JP5040384B2 - 排風循環式穀物乾燥機 - Google Patents

排風循環式穀物乾燥機 Download PDF

Info

Publication number
JP5040384B2
JP5040384B2 JP2007067822A JP2007067822A JP5040384B2 JP 5040384 B2 JP5040384 B2 JP 5040384B2 JP 2007067822 A JP2007067822 A JP 2007067822A JP 2007067822 A JP2007067822 A JP 2007067822A JP 5040384 B2 JP5040384 B2 JP 5040384B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drying
circulation
exhaust
grain
exhaust air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007067822A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008224199A (ja
Inventor
伸治 二宮
栄治 西野
直樹 向山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iseki and Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iseki and Co Ltd filed Critical Iseki and Co Ltd
Priority to JP2007067822A priority Critical patent/JP5040384B2/ja
Publication of JP2008224199A publication Critical patent/JP2008224199A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5040384B2 publication Critical patent/JP5040384B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Description

本発明は、熱風によって穀物を乾燥処理する乾燥部とその排出風を循環する循環部とを備える排風循環式穀物乾燥機に関するものである。
特許文献1の図1に示されるように、熱風で穀物を乾燥する乾燥部と、その排出風を乾燥部に循環する循環通路(循環部)とを備える穀物乾燥機が知られている。
この穀物乾燥機は、水分計による穀物水分値に応じて排出風の一定率を循環することにより、熱風排出に伴う加熱ロスを抑えつつ、所定の穀物乾燥速度によって穀物品質を確保しつつ効率よく穀物乾燥運転をすることができる。
特開昭61−195266号公報
しかしながら、上記構成の穀物乾燥機は、穀粒の水分値に応じて乾燥運転することから、水分計からのデータが得られない場合、すなわち、水分計の故障や水分計を停止した状況においては、乾燥運転ができないという問題があった。
解決しようとする問題点は、排風循環による効率のよい乾燥処理を可能としつつ、水分計データが使用できない場合についても、乾燥処理を可能とする排風循環式穀物乾燥機を提供することにある。
請求項1に係る発明は、穀物を循環しつつ熱風によって乾燥処理する乾燥部11と、この乾燥部11から排出された排風を所定の循環率で同乾燥部11に循環する循環部20と、これら乾燥部11および循環部20を穀物の水分値に応じた循環率で乾燥運転制御する循環乾燥制御によって制御する制御部とを備える排風循環式穀物乾燥機において、上記制御部は、水分計からの水分値データが異常の場合に、循環率をゼロとして排風全量を機外排出する乾燥制御によって乾燥処理することを特徴とする。
上記制御部による乾燥制御により、水分計データがない状況においても全排出の乾燥設定の穀物乾燥の処理が進行する。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記制御部は、異常判定の段階で所定の時間をかけて循環率を徐々に切換えることを特徴とする。上記制御により、条件変化が緩和される。
請求項1の穀物乾燥機は、水分計異常時に制御部が全排出乾燥に制御することから、水分計データがない状況においても穀物乾燥の運転停止を招くことなく、穀物乾燥をすることができる。
