置400は、下部可動体420の一端部が表示部41の外側において下部ベース体402に軸支されて、表示部41の外側に位置する待機位置と(図7,図15,図17または図78参照)、この待機位置から変位して表示部41の前側に位置する動作位置との間で(図12,図19または図79参照)、下部可動体420が下部駆動機構450によって揺動されるようになっている。
前記下部可動演出装置400は、待機位置において下部可動体420が裏ユニット50の右辺部53cに設けられた右側部発光装置530の前側に位置して、装飾枠部材100の窓口100aを介して前側に臨んでいる(図1,図4または図7参照)。下部可動演出装置400は、下部可動体420が動作位置において、略四角形の表示部41の右下角隅部から対角の左上角隅部に向けて傾斜する姿勢になるよう、表示部41の前側に変位するようになっている(図12参照)。下部可動演出装置400は、下部ベース体402を介して下部可動体420および下部駆動機構450を一体的に取り扱い可能で、裏ユニット50に対して一体的に着脱可能であるユニット構造となっている。
前記下部ベース体402は、裏ユニット50の右辺部53cと下辺部53dが交差する右下角隅部に設置されている。下部ベース体402は、前側に開放する箱形状に形成された後板体404と、この後板体404の前側上部を覆う下部ベース上飾り408と、この後板体404の前側下部を覆う前板体410とを有している(図81または図82参照)。前板体410は、後板体404の下部縁辺に合わせて後方へ突出する壁を、後板体404の下部縁辺に延在する壁に突き合わせて該後板体404にネジ止め固定されている。そして、下部ベース体402には、後板体404と前板体410との間に、下部駆動機構450の後述するギヤ部や変換部を収容する空間が画成されている。また、前板体410の前面には、下部ベース体402の下側領域を発光演出する発光体412aを前面に備えた下部ベース発光基板412が取り付けられ、下部ベース発光基板412の前側に、待機位置にある下部可動体420の右側から下側部位にかけて光透過性を有する下部ベース下飾り414が取り付けられている(図78参照)。
前記下部ベース上飾り408は、光を透過し得るよう構成され、待機位置にある下部可動体420の左側部位に発光演出部を構成する第1右下固定発光部510が設けられると共に、下部可動体420の後側から右側部位に右側部発光装置620の主照明部626および囲繞部629が設けられている(図78参照)。また、下部ベース発光基板412の前側には、待機位置にある下部可動体420の右側下部に位置して、発光演出部を構成する第2右下固定発光部620が設けられている。各発光部510,520は、所定方向に長手が延在する発光カバー512,522と、この発光カバー512,522の少なくとも長手縁を縁取る額縁部514,524と、発光カバー512,522の後側に設けられた発光体412a,602aとから構成される。
前記下部可動体420は、表示部41の外側に位置する一端部と、動作位置において表示部41の前側に位置する他端部との離間方向に長手辺が延在する長尺な形状であって、実施例では刀の如き意匠形状になっている(図78参照)。下部可動体420は、該下部可動体420において動作位置で表示部41の前側に突出する上側部分の意匠形状をなす本体部422と、この本体部422の後側に設けられた下部可動体発光基板426と、本体部422の下部前側に取り付けられ、該下部可動体420の下側部分の意匠をなす下部意匠部428とを備えている(図81または図82参照)。
前記本体部422は、下部ベース体402の前側に配置され、該本体部422の後面を凹ませて下部可動体発光基板426が収容される基板収容凹部422aが形成されている(図82参照)。本体部422は、一方の側縁(実施例では左側縁)から先端にかけて光を透過し得る半透明に形成される一方、他の部位が光を透過しないように形成されている。実施例の本体部422は、光を透過する光透過部422bが左側縁から先端にかけて形成されると共に、その他の部位部が光を反射する飾りを施して光を透過しない不透過部422cとされている(図78または図79参照)。また、下部可動体420は、本体部422の下部を光を反射するめっき等の処理が施された下部意匠部428で覆うことで、下側部分が光を透過しないように形成されている。なお、下部可動体発光基板426の発光体426aは、本体部422の不透過部422cの後側に位置して、本体部422の左側縁に沿って並べて配置されている。
前記本体部422は、該本体部422の下部後面から後方へ突出形成されて、前板体410および下部ベース上飾り408を切り欠いて開設された挿通口416を介して下部ベース体402の内部に臨む連結片部423と、この連結片部423の後端から左右に延在するよう形成されて、後側に開放したトレイ状の連結板部424とを備えている(図81または図82参照)。連結板部424は、下部ベース体402の内部に収容されて連結片部423から左方に延出する部位が、後板体404と前板体410との間に挟まれて、後板体404と前板体410との間で固定された支軸425で揺動可能に軸支されている。
前記下部可動体420では、下部可動体発光基板426の前面に複数設けられた発光体426aおよび本体部422の光透過部422bとから発光演出部の一部を構成する可動発光部430が構成されている。可動発光部430は、下部可動体発光基板426の発光体426aから照射された光によって光透過部422bが発光し、下部可動体420の動作位置で表示部41の前側に位置する本体部422の左側縁から先端にかけて延在する発光領域が形成される。すなわち、下部可動体420では、表示部41の外側に支持された一端部から前記動作位置で該表示部41の前側に臨む他端部に向けて長手辺が延在する形状の本体部422に合わせて、該長手辺に沿って可動発光部430の発光領域が設けられている。ここで、可動発光部430の下部可動体420の長手に沿って形成される発光領域は、下部可動体420の動作位置で、表示部41の左上側に設けられる左上固定発光部500の発光領域と同一延在方向に並ぶように形成されている(図12参照)。なお、左上固定発光部500の発光領域は、表示部41の上縁(外縁)から遊技盤40の遊技領域40aに向かうにつれて左方に偏倚するよう傾斜する線状に形成されている。そして、遊技盤40では、可動発光部430の発光と左上固定発光部の発光との組み合わせにより発光演出を行うよう構成されている。
前記下部駆動機構450は、下部ベース体402における前板体410の前面に出力軸453を後側に向けて設置した下部モータ(第2のモータ)453と、下部ベース体402の後面を構成する後板体404に設けられ、下部モータ452に連繋して回転する下部ギヤ部(第2のギヤ部)と、この下部ギヤ部の前側に設けられ、下部ギヤ部の回転を該下部ギヤ部の前側に位置して下部ベース体402に支持された下部可動体420の往復動作に変換する下部変換部(第2の変換部)とを備えている(図81〜図83参照)。下部モータ452は、正逆駆動可能なステッピングモータ等が採用され、下部ベース体402における前板体410の右側部中央に後方へ向けて凹設されたモータ設置部410aの前面に、出力軸453を後側に向けて設置されている。また、下部ベース体402の内部に臨む出力軸453の先端には、下部ピニオン454が固定されている。
実施例の下部ギヤ部は、下部ピニオン454の左側に位置して後板体404に回転可能に軸支された下部歯車456から構成されて、下部歯車456が下部ピニオン454に噛み合って下部モータ452の駆動により正逆回転される。下部歯車456は、回転中心より半径方向外側に偏倚して、前面から突出するように設けられた下部連結軸457を備えており、この下部連結軸457が下部可動体420の連結板部424の後側に取り付けられるリンク板部360に形成された下部連結孔361に連繋するようになっている。すなわち、下部駆動機構450では、下部歯車456の回転につれて回転変位する下部連結軸457とリンク板部460の下部連結孔461とから下部変換部が構成される。下部連結軸457は、下部歯車456の前側に配置されたリンク板部460の下部連結孔461に後側から挿入されている。下部連結孔461は、短手の幅が下部連結軸457の外径に合わせて設定され、長手の長さが下部歯車456の回転に伴う下部連結軸457の回転変位軌跡の半径以上に設定されている。
前記下部駆動機構450は、下部歯車456の回転により下部連結軸457が下部連結孔461の開口縁を押しつつ回転変位することで、下部可動体420を下部歯部456の左側に位置する下部ベース体402への軸支点を中心に揺動するようになっている(図83参照)。ここで、下部駆動機構450は、下部可動体420の待機位置で下部連結軸457が下部歯車456の底部に位置し(図83(a)参照)、下部歯車456の反時計回りの回転に伴い上方へ回転変位する下部連結軸457によりリンク板部460を押し上げることで、下部可動体420が待機位置から動作位置に傾動される。また、下部駆動機構450は、下部可動体420の動作位置で下部連結軸457が下部歯車456の頂部に位置し(図83(b)参照)、下部歯車456の時計回りの回転に伴い下方へ回転変位する下部連結軸457によりリンク板部460を押し下げることで、下部可動体420が動作位置から待機位置に傾動される。
前記下部歯車456には、後面から後方へ突出するガイド片458が設けられている(図83参照)。ガイド片458は、下部歯車456の後面において、下部連結軸457に対して下部歯車456の回転中心を挟んで対称な位置に配置されて、下部歯車456の後側に位置する後板体404に開設されたガイド孔405(図81または図82参照)から突出している。ガイド孔405から突出するガイド片458の後端部には、ガイド片458の突出方向と交差する横方向に延出するフランジ(図示せず)が着脱可能に設けられ、このフランジがガイド孔405の開口縁後面に当接するようになっている。ガイド孔405は、下部歯車456の回転に伴うガイド片458の変位軌跡に合わせて、後板体404に円弧状に延在するよう開設されている。実施例では、後板体404の後面がガイド孔405の周囲が凹設されており(図82参照)、この凹設部分にガイド片458のフランジが嵌り込むようになっている。このように、下部駆動機構450は、ガイド孔405の開口縁にフランジが引っ掛かって下部歯車456の前方への変位を抑制することができると共に、後板体404の凹設部分によってフランジの変位方向と交差する横方向の移動が規制される。従って、下部歯車456には、下部連結軸457を介して下部可動体420の荷重がかかるが、ガイド片458のフランジと後板体404との係止関係によってがつたきを抑制して、下部歯車456を安定して回転させることができ、下部可動体420を円滑に動作させることができる。しかも、下部駆動機構450は、ガイド片458が下部連結軸457と下部歯車456の回転中心を挟んで対称な位置に配置されているので、下部連結軸457を介して下部歯車にかかる力とのバランスがとれ、より安定させることができる。
前記下部可動演出装置400では、後板体404に設けた下部検知手段417(原位置検知手段)によるリンク板部460に設けられた下部検知片462の有無の検知に基づいて下部可動体420の位置が判定されるようになっている(図83(a)参照)。なお、下部検知手段417としては、フォトセンサ等の近接スイッチが採用されている。下部検知手段417は、下部歯車456の下側に配置され、前後に離間するセンサ部を下部ベース体402の内部に臨ませた状態で後板体404に固定されている。下部検知片462は、リンク板部460において連結板部424の軸支点より反対側に離間した端部に設けられ、下方へ突出する片部が下部検知手段417の前後のセンサ部の間を通過するようになっている。下部可動演出装置400は、下部可動体420が待機位置にある姿勢で下部検知片462が前後のセンサ部の間に位置するように構成され、前後のセンサ部の間を下部検知片462で塞ぐことで該下部検知片462の到来が検知される(図83(a)参照)。そして、下部可動演出装置400は、下部歯車456の時計回りの回転時に下部検知片462を下部検知手段417で検知した際に、直ちにまたは所定のステップ数だけ下部モータ452の駆動を継続してから停止するよう構成され、下部モータ452の停止時に下部可動体420が待機位置で停止される。
