JP2008227862A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンテナの性能を保持しつつ、小型化及び実装の効率化が可能なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置は、GNDパターンのランドと給電パターンのランドが同一面上に設けられた基板と、基板のランド形成面から離反する方向に螺旋状に延びる螺旋部を有する外部エレメントと、外部エレメントの内側に間隔を隔てて配置され、外部エレメントの軸方向に沿って螺旋状に延びる螺旋部を有する内部エレメントとを有し、2つのエレメントの一方を信号線、他方をGND線とするアンテナと、基板のランド形成面上に配置され、2つのエレメントを所定の位置関係に保持する保持部材を備えている。そして、保持部材が誘電体からなり、2つのエレメントが、基板に固定される側において螺旋部に連結された端部として、基板のランド形成面に略平行とされた表面実装部をそれぞれ有し、表面実装部が異なるランドにそれぞれ接続されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステムやスマートエントリーシステムなどのアンテナ装置に関するものである。
例えば車両や住宅等に用いられるキーレスリモートシステム用の無線機(所謂キーレス受信機)のように、UHF,VHF帯といった比較的波長の長い(数十cm〜数m)領域の電波を使用するアンテナ装置においては、アンテナ装置の体格に対してアンテナの大きさが支配的である。したがって、アンテナ装置を小型化するためにはアンテナを小型化することが重要である。
これに対し、アンテナを小型化する構成として例えば特許文献1が開示されている。このアンテナは、直線状に延びる内部導体と、これを中心として間隔を隔てて密巻状に巻回された外部コイル状導体とを有し、特有の周波数で共振するように構成されている。これにより、比較的高い利得を有しつつ、小型化されたアンテナ構造としている。
特開2003−152427号公報
上記構成の場合、内部導体が直線状に延びる構造となっているので、小型化に限界がある。例えば無線機を小型化するために内部導体の伸延方向に直交する方向のアンテナの外形を小さくする場合、共振するための電気長を確保するために内部導体及び外部コイル状導体の少なくとも一方を長くする必要があるが、内部導体が直線状であるので高さが大きく増加してしまう。
これに対し、本出願人は特願2006−106787号にて、一方を信号線とし、他方をGND線とする2つのエレメントとして、螺旋状に延びる外部エレメントの内部に、間隔を隔てて内部エレメントを配置する構成において、内部エレメントを外部エレメントの軸方向に沿って螺旋状に延びる形状としたアンテナを出願している。このように内部エレメントを螺旋状とすると、帯域を狭くすることができ、アンテナ利得を向上することができるので、ほぼ同じアンテナ利得であれば、直線状の内部エレメントを有するアンテナよりもアンテナの体格を小型化することができる。また、特願2006−038500号にて、このようなアンテナをアンテナの性能を保持しつつ基板に実装するためのアンテナホルダについて出願している。しかしながら、さらなる小型化及び実装の効率化が求められている。
本発明は上記問題点に鑑み、アンテナの性能を保持しつつ、小型化及び実装の効率化が可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に、請求項1に記載のアンテナ装置は、GNDパターンのランドと給電パターンのランドが同一面上に設けられた基板と、基板のランド形成面から離反する方向に螺旋状に延びる螺旋部を有する外部エレメントと、外部エレメントの内側に間隔を隔てて配置され、外部エレメントの軸方向に沿って螺旋状に延びる螺旋部を有する内部エレメントとを有し、2つのエレメントの一方を信号線とし、他方をGND線とするアンテナと、基板のランド形成面上に配置され、2つのエレメントに接触されて2つのエレメントを所定の位置関係に保持する保持部材と、を備えている。そして、保持部材が誘電体からなり、2つのエレメントが、基板に固定される側において螺旋部に連結された端部として、基板のランド形成面に略平行とされた部位を含む表面実装部をそれぞれ有し、表面実装部が互いに異なるランドとそれぞれ接続されていることを特徴とする。
このように本発明によれば、保持部材によって2つのエレメントが所定の位置関係に保持されるので、アンテナの性能を保持することができる。
また、誘電体を用いて保持部材を構成しているので、これによってエレメントを流れる高周波電流の波長短縮が生じ、基板のランド形成面からのアンテナの高さ(アンテナ装置の体格)を小型化することができる。
また、各エレメントが対応するランドとの接続部位として表面実装部をそれぞれ有している。したがって、2つエレメントをリフローによって基板に一括実装することが可能であり、アンテナの実装を効率化することができる。なお、保持部材によって保持された状態で2つエレメントを実装することで、実装をより効率化することができる。
