JP2008224199A - 排風循環式穀物乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排風循環式穀物乾燥機は、穀物を循環しつつ熱風によって乾燥処理する乾燥部11と、この乾燥部11から排出された排風を所定の循環率で同乾燥部11に循環する循環部20と、これら乾燥部11および循環部20を穀物の水分値に応じた循環率で乾燥運転制御する循環乾燥制御によって制御する制御部とを備えて構成され、上記制御部は、水分計からの水分値データが異常の場合に、循環率をゼロとして排風全量を機外排出する乾燥制御によって乾燥処理する制御を行うものである。
【選択図】図6
Description
この穀物乾燥機は、水分計による穀物水分値に応じて排出風の一定率を循環することにより、熱風排出に伴う加熱ロスを抑えつつ、所定の穀物乾燥速度によって穀物品質を確保しつつ効率よく穀物乾燥運転をすることができる。
図1は、穀物乾燥機の内部構成を示す内部透視正面図である。
穀物乾燥機は、塔型構成の箱体1の上段部に穀物を貯留する貯留室10を、下段部にその穀物を受けて熱風乾燥する乾燥部11を構成する。貯留室10の上部には、穀物を上送する昇降機2から穀物を受ける搬入装置3、拡散羽根12を備え、同貯留室10の下部は乾燥部11の流下通路14に連通する。乾燥部11は流下通路14のほかに、熱風室13、排風室15、搬出装置17等を備える。
機体各部について詳細に説明すれば、昇降機2には穀物の水分を検出する水分計9と箱体1内の穀物を機外に排出する穀物排出口18とをそれぞれ設け、搬入装置3には搬送用のラセン3aを内設してその搬送行程中に穀物に混じる藁屑等の夾雑物を集塵する集塵装置50を設ける。
循環通路20は、機体の部分破断による拡大側面図を図4に示すように、排気ファン7の排出側に取り付けられており、その始端側には排風調節弁22の直前位置の底部に凹状の第一塵埃貯留部20aを形成し、さらに、排気ファン7の下方から箱体1内の熱風室13内を貫通してその終端部の上方の加熱室5に連通して構成する。循環通路20の終端部の底部にも凹状の第二塵埃貯留部20bを形成する。
そのほかに、図示はしないが、循環通路20には排気ファン7で排出された排気の温度を検出する排気温度センサと、排気の相対湿度を検出する排気湿度センサとを設け、また、外気導入口31の近傍に外気温センサを配置し、排気ファン7の近傍に排気湿度センサを配置し、その他、穀温センサの信号を合わせてそれらの信号に応じて運転制御を行う。
次に、乾燥作業について説明する。
作業者は張込開始スイッチを操作して開閉扉19aが開いた投入口19に穀物を順次投入する。投入された穀物は搬出装置17によって昇降機2まで搬送され、昇降機2から搬入装置3を経て貯留室10に供給されていく。穀物の投入終了後、乾燥開始スイッチを操作すると燃焼バーナ4が作動し、燃焼面4aに発生する炎によって熱風が熱風室13に供給される。一方、ロータリバルブ16も駆動を開始し、流下通路14を流下する穀物を順次排出装置17に繰り出していく。熱風室13に供給された熱風は熱風室13を形成する熱風室体14aに多数形成するスリット(図示せず)を通過して流下通路14に流入する。そして、流下する穀物中の水分を奪って排風室15に流入する。排風室15に流入した熱風は排気ファン7で吸引排出される。
外気温度センサで検出された外気温が20℃で外気湿度センサで検出された外気湿度が70%で制御部で算出された絶対湿度が13g/m3(立方メートルを「m3」と表記)とする。そして、制御目標とする排風を例えば排風温度が30℃で排風湿度が70%、そして絶対湿度を25g/m3とした場合とする。そして、本実施例の排気ファン7の風量を1900m3/hで、穀物乾燥機に供給された穀物(籾)量を800kg、乾減率(一時間あたりに乾燥される水分の割合)を1.2%/hとした場合、どの程度の割合の排風を熱風室13に循環するかを以下の式より求める。
外気が吸水できる最大吸水量は
12×1900/1000≒23(kg) …(ロ)
そして、一時間あたりに乾燥機から除去される水分量は
800(kg)×1.2(%/h)=9.6(kg/h)…(ハ)
(ロ)の式と(ハ)の式より
23/(9.6+23)≒0.71(71%) …(ニ)
すなわち、排気ファン7から排出される排風量の71%を熱風室13に循環すべく排風調節弁22を調節する。
増加水量/(増加水量+蒸発水量)
を示している。
次に、循環通路について詳細に説明する。
循環通路20の途中部に、すなわち、第一塵埃貯留部20aと後述の開口部20w…との間に、全断面回動板を軸支して構成される開閉弁20eを設けて構成する。穀物乾燥機の運転条件により排気口23から100%を排出する場合は、上記開閉弁20eを全閉して運転する。この穀物乾燥機は、乾燥部11が機体前面側から外気を吸引していることから排気ファン7側に排気抵抗を受けると循環通路20から排気を吸引することとなるが、上記のように排気口23から100%を排出する場合において、排気ファン7の出口付近で風の抵抗を受けても、上記開閉弁20eにより循環通路20の側に排気が逃げるのを防止することができる。
次に、排風循環式穀物乾燥機の乾燥制御について説明する。
排風循環式穀物乾燥機は、所定の水分値になるまで乾燥対象の穀物を循環させつつ乾燥部11で乾燥処理し、その処理段階に応じて循環部20からの循環量を制御し、すなわち、乾燥運転の開始当初の所定時間についてゼロ循環制御(全排出制御)、次いで、所定温度まで全循環制御した上で、水分値と対応する対応循環制御を行う。