前記下部可動体発光基板426に接続する配線の配設構造について説明する。配線は、下部可動体発光基板426の前面下部に設けられたソケット426bに接続され(図82参照)、該基板426と本体部422との間を通って、筒状に形成された連結片部423の前側の開口を介して連結片部423の内側に入り、連結板部424とリンク板部460との間の隙間に取り回される。そして、配線は、リンク板部460の軸支部位に近接する部位に下部歯車から外して開設された通過開口460a(図83参照)およびこの通過開口460aに合わせて後板体404に開設された通過開口406を介して下部ベース体402の後側に取り回され、裏ユニット50の下辺部53dに開設された配線開口を介して裏ユニット50の後側に取り出され、裏ユニット50の後面下部に設置された中継基板39に接続される。このように、配線は、連結片部423の内側および連結板部424とリンク板部460との間の隙間を介して下部歯車456から外れた位置に取り回される構成であるので、下部歯車456や下部ピニオン454等や下部変換部または軸支部分と干渉することを回避することができる。
前記下部可動体420は、動作位置において先端が表示部41の中央部を越えて延在するように形成され、大きく動作させている(図12参照)。遊技盤40には、該遊技盤40の中央部に略矩形状に形成された表示部41を挟んで対角に位置するように、上部可動演出装置200の上部駆動機構270と下部可動演出装置400の下部駆動機構450とが裏ユニット50に設置され、上部可動体220の動作演出と下部可動体420の動作演出とを組み合わせて行い得るよう構成される。遊技盤40では、動作位置にある下部可動体420が、動作位置にある第1および第2上部可動体220A,220Bの装飾体240,250で表示部41の略中央部に形成される意匠体DRの前側に位置するようになっている(図12,図13または図19参照)。遊技盤40では、動作位置にある下部可動体420の長手辺が、各上部可動体220A,220Bの装飾体240,250で形成される半円状の意匠部DHの直線部分に沿って延在するように構成され、下部可動体420が第1上部可動体220Aの意匠部DHと第2上部可動体220Bの意匠部DHとの合わせ目に重なるようになっている。
前記遊技盤40では、両上部可動体220A,220Bが前後方向の同一面に位置しているものの、表示部41の左外角隅部に位置する上部ベース体202に軸支されて第1上部可動体220Aが表示部41の左外側から表示部41の前側に動作すると共に、上部ベース体202に軸支されて第2上部可動体220Bが表示部41の上外側から表示部41の前側に動作して、動作位置までの互いの移動経路が重ならないように設定されている。また、遊技盤40では、第1および第2上部可動体220A,220Bが、板部材42と裏ユニット50の設置板部53との間に収まる厚みで形成されて、両上部可動体220A,220Bが板部材42の後面と裏ユニット50の設置板部53との間の前後領域を変位に際して用いている。一方、遊技盤40では、下部可動体420が装飾枠部材100の窓口100aの内側に設置されて、下部可動体420の後面が板部材42の後面と同一または前側になるように配置されている。すなわち、下部可動体420は、板部材42の厚み分および装飾枠部材100における庇状部106の遊技盤面からの突出分の前後領域を該下部可動体420の変位に際して用いることができる。このように、遊技盤40では、板部材42の後側のスペースだけでなく、板部材42の厚みおよび遊技盤面から遊技盤40の前側を覆うガラス板14aまでのスペースを有効利用して、上部可動体220および下部可動体420を設置しているので、発光基板248,258,426を夫々内蔵している上部可動体220および下部可動体420を、前後にずらして配置することが可能である。従って、遊技盤40は、一対の上部可動体220A,220Bのなす意匠体DRの前側に下部可動体420を重ねることができる(図13参照)。
前記遊技盤40は、2つの上部可動体220A,220Bが動作位置で構成する意匠体DRの前側に、下部可動体420が動作位置で位置するので、両上部可動体220A,220Bおよび下部可動体420の動作を組み合わせて複雑な演出動作を行うことができる。例えば、遊技盤40は、両上部可動体220A,220Bが夫々の収容空間57,58から表示部41に現れると共に、各上部可動体220A,220Bの互いに離れている3基の装飾体240,250,250が集合するように変位して、表示部41の略中央部で意匠体DRを形成する一方、上部可動体220A,220Bと異なる方向から変位してきた下部可動体420が意匠体DRに重なると同時または重なった後に、両上部可動体220A,220Bを待機位置に向けて夫々変位させることで、下部可動体420の動きにより意匠体DRが破断されたような動作演出を行うことができる。しかも、各上部可動体220A,220Bは、待機位置に向けて変位するにつれて集合していた3基の装飾体240,250,250が互いに離間するように変位するので、前記意匠体DRが更に細かく分解されたの如き動作演出を行うことができる。
前記上部および下部可動体220,420は、対応のベース体202,402に軸支されて、この軸支点を中心に揺動する構成であるので、これらの可動体全体を平行移動する場合と比べて他の部材への干渉が少なく、これらの可動体220,420を大きく動作させることができる。また、上部および下部可動体220,420は、待機位置が夫々異なると共に、変位軌跡が何れも異なっているものの、動作位置で一体となる動作演出を行っているので、動作するこれらの可動体220,420の動作の結果について興味を引き、遊技者の興趣を向上できる。
前記パチンコ機10は、動作位置で下部可動体420の後側に重なる上部可動体220を動かす上部駆動機構270が、上部モータ272の出力軸273を前側に向けて配置すると共に第1のギヤ部を構成する上部回転板276の後側に第1の変換部を構成するリンク部236および上部可動体220のアーム222を配置したので、上部モータ272の前後寸法を利用して上部可動体220を配設することができ、当該上部駆動機構270の配置により上部可動体220を無理なく下部可動体420より後側に配置できる。これに対して、動作位置で前側に重なる下部可動体420を動かす下部駆動機構450は、下部モータ452の出力軸453を後側に向けて配置すると共に第2のギヤ部を構成する下部歯車456の前側に第2の変換部を構成するリンク板部460および下部可動体420を配置したので、下部モータ452の前後寸法を利用して下部可動体420を配設することができ、当該下部駆動機構450の配置により下部可動体420を無理なく上部可動体220の前側に配置できる。よって、上下の可動体220,420の動作位置での干渉を適切に防ぐことができる。
(発光演出部)
前記遊技盤40は、該遊技盤40において表示部41を囲う部位および表示部41に亘って線状の発光領域を形成し得る発光演出部を有している。発光演出部は、遊技盤40に対して動作する下部可動体420に設けられて該下部可動体420と共に変位する可動発光部430と、遊技盤40側に固定された固定発光部500,510,520,530,540,550,560とから基本的に構成されており、可動発光部430の発光と固定発光部500,520,530の発光とを組み合わせて、または対になる固定発光部500,510,520,530,540,550,560の発光を組み合わせて発光演出を行うようになっている(図4参照)。なお、パチンコ機10では、発光演出部よる発光と表示部41での画面表示とを組み合わせて演出を行ってもよい。発光演出部は、可動発光部430が、下部可動体420の待機位置で表示部41の外側に位置し、下部可動体420が待機位置から動作することで表示部41の前側に変位するように構成される(図12参照)。
前記発光演出部は、複数の固定発光部500,510,520,530,540,550,560を有しており、可動発光部430と対をなす固定発光部500が少なくとも設けられている。また、発光演出部は、複数の固定発光部500,510,520,530,540,550,560が表示部41を挟んで対になるように配置したり、複数の固定発光部500,510,520,530,540,550,560が発光領域の長手辺の延在ライン(発光ライン)が連なるように並べて配置されている。ここで、固定発光部が可動発光部430と「対をなす」とは、下部可動体420の動作位置にある可動発光体430がなす発光領域の長手辺の延在ライン(発光ライン)と固定発光部500の発光ラインとの向きが一致すると共に、これらの発光ラインが連なって遊技盤40を横切る発光ラインを擬似的に形成する関係をいう。また、固定発光部同士が「対をなす」とは、表示部41を挟んで配置された2以上の固定発光部500,510,520,530,540,550,560の発光ラインの向きが一致すると共に、これらの固定発光部500,510,520,530,540,550,560の間を動作位置の可動発光部430または表示部41での画面表示を含めて遊技盤40を横切る一連の発光ラインを形成する関係をいう。
実施例の発光演出部は、表示部41の上縁左側(外縁)から斜め左上方に向けて延在する左上固定発光部500、この左上固定発光部500と表示部41を挟んで配置されて表示部41の下縁右側(外縁)から斜め右下方に向けて延在する第1右下固定発光部510、この第1右下固定発光部510の下端側に連ねて配置された第2右下固定発光部520およびこの第2右下固定発光部520の下端側に連ねて配置された第3右下固定発光部530を、可動発光部430または表示部41での画面表示と組み合わせて発光演出し、これらの発光部430,500,510,520,530によって遊技盤40の左上から右下に亘って擬似的に連なる第1発光ラインを構成している(図4参照)。また、発光演出部は、表示部41の上縁右側(外縁)から斜め右上方に向けて延在する右上固定発光部540、右上固定発光部540と表示部41を挟んで配置されて表示部41の下縁左側(外縁)から斜め左下方に向けて延在する第1左下固定発光部550およびこの第1左下固定発光部550の下端側に連ねて配置された第2左下固定発光部560を、表示部41での画面表示と組み合わせて発光演出し、これらの発光部540,550,560によって遊技盤40の右上から左下に亘って擬似的に連なる第2発光ラインを構成している(図4または図15参照)。また、遊技盤40には、第1および第2発光ラインが表示部の前側で交差するように、各組の発光部430,500,510,520,530,540,550,560が配置されている。