請求項1に記載の発明においては、例えば請求項2に記載のように、2つのエレメントと保持部材が一体成形された構成とすることが好ましい。
このような構成とすると、構成を簡素化することができる。また、一体成形によってエレメントと保持部材が密着されているので、波長短縮効果を高めることができる。
請求項1又は請求項2に記載の発明においては、請求項3に記載のように、保持部材が2つのエレメントの螺旋部間の対向領域の少なくとも一部に介在された構成とすると良い。このような構成とすると、保持部材によって2つのエレメントを所定の位置関係に保持することができる。また、波長短縮効果によって、アンテナ装置の体格を小型化することができる。なお、請求項4に記載のように、2つのエレメントの螺旋部間の対向領域全てに保持部材が介在された構成とすると、より効果的である。
請求項3又は請求項4に記載の発明においては、請求項5に記載のように、保持部材が内部エレメントの螺旋部内にも配置され、保持部材の該部位が内部エレメントと接触された構成としても良い。また、請求項3〜5いずれかに記載の発明においては、請求項6に記載のように、保持部材が外部エレメントよりも外側に配置され、保持部材の該部位が外部エレメントと接触された構成としても良い。
このように、内部エレメントとの螺旋部内や外部エレメントの外周側にも保持部材の一部が配置された構成とすると、該位置に配置された保持部材も波長短縮効果に少なからず寄与するので、アンテナ装置の体格をより小型化することができる。
請求項1〜6いずれか1項に記載の発明においては、請求項7に記載のように、GNDパターンが2つのエレメントの配置位置に対応して基板のランド形成面に設けられ、表面実装部が保持部材を介してGNDパターン上に積層配置されたストリップライン構造とされ、表面実装部の先端部位が対応するランドと接続された構成としても良い。
このように、保持部材を利用して表面実装部をストリップライン構造とすると、アンテナのインピーダンスを安定化させて、アンテナの性能のばらつきを抑制することができる。また、GNDパターン上に積層配置された保持部材は波長短縮効果に少なからず寄与するので、アンテナ装置の体格を小型化することができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るアンテナ装置の要部の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1において、アンテナ周辺の透視図である。図3は、図2を基板上面側から見た透視図である。図4は、図2を側面側から見た透視図である。なお、図2及び図3においては、便宜上、アンテナと保持部材のみを図示している。また、図4においては、はんだを省略して図示している。
本実施形態に係るアンテナ装置は、車両のキーレスリモートシステムの受信機として構成されている。図1〜図4に示すように、アンテナ装置100は、要部として、基板110と、外部エレメント120と内部エレメント130の2つのエレメントからなり、基板110に実装されたアンテナ140と、外部エレメント120と内部エレメント130を所定の位置関係に保持する保持部材150とを有している。
図1及び図4に示すように、基板110は、絶縁材料からなる基材(例えば誘電率3程度の樹脂基材)の一表面(同一表面)に、各エレメント120,130の端部が表面実装されるランドとして、GNDパターン111のランド111aと給電パターン112のランド112aを有するものである。本実施形態においては、図4に示すように、ランド111a,112aだけでなく、GNDパターン111と給電パターン112も、基板110のランド形成面上に設けられている。GNDパターン111は、GNDパターン111上にアンテナ140が配置されるように、基板110のランド形成面において、アンテナ140の配置位置に対応して平面略矩形状に設けられている。そして、平面略矩形状のGNDパターン111から基板110のランド形成面に沿って突出してランド111aが設けられている。また、GNDパターン111の近傍にランド112aが設けられ、ランド112aを端部としてGNDパターン111から離反する方向に給電パターン112が設けられている。そして、アンテナ140からの受信信号は、インピーダンスマッチングのための図示されない整合素子を介して、給電パターン112によって図示されないRF(RadioFrequency)回路に伝送(出力OUT)されるように構成されている。
なお、本実施形態においては、RF回路は基板110とは異なる基板に構成されているが、RF回路が基板110に一体に構成されても良い。また、ランド111aは、繋ぎ配線や接続ビアを介してGNDパターン111と接続された構成としても良い。その際、繋ぎ配線の一部にコンデンサなどの素子が配置された構成としても良い。