請求項2の穀物乾燥機は、水分計異常時に徐々に運転切換えすることから、高湿度の排風循環乾燥からの乾燥条件の急変による胴割れを防止することができる。
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図1は、穀物乾燥機の内部構成を示す内部透視正面図である。
穀物乾燥機は、塔型構成の箱体1の上段部に穀物を貯留する貯留室10を、下段部にその穀物を受けて熱風乾燥する乾燥部11を構成する。貯留室10の上部には、穀物を上送する昇降機2から穀物を受ける搬入装置3、拡散羽根12を備え、同貯留室10の下部は乾燥部11の流下通路14に連通する。乾燥部11は流下通路14のほかに、熱風室13、排風室15、搬出装置17等を備える。
箱体1の前側は、正面図を図2に示すように、乾燥部11から穀物を上送するバケットコンベヤ等による昇降機2と、熱風を発生させる加熱手段であるバーナー4を内設した加熱室5と、乾燥作業を操作する各種スイッチを備える操作盤6とを備える。昇降機2は、箱体1の天井位置まで穀物を上送し搬入装置3が箱体1内まで搬送する。
箱体1の後ろ側は、背面図を図3に示すように、排気口23を形成し、箱体1内の熱風を吸引排出する排気手段である排気ファン7と排風調節弁22を設け、排気ファン7から乾燥部11に連通する循環手段としての循環通路20を分岐する。箱体1の側面には、穀物を投入する投入口19を開閉する開閉扉19aを備える。
(詳細構成)
機体各部について詳細に説明すれば、昇降機2には穀物の水分を検出する水分計9と箱体1内の穀物を機外に排出する穀物排出口18とをそれぞれ設け、搬入装置3には搬送用のラセン3aを内設してその搬送行程中に穀物に混じる藁屑等の夾雑物を集塵する集塵装置50を設ける。
乾燥部11にはバーナー4を内設した加熱室5を設け、加熱室5の前側には多数のスリットを形成した外気導入口31を設ける。加熱室5は外気導入口31から外気を受けるとともに、循環通路20と連通して循環された排気を受け、連通する熱風室13にバーナー4の燃焼面4aを対向して熱風を供給する。熱風室13は貯留室10から穀物が流下する流下通路14を挟んで排風室15から排気ファン7の吸引作用を受けることにより、熱風が同流下通路14を透過可能に構成する。
流下通路14の下端部には穀物を流下させつつ所定量ずつ繰り出す定量繰出手段としてのロータリバルブ16を設け、このロータリバルブ16の下方で移送ラセンを内設した搬出装置17により、繰り出された穀物を受けて昇降機2まで搬出する。
排気ファン7による吸引排気を開放する排気口23には、開閉調節用の排風調節弁22を設け、この排風調節弁22の直前位置で循環通路20を分岐することにより、排気を循環通路20側に送出するべく排風調節弁22を開度制御可能に構成することで、排気ファン7から排出された排気から任意の割合で加熱室5に循環調節できるようにしている。また、排風調節弁22は駆動モータ33で傾動可能な円盤状に形成されており、下部が後側に向かって上部が前側に向かって回動することで、受けた排気を下方の循環通路20に向かって案内する案内板としても機能する。
(循環通路)
循環通路20は、機体の部分破断による拡大側面図を図4に示すように、排気ファン7の排出側に取り付けられており、その始端側には排風調節弁22の直前位置の底部に凹状の第一塵埃貯留部20aを形成し、さらに、排気ファン7の下方から箱体1内の熱風室13内を貫通してその終端部の上方の加熱室5に連通して構成する。循環通路20の終端部の底部にも凹状の第二塵埃貯留部20bを形成する。
第一塵埃貯留部20aには貯留された塵埃を作業者が取り出すための清掃口20cを設ける。また、第二塵埃貯留部20bは前側に引き出し式に構成する。すなわち、第一塵埃貯留部20aと第二塵埃貯留部20bはいずれも箱体1外に備えることで貯留された塵埃を作業者が除去しやすく構成する。また、熱風室13の内部を貫通して循環通路20を配置することで排気の熱を保温できる構成としている。また、循環通路20の底面部には、塵埃排出用のスライドシャッター付きの清掃口(不図示)を設ける。
操作盤6については、図示はしないが、張込量の設定スイッチ、仕上がり水分の設定スイッチ、穀物種類の設定スイッチ、張込開始スイッチ、通風開始スイッチ、乾燥開始スイッチ、排出開始スイッチと、停止スイッチ、各種数値の表示板等を備えている。また、操作盤6内には乾燥作業の制御をする制御部を備えている。