前記パチンコ機10は、発光演出部の発光および画面表示との組み合わせにより、第1および第2発光ラインの両方を形成した「X」状の発光態様と、第1発光ラインのみを形成する発光態様と、第2発光ラインのみを形成する発光態様を選択できるようになっている。また、第1発光ラインは、発光演出部でのみで形成する基本態様と、発光演出部と表示部41での発光ラインを構成する画面表示との組み合わせで形成する別の態様とが選択できるように構成されている。すなわち、パチンコ機10では、第1発光ラインの基本態様において、動作位置にある下部可動体420の可動発光部430が固定発光部500,510,520,530の延在ラインに沿って延在し、可動発光部430および固定発光部500,510,520,530を発光することで、表示部41を埋めて1つに連なった第1発光ラインを構成している。これに対し、遊技盤40では、第1発光ラインの別の態様において、表示部41を挟んで対をなす固定発光部500,510,520,530の延在ラインに沿った画面表示を図柄表示装置13で行うと共に固定発光部500,510,520,530を発光することで、表示部で分断された上下の固定発光部500,510の間を埋めて1つに連なった発光ラインを構成している。更に、パチンコ機10は、表示部41での発光ラインを構成する画面表示の有無を選択することで、固定発光部500,510,520,530,540,550,560のみを単独で発光させることも可能である。
前記固定発光部500,510,520,530,540,550,560は、光を透過可能な発光カバー502,512,522,532,542,552,562と、この発光カバー502,512,522,532,542,552,562の周縁を縁取るように設けられる額縁部504,514,524,534,544,554,564とから遊技盤40の前面に臨むカバー部分が構成され、発光カバー502,512,522,532,542,552,562の後側にLED等の発光体を備えている。発光カバー502,512,522,532,542,552,562は、細長く形成された合成樹脂の板材であって、所要の光拡散処理が施されている。実施例の発光カバー502,512,522,532,542,552,562では、光拡散処理として縦目ローレット加工を施した如き凹凸が前面に設けられ、発光カバー502,512,522,532,542,552,562の短手辺に延在する刻み目が発光カバー502,512,522,532,542,552,562の長手辺に並べて設けられている。また、額縁部504,514,524,534,544,554,564は、少なくとも前側に露出する外面に光を反射し得るめっき等の反射加工が施され、発光カバー502,512,522,532,542,552,562の長手に延在する両縁辺に沿って少なくとも設けられている。額縁部504,514,524,534,544,554,564は、発光カバー502,512,522,532,542,552,562の後側に位置する発光体の光の照射によって発光する発光カバー502,512,522,532,542,552,562の発光領域と、固定発光部500,510,520,530,540,550,560の周りの他の領域とを区画している。
前記第1発光ラインを構成する固定発光部500,510,520,530について、より具体的に説明する。左上固定発光部500は、表示部41の上側に設けられている上部装飾ユニット300の前面から装飾枠部材100の庇状部106を跨いで該庇状部106の上側の遊技盤面に亘って設けられている(図4参照)。また、左上固定発光部500は、下部可動体420における動作位置で表示部41の前側に臨む他端部が、該動作位置で指向する側に配置されている(図12参照)。左上固定発光部500のカバー部分は、装飾枠部材100の窓口100aの内側に位置して上部装飾ユニット300の左側部に設けられ、表示部41の上縁から上方へ離間するにつれて左方へ傾斜するよう延在する下ブロックと、前記窓口100aの外側に位置して装飾枠部材100に設けられ、この下ブロックの上端に繋がって上方へ向かうにつれて左方へ傾斜するように延長する上ブロックとから構成される。左上固定発光部500の発光体306aは、上部装飾ユニット300のユニット発光基板306に、下ブロックの発光カバー502aおよび上ブロックの発光カバー(光透過部)502bの後側に位置して該発光カバー502a,502bの長手方向に並んで設けられている。
前記左上固定発光部500の下ブロックは、上部装飾ユニット300におけるユニット本体302の装飾カバー308に設けられ、動作体320の左側に配置されている(図72参照)。左上固定発光部500の下ブロックは、発光カバー502aで装飾カバー308に開設された開口を塞ぎ、発光カバー502aの周縁を囲んで額縁部504bを装飾カバー308の前面に取り付けて構成されている。上ブロックの発光カバー502bは、板部材42から前方に突出する庇状部106およびこの庇状部106の上側から板部材42の前面に沿って延出する枠飾り108に設けられた切り欠き部分に嵌め合わせて、基枠部102と庇状部106または枠飾り108との間に挟んで保持されている(図30または図33参照)。上ブロックの発光カバー502bは、装飾枠部材100の庇状部106から枠飾り108にかけての前面形状と整合する階段状に形成されて、その前面が庇状部106および枠飾り108の一部を構成している(図32参照)。すなわち、上ブロックの発光カバー502bは、枠飾り108に整合する上側部位の前面がパチンコ球が転動する遊技盤面の一部となっている。なお、上ブロックの額縁部504bは、枠飾り108と一体形成されている。
前記左上固定発光部500は、上ブロックの発光カバー502bに対応する発光体306aが、板部材42の表示貫通口42aと装飾枠部材100の枠延出部104との間に画成される空間部100bおよび表示貫通口に繋げて板部材42に上ブロックの発光カバー502bに合わせて切り欠き形成された発光貫通口42e(図14参照)に臨むように配置されている。そして、左上固定発光部500では、空間部100bおよび発光貫通口42eを介して該空間部100bおよび発光貫通口42eの前側を覆う上ブロックの発光カバー502b(発光領域)が発光体306aで照らされるようになっている。このように、空間部100bを用いて発光体306aを発光カバー502bに臨ませているので、板部材42に表示貫通口42aを拡張して形成される発光貫通口42eの大きさを抑えつつ、上ブロックの発光領域を広くとることができる。また、発光貫通口42eを省略または寸法を小さく設定し得るので、板部材42に開設される貫通口の形状を単純化することができる。
前記第1および第2右下固定発光部510,520は、下部可動演出装置400の下部ベース体402の前面に設けられ、装飾枠部材100の窓口100aの内側に配置されている(図7または図78参照)。第1右下固定発光部510は、待機位置にある下部可動体420に対して該下部可動体420の動作位置への動作側となる左側に配置され、表示部41の下縁右側から下方へ向かうにつれて右方へ傾斜するようにカバー部分が形成されている。第1右下固定発光部510は、カバー部分が下部発光装置600における下部発光基板の右側部前側を覆い、下部発光基板に発光カバー512の後側に対応して配置された発光体によって額縁部514に囲まれた発光カバー512が発光されるようになっている。また、第1右下固定発光部510は、カバー部分が下部可動体420の後面より後側に位置するように設置されて、下部可動体420が動作位置でカバー部分の前側に重なるよう構成されている(図79参照)。
前記第2右下固定発光部520は、待機位置にある下部可動体420の右下側に配置され、待機位置にある下部可動体420を挟んで第1右下固定発光部510と反対側に配置されている(図7または図78参照)。第2右下固定発光部520は、第1右下固定発光部510の下端の延長線上に隣り合って下方へ向かうにつれて右方へ傾斜するようにカバー部分が形成されている。第2右下固定発光部520は、カバー部分が下部ベース体402の前面に設けられた下部ベース発光基板412の前側を覆い、下部ベース発光基板412に発光カバー512の後側に対応して配置された発光体412aによって額縁部514に囲われた発光カバー512が発光されるようになっている。第2右下固定発光部520は、動作位置にある傾斜姿勢の下部可動体420の下端に連なって、カバー部分の発光領域が下部可動体420の長手辺の延長線上に位置するように構成される(図79参照)。
前記第3右下固定発光部530は、窓口100aの外側に位置して装飾枠部材100に設けられ、第2右下固定発光部520の下端の延長線上に位置して下方へ向かうにつれて右方へ傾斜するようにカバー部分が形成されている(図7または図30参照)。第3右下固定発光部530の発光カバー532は、庇状部106の下側から板部材42の前面に沿って延出する枠飾り108に設けられた切り欠き部分に嵌め合わせて、基枠部102と庇状部106との間に挟んで保持されている(図33参照)。また、発光カバー532は、枠飾り108の前面と整合して枠飾り108の一部を構成し、発光カバー532の前面がパチンコ球が転動する遊技盤面の一部となっている。なお、第3右下固定発光部530の額縁部534は、枠飾り108と一体形成されている。更に、第3右下固定発光部530は、板部材42の後側に延在する第2右下固定発光部520の下端部前側に重なるように設けられている。第3右下固定発光部530は、板部材42の表示貫通口42aと装飾枠部材100の枠延出部104との間に画成される空間部100bおよび表示貫通口42aに繋げて板部材42に該第3右下固定発光部530の発光カバー532に合わせて切り欠き形成された発光貫通口42eに臨む第2右下固定発光部520の発光カバー522を介して照射される光によって、該第3右下固定発光部530の発光カバー532が発光するようになっている。すなわち、第3右下固定発光部530は、第2右下固定発光部520の下端部を照らす下部ベース発光基板412の発光体412aによって発光している。
前記第2発光ラインを構成する固定発光部540,550,560について、より具体的に説明する。右上固定発光部540は、左上固定発光部500と同様に、表示部41の上側に設けられている上部装飾ユニット300の前面から装飾枠部材100の庇状部106を跨いで該庇状部106の上側の遊技盤面に亘って設けられている(図4参照)。右上固定発光部540のカバー部分は、装飾枠部材100の窓口100aの内側に位置して上部装飾ユニット300の中央部より僅かに右側に偏倚して設けられ、表示部41の上縁から上方へ離間するにつれて右方へ傾斜するよう延在する下ブロックと、窓口100aの外側に位置して装飾枠部材100に設けられ、この下ブロックの上端に繋がって上方へ向かうにつれて右方へ傾斜するように延長する上ブロックとから構成される。右上固定発光部540の発光体306aは、上部装飾ユニット300のユニット発光基板306に、下ブロックの発光カバー542aおよび上ブロックの発光カバー(光透過部)542bの後側に位置して該発光カバー542a,542bの長手方向に並んで設けられている。
前記右上固定発光部540の下ブロックは、上部装飾ユニット300におけるユニット本体302の装飾カバー308に設けられ、動作体320の右側の凹部に配置されている(図72参照)。右上固定発光部540の下ブロックは、発光カバー542aで装飾カバー308に開設された開口を塞ぎ、発光カバー542aの周縁を囲んで額縁部544aを装飾カバー308の前面に取り付けて構成されている。上ブロックの発光カバー542bは、板部材42から前方に突出する庇状部106およびこの庇状部106の上側から板部材42の前面に沿って延出する枠飾り108に設けられた切り欠き部分に嵌め合わせて、基枠部102と庇状部106または枠飾り108との間に挟んで保持されている(図30または図33参照)。上ブロックの発光カバー542bは、装飾枠部材100の庇状部106から枠飾り108にかけての前面形状と整合する階段状に形成されて、庇状部106および枠飾り108の一部を構成している(図32参照)。すなわち、上ブロックの発光カバーは、枠飾りに整合する上側部位の前面がパチンコ球が転動する遊技盤面の一部となっている。なお、上ブロックの額縁部544bは、枠飾り108と一体形成されている。