アンテナ140は、図2〜図4に示すように、基板110のランド形成面から離反する方向に螺旋状に延びる螺旋部121を有する外部エレメント120と、外部エレメント120の内側に間隔を隔てて配置され、外部エレメント120の軸方向に沿って螺旋状に延びる螺旋部131を有する内部エレメント130とを有し、2つのエレメント120,130の一方を信号線とし、他方をGND線とするL(インダクタンス)C(キャパシタンス)直列共振回路構成のアンテナである。このようなアンテナ140の構成及び効果の詳細については、特願2006−106787号に記載されているので、本実施形態での詳細な記載は省略する。
本実施形態においては、図4に示すように、導体線を、内径D1、螺旋間ピッチP1で平面円形状となるように螺旋状に巻回して外部エレメント120が構成されている。また、導体線を、D1よりも小さい内径D2、P1よりも狭い螺旋間ピッチP2で平面円形状となるように螺旋状に巻回して内部エレメント130が構成されている。そして、外部エレメント120の基板110のランド形成面からの高さL1と内部エレメント130のランド形成面からの高さL2が略等しくされている。このような構成とすると、外部エレメント120に流れる電流による2次電流が効率よく内部エレメント130に作用するので、アンテナ利得をより向上することができる。すなわち、アンテナ140の体格をより小型化することができる。また、図4に示すように、外部エレメント120の中心軸と内部エレメント130の中心軸が一致(図中の一点鎖線)するように、各エレメント120,130が配置されている。なお、各エレメント120,130の螺旋形状としては、略円以外にも矩形状や矩形以外の多角形状などとしても良い。
このように内部エレメント130を螺旋状とすると、内部エレメント130に流れる電流の方向と、外部エレメント120に流れる電流によって内部エレメント130に生じる2次電流(イメージ電流)の方向(ベクトル)がほぼ同一となり、これらの電流が効率よく合成される。また、電流経路が螺旋状であるので、使用電波に関する電流以外の不要な電流が流れにくい。したがって、帯域を狭くすることができ、アンテナ利得を向上することができる。すなわち、ほぼ同じアンテナ利得であれば、直線状の内部エレメントを有するアンテナよりもアンテナ140の体格、ひいてはアンテナ140を基板110に実装してなるアンテナ装置100の体格を小型化することができる。
また、各エレメント120,130は、基板110の対応するランド111a,112aと接続される側において螺旋部121,131に連結された端部として、表面実装部122,132をそれぞれ有している。そして、各表面実装部122、132は、互いに異なるランド111a,112aに対して接続されている。このように、表面実装構造を採用すると、2つエレメント120,130をリフローによって基板110に一括実装することが可能であり、基板110に対するエレメント120,130の実装を効率化することができる。本実施形態においても、各エレメント120,130は、基板110に対して、リフローによって一括実装されている。
表面実装部122,132は、少なくとも基板110のランド形成面に略平行な部位を有していれば良い。本実施形態においては、各エレメント120,130の一端が基板110のランド形成面に略平行に折曲され、表面実装部122,132となっている。より詳しくは、表面実装部122,132は、基板110のランド形成面に略平行な部位と、平行部位の先端側を後述する保持部材150のベース部152の端面に沿ってランド形成面側に折曲してなる部位とによって構成されている。そして、基板110に設けられた電位基準としてのGNDパターン111のランド111aに外部エレメント120(表面実装部122)がはんだ160を介して電気的に接続され、給電パターン112のランド112aに内部エレメント130(表面実装部132)がはんだ160を介して電気的に接続されている。すなわち、外部エレメント120がGND線とされ、内部エレメント130が信号線とされている。
ここで、上述したように、螺旋状に延びる外部エレメント120の内部に所定の間隔を隔てて内部エレメント130を配置してなる所謂ダイポール構造のアンテナ140においては、2つのエレメント120,130の位置関係がアンテナ140の性能(共振特性)に対して重要である。例えば、2つのエレメント120,130の対向領域の間隔が変化すると、2つのエレメント120,130の対向領域間に構成されるコンデンサの容量が変化するため、共振周波数が変化し放射特性に影響を与える。また、基板110に対する垂直方向の成分が放射特性に寄与するため、基板110の垂直方向に対するエレメント120,130の傾きが変化する(すなわちエレメント120,130の基板表面からの高さL1,L2が変化する)と、エレメント120,130の対向領域の距離(高さ方向)が変化して放射特性に影響を与える。そこで、保持部材150は、各エレメント120,130に接触されて2つのエレメント120,130を所定の位置関係に保持し、ひいてはアンテナ140の性能を保持するように構成されている。