対応循環制御は、循環穀物の水分値に応じて設定した循環率による循環風量に調節する制御である。具体的には、予め得られている理想的な穀物乾燥運転に必要な穀物水分と排風絶対湿度との関係に沿って循環率を制御する。例えば、図5の乾燥特性図に示すように、穀物水分の低下に従って排風絶対湿度を低下するように循環率を調整する。
次に、上記構成の穀物乾燥機の具体的な運転制御について説明する。
上記穀物乾燥機は、水分計の水分値によって予め目標排風絶対湿度を登録しておき、この値によって排風循環量を算出して排風循環によって乾燥処理する制御部を設けて構成し、また、水分計を取外したり、水分計を切った場合については、排風循環乾燥に入らずに、排風循環弁を100%機外排出とし、設定温度は、乾燥速度が「普通」のモードであっても、高速乾燥の「普通」から通常乾燥の「普通」の温度設定に変更する。
次に、水分計異常時の別の制御処理について説明すると、水分計が異常を起こした際に、安全側の排風循環率30%〜40%程度に定めた循環率で乾燥処理し、この時の乾燥速度を高速乾燥の「遅い」に該当する1.0%毎時程度に遅くする。
この制御処理は、通常乾燥の「普通」で乾燥を行うよりも、所定の循環率による高速乾燥の「遅い」を固定的に行った方が速く乾燥することができることから、前述の制御処理による乾燥速度の弊害を解消して高速乾燥の利点を生かすことができる。
次に、高速乾燥における休止工程について説明する。
排風循環によって高速乾燥を行っている間は穀物表面が高温高湿の状態であり、そのまま休止すると穀物が蒸れて胴割れしやいすい状況に陥るので、休止水分によって休止を決定するモードの場合においては、下記の一連のステップにより、休止工程に入る際に必ず穀物1循環の通風を行ってから停止する。
次に、高速乾燥の仕上がり付近の制御について説明する。
排風循環を停止するタイミングは、乾燥速度と穀温に応じて変更し、仕上がり付近で排風循環制御を停止すると同時に設定温度を所定値に低下する。
次に、バーナ制御については、燃焼量と一次空気量との関係(燃焼オンタイムと風調ファン回転数との関係)を予め登録しておき、この関係を排風循環率によって変更する。具体的には、燃焼量と一次空気量の関係図を図8に示すように、排風循環率(弁開度)を上げるほど風調ファンの回転数を増加させる。
上記バーナ制御は、従来の如くの外気温度によって補正するというものでなく、また、排風循環量で決定した場合には乾燥終盤で多めの風調ファン制御となるが、排風循環率に基づいて補正するものであることから、循環率は全体風量が乾燥によって逐次変更する穀物乾燥機にとって有効であり、排風循環時の燃焼不安定に対応することができる。
そのほか、制御式に補正のための専用係数を設定することにより、テーブルと比較すると、大幅な特性変更をする場合を除き、排風循環量の変化に対して細やかな制御が可能となる。
2 昇降機
4 燃焼バーナ
5 加熱室(乾燥部)
6 操作盤
7 排気ファン
9 水分計
10 貯留室
11 乾燥部
13 熱風室(乾燥部)
14 流下通路
15 排風室
20 循環部
22 排風調節弁
23 排気口
31 外気導入口
Claims (2)
- 穀物を循環しつつ熱風によって乾燥処理する乾燥部(11)と、この乾燥部(11)から排出された排風を所定の循環率で同乾燥部(11)に循環する循環部(20)と、これら乾燥部(11)および循環部(20)を穀物の水分値に応じた循環率で乾燥運転制御する循環乾燥制御によって制御する制御部とを備える排風循環式穀物乾燥機において、上記制御部は、水分計からの水分値データが異常の場合に、循環率をゼロとして排風全量を機外排出する乾燥制御によって乾燥処理することを特徴とする排風循環式穀物乾燥機。
- 前記制御部は、異常判定の段階で所定の時間をかけて循環率を徐々に切換えることを特徴とする請求項1記載の排風循環式穀物乾燥機。
Priority Applications (1)
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JP2007067822A JP5040384B2 (ja) | 2007-03-16 | 2007-03-16 | 排風循環式穀物乾燥機 |
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JP2007067822A JP5040384B2 (ja) | 2007-03-16 | 2007-03-16 | 排風循環式穀物乾燥機 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014214890A (ja) * | 2013-04-23 | 2014-11-17 | 井関農機株式会社 | 穀物乾燥機 |
JP2015141013A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-03 | 井関農機株式会社 | 穀物乾燥機 |
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-
2007
- 2007-03-16 JP JP2007067822A patent/JP5040384B2/ja active Active
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