前記右上固定発光部540は、上ブロックの発光カバー542bに対応する発光体306aが、板部材42の表示貫通口42aと装飾枠部材100の枠延出部104との間に画成される空間部100bおよび表示貫通口に繋げて板部材42に上ブロックの発光カバー542bに合わせて切り欠き形成された発光貫通口42e(図14参照)に臨むように配置されている。そして、右上固定発光部540では、空間部100bおよび発光貫通口42eを介して該空間部100bおよび発光貫通口42eの前側を覆う上ブロックの発光カバー542b(発光領域)が発光体306aで照らされるようになっている。このように、空間部100bを用いて発光体306aを発光カバー542bに臨ませているので、板部材42に表示貫通口42aを拡張して形成される発光貫通口42eの大きさを抑えつつ、上ブロックの発光領域を広くとることができる。また、発光貫通口42eを省略または寸法を小さく設定し得るので、板部材42に開設される貫通口の形状を単純化することができる。
前記第1左下固定発光部550は、装飾枠部材100の窓口100aの内側に位置して下部発光装置600の前側に設けられ、表示部41の下縁左側から下方へ向かうにつれて左方へ傾斜するようにカバー部分が形成されている(図15参照)。第1左下固定発光部550は、カバー部分が下部発光装置600における下部発光基板602の前側を覆い、下部発光基板602に発光カバー552の後側に対応して配置された発光体602aによって額縁部544に囲われた発光カバー552を発光するようになっている。
前記第2左下固定発光部560は、遊技領域40aの左下部に設置される下部飾り部材66に設けられている(図4参照)。第2左下固定発光部560は、第1左下固定発光部550の下端の延長線上に位置して下方へ向かうにつれて左方へ傾斜するようにカバー部分が形成されている。下部飾り部材66は、板部材42の左下部に開設された飾り貫通口42cに嵌め合わせて設置され、普通入賞装置64の普通入賞口64aが遊技領域に臨ませて設けられると共に、この下部飾り部材66を発光させる下部飾り発光基板(図示せず)が後側に設けられている。第2左下固定発光部560は、下部飾り部材66に開設された切り欠き部分にカバー部分を嵌め合わせて固定され、カバー部分が、下部飾り部材66の前面形状と整合して該下部飾り部材66の前面の一部を構成している。すなわち、第2左下固定発光部560のカバー部分は、前面がパチンコ球が転動する遊技盤面の一部となっている。第2左下固定発光部560は、カバー部分が下部飾り発光基板の前側を覆い、下部飾り発光基板に発光カバー662の後側に対応して配置された発光体(図示せず)によって額縁部564に囲われた発光カバー562を発光するようになっている。
前記パチンコ機10では、所定の条件を満たすことで下部可動体420が待機位置から動作位置に変位された際に、可動発光部430の発光に合わせて、左上固定発光部500、第2および第3右下固定発光部520,530を発光することで、遊技領域40aの右上から左下に亘る第1発光ラインが形成される。すなわち、表示部41の外側に位置する固定発光部500,520,530と下部可動体420に設けられた可動発光部430とによって遊技盤面に長く延在する第1発光ラインを形成することができ、第1発光ラインによる演出の迫力を増すことができる。そして、可動発光部430が下部可動体420に形成されているので、全体として立体感があり、下部可動体420の動作演出と相まって発光演出の興趣を向上し得る。また、遊技領域40aと表示部41とを区画する装飾枠部材100も発光カバー502b,542bを設けて固定発光部500,540の発光領域として用いているので、固定発光部500,540についても立体感を増すことができる。このように、発光演出部によれば、下部可動体420の動作演出と合わせて、発光部430,500,510,520,530,540,550,560による発光演出を効果的に行い得る。
前記可動発光部430は、表示部41の外側に軸支される一端部から表示部41の前側に位置する他端部に向けて延在する下部可動体420の長手辺に沿って発光領域が形成されている。可動発光部430は、発光領域を下部可動体420の長手に形成することで、長く設定することが可能であり、下部可動体420の動作位置において、発光領域が固定発光部500,520,530の発光領域と同一延在方向に並んだ際に、発光領域の延在方向と下部可動体420の姿勢とが合致するので、下部可動体420の形状と発光演出の親和性により発光演出効果を向上できる。また、発光演出部は、下部可動体420の他端部が動作位置で指向する側に左上固定発光部500が設けられているので、下部可動体420の一番動きが大きくて目を惹く他端部とこの他端部が指向する部位にある左上固定発光部500とで第1発光ラインを形成して、発光演出効果を向上できる。
(下部発光装置)
前記下部発光装置(発光装置)600は、裏ユニット50の下辺部53dに設置されて、表示部41の下辺に左右に亘って延在している(図15参照または図17参照)。下部発光装置600は、装飾枠部材100における窓口100aの下部に取り付けられるステージ120およびカバー部材170の後側に窓口100aの内側に位置して配置されて、透明なステージ120およびカバー部材170を介して前側から視認可能になっている。下部発光装置600は、ステージ120における第1ルート125の後側に位置する中央部に設けられる中央光装飾部600aと、この中央光装飾部600aを挟んで左右の両側に設けられる横光装飾部600b,600bと、発光演出部の一部を構成する第1左下固定発光部550とを備え、大きく分けて3つの発光区画を有している。
前記下部発光装置600は、裏ユニット50の下辺部53d前面に取り付けられる下部発光基板(発光基板)602を備え、LED等の発光体602aが下部発光基板602の前面に複数設けられている(図27参照)。下部発光装置600では、中央光装飾部600a、横光装飾部600bおよび第1左下固定発光部550の夫々に対応する発光体602aが1つの下部発光基板602に配設されている。下部発光基板602は、裏ユニット50の下辺部53dに合わせて横長に形成されており、各発光体602aを独立して発光し得るようになっている。なお、下部発光基板602には、右側部に位置して、発光演出部の一部を構成する第1右下固定発光部510の下部ベース体402に設けられるカバー部分に対応する発光体602aも設けられている。
前記中央光装飾部600aは、下部発光基板602の中央部に配設された一群の発光体602a(特に区別する場合は中央発光体群という。)と、この中央発光体群の発光体602aの前側に設けられたミラー部材604と、このミラー部材604の前側に設けられたハーフミラー部材606とから基本的に構成される(図27参照)。横光装飾部600bは、中央発光体群を挟んで左右に配設された一群の発光体602a(特に区別する場合は横発光体群という。)と、ミラー部材604およびハーフミラー部材606で覆われる中央部を挟んで左右に配設された横覆部材608とから基本的に構成される。横覆部材608は、光透過可能で、かつ光拡散処理が施された合成樹脂部材であって、下部発光基板602から離間して延在する前面が、横発光体群からの光の照射により発光するように構成される。下部発光装置600には、左右の横覆部材608,608の上縁を縁取ると共に、ハーフミラー部材606の外縁を縁取るように形成された縁取部材610が、左右の横覆部材およびハーフミラー部材606の前側に取り付けられている(図17参照)。
前記第1左下固定発光部550は、左側に設置される横覆部材608に開設された開口を囲んで該横覆部材608に配設される額縁部544と、該開口に合わせて額縁部642bに形成された開口に嵌め合わせて取り付けられた発光カバー542と、この発光カバー542の後側に位置する発光体602aとから構成される。ここで、第1左下固定発光部550は、中央光装飾部600aの左隣に配置されて、上から下に向かうについれて左側に偏倚するように発光カバー542の長手が延在している。第1左下固定発光部540は、対応する発光体602aによる光の照射で発光する発光カバー542によって、額縁部544で下部発光装置600の発光領域と区画して上から下に向かうについれて左側に偏倚するように傾斜する発光ラインの一部が構成される。
前記中央光装飾部600aについて具体的に説明する。中央光装飾部600aを構成する中央発光体群は、下部発光基板602における左右方向の中央部に位置する1つの発光体602a(別の発光体)を中心として、複数の発光体602aが環状に並べて配置されている(図23または図27参照)。なお、中央部の発光体602aは省略可能である。
前記ミラー部材604は、略円形の板状体であって、外周縁が前方に突出するように形成されている。ミラー部材604は、中央発光体群の発光体602aの夫々に合わせて前後方向に貫通するよう開設された発光体開口604aと(図23参照)、後面に各発光体開口604aを囲んで後方に突出形成された包囲片605(図8参照)とを有している。すなわち、ミラー部材604では、中央部に設けられた発光体開口604aを中心に、複数の発光体開口604aが環状に並ぶように設けられている。また、ミラー部材604は、環状に並ぶ発光体開口604aの内側に位置する前面に、中央に向かうにつれて凸状に隆起したミラー凸部(凸部)604bが形成されており、前面におけるミラー凸部604b以外の部位が平坦に形成されている(図27参照)。なお、ミラー凸部604bは、外周縁が環状に並ぶ発光体開口604aに接するように形成されている。ミラー部材604には、ミラー凸部604bを含む前面、包囲片605および発光体開口604aの内面に鏡面処理が少なくとも施され、実施例では、外表面全体に金属メッキにより光を反射可能な鏡面が形成されている。ミラー部材604は、縁取部材610に後側から取り付けられ、縁取部材610を裏ユニット50に固定することで、各包囲片605で対応の発光体602aを囲んだ状態で包囲片605の後端を下部発光基板602に向き合わせて設置されるようになっている。そして、中央光装飾部600aは、包囲片605の内側に収容された発光体602aが発光体開口604aに臨み、発光体開口604aを介して発光体602aから前側へ光を照射し得るよう構成される。
前記ハーフミラー部材606は、ミラー部材604に合わせて形成された略円形の薄いシートである(図27参照)。ハーフミラー部材606は、ミラー部材604の前側に該ミラー部材604の前面から離間して設けられ、発光体602aから照射した光の一部を反射すると共に残りを透過することが可能に構成されている。また、ハーフミラー部材606は、前側から入射する光の透過を規制するように形成されており、実施例のハーフミラー部材606は、発光体602aの未点灯の状態で鏡の如く光を反射している。中央光装飾部600aでは、ミラー部材604とハーフミラー部材606との間に、透明な合成樹脂板からなるミラー保持部材612が配設されて、ミラー保持部材612によってシート状のハーフミラー部材606を後から保持している。中央光装飾部600aは、ミラー部材604の外周縁前端にミラー保持部材612を当接させると共に、ミラー保持部材612と縁取部材610との間に、ハーフミラー部材606およびハーフミラー部材606の前側に設けられるリング状の環状片614を挟んでミラー部材604側からネジ止め固定される。そして、中央光装飾部600aは、ハーフミラー部材606の外周を環状に縁取る縁取部材610によってミラー保持部材612との間でハーフミラー部材606の外周縁が保持されて、ミラー部材604の前側に突出する外周縁に保持されたミラー保持部材612によってハーフミラー部材606がミラー部材604の前面から離間して配置される(図8参照)。