保持部材150の構造としては、2つのエレメント120,130を保持すべく各エレメント120,130に接触する形態であれば特に限定されるものではない。本実施形態においては、保持部材150と2つのエレメント120,130が一体成形され、これによって保持部材150が2つのエレメント120,130を所定の位置関係に保持するように構成されている。このように、一体成形された構成とすると、構成を簡素化することができる。また、一体成形によってエレメント120,130と保持部材150が密着されているので、後述する波長短縮効果を高めることができる。
保持部材150の構成材料としては、アンテナ140を基板110に実装する際の耐熱性を有し、電気絶縁性の誘電体であれば採用することができる。このように誘電体からなる保持部材150を採用すると、保持部材150と接するエレメント120,130に流れる高周波電流の波長短縮が生じ、誘電体が配置されない構成に比べて、アンテナ140の共振周波数を低域にシフトさせることができる。すなわち、同じ共振周波数であれば、誘電体が配置されない構成に比べて、電気長(エレメント120,130の長さ)を短くすることができ、基板110のランド形成面からのアンテナ140の高さ(アンテナ装置100の体格)を小型化することができる。このことは、2つのエレメント120,130からなるコンデンサにおいて、コンデンサの容量が誘電体の誘電率が大きいほど大きくなり、それに伴ってLC直列共振回路のアンテナ140の共振周波数が小さくなることからも明らかである。なお、保持部材150を構成する誘電体の誘電率が大きいほど、上述した波長短縮効果の影響が大きくなるので、アンテナ装置100の体格をより小型化することができる。本実施形態においては、樹脂とセラミックの混合材料からなる誘電率が20でリフロー実装に対する耐熱性を有する誘電体によって、保持部材150が構成されている。
具体的には、保持部材150は、図1〜図4に示すように、2つのエレメント120,130の螺旋部121,131の少なくとも一部に対応する螺旋部151と、表面実装部122,132に対応するベース部152とを有している。螺旋部151は、螺旋部121,131の下端(表面実装部122,132との連結端)から上端よりも若干高い位置まで設けられており、2つのエレメント120,130の螺旋部121,131間の対向領域全てに介在された略円筒状の螺旋間部151aを有している。このように、保持部材150(螺旋間部151a)が、2つのエレメント120,130の螺旋部121,131間の対向領域の少なくとも一部に介在された構成とすると、保持部材150によって、2つのエレメント120,130を所定の位置関係に保持しつつ、波長短縮効果によってアンテナ140の共振周波数を低域にシフトさせることができる。特に本実施形態に示すように、螺旋部121,131間の対向領域全てに保持部材150(螺旋間部151a)が介在された構成とすると、保持効果と波長短縮効果をより高めることができる。
また、本実施形態においては、螺旋部151が、内部エレメント130の螺旋部131の内部全てに配置され、内部エレメント130と接触された略円柱状の螺旋内部151bも有している。すなわち、螺旋部151が円柱状となっている。さらには、基板110のランド形成面に垂直な方向において、外部エレメント120の隣接する螺旋間や、内部エレメント130の隣接する螺旋間にも配置されている。このように、内部エレメント130との螺旋部131内や、各エレメント120,130の螺旋間に配置された保持部材150も波長短縮効果に少なからず寄与する。したがって、アンテナ140の共振周波数をより低域にシフトさせ、ひいてはアンテナ装置100の体格をより小型化することができる。
また、本実施形態においては、保持部材150のベース部152がGNDパターン111上に積層配置され、ベース部152上に表面実装部122,132が積層配置されている。すなわち、表面実装部122,132がストリップライン構造となっている。その一例として、本実施形態においては、ベース部152が平面矩形状のGNDパターン111よりも大きい平面矩形の板状とされ、GNDパターン111上に積層配置されている。この積層状態で、基板110のランド形成面上方から見て、GNDパターン111はベース部152によって被覆され、ランド111aのみが露出されている。また、ベース部152のGNDパターン111との接触面の裏面には、エレメント120,130の表面実装部122,132の表面が露出するように一体的に保持されている。このように、保持部材150を利用して表面実装部122,132をストリップライン構造とすると、アンテナ140のインピーダンスを安定化させて、アンテナ140の性能のばらつきを抑制することができる。また、GNDパターン111上に積層配置された保持部材150(ベース部152)も波長短縮効果に少なからず寄与するので、これによってアンテナ140の共振周波数を低域にシフトさせ、ひいてはアンテナ装置100の体格をさらに小型化することができる。また、本実施形態においては、ベース部152の表面に表面実装部122,132が保持されているので、保持部材150によるエレメント120,130の保持効果を高めることができる。また、ランド111a,112aに対する位置精度を高めることができる。