そのほかに、図示はしないが、循環通路20には排気ファン7で排出された排気の温度を検出する排気温度センサと、排気の相対湿度を検出する排気湿度センサとを設け、また、外気導入口31の近傍に外気温センサを配置し、排気ファン7の近傍に排気湿度センサを配置し、その他、穀温センサの信号を合わせてそれらの信号に応じて運転制御を行う。
(乾燥処理)
次に、乾燥作業について説明する。
作業者は張込開始スイッチを操作して開閉扉19aが開いた投入口19に穀物を順次投入する。投入された穀物は搬出装置17によって昇降機2まで搬送され、昇降機2から搬入装置3を経て貯留室10に供給されていく。穀物の投入終了後、乾燥開始スイッチを操作すると燃焼バーナ4が作動し、燃焼面4aに発生する炎によって熱風が熱風室13に供給される。一方、ロータリバルブ16も駆動を開始し、流下通路14を流下する穀物を順次排出装置17に繰り出していく。熱風室13に供給された熱風は熱風室13を形成する熱風室体14aに多数形成するスリット(図示せず)を通過して流下通路14に流入する。そして、流下する穀物中の水分を奪って排風室15に流入する。排風室15に流入した熱風は排気ファン7で吸引排出される。
排出された排風は排風調節弁22で遮られ下方の循環通路20に流入し、乾燥機前側の加熱室5に向かって循環され、その途中で排風中に含まれる塵埃は循環始端側の第一塵埃貯留部20a及び循環終端側の第二塵埃貯留部20bに落下して貯留される。
次に排風調節弁22の開度の制御方法について説明する。
外気温度センサで検出された外気温が20℃で外気湿度センサで検出された外気湿度が70%で制御部で算出された絶対湿度が13g/m3(立方メートルを「m3」と表記)とする。そして、制御目標とする排風を例えば排風温度が30℃で排風湿度が70%、そして絶対湿度を25g/m3とした場合とする。そして、本実施例の排気ファン7の風量を1900m3/hで、穀物乾燥機に供給された穀物(籾)量を800kg、乾減率(一時間あたりに乾燥される水分の割合)を1.2%/hとした場合、どの程度の割合の排風を熱風室13に循環するかを以下の式より求める。
絶対湿度−絶対湿度=12(g/m3) …(イ)
外気が吸水できる最大吸水量は
12×1900/1000≒23(kg) …(ロ)
そして、一時間あたりに乾燥機から除去される水分量は
800(kg)×1.2(%/h)=9.6(kg/h)…(ハ)
(ロ)の式と(ハ)の式より
23/(9.6+23)≒0.71(71%) …(ニ)
すなわち、排気ファン7から排出される排風量の71%を熱風室13に循環すべく排風調節弁22を調節する。
なお、排風調節弁22が排風量の71%より多くの量を熱風室13に循環するよう調節された場合には、多くなればなるほど循環される水分量が多くなるため、穀物から新たに水分を除去し難くなる。また、排風調節弁22が排風量の71%より少ない量を熱風室13に循環した場合には熱風室13に循環される熱量が少なくなるため、穀物の温度の上昇がし難くなり乾燥速度が遅くなる。
本実施の形態の式に基づいて排風調節弁22の開度を調節して排風を熱風室13に循環する割合を調節することで、排気ファン7から排出された排風が帯びる熱、すなわち吸水力をできる限り適正に利用することで燃焼効率の良い乾燥作業を行うことができる。
本実施の形態の乾燥制御についてさらに詳述すると、外気温度センサと外気湿度センサで外気の温度と湿度とを検出し、制御部で外気の絶対湿度を算出し、外気の絶対湿度と穀物水分や外気絶対湿度の条件から予め設定する排風の絶対湿度とを比較する温度及び相対湿度時の排風の絶対湿度とを比較して、その差異(増加水量)を外気が吸収できる最大の吸水量として算出する。そして、一方では乾燥作業により乾燥機から蒸発する蒸発水量(本実施の形態では前述の一時間あたりに乾燥機から除去される水分量)を求め、増加水量が乾燥作業による蒸発水量と合算された値に対する割合が、排風を循環できる割合と考えるものである。すなわち、前記(二)の式は
増加水量/(増加水量+蒸発水量)
を示している。
従来の熱風乾燥においては、穀物の表面の水分を除去する毎に穀物内部の水分が熱伝導を利用した水分移動で穀物の表面に順次出てくる性質を利用して乾燥するため、高速乾燥を行なうために急激に高温で乾燥を行なうと穀物表面と内部との水分差が大きくなり、胴割れを起こし易いという欠点があるのに対し、本実施の形態の排風乾燥においては、排風中に含まれる熱と水分を同時に熱風路に循環することで、穀物表面から除去されようとする水分を排風中に含まれる水分で抑止して穀物内部の水分勾配を一定にすることで穀物を割れ難くすると共に、排風中の熱を余分に与えることで穀温を短時間で上昇させることで、高速な乾燥を可能にするものである。