前記ハーフミラー部材606には、中央発光体群の中央に位置する発光体602aに対応する中央部位にハーフミラー開口606aが開設されている(図27参照)。また、ミラー保持部材612には、中央発光体群の中央に位置する発光体602aに対応する中央部位に、前側に隆起するように形成されて光拡散処理が施された光拡散突起(光拡散部)612aが設けられている。光拡散突起612aは、ミラー保持部材612の前側に設置されるハーフミラー部材606のハーフミラー開口606aに収容されて、該ハーフミラー開口606aを塞いて中央光装飾部600aの前面(意匠面)を構成している。
前記中央光装飾部600aは、中央発光体群における環状配置した発光体602aから光を照射すると、前側に延在するハーフミラー部材606により一部が反射されて、該ハーフミラー部材606を透過した光が点状に視認される。また、ハーフミラー部材606により反射された光は、ミラー部材604の鏡面処理が施された前面に反射して、ハーフミラー部材604に入射し、ハーフミラー部材606により一部が反射される一方、該ハーフミラー部材606を透過した光が点状に視認される。すなわち、ミラー部材604とハーフミラー部材606との間で発光体の光が反射し、ハーフミラー部材606やミラー部材604で光の反射角度が変わることで、ハーフミラー部材606(中央光装飾部600aの前面)に現れる光の位置がずれる。従って、中央光装飾部600aでは、ハーフミラー部材606とミラー部材604との合わせ鏡作用によって、環状配置した発光体602aを点灯した際に、発光体602aの配設数以上の発光源が連なって存在しているように視認させることができる。このように、中央光装飾部600aは、1つの発光体602aに対応して1箇所が点状に発光したり、発光体602aの前側のカバー全体が面状に発光する態様ではなく、数少ない発光体602aで多くの点状の発光箇所を作り出すことができ、またこれらの発光箇所が関連性をもって配置される非常に特異な発光態様であるので、発光演出効果が高い。
前記中央光装飾部600aは、発光体602aを環状に並べて配置すると共に、ミラー部材604において発光体602aがなす環の内側にミラー凸部604bを設けることで、環状配置した発光体602aを発光した際に、ミラー凸部604bの傾斜面で反射した光がハーフミラー部材606において同心円状に並ぶように視認でき、発光演出効果をより向上できる。ここで、ミラー凸部604bの外周縁を発光体開口604aに接するように形成してあるので、環状配置した発光体602aの内側に視認される光を増強できる。しかも、中央光装飾部600aは、環状配置した発光体602aの中央にミラー部材604およびハーフミラー部材606の開口604a,606aを介して光拡散突起612aを直接照らす発光体602aを備えているので、環状に並んだ周りの広がりおよび連なりを持った発光と相まって発光演出効果を向上し得る。中央光装飾部600aは、ミラー部材604の後側に発光体602aが配置されているが、包囲片605で発光体602aを囲い、包囲片605の内側に施した鏡面処理によって発光体602aの光を案内できるので、ミラー部材604の後側での光の拡散を防止できる。すなわち、ハーフミラー部材606に現れる点状の光を強調することができる。
前記中央光装飾部600aは、仮にハーフミラー部材606の前側から強い光が入射して、ミラー部材604およびハーフミラー部材606の間で反射しても、下部発光基板602がミラー部材604の後側に設けられ、各発光体602aがミラー部材604の前面より後側に位置しているので、発光体604a自体が前から入射した光によって照らされ難く、非発光状態で発光体602aを前側から視認し難くすることができる。すなわち、下部発光装置600は、中央光装飾部600aで効果的な発光演出を行い得ると共に、該中央光装飾部600aの発光体602aの非発光時においても発光体602aが見え難いので静的な装飾性も高くすることができる。
(右側部発光装置)
前記遊技盤40は、表示部41の右側部に右側部発光装置620を備え、表示部41の右側の領域を発光演出し得るようになっている(図4または図15参照)。右側部発光装置620は、裏ユニット50の右辺部53cに配設され、装飾枠部材100の窓口100aの内側に臨んでいる。遊技盤40では、裏ユニット50の右下角隅部に下部ベース体402が設置された下部可動演出装置400の上側に右側部発光装置620が配置され、下部可動演出装置400の下部可動体420が待機位置で右側部発光装置620の前側に重なるようになっている(図7または図17参照)。
前記右側部発光装置620は、前面に発光体622aを複数備えた右側部発光基板622と、この右側部発光基板622の前側に設けられた側部装飾カバー624と、この側部装飾カバー624に少なくとも設けられ、該右側部発光装置620が設置される表示部41の縁辺に沿う方向(実施例では上下方向)に離間して配置された複数の主照明部626と、隣り合う照明部626の間に少なくとも設けられた区分部630とを備えている(図26参照)。実施例では、主照明部626が下部可動演出装置400の下部ベース体402の上部に設置された下部ベース上飾り414に設けられ、下部ベース上飾り414の上部右側に設けた1つの主照明部626と、側部装飾カバー624に設けた2つの主照明部626,626とが上下に並んでいる(図21参照)。右側部発光装置620は、上下に並ぶ3つの主照明部626を表示部41から離間する側(右側)に偏倚して配置し、表示部41の右縁辺に沿って延在する待機位置にある下部可動体420から外れた位置に、主照明部626が設けられている(図17参照)。すなわち、複数の主照明部626は、下部可動体420の位置にかかわらず、前側から視認可能になっている。
前記右側部発光基板622は、裏ユニット50の右辺部53cの前面に取り付けられており、該右辺部53cにおける略中央部から下部(下部可動演出装置400の下部ベース体402の上側)にかけての領域を覆っている。ここで、裏ユニット50には、設置板部53の右側部が後方へ向けて凹ませて装置支持部52bが形成されており、図柄表示装置13が、後方へ突出した装置支持部52bの内側面(左側面)により右側面を位置規制された状態で設置板部53の後面に取り付けられている(図5参照)。右側部発光基板622は、装置支持部52bの前側に開放した開口の前側を覆うように取り付けられ、右側部発光基板622と装置支持部52bとの間に配線配設用空間618を画成している(図10、図11または図25参照)。右側部発光基板622は、配線配設用空間618に臨ませて後面にソケット622bが設けられており、該ソケット622bに接続した配線が配線配設用空間618を介して下方へ取り回され、裏ユニット50の下部に設置された中継基板39に接続される。なお、配線配設用空間618には、上部装飾ユニット300のソレノイド352や発光基板306,326に接続する配線、上部発光装置640の上部発光基板642に接続する配線が収容されている。
前記右側部装飾カバー624は、光を透過し得る合成樹脂部材であって、実施例は半透明に形成されている。右側部装飾カバー624は、上段の主照明部626を囲う部位と中段の主照明部626を囲う部位とが分割して構成されている(図26参照)。また、実施例の右側部装飾カバー624の上側部分は、右側部発光装置620の上側に設けられる上部発光装置640の前面を構成する上部光透過カバー644と一体形成されている。
前記主照明部626は、右側部発光基板622の前側に設けられている(図10,図11または図87参照)。主照明部626は、右側部装飾カバー624または下部ベース上飾り408に開設された開口を覆うように設けられ、光拡散処理が施された透光シート626aと、この透光シート626aの前側を覆って設けられ、主照明部626の前面を構成する被覆部626bとから構成され、開口に合わせて右側部発光基板622に設置された発光体622aにより発光するようになっている(図26参照)。実施例の被覆部626bは、前側に凸となる円形のドーム形状に形成された透明な部材であって、所要の模様が施されている。
前記区分部630は、右側部装飾カバー624の前面に取り付けられる縁飾り部材628に設けられている(図26参照)。縁飾り部材628は、右側部装飾カバー624に設けられる主照明部626の外周を囲む囲繞部628aと、前記区分部630とが一体形成されている。縁飾り部材628は、右側部装飾カバー624に取り付けた際に、前後に重ね合せた被覆部626bおよび透光シート626aの外周縁を、囲繞部628aによって右側部装飾カバー624に開設された開口の開口縁との間に挟んで保持するよう構成されている。縁飾り部材628には、光を透過しないように構成される一方、光を反射し得る反射処理が全表面に亘って施されている。なお、下部ベース上飾り408に設けられた主照明部626の外周にも、リング状の囲繞部629が取り付けられ、前後に重ね合せた被覆部626bおよび透光シート626aの外周縁を、囲繞部629によって下部ベース上飾り408に開設された開口の開口縁との間に挟んで保持している。
前記区分部630は、隣り合う上段の主照明部626および中段の主照明部626の間と、隣り合う中段の主照明部626および下段の主照明部626の間との夫々に設けられると共に、上段の主照明部626の上側に設けられている(図19参照)。各区分部630は、主照明部626と右側部発光基板622との間に延在し、前後に連通する環状に連設される区分壁部631と、この区分壁部631の前側を覆うと共に、該区分壁部631の前端との間に主照明部626に臨む発光隙間Sをあけて設けられる飾り部632とを有している(図10,図11または図87参照)。区分壁部631は、後端が右側部発光基板622の発光体622aの前面と同一または僅かに前側に位置し、前端部が主照明部626の外周を囲う囲繞部628aに繋がるように形成されている。区分壁部631は、環状に連続するように形成されて、内側に前後に連通する光案内空間631aが画成されている。なお、実施例の区分壁部631は、その輪郭が表示部41から離間するにつれて拡開する略三角形状に延在するよう形成されている。
前記飾り部632は、外形が区分壁部631の輪郭に合わせて略三角形状で形成されると共に、頂部のなす稜線が複数の主照明部626の並び方向(上下方向)と交差する遊技盤面に沿う横方向(左右方向)に延在する山形の立体形状に形成されている(図19参照)。また、飾り部632は、区分壁部631で画成される光案内空間631aの前部開口に、上側(一方)の傾斜面を臨ませて配置されている。上側の傾斜面には、光を透過し得る副照明部633が設けられている。実施例の飾り部632は、上側の傾斜面が輪郭部分を除いて開口するよう形成され、飾り部の後側に山形の透過片633aを嵌め合わせて前記開口を塞ぐことで、副照明部633が構成されている(図26参照)。
前記区分部630は、少なくとも下側に位置する主照明部626に臨むように開口する発光隙間Sを、区分壁部631における下辺を形成する部位と飾り部632の下側の傾斜面の傾斜下端と間に有している。実施例では、下段の区分部630のみが、区分壁部631における上辺を形成する部位と飾り部632の上側の傾斜面の傾斜下端との間が離間するように構成され(図10または図87参照)、下段の区分部630は、上側に位置する主照明部626に臨むように開口する発光隙間Sを有している。区分部630は、少なくとも発光用空間631aを画成する区分壁部631の内面および飾り部632の光案内空間631aの前部開口に面する内面に対し、光を反射し得るめっき等の光反射処理が施され、実施例では、区分部630の表面全体に光反射処理が施されている。