このような構成のアンテナ装置100は、例えば以下に示す手順で形成することができる。先ず、導体線を加工して2つのエレメント120,130をそれぞれ形成する。次に、形成されたエレメント120,130をインサート部品として型内に配置し、該型内に保持部材150の構成材料を射出する。これにより、アンテナ140(エレメント120,130)と保持部材150が一体化される。また、これとは別に基板110を準備し、ランド111a,112a上にスクリーン印刷やディスペンサなどではんだ160を塗布しておく。そして、表面実装部122,132が対応するランド111a,112a上に載置されるように、保持部材150のベース部152を別途準備された基板110のGNDパターン111上に位置決め載置する。そして、この位置決め状態で、リフローを実施することにより、表面実装部122,132と対応するランド111a,112aとがはんだ160を介して接合され、上述したアンテナ装置100が形成される。
このように本実施形態に係るアンテナ装置100によれば、保持部材150によって2つのエレメント120,130を所定の位置関係に保持することができるので、2つのエレメント120,130がともに基板110のランド形成面側に配置され、ランド形成面から離反する方向に螺旋状に延びる構成でありながら、アンテナ140の性能を保持することができる。
また、保持部材150を構成する誘電体の波長短縮効果によって、アンテナの共振周波数を低域にシフトさせることができる。すなわち、同じ共振周波数であれば、誘電体が配置されない構成に比べて電気長を短くすることができ、アンテナ装置100の体格を小型化することができる。特に本実施形態においては、基板110を構成する絶縁材料よりも誘電率の高い誘電体を用いて保持部材150を構成しているので、アンテナ装置100の体格をより小型化することができる。
なお、本発明者は、このように構成されるアンテナ装置100において、波長短縮による小型化の効果を確認した。その結果を図5に示す。図5は、電磁界シミュレーションによる波長短縮効果を示す図であり、本実施形態に係るアンテナ装置100(誘電率20の誘電体からなる保持部材150を含む)を実線で示し、比較対象として保持部材150がない以外は本実施形態のアンテナ装置100と同一構成のアンテナ装置を破線で示している。図5に示すように、本実施形態に係るアンテナ装置100によれば、保持部材150のない構成に比べて、同一の共振周波数でエレメント全長(電気長)を約0.33倍とすることができる。すなわち、アンテナ装置100の体格を小型化することができる。
また、各エレメント120,130が、対応するランド111a,112aと接続される端部として、基板110のランド形成面に略平行とされた部位を含む表面実装部122,132を有している。したがって、2つエレメント120,130をリフローによって基板110に一括実装することができるので、基板110に対するアンテナ140の実装を効率化することができる。なお。本実施形態においては、保持部材150によって保持された状態で、アンテナ140(エレメント120,130)を基板110に実装するので、表面実装部122,132を対応するランド111a,112aに位置決めしやすく、実装をより効率化することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図6に基づいて説明する。図6は、第2実施形態に係るアンテナ装置100において、アンテナ周辺の透視図である。なお、図6は、第1実施形態に示した図4に対応している。
第2実施形態に係るアンテナ装置100は、第1実施形態に示したアンテナ装置100と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、保持部材150が、螺旋部151とベース部152を有し、ベース部152を介してGNDパターン111上に表面実装部122,132が積層されて、表面実装部122,132がストリップライン構造とされる例を示した。これに対し、本実施形態においては、図6に示すように、保持部材150が螺旋部151のみを有し、GNDパターン111が基板110のランド形成面の裏面に設けられ、基板110を介してGNDパターン111上に表面実装部122,132が積層されて、表面実装部122,132がストリップライン構造となっている点を特徴とする。より詳しくは、GNDパターン111が、アンテナ140の配置位置に対応して基板110のランド形成面の裏面に設けられ、接続ビア113を介してランド111aと接続されている。そして、エレメント120,130を保持する保持部材150の螺旋部151が、基板110のランド形成面上に載置され、表面実装部122,132が対応するランド111a,112a上に対向配置されて、はんだ160(図6においては図示略)を介して接続されている。このような構成としても、表面実装構造において、アンテナ140のインピーダンスを安定化させることができる。なお、図6においては、保持部材150にはベース部152がないので、表面実装部122,132は、基板110のランド形成面に略平行な部位の先端側に、基板110のランド形成面側に折曲してなる部位を有していない構成となっている。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図7に基づいて説明する。図7は、第3実施形態に係るアンテナ装置100において、アンテナ周辺の透視図である。なお、図7は、第1実施形態に示した図4に対応している。