(循環通路詳細)
次に、循環通路について詳細に説明する。
循環通路20の途中部に、すなわち、第一塵埃貯留部20aと後述の開口部20w…との間に、全断面回動板を軸支して構成される開閉弁20eを設けて構成する。穀物乾燥機の運転条件により排気口23から100%を排出する場合は、上記開閉弁20eを全閉して運転する。この穀物乾燥機は、乾燥部11が機体前面側から外気を吸引していることから排気ファン7側に排気抵抗を受けると循環通路20から排気を吸引することとなるが、上記のように排気口23から100%を排出する場合において、排気ファン7の出口付近で風の抵抗を受けても、上記開閉弁20eにより循環通路20の側に排気が逃げるのを防止することができる。
また、循環通路20には、乾燥部11と連通する開閉調節可能な複数の開口部20w…を循環通路20の長手方向に沿って配置する。各開口部20wの開閉手段としての開口調節部材は、スライドシャッター20sに手動制御用の操作ロッド20rを連結してこの操作ロッド20rを機体外部まで延ばして構成する。
上記構成の循環通路20は、加熱室5側の通風抵抗が変化しない限り、排気循環量(率)によって循環通路20内の圧力勾配が定まり、また、排気ファン7側は大気圧より高い吐出圧を受け、排気循環量が大きい場合は加熱室5側の減圧の圧損の方が大きく、バーナー近傍まで加圧状態となるので、循環通路20の全長における中間範囲でプラスからゼロになり、循環通路20の出口である加熱室5の側で大気圧よりややマイナスになるようにスライドシャッター20sを開閉操作することにより、各開口部20wからの減圧を受けて加熱室5に近づくにつれて徐々に圧力低下するように調節する。このようにスライドシャッター20sを開閉操作することにより、加熱室5付近で循環供給された排気による塵埃の吹き出しを防止することができる。
(循環率制御)
次に、排風循環式穀物乾燥機の乾燥制御について説明する。
排風循環式穀物乾燥機は、所定の水分値になるまで乾燥対象の穀物を循環させつつ乾燥部11で乾燥処理し、その処理段階に応じて循環部20からの循環量を制御し、すなわち、乾燥運転の開始当初の所定時間についてゼロ循環制御(全排出制御)、次いで、所定温度まで全循環制御した上で、水分値と対応する対応循環制御を行う。
詳細には、ゼロ循環制御は、少なくとも通常の乾燥運転時の所定の循環率より小さく、好ましくは循環率0%で循環なしとする循環量制御である。このゼロ循環制御により、乾燥運転の開始当初の所定時間について、乾燥部11の排出風が機外に排出され、それに伴って乾燥部11の穀物に混入または付着している塵埃を機外に排出することができる。その結果、塵埃の機外排出と対応して穀物品質が確保されるとともに、塵埃による機器障害を小さく抑えることができる。
この場合において前記制御部は、循環動作する穀物の一巡に要する時間としてその穀物量に応じた一巡時間を算出し、この一巡時間をゼロ循環制御による運転時間として設定することにより、循環穀物が一巡する間にその全量について全排出制御がなされて塵埃が除去されるとともに、無駄なく本来の乾燥運転に移行することができる。
全循環制御は、少なくとも前記所定の循環率より大きく、好ましくは、75%以上でさらには排出風の全量が乾燥部に循環される循環率100%に及ぶ範囲の循環量とする制御である。このように、乾燥初期の範囲において強制循環による上記全循環制御を導入することにより、一般に気密性が不十分な乾燥機において、高湿環境下で安定して迅速に穀温を上昇することができる。したがって、一般の乾燥制御の通例によれば、水分計と外気温の条件から循環率を算出すると乾燥初期は20%を切り、また、外気温が30℃では循環率が0%となる場合があり、高速乾燥が確保できないという問題があったが、その解消を図ることができる。
また、穀温上昇優先による積算温度が大きくなって品質低下を起こす場合があることから、乾燥初期の範囲として、循環穀物が所定温度(およそ36℃)に達するまでの間に限定することにより、上記問題を回避しつつ、穀物品質を確保した上で、効率よく本来の乾燥運転に移行することができる。
(対応循環制御)
対応循環制御は、循環穀物の水分値に応じて設定した循環率による循環風量に調節する制御である。具体的には、予め得られている理想的な穀物乾燥運転に必要な穀物水分と排風絶対湿度との関係に沿って循環率を制御する。例えば、図5の乾燥特性図に示すように、穀物水分の低下に従って排風絶対湿度を低下するように循環率を調整する。