前記右側部発光基板622は、主照明部626の後側に設置された発光体622aと、区分部630における区分壁部631で囲われる部位(光案内空間631aの後部開口)の後側に設置された発光体622aと、右側部装飾カバー624の後側に設置された発光体622aとを備えており、これらの対応部位毎に発光体622aを独立して点滅可能に構成されている。なお、主照明部626に対応する部位には、主照明部626の中心に位置する発光体622aを中心に、複数の発光体622aが円形配列されている。すなわち、右側部発光装置620は、主照明部626に対応する発光体群を点灯することで主照明部626を発光し、右側部装飾カバー624に対応する発光体群を点灯することで右側部装飾カバー624を発光させることができる。また、右側部発光装置620は、区分壁部631で囲われる部位に対応する発光体622aの発光によって、区分壁部631の内面および飾り部632の内面に設けられた反射面を介して発光隙間Sから主照明部626を照らすよう構成されている。これと同時に、右側部発光装置620は、区分壁部631で囲われる部位に対応する発光体622aの発光によって、上側の傾斜面を構成する副照明部633が発光されるようになっている。
前記右側部発光装置620は、主照明部626が後側に位置する発光体622aによって発光するだけでなく、隣り合う主照明部626,626の間に設けられた区分部630に対応した発光体622aの発光によっても主照明部626に臨む発光隙間Sを介して主照明部626を照らすことができる。すなわち、主照明部626は、該主照明部626自体が発光する直接発光と、発光隙間Sを介する間接的な発光態様との2種類の発光演出が可能であるから、発光演出の幅が広がり、効果的な発光演出を行うことができる。ここで、区分部630は、主照明部626に対応する発光体群からの光の照射に際して、隣り合う主照明部626の間を仕切る壁として機能するので、隣りの主照明部626に対応する発光体群から照射した光が異なる主照明部626に入射することを回避でき、主照明部626毎に独立して明輝させることができる。また、右側部発光装置620は、区分壁部631および飾り部632の内面に光反射加工が施されて該内面が反射面として機能すると共に、飾り部632の山形状によって区分壁部631に囲まれた発光体622aから照射した光を反射・拡散し得る。すなわち、発光隙間Sを介して主照明部626を適切に照明することができ、より効果的に発光演出することができる。しかも、飾り部632に副照明部633が設けられているので、発光隙間Sを介する主照明部626の間接照明と合わせて副照明部633の発光を組み合わせることで、更に複雑な発光演出を行うことができる。
(上部発光装置)
前記遊技盤40には、表示部41の上部右側に上部発光装置640を備え、上部可動演出装置200の第2上部可動体220Bが待機位置で収容される表示部41の上部右側の領域を発光演出し得るようになっている(図22参照)。上部発光装置640は、裏ユニット50の上辺部53aと右辺部53cとから交わる右上角隅部に配設され、大部分が上部装飾ユニット300のユニット本体302、板部材42および装飾枠部材100によって隠れている(図4参照)。遊技盤40では、裏ユニット50の左上角隅部に上部ベース体202が設置された上部可動演出装置200の右側に上部発光装置640が配置され、第2上部可動体220Bが待機位置で上部発光装置640の前側に重なるようになっている(図17参照)。
前記上部発光装置640は、裏ユニット50に取り付けられ、発光体642aを複数備えた上部発光基板642と、右側部装飾カバー624と一体形成され、上部発光装置640の前面を構成する上部光透過カバー(光透過カバー)644と、この光透過カバー644と裏ユニット50との間に設けられ、発光体642aから照射した光を反射する板状の反照部材646とを備えている(図26参照)。上部光透過カバー644は、裏ユニット50の上辺部53aと上部装飾ユニット300との間の上部収容空間58に待機位置で収容される第2上部可動体220Bの後側に対応する第1面部644aと、この第1面部644aに連続して形成され、待機位置の第2上部可動体220Bから外れた位置から裏ユニット50の右側部(側部)に向かうにつれて前側に延出する第2面部644bとを備えている(図19参照)。上部光透過カバー644は、光を透過し得る合成樹脂部材であって、実施例は半透明に形成されている。
前記上部光透過カバー644は、第1面部644aが裏ユニット50の設置板部53の前面に沿わせて形成されて、第1面部644aの右側に繋がって第2面部644bが設けられている。すなわち、上部光透過カバー644は、第1面部644aが裏ユニット50の設置板部53から反照部材646の板厚分または板厚分より僅かに大きく離間して配置され、待機位置にある第2上部可動体220Bと裏ユニット50の設置板部53との間の狭いスペースを覆うようになっている。また、上部光透過カバー644は、第2面部644bが左から右に向かうにつれて(表示部41から離間するにつれて)裏ユニット50の後面から離間するように隆起するよう形成されて、第2面部644bが第1面部644a側を傾斜下端として傾斜している。更に、上部光透過カバー644は、第2面部644bの右端部に連設して設置板部53と平行に右方へ延在する第3面部644cを有している。なお、上部光透過カバー644における第2面部644bの傾斜上端は、右側部装飾カバー624の前面とおおよそ揃っている。
前記上部発光基板642は、第2面部644bの右縁部に位置して、裏ユニット50の右側部に遊技盤面と交差する立てた姿勢で設置されている(図24参照)。上部発光基板642は、裏ユニット50の右側の壁部54の内面に沿わせて取り付けられ、第2面部644bと裏ユニット50の設置板部53との間に臨む板面に複数の発光体642aが設けられている。上部発光基板642は、裏ユニット50の右側の壁部54内面に突設された位置決め片54bに、該上部発光基板642に設けた切り欠き部分を嵌め合わせて上下方向に位置規制されると共に、該壁部54の内面に突設された第1保持片54cと該壁部54に内面に対向して設置板部53に立設された第2保持片54dとの間に挟んで保持されている(図24参照)。また、上部発光基板642は、前端が第3面部644cの後面に当接すると共に後端が裏ユニット50に当接して、第3面部644cと裏ユニット50との間に挟持されている。このように、上部発光基板642は、上部光透過カバー644を用いて前側への抜け止めが図られると共に、裏ユニット50にがたつきなく適切に保持される。上部発光基板642は、裏ユニット50の後面に沿って設けられる板状の反照部材646より前側に発光体642aが配置されており、前後方向に離間して複数列(実施例では2列)の発光体642aが設けられている。
前記反照部材646は、少なくとも前面が光を反射し得るように構成され、上部光透過カバー644と裏ユニット50の設置板部53の間に位置するように、上部光透過カバー644の後側に取り付けられている。反照部材646は、発光体642aが指向する側に延在し、上部光透過カバー644の後側のおおよそ全体に亘って設けられている。なお、実施例の反照部材646は、光を吸収し難い白色の合成樹脂から形成されている。反照部材646は、前面が凹凸形状に形成されており、実施例では四角錐形の凸部が規則正しく並んでいる。反照部材646は、設置板部53の右側部に上下に亘って後方へ向けて凹ませて形成された装置支持部52bの前側に開放した開口の前側を覆うように取り付けられ、反照部材646と装置支持部52bとの間に配線配設用空間618を画成している。
前記上部発光装置640は、上部光透過カバー644が裏ユニット50の右側の壁部54から表示部41に向かうにつれて(上部発光基板642から離間するにつれて)上下の幅が拡張するように形成されており、これに合わせて反照部材646も上部発光基板642から離間するにつれて上下の幅が拡張するように形成されている。実施例の上部光透過カバー644は、上辺が裏ユニット50の上側の壁部54に沿って形成される一方、下辺が右側の壁部54から離間するにつれて下方傾斜するよう形成されている。
前記上部発光装置640は、上部発光基板642の発光体642aから光を照射することで、発光体642aに面する上部光透過カバー644の第2面部644bが発光すると共に、反照部材646で反射・案内された光によって第1面部644aおよび第2面部644bにおける発光体642aから外れた部位が発光し、上部光透過カバー644全体を発光させることができる。これにより、上部収容部位の右側領域および当該領域に収容された第2上部可動体220Bの周りを効果的に発光演出することができる。ここで、遊技盤40では、板部材42の厚み分および装飾枠部材100の厚み分の前後領域を用いて動作する下部可動体420と比べて、板部材42の後面から裏ユニット50の設置板部53までの前後領域を用いて動作する第2上部可動体220Bが後側に配置されており、第2上部可動体220Bと裏ユニット50の設置板部53との間にスペースを確保することは難しい。
前記上部発光装置640は、待機位置にある第2上部可動体220Bの後側に上部発光基板642を設けるのではなく、第2上部可動体220Bから外れた横側に上部発光基板642を設け、第2上部可動体220Bの後側に板状の第1面部644aと板状の反照部材646とを設置しているだけである。そして、上部発光装置640は、反照部材646によって反射された発光体642aの光により第1面部644aを発光させることができ、第2上部可動体220Bの後側の狭いスペースを用いて当該部位を発光演出することができる。すなわち、上部発光装置640を設けても、第2上部可動体220Bの収容スペースへの影響を抑えることができ、比較的大型の第2上部可動体220Bによる動作演出と、上部発光装置640による発光演出を組み合わせて、遊技者の興趣をより向上させることができる。
前記上部発光装置640は、上部光透過カバー644および反照部材646が上部発光基板642から離間するにつれて拡張するよう形成されているので、上部発光基板642に配設される発光体642aが面する領域だけでなく、反照部材646により光を案内してより広い領域を発光演出することができる。また、上部発光装置640は、発光体642aを上部発光基板642に前後に離間して複数列設けてあるので、前後方向に段差形状になっている第1面部644aおよび第2面部644bを夫々適切に発光させることができる。そして、上部発光装置640は、反照部材646の前面に設けた凹凸形状により発光体642aから照射した光を乱反射させて拡散させることができ、上部光透過カバー644全体をよりむらなく発光させることができる。
(左側部発光装置)
前記遊技盤40は、表示部41の左側に左側部発光装置650を備え、上部可動演出装置200の第1上部可動体220Aが待機位置で収容される表示部41の左側の領域を発光演出し得るようになっている(図24参照)。左側部発光装置650は、裏ユニット50の左辺部53bに配設され、板部材42の後側に隠されている。遊技盤40では、裏ユニット50の左上角隅部に上部ベース体202が設置された上部可動演出装置200の下側に左側部発光装置650が配置され、上部可動演出装置200の第1上部可動体220Aが待機位置で板部材42と裏ユニット50の左辺部53bとの間に画成されて表示部41の左側(横側)に位置する側部収容空間57に収容されている(図9または図17参照)。側部収容空間57は、表示部41側となる右側が開口しており、この開口を介して第1上部可動体220Aが表示部41の前側に出没するようになっている。
前記左側部発光装置650は、側部収容空間57における待機位置にある第1上部可動体220Aから外れた位置に設けた左側部発光基板(発光基板)652と、側部収容空間57において待機位置にある第1上部可動体220Aの後側に設けられた反射部材654とを備えている(図27参照)。左側部発光基板652は、待機位置にある第1上部可動体220Aの左側に配置され、裏ユニット50の右側部に遊技盤面と交差する立てた姿勢で設置されている(図22参照)。左側部発光基板652は、側部収容空間57の表示部41に臨む開口と反対側に位置して、裏ユニット50の左側の壁部54の内面に沿わせて取り付けられ、側部収容空間57に面する板面に複数の発光体652aが設けられている。左側部発光装置650は、発光体652aが設けられた板面が側部収容空間57の開口に臨むように、左側部発光基板652が設置され、左側部発光基板652と側部収容空間57の開口との間に反射部材654が設けられている。