第3実施形態に係るアンテナ装置100は、第1実施形態に示したアンテナ装置100と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、保持部材150が、螺旋部151とベース部152を有する例を示した。これに対し、本実施形態においては、図7に示すように、保持部材150がベース部152のみを有する点を特徴とする。ベース部152は、エレメント120,130の表面実装部122,132を保持し、螺旋部121,131の一端(表面実装部122,132との連結側)に隣接配置されているので、波長短縮効果に少なからず寄与する。したがって、これによってアンテナ140の共振周波数を低域にシフトさせ、ひいてはアンテナ装置100の体格を小型化することができる。また、エレメント120,130の表面実装部122,132を保持しているので、保持部材150の無い構成に比べて、アンテナ140の性能を保持することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図8に基づいて説明する。図8は、第4実施形態に係るアンテナ装置100において、アンテナ周辺の透視図である。なお、図8は、第1実施形態に示した図4に対応している。
第4実施形態に係るアンテナ装置100は、第1実施形態に示したアンテナ装置100と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、保持部材150が、螺旋部151として、螺旋間部151aと螺旋内部151bを有する例を示した。これに対し、本実施形態においては、図8に示すように、螺旋部151として、外部エレメント120よりも外側に配置され、外部エレメント120と接触された螺旋外部151cをさらに有する点を特徴とする。すなわち、本実施形態において、螺旋部151は、外部エレメント120の外径よりも大きい略円柱状となっており、エレメント120,130の螺旋部121,131は保持部材150によって完全に被覆されている。このように、外部エレメント120の外周側に配置された保持部材150も波長短縮効果に少なからず寄与する。したがって、アンテナ140の共振周波数をより低域にシフトさせ、ひいてはアンテナ装置100の体格をより小型化することができる。
なお、本実施形態においては、螺旋部151として、螺旋間部151a、螺旋内部151b、及び螺旋外部151cを有する例を示した。しかしながら、螺旋部151としては、螺旋間部151a、螺旋内部151b、及び螺旋外部151cの少なくとも1つを有していれば良い。例えば螺旋間部151aと螺旋外部151cを有する構成としても良いし、螺旋内部151bと螺旋外部151cを有する構成としても良い。さらには、螺旋間部151a、螺旋内部151b、及び螺旋外部151cのいずれか1つのみを有する構成としても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態において、アンテナ装置100を車載用キーレス受信機に適用する例を示した。しかしながら、本実施形態に示すアンテナ装置100の適用範囲は上記例に限定されるものではない。スマートエントリーシステムなどのアンテナ装置に適用することもできる。また、受信機だけでなく送信機に適用することができるのは言うまでもない
本実施形態において、保持部材150の螺旋部151が、螺旋部121,131の下端(表面実装部122,132との連結端)から螺旋部121,131の上端よりも若干高い位置まで設けられる例を示した。しかしながら、エレメント120,130を所定の位置関係に保持し、且つ、波長短縮効果を発揮すべく、基板110のランド形成面に垂直な方向において、螺旋部151は、エレメント120,130の螺旋部121,131の少なくとも一部と接触された構成であれば良い。
上述した各実施形態のうち、保持部材150としてベース部152を有する構成においては、表面実装部122,132が、基板110のランド形成面に略平行な部位と、該平行部位の先端を基板110のランド形成面側に折曲してなる部位を有する例を示した。しかしながら、表面実装部122,132の構成は上記例に限定されるものではない。基板110のランド形成面に略平行な部位のみを有する構成としても良い。対応するランド111a,112aに対して表面実装が可能な構成、好ましくはリフローはんだ付けが可能な構成であれば採用することができる。