この場合において、高速化のポイントは、蒸発量を押さえ込むために必要な湿度であり、その関係は穀物水分に密接な関係があり、上記循環穀物が所定温度に達した以降の乾燥処理について、上記対応循環制御により、穀物水分値に適合した排風絶対湿度条件を満たすことができるので、穀物品質を確保しつつ、高速の乾燥処理が可能となる。
以上に説明した排風循環式穀物乾燥機の乾燥制御により、従来なされていた循環率一定として適宜の排風循環を行う乾燥運転に比較して、排風循環による効率のよい乾燥処理を確保した上で、穀物に付着混入している塵埃の循環による機器障害を回避するとともに、高速且つ高品質の穀物乾燥処理が可能となる。
(水分計との関係)
次に、上記構成の穀物乾燥機の具体的な運転制御について説明する。
上記穀物乾燥機は、水分計の水分値によって予め目標排風絶対湿度を登録しておき、この値によって排風循環量を算出して排風循環によって乾燥処理する制御部を設けて構成し、また、水分計を取外したり、水分計を切った場合については、排風循環乾燥に入らずに、排風循環弁を100%機外排出とし、設定温度は、乾燥速度が「普通」のモードであっても、高速乾燥の「普通」から通常乾燥の「普通」の温度設定に変更する。
このような設定変更によって乾燥運転することにより、排風循環による効率のよい乾燥処理を可能としつつ、水分計データが使用できない場合について運転停止の事態を招くことなく、穀物品質を損なうことのない安定した乾燥処理が可能となる。
また、図6の運転制御処理のフローチャートに示すように、水分計の水分値によって予め目標排風絶対湿度を登録しておき、この値により排風循環量を算出して排風循環によって乾燥スタートから乾燥制御処理(S1a〜S1d)し、水分計が何らかの原因で故障した場合は、水分計異常の判定処理(S2)によって異常検出した段階で排風循環弁を作動させ、排風を100%機外排出によって乾燥制御(S3〜S5)をする。
上記運転制御のように、水分計異常についての判定処理を組み込むことにより、排風循環による乾燥処理に必須の水分計が故障や停止の状況においても、水分計の現況を気にすることなく穀物品質を損なうことのない安定した乾燥処理が可能となる。
さらに、上記の異常検出の場合において、図7のフローチャートに示すように、異常判定の段階で排風循環弁の作動を徐々に行い、100%排出まで時間をかけて切換え(S3a、S3c)、かつ、高速乾燥用の設定温度から通常乾燥の普通の乾燥速度設定温度に変更(S3b)することにより、高速乾燥対応の大燃焼を続けた場合の胴割を防止できる。
上記制御処理においては、水分計の故障までは高速乾燥の排風循環を行い高湿高温の状態であって、これを一気に排風循環をやめると穀温上昇させた分がすべて気化熱になり、2%毎時近くの乾燥速度となって瞬間胴割する可能性があることから、そのような事態を回避することができる。
(制御処理別例)
次に、水分計異常時の別の制御処理について説明すると、水分計が異常を起こした際に、安全側の排風循環率30%〜40%程度に定めた循環率で乾燥処理し、この時の乾燥速度を高速乾燥の「遅い」に該当する1.0%毎時程度に遅くする。
この制御処理は、通常乾燥の「普通」で乾燥を行うよりも、所定の循環率による高速乾燥の「遅い」を固定的に行った方が速く乾燥することができることから、前述の制御処理による乾燥速度の弊害を解消して高速乾燥の利点を生かすことができる。
(高速乾燥休止工程)
次に、高速乾燥における休止工程について説明する。
排風循環によって高速乾燥を行っている間は穀物表面が高温高湿の状態であり、そのまま休止すると穀物が蒸れて胴割れしやいすい状況に陥るので、休止水分によって休止を決定するモードの場合においては、下記の一連のステップにより、休止工程に入る際に必ず穀物1循環の通風を行ってから停止する。
その具体的な制御処理は、第1ステップとして、張込量の設定に基づき穀物の一循環時間を算出し、第2ステップとして、乾燥速度設定値から一循環通風を行った場合の水分低下を算出し、第3ステップとして、上記第2ステップから第1ステップの停止水分より熱風乾燥を停止する水分値を算出し、第4ステップとして、上記第3ステップの停止水分から第1ステップの1循環通風乾燥を行い休止に入る。
このようにして穀物が蒸れて胴割れしやいすい状況を回避することができ、その後、上記休止工程を終えて再乾燥を開始する時は、乾燥開始時の1循環についての100%の排風排出工程を行わず、いきなり水分計の水分値によって排風循環量を算出し、排風弁を制御して乾燥工程に入る。