前記裏ユニット50の左辺部53bには、裏ユニット50の左側の壁部54の内面に繋がると共に該内面と対向する保持面を有する鉤状に形成された一対の鉤状片55a,55aが上下対称に立設されている(図9,図22〜図24または図26〜図28参照)。また、裏ユニット50の左辺部53bには、裏ユニット50の左側の壁部54内面から離間して設置板部53に立設され、前端に左方へ突出する爪を有する一対の係止片55b,55bが上下に離間して形成されている。そして、左側部発光基板652は、上下の鉤状片55a,55aの間に挟持されると共に、上下の係止片55b,55bの爪を該基板652に開設された開口に夫々引っ掛けて、着脱可能に取り付けられている。
前記反射部材654は、光を反射し得るめっき等の光反射処理が施された板状の部材であって、裏ユニット50の設置板部53に取り付けられている。反射部材654は、表示部41の左縁辺から少なくとも待機位置にある第1上部可動体220Aの後側に亘って延在し、裏ユニット50の左辺部53bの上下全体にかけて配置されている。また、反射部材654は、左側部発光基板652の発光体652aから照射した光を側部収容空間57の開口側に反射し得るように構成されている。実施例では、反射部材654の前面を、凸部分の頂部が揃った凹凸形状に形成し、この凹凸形状によって左側部発光基板652の発光体652aから照射した光を乱反射することで、光を開口側に案内して側部収容空間57全体を発光させるようになっている。
ここで、裏ユニット50には、設置板部53の左側部が後方へ向けて凹ませて装置支持部52bが形成されており、図柄表示装置13が、後方へ突出した装置支持部52bの内側面(右側面)により左側面を位置規制された状態で設置板部53の後面に取り付けられている(図5参照)。反射部材654は、装置支持部52bの前側に開放した開口の前側を覆うように取り付けられ、反射部材654と装置支持部52bとの間に配線配設用空間618を画成している。左側部発光基板652は、後部を配線配設用空間618に収容して設置されている。そして、左側部発光基板652は、左側の配線配設用空間618に臨ませて後端部にソケット652bが設けられており、該ソケット652bに接続した配線が左側の配線配設用空間618を介して下方へ取り回され、裏ユニット50の下部に設置された中継基板39に接続される。なお、左側の配線配設用空間618には、上部可動演出装置200の上部モータ272や装飾体発光基板248,258に接続する配線が収容されている。このように、パチンコ機10では、図柄表示装置13を保持するために形成される装置支持部52bと反射部材654の後側の空間を配線の配設スペースとして有効利用している。
前記左側部発光装置650は、 左側部発光基板652の発光体652aから光を照射することで、反射部材646に反射した光によって側部収容空間57全体を発光させることができる。左側部発光装置650は、待機位置にある第1上部可動体220Aの後側に設けた反射部材654による光の拡散により側部収容空間57を発光させる構成であるので、第1上部可動体220Aが動作位置に動いた後の空の側部収容空間57だけでなく、第1上部可動体220Aが側部収容空間57に収容されていても、側部収容空間57を発光させることができる。左側部発光装置650は、待機位置にある第1上部可動体220Aの後側に発光基板を設けるのではなく、第1上部可動体220Aから外れた横側に左側部発光基板652を設け、第1上部可動体220Aの後側に板状の反射部材654とを設置しているだけである。そして、左側部発光装置650は、反射部材654によって反射された発光体652aの光により側部収容空間57を発光させることができ、第2上部可動体220Bの後側の狭いスペースを用いて当該空間を発光演出することができる。すなわち、左側部発光装置650を設けても、第1上部可動体220Aの収容スペースへの影響を抑えることができ、比較的大型の第1上部可動体220Aによる動作演出と、左側部発光装置650による発光演出を組み合わせて、遊技者の興趣をより向上させることができる。特に、表示部41の横側に設けられた側部収容空間57は、遊技者または隣のパチンコ機に座った遊技者から内部が見え易いが、当該空間を発光により装飾しているので、見栄えを損なうことがない。
(ゲート)
前記遊技盤40は、入賞したパチンコ球を遊技領域40aから取り込む入賞装置60,62,64の入賞口60b,60c,62a,64aだけでなく、遊技領域40aを流下するパチンコ球が通過可能で、該パチンコ球の通過により始動入賞装置60の入賞口60cを塞ぐ羽根を開放する等の所定の遊技演出を行うゲート70が設けられている(図4参照)。ゲート70は、遊技領域40aにおいて装飾枠部材100の左側領域に設置されて、ワープ通路150の球通入口151より上側に位置している。
図54〜図57に示すように、ゲート70は、パチンコ球の通過を検知するゲートセンサ71と、このゲートセンサ71を保持するゲート飾り部材72とから構成されている。ゲートセンサ71は、矩形状の板状体の長手方向の一端部側に偏倚して厚み方向に貫通形成されたセンサ口71aを有し、このセンサ口71aがパチンコ球を1個ずつ通過し得る寸法に設定されている。ゲートセンサ71は、センサ口71aに突出したスイッチ片のパチンコ球の通過に伴う出没によりパチンコ球を検知する機械式のスイッチや、センサ口71aを通過するパチンコ球による磁界の変化によってパチンコ球を検知する磁気式等の近接スイッチが採用される。ゲートセンサ71の後端には、中継基板39に接続する配線が接続されており、ゲートセンサ71によるパチンコ球の検出信号が配線および中継基板39を介して主制御装置32に入力されるようになっている(図84参照)。
前記ゲート飾り部材72は、パチンコ球が流下する遊技領域にゲートセンサ71のセンサ口71aを臨ませて保持するよう構成されている(図9参照)。ゲート飾り部材72は、板部材42における左側部の上下方向中央部に前後に貫通形成されたゲート貫通口42dに配設されている。ゲート飾り部材72は、ゲート貫通口42dを囲って、板部材42の前面に当接するように取り付けられる取付ベース部74と、この取付ベース部74の前側に上下に貫通するゲート口を有する門型に形成され、該取付ベース部に前後に貫通するセンサ取付口(取付口)を介してゲート口76aの内側にセンサ口71aを臨ませたゲートセンサ71の前部を保持するゲート口部76と、取付ベース部74の後側に設けられ、ゲートセンサ71の後部を着脱可能に保持するセンサ保持手段とから構成されている(図54〜図57参照)。なお、ゲート飾り部材72には、センサ取付口74aの後側からゲートセンサ71が挿入される。
前記取付ベース部74は、前面に所要の装飾(実施例では光反射処理)が施された板状に形成され、板部材42の前面にネジ止め固定されて、遊技領域40aにおける遊技盤面の一部を構成する鍔状部分である(図54参照)。取付ベース部74には、長手を前後方向に延在させる共にセンサ口71aの貫通方向となる厚み方向を上下に沿わせた姿勢でゲート飾り部材72に保持されるゲートセンサ71に合わせて、該ゲートセンサ71の挿通を許容するセンサ取付口74aが中央部に開設されている(図57参照)。また、取付ベース部74は、センサ取付口74aの周囲に形成されて、該センサ取付口を貫通するように保持されたゲートセンサ71の周りに設けられるゲート光透過部(光透過部)75を備えている。
前記ゲート光透過部75は、ゲート70が設けられる板部材42の左側部後側に位置して裏ユニット50に設けられる左側部発光装置650によって発光し、ゲート飾り部材72の遊技領域40aに臨む取付ベース部74およびゲート口部76を発光演出するようになっている。実施例のゲート光透過部75は、センサ取付口74aの上下の夫々に連続して取付ベース部74に開設された貫通口であって、センサ取付口74aの上側と下側とにセンサ取付口74aに挿入されたゲートセンサ71を挟んで画成されている(図57参照)。また、ゲート光透過部75は、その左右の開口幅が、センサ取付口74aの左右の開口幅より狭く、センサ口71aの左右の開口幅に合わせて形成されている(図54参照)。なお、ゲート光透過部75は、上端がゲート口部76の上端より僅かに(取付ベース部74の板厚より小さく設定)上側に位置するよう形成されると共に、下端がゲート口部76の下端より僅かに(取付ベース部の板厚より小さく設定)下側に位置するよう形成されている。すなわち、ゲート光透過部75は、ゲート口部76から外れて遊技領域40aに臨む部位を少なくとも有しているが、ゲート光透過部は、前側に位置するゲート口部に大部分が隠れるようになっている。このように、ゲート口部76がゲート光透過部75の前側に延出形成されているが、ゲート口部76からずらしてゲート光透過部75を設けてあるので、遊技領域40aの発光演出を好適に行うことができる。また、ゲート飾り部材72は、ゲート光透過部75におけるゲート口部76から外れて遊技領域に臨む部位を小さく設定しているので、ゲート光透過部75にカバーを設けない貫通口としても、該ゲート光透過部75を介してゲート飾り部材72の後側を視認することを困難になっている。
前記ゲート口部76は、ゲートセンサ71におけるセンサ口71aの開口縁を保持する爪が内側に上下に離間して設けられて、この爪によって内側にゲート口76aが画成されている(図55または図57参照)。ゲート口76aは、遊技領域40aにおけるパチンコ球の流下経路に臨み、パチンコ球1個ずつの通過を許容する大きさに設定されている。そして、ゲート飾り部材72は、ゲート口部76の爪で前部が保持されると共に後部がセンサ保持手段で抜け止めされたゲートセンサ71のセンサ口71aがゲート口76aに整合するようになっている。
前記センサ保持手段は、センサ取付口74aを挟んで取付ベース部74の後面から延出するように設けられ、センサ取付口74aから該取付ベース部74の後側に突出するゲートセンサ71の側部を保持する一対のセンサ保持片(保持片)78,78と、取付ベース部(142)の後面に一対のセンサ保持片78,78の少なくとも一方に沿って設けられ、後側に開口するねじ孔を有するセンサ保持ボス部(保持ボス部)80と、この保持ボス部80のねじ孔に取り付けられ、該ねじ孔に螺合するねじ軸より半径方向外側に突出する頭部の座面によってゲートセンサ71の後端面を保持するセンサ保持ねじ(ねじ)82とから構成される(図55参照)。一対のセンサ保持片78,78は、センサ取付口74aを挟んで取付ベース部74の後面に設けられている。一対のセンサ保持片78,78は、取付ベース部74に接続する根元部分が、開放端を対向させた略コ字状に基本的に形成されており、ゲートセンサ71の側面に沿って延在すると共にゲートセンサ71の対応する側部を上下に挟むようになっている。右側(表示部側)のセンサ保持片78は、その後端が前部をゲート口部76に保持したゲートセンサ71の後端より前側に位置する(ゲートセンサ71の取付ベース部74からの突出寸法の1/2以下)よう形成されている(図55または図56参照)。これに対して、左側(表示部と反対側)のセンサ保持片78は、上側部分の後端が前部をゲート口部76に保持したゲートセンサ71の後端と略同一または僅かに前側に位置するよう形成されて、下側部分の後端がゲートセンサ71の後端より前側に位置するよう形成されている(図57参照)。