本実施形態においては、保持部材150がエレメント120,130と一体成形される例を示した。しかしながら、保持部材150に対してエレメント120,130が組み付けられて固定され、これによって2つのエレメント120,130が所定の位置関係に保持される構成としても良い。例えば図9においては、螺旋間部151aとベース部152が一体成形されに保持部材150が構成され、これらが内部エレメント130の螺旋部131を挟むように2分割されている。そして、2分割された保持部材150の一方の内周部位に設けられた固定溝153に内部エレメント130の螺旋部131を嵌め込み、その後保持部材150の一方に保持部材150の他方を固定(例えば嵌合)させて内部エレメント130を挟み込む。次に、固定された保持部材150の外周部位に設けられた固定溝154に、弾性力を利用して外部エレメント120の螺旋部121を嵌め込む。このようにして、保持部材150によって2つのエレメント120,130が所定位置に保持された構成としても良い。なお、図9に示す符号155は、表面実装部132を保持するための溝である。図9は、変形例を示す斜視図である。
本実施形態においては、各エレメント120,130を構成する螺旋部121,131と表面実装部122,132が、それぞれ同一の導体線からなる例を示した。しかしながら、螺旋部121,131と表面実装部122,132が別部材として構成され、互いに接続されて各エレメント120,130とされた構成としても良い。
本実施形態においては、保持部材150が1つの部材として、射出成形によって形成される例を示した。しかしながら、保持部材150が複数の部材から構成されても良い。例えば、螺旋部151とベース部152が別部材として構成され、互いに接続されて保持部材150とされた構成としても良い。また、螺旋部151のうち、螺旋間部151aと螺旋内部151bとが別部材として構成されても良い。
第1実施形態に係るアンテナ装置の要部の概略構成を示す斜視図である。 図1において、アンテナ周辺の透視図である。 図2を基板上面側から見た透視図である。 図2を側面側から見た透視図である。 波長短縮効果を示す図である。 第2実施形態に係るアンテナ装置において、アンテナ周辺の透視図である。 第3実施形態に係るアンテナ装置において、アンテナ周辺の透視図である。 第4実施形態に係るアンテナ装置において、アンテナ周辺の透視図である。 その他変形例を示す斜視図である。
符号の説明
100・・・アンテナ装置
111・・・GNDパターン
111a・・・ランド
112・・・給電パターン
112a・・・ランド
120・・・外部エレメント
122・・・表面実装部
130・・・内部エレメント
132・・・表面実装部
140・・・アンテナ
150・・・保持部材
151・・・螺旋部
152・・・ベース部
160・・・はんだ

Claims (7)

  1. GNDパターンのランドと給電パターンのランドが同一面上に設けられた基板と、
    前記基板のランド形成面から離反する方向に螺旋状に延びる螺旋部を有する外部エレメントと、前記外部エレメントの内側に間隔を隔てて配置され、前記外部エレメントの軸方向に沿って螺旋状に延びる螺旋部を有する内部エレメントとを有し、2つの前記エレメントの一方を信号線とし、他方をGND線とするアンテナと、
    前記基板のランド形成面上に配置され、2つの前記エレメントに接触されて2つの前記エレメントを所定の位置関係に保持する保持部材と、を備えるアンテナ装置であって、
    前記保持部材は誘電体からなり、
    2つの前記エレメントは、前記基板に固定される側において前記螺旋部に連結された端部として、前記基板のランド形成面に略平行とされた部位を含む表面実装部をそれぞれ有し、
    前記表面実装部は、互いに異なる前記ランドとそれぞれ接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 2つの前記エレメントと前記保持部材は、一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記保持部材は、2つの前記エレメントの螺旋部間の対向領域の少なくとも一部に介在されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記保持部材は、2つの前記エレメントの螺旋部間の対向領域全てに介在されていることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記保持部材は、前記内部エレメントの螺旋部内に配置され、前記内部エレメントと接触されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記保持部材は、前記外部エレメントよりも外側に配置され、前記外部エレメントと接触されていることを特徴とする請求項3〜5いずれか1項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記GNDパターンは、2つの前記エレメントの配置位置に対応して前記基板のランド形成面に設けられ、
    前記表面実装部は、前記保持部材を介して前記GNDパターン上に積層配置されたストリップライン構造とされ、その先端部位が対応する前記ランドと接続されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のアンテナ装置。
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