排風循環によって高速乾燥を行う場合は、乾燥開始時に穀物の埃が多いことと蒸れがあること等の理由から、100%の排風排出を行ってから排風循環に入る工程が理想であるが、一度乾燥を開始して休止工程にあったものを再乾燥する場合はいきなり排風循環制御を行った方がより速く乾燥することができる。
(仕上がり付近の制御)
次に、高速乾燥の仕上がり付近の制御について説明する。
排風循環を停止するタイミングは、乾燥速度と穀温に応じて変更し、仕上がり付近で排風循環制御を停止すると同時に設定温度を所定値に低下する。
具体的には、仕上がり設定水分値(α)に対して所定の水分値(β)を加えた値(α+β)の水分になるった時に、排風循環弁を切換えて全排出もしくはそれに近い状態で乾燥終了する。上記βの値を固定にすると、乾燥速度が速く、熱風温度が高い場合は穀温が上がりすぎて乾燥後に水分が進むことがあるので、乾燥速度が速いほどβの値を大きく、また、穀温が高いほどβの値を大きくする。また、設定水分に対する排風循環停止水分に入った場合において、設定熱風温度を基準熱風温度よりも所定値低下させ、この設定温度で排風循環なしで乾燥し、仕上げ終了する。
このように、設定水分値(α)付近で排風循環を停止することにより、穀粒内部にある熱量を外部に引き出すことができるので、乾燥終了後の水分の進みを防止できる。また、熱風温度のテーブル値は排風循環することを目的に設定したものであることから、この熱風温度の設定のままで排風循環なしに乾燥したときの過大な燃焼を適切化することができる。
(バーナ制御)
次に、バーナ制御については、燃焼量と一次空気量との関係(燃焼オンタイムと風調ファン回転数との関係)を予め登録しておき、この関係を排風循環率によって変更する。具体的には、燃焼量と一次空気量の関係図を図8に示すように、排風循環率(弁開度)を上げるほど風調ファンの回転数を増加させる。
上記バーナ制御は、従来の如くの外気温度によって補正するというものでなく、また、排風循環量で決定した場合には乾燥終盤で多めの風調ファン制御となるが、排風循環率に基づいて補正するものであることから、循環率は全体風量が乾燥によって逐次変更する穀物乾燥機にとって有効であり、排風循環時の燃焼不安定に対応することができる。
一方、麦の乾燥制御の場合は、上記にように排風循環率で決定すると、乾燥の終盤では設置場所の差において全体の風量が減少して乾燥異常が起こることがあるので、排風循環量に基づいて補正することにより個体差による風量差に対応でき、また、設置場所において全体風量が異なる場合についても確実に対応することができる。
また、上記バーナ制御においては、ポンプのオンタイムと風調ファンの回転数の変更を各排風循環率または排風循環量においてテーブルデータあるいは固定の関係式として設定することにより、排風循環量に対する細やかな制御を除き、別テーブルに基づき傾きが大幅に変更する特性の場合に有効となる。
そのほか、制御式に補正のための専用係数を設定することにより、テーブルと比較すると、大幅な特性変更をする場合を除き、排風循環量の変化に対して細やかな制御が可能となる。
本発明の穀物乾燥機の内部構成の正面図である。 図1の循環型穀物乾燥機の正面図である。 図1の循環型穀物乾燥機の背面図である。 機体の部分破断による拡大側面図である。 穀物の乾燥特性図である。 運転制御のフローチャートである。 異常検出の場合のフローチャートである。 燃焼オンタイムと風調ファン回転数との関係図である。
符号の説明
1 箱体
2 昇降機
4 燃焼バーナ
5 加熱室(乾燥部)
6 操作盤
7 排気ファン
9 水分計
10 貯留室
11 乾燥部
13 熱風室(乾燥部)
14 流下通路
15 排風室
20 循環部
22 排風調節弁
23 排気口
31 外気導入口

Claims (2)

  1. 穀物を循環しつつ熱風によって乾燥処理する乾燥部(11)と、この乾燥部(11)から排出された排風を所定の循環率で同乾燥部(11)に循環する循環部(20)と、これら乾燥部(11)および循環部(20)を穀物の水分値に応じた循環率で乾燥運転制御する循環乾燥制御によって制御する制御部とを備える排風循環式穀物乾燥機において、上記制御部は、水分計からの水分値データが異常の場合に、循環率をゼロとして排風全量を機外排出する乾燥制御によって乾燥処理することを特徴とする排風循環式穀物乾燥機。
  2. 前記制御部は、異常判定の段階で所定の時間をかけて循環率を徐々に切換えることを特徴とする請求項1記載の排風循環式穀物乾燥機。