前記センサ保持ボス部80は、センサ保持片78の外側面に沿って後側へ突設された円筒形の部分であって、その後端が前部をゲート口部76に保持したゲートセンサ71の後端と同一または略同一に位置するよう形成されている。実施例のゲート飾り部材72では、センサ取付口74aの右側(表示部41側の一方)にだけセンサ保持ボス部80が設けられている。
前記センサ保持ねじ82は、センサ保持ボス部80に後側に開口するよう設けられたねじ孔に螺合されるねじ軸と、ねじ軸の一端に設けられた頭部とを備えた一般的に用いられているものを採用可能である。すなわち、センサ保持ねじ82は、ねじ孔にねじ軸を螺合した際に、ねじ軸より半径方向外側に突出する頭部の座面がゲートセンサ71の後面に対向し、頭部によりゲートセンサ71の後方への移動を規制するようになっている。ここで、センサ保持ねじ82の頭部とは、別体または一体に形成された座金をセンサ保持ボス部80との間に介在させたものも含み、頭部に平座金が取り付けられたタイプ(実施例)であってもよい(図56参照)。このように、センサ保持ねじ82は、座金を設けることで座面を大きくしてゲートセンサ71の係止面を広く確保している。
前記ゲート70は、ゲート飾り部材72の両センサ保持片78,78、センサ保持ボス部80、センサ保持ねじ82および該ゲート飾り部材72に保持されたゲートセンサ71の後部が、板部材42のゲート貫通口42dの内部に収容されるよう構成される(図9参照)。すなわち、ゲート70は、ゲート飾り部材72における取付ベース部74より後方へ突出する部分が板部材42の厚み寸法に収まるように設定され、当該部分が板部材42の後側に突出しないようになっている。
前記ゲート飾り部材72には、センサ保持ボス部80が設けられる右側(一方)のセンサ保持片78とセンサ取付口74aを挟んで反対側に位置する左側(表示部41と反対側(他方))のセンサ保持片78に、遊技盤40の遊技盤面に沿う方向に延出する配線固定片84が設けられている(図55参照)。配線固定片84は、左側のセンサ保持片78の左側面から取付ベース部74と平行して左方へ延出するよう形成されている。また、配線固定片84は、取付ベース部74の後面から後側に離間するように設置され、実施例では左側のセンサ保持片78の前後方向略中央部に位置している。更に、配線固定片84は、先端部(左端部)が前側(取付ベース部74側)に向けて鉤状に屈曲形成されている。ゲート70は、ゲート飾り部材72に保持されたゲートセンサ71の後端部に接続される配線を、結束バンド等の結束手段で配線固定片84に固定して、表示部41と反対側(他方のセンサ保持片78側)に取り回すようになっている。ここで、ゲート飾り部材72の左側のセンサ保持片78は、下側部分が配線固定片84の配設位置より後側に突出せず、全体としてもゲートセンサ71の後端面より後方へ突出しないように形成されている。ゲート飾り部材72では、ゲートセンサ71の後端面より前側に配線固定片84を設けて、該ゲートセンサ71の後端に接続した配線をゲートセンサ71の左側面に沿わせて前側へ引き込んだ後に、配線固定片84に固定している。
前記遊技盤40は、板部材42の後側に収容される待機位置と表示部の前側に位置する動作位置との間で動作する第1上部可動体220Aを裏ユニット50に備え、第1上部可動体220Aは、板部材42における遊技領域40aの左側部後側と裏ユニット50の左辺部53bとの間に待機位置で収容されるようになっている(図15または図17参照)。ゲート貫通口42dは、板部材42における第1上部可動体220Aの側部収容空間57の前側に開設されており、ゲート70の後側の側部収容空間57には、待機位置の第1上部可動体220Aが臨み、該上部可動体220Aが側部収容空間57から右方に動作して表示部41の左側に開口する板部材42と裏ユニット50との間の開口から現れて動作位置に変位する。ゲート飾り部材72は、第1上部可動体220Aが待機位置から動作位置へ向かう側と反対側に位置する左側のセンサ保持片78に配線固定片84を設け、ゲートセンサ71の配線を第1上部可動体220Aの動作位置への動作方向と反対側(左側)に取り回すように構成してある。配線固定片84でゲート飾り部材72の左側に保持されたゲートセンサ71の配線は、板部材42の後面に沿って左側へ取り回され、裏ユニット50の左側面を通って該裏ユニット50の後面下部に設置された中継基板39に接続される。
前記ゲート飾り部材72の発光構造について説明する。ゲート飾り部材72の発光構造は、前記ゲート光透過部75と、板部材42の後側においてゲート貫通口42dから外れた位置に設けられ、第1上部可動体220Aの側部収容空間57を照らす発光体652aを備える左側部発光基板652と、第1上部可動体220Aの側部収容空間57に設けられ、発光体652aから照射された光をゲート貫通口42dに向けて反射する反射部材654とを有し、ゲート光透過部65を反射部材654の反射光によって発光させるよう構成してある(図9または図22参照)。実施例では、裏ユニット50において第1上部可動体220Aの側部収容空間57に臨む左側の壁部54に設けられた左側部発光基板652と、裏ユニット50の左辺部53bに第1上部可動体220Aの側部収容空間57に対応して設けられた反射部材654とを有する左側部発光装置650によって、ゲート光透過部65が発光するようになっている。前述の如く、第1上部可動体220Aは、側部収容空間57に収容される待機位置において、可動装飾体250が固定装飾体240から離間して隣り合う装飾体240,250の間に隙間ができている。よって、第1上部可動体220Aの後側に配置された反射部材654で反射した光が、隣り合う装飾体240,250の隙間を介してゲート貫通口42dに入射し易くすることができる。
前記ゲート70は、センサ保持ねじ82をセンサ保持ボス部80に着脱することで、ゲート飾り部材72に対するゲートセンサ71の抜け止めまたは取り外しを行う構成であるので、センサ保持片78に設けた爪でゲートセンサ71を保持する保持構造の如く、センサ保持片78に撓曲性を持たせなくても、ゲートセンサ71を着脱することができる。また、センサ保持ボス部80についても、センサ保持ねじ82およびゲートセンサ71の着脱のために撓曲性を持たせる必要がない。すなわち、ゲートセンサ71が配線の取り回しの都合等により遊技盤面に沿う方向に引っ張られたとしても、センサ保持片78が撓み難いので、ゲートセンサ71の保持姿勢が変位することを回避でき、センサ保持ねじ82の座面の前側からゲートセンサ71の後端面が外れる可能性が非常に小さい。しかも、右側のセンサ保持片78には、センサ保持ボス部80が沿わせて設けられているので、センサ保持ボス部80によって一層撓み難くなっている。従って、ゲート70によれば、ゲート飾り部材72のセンサ保持ねじ82によってゲートセンサ71を適切に保持できる。更に、ゲート70によれば、配線等を介してゲートセンサ71に力が加わったとしても、センサ保持片78でゲートセンサ71を適切な姿勢を維持するよう保持し得るので、ゲートセンサ71のセンサ口71aとゲート口76aとが位置ずれし難く、センサ口71aへのパチンコ球の通過に悪影響がでない。
実施例のパチンコ機10の如く、ゲート70の後側に第1上部可動体220Aの側部収容空間57が設けられる構成では、ゲートセンサ71の配線が、板部材42の後側において待機位置で静止している第1上部可動体220Aと、待機位置から動作位置へ移動する第1上部可動体220Aとに干渉しないことが求められる。ゲート70は、ゲートセンサ71の後端面から板部材42の後面に沿って第1上部可動体220Aの動作位置への動作方向と反対側となる左方へ配線を取り回すことで、第1上部可動体220Aとの干渉を回避している。ここで、ゲート飾り部材72には、左側のセンサ保持片78に配線固定片84を設けてあるので、左側に取り回す配線を配線固定片84で固定して、ゲート貫通口42d内で保持することができるので、第1上部可動体220Aの邪魔にならない。配線固定片84は、ゲート飾り部材72に保持したゲートセンサ71の後端面より前側に設けてあるので、第1上部可動体220A(他の装置等)からより離して配線を取り回すことができる。ここで、配線は、ゲートセンサ71の後端面に後側から接続して横方向に取り回すと、接続部位が湾曲して後方へ突出するが、ゲートセンサ71の後端面より前側に設けた配線固定片84に配線を固定することで、配線を前側に引っ張って接続部位の後方への突出寸法を小さくすることができる。また、左側のセンサ保持片78は、ゲートセンサ71の後端面より突出していないので、配線の取り回しに邪魔にならない。ゲート70は、ゲート飾り部材72のセンサ保持手段およびゲート飾り部材72に保持されたゲートセンサ71がゲート貫通口42dに収容される構成であるので、ゲート70の構成が側部収容空間57に突出せずに第1上部可動体220Aと干渉するおそれがなく、板部材42と裏ユニット50との間を第1上部可動体220Aの収容スペースとして広く有効利用できる。
実施例のパチンコ機10では、ゲートセンサ71の配線が第1上部可動体220Aとの干渉を回避するためにある程度張った状態で取り回されるが、前述の如く、ゲートセンサ71に力が加わってもセンサ保持手段でゲートセンサ71を適切な姿勢で保持し得るので、ゲートセンサ71が抜け出す等の不都合を回避できる。なお、配線を配線固定片84で保持することで、配線を引っ張ってもゲートセンサ71との接続部位にかかる力を抑えることができ、接続部位が外れ難くなる。
前述の如く、ゲート飾り部材72の発光構造は、遊技盤40においてゲート貫通口42dから外れた位置に左側部発光基板652を配置し、この左側部発光基板652の発光体652aからの光を反射部材654で反射することで、ゲート飾り部材72のゲート光透過部75を発光させるようになっている。すなわち、ゲート飾り部材72の発光構造によれば、ゲート飾り部材72を発光演出できるので、遊技領域40aの装飾性をより向上することができる。このように、左側部発光基板652をゲート飾り部材72やゲート貫通口42dに設けていないので、ゲート飾り部材72やゲート貫通口42dを大型化させることなく、ゲート飾り部材72を発光演出できる。しかも、ゲート飾り部材72の発光構造は、第1上部可動体220Aの側部収容空間57を発光演出する左側部発光装置650の構成と兼用しているので、部品点数を抑えてコストを低廉にできる。
前記ゲート飾り部材72の発光構造は、左側部発光基板652を裏ユニット50の左側の壁部54に設け、反射部材654を裏ユニット50の左辺部53bに設けてあるので、板部材42の後側に他の部材(上部可動体220)の配設スペースを確保することができ、また板部材42の後面に沿って配設されてゲートセンサ71に接続する配線と、左側部発光基板652および反射部材654が干渉しない。そして、反射部材654の前側には、待機位置の第1上部可動体220Aが位置して、第1上部可動体220Aの位置によって反射部材654で左側部発光基板652の発光体652aから照射された光を反射できる領域が変化するので、これに伴ってゲート光透過部65による発光態様も変化させることができる。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
(2)各可動演出装置の可動体の動作態様について実施例の態様に限られず、揺動や回転や直線動等を適宜採用することができる。
(3)可動演出装置の配置についても適宜変更可能である。
(付記1)
前記カバー部材(170)は、前記ステージ(120)において前記ワープ通路(150)の球出口(152)から遊技球を受け取る転動面(139)に対応して後側に向けて凹設されている。
(付記2)
前記左側部発光装置(650)の発光基板(652)は、裏ユニット(50)の設置板部(53)に後側に向けて凹設されて前側に開口する図柄表示装置(13)の側部を支持する装置支持部(52b)に一部を収容して設置される。