JP2007067822A 2007-03-16 2007-03-16 排風循環式穀物乾燥機 Active JP5040384B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007067822A JP5040384B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 排風循環式穀物乾燥機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007067822A JP5040384B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 排風循環式穀物乾燥機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008224199A JP2008224199A (ja) 2008-09-25
JP5040384B2 true JP5040384B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=39843030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007067822A Active JP5040384B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 排風循環式穀物乾燥機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5040384B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6094358B2 (ja) * 2013-04-23 2017-03-15 井関農機株式会社 穀物乾燥機
JP6195225B2 (ja) * 2014-01-30 2017-09-13 井関農機株式会社 穀物乾燥機

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61195266A (ja) * 1985-02-22 1986-08-29 井関農機株式会社 穀粒乾燥機
JPH0195282A (ja) * 1987-10-05 1989-04-13 Iseki & Co Ltd 乾燥機における穀物乾燥制御方法
JP4178494B2 (ja) * 2000-03-09 2008-11-12 株式会社サタケ 穀物乾燥装置
JP4379388B2 (ja) * 2005-06-30 2009-12-09 井関農機株式会社 穀粒乾燥機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008224199A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4379388B2 (ja) 穀粒乾燥機
JP5125419B2 (ja) 乾燥装置
JP5729355B2 (ja) 乾燥装置
JP5151289B2 (ja) 乾燥機
JP2007010247A5 (ja)
JP2009024948A5 (ja)
WO2018047640A1 (ja) 穀物乾燥機及び該穀物乾燥機の使用方法
JP2010144969A (ja) 排風循環型穀粒乾燥機
JP4737048B2 (ja) 排風還流式穀物乾燥機
JP4696940B2 (ja) 穀粒乾燥機
JP5040384B2 (ja) 排風循環式穀物乾燥機
JP2007205600A5 (ja)
KR20140140054A (ko) 곡립 건조 방법
JP5201230B2 (ja) 排風還流式穀物乾燥機
JP5310786B2 (ja) 乾燥機
JP2014228256A (ja) 穀物乾燥機
JP5152283B2 (ja) 穀粒乾燥機
JP5245317B2 (ja) 農産物用乾燥機
JP2008045865A (ja) 穀粒乾燥装置
JP5422965B2 (ja) 排風循環型穀粒乾燥機
JP2012021768A (ja) 穀粒乾燥機
JP2592997B2 (ja) 除湿乾燥機
JP5402950B2 (ja) 穀粒乾燥機
JP2008185311A (ja) 穀粒乾燥機
JP2009024955A (ja) 乾燥装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5040384

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3